特表2017-501934(P2017-501934A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-501934(P2017-501934A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(54)【発明の名称】車両シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/20 20060101AFI20161222BHJP
   B60N 2/22 20060101ALI20161222BHJP
【FI】
   B60N2/20
   B60N2/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-545287(P2016-545287)
(86)(22)【出願日】2015年1月6日
(85)【翻訳文提出日】2016年9月2日
(86)【国際出願番号】EP2015050098
(87)【国際公開番号】WO2015104260
(87)【国際公開日】20150716
(31)【優先権主張番号】102014200322.9
(32)【優先日】2014年1月10日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014204558.4
(32)【優先日】2014年3月12日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】511007886
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ コンポーネンツ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】プルタ、 ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ハンマン、 ハインリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ディル、 トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフ、 クリスティアン
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BD01
3B087BD03
3B087CB12
(57)【要約】
本発明はシート部分(14)を有する車両シート(1)に関する。シート部分は、第1背もたれ(21)を有する第1座席(11)と、第2背もたれ(22)を有する第2座席(12)と、シート部材(24)とを含む。第1背もたれ(21)及び第2背もたれ(22)はシート部材(24)に接続され且つシート部材(24)に対して旋回軸(A)の周りで旋回させることができる。第1取付具(61)が設けられ、第1取付具(61)の第1取付部がシート部材(24)に対して回転固定して接続され、第1取付具(61)の第2取付部が1背もたれ(21)に対して回転固定して接続されている。第2取付具(62)が設けられ、第2取付具(62)の第1取付部が第1背もたれ(21)に対して回転固定して接続され、第2取付具(62)の第2取付部が第2背もたれ(22)に対して回転固定して接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート部分(14)を有する車両シート(1)であって、
前記シート部分(14)は第1背もたれ(21)を有する第1座席(11)と第2背もたれ(22)を有する第2座席(12)とシート部材(24)とを含み、
前記第1背もたれ(21)及び前記第2背もたれ(22)は前記シート部材(24)に接続され且つ旋回軸(A)の周りで前記シート部材(24)に対して旋回させることができ、
第1取付具(61)が設けられ、
前記第1取付具(61)の第1取付部材が前記シート部材(24)に対して回転固定して接続され、前記第1取付具(61)の第2取付部材が前記第1背もたれ(21)に対して回転固定して接続され、
第2取付具(62)が設けられ、
前記第2取付具(62)の第1取付部材が前記第1背もたれ(21)に対して回転固定して接続され、
前記第2取付具(62)の第2取付部材が前記第2背もたれ(22)に対して回転固定して接続されていることを特徴とする、車両シート(1)。
【請求項2】
ロック解除ユニット(65)が設けられ、前記ロック解除ユニット(65)を用いて、前記第2取付具(62)は前記第1取付具(61)とは無関係にロック解除されることができることを特徴とする、請求項1に記載の車両シート(1)。
【請求項3】
前記第2背もたれ(22)は更に回転軸受(52)を用いて前記シート部材(24)に接続されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両シート(1)。
【請求項4】
調節取付具(51)が更に設けられ、前記調節取付具(51)の第1取付部材が前記シート部材(24)に対して回転固定して接続され、前記調節取付具(51)の第2取付部材が前記第1背もたれ(21)に対して回転固定して接続されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項5】
