特表2017-502528(P2017-502528A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-502528(P2017-502528A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20161222BHJP
   C09K 11/08 20060101ALI20161222BHJP
   C09K 11/59 20060101ALI20161222BHJP
   C09K 11/80 20060101ALI20161222BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20161222BHJP
   F21V 9/16 20060101ALI20161222BHJP
   F21V 9/08 20060101ALI20161222BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20161222BHJP
【FI】
   H01L33/50
   C09K11/08 J
   C09K11/59CQD
   C09K11/80CPM
   F21S2/00 311
   F21V9/16 100
   F21V9/08 200
   F21Y115:10 500
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-553185(P2016-553185)
(86)(22)【出願日】2014年4月25日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月6日
(86)【国際出願番号】KR2014003664
(87)【国際公開番号】WO2015068916
(87)【国際公開日】20150514
(31)【優先権主張番号】10-2013-0135280
(32)【優先日】2013年11月8日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0049845
(32)【優先日】2014年4月25日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】516134051
【氏名又は名称】ルミマイクロ コーポレーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LUMIMICRO CORP. LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100080012
【弁理士】
【氏名又は名称】高石 橘馬
(74)【代理人】
【識別番号】100168206
【弁理士】
【氏名又は名称】高石 健二
(72)【発明者】
【氏名】キム テフン
(72)【発明者】
【氏名】イ サンイル
(72)【発明者】
【氏名】イ サンジェ
(72)【発明者】
【氏名】チェ ボンヨル
(72)【発明者】
【氏名】チ ビョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ジェウン
【テーマコード(参考)】
3K243
4H001
5F142
【Fターム(参考)】
3K243AA01
3K243CD02
3K243CD09
4H001CA04
4H001CA05
4H001XA07
4H001XA08
4H001XA14
4H001XA20
4H001XA21
4H001XA38
4H001XA39
4H001XA56
4H001XA57
4H001XA62
4H001XA64
4H001XA71
4H001YA58
4H001YA63
5F142AA23
5F142AA25
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA02
5F142DA03
5F142DA14
5F142DA23
5F142DA32
5F142DA44
5F142DA45
5F142DA53
5F142DA54
5F142DA56
5F142DA65
5F142DA73
5F142FA23
5F142GA21
5F142HA01
(57)【要約】
本発明は、ブルー波長帯の第1光を出射する発光素子と、前記第1光を第2光に変換する第1波長変換体と、前記第1光を第3光に変換する第2波長変換体、および前記第1光を第4光に変換する第3波長変換体を含み、前記第1光〜第4光の中心波長は下記の関係式1を満足する発光装置を開示する。
[関係式1]
λ1<λ2<λ3<λ4
(ここで、λ1は第1光の中心波長であり、λ2は第2光の中心波長、λ3は第3光の中心波長、λ4は第4光の中心波長である。)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブルー波長帯の第1光を出射する発光素子;
前記第1光を第2光に変換する第1波長変換体;
前記第1光を第3光に変換する第2波長変換体;および
前記第1光を第4光に変換する第3波長変換体;を含み、
前記第1光〜第4光の中心波長は下記の関係式1を満足する、発光装置。
[関係式1]
λ1<λ2<λ3<λ4
(ここで、λ1は第1光の中心波長であり、λ2は第2光の中心波長、λ3は第3光の中心波長、λ4は第4光の中心波長である。)
【請求項2】
