(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-504006(P2017-504006A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G01D 13/22 20060101AFI20170113BHJP
G12B 11/04 20060101ALI20170113BHJP
【FI】
G01D13/22 102B
G12B11/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-536734(P2016-536734)
(86)(22)【出願日】2014年12月2日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月2日
(86)【国際出願番号】EP2014076238
(87)【国際公開番号】WO2015082463
(87)【国際公開日】20150611
(31)【優先権主張番号】102013224895.4
(32)【優先日】2013年12月4日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トアステン アレクサンダー ケアン
(72)【発明者】
【氏名】ローベルト ヴォルフガング キッセル
(72)【発明者】
【氏名】インゴ ツォラー
【テーマコード(参考)】
2F078
【Fターム(参考)】
2F078FA06
2F078FB12
2F078FB25
2F078FB28
2F078FB47
2F078FB49
2F078FD21
2F078FD26
2F078FF03
2F078FF08
(57)【要約】
本発明は、円弧形の目盛部を備えた表示装置であって、測定機構によって指針軸を中心として回転駆動可能な指針の自由端が当該目盛部に沿って移動可能である表示装置に関する。指針軸を直接的または間接的に駆動する軸1に、回転可能に取り付けられる歯車2が相対回動不能に配置されており、当該歯車2の歯に、当該歯車2の直径より大きい直径を有する揺動リングギア3の歯列が部分的に噛み合い、当該揺動リングギア3は、前記歯車2の軸1を中心として揺動可能に取り付けられており、その周縁に分布するばね力によって、揺動リングギア3の歯列が歯車2の歯に噛み合う方向に付勢されており、揺動リングギア3の回転方向に延在する強磁性リング4に固定的に結合されている。少なくとも2つのポールシュー8を備えており、ポールシュー8は、互いに独立して通電可能なコイルを貫通して強磁性リング4の外周面に向かって突出し、当該強磁性リング4との間に径方向の遊びを以て、その周面に分布されて配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円弧形の目盛部を備えた表示装置であって、
測定機構によって指針軸を中心として回転駆動可能な指針の自由端が前記目盛部に沿って移動可能である表示装置において、
回転可能に取り付けられる歯車(2)が、前記指針軸を直接的または間接的に駆動する軸(1)に相対回動不能に配置されており、
前記歯車(2)の歯に、当該歯車(2)の直径より大きい直径を有する揺動リングギア(3)の歯列が部分的に噛み合い、
前記揺動リングギアは、前記歯車(2)の軸(1)を中心として揺動可能に取り付けられており、
前記揺動リングギアは、前記歯車(2)の周縁に分布するばね力によって、前記揺動リングギア(3)の歯列が前記歯車(2)の歯に噛み合う方向に付勢されており、かつ、前記揺動リングギア(3)の回転方向に延在する強磁性リング(4)に固定的に結合されており、
少なくとも2つのポールシュー(8)を備えており、当該ポールシュー(8)は、互いに独立して通電可能なコイルを貫通して前記強磁性リング(4)の外周面に向かって突出し、当該強磁性リング(4)との間に径方向の遊びを以て当該強磁性リング(4)の周面に分布して配置されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
円弧形の目盛部を備えた表示装置であって、