作動ユニットが設けられ、前記作動ユニットを用いて、前記調節取付具(51)は前記第1取付具(61)と同時にロック解除されることができることを特徴とする、請求項4に記載の車両シート(1)。
【請求項6】
前記第2背もたれ(22)を使用位置から非使用位置へ旋回させるとき、前記第1背もたれ(21)に対するフリーランニング動作があることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項7】
前記第2背もたれ(22)を非使用位置から使用位置へ旋回させるとき、前記第1背もたれ(21)に対する連行接続があることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項8】
前記第1取付具(61)の第1取付部材は空間的に前記第1取付具(61)と前記第2取付具(62)との間に配置された第1下側取付部材(31)に固定的に接続されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項9】
前記第2取付具(62)の第1取付部材は空間的に前記第1取付具(61)と前記第2取付具(62)と間に配置された第2下側取付部材(32)に固定的に接続されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項10】
前記第1取付具(61)の第2取付部材は、前記第2下側取付部材(32)に固定的に接続された第1上側取付部材(34)に固定的に接続されていることを特徴とする、請求項9に記載の車両シート(1)。
【請求項11】
前記第2下側取付部材(32)は、半径方向外側で前記第1下側取付部材(31)の周囲に部分的に係合することを特徴とする、請求項9又は10に記載の車両シート(1)。
【請求項12】
前記第1背もたれ(21)と前記第2背もたれ(22)との間に取付ユニット(60)が設けられ、前記取付ユニット(60)は前記第1取付具(61)と前記第2取付具(62)とを含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項13】
前記取付ユニット(60)は前記旋回軸(A)の領域に配置されていることを特徴とする、請求項12に記載の車両シート(1)。
【請求項14】
前記取付具(61,62)は各々、構造的な意味で円盤状のユニットを形成していることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項15】
各取付具(61、62)の2つの取付部材は各々、クランプリングを用いて互いに保持されていることを特徴とする、請求項14に記載の車両シート(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート部分を有する車両シートであって、シート部分は第1背もたれを有する第1座席と第2背もたれを有する第2座席とシート部材とを含み、第1背もたれ及び第2背もたれはシート部材に接続され且つ旋回軸の周りでシート部材に対して旋回させることができ、第1取付具が設けられ、第1取付具の第1取付部材がシート部材に対して回転固定して接続され、第1取付具の第2取付部材が第1背もたれに対して回転固定して接続されている車両シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一般的なタイプの車両シートが開示されている。リアシートとして構成された車両シートは2つのシート部分を含み、一方のシート部分が1つの座席を含み、他方のシート部分が2つの座席を含む。2つのシート部分は互いに横に配置され、進行方向において前後方向アジャスタを用いて互いに独立して移動させることができる。同じ旋回軸の周りで旋回することができる第1背もたれと第2背もたれが、2つの座席を含むシート部分に互いに並んで取り付けられている。旋回可能な第3背もたれが、1つの座席を含むシート部分に取り付けられている。3つの背もたれの各々が、2つの取付具によってそれぞれのシート部分のシート部材に旋回可能に取り付けられている。取付具はキャッチ取付具として構成されている。いずれも背もたれに関連する2つの取付具のロックを解除することによって、それぞれの背もたれをシート部材に対して旋回軸Aの周りで旋回させることができる。
【0003】
第1背もたれに配置された曲線状ロック部材と第2背もたれに配置されたロック装置とを含む車両シートも知られている。ロックユニットが曲線状ロック部材にロックされているとき、2つの背もたれは互いに連結されている。
【0004】
特許文献2は、フリーランニング動作を有し、且つ第1背もたれを有する第1座席と第2背もたれを有する第2座席とシート部材とを含むシート部分を有し、第1背もたれ及び第2背もたれはシート部材に接続され且つ旋回軸の周りでシート部材に対して旋回させることができ、第1取付具が設けられ、第1取付具の第1取付部材がシート部材に対して回転固定して接続され、第1取付具の第2取付部材が第1背もたれの接続管に対して回転固定して接続されている、一般的な車両シートを開示している。車両シートは第2取付具を更に有し、第2取付具の第1取付部材がシート部材に接続され、第2取付具の第2取付部材が第2背もたれの接続管に接続されている。
【0005】