前記第2光は中心波長が480 nm〜500 nmで、第3光の中心波長は510 nm〜550 nmである、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1光〜第4光が混合された出射光は白色光であり、演色性評価数R12が80以上である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1波長変換体は下記の一般式1で表現される、請求項1に記載の発光装置。
[一般式1]
Mx(1-p)SiyOzN(2x+4y-2z)/3;Eu2+
(ここで、MはCa,Sr,Baから選択された少なくとも一つの元素であり、xは0.7〜1.2、yは1.5〜2.6、zは1.5〜2.6、pは0〜0.11である。)
【請求項5】
前記第2波長変換体は下記の一般式2で表現される、請求項1に記載の発光装置。
[一般式2]
M3Al5O12:Ce3+
(ここで、MはY,Lu,Sc,La,GdおよびSmから選択された少なくとも一つの元素である。)
【請求項6】
前記第1波長変換体と第2波長変換体の重量比は1:7〜1:15である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1波長変換体と第2波長変換体の重量比は1:7〜1:10である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1波長変換体と第2波長変換体の重量比は1:7〜1:8である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1光の主波長は450 nm〜455 nmであり、
前記第1波長変換体と前記第2波長変換体の重量比は1:4〜1:15である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第1波長変換体と前記第2波長変換体の重量比は1:7である、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第1光の主波長は456 nm〜460 nmであり、
前記第1波長変換体と前記第2波長変換体の重量比は1:7〜1:8である、請求項1に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は演色性が向上した発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光装置(LED,Light Emitting device)はGaAs,AlGaAs,GaN,InGaInPなどの化合物半導体(compound semiconductor)に蛍光体を塗布して多様な色の光を実現することができる装置をいう。発光装置はLEDから出射する波長を外部の蛍光体などを利用して波長を変化させることによって、所望の色の波長に変換して使用する。
【0003】
従来は青色LEDの光を黄色蛍光体(yellow color phosphor)を利用して白色光に波長変換させる方法を使用した。このような構造の白色発光装置は安価で、原理的および構造的に非常に簡単であるため、広く利用されている。
【0004】
しかし、単一の黄色蛍光体の発光で緑色と赤色領域のスペクトル欠乏が起こり演色性が低い問題があった。
【0005】
演色性(CRI)とは、光源の光が物体の固有な色をどれ程正確な天然色に見えるようにするかを評価する指数である。このような演色性には、R1〜R8で定められた8色の平均値を算出する平均演色評価数(Ra)と特殊演色評価数(R9〜R15)がある。このような特殊演色評価数には赤色であるR9、黄色であるR10、青色であるR12などがある。
【0006】
最近では、黄色の他に赤色蛍光体や緑色蛍光体などを混合して演色性を向上させた技術が開発されている。しかし、このような技術は平均演色評価数(Ra)は向上させることができるものの、特殊演色評価数のうちR12(青色)値は依然として低い問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は白色光を具現しつつ平均演色評価数の他にもR12値を向上させることができる発光装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一特徴に係る発光装置は、ブルー波長帯の第1光を出射する発光素子;前記第1光を第2光に変換する第1波長変換体;前記第1光を第3光に変換する第2波長変換体;および前記第1光を第4光に変換する第3波長変換体;を含み、前記第1光〜第4光の中心波長は下記の関係式1を満足する。
【0009】
[関係式1]
λ1<λ2<λ3<λ4
(ここで、λ1は第1光の中心波長であり、λ2は第2光の中心波長、λ3は第3光の中心波長、λ4は第4光の中心波長である。)
【0010】
本発明の一特徴に係る発光装置において、前記第2光は中心波長が480 nm〜500 nmであり、第3光の中心波長は510 nm〜550 nmである。
【0011】
本発明の一特徴に係る発光装置において、前記第1光〜第4光が混合された出射光は白色光であり、演色性評価数R12が80以上である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、白色光を具現しつつ平均演色評価数の他にもR12値を向上させて青色の表現が自然な発光素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例に係る発光装置の概念図。