測定機構によって指針軸を中心として回転駆動可能な指針の自由端が前記目盛部に沿って移動可能である表示装置において、
回転可能に取り付けられる内歯リングギアが、前記指針軸を直接的または間接的に駆動する軸に相対回動不能に配置されており、
前記内歯リングギアの歯に、当該内歯リングギアの直径より小さい直径を有する揺動外歯リングギアの歯列が部分的に噛み合い、
前記揺動外歯リングギアは、前記内歯リングギアの軸を中心として揺動可能に取り付けられており、
前記揺動外歯リングギアは、前記内歯リングギアの周縁に分布するばね力によって、前記揺動外歯リングギアの歯列が前記内歯リングギアの歯に噛み合う方向に付勢されており、かつ、前記揺動外歯リングギアの回転方向に延在する強磁性リングに固定的に結合されており、
少なくとも2つのポールシューを備えており、当該ポールシューは、互いに独立して通電可能なコイルを貫通して前記強磁性リングの内周面に向かって突出し、当該リングとの間に径方向の遊びを以て当該リングの周面に分布して配置されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記揺動リングギア(3)または揺動外歯リングギアは、前記強磁性リング(4)と一体に形成されている、
請求項1または2記載の表示装置。
【請求項4】
前記コイルは、配線板上に実装されるプレーナコイル(11,11’,11’’)であり、かつ当該配線板(10)の貫通口(12)を包囲し、
前記貫通口(12)内に前記ポールシュー(8)が貫通する、
請求項1から3までのいずれか1項記載の表示装置。
【請求項5】
前記歯車(2)および前記揺動リングギア(3)、または、前記内歯リングギアおよび前記揺動外歯リングギアは、円筒歯車である、
請求項1から4までのいずれか1項記載の表示装置。
【請求項6】
前記歯車(2)および前記揺動リングギア(3)、または、前記内歯リングギアおよび前記揺動外歯リングギアは、かさ歯車である、
請求項1から3までのいずれか1項記載の表示装置。
【請求項7】
前記ポールシュー(8)は極板(13)に結合されており、
前記極板(13)は、前記ポールシュー(8)に対してほぼ直角に延在する、
請求項1から6までのいずれか1項記載の表示装置。
【請求項8】
ポールシュー(8)と極板(13)とが一体に形成されている、
請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
前記ポールシュー(8)は、前記揺動リングギア(3)ないしは前記揺動外歯リングギアが前記歯車(2)ないしは前記内歯リングギアに噛み合う方向に対して少なくともほぼ直角に延在している、
請求項1から8までのいずれか1項記載の表示装置。
【請求項10】
前記ポールシュー(8)は、前記揺動リングギア(3)ないしは前記揺動外歯リングギアが前記歯車(2)ないしは前記内歯リングギアに噛み合う方向に対して少なくともほぼ同一方向に延在する、
請求項1から8までのいずれか1項記載の表示装置。
【請求項11】
前記揺動リングギア(3)ないしは前記揺動外歯リングギアの、当該揺動リングギア(3)の歯列が前記歯車(2)の歯に噛み合う側とは反対側において、当該揺動リングギア(3)ないしは当該揺動外歯リングギアが、1つまたは複数の弾性部材(5)によって支持されている、
請求項1から10までのいずれか1項記載の表示装置。
【請求項12】
前記揺動リングギア(3)ないしは前記揺動外歯リングギアは、前記強磁性リング(4)を介して前記弾性部材(5)に当たっている、
請求項11記載の表示装置。
【請求項13】
前記歯車(2)と前記軸(1)と前記揺動リングギア(3)と前記強磁性リング(4)と前記弾性部材(5)とから成る前記測定機構は、1つのハウジング(16)内に配置されている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の表示装置。
【請求項14】
前記測定機構は、前記ハウジング(16)によって封止されている、
請求項13記載の表示装置。
【請求項15】
前記ハウジング(16)は底部(6)と蓋部(15)とから成る、
請求項13または14記載の表示装置。
【請求項16】
