(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-504010(P2017-504010A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(54)【発明の名称】流れを動力とする照明を用いる酸素流指示装置
(51)【国際特許分類】
G01P 13/00 20060101AFI20170113BHJP
A61M 16/00 20060101ALI20170113BHJP
A62B 7/14 20060101ALI20170113BHJP
B64D 13/06 20060101ALI20170113BHJP
【FI】
G01P13/00 D
A61M16/00 305B
A61M16/00 370
A62B7/14
B64D13/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-541291(P2016-541291)
(86)(22)【出願日】2014年12月19日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月17日
(86)【国際出願番号】US2014071722
(87)【国際公開番号】WO2015095823
(87)【国際公開日】20150625
(31)【優先権主張番号】61/918,974
(32)【優先日】2013年12月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/573,966
(32)【優先日】2014年12月17日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】500413696
【氏名又は名称】ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】B/E Aerospace, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】エリオット、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ナグレチャ、ムリナル
【テーマコード(参考)】
2E185
2F034
【Fターム(参考)】
2E185AA09
2E185BA20
2E185CA03
2E185CC22
2E185DA02
2E185DA12
2E185DA17
2F034AA02
2F034AB01
2F034AC13
(57)【要約】
【解決手段】呼吸ガスの流れを示す呼吸装置の流れ指示装置は、呼吸可能ガスを供給するための導管内の構造を備え、構造は、呼吸可能ガスの存在、または、構造を通る呼吸可能ガスの移動の結果として変化を受ける。流れ指示装置はまた、構造における変化によって作動されて、呼吸可能ガスの存在または流れを視覚的に示す気体流ディスプレイを備え、ディスプレイは、外部の電源なしで、構造における変化によって電力が供給される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸ガスの流れを示す呼吸装置の流れ指示装置であって、
呼吸可能ガスを供給するための導管内の構造であって、前記呼吸可能ガスの存在、または、前記構造を通る前記呼吸可能ガスの移動の結果、変化を受ける構造と、
前記構造の変化によって作動されて前記呼吸可能ガスの存在または流れを視覚的に示す気体流指示装置と、を備え、
前記指示装置は、外部の電源なしで、前記構造における変化によって電力を供給される、
流れ指示装置。
【請求項2】
前記構造は、環境発電装置を含む、
請求項1に記載の流れ指示装置。
【請求項3】
前記構造における変化は、前記構造に亘る電圧差をもたらす温度差である、
請求項2に記載の流れ指示装置。
【請求項4】
前記気体流指示装置は、前記呼吸可能ガスの存在で照らされる色素である、
請求項1に記載の流れ指示装置。
【請求項5】
前記呼吸可能ガスは、酸素である、
請求項4に記載の流れ指示装置。
【請求項6】
前記気体流指示装置は、LEDである、
請求項1に記載の流れ指示装置。
【請求項7】
前記呼吸可能ガスを供給する配管にぴったり適合するスリーブをさらに備える、
請求項1に記載の流れ指示装置。
【請求項8】
前記構造は、シリコン及びゲルマニウムでドープされた表面を含む、
請求項1に記載の流れ指示装置。
