特表2017-503318(P2017-503318A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-503318(P2017-503318A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(54)【発明の名称】調光器システムおよび調光方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20170105BHJP
【FI】
   H05B37/02 E
   H05B37/02 B
   H05B37/02 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-542229(P2016-542229)
(86)(22)【出願日】2015年1月16日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月18日
(86)【国際出願番号】SG2015050004
(87)【国際公開番号】WO2015108489
(87)【国際公開日】20150723
(31)【優先権主張番号】2014003602
(32)【優先日】2014年1月16日
(33)【優先権主張国】SG
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508242908
【氏名又は名称】オプレント エレクトロニクス インターナショナル ピーティーイー エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ウィー, カイ フック, フランシス
(72)【発明者】
【氏名】チャン, スーン ティアム
(72)【発明者】
【氏名】タン, カイ ブーン
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA09
3K273QA22
3K273QA23
3K273RA02
3K273RA12
3K273SA04
3K273SA08
3K273SA12
3K273SA13
3K273SA24
3K273SA36
3K273SA37
3K273SA40
3K273SA46
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA37
3K273TA41
3K273TA49
3K273TA52
3K273TA62
3K273TA76
3K273UA02
3K273UA18
3K273UA22
3K273UA27
3K273UA28
(57)【要約】
調光器を備えた調光器システム。この調光器は、調光用の少なくとも一つの入力を受け取るように構成された入力インタフェースと、処理された調光入力を少なくとも一つのLEDドライバに送る出力インタフェースとを有する。少なくとも一つのLEDドライバの各々は、複数の高出力LEDランプユニットを駆動するように動作する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つの調光プロトコルからの調光入力を受け取ることの可能な入力インタフェースと、
受け取った調光入力の調光プロトコルを判定し、該調光プロトコルに従って前記調光入力を処理する入力プロセッサと、
複数の出力ポートを備える出力インタフェースであって、少なくとも一つの前記出力ポートが、処理された前記調光入力(入力プロセッサの出力)を少なくとも一つのLEDドライバに送るように構成されている、出力インタフェースと、
を備える調光器システムであって、
前記少なくとも一つのLEDドライバの各々は、前記調光入力に従って所望の輝度で複数の高出力LEDランプユニットを駆動するように動作可能である、調光器システム。
【請求項2】
前記入力インタフェースは、モーション制御モジュール、パルス波変調モジュール、およびポテンショメータモジュールのうち少なくとも二つを備えている、請求項1に記載の調光器システム。
【請求項3】
前記出力インタフェースは、複数のRJ45 Ethernetモジュラーコネクタを備えている、請求項1または2に記載の調光器システム。
【請求項4】
前記入力インタフェースがモーション制御モジュールを備える場合、前記モーション制御モジュールは、前記高出力LEDドライバが所望の輝度を維持すべき時間を決定するタイマーを備えている、請求項2に記載の調光器システム。
