(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-501900(P2017-501900A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(54)【発明の名称】ステレオリソグラフィ機械のための改良されたカートリッジ、前記改良されたカートリッジの収容に適したステレオリソグラフィ機械、及び、前記改良されたカートリッジの使用方法
(51)【国際特許分類】
B29C 67/00 20170101AFI20161222BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20161222BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20161222BHJP
【FI】
B29C67/00
B33Y30/00
B33Y10/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2016-524572(P2016-524572)
(86)(22)【出願日】2014年12月17日
(85)【翻訳文提出日】2016年6月14日
(86)【国際出願番号】IB2014067038
(87)【国際公開番号】WO2015092717
(87)【国際公開日】20150625
(31)【優先権主張番号】VI2013A000302
(32)【優先日】2013年12月19日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516114857
【氏名又は名称】コスタベベーレ,エットーレ,マウリツィオ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】コスタベベーレ,エットーレ,マウリツィオ
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AR02
4F213WA25
4F213WB01
4F213WF01
4F213WF27
4F213WF41
4F213WF46
4F213WL06
4F213WL12
4F213WL32
4F213WL74
4F213WL96
(57)【要約】
ステレオリソグラフィ機械のためのカートリッジ(1)は、アクセス開口部(3)とアクセス開口部(3)の反対側の透明底部(4)とが設けられるコンテナ(2)と、液体またはペースト状の基材の含有に適しており、コンテナ(2)と取り外し不可能に結合されるリザーバ(5)と、リザーバ(5)からコンテナ(2)への基材の通過を可能にすることに適しており、リザーバ(5)に存在する圧力とコンテナ(2)に存在する圧力との間の差圧が所定の値と少なくとも等しいときに開き、差圧が所定の値より小さいときに自然に閉まるように構成される弁手段(6)とを備え、リザーバ(5)が外部の空気供給装置(8)への接続のための密着接続手段(7)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁によって区切られ、アクセス開口部(3)と前記アクセス開口部(3)の反対側の透明底部(4)とが設けられるコンテナ(2)と;
前記コンテナ(2)と取り外し不可能に結合され、液体またはペースト状の基材の含有に適したリザーバ(5)と;
前記基材の通過のために前記リザーバ(5)を前記コンテナ(2)に接続している弁手段(6)と;
を備え、
前記弁手段(6)が、前記リザーバ(5)に存在する圧力と前記コンテナ(2)に存在する圧力との間の差圧が所定の値と少なくとも等しいときに開き、前記差圧が前記所定の値より小さいときに自然に閉まるように構成され、前記リザーバ(5)が外部の空気供給装置(8)への接続のための密着接続手段(7)を備える
ことを特徴とする、
ステレオリソグラフィ機械のためのカートリッジ(1)。
【請求項2】
前記弁手段(6)が、通常閉じられており、前記所定の値と少なくとも等しい前記差圧の影響のために弾力的に開くように構成される、穴(10)に設けられる第1の膜(9)を備える
ことを特徴とする、
請求項1に記載のカートリッジ(1)。
【請求項3】
前記接続手段(7)が、前記リザーバ(5)の壁に属し、針状要素による穿孔に適し、同時に、前記針状要素が第2の膜(11)を通過するように配置されるときにその締めつけを維持する、前記第2の膜(11)を備える
ことを特徴とする、
請求項1または2に記載のカートリッジ(1)。
【請求項4】
前記リザーバ(5)に、前記コンテナ(2)の外周を区切る環状壁(36)が設けられる
ことを特徴とする、
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のカートリッジ(1)。
【請求項5】
前記環状壁(36)が、互いに対向する半円形の部分(37)を2つ備える
ことを特徴とする、
請求項4に記載のカートリッジ(1)。
【請求項6】
前記透明底部(4)が、外縁(4a)によって外周が区切られ、前記外縁(4a)が、前記リザーバ(5)の全体寸法内にとどまるように、前記リザーバ(5)に属するキャビティ(5a)に収容される
ことを特徴とする、
請求項4または5に記載のカートリッジ(1)。
【請求項7】
前記リザーバ(5)が、前記透明底部(4)とともに、90°より大きく、180°より小さい角度を形成する傾斜壁(12)によって内部で区切られ、前記弁手段(6)が、前記コンテナ(2)に最も近い前記傾斜壁(12)の縁部の高さに配置される
ことを特徴とする、
請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のカートリッジ(1)。
【請求項8】
支持構造体と、
前記支持構造体と結合されて、安定した動作位置で、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のカートリッジ(1)を取り外し可能に収容するように構成されるハウジング(14)と
を備え、
前記カートリッジ(1)が前記ハウジング(14)に配置されるとき、前記カートリッジ(1)の前記接続手段(7)にしっかりと接続されるのに適した供給ダクト(15)が設けられる空気供給装置(8)を備え、前記空気供給装置(8)が、前記リザーバ(5)に存在する圧力を変更するように動作するのに適している
ことを特徴とする、
ステレオリソグラフィ機械。
【請求項9】
前記カートリッジ(1)が請求項3に従い、前記供給ダクト(15)が、前記カートリッジ(1)が前記動作位置に配置されるとき、前記第2の膜(11)を通して配置されるのに適した針状端部(16)を備える
ことを特徴とする、
請求項8に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項10】
前記ハウジング(14)が、前記動作位置に前記カートリッジ(1)を維持するように構成される停止手段(17)を備え、前記停止手段(17)が、前記カートリッジ(1)を前記ハウジング(14)から切り離すように解放されることに適している
ことを特徴とする、
請求項8または9に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項11】
前記ハウジング(14)が、側面で前記カートリッジ(1)を支えるのに適した、前記透明底部(4)に対応する支持ベース(18)を備え、
前記支持ベース(18)が、前記支持面(19)から張り出す収納縁部(20)によって区切られる支持面(19)を画定し、前記支持面(19)上での前記カートリッジ(1)の摺動移動を防止するように前記カートリッジ(1)と接触して配置されることに適しており、
前記停止手段(17)が、前記支持面(19)に対して反対側の前記カートリッジ(1)と接触して配置することができるように、前記支持面(19)に面することに適したカバー(21)を備える
ことを特徴とする、
請求項10に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項12】
前記カバー(21)が前記支持ベース(18)と繰り返し結合される第1の縁部(22)を有し、スナップ嵌め手段(24)が、前記第1の縁部(22)の反対側の前記カバー(21)の第2の縁部(23)を前記支持ベース(18)に解放可能に接続するために設けられている
ことを特徴とする、
請求項11に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項13】
前記収納縁部(20)が互いに対向する第1の端部(26)及び第2の端部(27)が設けられる作動壁(25)を備え、
前記作動壁(25)に関して、前記カバー(21)が前記カートリッジ(1)と接触して配置されるとき、前記カバー(21)の回転を防止するように、前記第2の端部(27)が前記カバー(21)に対して配置される停止位置と;
前記支持ベース(18)に対して前記カバー(21)の開口部に対応する方向への前記カバー(21)の回転を可能にするように、前記第2の端部(27)が配置される解放位置と