前記底部(6)は、前記ハウジングの内部に突出するポールシュー(8)を収容するポケット(7)を有する、
請求項15記載の表示装置。
【請求項17】
前記底部(6)の、前記ハウジング(16)の内部とは反対側に、前記配線板(10)が付着している、
請求項15または16記載の表示装置。
【請求項18】
前記配線板(10)の、前記ハウジング(16)とは反対側に、前記極板(13)が配置されている、
請求項17記載の表示装置。
【請求項19】
配線板(10)および/または極板(13)の全部または一部に、プラスチック射出成形部(21)が設けられている、
請求項17または18記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円弧形の目盛部を備えた表示装置であって、測定機構によって指針軸を中心として回転駆動可能な指針の自由端が当該目盛部に沿って移動可能である表示装置に関する。
【0002】
かかる表示装置では、配線板上に実装、圧着またははんだコンタクトされた測定機構であって、永久磁石と、巻きコイルと、多かれ少なかれ複雑な強磁性体磁路とを含む電磁的駆動システムが組み込まれた測定機構が公知である。これにより生じる回転運動は、1段または多段の歯車機構を介して指針軸の移動に変換される。これは、製造コストが高い原因となる。制御のために補正曲線を使用して、指針移動の均一性を達成しなければならない。
【0003】
よって本発明の課題は、部品数が少なく低コストかつ簡単な構成であり、かつ、均一な指針移動を可能とする、冒頭に述べた形式の表示装置を実現することである。
【0004】
前記課題は、本発明の第1の実施形態では、指針軸を直接的または間接的に駆動する軸に、回転可能に取り付けられる歯車が相対回動不能に配置されており、当該歯車の歯に、当該歯車の直径より大きい直径を有する揺動リングギアの歯列が部分的に噛み合い、当該揺動リングギアは、前記歯車の軸を中心として揺動可能に取り付けられており、その周縁に分布するばね力によって、揺動リングギアの歯列が歯車の歯に噛み合う方向に付勢されており、揺動リングギアの回転方向に延在する強磁性リングに固定的に結合されており、少なくとも2つのポールシューを備えており、当該ポールシューは、互いに独立して通電可能なコイルを貫通して前記強磁性リングの外周面に向かって突出し、当該強磁性リングとの間に径方向の遊びを以て当該強磁性リングの周面に分布して配置されている構成により解決される。
【0005】
本発明の第2の実施形態では前記課題は、指針軸を直接的または間接的に駆動する軸に、回転可能に取り付けられる内歯リングギアが相対回動不能に配置されており、当該内歯リングギアの歯に、当該内歯リングギアより小さい直径を有する揺動外歯リングギアの歯列が部分的に噛み合い、当該揺動外歯リングギアは、前記内歯リングギアの軸を中心として揺動可能に取り付けられており、その周縁に分布するばね力によって、揺動外歯リングギアの歯列が内歯リングギアの歯に噛み合う方向に付勢されており、揺動外歯リングギアの回転方向に延在する強磁性リングに固定的に結合されており、少なくとも2つのポールシューを備えており、当該ポールシューは、互いに独立して通電可能なコイルを貫通して前記強磁性リングの内周面に向かって突出し、当該リングとの間に径方向の遊びを以て当該リングの周面に分布して配置されている構成により解決される。
【0006】
揺動リングギアまたは揺動外歯リングギアを用いて軸を駆動することにより、少数の簡単な部品で大きい速度伝達比が可能となり、これにより、均一な指針運動が実現される。
【0007】
揺動リングギアまたは揺動外歯リングギアを強磁性リングと一体に形成すると、部品数がさらに削減され、組立が簡単になる。
【0008】
コイルが、配線板上に実装されるプレーナコイルであり、かつ配線板の貫通口を包囲し、この貫通口内にポールシューが貫通する構成にすると、部品数を更に削減し、かつ組立コストを削減することができる。このことにより、表示装置の構成サイズも縮小する。その際には、コイルを支持する配線板は、同時に、測定機構と一体となった構成部分でもある。
【0009】
実際のスペース比に応じて、歯車および揺動リングギア、または内歯リングギアおよび揺動外歯リングギアを、円筒歯車またはかさ歯車とすることができる。