【請求項5】
前記入力プロセッサは、パルス波変調(PWM)コンバータを備えており、動作中、前記PWMコンバータを動作させるためにデューティサイクルを受け取ると、PWM信号が動作用直流(DC)電圧に変換され、前記出力インタフェースへ送られる、請求項2に記載の調光器システム。
【請求項6】
変換後の前記動作用DC電圧が約1.5〜5ボルトである、請求項5に記載の調光器システム。
【請求項7】
前記調光入力は、ある範囲の周波数を有するパルス波変調(PWM)信号を含んでいる、請求項1に記載の調光器システム。
【請求項8】
100Hz〜2kHzの周波数を有する前記PWM信号が通常のPWM信号と判断され、25Hz〜80Hzと検出される周波数を有する前記PWM信号がモーションセンサ信号と判断される、請求項7に記載の調光器システム。
【請求項9】
100Hz〜2kHzの周波数を有する前記PWM信号が通常のPWM信号と判断され、2.5kHz〜3kHzと検出される周波数を有する前記PWM信号がモーションセンサ信号と判断される、請求項7に記載の調光器システム。
【請求項10】
前記PWM信号内の任意のDC成分が前記入力プロセッサによって無視される、請求項7に記載の調光器システム。
【請求項11】
前記調光入力が1〜10ボルトのポテンショメータ信号を含んでいる、請求項1に記載の調光器システム。
【請求項12】
前記ポテンショメータ信号内の任意のAC成分が前記入力プロセッサによって無視される、請求項11に記載の調光器システム。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の調光器システムを備えるランプシステムであって、
前記出力インタフェースの一つの出力ポートが別の調光器システムに接続される、ランプシステム。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の調光器システムを備えるLEDドライバであって、
当該LEDドライバは非絶縁構成を有しており、前記調光器システムが二次端に設けられている、LEDドライバ。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の調光器システムを備えるLEDドライバであって、
当該LEDドライバは絶縁構成を有しており、前記調光器システムが二次端に設けられている、LEDドライバ。
【請求項16】
調光信号を処理して電気出力に提供する方法であって、
少なくとも二つの調光プロトコルからの調光入力を受け取るステップと、
受け取った調光入力の調光プロトコルを判定し、該調光プロトコルに従って前記調光入力を処理するステップと、
処理された前記調光入力を、調光用の少なくとも一つのLEDドライバに送るステップと、
を備え、前記少なくとも一つのLEDドライバの各々は、前記調光入力に従って所望の輝度で複数の高出力LEDランプユニットを駆動するように動作可能である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光器システムおよび調光方法に関する。本発明は、特に高出力LEDランプユニットシステムでの使用に適しており(ただし、それに限定されるわけではない)、該システムとの関連で説明される。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景に関する以下の記述は、本発明の理解を容易にするためのものである。しかし、この記述は、参照する資料が本出願の優先日においていずれかの管轄地で出版され、知られ、または共通一般知識の一部をなしていることを自認するものではない。
【0003】
LED照明は、1ルーメンあたりの消費電気エネルギーが低いため、従来の照明システムよりも有利である。しかし、LED照明システムは、電流および/または電圧の適切な制御またはレギュレーションを必要とする。ほとんどのLEDランプシステムは、電気的な駆動装置(ドライバ)によって駆動される。この電気ドライバは、通常、LED負荷の電圧および電流要求に適合した電圧および/または電流レギュレータである。
【0004】
従来のLEDドライバには、LED負荷(LEDランプ等)の輝度の制御や、LEDランプの点灯および消灯の切り替えのために、調光器(調光回路)が組み込まれていることがある。調光プロトコルには、パルス波変調(PWM)、1〜10V/0〜10VVDC調光プロトコル、ポテンショメータ、およびモーションセンサプロトコルが含まれる。ポテンショメータおよびモーションセンサは、照明調光制御に広く使用される装置である。