を画定するように、前記第1の端部(26)が前記支持ベース(18)と繰り返し結合される
ことを特徴とする、
請求項12に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項14】
前記第2の端部(27)に、前記カバー(21)の前記回転を制限するのに適した停止面(28)が設けられる
ことを特徴とする、
請求項13に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項15】
前記停止面(28)が、前記カバー(21)の前記第2の縁部(23)に面する凹部(29)を画定し、前記第2の縁部(23)が、前記作動壁(25)の回転を制限するように、前記凹状部分(29)の内部に配置されるように構成される
ことを特徴とする、
請求項14に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項16】
前記解放位置から前記停止位置の方への前記作動壁(25)の復帰を強制するのに適した第1の弾性手段(30)を備える
ことを特徴とする、
請求項13〜15のうちいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項17】
前記作動壁(25)は、前記カートリッジ(1)の摺動的な収容に適した貫通開口部(31)を備える
ことを特徴とする、
請求項13〜16のうちいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項18】
前記貫通開口部(31)が、前記支持面(19)に対して持ち上げられ、前記透明底部(4)が前記支持面(19)から持ち上げられてとどまるように、前記カートリッジ(1)の前記支持面(19)に対する傾きを維持するのに適した縁部(32)を備える
ことを特徴とする、
請求項17に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項19】
前記カバー(21)の前記第1の縁部(22)には、前記支持ベース(18)に属する対応する開口部(34)に取り外し可能に挿入される少なくとも1つのタブ(33)が設けられ、
前記少なくとも1つのタブ(33)及び前記開口部(34)が、前記支持ベース(18)に対する前記カバー(21)の回転、及び前記支持ベース(18)からの前記カバー(21)の取り外しを可能にするように構成される
ことを特徴とする、
請求項12〜18のうちいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項20】
前記支持ベース(18)に対して開く方向に前記カバー(21)を回転させるのに適した第2の弾性手段(35)を備える
ことを特徴とする、
請求項12〜19のうちいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項21】
前記ハウジング(14)が、前記アクセス開口部(3)で画定される平面と平行な移動方向に従って、前記支持構造体と取り外し可能に結合され、
前記供給ダクト(15)が変形可能である
ことを特徴とする、
請求項8〜20のうちいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項22】
前記供給ダクト(15)が、取り外し可能に前記接続手段(7)に接続することができるように構成される
ことを特徴とする、
請求項8〜21のうちいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項23】
空気供給装置(8)に動作可能に接続され、前記カートリッジ(1)の前記第2の膜(11)に穴をあけるのに適した針状端部(16)が設けられる供給ダクト(15)を備えるステレオリソグラフィ機械を準備することと;
前記第2の膜(11)を通して前記針状端部(16)を挿入することと;
前記リザーバ(5)に存在する圧力と前記コンテナ(2)に存在する圧力との間の前記所定の値より高い差圧を生成するように前記空気供給装置(8)を動作させることと
を含む
ことを特徴とする、
請求項3に記載のカートリッジ(1)の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステレオリソグラフィ機械のための交換可能なカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
公知のように、ステレオリソグラフィ技術は、所定の放射、一般に光放射への曝露によって固体化される液体またはペースト状の基材の複数の層の重畳によって三次元物体を作ることを可能にする。
【0003】
公知のタイプのステレオリソグラフィ機械は、基材を含むのに適していて、所定の放射光に対して透明である底部が設けられるコンテナを備える。
【0004】
この機械はさらに、前記所定の放射光を放出するのに適していて、コンテナの下に配置される放出手段を備え、それはコンテナの底部に隣接する基材の層を選択的に固体化する。
【0005】
固体化された層は、最後の固体化される層を固体化前に基材の前記層に隣接させて配置することを可能にするために、垂直方向に移動させるように駆動されるモデリングプラットフォームで支えられる。
【0006】
イタリア特許出願第VI2012A000183号明細書に記載される実施形態によると、コンテナは、技術的な専門用語では「カートリッジ」と呼ばれる、取り外し可能な装置に属し、それは基材を含有するのに適していて、それを有する単体を形成するように、取り外し不可能な方法でコンテナと結合されるリザーバも備える。
【0007】
必要に応じて、基材は、2つの要素を接続する弁手段による、リザーバからコンテナへの流れが作られる。
【0008】
前記カートリッジはいくつかの利点を提供し、その中には、必要なときに必要な範囲でコンテナの自動追加を可能にする利点、ならびに、リザーバ及び基材供給システムがカートリッジに組み込まれ、それによって、基材が機械の任意の部品を汚さないことによる、ステレオリソグラフィ機械をきれいにする必要性を避ける利点が含まれる。
【0009】
全体として、前記カートリッジはステレオリソグラフィ機械の使用をかなり簡単にし、たとえば、金細工または歯科の分野で働く作業者などの未熟な作業者による使用でさえ適切にさせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のカートリッジ及び公知の分野に属するカートリッジと比較して、特に製造が簡単である、改良されたカートリッジを提供することが本発明の目的である。
【0011】
簡単かつ迅速な方法で、ステレオリソグラフィ機械に接続できるカートリッジを提供することが本発明の別の目的である。
【0012】
前記カートリッジとの作動に適したステレオリソグラフィ機械を提供することも本発明の目的である。
【0013】
カートリッジ自体の使用方法を提供することは、本発明の別の、しかし最低ではない目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的は、主請求項によって実行されるカートリッジで実現される。
【0015】
前記目的は、請求項8によるステレオリソグラフィ機械、及び、請求項23によるカートリッジの使用方法によっても、実現される。
【0016】
本発明の変形実施形態は、対応する従属請求項で示される。
【0017】
有利なことには、本発明のカートリッジの簡単な構築構造は、製造を特に経済的にし、大量生産に好適である。
【0018】
さらに有利なことには、カートリッジのステレオリソグラフィ機械への簡単な接続は、その可能な限りに普及に有利なように、機械自体の使用をさらに簡単にする。
【0019】
以下で言及されるその他の内容とともに、前記目的及び利点は、添付図面に関して限定されることなく、例として提供される本発明の好ましい実施形態の説明において明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の主題であるカートリッジの概略軸測投影図を示す。
【
図2】
図2は、本発明のステレオリソグラフィ機械の一部の概略軸測投影図を示す。
【
図3】
図3は、
図2に示された部分の異なる作動構成における軸測投影図を示す。
【
図4】
図4は、
図2に示された部分の対称面による断面図を示す。
【
図5】
図5は、
図2に示された部分と関連する、
図1に示されたカートリッジの側面図を示す。
【
図6】
図6は、
図5に示されたものと異なる作動構成における、
図2に示された部分と関連する、
図1のカートリッジの軸測投影図を示す。
【
図7】
図7は、対称面による断面図における、
図6にともに関連する、
図1のカートリッジ及び
図2の部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示され、本明細書において全体として1で示される、本発明の主題であるステレオリソグラフィ機械のためのカートリッジは、アクセス開口部3と、前記アクセス開口部3に面して、反対側にある透明底部4とが設けられるコンテナ2を備える。