特許文献3は、第1背もたれを有する第1座席と第2背もたれを有する第2座席とシート部材とを含むシート部分を有し、第1背もたれ及び第2背もたれはシート部材に接続され且つ旋回軸の周りでシート部材に対して旋回させることができ、第1取付具が設けられ、第1取付具の第1取付部材がシート部材のアダプターに対して回転固定して接続され、第1取付具の第2取付部材が第1背もたれのアダプターに対して回転固定して接続されている車両シートを開示している。車両シートは第2取付具を更に有し、第2取付具の第1取付部材がシート部材のアダプターに接続され、第2取付具の第2取付部材が第2背もたれのアダプターに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102007011874号明細書
【特許文献2】独国特許発明第102014003790号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2067419号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、冒頭で述べたタイプの車両シートを、特に必要に応じて第1背もたれの第2背もたれへの接続を達成するための簡略化された構成で改善することである。特に、第1背もたれは、旋回軸の領域に配置された機構によって第2背もたれに接続されるように意図されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、シート部分を有する車両シートであって、シート部分は第1背もたれを有する第1座席と第2背もたれを有する第2座席とシート部材とを含み、第1背もたれ及び第2背もたれはシート部材に接続され且つ旋回軸の周りでシート部材に対して旋回させることができ、第1取付具が設けられ、第1取付具の第1取付部材がシート部材に対して回転固定して接続され、第1取付具の第2取付部材が第1背もたれに対して回転固定して接続され、第2取付具が設けられ、第2取付具の第1取付部材が第1背もたれに対して回転固定して接続され、第2取付具の第2取付部材が第2背もたれに対して回転固定して接続されている車両シート、によって本発明に従って達成される。
【0009】
第2取付具が設けられ、第2取付具の第1取付部材が第1背もたれに対して回転固定して接続され、第2取付具の第2取付部材が第2背もたれに対して回転固定して接続されている結果、背もたれの間の上部領域にロック装置及び曲線状ロック部材が必要とされない。第2背もたれが非使用位置にあるとき、その結果、目に見えるようにして突出する曲線状ロック部材がない。
【0010】
突出する曲線状ロック部材がない本発明に係る車両シートの構成の結果、突出する構成要素に関する法規定を簡単に遵守することができる。
【0011】
第2背もたれを非使用位置に折り畳むことによって、細長い物体、例えばスキー板を運ぶことが可能である。本発明に係る車両シートの構成の結果、突出する曲線状ロック部材によるスキー板の損傷が防止される。
【0012】
ロック装置がない本発明に係る車両シートの構成の結果、ロック装置の追加のライニング及び汚れが蓄積する可能性がある開口部が防止される。
【0013】
個別に又は互いに組み合わせて使用することができる有利な実施形態が従属請求項に記載されている。
【0014】
有利には、車両シートはロック解除ユニットを備え、ロック解除ユニットを用いて、第2取付部を第1取付具とは無関係にロック解除することができる。その結果、第2背もたれは、第1背もたれとは無関係に旋回軸の周りに旋回させることができる。
【0015】
第2背もたれは、好ましくは、追加の取付具よりも軽く且つコスト効率が高い単純な回転軸受を用いてシート部材に更に接続されている。他の取付具は必要とされず、発生する力及びトルク、特に衝突荷重は、第2取付具によって吸収される。
【0016】
第1背もたれを支持するために、好ましくは、調節取付具が更に設けられ、調節取付具の第1取付部材はシート部材に対して回転固定して接続され、調節取付具の第2取付部材は第1背もたれに対して回転固定して接続されている。第1背もたれは、その結果、2つの取付具によってシート部材に接続されている。
【0017】
この場合、有利には作動ユニットが設けられ、作動ユニットを用いて、調節取付具は第1取付具と同時にロック解除されることができる。両方の取付具をロック解除することにより、第1背もたれを旋回軸の周りで旋回させることができる。
【0018】
本発明の有利な実施形態によれば、第2背もたれを使用位置から非使用位置へ旋回させるとき、第1背もたれに対するフリーランニング動作がある。第2取付具がロック解除され且つ第1取付具がロックされているとき、第2背もたれを非使用位置に旋回させることができ、一方、第1背もたれは使用位置に留まる。
【0019】
本発明の別の有利な実施形態によれば、第2背もたれを非使用位置から使用位置へ旋回させるとき、第1背もたれに対する連行接続がある。第2取付具がロック解除され且つ第1取付具がロックされているとき、第1背もたれが非使用位置に留まる限りは第2背もたれは使用位置へ旋回させることができない。第2取付具がロック解除され且つ第1取付具がロック解除されているとき、第2背もたれは旋回軸の周りで使用位置へ旋回させることができ、この場合、第1背もたれを非使用位置から使用位置へ運ぶ。
【0020】
その結果、第2背もたれは、第1背もたれが非使用位置に留まる間に使用位置を取ることが防止される。このことは、第2背もたれに関連する安全ベルトが空間的に第1背もたれに一体化されている場合に特に必要とされる。
