特表2017-502637(P2017-502637A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-502637(P2017-502637A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(54)【発明の名称】超音波モータ
(51)【国際特許分類】
   H02N 2/04 20060101AFI20161222BHJP
   H02N 2/12 20060101ALI20161222BHJP
【FI】
   H02N2/04
   H02N2/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-541042(P2016-541042)
(86)(22)【出願日】2014年12月4日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月10日
(86)【国際出願番号】DE2014200676
(87)【国際公開番号】WO2015090312
(87)【国際公開日】20150625
(31)【優先権主張番号】102013226418.6
(32)【優先日】2013年12月18日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】505257752
【氏名又は名称】フィジック インストゥルメント(ピーアイ)ゲーエムベーハー アンド ツェーオー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィシュネフスキー、ウラディミール
(72)【発明者】
【氏名】ヴィシュネフスキー、アレクセイ
【テーマコード(参考)】
5H681
【Fターム(参考)】
5H681BB02
5H681BB13
5H681BB14
5H681BB15
5H681CC06
5H681DD02
5H681DD36
5H681DD88
(57)【要約】
本発明は、4つの摩擦要素(4)が配置され、摩擦面(6)が前記摩擦要素と摩擦接触する圧電超音波アクチュエータ(1)と、電気励振装置(16)とを備える超音波モータであって、前記超音波アクチュエータは、内周面(14)、外周面(12)、および前記内周面と前記外周面とを接続する2つの平面状端面(5)を有する環状もしくは中空シリンダ状である。前記4つの摩擦要素は、前記超音波アクチュエータの前記端面の一方に、円周方向に対して等間隔で離間するように配置されることにより、前記摩擦要素の2つはいずれも互いに正反対に位置し、前記超音波アクチュエータは12個の同一の円周方向セクション(10)を備え、前記円周方向セクションの各々は前記超音波アクチュエータ内に形成される音響定在波の発生器を有し、前記定在波によって引き起こされる前記超音波アクチュエータの変形は、前記端面に対して傾斜した移動経路上および/または前記端面に略垂直な移動経路上で前記摩擦要素を偏向させる。各々の前記発生器は、少なくも1つの励振電極(11)、少なくとも1つの通常電極(13)もしくは前記通常電極セクション、および前記励振電極と前記通常電極もしくは前記通常電極セクションとの間に配置される圧電セラミック物質層(15)を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの摩擦要素(4)が配置され、摩擦面(6)が前記摩擦要素と摩擦接触する圧電超音波アクチュエータ(1)と、電気励振装置(16)とを備える超音波モータであって、前記超音波アクチュエータは、内周面(14)、外周面(12)、および前記内周面と前記外周面とを接続する2つの平面状端面(5)を有する環状もしくは中空シリンダ状であり、前記4つの摩擦要素は、前記超音波アクチュエータの前記端面の一方に、円周方向に対して等間隔で離間するように配置されることにより、前記摩擦要素の2つはいずれも互いに正反対に位置し、前記超音波アクチュエータは12個の同一の円周方向セクション(10)を備え、前記円周方向セクションの各々は前記超音波アクチュエータ内に形成される音響定在波の発生器を有し、前記定在波によって引き起こされる前記超音波アクチュエータの変形は、前記端面に対して傾斜した移動経路上および/または前記端面に略垂直な移動経路上で前記摩擦要素を偏向させ、各々の前記発生器は、少なくも1つの励振電極(11)、少なくとも1つの通常電極(13)もしくは前記通常電極セクション、および前記励振電極と前記通常電極もしくは前記通常電極セクションとの間に配置される圧電セラミック物質層(15)を有する、超音波モータ。
【請求項2】
前記励振電極は、前記超音波アクチュエータの前記外周面に配置され、前記通常電極(単数または複数)は、前記超音波アクチュエータの前記内周面に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の超音波モータ。
【請求項3】