【0022】
アクセス開口部3は、導入部で記載され、図では示されていないが、それ自体は知られているタイプのステレオリソグラフィ機械のモデリングプラットフォームの、コンテナ2へのアクセスを可能にすることが意図される。
【0023】
透明底部4は、所定の放射光がそれを通過することを可能にし、前記所定の放射光は、その中に含まれるあらかじめ選択された液体またはペースト状の基材を選択的に固体化することが可能である。
【0024】
好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、基材は光硬化性樹脂または感光性樹脂であり、所定の放射光は光線、たとえば光ビームである。
【0025】
カートリッジ1はまた、前記基材の含有に適しており、コンテナ2を有する単一の本体を形成するリザーバ5も備える。
【0026】
カートリッジ1はまた、リザーバ5からコンテナ2への基材の通過を可能にするようにリザーバ5をコンテナ2に接続する弁手段6も備える。
【0027】
本発明によると、弁手段6は、リザーバ5に存在する圧力とコンテナ2に存在する圧力との間の差圧が所定の値と少なくとも等しいときに開き、前記差圧が前記所定の値よりも小さいとき自然に閉まるように構成される。
【0028】
リザーバ5は、リザーバ5を外部の空気供給装置に接続するのに適した密着接続手段7をさらに備える。
【0029】
上記の弁手段6及び接続手段7は、リザーバ5に存在する圧力を増加させるように空気供給装置を単に作動させることによって、基材の流出を制御することを可能にし、空気供給装置を停止させることによって前記流出を停止させる。
【0030】
好ましくは、弁手段6は穴10に設けられる第1の膜9を備え、それは通常閉じられており、所定の値を超える前記差圧の影響の結果として弾力的に開くように構成される。
【0031】
有利なことには、前記第1の膜9は、弁手段6を製造する特に経済的な方法を示し、それによって、カートリッジ1のコストを制限することを可能にする。
【0032】
好ましくは、複数の弁手段6は、コンテナ2の外周を区切る壁36のさまざまな位置に配置され、上記のタイプの対応する第1の膜9を備える。
【0033】
好ましくは、接続手段7は、リザーバ5の壁に属し、針状要素による穿孔に適し、同時に、針状要素が第2の膜11を通過するように配置されるときにその締めつけを維持する第2の膜11を備える。
【0034】
有利なことには、前記第2の膜11は、以下に詳細に説明するように、簡単かつ迅速な方法でリザーバ5を空気供給装置8に接続することを可能にする。
【0035】
好ましくは、リザーバ5には、コンテナ2の周囲壁に対応する環状壁36が設けられる。
【0036】
有利なことには、リザーバ5がコンテナ2の外周を区切るという事実は、コンテナ2の方への基材の均一かつ急速な流出を保証するように、弁手段6をコンテナ2自体の周囲全体に沿って分散させることを可能にする。
【0037】
好ましくは、前記環状壁36は、互いに対向する半円形の部分37を2つ備える。
【0038】
有利なことには、前記半円部分37の存在は、コンテナ2自体での基材の急速な分布に好都合なように、コンテナ2の壁への鋭利な角部の存在を防止することを可能にする。
【0039】
好ましくは、そして
図7に示されるように、リザーバ5は、透明底部4に対して90°より大きく、180°より小さい角度を形成する傾斜壁12によって内部で区切られる。
【0040】
弁手段6は、前記傾斜壁12の高さ、特にコンテナ2に最も近いその縁部の高さに配置される。
【0041】
このように、有効には、傾斜壁12は、基材を弁手段6の方へ送ることをより簡単にする。
【0042】
この上記の構成は、弁手段6が常に基材に浸されるというさらなる利点を提供し、それは、その中の圧力を増加させるためにリザーバ5に送られる空気が、弁手段6自体を妨害し、カートリッジ1の正規の動作に影響を及ぼすことを防止する。
【0043】
透明底部4に関しては、これは好ましくは、外縁4aによって外周が区切られ、外縁は、リザーバ5の全体寸法内に含有されるように、リザーバ5に属するキャビティ5aに収容される。
【0044】
これは有利には、カートリッジ1の全体寸法を制限することを可能にする。
【0045】
カートリッジの変形実施形態において、透明底部4はリザーバ5と一体である。
【0046】
カートリッジ1には好ましくは、図面に示されないキャップが設けられ、それは、アクセス開口部3を閉じるように取り外し可能に挿入することができる。
【0047】
有利なことには、前記キャップの存在は、カートリッジ1の非活動期間中、特に、カートリッジ1が一時的に取り外されるとき、コンテナ2に残されていることがある任意の基材を保護することを可能にする。
【0048】
すでに上述したように、前記カートリッジ1は、図面が一部のみ示すステレオリソグラフィ機械との結合に適しており、カートリッジ1と結合される機械の領域に対応する。
【0049】
特に、ステレオリソグラフィ機械は、
図2に示されるように、安定した動作位置でカートリッジ1に取り外し可能に適合するように構成されるハウジング14を支持する支持構造体を備える。
【0050】
ステレオリソグラフィ機械は、図面に示されていないがそれ自体が知られている、前記所定の放射光を放出するように構成され、前記ハウジング14の方へ放射光を送るために光学ユニットと結合される放出手段をさらに備える。
【0051】
前記放出手段は、たとえば、レーザ発光器、プロジェクタ、または公知のタイプの任意のその他の類似手段を備えてもよい。
【0052】
ステレオリソグラフィ機械はまた、図面に示されていないがそれ自体が知られている、製造中の三次元物体を支えるのに適したモデリングプレートも備える。
【0053】
前記モデリングプレートは、カートリッジ1が動作位置にあり、ハウジング14に対する移動のための動力手段と結合されるとき、カートリッジ1の透明底部4に面するように配置され、その結果、カートリッジ1の透明底部4の近くに、かつ、それから離れるように移動させることができる。
【0054】
本発明によると、機械は、カートリッジ1がハウジング14に配置されるとき、カートリッジ1の接続手段7にしっかりと接続するのに適した供給ダクト15が設けられる空気供給装置8を備える。
【0055】
特に、空気供給装置8は、基材をコンテナ2の方へ流れさせる必要があるとき、リザーバ5に存在する圧力を増加させ、前記流れを停止させる必要があるとき、圧力を減少させるように動作するのに適している。
【0056】
好ましくは、供給ダクト15は、カートリッジ1を機械から容易に取り外すことを可能にするように接続手段7に取り外し可能に接続することができるように構成される。
【0057】
好ましくは、供給ダクト15は、
図3で見ることができ、カートリッジ1が前記動作位置に配置されるとき、第2の膜11を通して配置されるのに適した針状端部16を備える。
【0058】
有利なことには、針状端部16は、カートリッジ1のリザーバ5への空気供給装置8の簡単かつ迅速な接続を保証する。
【0059】
実際、
図7及び8に示されるように、カートリッジ1が動作位置に配置されるとき、上記のように、締めつけは第2の膜11ですでに保証されているため、作業者が注意して任意の弁またはシーリング要素を作動させる必要なく、カートリッジ1の第2の膜11は針状端部16によって穴をあけられる。
【0060】
カートリッジ1のハウジング14に関しては、特に
図3で見ることができ、それは好ましくは、動作位置にカートリッジ1を維持するように構成される停止手段17を備え、それはカートリッジ1をハウジング14から自由にするために解放することができる。
【0061】
有利なことには、前記停止手段17は、ステレオリソグラフィ機械へのカートリッジ1の接続、ならびに、そこからその取り外しを容易にする。
【0062】
特に、ハウジング14は、側面でカートリッジ1を支えるのに適した、透明底部4に対応する支持面19を画定する支持ベース18を備える。
【0063】
好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、支持面19は、カートリッジ1が動作位置にあるとき、透明底部4に面するように配置される透明シート13を備える。
【0064】
有利なことには、前記透明シート13は、ステレオリソグラフィ機械の下部領域を、それを汚すことがあるダスト及び任意の基材から保護し、放射光エミッタ及び対応する光学ユニットは、ステレオリソグラフィ機械の前記下部領域に配置される。
【0065】
好ましくは、透明底部4は透明シート13と同一の形状を有し、すなわち、それらは好ましくは、しかし必ずしもそうではないが平面であり、その結果、カートリッジ1が動作位置に配置されるとき、2つの部品は相互に接触して配置される。
【0066】