【請求項9】
前記構造は、カーボンナノチューブを含む、
請求項1に記載の流れ指示装置。
【請求項10】
前記気体流指示装置は、酸素に敏感である、
請求項1に記載の流れ指示装置。
【請求項11】
前記構造は、基板、陽極、陰極及び光検出層を含む、
請求項1に記載の流れ指示装置。
【請求項12】
前記構造は、後方検出を用いる、
請求項11に記載の流れ指示装置。
【請求項13】
前記気体流指示装置は、酸素に反応する化学物質を利用する、
請求項1に記載の流れ指示装置。
【請求項14】
前記流れ指示装置に存在する酸素の濃度を検出するための検出器をさらに備える、
請求項1に記載の流れ指示装置。
【請求項15】
ユーザに酸素を供給する方法であって、
導管を介して、前記ユーザを酸素供給源に接続し、
前記導管の気体の流れを示す気体流指示装置を前記導管に組み込み、
前記気体流指示装置と連動して前記導管の酸素の流れを前記ユーザに表示する指示装置を設け、
前記気体流指示装置は、前記導管の酸素によってのみ電力を供給される、
ユーザに酸素を供給する方法。
【請求項16】
前記気体流指示装置は、前記導管の酸素の移動によって電力が供給される、
請求項15に記載のユーザに酸素を供給する方法。
【請求項17】
前記気体流指示装置は、前記気体流指示装置の酸素の存在に対する反応によって電力が供給される、
請求項15に記載のユーザに酸素を供給する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年12月20日に出願された米国出願第61/918,974号、及び、2014年12月17日に出願された米国出願第14/573,966号の優先権を主張し、それらの内容を参照により組み込む。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般的に、航空機の乗客、医療患者、救急職員などによって使用される酸素マスクに関し、特に、供給ラインを通る気体の流れを用いて、流れ自体の存在を示す指示装置に電力を供給する、酸素マスク及び酸素供給システムであって、指示装置のための別の電力系統を必要としない、酸素マスク及び酸素供給システムに関する。
【0003】
流れ指示技術は、例えば、病院だけでなく、航空機/ヘリコプターで利用される、生命維持システムにおいて極めて不可欠である。乗客及び患者の酸素吸入は、緊急事態において非常に重要であり、性能だけでなく、機能の観点で、信頼性のある装置を有することが重要である。航空機上での減圧などの緊急時に経験される低光量の条件下または他の条件下において、問題となっている供給システムが完全に動作すること、及び、簡単に、及び、妥当な距離から供給システムが機能していることを示すことは、最重要である。現在の流れ指示装置は、単に機械的な装置であり、詰まったり、破損したり、機械的物体に見られるあらゆる他の故障が起こり得る。
【0004】
航空機の乗客用酸素供給システムなどのある用途において、重量及び空間使用は、このようなシステムの設計及び可用性に影響を及ぼす重要な要因となる。酸素供給システムの全ての観点が、酸素システム上の流れ指示装置を含む、効率性及び重量/空間の検討に関して、分析される。信頼性及びコストにおいても、機器及びその動作を徹底的に検査することなく、システムが、確実に酸素流の表示を提供できるかが考慮される。本発明は、酸素流を判定でき、気体流の供給端部、例えば、酸素マスクにおいて、酸素流を乗客または医療患者/医療関係者に示すことができる、簡易で信頼性のある方法を提供する。
【0005】
参照により完全に組み込む、Redd等による、米国特許第7,730,847号には、システムの動作状態を簡単に確認するための、マスクに近接して配置された流れ指示装置を備える使い捨ての呼吸装置が開示されている。Reddは、酸素供給源とは対照的に、マスクにおける酸素流の確認の必要性を教示している。参照により完全に組み込む、Voege等による、米国特許第7,298,280号には、流体の流れを監視及び示すための流体流指示装置であって、流体圧力が圧力スイッチを起動して管または導管における流体の動きの有無を示す、流体流指示装置が開示されている。好適な実施形態において、当該圧力スイッチは、導管の外側から観測できるため、患者、乗客または他の流体を受け手は、流れを確認できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、管における酸素などの流体の動きを用いて、流れ自体の存在を示すのに用いられる照明装置に電力を供給する流れ指示装置及び方法である。指示装置は、本明細書に記載される1つまたは複数の技術を利用して、呼吸酸素または空気をマスク、カニューレまたは他の口/口鼻装置に分配するための多岐管に接続する配管/導管に存在する流れを利用してエネルギーを生成する。
