(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-501944(P2017-501944A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(54)【発明の名称】梱包開放装置
(51)【国際特許分類】
B65B 69/00 20060101AFI20161222BHJP
【FI】
B65B69/00 102
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-543002(P2016-543002)
(86)(22)【出願日】2014年12月22日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月9日
(86)【国際出願番号】FI2014051043
(87)【国際公開番号】WO2015097344
(87)【国際公開日】20150702
(31)【優先権主張番号】20136316
(32)【優先日】2013年12月23日
(33)【優先権主張国】FI
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516186223
【氏名又は名称】クロス ラップ オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】キヴェラ,カーレ
【テーマコード(参考)】
3E058
【Fターム(参考)】
3E058AA04
3E058BA20
3E058CA01
3E058DA01
(57)【要約】
包装材料で包装されたおよび/または縛られた梱包体を開放するための梱包開放装置(100)は、開放される梱包体を支持するための支持構造体(102、102A)と、包装材料を把持し、これを再度梱包体から引き離す把持機構(103)とを備える。加えて、装置は、把持機構から包装材料を受け取り把持する除去手段(101、101a、101b)を備える。除去手段は、次いで、包装材料を梱包体および把持手段から除去するように作動される。除去手段(101)および把持手段(103)は、除去手段が前記包装材料を除去するように作動されるのと本質的に同時に把持機構が支持構造体に向かって戻ることを可能にするように相互に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料で包装されおよび/または縛られた梱包体を開放するための梱包開放装置(100)であって、
開放される前記梱包体を支持するための支持構造体(102、102A)と、
前記梱包体と共に導入され、前記包装材料(10)を把持し、前記把持された包装材料と共に再度移動されて前記梱包体から離れる(20、30)ように構成された把持機構(103)と、
前記包装材料が前記把持機構(103)によって移動されて前記梱包体から離れたとき、前記包装材料と共に導入されるように配置され、導入された前記包装材料を把持するように構成された、除去手段(101)とを備え、
前記除去手段(101)は作動され、当該作動によって前記包装材料を除去するように構成されており、
前記除去手段が前記包装材料を除去するように作動されるのと本質的に同時に、前記把持機構(103)が前記支持構造体(102)に向かって戻ることを可能にするように、前記除去手段(101)および前記把持手段(103)が相互に配置されることを特徴とする、梱包開放装置。
【請求項2】
前記除去手段(101)が、少なくとも1本の(101a、101b)ロッドを備え、当該ロッドは、切欠部および対抗部などの捕捉手段を有し、当該捕捉手段は、前記包装材料を除去するために前記除去手段に向けて前記包装材料を捕捉するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記除去手段(101)が、少なくとも2本の長手方向のロッド(101a、101b)を備え、それにより、前記把持機構(103、103A)は、前記ロッド(101a、101b)間に前記包装材料を移動させて(20、30)、導入するように構成され、このとき、前記ロッドは、前記包装材料を把持するように作動される、たとえば回転されるように構成される、請求項1または2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