有利なことには、これは、光ビームの焦点を所望の位置に対して移動させ、ステレオリソグラフィ機械の処理精度を低下させる中間空間の形成を防止する。
【0067】
透明シート13は好ましくは平坦であり、透明底部4の湾曲はカートリッジ1の外側に向けられる。
【0068】
さらにまた、透明シート13は、カートリッジ1の透明底部4より剛性が高い。
【0069】
たとえば、透明シート13はガラスから作製することができ、透明底部4はプラスチック材料、たとえばメタクリル酸塩から作製することができる。
【0070】
異なる剛性の程度及び上記の異なる湾曲は、カートリッジ1が安定した位置に配置され、支持ベース18に対して押し付けられるとき、カートリッジ1の透明底部4は完全に透明シート13に付着するように変形するようなものである。
【0071】
本発明の変形実施形態によると、透明シート13は湾曲し、透明底部4は、透明シート13のものとは異なり、上記と同一の圧縮効果が得られるような湾曲を有する。
【0072】
好ましくは、そして
図3に示されるように、前記支持面19は、支持面19から張り出す収納縁部20によって区切られ、支持面19上で摺動することを防止するようにカートリッジ1と接触することに適している。
【0073】
停止手段17は好ましくは、
図7に示されるように、支持面19に対して反対側でカートリッジ1と接触するように支持面19に面するのに適したカバー21を備える。
【0074】
有利なことには、カバー21は、カートリッジ1を支持ベース18に対して押し付け続け、ステレオリソグラフィ機械の動作中、カートリッジ1自体の安定性を増加させる。
【0075】
カバー21には、カートリッジ1が動作位置にあり、カバー21がカートリッジ1自体と接触しているとき、カートリッジ1のアクセス開口部3に面するように配置することができるように構成される開口21aが設けられる。
【0076】
機械の変形実施形態において、前記カバー21は、カートリッジ1が支持ベース18から持ち上げられることを防止することが可能な同等の要素で置き換えることができることは明らかである。
【0077】
好ましくは、カバー21には、カートリッジ1と接触するときに、カートリッジ1の任意の欠陥を補って、どんな場合でもカートリッジ1との接触を保証するように圧縮することができるように構成される弾性要素38が設けられる。
【0078】
好ましくは、カバー21には、支持ベース18と繰り返し結合される第1の縁部22と、第1の縁部の反対側の第2の縁部23とが設けられ、解放可能なスナップ嵌め手段24によって支持ベース18に接続される。
【0079】
好ましくは、そして
図4に示されるように、前記第1の縁部22には、支持ベース18に対するカバー21の回転及び支持ベース18からの取り外しの両方を可能にするように、支持ベース18に属する、対応する開口部34に取り外し可能に挿入されるタブ33が設けられる。
【0080】
有利なことには、カバー21を取り外すことができることで、作業者が定期的な洗浄のために、必要に応じて支持ベース18に容易にアクセスすることが可能になる。
【0081】
好ましくは、ハウジング14の収納縁部20は、互いに対向する第1の端部26及び第2の端部27が設けられる作動壁25を備え、第1の端部26は、作動壁25に関して、カートリッジ1に関する停止位置及び解放位置を画定するように、支持ベース18と繰り返し結合される。
【0082】
図6及び7に示される停止位置において、第2の端部27は、カートリッジ1と接触して配置されるとき、カバー21の回転を防止し、カートリッジ1の支持ベース18からの偶発的な解放を避けるように、カバー21に対して配置される。
【0083】
図2及び4に示される解放位置において、第2の端部27は、支持ベース18から離れて移動するような方向へのカバー21の回転を可能にするように配置され、それゆえ、カートリッジ1がハウジング14から持ち上げられることを可能にする。
【0084】
この目的のために、カートリッジ1には好ましくは、ハウジング14の外側へ張り出し、使用者がカートリッジ1を容易に保持し、持ち上げること適した縁部39が設けられる。
【0085】
好ましくは、作動壁25の第2の端部27には、滑り台状面27aが設けられ、その上では、支持ベース18の方へのカバー21の回転中、カバー21の第2の縁部23は自由に摺動できる。
【0086】
この上記の方向へのカバー21の回転中、それは作動壁25を解放位置の方へ回転させる前記滑り台状面27a上で摺動する。
【0087】
カバー21がカートリッジ1と接触する位置に達すると、それは滑り台状面表面から解放され、それゆえ、作動壁25を停止位置に配置することが可能になる。
【0088】
この目的のために、作動壁25は好ましくは、
図4に示され、作動壁25自体の解放位置から停止位置の方への移動を強制するのに適した第1の弾性手段30と結合される。
【0089】
作動壁25の第2の端部27に関して、好ましくは、カバー21の前記回転、結果的に、支持ベース18に対する開放の制限に適した停止面28が設けられる。
【0090】
好ましくは、支持ベース18に対して開く方向へのカバー21の回転を強制するのに適した第2の弾性手段35が存在する。
【0091】
有利なことには、前記第2の弾性手段35は、カバー21の開放、及びハウジング14からのカートリッジ1の解放を容易にするが、それは自動的にカバー21が持ち上がるようにするために、作業者が作動壁25を解放位置に移動させるには十分であるためである。
【0092】
好ましくは、停止面28は、カバー21の第2の縁部23に面する凹部29を画定するように形づくられ、次に、
図4で見ることができるように、前記第2の縁部は、作動壁25の回転を制限するように、前記凹部29の内部に配置されるように構成される。
【0093】
有利なことには、前記停止面28は、カバー21の支持ベース18からの完全な分離を防止することを可能にし、それゆえ、カバー21自体の偶発的な分離も避けることができる。
【0094】
カバー21を押し付け続け、同時に、その停止面28がカバー21の径路に干渉することを防止するように位置するまで作動壁25を回転させることによって、カバー21を何とか取り外すことができることは明らかである。
【0095】
好ましくは、作動壁25は、カートリッジ1の摺動的な収容に適した貫通開口部31を備える。
【0096】
有利なことには、前記貫通開口部31は、ハウジング14へのカートリッジ1の挿入を容易にする。
【0097】
好ましくは、そして
図2で見ることができるように、貫通開口部31は、支持面19に対して持ち上げられ、
図5に一例として示されるように、ハウジング14の方へのカートリッジ1の摺動移動中、カートリッジ1の支持面19に対する傾きを維持するのに適した縁部32を備える。
【0098】
このように、カートリッジ1の透明底部4は、カートリッジ1がハウジング14を完全に占めるまで、透明シート13から持ち上げられたままであり、透明底部4及び透明シート13を擦り傷から保護する利点を有する。
【0099】
好ましくは、ハウジング14は、本明細書に示されていないがそれ自体が知られている移動手段によって支持構造体と取り外し可能に結合され、それはアクセス開口部3によって画定される平面と平行な移動方向をハウジング14のために画定する。
【0100】
前記移動手段は、物体の製造中、放射光に露出されるカートリッジ1の透明底部4及び透明シート13の領域を定期的に変更するように、モデリングプレートに対してカートリッジ1を移動させることを可能にし、それらをより長く持続させる利点を有する。
【0101】
さらにまた、カートリッジ1を空気供給装置8に接続する供給ダクト15は、その移動中、ハウジング14によって占められる任意の位置の、リザーバ5に空気が送られるのを可能にするように変形可能である。
【0102】
好ましくは、ステレオリソグラフィ機械のモデリングプレートは、特に、カートリッジ1のアクセス開口部3の2つの半円形部分37の半径よりわずかにだけ小さい半径を有する円形形状を有する。
【0103】
前記円形モデリングプレートは、上記の方法で、カートリッジ1の最も幅広い移動を可能にし、透明底部4及び透明シート13の全表面の使用を可能にする利点を有することが理解できる。
【0104】
実際には、カートリッジ1をハウジング14に挿入するために、作業者は、
図2に示されるように、カバー21を持ち上げるように、解放位置に作動壁25を配置する。
【0105】
よってカートリッジ1を作動壁25の貫通開口部31に配置し、第2の膜11がステレオリソグラフィ機械の針状端部16に面するように方向付けることができる。
【0106】
図4に示されるようにハウジング14に完全に挿入されるまで、カートリッジ1は摺動され、同時に、
図5に示されるように貫通開口部31の高くなった縁部32と接触する。
【0107】
前記移動中、供給ダクト15の針状端部16は、カートリッジ1の第2の膜11に穴をあけ、貫通するように設置される。
【0108】
続いて、