【0005】
従来の調光器システムのほとんどは、2値オンオフシステムであり、要求される光輝度レベルへの調光に柔軟性がない。例えば、従来の調光器システム用のモーションセンサは、2値オンオフに基づいている。
【0006】
更に、一次側および二次側を有する回路での実装のために、調光器は、通常、整流側を(一次側に)有するように設計される。一次AC側での調光器は、位相カットに基づいて達成されるが、これは電磁干渉(EMI)を生成することになる。EMIのために、回路の動作中の力率が0.3〜0.5倍にまで低減してしまい、非調光器制御システムに比べて比較的高い歪みが生じてしまう。
【0007】
高出力LEDランプに対する要求により、一つ以上の高出力LEDランプを備えるLEDランプシステムでは、各LEDランプは通常、別個のドライバによって制御される。高出力LEDランプには、ダウンライト、MR16、GU10、フラッドランプ(投光照明灯)などが含まれる(ただし、これらに限定されるわけではない)。このようなLEDランプシステムでは、AC調光器が一次側に設計される可能性があるが、このAC調光器はシステム内の全てのLEDドライバと電気的に連絡している必要がある。これはしばしば複雑であり、また、システムに追加される高出力LEDランプ(およびドライバ)の数が増えるほど、より大きな歪みがEMIのために生じることになる。
【0008】
本発明は、上述した問題点の一つ以上を少なくとも軽減することを目的としている。
【発明の概要】
【0009】
本書を通じて、特に言及しないかぎり、「備える」、「からなる」などの用語は、包括的ではないものとして、すなわち「含むが、これに限定されない」を意味するものとして解釈されるべきである。
【0010】
本発明は、PWM、1〜10V/0〜10Vポテンショメータ、およびモーションセンサなどの照明調光プロトコルインタフェースを、「調光ハブ」と呼ばれる単一の調光器デバイス内に集積した装置に関する。ユーザは、照明制御のために使用される調光プロトコルに従って、調光ハブに複数の調光装置を接続することができる。この調光ハブは、照明制御用の異なるプロトコルの調光装置の選択に関して、より大きな柔軟性をユーザに与える。
【0011】
本発明の第1の態様は、調光器システムを提供する。この調光器システムは、少なくとも二つの調光プロトコルからの調光入力を受け取ることの可能な入力インタフェースと、受け取った調光入力の調光プロトコルを判定し、その調光プロトコルに従って調光入力を処理する入力プロセッサと、複数の出力ポートを備える出力インタフェースであって、少なくとも一つの出力ポートが、処理された調光入力(入力プロセッサの出力)を少なくとも一つのLEDドライバに送るように構成されている、出力インタフェースとを備えており、この少なくとも一つのLEDドライバの各々は、調光入力に従って所望の輝度で複数の高出力LEDランプユニットを駆動するように動作可能である。
【0012】
好ましくは、入力インタフェースは、モーション制御モジュール、パルス波変調モジュール、およびポテンショメータモジュールのうち少なくとも二つを備えている。
【0013】
好ましくは、出力インタフェースは、複数のRJ45 Ethernet(登録商標)モジュラーコネクタを備えている。
【0014】
好ましくは、入力インタフェースがモーション制御モジュールを備える場合、モーション制御モジュールは、高出力LEDドライバが所望の輝度を維持すべき時間を決定するタイマーを備えている。
【0015】
好ましくは、入力プロセッサは、パルス波変調(PWM)コンバータを備えており、動作中、PWMコンバータを動作させるためのデューティサイクルを受け取ると、PWM信号が動作用直流(DC)電圧に変換され、出力インタフェースへ送られる。
【0016】
好ましくは、変換後の動作用DC電圧が約1.5〜5ボルトである。
【0017】
好ましくは、調光入力は、ある範囲の周波数を有するパルス波変調(PWM)信号を含んでいる。
【0018】
好ましくは、100Hz〜2kHzの周波数を有するPWM信号が通常のPWM信号と判断され、25Hz〜80Hzと検出される周波数を有するPWM信号がモーションセンサ信号と判断される。
【0019】