前記装置は取り除き手段(104)を備え、当該取り除き手段は、前記包装材料を巻き付けた後、前記包装材料を前記除去手段(101)から取り除く、請求項2から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記取り除き手段(104)が、前記ロッド(101a、101b)に沿って移動されるように構成されることにより、前記ロッドの周りに巻き付けられた、前記包装材料を押し出して除去する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ロッドが、前記ロッド間の領域内に共通の回転軸(101)を有し、それにより、前記ロッドが、前記共通の回転軸の周りで回転可能であり、それによって前記包装材料を巻き付ける、請求項3から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記除去手段(101)が、少なくとも1つのローラおよび対抗部を備え、少なくとも1つのローラは、当該ローラが周囲で回転可能な自らの回転軸を有し、前記ローラおよび/または前記対抗部は、互いに向かって移動し、前記包装材料をこれらの間に緊密に押し込むように構成され、また、少なくとも1つのローラの回転運動により、前記包装材料を押し出すまたは除去するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記除去手段(101)が、少なくとも1つのフック機構を備え、前記フック機構は、前記把持機構が、前記フック機構の隣に移動することが可能にされ、このとき、前記フックは、前記把持手段によって導入された前記包装材料を把持するように作動される、たとえば引っかけられるおよび/または回転されるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記フック機構が、開口部を有するフレームを備え、前記開口部内で、前記フックは、回転式に枢動され、前記フックを前記開口部内で回転させることを可能にし、それにより、前記開口部のリムは、前記開口部内での前記フックの回転中、前記フックからあらゆる包装材料を除去するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記除去手段(101)が、前記包装材料の把持後に側方に移動するように構成され、それによって、前記除去手段を作動させ、前記包装材料を除去するのと本質的に同時に、前記把持機構(103)が移動されて前記支持構造体(102)に向かって戻ることを可能にする、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記除去手段(101)が、前記側方に配置され、前記包装材料の少なくとも一部分を前記除去手段に移送する前記把持機構、または他の追加の導入装置の動きによって、前記包装材料が、前記除去手段に導入されるように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記除去手段(101)が、枢動式または可動式のア−ムに結合され、前記アームは、前記枢動点に関連して移動するように構成され、それによって前記除去手段から取り除くとき、前記包装材料をさらに遠くに移送することを可能にする、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記梱包開放装置が、ブレードなどの切断手段(109)を備え、前記切断手段は、前記把持機構(103)が前記梱包体(10)と共に導入されたとき、但し、前記把持機構が移動されて前記把持された包装材料を伴って前記梱包体から離れる(20、30)前に、前記梱包体の少なくとも一方側で前記包装材料を切断するように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記切断手段(109)が、前記把持手段(103)に連結して配置される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記切断手段(109)が、前記梱包体の前縁内または前記前縁と前記第2の把持手段の間に位置する前記梱包体の部分において前記包装材料を切断するように構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記梱包開放装置が、少なくとも2つの把持手段(103A、103B)を備え、前記把持手段は、開放される前記梱包体の周りに導入されて、前記梱包体を押さえるように構成され、それによって前記包装材料の切断を容易にするために、前記梱包体内への圧力および前記包装材料への応力を誘発する、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記梱包開放装置が、2つの把持手段(103A、103B)を備え、このとき、前記第1の把持手段(103A)は、前記把持された