図2】実施例1に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図3】実施例1に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図4】実施例2に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図5】実施例2に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図6】実施例3に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図7】実施例3に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図8】実施例4に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図9】実施例4に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図10】実施例5に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図11】実施例5に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図12】実施例6に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図13】実施例6に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図14】比較例1に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図15】比較例1に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図16】比較例2に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図17】比較例2に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図18】比較例3に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図19】比較例3に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図20】比較例4に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図21】比較例4に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図22】実施例7に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図23】実施例7に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図24】実施例8に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図25】実施例8に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図26】実施例9に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図27】実施例9に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図28】比較例5に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図29】比較例5に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図30】比較例6に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図31】比較例6に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図32】実施例10に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図33】実施例10に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図34】実施例11に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図35】実施例11に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図36】比較例7に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図37】比較例7に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
図38】比較例8に係る混合光の励起スペクトルを示すグラフ。
図39】比較例8に係る混合光の色座標および演色性を測定した表。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができるところ、特定実施例を図面に例示して詳細に説明する。
【0015】
しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものとして理解されるべきである。
【0016】
本発明で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものとして理解されるべきである。
【0017】
また、本発明で添付された図面は説明の便宜のために拡大または縮小して図示されたものとして理解されるべきである。
【0018】
以下、本発明に対して図面を参照して詳細に説明し、図面符号にかかわらず同一または対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0019】
図1は本発明の一実施例に係る発光装置の概念図である。
【0020】
図1を参照すれば、本発明に係る発光装置は、ブルー波長帯の第1光を出射する発光素子10と、発光素子が取り付けられるハウジング20、およびハウジングに充填される蛍光体30を含む。
【0021】
発光素子10は420 nm〜470 nmで中心波長を有する青色光を放出する。このような発光素子は多様な光源(LED,OLEDなど)を選択することができるが、一例として本発明の発光素子は量子井戸構造を有する窒化物系化合物半導体であり得る。
【0022】
ハウジング20は発光素子10が装着される開口部を有し、外部の電源と連結された電極22とワイヤー21を通じて発光素子10に電源を注入する。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、発光素子10がフリップチップタイプである場合にはワイヤーを省略することもできる。ハウジング20の開口部には蛍光体(以下、波長変換体、30)が樹脂に混合されて充填される。
【0023】
本発明に係る波長変換体30は青色光を吸収して青緑色波長帯の光に変換する第1波長変換体と、青色光を吸収して黄緑色波長帯の光に変換する第2波長変換体と、青色光を吸収して赤色波長帯の光に変換する第3波長変換体を含む。
【0024】
第1波長変換体は下記の一般式1または一般式3により表現することができる。
【0025】
[一般式1]
Mx(1-p)SiyOzN(2x+4y-2z)/3;Eu2+
ここで、MはCa,Sr,Baから選択された少なくとも一つの元素であり、xは0.7〜1.2、yは1.5〜2.6、zは1.5〜2.6、pは0〜0.11である。
【0026】
[一般式3]
BaSix(O、Cl)Nx:Eu2+(0<x≦2)
【0027】
第1波長変換体は青色光を吸収して480 nm〜500 nmで中心波長を有する青緑色光を放出する。したがって、第1波長変換体によって変換された光によって青色光の強度を補強することができる。
【0028】
第2波長変換体は下記の一般式2または一般式4により表現することができる。
【0029】
[一般式2]
M3Al5O12:Ce3+
ここでMはY、Lu、Sc、La、GdおよびSmから選択された少なくとも一つの元素である。
【0030】
[一般式4]
(Lux、Ce1-x)3Al5O12(0<X<1)
【0031】
本発明の第2波長変換体は、好ましくはLu3Al5O12:Ce3+であり得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。第2波長変換体は青色光を吸収して510 nm〜550 nmで中心波長を有する黄緑色光を放出する。
【0032】
また、第3波長変換体はCa1Al1Si1N3;Euで構成されて青色光を吸収し、600 nm〜700 nmで中心波長を有する赤色光を放出する。
【0033】
したがって、発光素子10から放出された第1光の一部と、第1波長変換体で変換された第2光と、第2波長変換体で変換された第3光、および第3波長変換体で変換された第4光が混合されてCIE座標系上の白色光が生成される。このとき、第1光および第4光は下記の関係式1を満足する。
【0034】
[関係式1]
λ1<λ2<λ3<λ4
ここで、λ1は第1光の中心波長であり、λ2は第2光の中心波長、λ3は第3光の中心波長、λ4は第4光の中心波長である。
【0035】
本発明によれば、白色光の平均演色評価数(Ra,R1〜R8)と特殊演色評価数(R9〜R15)を80以上に維持することができる。特に、第1波長変換体で変換された青緑色光によって青色光が補強されて演色性座標のうちR12値が80以上を維持することができる。したがって、青色の表現力が優秀となる。
【0036】
以下、本発明の発光装置の実施形態を具体的に説明する。しかし、各実施例は本発明の理解を助けるためのものであり、本発明の権利範囲は本実施例によって制限されない。
【0037】
[実施例1]
混合蛍光体12.5 wt%と封止材87.5 wt%を混合して、サイズが1000μm×500μmで波長ピーク(peak wavelength)が446.3 nmである青色LEDチップ上に塗布した。混合蛍光体は波長ピークが497 nmである第1蛍光体(BaSi2O2N2:Eu2+)5.4 wt%と、波長ピークが520 nmである第2蛍光体(Lu3Al5O12:Ce3+)80.7 wt%、および波長ピークが650 nmである第3蛍光体(CaAlSiN3)13.9 wt%を封止材に混合して製造した。このとき、各蛍光体の重量比は100 wt%で換算した。第1蛍光体と第2蛍光体の比は1:15にした。製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図2に図示し、演色性評価表を図3に図示した。
【0038】
図3を参照すれば、R1〜R15の演色評価数がすべて80以上であることがわかり、R12も85と非常に高い値が測定されたことがわかる。