図6及び7に示されるように、作動壁25が停止位置にはまるまで、カバー21を下げることができる。
【0109】
この時点で、機械は使用準備ができている。
【0110】
必要に応じて、三次元物体の製造中、リザーバ5に含有される基材をコンテナ2の方へ流れさせるように、空気供給装置8は、リザーバ5に存在する圧力とコンテナ2に存在する圧力との間の、弁手段6を開くのに十分な差圧を生成するように作動する。
【0111】
基材がコンテナ2で十分なレベルに達すると、空気供給装置8は前記差圧を減少させるように作動し、弁手段6は自然に閉まり、流れは停止する。
【0112】
好ましくは、空気供給装置8は、機械の論理ユニットによって上記のように作動され、それはまた、放出手段、モデリングプレート、及びハウジング14の移動手段の制御にも役立つ。
【0113】
上記によると、上記のカートリッジ及び機械は、本発明のすべての目的を実現することが理解できる。
【0114】
特に、カートリッジは、複雑な部品を使用する必要なく製造することができ、それゆえ、製造は簡略化される。
【0115】
特に、可動部品は第1の膜及び第2の膜のみであるが、それらは市場で容易に入手可能な部品である。
【0116】
さらにまた、任意の弁を作動させる必要なく、単にカートリッジをハウジングに設置することで、リザーバが空気供給装置に接続されるという事実は、動作を簡単かつ迅速にする。
【手続補正書】
【提出日】2016年7月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステレオリソグラフィ機械のための交換可能なカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
公知のように、ステレオリソグラフィ技術は、所定の放射、一般に光放射への曝露によって固体化される液体またはペースト状の基材の複数の層の重畳によって三次元物体を作ることを可能にする。
【0003】
公知のタイプのステレオリソグラフィ機械は、基材を含むのに適していて、所定の放射光に対して透明である底部が設けられるコンテナを備える。
【0004】
この機械はさらに、前記所定の放射光を放出するのに適していて、コンテナの下に配置される放出手段を備え、それはコンテナの底部に隣接する基材の層を選択的に固体化する。
【0005】
固体化された層は、最後の固体化される層を固体化前に基材の前記層に隣接させて配置することを可能にするために、垂直方向に移動させるように駆動されるモデリングプラットフォームで支えられる。
【0006】
イタリア特許出願第VI2012A000183号明細書に記載される実施形態によると、コンテナは、技術的な専門用語では「カートリッジ」と呼ばれる、取り外し可能な装置に属し、それは基材を含有するのに適していて、それを有する単体を形成するように、取り外し不可能な方法でコンテナと結合されるリザーバも備える。
【0007】
さらなる公知の実施形態は、米国特許第5,503,793号明細書及び独国特許第4102261号明細書に示される。
【0008】
必要に応じて、基材は、2つの要素を接続する弁手段による、リザーバからコンテナへの流れが作られる。
【0009】
前記カートリッジはいくつかの利点を提供し、その中には、必要なときに必要な範囲でコンテナの自動追加を可能にする利点、ならびに、リザーバ及び基材供給システムがカートリッジに組み込まれ、それによって、基材が機械の任意の部品を汚さないことによる、ステレオリソグラフィ機械をきれいにする必要性を避ける利点が含まれる。
【0010】
全体として、前記カートリッジはステレオリソグラフィ機械の使用をかなり簡単にし、たとえば、金細工または歯科の分野で働く作業者などの未熟な作業者による使用でさえ適切にさせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のカートリッジ及び公知の分野に属するカートリッジと比較して、特に製造が簡単である、改良されたカートリッジを提供することが本発明の目的である。
【0012】
簡単かつ迅速な方法で、ステレオリソグラフィ機械に接続できるカートリッジを提供することが本発明の別の目的である。
【0013】
前記カートリッジとの作動に適したステレオリソグラフィ機械を提供することも本発明の目的である。
【0014】
カートリッジ自体の使用方法を提供することは、本発明の別の、しかし最低ではない目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的は、主請求項によって実行されるカートリッジで実現される。
【0016】
前記目的は、請求項8によるステレオリソグラフィ機械、及び、請求項23によるカートリッジの使用方法によっても、実現される。
【0017】
本発明の変形実施形態は、対応する従属請求項で示される。
【0018】
有利なことには、本発明のカートリッジの簡単な構築構造は、製造を特に経済的にし、大量生産に好適である。
【0019】
さらに有利なことには、カートリッジのステレオリソグラフィ機械への簡単な接続は、その可能な限りに普及に有利なように、機械自体の使用をさらに簡単にする。
【0020】
以下で言及されるその他の内容とともに、前記目的及び利点は、添付図面に関して限定されることなく、例として提供される本発明の好ましい実施形態の説明において明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の主題であるカートリッジの概略軸測投影図を示す。
【
図2】
図2は、本発明のステレオリソグラフィ機械の一部の概略軸測投影図を示す。
【
図3】
図3は、
図2に示された部分の異なる作動構成における軸測投影図を示す。
【
図4】
図4は、
図2に示された部分の対称面による断面図を示す。
【
図5】
図5は、
図2に示された部分と関連する、
図1に示されたカートリッジの側面図を示す。
【
図6】
図6は、
図5に示されたものと異なる作動構成における、
図2に示された部分と関連する、
図1のカートリッジの軸測投影図を示す。
【
図7】
図7は、対称面による断面図における、
図6にともに関連する、
図1のカートリッジ及び
図2の部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に示され、本明細書において全体として1で示される、本発明の主題であるステレオリソグラフィ機械のためのカートリッジは、アクセス開口部3と、前記アクセス開口部3に面して、反対側にある透明底部4とが設けられるコンテナ2を備える。
【0023】
アクセス開口部3は、導入部で記載され、図では示されていないが、それ自体は知られているタイプのステレオリソグラフィ機械のモデリングプラットフォームの、コンテナ2へのアクセスを可能にすることが意図される。
【0024】
透明底部4は、所定の放射光がそれを通過することを可能にし、前記所定の放射光は、その中に含まれるあらかじめ選択された液体またはペースト状の基材を選択的に固体化することが可能である。
【0025】
好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、基材は光硬化性樹脂または感光性樹脂であり、所定の放射光は光線、たとえば光ビームである。
【0026】
カートリッジ1はまた、前記基材の含有に適しており、コンテナ2を有する単一の本体を形成するリザーバ5も備える。
【0027】
カートリッジ1はまた、リザーバ5からコンテナ2への基材の通過を可能にするようにリザーバ5をコンテナ2に接続する弁手段6も備える。
【0028】
本発明によると、弁手段6は、リザーバ5に存在する圧力とコンテナ2に存在する圧力との間の差圧が所定の値と少なくとも等しいときに開き、前記差圧が前記所定の値よりも小さいとき自然に閉まるように構成される。
【0029】
リザーバ5は、リザーバ5を外部の空気供給装置に接続するのに適した密着接続手段7をさらに備える。
【0030】
上記の弁手段6及び接続手段7は、リザーバ5に存在する圧力を増加させるように空気供給装置を単に作動させることによって、基材の流出を制御することを可能にし、空気供給装置を停止させることによって前記流出を停止させる。
【0031】
好ましくは、弁手段6は穴10に設けられる第1の膜9を備え、それは通常閉じられており、所定の値を超える前記差圧の影響の結果として弾力的に開くように構成される。
【0032】
有利なことには、前記第1の膜9は、弁手段6を製造する特に経済的な方法を示し、それによって、カートリッジ1のコストを制限することを可能にする。
【0033】
好ましくは、複数の弁手段6は、コンテナ2の外周を区切る壁36のさまざまな位置に配置され、上記のタイプの対応する第1の膜9を備える。
【0034】
好ましくは、接続手段7は、リザーバ5の壁に属し、針状要素による穿孔に適し、同時に、針状要素が第2の膜11を通過するように配置されるときにその締めつけを維持する第2の膜11を備える。
【0035】