包装材料を前記梱包体から引き出すように構成され、前記第2の把持手段(103B)は、前記第1の把持手段の移動中、固定状態である、または前記第1の把持手段に比べて短い距離だけ移動し、前記包装材料を把持するように構成される、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記把持機構(103)が、フレーム要素と、前記フレーム要素に結合された歯状手段とを備え、前記歯状手段は、重複式に、または互いに相対的に移動し、それによって前記梱包体の前記包装材料を把持するように構成される、請求項1から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記支持構造体(102)が、本質的に、水平にヒンジ連結された、および/または枢動式のテーブルおよび/またはプレートであり、当該テーブルおよび/またはプレートが、前記包装材料を除去するために前記梱包体を移送するためのコンベヤ(106)に結合されるように構成される、請求項1から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記支持構造体(102)が、クランプ留め機構(108)であり、前記クランプ留め機構は、前記把持機構に結合された少なくとも2つのフォーク手段を備え、当該フォーク手段は、その自由相互運動によって前記梱包体周りに中心揃えされるように構成される、請求項1から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記梱包開放装置が、前記支持構造体(102、102A)と前記コンベヤ(106)の間に配置されるローラ(107)を備え、この場合に前記ローラは、当該ローラと共通の回転軸を有する、ブレードなどの切断手段(109)を備える、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記梱包開放装置が、可動式車両である、請求項20に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイル、フィルム、プラスチック、ネット様材料、もしくは他のウエブ(クモの巣、網)様の包装材料などの包装材料で包装されたおよび/または縛られた、またはストラップ、ワイヤもしくはストリングのような結束材料で縛られた梱包体を開放するための梱包開放装置に関する。
【背景技術】
【0002】
包装された梱包体は、たとえば包装される材料の周りに包装材料を施すことによって生み出される。包装される材料は、たとえば、RDF、SRF(ごみ固形燃料(RDF)または固体回収燃料/特定回収燃料(SRF))および他の廃棄物のような化学パルプまたは廃棄材料、再利用材料および工業材料などの、包装されるのに適した任意の材料になり得る。材料が包装されるとき、廃棄梱包体などを保存し、またはさらなる処理に向けて、たとえば燃焼プラントに向けて移送することが容易である。たとえば、さらなる処理の前に、たとえば廃棄材料を再利用するまたは燃焼させることなどの廃棄梱包体のさらなる処理の前に、包装された梱包体を開放し、包装材料を除去することがしばしば必要である。
【0003】
梱包体は、梱包体および包装材料をつぶし、それによって梱包体の内側の包装された材料を解放するクラッシャ様装置などの、知られている従来技術によるさまざまな方法によって開放される。また、より洗練された梱包開放機が、梱包体周りの包装フィルムおよび梱包体ワイヤなどの包装材料を除去するために使用され、それによって、梱包体内側の材料を全くつぶすことなく、材料を、たとえばエネルギー源として使用することを可能にする。しばしば、梱包開放機は、包装材料を切断するための切断手段と、包装材料を把持し、切断し、これを引き出し運動によって除去する把持機構とを有する。本出願者によって開発された従来の梱包開放機は、ローラも有し、ここでは、把持機構は、包装材料をローラ間に引き出し、その後ローラは、互いに対して押し付けられ、包装材料をより効率的に梱包体から除去するように回転される。
【0004】
従来の梱包開放機は、いくつかの利点を有するが、これに関連する一部の不利点も依然として存在し、たとえば、包装材料がローラに付着することがあり、それによって梱包開放機の非効率性を生じさせることがしばしばある。さらに、把持機構が包装材料をローラ間に引き出したとき、梱包開放機は、把持機構が戻るのを待たなければならないため、その時点で梱包開放機を使用することはできない。しかし、把持機構は、ローラが包装材料を梱包体から(また場合によっては把持機構からも)除去した後のみ、そして把持機構が戻ることができるようにローラが再度開かれているときに戻ることができる。