【0039】
[実施例2]
混合蛍光体13.3 wt%と封止材86.7 wt%を混合して、サイズが1000μm×500μmで波長ピークが446.3 nmである青色LEDチップ上に塗布した。混合蛍光体は波長ピークが497 nmである第1蛍光体(BaSi2O2N2:Eu2+)7.7 wt%と、波長ピークが520 nmである第2蛍光体(Lu3Al5O12:Ce3+)76.9 wt%、および波長ピークが650 nmである第3蛍光体(CaAlSiN3)15.4 wt%を封止材に混合して製造した。このとき、第1蛍光体と第2蛍光体の比は1:10にした。
【0040】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図4に図示し、演色性評価表を図5に図示した。図5を参照すれば、R1〜R15の演色評価数がすべて90以上と測定されて演色性が非常に向上したことがわかる。
【0041】
[実施例3]
混合蛍光体13.9 wt%と封止材86.1 wt%を混合して、サイズが1000μm×500μmで波長ピークが446.9 nmである青色LEDチップ上に塗布した。混合蛍光体は波長ピークが497 nmである第1蛍光体(BaSi2O2N2:Eu2+)10.5 wt%と、波長ピークが520 nmである第2蛍光体(Lu3Al5O12:Ce3+)73.4 wt%、および波長ピークが650 nmである第3蛍光体(CaAlSiN3)16.1 wt%を封止材に混合して製造した。第1蛍光体と第2蛍光体の比は1:7にした。
【0042】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図6に図示し、演色性評価表を図7に図示した。図7を参照すれば、R1〜R15の演色評価数がすべて80以上であり、特にR12が99と非常に高くなったことがわかる。
【0043】
[実施例4]
混合蛍光体13.3 wt%と封止材86.7 wt%を混合して、サイズが1000μm×500μmで波長ピークが456.5 nmである青色LEDチップ上に塗布した。混合蛍光体は波長ピークが497 nmである第1蛍光体(BaSi2O2N2:Eu2+)9.5 wt%と、波長ピークが520 nmである第2蛍光体(Lu3Al5O12:Ce3+)76.0 wt%、および波長ピークが650 nmである第3蛍光体(CaAlSiN3)14.5 wt%を封止材に混合して製造した。このとき、第1蛍光体と第2蛍光体の比は1:8にした。
【0044】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図8に図示し、演色性評価表を図9に図示した。
【0045】
[実施例5]
混合蛍光体18.9 wt%と封止材81.1 wt%を混合して、サイズが1000μm×500μmで波長ピークが448.7 nmである青色LEDチップ上に塗布した。混合蛍光体は波長ピークが497 nmである第1蛍光体(BaSi2O2N2:Eu2+)3.9 wt%と、波長ピークが520 nmである第2蛍光体(Lu3Al5O12:Ce3+)77.3 wt%、および波長ピークが650 nmである第3蛍光体(CaAlSiN3)18.9 wt%を封止材に混合して製造した。このとき、第1蛍光体と第2蛍光体の比は1:20にし、色温度は3000 kで実験した。
【0046】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図10に図示し、演色性評価表を図11に図示した。
【0047】
[実施例6]
混合蛍光体9.8 wt%と封止材90.2 wt%を混合して、サイズが1000μm×500μmで波長ピークが448.7nmである青色LEDチップ上に塗布した。混合蛍光体は波長ピークが497nmである第1蛍光体(BaSi2O2N2:Eu2+)7.9 wt%と、波長ピークが520 nmである第2蛍光体(Lu3Al5O12:Ce3+)79.1 wt%、および波長ピークが650 nmである第3蛍光体(CaAlSiN3)13.0 wt%を封止材に混合して製造した。このとき、第1蛍光体と第2蛍光体の比は1:10にし、色温度は6700 kで実験した。
【0048】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図12に図示し、演色性評価表を図13に図示した。
【0049】
[比較例1]
混合蛍光体13.7 wt%と封止材86.3 wt%を混合して、サイズが1000μm×500μmで波長ピークが456 nmである青色LEDチップ上に塗布した。混合蛍光体は波長ピークが517 nmである(Sr、Ba)2SiO4:Eu 88.0 wt%と、波長ピークが630 nmである(Si、Ca)AlSiN3:Eu 12.0 wt%を封止材に混合して製造した。製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図14に図示し、演色性評価表を図15に図示した。
【0050】
[比較例2]
混合蛍光体11.8 wt%と封止材88.2 wt%を混合して、サイズが1000μm×500μmで波長ピークが453.8 nmである青色LEDチップ上に塗布した。混合蛍光体は波長ピークが520 nmであるLu3Al5O12:Ce3+69.3 wt%と、波長ピークが546 nmであるY3Al5O12:Ce3+17.3 wt%、および波長ピークが650 nmであるCaAlSiN3 13.3 wt%を封止材に混合して製造した。製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図16に図示し、演色性評価表を図17に図示した。