前記励振電極、前記通常電極、および前記励振電極と前記通常電極との間に配置されるそれぞれの前記圧電セラミック物質層は、前記超音波アクチュエータの前記端面に略平行に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の超音波モータ。
【請求項4】
前記電気励振装置は、前記超音波アクチュエータ内に前記音響定在波の第6のモードが生成される周波数の交流電圧を供給することを特徴とする、請求項1〜請求項3のうちの一項に記載の超音波モータ。
【請求項5】
前記電極の切り替えスイッチ(20)を備え、前記切り替えスイッチは、前記超音波アクチュエータ内に前記音響定在波の第6のモードを生成する際に、互いに正反対の位置の1組の前記摩擦要素内で傾斜移動経路に沿って最大偏向が生じ、互いに正反対の位置の他の組の前記摩擦要素内で傾斜移動経路に沿って最小偏向が生じるように、前記電極を前記電気励振装置に接続することを特徴とする、請求項4に記載の超音波モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1〜請求項5に記載の超音波モータに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波モータは、米国特許第6765335(B2)号明細書から周知であり、この超音波モータでは、超音波アクチュエータによって、駆動される要素の線形1次元座標移動を実現することができる。2次元または3次元の座標移動を実現するためには、各超音波モータは、2つまたは3つの互いに独立した超音波アクチュエータが必要である(例えば、欧州特許第2258004(B1)号明細書または米国特許第7635940(B2)号明細書を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、1つの超音波アクチュエータのみを使用して、前記アクチュエータによって駆動される要素の2次元または3次元の座標移動を生じさせることができる超音波モータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的は、請求項1に記載の超音波モータによって達成され、それに続く従属請求項は、適切な実施形態およびさらなる発展形態を少なくとも含む。
【0005】
したがって、本発明は、内周面と、外周面と、内周面と外周面とを互いに接続する2つの平面状端面を有する環状または中空シリンダ状の圧電超音波アクチュエータを備える超音波モータであって、4つの摩擦要素が平面状端面の一方に配置される超音波モータに基づいている。摩擦要素は、超音波アクチュエータの周囲にわたって分散して、または端面に互いに等間隔で離間して(すなわち、等距離の位置に)配置される。すなわち、2つの隣接する摩擦要素間の円周角は90°になり、したがって、4つの摩擦要素の2つが互いに正反対の位置に(すなわち、円周角180°の距離に)それぞれ配置される。摩擦要素は、摩擦要素が弾性押圧される要素の摩擦面(例えば、摩擦テーブル)と摩擦接触または可動接触する。
【0006】
さらに、本発明の超音波モータは、電気励振装置を備える。電気励振装置には、超音波モータの励振電極および通常電極(複数または単数)との電気接続部が設けられ、励振電極は、通常電極(複数または単数)および励起電極と通常電極との間に配置された圧電性物質の層と共に、超音波アクチュエータ内に音響定在波を発生させるための発生器を形成する。つまり、超音波アクチュエータは、超音波アクチュエータの周囲にわたって配置される12個の同一の発生器を備える。各発生器は、中空シリンダ状または環状の超音波セクションの部品であり、各々の円周方向セクションが部分中空シリンダを形成する。
【0007】
電気励振装置によって発生器のそれぞれが電気励振することにより、波長共振器に相当する超音波アクチュエータ内に音響定在波または音響変形波が形成され、定在波によって引き起こされた超音波アクチュエータの変形が、端面に対して傾斜した、および/または端面に略垂直な方向の移動経路(横断方向移動経路)上もしくはその移動経路に沿って、摩擦要素を個々に偏向させ、傾斜移動経路は、長手方向もしくは接線方向の成分と横断方向もしくは軸方向の成分とを含み、長手方向もしくは接線方向の成分は、摩擦面に略平行に延びる。したがって、摩擦面に垂直な(Z方向の)移動は、摩擦要素が端面に略垂直な方向に(すなわち、横断方向移動経路上で)偏向することにより生じるが、摩擦面に(X−Y平面)に沿った移動は、摩擦要素が端面に対して傾斜した移動経路上もしくは移動経路に沿って偏向することにより生じる。
【0008】
したがって、本発明の超音波モータは、1つの超音波アクチュエータのみを使用して、一平面(X−Y平面)内の2次元座標移動と、さらにX−Y平面に垂直に、したがって、Z方向に移動が生じる3次元座標移動との両方を生じさせることができる。したがって、一方では、摩擦面に対する超音波アクチュエータの移動が可能である。また他方では、超音波アクチュエータは固定されて、摩擦面を形成する要素の相対移動を生じさせる場合も考えられる。