【0007】
発電の第1の好適な方法は、カーボンナノチューブ及び半導体に亘る気体の流れによって電圧及び電流を直接生成することである。ゼーベック効果と合わせてベルヌーイの法則を用いることで、単層/多層カーボンナノチューブに塗布された、ドープされたシリコン/ゲルマニウムの層に亘る気体の流れを利用して、測定可能な電圧及び電流が生成可能である。検査により、生成されたエネルギーがエネルギー変換装置、より重要なことには、気体流センサにおいて使用可能なことが示される。留め具、マルチパートシステム、または、流れの方向によって生じる角度を有する挿入具を用いることで、移動する気体が、圧力差(及び、その結果として温度差)を誘発し、この圧力差が電圧/電流を生成する。電圧は、非常に遅い流れであっても生成され、この電圧は、非常に少ない電力を必要とする照明装置(発光塗料、LED、OLEDなど)と合わせて供給システムに用いられ、このシステムを通る流れがある場合、視覚的な指示を生成する。本技術を採用する装置の応答時間は、ほぼ遅延がなければ、数秒以内としてもよく、有益には、本発明は、「アクティブな」測定装置である。すなわち、電力は、システムに流れがある場合のみ、生成される。このことは、システム全体の電力及び重量の節約につながる。
【0008】
あるいは、本システムは、気相及び溶存酸素を検出するための、構造的に一体化された、発光装置を利用したセンサによって電力を供給されてもよい。酸素などのある気体は、OLEDを介して結果を示し、1つの小さな装置に組み込まれるフォトルミネッセンス色素を用いて検出されてもよい。その色素は、フォトルミネッセンス強度及び寿命という2つの主な特性を有することで、光検知及び照明の材料として魅力的である。同様のシステムは、酸素分配管のあらゆる箇所に挿入されることができるため、これにより、提供されるサービスレベルを維持しながら、接続箇所の数を削減することができる。
【0009】
本発明の他の特徴および利点が、例として、本発明の作用を図示する添付の図面と合わせて以下の好適な実施形態の詳細な記載から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】航空機の環境における乗客用酸素供給システムを示す。
【
図1B】本発明を利用可能な酸素供給システムの立面斜視図である。
【
図2】基板に作用して基板に光起電力変化を形成する気体の流れの概略図である。
【
図3】OLEDを用いたフォトルミネッセンス検出システムの実施形態の図である。
【
図4A】本発明に組み込まれた環境発電装置の拡大立面斜視図である。
【
図4B】本発明に組み込まれた環境発電装置の断面図である。
【
図5】フォトルミネッセンスフィルム、及び、そこを通る流れを検出するためのウィンドウ配置を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、医療、緊急事態、及び、他の気体流システムを含む複数の用途を有するが、簡潔にするため、航空機の乗客用酸素供給システムとの関係において記載する。
図1Aは、座席2の列を有する航空機1であって、座席2の上方に酸素供給システムがある航空機1を示す。酸素などの気体の流れは、本発明の実施形態に係る
図1Bに示されるようなシステムにおいて検出される。流れ指示装置30は、配管/導管20、40の2つに取り付けられ、配管/導管20、40の一端は、カニューレ、鼻/口鼻マスクまたは他の種類の呼吸装置50のような呼吸装置を介して乗客に向けて下流に向かう。流れに関して上流に向かう他端は、最終的に呼吸可能な酸素8の供給源に接続する多岐管10に接続してもよい。
【0012】
流れ指示装置30は、