好ましくは、100Hz〜2kHzの周波数を有するPWM信号が通常のPWM信号と判断され、2.5kHz〜3kHzと検出される周波数を有するPWM信号がモーションセンサ信号と判断される。
【0020】
好ましくは、PWM信号内の任意のDC成分が入力プロセッサによって無視される。
【0021】
好ましくは、調光入力が1〜10ボルトのポテンショメータ信号を含んでいる。
【0022】
好ましくは、ポテンショメータ信号内の任意のAC成分が入力プロセッサによって無視される。
【0023】
好ましくは、出力インタフェースの一つの出力ポートが別の調光器システムに接続される。
【0024】
本発明の第2の態様は、上述した態様の調光器システムを備えるLEDドライバを提供する。このLEDドライバは非絶縁構成を有しており、調光器システムが二次端に設けられている。
【0025】
本発明の第3の態様は、上述した態様の調光器システムを備えるLEDドライバを提供する。このLEDドライバは絶縁構成を有しており、調光器システムが二次端に設けられている。
【0026】
本発明の第4の態様は、調光信号を処理して電気出力に提供する方法を提供する。この方法は、少なくとも二つの調光プロトコルからの調光入力を受け取るステップと、受け取った調光入力の調光プロトコルを判定し、この調光プロトコルに従って調光入力を処理するステップと、処理された調光入力を、調光用の少なくとも一つのLEDドライバに送るステップとを備え、この少なくとも一つのLEDドライバの各々は、調光入力に従って所望の輝度で複数の高出力LEDランプユニットを駆動するように動作可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
添付の図面は、本発明の実施形態を(あくまで例示として)図示している。
図1】本発明のある実施形態に係る調光器システムの概略ブロック図である。
図2】例示のモーションセンサ回路の概略ブロック図である。
図3図1の調光器システムの可能な回路実装を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る集積化入力インタフェースの一例の回路図である。
図5図4の集積化入力インタフェースのMCUにおける決定実行プロセスを示すフローチャートである。
図6】本発明の別の実施形態に係るLED負荷を調光する絶縁構成中のLEDドライバへの調光器の接続を示す概略ブロック図である。
図7図3の可能な回路実装を示す図である。
図8a】調光プロトコルの可能な入力としてPWM入力を示す図である。
図8b】調光プロトコルの可能な入力として10Vポテンショメータ入力を示す図である。
図8c】調光プロトコルの可能な入力としてモーション検出入力を示す図である。 本発明の他の構成も可能であり、したがって、添付の図面を本発明の上述の説明の大部分を置き換えるものと理解すべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施形態は、入力インタフェース20および出力インタフェース30を備える調光器10を提供する。この調光器10は、複数の電気的負荷(例えば、ハイパワーLEDランプユニット。ただし、これに限定されない)の輝度を制御するために使用するのに適している(ただし、この用途に限定されるわけではない)。
【0029】
入力インタフェース20は、LEDランプユニットの点灯および消灯(オンオフ)を切り替えるための、および/またはLEDランプユニットの輝度を調節するための入力調光信号を受信するように動作可能である。
【0030】
出力インタフェース30は、処理された入力信号を出力するように動作可能である。得られる出力信号は、
(ア)別の調光器10、および/または
(イ)複数のLEDドライバ
へ供給されるためのものである。
【0031】
出力インタフェース30は、複数のRJ45 Ethernetモジュラーコネクタを備えていてもよい。以下では、調光器10を「調光ハブ」と呼ぶ。調光ハブは、電源システム40によって適切に電力供給される。
【0032】
図1は、LED照明の調光およびオンオフ制御のために異なる調光プロトコルを受け取るように動作可能な入力インタフェース20を有する調光ハブのブロック図を示している。
【0033】