【0009】
励振電極は、超音波アクチュエータの外周に配置され、通常電極(複数または単数)は、超音波アクチュエータの内周面に配置されるのが有利である場合がある。
【0010】
また、励振電極、通常電極、および励振電極と通常電極との間に配置される圧電セラミック層は、超音波アクチュエータの端面に略平行に配置されるのが有利である場合がある。
【0011】
さらに、電気励振装置は、超音波アクチュエータ内に音響定在波の第6のモードが生成される周波数の交流電圧を供給するのが有利である場合がある。
【0012】
したがって、超音波モータは、電極の切り替えスイッチを含むのが有利である場合がある。切り替えスイッチは、超音波アクチュエータ内に音響定在波の第6のモードを生成する際に、互いに正反対の位置に配置された1組の摩擦要素内で傾斜移動経路上もしくは傾斜移動経路に沿って最大偏向が生じ、互いに正反対の位置に配置された他の組の摩擦要素内で傾斜移動経路上もしくは傾斜移動経路に沿って最小偏向が生じるように、前記電極を電気励振装置に接続する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の超音波モータを示した図(電気励振装置は図示されていない)である。
【0014】
図2】説明図8は、図1の超音波モータの超音波アクチュエータの斜視図であり、説明図9は、図1の超音波モータの超音波アクチュエータの(上から見た)上面図である。
【0015】
図3】本発明の超音波モータの超音波アクチュエータの一実施形態を示した図(摩擦要素は図示されていない)である。
【0016】
図4】本発明の超音波モータの超音波アクチュエータと電気励振装置との接続に関するブロック図である。
【0017】
図5】説明図28は、本発明の超音波モータの超音波アクチュエータのFEMモデルの非励振状態を示した図であり、説明図27および説明図29は、説明図28のモデルを基本にした最大変形の位相のFEM計算を示した図である。
【0018】
図6】説明図33〜説明図38は、本発明の超音波モータの超音波アクチュエータの異なる電気トリガが摩擦要素の偏向方向に及ぼす影響を示した図である。
【0019】
図7】本発明の超音波モータの超音波アクチュエータの摩擦要素と摩擦面との接触係合状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の超音波モータを示した図である。超音波モータは、波長共振器2を形成する超音波アクチュエータ1を備え、超音波アクチュエータは、圧電性物質から成る中空シリンダ3として形成され、その平面状端面5には、4つの摩擦要素4が配置される。超音波アクチュエータ1は、摩擦要素4によって力Fで摩擦テーブル7の摩擦面6に弾性的に押圧される。力Fは、超音波アクチュエータの重力によって引き起こされるが、ばねもしくは磁石のような追加の要素によって引き起こされる場合もある。
【0021】
図2の説明図8は、図1の超音波アクチュエータを1つの部品として示した図である。超音波アクチュエータは、合計12個の同一の円周方向セクションもしくは円周方向セグメント10を備える。各々の円周方向セグメント10は、励振電極11を備え、隣接する円周方向セクション10の励振電極は互いに接触しない。全周に及ぶ通常電極13は、超音波アクチュエータの内周面14に配置される。各々の励振電極11は、通常電極13の個々の対向するセクションおよび2つの電極間に配置された圧電性物質の層と共に、超音波アクチュエータ内に音響定在波もしくは変形波を形成するための発生器を形成する。4つの摩擦要素4は、平面状端面5に配置され、摩擦要素はそれぞれ、2つの隣接する励振電極間の中央領域に配置される。すなわち、各々の摩擦要素の対称軸は、2つの隣接する励振電極間の中央に延びる。2つの隣接する摩擦要素4は、ほぼ90°の円周角を成すので、2組の摩擦要素が存在し、2つの個々の摩擦要素は、互いに正反対の位置に配置される。
【0022】
超音波アクチュエータの個々の要素間の幾何学的関係は、説明図8のアクチュエータの上面図である図2の説明図9に特に詳細に示されている。多くの直径面S(鎖線)がシリンダもしくはシリンダの円を通り、これらの直径面はそれぞれ、2つの隣接する励振電極間の中央を通って延びる、またはこれらの直径面は摩擦要素の対称面を表している。直径面Sは、中空シリンダを12個の等しい円周方向セクション10に分割する。図2の説明図8および他の図において、直径面Sの超音波アクチュエータ1との交点は、破線で示されている。
【0023】
圧電セラミック層15の分極の向きは、図2の説明図9に個々の矢印pで示されている。分極の向きは、通常電極の方に向けられるので、半径方向の向きの分極が形成される。さらに、図2の説明図9は、励振電極の電気接続部A1〜A12と、通常電極の電気接続部A0とを示している。
【0024】