図1Bに示すように配管20、40の2つの間に挿入可能であるが、コストを最小限にするため、配管20に挿入可能なように小型化することもできる。流れ指示装置30は、摩擦によって、または、配管に留めることができるあらゆる装置によって所定の位置に保持可能である。実験により、酸素などの気体が、様々な固体を通る際、毎秒数メートルという低速度であっても、測定可能な電圧及び電流が直接的に生成されることが証明された。根底にある機構は、ベルヌーイの法則とゼーベック効果の両方に関わる。ストリームラインに沿った圧力差により、固体に亘る温度差が起こり、温度差は、圧力差に変換可能である。電気信号は、マッハ数Mに二次的に依存し、固体のゼーベック係数に比例する。本発明で用いられる固体は、ドープされたSi及びGe、単層及び多層カーボンナノチューブ及びグラファイトであってもよい。さらなる研究によって、酸素を含むがこれに限定されない気体にも当てはまること、及び、効果が、広範囲の速度に亘る、多層ナノチューブ及びドープされた半導体/金属においてもみられることが示された。検査によって、1から140m/sの流速が確認され、生成された電圧との二次関係が実証された。
【0013】
図2は、最適流れ衝突角、(水平軸に対して)α=45度を示す選択された基板55の上の気体45の流れを示し、この流れは、システムにおいて最大電力Vを効果的に生成するように、銀乳剤で被膜された2つの端子L、R間に最も大きな圧力差(及び、その結果として温度差)を生成する。α=0度または90度では、圧力勾配は形成されず、電圧は生成されないことも発見された。この効果は、以下のようにベルヌーイの方程式によって表される。
【0015】
上述の式(1)は、断熱の、安定した非粘性の気体の流れにおいて有効であり、流れによって生成されるエネルギーを推定するため、理想気体の法則を用いて温度差に変換可能な圧力差を規定する。
図2の場合、温度差は、以下のように書くことができる。
【0017】
ここで、
図2に示すように、下付き記号は、左L及び右R端子を示す。電圧差を起こす温度差は、ゼーベック効果と呼ばれ、生成された電圧とゼーベック効果との関係は、以下に示される。
【0019】
理論電圧の生成は、マッハ数Mと電圧Vとの関係を説明するため、様々な速度で、アンチモン(Sb)がドープされたn型ゲルマニウム(Ge)、n及びp型シリコン(Si)及び上述したカーボンナノチューブなどの様々な材料で検査され、それに応じて、材料のゼーベック係数が規定された。
【0020】
フォトルミネッセンスの原理を利用して流れを示す別の方法も、システムに組み込むことができる。この別の実施形態は、ポリスチレンに埋め込まれたPt−またはPd−オクタエチルポルフィリン(PtOEPまたはPdOEP)、及び、ゾルーゲル膜に埋め込まれたトリス(4,7−ジフェニル‐1,10−フェナントロリン)RuII(Ru(dpp))のような材料の酸素感受性に依存する。この選択肢を用いる構成要素の削減により、コンパクトで効率的な装置の生成が可能となるとともに、製造及び製作コストが低減される。これらのセンサが機能する基本原則は、膜67(
図5参照)のフォトルミネッセンス酸素検知色素の動的消光である。酸素が色素と衝突すると、色素の寿命だけでなく、フォトルミネッセンス強度も低下してしまうが、場合によっては、この低下は窓63を通して直接見られてもよい。これらの変化を注意深く監視することで、以下のような、シュテルン‐フォルマーの方程式を用いることができる。
【0022】
ここで、Iは、フォトルミネッセンス強度であり、τは、フォトルミネッセンス寿命であり、K
svは、色素のシュテルン‐フォルマー定数である。
【0023】
上述した色素システムは、その後、低重量、低電圧で、柔軟性のある小型化可能なOLEDと構造的に一体化される。OLEDはまた、マイクロメータからミリメータ程度のサイズで、ガラス及びプラスチック基板上に簡単に製造できるため、このような用途に役立つ。問題になっているセンサは、OLED構成要素がマイクロメータの半分以下となる場合、ミリメータ程度で製作可能である。
【0024】
図3に示すように、センサは、ガラスまたはプラスチック基板120上に埋め込まれた検知要素110、その後、陽極140、有機層150及び陰極160から成るOLED構成要素130、そして、最後に光検出層170から成ってもよい。「前方検出」及び「後方検出」の命名は、OLED構造に対する光検出器の位置に由来する。「後方検出」だけでなく「前方検出」システムが、小型化に同様に効果があるとしても、シリコンを用いたフォトダイオード及び光電子増倍管技術は、後方検出技術によって許容される配置に、より適していることが実験によって示された。これは、被分析サンプルがセンサシステムの最前部にある場合、サンプルの処理の複雑さが軽減され、その結果として、製造に必要な時間及びエネルギーが削減されるという本質的事実による。