電源40は、ACまたはDC電圧の形態で入力電圧を受けるように構成されている。電源40は、AC/DCコンバータ42に電気的に接続されている。入力電圧がAC電圧である場合、AC/DCコンバータ42は、電子回路を駆動するために、受け取ったAC電圧を、整流または当業者に知られている他のレギュレーション手段によって、DC電圧に変換するように動作可能である。入力がDC電圧である場合は、AC/DCコンバータ42は、DC電圧をレギュレートするように動作可能である。AC/DCコンバータ42は、AIMTEC(商標)製のAMEL5−12SAZ5ワットAC−DCコンバータ等の集積回路であってもよい。
【0034】
電源40は、必要な機能を実行するために、整流器、コンデンサ、および/またはインダクタ等の必要な電気部品を備えている。このような電気部品は公知なので、詳細な説明を省略する。調光用の入力インタフェース20および出力インタフェース30は、絶縁構成および非絶縁構成のいずれでも、実装された回路の二次端に位置する。このような設計により、力率が確実に維持される。
【0035】
入力インタフェース20は、
(a)PWM信号入力のためのPWMモジュール22
(b)0〜10Vまたは1〜10Vの可変性のためのポテンショメータモジュール24、および/または
(c)モーションセンサ入力を受け取るためのモーションセンサインタフェース26
からの入力を受け取るように構成されている。
【0036】
PWMモジュール22は、0〜100%のデューティサイクルにそれぞれ対応して100Hz〜2kHzの範囲のPWM周波数を受け入れる。0%のデューティサイクルはオフ状態に対応し、100%のデューティサイクルは所望の光出力レベルに対応する。
【0037】
PWMモジュール22の信号は、処理された後、照明調光またはオンオフ制御のためのLEDドライバに接続された一つ以上の出力RJ45コネクタへ送られる。
【0038】
ポテンショメータ24は、好ましくは0〜10V、1〜10V、または所望の他の電圧範囲のためのインタフェース入力である。受信されたポテンショメータ信号は、照明調光またはオンオフ制御のためのLEDドライバに接続された一つ以上の出力RJ45コネクタへ送られる。0Vは、スイッチオフ状態、すなわち消灯状態と考えられ、10Vは、100%のレベルの光出力である。
【0039】
モーションセンサインタフェース26は、複数のLEDドライバの調光を制御するために複数のモーション検出器と接続される単一または複数のモーションセンサ28を備えていてもよい。「常時閉(normal close)」出力の出力型を有する「デフォルトモード」で動作する任意のモーションセンサ28が互換性を有している。
【0040】
図2は、モーションセンサインタフェース26を論理ブロック図の形態で示している。この論理ブロック図は、入力プロセッサ31(主制御ユニットMCU31)、分圧器32、および出力インタフェース30RJ45を含んでいる。
【0041】
モーションセンサの動作の論理は、以下の通りである。
【0042】
モーション入力が検出されないときは、モーションセンサ出力スイッチが閉じられ、分圧器32における電圧レベルが変化する。電圧の変化がMCU31によって検出されると、MCU31は、動きが検出されていないと判断する。その後、MCU31は、ある範囲のPWMデューディサイクルをPWMコンバータ34に送出する。PWMコンバータ34は、PWM信号を動作用DC電圧に変換し、それを出力インタフェースRJ45に送る。すると、出力インタフェースに接続された複数のLEDドライバが同時に減光を行う。PWMコンバータ34の後の動作用DC電圧は、直流の約1.5〜5Vである。
【0043】
モーションセンサインタフェース26がモーション(動き)を検出したときは、モーションセンサスイッチが回路を開き、それにより分圧器32の出力における電圧レベルを再び変更し、MCU31が電圧レベルの変化を検知して、動きが検出されたことを知り、ある範囲のPWMデューティサイクルをPWMコンバータ34に送出し、次いでPWMコンバータ34はPWM信号をDC電圧に変換し、それをRJ45を通じて送出し、出力インタフェースに接続された複数のLEDドライバが同時に増光を行う。
【0044】
検出領域を広げるために、複数ユニットのモーションセンサ28をモーションセンサインタフェース26に接続してもよい。そのような状況では、モーションセンサの一つが何らかの動きを検出している限り、モーションセンサスイッチが開かれ、それにより分圧器32の出力における電圧レベルが変更され、MCU31はモーションが検出されたと判定して、ある範囲のPWMデューディサイクルをPWMコンバータ34に送出し、PWMコンバータ34はPWM信号を対応するDC電圧に変換し、それをRJ4530を通じて送出し、接続されたLEDドライバ群が同時に100%への増光を行う。