【0021】
第1取付具の第1取付部材が空間的に第1取付具と第2取付具との間に配置された第1下側取付部材に固定的に接続されている場合、コンパクトな構造が得られる。第1下側取付部材は、この場合、シート部材に接続されている。
【0022】
第2取付具の第1取付部材が第1取付具と第2取付具との間に空間的に配置された第2下側取付部材に固定的に接続されている場合も、コンパクトな構造が得られる。第2下側取付部材と第1上側取付部材との間の接続が単純な方法で可能であるように、第2下側取付部材は、半径方向外側で第1下側取付部材の周りに部分的に係合することができる。第1上側取付部材は、好ましくは、第1背もたれに固定されている。第1取付具の第2取付部材は、好ましくは、第2下側取付部材に固定的に接続された第1上側取付部材に固定的に接続されている。
【0023】
第1取付具及び第2取付具は、好ましくは、確認可能なユニットとして且つモジュール方式で構成されることができる取付ユニットの不可欠な構成要素である。取付ユニットは、第1背もたれと第2背もたれとの間に配置されている。好ましくは、取付ユニットは、旋回軸に近接して背もたれの下部領域に配置されている。車両シートの重心はそれにより下方に移動させられる。
【0024】
第1取付具及び第2取付具は各々、構造に関して円盤状のユニットを形成していることができる。各取付具の2つの取付部材は各々、クランプリングを用いて互いに保持されている。このような取付具は、車両シート内で、特に横方向において、必要とする構造空間の量が特に小さい。
【0025】
取付部の有利な構成の結果、両方の背もたれは、予め決定可能な快適領域内の使用位置へ互いに独立して調節されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図面に示されている有利な実施形態を参照して本発明を以下で詳細に説明する。しかしながら、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図1】すべての背もたれが使用位置にある、表皮材がない車両シートの実施形態の斜視図である。
図2図1の第1シート部分の詳細図である。
図3】取付ユニットの分解図である。
図4】第2背もたれが非使用位置にある、図1の車両シートの斜視図である。
図5】第1背もたれ及び第2背もたれが非使用位置にある、図1の車両シートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
車両シート1が、自動車のリアシート装置として構成されている。車両シート1は、第1シート部材24を有する第1シート部分14と、第2シート部材25を有する第2シート部分15とを含み、これらのシート部分は、前後方向に調節可能であるように前後方向アジャスタを用いて自動車の車体構造に互いに独立して接続されている。
【0028】
車両内部の車両シート1の配置と車両の従来の進行方向は、以下で使用される方向性指標を定める。この場合、地面に対して垂直に配向される方向を以下で鉛直方向と称し、鉛直方向に対して垂直且つ進行方向に対して垂直な方向を以下で横方向と称する。この例では、鉛直方向は垂線に対して最大30度の角度を含み、特に、車両内に取り付けられた車両シート1の背もたれの直立の使用位置における向きを含む。
【0029】
第1シート部分14は、進行方向の左側に配置され、車両シート1の幅全体の約60%を占めている。第2シート部分15は、進行方向の右側に配置され、車両シート1の幅全体の約40%を占めている。第1背もたれ21と第2背もたれ22が、旋回軸Aの周りで旋回させることができるように第1シート部材24に取り付けられ、一方、第3背もたれ23が、第2シート部材25に旋回可能に取り付けられている。
【0030】
第1背もたれ21は進行方向の左側に配置され、第3背もたれ23は進行方向の右側に配置されている。第2背もたれ22は、横方向において第1背もたれ21と第3背もたれ23との間に配置されている。旋回軸Aは横方向に水平に延びている。
【0031】
第1背もたれ21は、第1シート部材24の一部と共に第1座席11を形成している。第2背もたれ22は、第1シート部材24の一部と共に第2座席12を形成している。第3背もたれ23は、第2シート部材25と共に第3座席13を形成している。第1座席11と第2座席12は第1シート部分14に関連付けられ、第3座席13は第2シート部分15関連付けられている。
【0032】
第1シート部材24、第1背もたれ21及び第2背もたれ22には、それ自体公知の方法で表皮材が設けられている。第2シート部材25及び第3背もたれ23にも、それ自体公知の方法で表皮材が設けられている。第1背もたれ21及び第3背もたれ23は車両シート1の幅全体の約40%を占め、一方、第2背もたれ22は車両シート1の幅全体の約20%を占めている。
【0033】
第1シート部材24は横方向クロスメンバー16を含み、横方向クロスメンバー16は、旋回軸Aと平行に横方向に延び且つ第1シート部材24のほぼ全幅にわたって延びている。
【0034】
第1背もたれ21は、一方の側に、この例では進行方向の左側に配置されている、調節取付具51を用いて、第1シート部材24の横方向クロスメンバー16に接続されている。
【0035】