有利なことには、前記第2の膜11は、以下に詳細に説明するように、簡単かつ迅速な方法でリザーバ5を空気供給装置8に接続することを可能にする。
【0036】
好ましくは、リザーバ5には、コンテナ2の周囲壁に対応する環状壁36が設けられる。
【0037】
有利なことには、リザーバ5がコンテナ2の外周を区切るという事実は、コンテナ2の方への基材の均一かつ急速な流出を保証するように、弁手段6をコンテナ2自体の周囲全体に沿って分散させることを可能にする。
【0038】
好ましくは、前記環状壁36は、互いに対向する半円形の部分37を2つ備える。
【0039】
有利なことには、前記半円部分37の存在は、コンテナ2自体での基材の急速な分布に好都合なように、コンテナ2の壁への鋭利な角部の存在を防止することを可能にする。
【0040】
好ましくは、そして
図7に示されるように、リザーバ5は、透明底部4に対して90°より大きく、180°より小さい角度を形成する傾斜壁12によって内部で区切られる。
【0041】
弁手段6は、前記傾斜壁12の高さ、特にコンテナ2に最も近いその縁部の高さに配置される。
【0042】
このように、有効には、傾斜壁12は、基材を弁手段6の方へ送ることをより簡単にする。
【0043】
この上記の構成は、弁手段6が常に基材に浸されるというさらなる利点を提供し、それは、その中の圧力を増加させるためにリザーバ5に送られる空気が、弁手段6自体を妨害し、カートリッジ1の正規の動作に影響を及ぼすことを防止する。
【0044】
透明底部4に関しては、これは好ましくは、外縁4aによって外周が区切られ、外縁は、リザーバ5の全体寸法内に含有されるように、リザーバ5に属するキャビティ5aに収容される。
【0045】
これは有利には、カートリッジ1の全体寸法を制限することを可能にする。
【0046】
カートリッジの変形実施形態において、透明底部4はリザーバ5と一体である。
【0047】
カートリッジ1には好ましくは、図面に示されないキャップが設けられ、それは、アクセス開口部3を閉じるように取り外し可能に挿入することができる。
【0048】
有利なことには、前記キャップの存在は、カートリッジ1の非活動期間中、特に、カートリッジ1が一時的に取り外されるとき、コンテナ2に残されていることがある任意の基材を保護することを可能にする。
【0049】
すでに上述したように、前記カートリッジ1は、図面が一部のみ示すステレオリソグラフィ機械との結合に適しており、カートリッジ1と結合される機械の領域に対応する。
【0050】
特に、ステレオリソグラフィ機械は、
図2に示されるように、安定した動作位置でカートリッジ1に取り外し可能に適合するように構成されるハウジング14を支持する支持構造体を備える。
【0051】
ステレオリソグラフィ機械は、図面に示されていないがそれ自体が知られている、前記所定の放射光を放出するように構成され、前記ハウジング14の方へ放射光を送るために光学ユニットと結合される放出手段をさらに備える。
【0052】
前記放出手段は、たとえば、レーザ発光器、プロジェクタ、または公知のタイプの任意のその他の類似手段を備えてもよい。
【0053】
ステレオリソグラフィ機械はまた、図面に示されていないがそれ自体が知られている、製造中の三次元物体を支えるのに適したモデリングプレートも備える。
【0054】
前記モデリングプレートは、カートリッジ1が動作位置にあり、ハウジング14に対する移動のための動力手段と結合されるとき、カートリッジ1の透明底部4に面するように配置され、その結果、カートリッジ1の透明底部4の近くに、かつ、それから離れるように移動させることができる。
【0055】
本発明によると、機械は、カートリッジ1がハウジング14に配置されるとき、カートリッジ1の接続手段7にしっかりと接続するのに適した供給ダクト15が設けられる空気供給装置8を備える。
【0056】
特に、空気供給装置8は、基材をコンテナ2の方へ流れさせる必要があるとき、リザーバ5に存在する圧力を増加させ、前記流れを停止させる必要があるとき、圧力を減少させるように動作するのに適している。
【0057】
好ましくは、供給ダクト15は、カートリッジ1を機械から容易に取り外すことを可能にするように接続手段7に取り外し可能に接続することができるように構成される。
【0058】
好ましくは、供給ダクト15は、
図3で見ることができ、カートリッジ1が前記動作位置に配置されるとき、第2の膜11を通して配置されるのに適した針状端部16を備える。
【0059】
有利なことには、針状端部16は、カートリッジ1のリザーバ5への空気供給装置8の簡単かつ迅速な接続を保証する。
【0060】
実際、
図7及び8に示されるように、カートリッジ1が動作位置に配置されるとき、上記のように、締めつけは第2の膜11ですでに保証されているため、作業者が注意して任意の弁またはシーリング要素を作動させる必要なく、カートリッジ1の第2の膜11は針状端部16によって穴をあけられる。
【0061】
カートリッジ1のハウジング14に関しては、特に
図3で見ることができ、それは好ましくは、動作位置にカートリッジ1を維持するように構成される停止手段17を備え、それはカートリッジ1をハウジング14から自由にするために解放することができる。
【0062】
有利なことには、前記停止手段17は、ステレオリソグラフィ機械へのカートリッジ1の接続、ならびに、そこからその取り外しを容易にする。
【0063】
特に、ハウジング14は、側面でカートリッジ1を支えるのに適した、透明底部4に対応する支持面19を画定する支持ベース18を備える。
【0064】
好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、支持面19は、カートリッジ1が動作位置にあるとき、透明底部4に面するように配置される透明シート13を備える。
【0065】
有利なことには、前記透明シート13は、ステレオリソグラフィ機械の下部領域を、それを汚すことがあるダスト及び任意の基材から保護し、放射光エミッタ及び対応する光学ユニットは、ステレオリソグラフィ機械の前記下部領域に配置される。
【0066】
好ましくは、透明底部4は透明シート13と同一の形状を有し、すなわち、それらは好ましくは、しかし必ずしもそうではないが平面であり、その結果、カートリッジ1が動作位置に配置されるとき、2つの部品は相互に接触して配置される。
【0067】
有利なことには、これは、光ビームの焦点を所望の位置に対して移動させ、ステレオリソグラフィ機械の処理精度を低下させる中間空間の形成を防止する。
【0068】
透明シート13は好ましくは平坦であり、透明底部4の湾曲はカートリッジ1の外側に向けられる。
【0069】
さらにまた、透明シート13は、カートリッジ1の透明底部4より剛性が高い。
【0070】
たとえば、透明シート13はガラスから作製することができ、透明底部4はプラスチック材料、たとえばメタクリル酸塩から作製することができる。
【0071】
異なる剛性の程度及び上記の異なる湾曲は、カートリッジ1が安定した位置に配置され、支持ベース18に対して押し付けられるとき、カートリッジ1の透明底部4は完全に透明シート13に付着するように変形するようなものである。
【0072】
本発明の変形実施形態によると、透明シート13は湾曲し、透明底部4は、透明シート13のものとは異なり、上記と同一の圧縮効果が得られるような湾曲を有する。
【0073】
好ましくは、そして
図3に示されるように、前記支持面19は、支持面19から張り出す収納縁部20によって区切られ、支持面19上で摺動することを防止するようにカートリッジ1と接触することに適している。
【0074】
停止手段17は好ましくは、
図7に示されるように、支持面19に対して反対側でカートリッジ1と接触するように支持面19に面するのに適したカバー21を備える。
【0075】
有利なことには、カバー21は、カートリッジ1を支持ベース18に対して押し付け続け、ステレオリソグラフィ機械の動作中、カートリッジ1自体の安定性を増加させる。
【0076】
カバー21には、カートリッジ1が動作位置にあり、カバー21がカートリッジ1自体と接触しているとき、カートリッジ1のアクセス開口部3に面するように配置することができるように構成される開口21aが設けられる。
【0077】
機械の変形実施形態において、前記カバー21は、カートリッジ1が支持ベース18から持ち上げられることを防止することが可能な同等の要素で置き換えることができることは明らかである。
【0078】
好ましくは、カバー21には、カートリッジ1と接触するときに、カートリッジ1の任意の欠陥を補って、どんな場合でもカートリッジ1との接触を保証するように圧縮することができるように構成される弾性要素38が設けられる。
【0079】
好ましくは、カバー21には、支持ベース18と繰り返し結合される第1の縁部22と、第1の縁部の反対側の第2の縁部23とが設けられ、解放可能なスナップ嵌め手段24によって支持ベース18に接続される。
【0080】
好ましくは、そして