【0045】
モーションセンサが動きを検出すると、デフォルトモードでは、モーションセンサ出力スイッチが数秒間開き、その後、閉じた状態に再び戻る。動きが検出されたときのLEDランプの所望の点灯時間をユーザが選択できるように、適切なタイマー38を調光回路内に組み込んでもよい。この場合、例えば、保持(点灯)時間が5分となるようにタイマー38が設定されていれば、モーションセンサが動きを検出したときに、モーションセンサスイッチが開かれ、それにより分圧器32の出力における電圧レベルが変更され、MCU31はモーションが検出されたと判定して、ある範囲のPWMデューディサイクルをPWMコンバータ34に送出し、PWMコンバータ34はPWM信号をDC電圧に変換し、それをRJ4530を通じて送出し、接続されたLEDドライバ群は、100%への増光を5分の保持時間にわたって行うように動作可能となる。
【0046】
RJ45は、調光またはオンオフ照明制御のためのLEDドライバに信号を出力するインタフェースである。RJ45は、単一ユニットLEDドライバとの接続であってもよいし、複数のLEDドライバとの接続であってもよい。調光ハブは、より多くのLEDドライバを同時に制御するために、Ethernetケーブル接続を用いて別の調光ハブにリンクさせてもよい。
【0047】
入力インタフェース20に追加の入力を加えてもよい。これらの追加入力としては、環境照明センサ(環境光に応じて自動的に点灯および消灯を切り替え、または輝度を調節するためのもの)や、PWM制御の変形例、例えば、PWMからDALI(Digital Addressable Lighting Interface、ディジタル・アドレッサブル・ライティング・インタフェース)への変換、PWMからBluetooth(登録商標)への変換、DALIからPWMへの変換、およびBluetoothからPWMへの変換が挙げられる(ただし、これらに限定されない)。
【0048】
本発明の別の実施形態によれば、調光器10は、少なくとも三つの形態の入力信号を
(a)PWM信号入力用のPWMモジュール22
(b)0〜10Vまたは1〜10Vの可変性のためのポテンショメータモジュール24
(c)モーションセンサ入力を受け取るためのモーションセンサインタフェース26
から受信するように構成された集積化(共通)入力インタフェース200を備えていてもよい。
【0049】
入力インタフェース200の回路図を図4に示す。入力インタフェース200は、入力ライン220、入力信号レギュレーションユニット240、および入力プロセッサまたは主制御ユニット(MCU)260を備えている。
【0050】
入力ライン220は、PWMモジュール22、ポテンショメータモジュール24、またはモーションセンサインタフェース26から入力信号を受信する単一の入力INPUT1と、抵抗素子Rと、電圧レギュレータRegを備えている。
【0051】
抵抗素子Rは、入力インタフェース200に接続されたPWM、0〜10V/VR、またはモーションセンサ等の調光装置がないときは、プルハイ抵抗器として機能する。Rは、調光入力が存在しないときは、INPUT2およびINPUT3に対するプルハイ抵抗器としても働く。
【0052】
電圧レギュレータRegは、入力インタフェース200内の電気部品の損傷を防ぐために、INPUT1を所望の電圧レベルにレギュレートするように動作可能である。
【0053】
INPUT1で調光信号を受信すると、調光信号は入力信号レギュレーションユニット240への複数の入力として分岐取り出しされる。入力信号レギュレーションユニット240は、ボルテージフォロワ(バッファ増幅器)U1およびU2、レギュレータReg、ならびに分圧器242を備えている。
【0054】
INPUT1で調光信号を受信したときに、ボルテージフォロワU1およびU2は、INPUT1の電圧に追従してINPUT2およびINPUT3を提供するように動作可能である。
【0055】
INPUT2は、PWM信号またはモーションセンサ信号の検出のために使用される。INPUT3は、0〜10V入力または1〜10V入力の検出のために使用される。
【0056】