調節取付具51は、第1シート部材24の横方向クロスメンバー16に固定的に接続された、すなわちシート部材に固定された、第1取付部材と、第1背もたれ21に固定的に接続された、すなわち背もたれに固定された第2取付部材とを有し、これらの取付部材は互いに対して旋回させることができる。この例では、2つの取付部材は、例えばクランプリングを用いて互いに保持されている、構造的な意味で円盤状のユニットを形成している。
【0036】
この例では、調節取付具51はキャッチ取付具として構成され、すなわち、2つの取付部材は可動バーを用いて互いにロックされることができる。バーは、例えば弾性的に付勢されたカムによってロック位置へ移動させられる。このような取付具は、例えば、その内容が参照により本明細書に含まれている、独国特許出願公開第102011010699号明細書に開示されている。
【0037】
取付ユニット60が、第1背もたれ21と第2背もたれ22との間に設けられている。取付ユニット60は、第1取付具61と第2取付具62とを含む。この例では、取付具61及び62も、調節取付具51と同様にキャッチ取付具として構成され、各々が、互いに対して旋回させることができる第1及び第2取付部材を含む。取付具61、62の2つの取付部材は、例えばクランプリングを用いて互いに保持されている、構造的な意味で円盤状のユニットを形成している。
【0038】
第1取付具61の第1取付部材は、第1下側取付部材31に固定的に接続されている。第1下側取付部材31は、第1シート部材24の横方向クロスメンバー16に固定されている。
【0039】
第1取付具61の第2取付部材は、第1上側取付部材34に固定的に接続されている。第1上側取付部材34は、第1背もたれ21に固定されている。
【0040】
第2取付具62の第1取付部材は、第2下側取付部材32に固定的に接続されている。第2下側取付部材32は、第1上側取付部材34に固定され、その結果、第1背もたれ21に接続されている。
【0041】
第2下側取付部材32と第1上側取付部材34は、この例では互いに溶接されている。他のタイプの固定、特にねじ止め又ははんだ付けも考えられる。
【0042】
第2取付具62の第2取付部材は第2上側取付部材35に固定的に接続されている。第2上側取付部材35は、第2背もたれ22に固定されている。
【0043】
第2背もたれ22は更に、取付ユニット60と反対側に、この例では進行方向の右側に配置された回転軸受52を用いて第1シート部材24の横方向部材16に接続されている。
【0044】
ロック解除ユニット65が、第2取付具62をロック解除するのに役立つ。ロック解除ユニット65は、図示されていない、第2背もたれ22の上部領域に配置された作動ボタンを含む。
【0045】
図示されていない、この例ではロック解除レバーとして構成されている作動ユニットが、調節取付具51及び第1取付具61を同時にロック解除するのに役立つ。作動ユニットは、しかしながら、例えば、ループ、ハンドホイール又はボーデンケーブルとして構成されることもできる。
【0046】
ロック解除レバーは、この例では横方向に調節取付具51に近接して第1背もたれ21に取り付けられ、且つ図示しない伝動ロッドによって調節取付具51及び第1取付具61に接続されている。
【0047】
ロック解除レバーを用いて調節取付具51及び第1取付具61をロック解除することによって、第1背もたれ21はそれ自体、一方では第1シート部材24に対する傾斜に関して異なる使用位置へ調節され、他方では非使用位置へ前方に旋回させることがでる。
【0048】
第2取付具62がロックされると、第2背もたれ22は第1背もたれ21に固定的に接続され、第1背もたれ21のこのような旋回運動に追従する。
【0049】
ロック解除ユニット65を用いて第2取付具62をロック解除することによって、第1背もたれ21が使用位置にあるとき、第2背もたれ22は、第1背もたれ21とは無関係に、一方では第1シート部材24に対する傾斜に関して異なる使用位置へ調節されることができ、他方では非使用位置へ前方に旋回させることができる。
【0050】
取付ユニット60は、背もたれ21、22が一方の旋回方向では同伴するように接続され、他方の旋回方向ではフリーランニング動作があるように構成されている。
【0051】
両方の背もたれ21、22が使用位置にあるとき、第2取付具62をロック解除した後、第2背もたれ22が非使用位置へ前方及び下方に旋回される場合、第1背もたれ21に対してフリーランニング動作があり、第1背もたれ21は直立の使用位置に留まり得る。
【0052】
両方の背もたれ21、22が非使用位置にあるとき、第2取付具62のロックを解除した後、第2背もたれ22が使用位置へ後方及び上方に旋回される場合、第1背もたれに対する連行接続があり、その結果、第1取付具61及び調節取付具51もロック解除されている限り、第1背もたれ21も直立の使用位置に旋回させられる。フリーランニング動作の基本原理は、独国特許発明第102013003790号明細書に開示されているように構成されてもよい。
【0053】
上記明細書、特許請求の範囲及び図面に開示された特徴は、本発明を様々な実施形態で実施するのに個別及び組み合わせの両方で重要であり得る。
【符号の説明】
【0054】
1 車両シート
11 第1座席
12 第2座席
13 第3座席
14 第1シート部分
15 第2シート部分