【0051】
[比較例3]
混合蛍光体12.0 wt%と封止材88.0 wt%を混合して、サイズが1000μm×500μmで波長ピークが454.1 nmである青色LEDチップ上に塗布した。混合蛍光体は波長ピークが497 nmである第1蛍光体(BaSi2O2N2:Eu2+)3.3 wt%と、波長ピークが520 nmである第2蛍光体(Lu3Al5O12:Ce3+)83.3 wt%、および波長ピークが650 nmである第3蛍光体(CaAlSiN3)6.7 wt%を封止材に混合して製造した。製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図18に図示し、演色性評価表を図19に図示した。
【0052】
[比較例4]
混合蛍光体13.3 wt%と封止材86.7 wt%を混合して、サイズが1000μm×500μmで波長ピークが457.8nmである青色LEDチップ上に塗布した。混合蛍光体は波長ピークが497 nmである第1蛍光体(BaSi2O2N2:Eu2+)7.8 wt%と、波長ピークが520 nmである第2蛍光体(Lu3Al5O12:Ce3+)77.7 wt%、および波長ピークが650 nmである第3蛍光体(CaAlSiN3)14.5wt%を封止材に混合して製造した。製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図20に図示し、演色性評価表を図21に図示した。
【0053】
下記の表は前述した実施例と比較例のチップ波長および蛍光体の重量%による演色性R12値を整理した表である。
【0054】
【表1】
【0055】
図2図21、および表1を参照すれば、実施例1〜実施例6はすべて平均演色評価数と特殊演色評価数が80以上で、特に、R12が80以上と測定され、青色強度が高くなったことを確認することができる。したがって、第1蛍光体と第2蛍光体の比率を1:7〜1:15で調節すれば、白色LEDを照明として使用する場合、青色の色感を高めることができる。
【0056】
さらに、第1蛍光体と第2蛍光体の比率を1:7〜1:10で調節すればR12を90以上に向上させることができることがわかる。実施例6の場合、実施例5に比べてR12が減少したが、実施例5は色温度を3000 Kにし、実施例6は色温度を6700 Kにしたためである。したがって、第1蛍光体と第2蛍光体の比率を1:7〜1:10で調節すれば、色温度が6700 Kである場合にもR12を80以上に向上させることができることがわかる。
【0057】
実施例4の場合、チップ波長が長波長(456.5 nm)の場合にもR12を80以上に維持できることがわかる。したがって、第1蛍光体と第2蛍光体の比率を1:7〜1:8で調節する場合、短波長LEDチップと長波長LEDチップのうちいずれを使用してもR12値を80以上に維持できることがわかる。
【0058】
比較例1の場合、従来の緑色蛍光体と赤色蛍光体だけを使用したため、R12値が67と低いことがわかる。図15に示されたように、比較例1の場合にも白色光が具現され、演色性(CRI)が96と優秀であるがR12は67と相対的に低いことがわかる。
【0059】
比較例3と4は実施例5と同じ蛍光体を使用し、類似の含量で含まれたがR12値が低いことがわかる。このような結果から見ると、青色LEDのピーク波長が高くなるほど(長波長であるほど)第1蛍光体の含量が高くなるべきであることがわかる。
【0060】
一例として、実施例4の場合、LEDチップのピーク波長が456.5 nmと、比較例3、4と類似しているが、第1蛍光体の含量が9.5 wt%と高く、R12値が高くなったことがわかる。
【0061】
したがって、第1蛍光体と第2蛍光体の質量比が1:7〜1:8で制御される場合、青色LEDチップの全波長帯(約420 nm〜460 nm)でR12を80以上に維持できることがわかる。
【0062】
本発明者は、前記実験によって、青色LEDチップの波長帯に応じて第1蛍光体と第2蛍光体の適正範囲が変わることを確認した。したがって、青色LEDチップの波長帯に応じて第1蛍光体と第2蛍光体の比率を異ならせて追加的に実験した。
【0063】
[実施例7]短波長チップ
混合蛍光体12.5 wt%と封止材87.5 wt%を混合して、サイズが1000μm×500μmで主波長(Dominant Wavelength)が452 nmである青色LEDチップ上に塗布した。混合蛍光体は波長ピークが497 nmである第1蛍光体(BaSi2O2N2:Eu2+)0.68 wt%と、波長ピークが520 nmである第2蛍光体(Lu3Al5O12:Ce3+)10.1 wt%、および波長ピークが650 nmである第3蛍光体(CaAlSiN3)1.72 wt%を封止材に混合して製造した。このとき、第1蛍光体と第2蛍光体の比率は1:15にした。
【0064】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図22に図示し、演色性評価表を図23に図示した。
【0065】
[実施例8]短波長チップ
蛍光体混合比率を第1蛍光体1.46 wt%と第2蛍光体1.2 wt%、および第3蛍光体2.24 wt%にして第1蛍光体と第2蛍光体の比率を1:7で調節したこと以外には実施例7と同一に製造した。