図4に示されるように、前記第1の縁部22には、支持ベース18に対するカバー21の回転及び支持ベース18からの取り外しの両方を可能にするように、支持ベース18に属する、対応する開口部34に取り外し可能に挿入されるタブ33が設けられる。
【0081】
有利なことには、カバー21を取り外すことができることで、作業者が定期的な洗浄のために、必要に応じて支持ベース18に容易にアクセスすることが可能になる。
【0082】
好ましくは、ハウジング14の収納縁部20は、互いに対向する第1の端部26及び第2の端部27が設けられる作動壁25を備え、第1の端部26は、作動壁25に関して、カートリッジ1に関する停止位置及び解放位置を画定するように、支持ベース18と繰り返し結合される。
【0083】
図6及び7に示される停止位置において、第2の端部27は、カートリッジ1と接触して配置されるとき、カバー21の回転を防止し、カートリッジ1の支持ベース18からの偶発的な解放を避けるように、カバー21に対して配置される。
【0084】
図2及び4に示される解放位置において、第2の端部27は、支持ベース18から離れて移動するような方向へのカバー21の回転を可能にするように配置され、それゆえ、カートリッジ1がハウジング14から持ち上げられることを可能にする。
【0085】
この目的のために、カートリッジ1には好ましくは、ハウジング14の外側へ張り出し、使用者がカートリッジ1を容易に保持し、持ち上げること適した縁部39が設けられる。
【0086】
好ましくは、作動壁25の第2の端部27には、滑り台状面27aが設けられ、その上では、支持ベース18の方へのカバー21の回転中、カバー21の第2の縁部23は自由に摺動できる。
【0087】
この上記の方向へのカバー21の回転中、それは作動壁25を解放位置の方へ回転させる前記滑り台状面27a上で摺動する。
【0088】
カバー21がカートリッジ1と接触する位置に達すると、それは滑り台状面表面から解放され、それゆえ、作動壁25を停止位置に配置することが可能になる。
【0089】
この目的のために、作動壁25は好ましくは、
図4に示され、作動壁25自体の解放位置から停止位置の方への移動を強制するのに適した第1の弾性手段30と結合される。
【0090】
作動壁25の第2の端部27に関して、好ましくは、カバー21の前記回転、結果的に、支持ベース18に対する開放の制限に適した停止面28が設けられる。
【0091】
好ましくは、支持ベース18に対して開く方向へのカバー21の回転を強制するのに適した第2の弾性手段35が存在する。
【0092】
有利なことには、前記第2の弾性手段35は、カバー21の開放、及びハウジング14からのカートリッジ1の解放を容易にするが、それは自動的にカバー21が持ち上がるようにするために、作業者が作動壁25を解放位置に移動させるには十分であるためである。
【0093】
好ましくは、停止面28は、カバー21の第2の縁部23に面する凹部29を画定するように形づくられ、次に、
図4で見ることができるように、前記第2の縁部は、作動壁25の回転を制限するように、前記凹部29の内部に配置されるように構成される。
【0094】
有利なことには、前記停止面28は、カバー21の支持ベース18からの完全な分離を防止することを可能にし、それゆえ、カバー21自体の偶発的な分離も避けることができる。
【0095】
カバー21を押し付け続け、同時に、その停止面28がカバー21の径路に干渉することを防止するように位置するまで作動壁25を回転させることによって、カバー21を何とか取り外すことができることは明らかである。
【0096】
好ましくは、作動壁25は、カートリッジ1の摺動的な収容に適した貫通開口部31を備える。
【0097】
有利なことには、前記貫通開口部31は、ハウジング14へのカートリッジ1の挿入を容易にする。
【0098】
好ましくは、そして
図2で見ることができるように、貫通開口部31は、支持面19に対して持ち上げられ、
図5に一例として示されるように、ハウジング14の方へのカートリッジ1の摺動移動中、カートリッジ1の支持面19に対する傾きを維持するのに適した縁部32を備える。
【0099】
このように、カートリッジ1の透明底部4は、カートリッジ1がハウジング14を完全に占めるまで、透明シート13から持ち上げられたままであり、透明底部4及び透明シート13を擦り傷から保護する利点を有する。
【0100】
好ましくは、ハウジング14は、本明細書に示されていないがそれ自体が知られている移動手段によって支持構造体と取り外し可能に結合され、それはアクセス開口部3によって画定される平面と平行な移動方向をハウジング14のために画定する。
【0101】
前記移動手段は、物体の製造中、放射光に露出されるカートリッジ1の透明底部4及び透明シート13の領域を定期的に変更するように、モデリングプレートに対してカートリッジ1を移動させることを可能にし、それらをより長く持続させる利点を有する。
【0102】
さらにまた、カートリッジ1を空気供給装置8に接続する供給ダクト15は、その移動中、ハウジング14によって占められる任意の位置の、リザーバ5に空気が送られるのを可能にするように変形可能である。
【0103】
好ましくは、ステレオリソグラフィ機械のモデリングプレートは、特に、カートリッジ1のアクセス開口部3の2つの半円形部分37の半径よりわずかにだけ小さい半径を有する円形形状を有する。
【0104】
前記円形モデリングプレートは、上記の方法で、カートリッジ1の最も幅広い移動を可能にし、透明底部4及び透明シート13の全表面の使用を可能にする利点を有することが理解できる。
【0105】
実際には、カートリッジ1をハウジング14に挿入するために、作業者は、
図2に示されるように、カバー21を持ち上げるように、解放位置に作動壁25を配置する。
【0106】
よってカートリッジ1を作動壁25の貫通開口部31に配置し、第2の膜11がステレオリソグラフィ機械の針状端部16に面するように方向付けることができる。
【0107】
図4に示されるようにハウジング14に完全に挿入されるまで、カートリッジ1は摺動され、同時に、
図5に示されるように貫通開口部31の高くなった縁部32と接触する。
【0108】
前記移動中、供給ダクト15の針状端部16は、カートリッジ1の第2の膜11に穴をあけ、貫通するように設置される。
【0109】
続いて、
図6及び7に示されるように、作動壁25が停止位置にはまるまで、カバー21を下げることができる。
【0110】
この時点で、機械は使用準備ができている。
【0111】
必要に応じて、三次元物体の製造中、リザーバ5に含有される基材をコンテナ2の方へ流れさせるように、空気供給装置8は、リザーバ5に存在する圧力とコンテナ2に存在する圧力との間の、弁手段6を開くのに十分な差圧を生成するように作動する。
【0112】
基材がコンテナ2で十分なレベルに達すると、空気供給装置8は前記差圧を減少させるように作動し、弁手段6は自然に閉まり、流れは停止する。
【0113】
好ましくは、空気供給装置8は、機械の論理ユニットによって上記のように作動され、それはまた、放出手段、モデリングプレート、及びハウジング14の移動手段の制御にも役立つ。
【0114】
上記によると、上記のカートリッジ及び機械は、本発明のすべての目的を実現することが理解できる。
【0115】
特に、カートリッジは、複雑な部品を使用する必要なく製造することができ、それゆえ、製造は簡略化される。
【0116】
特に、可動部品は第1の膜及び第2の膜のみであるが、それらは市場で容易に入手可能な部品である。
【0117】
さらにまた、任意の弁を作動させる必要なく、単にカートリッジをハウジングに設置することで、リザーバが空気供給装置に接続されるという事実は、動作を簡単かつ迅速にする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁によって区切られ、アクセス開口部(3)と前記アクセス開口部(3)の反対側の透明底部(4)とが設けられるコンテナ(2)と;
液体またはペースト状の基材の含有に適したリザーバ(5)と;
前記基材の通過のために前記リザーバ(5)を前記コンテナ(2)に接続している弁手段(6)と;
を備え、
前記弁手段(6)が、前記リザーバ(5)に存在する圧力と前記コンテナ(2)に存在する圧力との間の差圧が所定の値と少なくとも等しいときに開き、前記差圧が前記所定の値より小さいときに自然に閉まるように構成され、前記リザーバ(5)が、前記コンテナ(2)と取り外し不可能に結合され、外部の空気供給装置(8)への接続のための密着接続手段(7)を備える
ことを特徴とする、
ステレオリソグラフィ機械のためのカートリッジ(1)。
【請求項2】
前記弁手段(6)が、通常閉じられており、前記所定の値と少なくとも等しい前記差圧の影響のために弾力的に開くように構成される、穴(10)に設けられる第1の膜(9)を備える
ことを特徴とする、
請求項1に記載のカートリッジ(1)。
【請求項3】