【0010】
部品数を削減する構成を実現し、ひいては組立コストを削減する構成を実現するためには、ポールシューに対してほぼ直角に延在する極板にポールシューを結合する。その際には、ポールシューと極板とを一体部品とすることができる。
【0011】
スペース比に応じて、ポールシューは、揺動リングギアもしくは揺動外歯リングギアの歯が歯車ないしは内歯リングギアの歯に噛み合う方向に対して少なくともほぼ直角に、または、揺動リングギアもしくは揺動外歯リングギアの歯が歯車ないしは内歯リングギアの歯に噛み合う方向と少なくともほぼ同一方向に延在することができる。
【0012】
揺動リングギアまたは揺動外歯リングギアが歯車の歯に噛み合うのを簡単に保証するためには、揺動リングギアないしは揺動外歯リングギアの、当該揺動リングギアの歯列が歯車の歯に噛み合う側とは反対側において、当該揺動リングギアないしは揺動外歯リングギアを1つまたは複数の弾性部材によって突っ張り支持することができる。
【0013】
その際には、強磁性リングを介して揺動リングギアないしは揺動外歯リングギアを弾性部材に当てることができる。
【0014】
組立影響に対して高いロバスト性を達成するためには、歯車と軸と揺動リングギアと強磁性リングと弾性部材とから成る測定機構を、1つのハウジング内に配置することができ、とりわけ、測定機構をハウジングによって封止することができる。
【0015】
その際、ポールシューをハウジング内部から隔絶するため、底部は、ハウジング内部に突出するポールシューを収容するポケットを有することができる。
【0016】
省スペースのコンパクトな構成を達成するためには、底部の、ハウジング内部とは反対側に、配線板を付着させる。その際に有利なのは、配線板の、ハウジングとは反対側に、極板を配置することである。
【0017】
機械的保護のために有利なのは、配線板および/または極板の全部または一部にプラスチック射出成形部を設けることである。
【0018】
図面に本発明の実施例を示しており、以下の記載にてこれらの実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【0020】
各図に示された表示装置は、回転可能に取り付けられた軸1を有し、この軸1に歯車2が固定的に配置されている。歯車2の一部の歯に、内歯リングギアとなる揺動リングギア3の歯が噛み合う。この揺動リングギア3の内径は、歯車2より大きい。相対回動不能なこの揺動リングギア3には、歯列を有しないリング面に強磁性リング4が設けられており、揺動リングギア3が歯車の周囲を揺動運動できるように、この強磁性リング4は弾性部材5を介して、底部6のポケット7内に配置されたポールシュー8に突っ張り支持されている。
【0021】
相対回動不能な揺動リングギア3が円形で回転する揺動運動をすることによって歯車2が駆動されて回転運動するように、歯車2および揺動リングギア3の歯数は異なっている。ポールシュー8は、揺動リングギアの歯が歯車2に噛み合う方向に対してほぼ直角(
図2,3,4)に延在するか、または同一方向(
図5,6,7)に延在する。
【0022】
プラスチック射出成形部として形成された板状の底部6は歯車2に対して平行に延在しており、第1の軸受開口9を有する。この第1の軸受開口9内に、軸1が歯車2の片面側にて回転可能に軸受されている。
【0023】
底部6の、歯車2とは反対側に、配線板10が取り付けられている。この配線板10の、底部を向いた側に、3つのプレーナコイル11が実装されている。配線板10には、各プレーナコイル11内の中央に貫通口12が形成されており、各貫通口12をそれぞれ1つのポールシュー8が貫通して底部6のポケット7のうち1つの中に突出する。
【0024】
ポールシュー8とポケット7と貫通口とプレーナコイル11とは、半円20上にて均等に分布されて配置されている。
【0025】
上述の複数のポールシュー8は、配線板10の、歯車2とは反対側において、当該ポールシュー8に対して直角に延在する極板13によって互いに接続されて1つの部品を成す。この極板13は配線板10に対して平行に延在する。