INPUT2は、電圧レギュレータRegによってレギュレートされる。Regと同様に、Regは、入力インタフェース200内の電気部品の損傷を防ぐために、INPUT2を所望の電圧レベルにレギュレートするように動作する。
【0057】
分圧器242は、INPUT3における電圧をレギュレートする。分圧器242は、分圧機能を実行するための抵抗器RおよびRを備えている。
【0058】
図示のように、0〜10V/VRポテンシャルメータ入力がINPUT1に接続され、INPUT1へ10Vを供給するように設定されると、ボルテージフォロワU2およびOUTPUT1の電圧も10Vとなる。
【0059】
分圧器として働くR2およびR3は、INPUT3の電圧レベルがMCU動作電圧よりも大きくならないように、INPUT3における電圧を5V以下に設定する。
【0060】
MCU260は、異なる種類のINPUT1を検出して判別するための論理(ロジック)およびアルゴリズムを(プログラムコードの形で)実装する。特に、INPUT1がPWM信号であるか、電圧0〜10V、1−10V/VR入力であるか、モーションセンサ入力であるかが判別される。MCU260の出力は、OUTPUT2である。OUTPUT2は、照明調光制御のためのLEDドライバに送られる。
【0061】
INPUT1の検出および判別のための基本ロジックを、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0062】
INPUT2は、PWM信号の検出に利用される。DC電圧はフィルタリングされて無視される。
【0063】
ある範囲の周波数を有するPWM信号を受け取ると、
100Hz〜2kHzと検出される周波数のPWM信号は、通常のPWM信号と考えられ、
25Hz〜80Hzまたは2.5kHz〜3kHzと検出される周波数のPWM信号は、モーションセンサ信号とみなされる。
【0064】
この後、MCU260は、照明調光制御用のLEDドライバ(おそらくはASIC型のLEDドライバ)に調光信号を送る。
【0065】
INPUT3は、0〜10V/VR調光プロトコル用のDC電圧レベルの検出に利用される。PWM信号はフィルタリングされ、あるいは無視される。
【0066】
0〜10V/VR入力が接続されたときは、INPUT1の最大電圧が10Vに設定され、電圧レギュレータREGがINPUT2の電圧を5V以下にレギュレートする。しかし、MCU260は、INPUT2で検出される電圧を無視する。
【0067】
同時に、OUTPUT1(ボルテージフォロワU2からの出力)はINPUT1と同じ電圧を有することになる。R2およびR3は、0V〜5Vの電圧範囲をINPUT3において分圧する。MCU260は、これを有効な信号だと認識して処理し、その出力をOUTPUT2を通じて、照明調光制御用のLEDドライバへ送る。
【0068】
PWM入力が接続されたときは、INPUT3へ進むPWM信号については、MCU260はそのPWM信号を無視するので、OUTPUT2に変化は生じない。MCU260は、INPUT2におけるPWM信号のみを認識し、OUTPUT2は、照明調光制御用のLEDドライバに従って出力信号を変更する。
【0069】
図5のフローチャートは、MCU260の論理フロー、特にPWM信号、0〜10V/VR信号、およびモーションセンサ信号を判別する論理フローを表している。
【0070】
図5に示されるように、MCU260がINPUT2およびINPUT3の双方で並行して高い電圧レベルを検出すると、OUTPUT2は、100%の出力信号をLEDASICドライバに送って、照明を完全に点灯する。
【0071】
上述のLED ASICドライバは、PCT国際公報WO2011/152795に記載されるLEDドライバであってもよいし、PCT国際公報WO2013/066270およびその関連出願の公報に記載される高出力LED「ストリングドライバ」であってもよい。
【0072】
MCU260のOUTPUT2は、外部RCフィルタを伴うPWM出力モードであってもよいし、ASICの入力に調光電圧基準値を送るDAC出力モードであってもよい。
【0073】
REGは、純粋にDC電圧レギュレータとしてのみ働く。MCU260のINPUT2ピンは、上述したPWM信号検出としてのみ構成されている。あらゆるDC電圧は無視される。
【0074】
本発明の別の実施形態では、上述の実施形態で説明した調光器10が、LED負荷の輝度を変動させるLEDドライバ50と組み合わされるか、LEDドライバ50と協働するように構成されている。LEDドライバ50は、通常、一次回路52、半導体絶縁部54、および二次回路56を備える絶縁構成である。二次回路56は、LED負荷58を操作可能に駆動する。