前記接続手段(7)が、前記リザーバ(5)の壁に属し、針状要素による穿孔に適し、同時に、前記針状要素が第2の膜(11)を通過するように配置されるときにその締めつけを維持する、前記第2の膜(11)を備える
ことを特徴とする、
請求項1または2に記載のカートリッジ(1)。
【請求項4】
前記リザーバ(5)に、前記コンテナ(2)の外周を区切る環状壁(36)が設けられる
ことを特徴とする、
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のカートリッジ(1)。
【請求項5】
前記環状壁(36)が、互いに対向する半円形の部分(37)を2つ備える
ことを特徴とする、
請求項4に記載のカートリッジ(1)。
【請求項6】
前記透明底部(4)が、外縁(4a)によって外周が区切られ、前記外縁(4a)が、前記リザーバ(5)の全体寸法内にとどまるように、前記リザーバ(5)に属するキャビティ(5a)に収容される
ことを特徴とする、
請求項4または5に記載のカートリッジ(1)。
【請求項7】
前記リザーバ(5)が、前記透明底部(4)とともに、90°より大きく、180°より小さい角度を形成する傾斜壁(12)によって内部で区切られ、前記弁手段(6)が、前記コンテナ(2)に最も近い前記傾斜壁(12)の縁部の高さに配置される
ことを特徴とする、
請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のカートリッジ(1)。
【請求項8】
支持構造体と、
前記支持構造体と結合されて、安定した動作位置で、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のカートリッジ(1)を取り外し可能に収容するように構成されるハウジング(14)と
を備え、
前記カートリッジ(1)が前記ハウジング(14)に配置されるとき、前記カートリッジ(1)の前記接続手段(7)にしっかりと接続されるのに適した供給ダクト(15)が設けられる空気供給装置(8)を備え、前記空気供給装置(8)が、前記リザーバ(5)に存在する圧力を変更するように動作するのに適している
ことを特徴とする、
ステレオリソグラフィ機械。
【請求項9】
前記カートリッジ(1)が請求項3に従い、前記供給ダクト(15)が、前記カートリッジ(1)が前記動作位置に配置されるとき、前記第2の膜(11)を通して配置されるのに適した針状端部(16)を備える
ことを特徴とする、
請求項8に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項10】
前記ハウジング(14)が、前記動作位置に前記カートリッジ(1)を維持するように構成される停止手段(17)を備え、前記停止手段(17)が、前記カートリッジ(1)を前記ハウジング(14)から切り離すように解放されることに適している
ことを特徴とする、
請求項8または9に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項11】
前記ハウジング(14)が、側面で前記カートリッジ(1)を支えるのに適した、前記透明底部(4)に対応する支持ベース(18)を備え、
前記支持ベース(18)が、前記支持面(19)から張り出す収納縁部(20)によって区切られる支持面(19)を画定し、前記支持面(19)上での前記カートリッジ(1)の摺動移動を防止するように前記カートリッジ(1)と接触して配置されることに適しており、
前記停止手段(17)が、前記支持面(19)に対して反対側の前記カートリッジ(1)と接触して配置することができるように、前記支持面(19)に面することに適したカバー(21)を備える
ことを特徴とする、
請求項10に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項12】
前記カバー(21)が前記支持ベース(18)と繰り返し結合される第1の縁部(22)を有し、スナップ嵌め手段(24)が、前記第1の縁部(22)の反対側の前記カバー(21)の第2の縁部(23)を前記支持ベース(18)に解放可能に接続するために設けられている
ことを特徴とする、
請求項11に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項13】
前記収納縁部(20)が互いに対向する第1の端部(26)及び第2の端部(27)が設けられる作動壁(25)を備え、
前記作動壁(25)に関して、前記カバー(21)が前記カートリッジ(1)と接触して配置されるとき、前記カバー(21)の回転を防止するように、前記第2の端部(27)が前記カバー(21)に対して配置される停止位置と;
前記支持ベース(18)に対して前記カバー(21)の開口部に対応する方向への前記カバー(21)の回転を可能にするように、前記第2の端部(27)が配置される解放位置と
を画定するように、前記第1の端部(26)が前記支持ベース(18)と繰り返し結合される
ことを特徴とする、
請求項12に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項14】
前記第2の端部(27)に、前記カバー(21)の前記回転を制限するのに適した停止面(28)が設けられる
ことを特徴とする、
請求項13に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項15】
前記停止面(28)が、前記カバー(21)の前記第2の縁部(23)に面する凹部(29)を画定し、前記第2の縁部(23)が、前記作動壁(25)の回転を制限するように、前記凹状部分(29)の内部に配置されるように構成される
ことを特徴とする、
請求項14に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項16】
前記解放位置から前記停止位置の方への前記作動壁(25)の復帰を強制するのに適した第1の弾性手段(30)を備える
ことを特徴とする、
請求項13〜15のうちいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項17】
前記作動壁(25)は、前記カートリッジ(1)の摺動的な収容に適した貫通開口部(31)を備える
ことを特徴とする、
請求項13〜16のうちいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項18】
前記貫通開口部(31)が、前記支持面(19)に対して持ち上げられ、前記透明底部(4)が前記支持面(19)から持ち上げられてとどまるように、前記カートリッジ(1)の前記支持面(19)に対する傾きを維持するのに適した縁部(32)を備える
ことを特徴とする、
請求項17に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項19】
前記カバー(21)の前記第1の縁部(22)には、前記支持ベース(18)に属する対応する開口部(34)に取り外し可能に挿入される少なくとも1つのタブ(33)が設けられ、
前記少なくとも1つのタブ(33)及び前記開口部(34)が、前記支持ベース(18)に対する前記カバー(21)の回転、及び前記支持ベース(18)からの前記カバー(21)の取り外しを可能にするように構成される
ことを特徴とする、
請求項12〜18のうちいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項20】
前記支持ベース(18)に対して開く方向に前記カバー(21)を回転させるのに適した第2の弾性手段(35)を備える
ことを特徴とする、
請求項12〜19のうちいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項21】
前記ハウジング(14)が、前記アクセス開口部(3)で画定される平面と平行な移動方向に従って、前記支持構造体と取り外し可能に結合され、
前記供給ダクト(15)が変形可能である
ことを特徴とする、
請求項8〜20のうちいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項22】
前記供給ダクト(15)が、取り外し可能に前記接続手段(7)に接続することができるように構成される
ことを特徴とする、
請求項8〜21のうちいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ機械。
【請求項23】
空気供給装置(8)に動作可能に接続され、前記カートリッジ(1)の前記第2の膜(11)に穴をあけるのに適した針状端部(16)が設けられる供給ダクト(15)を備えるステレオリソグラフィ機械を準備することと;
前記第2の膜(11)を通して前記針状端部(16)を挿入することと;
前記リザーバ(5)に存在する圧力と前記コンテナ(2)に存在する圧力との間の前記所定の値より高い差圧を生成するように前記空気供給装置(8)を動作させることと
を含む
ことを特徴とする、
請求項3に記載のカートリッジ(1)の使用方法。
【国際調査報告】