【0026】
底部6は、ポケット7の径方向外側に固定突起部14,14’を有する。この固定突起部14,14’は、底部6の平面の両側において軸1に対して平行に延在する。
【0027】
歯車2と、軸1と、揺動リングギア3と、強磁性リング4と、弾性部材5とから構成された上述の測定機構は、底部6とポット状の蓋部15とから構成されたハウジング16内に封入される。蓋部15の径方向に覆う壁に固定凹部17が形成されており、この固定凹部17は、蓋部15の当該壁の開口縁部側に開口を有する。ハウジング16を閉鎖するためには、測定機構の上方に、蓋部15の開口縁部が底部6に当接するまで当該蓋部15を被せて、固定突起部14を固定凹部17内に挟み込むように挿入する。
【0028】
もちろん、蓋部15を底部6と、当該底部6が設けられた配線板10とに結合するのに適した、他の結合態様を用いることも可能である。
【0029】
それと同時に、軸1の、配線板10とは反対側の自由端を、蓋部15の底に形成された第2の軸受開口18内に挿入し、この第2の軸受開口18内にて軸2が回転可能に軸受される。
【0030】
蓋部15の底ないしは底部6に突っ張り支持されて歯車2に付勢する圧縮ばね19により、軸2が付勢されて底部6に、ないしは蓋部15の底に突っ張り支持され、これにより、軸2はハウジング16内に軸方向において規定通りに位置決めされる。
【0031】
極板13には、配線板10に対して平行にプラスチック射出成形部21が平板状に設けられており、このプラスチック射出成形部21は、底部6の固定突起部14’の、歯車2とは反対側の端部も覆う。
【0032】
図2の実施例では、歯車2および揺動リングギア3は円筒歯車であり、揺動リングギア3、強磁性リング4および弾性部材5は歯車2の径方向に配置されており、互いに結合されたアセンブリとして、径方向に底部6のポケット7に固定されている。
【0033】
図3および
図4の構成は、歯車2と揺動リングギア3とをかさ歯車として形成する点を除いて、
図2の構成に相当する。
図3では、歯車2の歯は斜行し、底部6とは逆方向を向いており、
図4では、斜行して底部6を向いている。
【0034】
図5および
図6では、歯車2および揺動リングギア3は
図3および
図4の歯車2および揺動リングギア3に相当する。
【0035】
しかし、揺動リングギア3は軸1の軸方向において、強磁性リング4と弾性部材5とを介して底部6のポケット7の開放端面に接続されている。
【0036】
図7では、歯車2および揺動リングギア3は
図4と同様、かさ歯車として形成されている。その円錐斜面に対応して、揺動リングギア3は強磁性リング4と弾性部材5とを介して底部6のポケット7に接続されている。
【0037】
図8において分かるように、配線板10上にてプレーナコイル11が、半円20上において均等に分布されて配置されており、これらのプレーナコイル11内にポールシュー8が貫通している。プレーナコイル11の通電に応じてポールシュー8においてそれぞれ異なる磁界が強磁性リング4に作用し、これに応じて、弾性部材5の力に抗して図中のニュートラル位置からそれぞれ異なって変位するように、図示されていない制御ユニットによって各プレーナコイル11はそれぞれ異なって通電される。これにより、揺動リングギア3も変位する。
【0038】
軸1のゼロ位置では、上述の半円20の左端にあるプレーナコイル11に供給される電流が最も強く、半円20の右端にあるプレーナコイル11’’に供給される電流が最も弱く、かつ、中間のプレーナコイル11’に供給される電流は中程度となる。
【0039】
左側のプレーナコイル11への電流供給を、右側のプレーナコイル11’’の通電の低減と同程度に増大させると、これに応じて各プレーナコイルの磁界も変化し、これにより強磁性リング4が揺動運動し、それと共に揺動リングギア3が半円20に沿って揺動運動する。このようにして、揺動リングギア3によって歯車2が駆動されて回転運動し、この回転運動は、同様に回転する軸1を介して、図示されていない指針軸へ伝達される。この回転運動の伝達により、指針軸に取り付けられた指針が、同様に図示されていない弧形の目盛部に沿って移動する。
【国際調査報告】