【0005】
さらに、除去された包装材料に関連するいくつかの不利点が依然として存在し、すなわち包装材料は、開放機の隣に積み重ねられるだけであることがしばしばあり、このとき、梱包開放機のそばの地面の包装材料の山は、危険要因であり、さらに開放機近くの自由空間を散らかす。解決策が知られており、この場合梱包開放機は、プラットフォーム上に配置され、積載パレットが、包装材料を押し出すローラの下または真下に配置される。他の方法は、地面に穴を掘り、積載パレットを穴の中および開放機の下方に置くことである。いずれの場合も、これらの解決策は欠点を有し、すなわち、梱包開放機にこの種類の追加の構造を提供することは非常に実現が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、知られている従来技術に関連する問題を軽減し解消することである。特に、本発明の目的は、包装されたおよび/または縛られた梱包体を効率的に、確実に、すばやく開放するための梱包開放装置を提供すること、および包装材料の梱包開放装置への付着に関連する問題を解消するなど、可能性のある機能不全を最小限に抑えることである。さらに、本目的は、把持手段がその適所に、開放される次の梱包体を導入するために戻ることができるまで、包装材料の除去を待つ必要がないようにプロセスを固定することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、独立請求項の特徴によって達成され得る。
【0008】
本発明は、請求項1に記載の梱包開放装置に関する。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、梱包開放装置は、開放される梱包体を支持するための支持構造体を備える。支持構造体は、たとえば、開放および包装材料除去のプロセス中に梱包体を受け入れ保持するのに適したテーブルまたは他の構造体でよい。支持構造体は、本質的に水平に配置されたテーブルでよく、これはまた、一例によれば、枢動式および/またはヒンジ連結式のテーブルでもよく、それによって支持構造体上の梱包体の回転または傾斜運動を可能にする。一実施形態によれば、支持構造体は、梱包体を開放のために支持構造体に移送するコンベヤと機能的に結合され得る。当然ながら、梱包体は、これをトラックまたはそのようなものなどによって運ぶなどの他の方法によってテーブルに提供することができることも理解されたい。
【0010】
別の実施形態によれば、支持構造体は、クランプ留め機構によって実装され得る。クランプ留め機構は、有利には、(フォークリフトトラックにおけるような)少なくとも2つのフォーク様手段を備え、この手段は、把持機構に結合されてよく、有利には、その自由相互運動によって梱包体周りで中心揃えされ、そのため梱包体に向かっておよび梱包体から離れて移動されるように構成される。クランプ留め機構は、有利には、梱包開放装置が可動式車両とする場合に使用される。
【0011】
梱包開放装置は、有利には、把持機構も備え、この把持機構は、梱包体と共に導入され、前記包装材料を把持し、再度移動して梱包体から離れるように構成され、それにより、把持手段によって把持された包装材料は、引き出し中、同時に梱包体から除去される。一例によれば、梱包開放装置は、前記包装材料を把持するように構成された1つの把持手段を備える。一例によれば、梱包開放装置は、2つの把持手段を備え、これらの手段はいずれも、梱包体に向かって、したがって互いに向かって移動するように構成される。特に、これは、2つの把持手段がクランプ留め機構に連結して配置される実施形態において有利であり、この場合、クランプ留め機構は、それ自体梱包体周りで中心揃えするように配置され得る。しかし、把持機構はまた、1つだけの把持手段によって実装され得ることにも留意されたい。
【0012】
梱包体からの包装材料の除去(少なくとも最初の除去運動)は、たとえば、前記把持手段を梱包体から引き出すことによって、1つまたは複数の把持手段をいずれか用いることによって実施され得る。
【0013】
第1の把持機構は、包装材料を把持し、除去手段に導入するように構成され、この除去手段は、包装材料を把持し巻き付け、それによってこれを梱包体および把持機構から除去するように構成される。さらに、有利な実施形態によれば、2つの把持手段が使用されるとき、第2の把持機構もまた、包装材料を把持し保つように構成され、さらに、前記把持手段は、追加的に、包装材料のその把持を緩め、それによって除去手段による把持材料の除去を容易にするように構成される。第2の把持機構は、第1の把持機構の引き出し距離よりかなり短い距離だけ包装材料を引っ張るように構成され得る。