16 横方向クロスメンバー
21 第1背もたれ
22 第2背もたれ
23 第3背もたれ
24 第1シート部材
25 第2シート部材
31 第1下側取付部材
32 第2下側取付部材
34 第1上側取付部材
35 第2上側取付部材
51 調節取付具
52 回転軸受
60 取付ユニット
61 第1取付具
62 第2取付具
65 ロック解除ユニット
A 旋回軸
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2016年9月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート部分(14)を有する車両シート(1)であって、
前記シート部分(14)は第1背もたれ(21)を有する第1座席(11)と第2背もたれ(22)を有する第2座席(12)とシート部材(24)とを含み、
前記第1背もたれ(21)及び前記第2背もたれ(22)は前記シート部材(24)に接続され且つ旋回軸(A)の周りで前記シート部材(24)に対して旋回させることができ、
第1取付具(61)が設けられ、
前記第1取付具(61)の第1取付部材が前記シート部材(24)に対して回転固定して接続され、前記第1取付具(61)の第2取付部材が前記第1背もたれ(21)に対して回転固定して接続され、
第2取付具(62)が設けられ、
前記第2取付具(62)の第1取付部材が前記第1背もたれ(21)に対して回転固定して接続され、
前記第2取付具(62)の第2取付部材が前記第2背もたれ(22)に対して回転固定して接続され
前記第1取付具(61)及び前記第2取付具(62)は前記旋回軸(A)の領域に配置されていることを特徴とする、車両シート(1)。
【請求項2】
ロック解除ユニット(65)が設けられ、前記ロック解除ユニット(65)を用いて、前記第2取付具(62)は前記第1取付具(61)とは無関係にロック解除されることができることを特徴とする、請求項1に記載の車両シート(1)。
【請求項3】
前記第2背もたれ(22)は更に回転軸受(52)を用いて前記シート部材(24)に接続されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両シート(1)。
【請求項4】
調節取付具(51)が更に設けられ、前記調節取付具(51)の第1取付部材が前記シート部材(24)に対して回転固定して接続され、前記調節取付具(51)の第2取付部材が前記第1背もたれ(21)に対して回転固定して接続されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項5】
作動ユニットが設けられ、前記作動ユニットを用いて、前記調節取付具(51)は前記第1取付具(61)と同時にロック解除されることができることを特徴とする、請求項4に記載の車両シート(1)。
【請求項6】
前記第2背もたれ(22)を使用位置から非使用位置へ旋回させるとき、前記第1背もたれ(21)に対するフリーランニング動作があることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項7】
前記第2背もたれ(22)を非使用位置から使用位置へ旋回させるとき、前記第1背もたれ(21)に対する連行接続があることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項8】
前記第1取付具(61)の第1取付部材は空間的に前記第1取付具(61)と前記第2取付具(62)との間に配置された第1下側取付部材(31)に固定的に接続されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項9】
前記第2取付具(62)の第1取付部材は空間的に前記第1取付具(61)と前記第2取付具(62)と間に配置された第2下側取付部材(32)に固定的に接続されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項10】
前記第1取付具(61)の第2取付部材は、前記第2下側取付部材(32)に固定的に接続された第1上側取付部材(34)に固定的に接続されていることを特徴とする、請求項9に記載の車両シート(1)。
【請求項11】
前記第2下側取付部材(32)は、半径方向外側で前記第1下側取付部材(31)の周囲に部分的に係合することを特徴とする、請求項9又は10に記載の車両シート(1)。
【請求項12】
前記第1背もたれ(21)と前記第2背もたれ(22)との間に取付ユニット(60)が設けられ、前記取付ユニット(60)は前記第1取付具(61)と前記第2取付具(62)とを含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項13】
前記取付ユニット(60)は前記旋回軸(A)の領域に配置されていることを特徴とする、請求項12に記載の車両シート(1)。
【請求項14】
前記取付具(61,62)は各々、構造的な意味で円盤状のユニットを形成していることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の車両シート(1)。
【請求項15】
各取付具(61、62)の2つの取付部材は各々、クランプリングを用いて互いに保持されていることを特徴とする、請求項14に記載の車両シート(1)。
【国際調査報告】