図3は、本発明の超音波モータの超音波アクチュエータの代替形態を示している。この実施形態では、個々の発生器に対して励振電極11と通常電極13の複数の層が交互に存在しており、圧電セラミック物質層15は電極層間に配置される(すなわち、多層構造となる)。この場合、層は、超音波アクチュエータの軸方向に積層され、圧電セラミック物質の分極の向きは、電極に垂直になり、または端面に垂直になり、すなわち軸方向になり、圧電性物質の個々に隣接する層の分極の向きは逆になる(逆平行の向きの分極となる)。個々の発生器の励振電極11は、個々の接続部A1〜A12によって接続されるが、個々の発生器の通常電極13は接続部A0を介して接続される。
【0025】
図4は、本発明の超音波モータの超音波アクチュエータと電気励振装置16との接続に関するブロック図である。個々の電気回路は、オフスイッチ21〜26を有する切り替えスイッチ20を備え、切り替えスイッチによって、トリガされる電気励振装置と励振電極との接続が可能になる。オフスイッチ21は接続部A1、A4、A5、A8、A9、A12に接続され、オフスイッチ22は接続部A2、A3、A6、A7、A10、A11に接続されるなどの形になる。
【0026】
電気励振装置16は、接続部17、18において交流電圧U1を供給し、接続部19、18において交流電圧U2を供給する。これらの電圧は、互いに対して180°位相シフトされる。これらの電圧は、同じ周波数foを有し、その結果、超音波アクチュエータ1内に音響変形定在波の第6のモード(λ/2の6つの半波)が励振または生成される。発生器それぞれは、定在波のλ/4成分を生成する。
【0027】
図5の説明図28は、本発明の超音波モータの超音波アクチュエータのFEMモデルの非励振状態を示しており、説明図27および説明図29は、超音波アクチュエータ内に励振された定在波に基づいて説明図28のモデルを基本にした最大変形の位相のFEM計算を示している。前記定在波は、オフスイッチ21〜26のいずれかを作動させることで生成される。定在波の頂点に位置する端面5の点30は、振動の横断方向もしくは軸方向成分のみを含む。一方、定在波の下降部分に位置する端面5の点31は、振動の横断方向もしくは軸方向成分と長手方向もしくは接線方向成分との両方を含む。
【0028】
オフスイッチ21〜26をランダムに作動させることは、生成される定在波の形状を全く変化させない。定在波の位置のみが摩擦要素4に対して変化する。定在波の変位は、波長の2分の1、すなわち、λ/2、または波長の4分の1、すなわち、λ/4のいずれかになる。
【0029】
上述した定在波の位置の変化により、図6の説明図33〜説明図38に示されているように、摩擦要素4の点32の移動経路が変化する。
【0030】
説明図33は、オフスイッチ21が作動された時の位置に相当する。説明図34は、オフスイッチ22が作動された時の位置に相当する。説明図35は、オフスイッチ23が作動された時の位置に相当する。説明図36は、オフスイッチ24が作動された時の位置に相当する。説明図37は、オフスイッチ25が作動された時の位置に相当する。説明図38は、オフスイッチ26が作動された時の位置に相当する。
【0031】
全ての場合において、点32は2つの異なる移動経路で、すなわち、傾斜移動経路40と横断方向移動経路41上で移動する。
【0032】
図7は、傾斜移動経路40上での摩擦要素4の点32の移動を示している。傾斜移動経路40は、2つの成分、すなわち、長手方向もしくは接線方向成分42と、横断方向もしくは軸方向成分43とに分解することができる。移動経路の長手方向成分42は、確実に摩擦要素5がアクチュエータ1を矢印44で示された方向(駆動方向)に移動させるようにする。
【0033】
横断方向移動経路41上で移動する点32は、長手方向移動成分を有さない。このこともアクチュエータ1の移動に影響を及ぼさない理由である。
【0034】
オフスイッチ21〜26の作動は、点32の移動経路の変化、すなわち、図6の説明図33〜説明図38に示されているように、横断方向移動経路41から傾斜移動経路40への変化、および移動経路40の傾斜角度の反転をもたらす。移動経路40の傾斜角度の反転は、移動の逆転をもたらす(さらに図1の6つの矢印44で示されている摩擦テーブル7上のアクチュエータ1の移動変化を参照)。
【0035】
オフスイッチ21〜26の作動により、摩擦面6上でのアクチュエータ1の線形移動、すなわち前方(図6の説明図33)、後方(図6の説明図34)、右(図6の説明図35)、左(図6の説明図36)への移動が可能になる。右回りの移動(図6の説明図37)または左回りの移動(図6の説明図38)も可能である。
【0036】
本発明により、超音波アクチュエータが取り付けられた超音波モータの構造であり、案内路に配置された摩擦テーブル7への移動を可能にし、案内路はアクチュエータ1の端面5に垂直な移動を制限する(図示せず)構造が可能になる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】