【0014】
装置は、有利には、包装材料を除去するために梱包体少なくとも一方側で切断するための切断手段も備え、それにより、包装材料は、制御された方法で緩められ解放され、把持手段が、制御されない方法で、このとき梱包体材料が辺りに散らばり、装置の環境を散らかして、包装材料を破壊または破損することはない。切断手段は、たとえば切断刃によって実装されてよいが、他の切断手段も可能である。切断手段は、把持機構に連結して配置されてよく、および/または切断手段は、別個に作動される切断手段でよい。装置は、底部にある1つの切断手段、梱包体の前縁を切断するように構成された1つの切断手段、包装材料を引き出しこれを除去手段に導入する把持手段とは反対の梱包体の側に本質的に配置された1つの切断手段などの1つまたは複数の切断手段とを備えることができることに留意されたい。また、包装材料の切断は、把持機構が梱包体と共に導入されたとき、但し有利には、把持機構が包装材料を梱包体から完全に引き離す前に実行され得ることにも留意されたい。
【0015】
一実施形態によれば、1つの切断手段は、包装材料を梱包体の前縁内、または前縁と前記第2の把持手段との間に位置する梱包体の部分において切断するように構成される。これは非常に有利な実施形態を提供し、すなわち、包装材料が、前縁において、または前縁と第2の把持手段の間の部分において切断され、包装材料が第2の把持手段によって把持されたとき、梱包体の廃棄材料は、梱包体の前縁方向を指す前記作り出された開口部を介して取り出される。したがって、梱包体は、第1の把持手段が包装材料を引き出し、これを最終的な除去のために除去手段に運ぶのと同時にさらに移動され得る。さらに、包装材料が第2の把持手段によって依然として把持されているとき、これは、梱包体の内側の材料が間違った方向に、または逆行して、たとえば装置のコンベヤまたは他の構造に戻るように流れ込む可能性を最小限に抑え、したがって所望の方向に進む梱包体材料の移動を容易にする。
【0016】
一実施形態によれば、把持機構は、前記除去手段を迂回するように構成され、除去手段は、さらに、この迂回の後で前記包装材料を把持するように構成される。有利な実施形態によれば、除去手段は、把持機構の戻り運動を可能にするように構成される。これは、包装材料を把持されたときに除去手段を側方に移動させ(サイドステップ)、それによって把持機構をその元の位置(開放される梱包体の近く)に戻すことを可能にすることによって達成することができ、または除去手段の機械的構造は、これが、把持機構の戻り運動を可能にするようなものになり得る。さらに、一実施形態によれば、除去機構は、把持手段の移動路の側方に配置されてよく、このとき、包装材料は、把持手段のいずれかの側方方向の動きで除去手段に提供されてよく、または包装材料は、中間または別の追加のオペレータによって把持手段から除去手段に移送される。特に、一例によれば、除去手段は、本質的には巻き付けと同時に、前記把持機構が移動されて、梱包体を支持する前記支持構造体に向かって戻ることを可能にするように構成される。
【0017】
本文書で説明する装置の除去手段は、包装材料の把持後に側方に移動するように構成され、それによって把持機構が、本質的には包装材料を巻き付けまたは除去すると同時に前記支持構造体に向かって(場合によって新しい梱包体に)移動して戻ることを可能にするように構成され得ることに留意されたい。除去手段はまた、側方に配置されてもよく、把持手段または他の追加のオペレータは、前記包装材料の少なくとも一部分を除去手段に移送する把持機構または追加のオペレータの動きによって包装材料を除去手段に導入するように構成される。
【0018】
包装材料は、梱包体材料が一緒に保持されるように梱包体を操作するために使用される任意の材料でよいことを理解されたい。したがって、包装材料は、有利には、包装される梱包体材料に応じて選択される。したがって、包装材料は、たとえば、ホイル、フィルム、収縮性フィルム、プラスチック、ネット様材料、もしくは他のウエブ様包装材料、またはプラスチックもしくは金属から作製されたバンド、ストラップ、ワイヤ、もしくはストリングのような結束材料、または、たとえばこれまで述べられた組み合わせでよい。包装材料は、本文書では、梱包体材料を一緒に包装する、結束する、または保持するために使用されるあらゆる種類の材料および方法を意味するために使用される。
【0019】