【0066】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図24に図示し、演色性評価表を図25に図示した。
【0067】
[実施例9]短波長チップ
蛍光体混合比率を第1蛍光体2.5 wt%と第2蛍光体10.1 wt%、および第3蛍光体2.1 wt%にして第1蛍光体と第2蛍光体の比率を1:4で調節したこと以外には実施例7と同一に製造した。
【0068】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図26に図示し、演色性評価表を図27に図示した。
【0069】
[比較例5]短波長チップ
蛍光体混合比率を第1蛍光体0.4 wt%と第2蛍光体10.0 wt%、および第3蛍光体1.6 wt%にして第1蛍光体と第2蛍光体の比率を1:25で調節したこと以外には実施例7と同一に製造した。
【0070】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図28に図示し、演色性評価表を図29に図示した。
【0071】
[比較例6]短波長チップ
蛍光体混合比率を第1蛍光体3.3 wt%と第2蛍光体9.8 wt%、および第3蛍光体2.3 wt%にして第1蛍光体と第2蛍光体の比率を1:3で調節したこと以外には実施例7と同一に製造した。
【0072】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図30に図示し、演色性評価表を図31に図示した。
【0073】
[実施例10]長波長チップ
混合蛍光体11.2 wt%と封止材88.8 wt%を混合して、サイズが1000μm×500μmで主波長(Dominant Wavelength)が457 nmである青色LEDチップ上に塗布した。混合蛍光体は波長ピークが497 nmである第1蛍光体(BaSi2O2N2:Eu2+)1.1 wt%と、波長ピークが520 nmである第2蛍光体(Lu3Al5O12:Ce3+)8.8 wt%、および波長ピークが650 nmである第3蛍光体(CaAlSiN3)1.3 wt%を封止材に混合して製造した。このとき、第1蛍光体と第2蛍光体の比率は1:8にした。
【0074】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図32に図示し、演色性評価表を図33に図示した。
【0075】
[実施例11]長波長チップ
蛍光体混合比率を第1蛍光体1.3 wt%と第2蛍光体8.8 wt%、および第3蛍光体1.7 wt%にして第1蛍光体と第2蛍光体の比率を1:7で調節したこと以外には実施例10と同一に製造した。
【0076】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図34に図示し、演色性評価表を図35に図示した。
【0077】
[比較例7]長波長チップ
蛍光体混合比率を第1蛍光体0.85 wt%と第2蛍光体8.5 wt%、および第3蛍光体1.05 wt%にして第1蛍光体と第2蛍光体の比率を1:10で調節したこと以外には実施例10と同一に製造した。
【0078】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図36に図示し、演色性評価表を図37に図示した。
【0079】
[比較例8]長波長チップ
蛍光体混合比率を第1蛍光体2.6 wt%と第2蛍光体7.9 wt%、および第3蛍光体1.9 wt%にして第1蛍光体と第2蛍光体の比率を1:3で調節したこと以外には実施例10と同一に製造した。
【0080】
製造された白色LEDから放出された光のスペクトルを図38に図示し、演色性評価表を図39に図示した。
【0081】
下記の表2は前述した実施例と比較例のチップ波長および蛍光体の重量%による演色性R12値を整理した表である。
【0082】
【表2】
【0083】
表2を参照すれば、チップの主波長が452 nmと短波長である場合、第1蛍光体と第2蛍光体の比が1:4〜1:15である場合、演色評価数が80以上に維持されることがわかり、R12も80以上に維持できることがわかる。特に、第1蛍光体と第2蛍光体の比が1:7である場合、R12が99と非常に優秀となることがわかる。
【0084】
これに比べて、比較例5のように、第1蛍光体と第2蛍光体の比が1:25である場合、R12が80未満と低くなり、青色の色感が低くなることがわかる。また、第1蛍光体と第2蛍光体の比が1:25である場合、R12は87と比較的高い値を有するが、R9とR10が80未満と低くなり、特殊演色評価数が悪化する問題がある。
【0085】
チップの主波長が457 nmと長波長である場合、第1蛍光体と第2蛍光体の比が1:7〜1:8である場合、演色評価数を80以上に維持できることがわかる。しかし、第1蛍光体と第2蛍光体の比が1:10を超過したり1:3未満の場合にはR12が80未満に低下することを確認することができる。
【0086】
このような結果から見ると、第1蛍光体と第2蛍光体の比を1:7〜1:8で調節する場合、短波長チップまたは長波長チップにかかわらず平均演色評価数と特殊演色評価数を80以上に維持することができ、特にR12を80以上に向上させることができることがわかる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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【国際調査報告】