【0025】
フォトルミネッセントセンサは、OLEDシステムと一体化されると、現在のところ、あるエミッタに対し、20,000時間を超える機能寿命を実現できる。技術の進化に伴い、本技術は、航空宇宙部品で要求されるのに十分な寿命を実現することが期待される。酸素検出は、DCモードでのフォトルミネッセンス強度Iの監視、及び、パルスモードでのフォトルミネッセンス寿命τの監視の、2つの異なる方法論で機能する。酸素検出の応答時間は、dcシステム(0.5から1000μs)よりもパルスシステム(<100ns)において速いが、両方とも、上述した用途において酸素検出の十分な分解能を提供することに留意されたい。
【0026】
本発明の流れ指示装置は、(温度差を生成する)圧力差を生成する現象を利用することができ、その結果としてゼーベック効果を用いて材料にエネルギーを生成し、その後、ソースを照らすことができる角度で、あらゆる光起電材料、例えば、単層/多層カーボンナノチューブ、または、ドープされたシリコン/ゲルマニウムを利用してもよい。酸素感受性フォトルミネッセント色素を、センサとして利用してもよく、酸素感受性フォトルミネッセント色素は、酸素の存在を表示する目的で、照らされるソースに電力を供給するために酸素の流れに晒される。SST検知によって生成された装置は、酸素センサとして設計に組み込まれ、照らされるソースに連結されてエンドユーザ/航空機搭乗員に流れる酸素の存在を視覚的に示す。
【0027】
流れ指示装置はまた、酸素に反応し、酸素の存在及び濃度を検出するセンサとして使用可能な化学物質を利用してもよい。あるいは、指示装置は、酸素に反応するが、吸入された際に人体に有害な、いかなる新たな化合物または反応副産物を生成しない化合物を利用してもよい。好適な実施形態において、指示装置は、酸素供給源をマスクに接続する配管の内部に適合し、必要な流れを提供して装置に電力を供給するように、小型化された装置である。指示装置は、装置を見ることができる範囲及び条件を拡大するため、拡大鏡としての役割を果たす外部スリーブを備えてもよい。照らされるソースから発する1つまたは複数の色を有してもよい。照らされるソースは、LED、OLEDまたは導電/発光塗料の任意の組み合わせであってもよい。流れ指示方法もまた、存在する酸素の濃度及び飽和を検出するのに用いることができる。この情報は、その後、乗組員及び乗客への酸素の分配を制御するのに用いることができる。
【0028】
生命維持システムのために電力を収集(発電)し、蓄えるため、熱起電力発電を、航空機の客室(環境制御システム、エアギャスパ/配管、加圧機器)全体の領域で利用することができる。
【0029】
図4a、
図4bに示すように、本発明は、呼吸ガスの流れを示す流れ指示装置30を有する呼吸装置の形式をとってもよく、流れ指示装置は、チャンバ79を規定し、呼吸ガス供給源に接続するように構成された筐体71と、チャンバの内部に配置された環境発電装置83と、呼吸ガスが、環境発電手段を通って流れると、環境発電装置から生成された電力によって照らされるように構成された視覚気体流指示装置89と、を備える。視覚気体流指示装置89は、LED、LED棒グラフ、LCDディスプレイ、ルミネッセント有機材料、発光ポリマ、プラスチックシンチレータ、発光MEMS、リン光性有機発光装置、白熱電球及びレーザからなるグループより選択されてもよい。さらに、環境発電装置83は、外輪、タービン、スクリューまたは羽根一式であってもよい。
【0030】
本発明は、空気源から患者への管内の呼吸ガスの流れを示す流れ指示装置の形式でもよく、流れ指示装置は、空気が空気源から患者へ管内を流れると、ユーザに視覚的指示を提供するように構成された指示装置と、管内を流れる空気から取り込まれたエネルギーを指示装置に供給するように構成された環境発電装置とを備え、エネルギーは、指示装置に電力を供給して、空気が、管内を空気源から患者へ流れると、ユーザに視覚的指示を提供することができる。
【0031】
本発明の特定の形態について例示及び記載したが、種々の改良が、本発明の要旨及び範囲を逸脱しない範囲で可能であることは、前述により明らかであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲以外によって限定を受けることを意図されていない。
【国際調査報告】