本発明は、包装された梱包体の開放を効率的で、確実なすばやい方法で可能にするなどの、知られている従来技術に勝る利点を提供する。さらに、包装材料の梱包開放装置への付着に関連する問題などの可能性のある機能不全は、効果的に最小限に抑えられまたはさらに除去され得る。さらに、把持手段が、その適所に、開放される次の梱包体の導入のために戻ることができるまで包装材料を除去することを待つ必要はないため、この開放プロセスは、非常にすばやいものである。さらに、埃の量は、たとえば、梱包体材料を少なくとも部分的に破壊するクラッシャ様装置またはより頑強な梱包開放機に関連して本発明によって低減され得る。埃は、公害ならびに火事または爆発リスクなどの多くの不利益を引き起こす。
【0020】
さらに、本発明による装置は、特にクラッシャ様装置の従来のものよりかなり小さい空間内に配置され得る。空間要求事項が小さくなり構造体が軽量になるので、本発明による装置の基礎部はかなり軽量に作製可能であり、これは、事実上、かなり安価かつよりすばやい方法を意味する。装置の作動は、クラッシャ様装置のものより激しくはないため、保全作業間隔は延長可能であり、これは、直接的に生産性を示唆する。
【0021】
次に、本発明は、添付の図を参照して例示的な実施形態を参照することによってより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の有利な実施形態による、包装された梱包体を開放するための例示的な梱包開放装置100の側面図である。
【
図2】本発明の有利な実施形態による、さまざまな開放段階中の、包装された梱包体を開放するための例示的な梱包開放装置100の正面図である。
【
図3-1】本発明の有利な実施形態による、さまざまな開放段階中の、包装された梱包体を開放するための例示的な梱包開放装置100の上面図である。
【
図3-2】本発明の有利な実施形態による、さまざまな開放段階中の、包装された梱包体を開放するための例示的な梱包開放装置100の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1A〜1Bは、以下でより詳細に説明する、本発明の有利な実施形態による、包装された梱包体を開放するための例示的な梱包開放装置100ならびにその機能ステップおよび方法の側面図を示し、
図2A〜2Dはその正面図を示し、
図3A〜3Dは、その上面図を示す。
【0024】
梱包開放装置100は、開放される梱包体を支持するための支持構造体102を備える(梱包体は示されていない)。さらに、装置100はまた、梱包体と共に導入され(ステップ10)、包装材料を把持し(ステップ10)、把持された包装材料と共に再度移動されて梱包体から離れる(ステップ20、30、40)ように構成された把持機構103も備える。梱包開放装置100はまた、除去手段101も備え、除去手段101は、ここでも、把持手段103によって導入されたときに包装材料を捕捉し把持するように構成された少なくとも1本のロッド101a、101bまたはタンブラを備える。これは、たとえば、除去手段が、把持手段103が把持された包装材料と共にその間を移動されるように構成された、少なくとも1本のロッド101a、101bを備えるように実施することができ、これは、たとえば
図3A〜3Cに見ることができる。包装材料の除去は、前記ロッド101a、101bなどの除去手段101を回すまたは回転させることによって実施することができ、このとき、包装材料は、丸められまたは巻かれて球形化などのこぶ(kink)または塊になる。
【0025】
除去手段101が数多くの方法で実施され得る場合であっても、1つの有利な実施形態が、図に示され、ここでは、除去手段101は、2本の長手方向の本質的に平行なロッド101a、101bを備える。ロッドは、有利には、ロッド間の領域内に共通の回転点101cを有するように結合されてよく、それにより、これらは、共通の回転点の周りで回転可能であり、それによって包装材料に巻き付け効果を引き起こす。把持機構103は、そのため、前記2本のロッド101a、101b間を移動するように構成され(
図2A、2Bまたは3Aに説明する位置から
図2Dまたは3Dに説明する位置まで、特にステップ30)、その後、ロッドは少なくとも何周りか回転され(ステップ40)、それによって包装材料を把持することができる(そのため把持機構103は、
図2Dまたは3Dに説明された位置にある)。
【0026】
除去手段101が材料を把持した後、把持手段103は、包装材料を解放し、その元の位置に戻り、そのため開放される梱包体が導入される領域の近傍(
図2Aまたは3Aに説明する位置)に戻ることができる。把持手段の戻り運動は、たとえば、ロッド101a、101bの回転を停止させることによって実施することができ、このとき、把持手段103は、移動して静止状態のロッド間のその元の位置に戻ることができ、このとき、把持手段がロッドを迂回したとき(