【0075】
一次回路52は、ACソース電流/電圧を、LED負荷を駆動するのに適したDC電流/電圧に変換する整流回路を備えている。半導体絶縁回路54は、通常、二次回路56から一次回路52を絶縁するための変圧器(例えばプレーナ変圧器)を備えている。二次回路56は、平滑コンデンサを備えており、また、LED負荷58への出力電圧/電流を調節するために調光ハブ10の調光入力を受け取る入出力インタフェース60を少なくとも有している。I/Oインタフェース60は、特定用途向け集積回路(ASIC)等の集積回路(IC)であってもよい。このASICドライバは、PCT国際公報WO2011/152795に記載されるLEDドライバであってもよいし、PCT国際公報WO2013/066270およびその関連出願の公報に記載される高出力LED「ストリングドライバ」であってもよい。
【0076】
LED負荷58は、複数のLEDライトを備えている。
【0077】
本発明の別の好適な実施形態では、上述の調光器10が、複数の高出力LEDランプユニット58を駆動するのに適した一つの高出力LEDランプドライバ50と組み合わされる。このような単一のドライバ50は、各高出力LEDランプユニット58が専用のドライバを必要としないように、複数の高出力LEDランプへの供給に適した、リプルのないDC電流を生成する品質を有している。複数のLEDランプユニットに対して単一のドライバを使用する結果、各高出力LEDランプユニットを、その高出力LEDランプユニットからの熱だけを逃がす適切なヒートシンクに取り付けることができる。
【0078】
各調光器10の出力インタフェース30は、このようなLEDランプユニットの一つ以上、または別の調光器10に適切に接続される。
【0079】
この調光ハブは、無制限な数の照明列(ストリング)を調光しうる単一のドライバとの協働を可能にする。
【0080】
上述の調光器10を、複数の高出力LEDランプユニットを駆動するのに適した単一の高出力LEDランプドライバと組み合わせる用途の一つは、廊下調光ソリューションである。これは、LEDライトが設置されたホテルや集合住宅の廊下で特に有用である。この用途を、有効な入力インタフェース20としてのモーションセンサの使用に関連して説明する。
【0081】
照明が常時点灯している通常のホテル廊下では、動きがない場合、廊下全体におけるLEDライト列は、「エネルギー節約モード」にて、例えば30%まで暗くなる。
【0082】
動きが検出されると(例えば人が廊下に近づき、一つ以上のモーションセンサによって検出されると)、ライト列は100%の輝度まで明るくなる。
【0083】
上述の実施形態の利点を以下に列挙する。
【0084】
LEDドライバ実装では、二次回路と接続されるため、AC入力源を含む一次回路が影響を受けず、したがって入力電流波形が歪まない。この構成は、一次回路中の歪み、ノイズ、フリッカリング、およびEMIを最小限に抑えるので、更に有益である。
【0085】
また、調光ハブは、二つ以上のLED調光プロトコルを統合することが可能な入力インタフェースを備えている。ここで、これらのLED調光プロトコルには、ポテンショメータ、PWM、およびモーションセンサ(特定の周波数範囲(例えば2.5kHz〜3kHz)内のPWM信号を含んでもよい)等のプロトコルが含まれる。
【0086】
TRIAC(トライアック)調光器等の従来の調光器と比較すると、TRIAC調光器は、一般に、以下の問題を有している。
・ライン周波数でのトライアックの電圧チョッピングおよびトリガリングが、突入電流、電磁干渉、および可聴ノイズを生成する。
・チョッピングされた電流波形がひどく歪み、
(a)低い力率
(b)不十分なラインレギュレーション
(c)歪んだ電流波形
(d)突入電流とEMIノイズ
といった結果を生じる。
【0087】
本発明は、個々の実施形態を包含するだけでなく、上述した実施形態の組み合わせも含んでいる。例えば、一つの実施形態で説明した任意の特徴を、それと排他的ではない、別の実施形態で説明した特徴と組み合わせて、本発明の更に別の実施形態を形成してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図8a
図7
図8b
図8c
【国際調査報告】