図2Bまたは3Aに説明する位置)に、これらを再度回転させることができ、または把持手段の戻り作業は、除去手段をサイドステップすることによって実施されてよい(
図1Bに説明するものなど)。
【0027】
除去手段は、本発明によれば、側方に移動するように構成され、それによって把持手段の戻り運動を可能にする。側方運動は、
図1Bに説明するように完全な水平運動または傾斜になり得るが、他の側方運動も可能である。除去手段は、有利には、把持手段が戻っているとき(特に除去手段のサイドステップまたは側方運動が実施される場合)と同時に作動され、たとえば回転されてよいことに留意されたい。これは、把持手段が戻ることができるまで包装材料の完全な除去を待つ必要はないため、梱包開放プロセスを非常に固定する。
【0028】
包装材料が、ロッド101a、101bを回転させることによって梱包体から除去されたとき、包装材料は、ロッドからも取り除かなければならない。したがって、装置は、有利には、包装材料を巻き付けた後、前記包装材料を除去手段101から、特にロッド101a、101bから取り除くための取り除き手段104も備える。取り除き手段は、除去手段に連結して配置され得る。取り除き手段は、たとえば、プレートまたはそのようなもの104でよく、これは、ロッドに沿って、たとえばロッドの自由端部に向かって移動し、それによって前記ロッドの周りに巻き付けられた、包装された材料を押し出し、取り除くように構成され、そのようなものは
図1Bに示される。
【0029】
ロッドなどの除去手段は、除去手段のサイドステップ運動を可能にするように枢動されてよく(105)、このとき、取り除きにより、巻き付けられた、包装された材料は、梱包開放器から距離を離して、たとえば積載パレットまで移送できることに留意されたい。一例によれば、装置はまた、積載パレットと連結する溝またはそのようなものなどの、別のタイプの取り除き手段を備えることもでき、このとき、除去手段および溝の相対運動は、除去手段周り、特にロッド(図示せず)周りの包装された材料を取り除くように配置され得る。これは、明確な利点であり、すなわち、装置は、除去手段ならびに装置の環境を容易にきれいに保つことができ、それによって、装置の近傍の散らかりがないため、ここでも安全性を改善する。
【0030】
一実施形態によれば、除去手段はまた、別の回転ローラまたは固定された本体でよい少なくとも1つの回転ローラおよびその対抗部(カウンタ部)によって実装され得る。ローラおよび/または対抗部は、これらが、それらの間の把持手段の動きおよび包装材料の除去手段への導入を可能にするように配置され得る。たとえば、第1のローラおよび対抗部は、把持機構がこれらの間に移動された後、互いに押し付け合ってよく、その後ローラおよび対抗部は、(ロータと対抗部の間に押し付けられた)包装材料と共に側方に移動され、それによって把持機構の戻り運動を可能にすることができる。包装材料の除去は、少なくともローラを、これが包装材料を梱包体および把持機構から引き離すように回転させることによって実施される。ここでも、ローラおよびその対抗部は、包装材料を、距離を離して積載パレットなどに除去するようにサイドステップ運動を実行するように構成され得ることに留意されたい。有利には、除去手段は、2つの回転ローラを備え、このローラは、両方向(時計周り方向および反時計周り方向)に回転することができ、このとき、ローラは、たとえば、可能性のある詰まりを容易に取り除くことができる。
【0031】
さらに、例示的な実施形態によれば、除去手段は、少なくとも1つのフック機構によって実装されてよく、このフック機構は、前記把持機構が、フック機構の隣に移動し、それによって包装材料をフック機構に導入することが可能にされるように配置され得る。導入はまた、追加のオペレータによって実施されてもよく、またはフックは、フッキング運動を行い、それによって包装材料を捕捉するように配置されてよい。さらに、フックは、前記把持手段または任意の追加のオペレータによって導入された包装材料を把持するように引っかけるおよび/または回転するなどのように作動されるように構成される。フックの動きは、把持機構の戻り運動を可能にするように実施され得る。フックは、たとえば、枢動式アーム内に配置され得る。
【0032】
一例によれば、フック機構はまた、取り除き機構も備え、この取り除き機構は、たとえば、フックが回転式にその中で枢動される開口部を有するフレームによって実装される。フックが作動され、それによって包装材料が梱包体から除去された後、フックによる取り除きは、フックを開口部内で回転させることによって実行することができ、それにより、開口部のリムは、開口部内のフックの回転運動中、フックからあらゆる包装材料を取り除くように構成される。
【0033】
一実施形態によれば、梱包開放装置は、少なくとも2つの把持手段103A、103Bを備えることができ、これらの把持手段は、開放される梱包体の周りに導入され、梱包体を押さえるように構成され、それによって梱包体内への圧力および包装材料への応力を誘発するように構成され、このとき、包装材料は、切断することが容易である。
【0034】
梱包開放装置内に使用される把持機構は、従来技術から知られている任意の把持機構でよい。これは、たとえば、フレーム要素およびフレーム要素に結合された歯状手段(グリッパ)を備えることができる。歯状手段は、たとえばループを歯状手段間に残すが、依然として包装材料を切断することなくこれに対する圧力を誘発し、それによって梱包体の包装材料に把持効果をもたらすように、重複式にまたは互いに相対的に移動するように構成され得る。
【0035】
支持構造体102は、たとえば、開放される梱包体を受け入れるように構成されたテーブル102Aを備えることができる。支持構造体は、梱包体を支持構造体に移送するためのコンベヤ106に結合され得る。梱包開放器はまた、支持構造体102、102Aとコンベヤ106の間に配置されたローラ107を備えることもでき、この場合、ローラは、ローラと共通の回転軸を有するブレードなどの切断手段を備える。ローラは、梱包体がその間に詰まることがないようにコンベヤからテーブルへの梱包体の移送を容易にする。さらに、ローラがブレードを備えるとき、これは、梱包体をコンベヤからテーブルに移送するのと同時に、包装材料を梱包体の底側で切断する。
【0036】
固定状態に装着された装置のみが図に示されている場合であっても、梱包開放装置はまた、可動式車両として実施されてよいことに留意されたい。ここでは、支持構造体102は、有利には、クランプ留め機構を備え、この場合、クランプ留め機構は、少なくとも2つのフォーク様手段を備える。フォーク様手段は、把持機構103を備えることができ、これが梱包体に向かって移動されるとき、その自由相互運動によって梱包体の周りに中心揃えされるように構成される。
【0037】
可動式装置は、本書で説明する梱包開放装置および機能の任意のもの、たとえば、把持手段103および特に除去手段101を備えることができることに留意されたい。さらに、「非可動式」(固定式に装着された)梱包開放装置もまた、把持および切断作業中、ならびに包装材料の除去作動中にも梱包体を所定場所に保持するために、クランプ留め機構108を備えることができることにも留意されたい。
【0038】
開放装置は、有利には、ブレードなどの切断手段109も備え、この切断手段は、前記把持機構103が梱包体と共に導入されたとき(ステップ10)、但し有利には、前記把持機構103が前記把持された包装材料を伴って移動されて梱包体から離れる(ステップ20、30)前に梱包体の少なくとも一方側で包装材料を切断するように構成される。
【0039】
本発明は、前述の実施形態を参照して上記で説明され、本発明のいくつかの利点が実証された。本発明は、これらの実施形態のみに限定されず、本発明の考えおよび特許請求の範囲の趣旨および範囲内のすべての可能な実施形態を含むことが明確である。特に、梱包開放装置は、地面上に本質的に固定状態で位置する装置によって実施されてよく、またはこれは、適切なクランプ留め機構ならびに本書で説明する他の梱包開放機能および手段を有する可動式装置によって実装され得ることに留意されたい。加えて、包装材料は、たとえばホイルまたはフィルム、プラスチック材料、ネット様材料、または他のウエブ様包装材料でよく、本発明は、任意の特別な包装材料に限定されないことに留意されたい。さらに、梱包体は、プラスチックまたは金属材料などのストラップ、ワイヤ、またはストリングなどの結束材料によって結束されまたは縛られてよく、これは、本発明による梱包開放装置によって除去される前記包装材料として解釈され得る。当然ながら、本発明が、いかなる種類の包装された梱包体にも適用可能であり、廃棄物材料梱包体のみに限定されないことも理解されたい。
【符号の説明】
【0040】
10 包装材料
100 梱包開放装置
101 除去手段
101a、101b ロッド
102 支持構造体
102A テーブル
103 把持機構
103A、103B 把持手段
104 取り除き手段
105 枢動する
106 コンベヤ
107 ローラ
108 クランプ留め機構
109 切断手段
10、20、30、40 ステップ
【国際調査報告】