(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-504056(P2017-504056A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(54)【発明の名称】表示ユニットの製造方法および表示ユニット
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20170113BHJP
【FI】
G09F9/00 342
G09F9/00 302
G09F9/00 313
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-540979(P2016-540979)
(86)(22)【出願日】2014年12月12日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月15日
(86)【国際出願番号】EP2014077655
(87)【国際公開番号】WO2015091296
(87)【国際公開日】20150625
(31)【優先権主張番号】102013226547.6
(32)【優先日】2013年12月18日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハンス ヴェーデル
(72)【発明者】
【氏名】エトヴィン エッサー
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ ゲオアク ヘアマン
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター ウアラウプ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ロイペアト
【テーマコード(参考)】
5G435
【Fターム(参考)】
5G435AA17
5G435BB05
5G435BB12
5G435DD12
5G435EE49
5G435GG11
5G435GG43
5G435HH03
5G435HH05
5G435HH20
5G435KK07
(57)【要約】
観察者側の前面に配置されたカバーガラス(3)を有する電気光学式ディスプレイを備え、電気光学式ディスプレイとカバーガラス(3)との間に透明なボンディング質量体(13)の層が配置されている、本発明による表示ユニットを製造する方法では、カバーガラス(3)が、カバーガラス(3)の平面に対して平行な第1の載置面(5)に載置されるまで位置決め装置(1)の第1の凹部内へ挿入され、その後で、ボンディングフレーム(8)が、第1の載置面(5)の平面に対して平行な第2の載置面(6)に載置されるまで位置決め装置(1)の第2の凹部内へ挿入され、ボンディングフレーム(8)は、カバーガラス(3)に対して平行な脚部(9)を有し、脚部(9)のカバーガラス(3)に向いた周方向縁部は、カバーガラス(3)の周方向縁部を、1つの溝(10)を形成する間隔(11)で取り囲んでおり、その後で、カバーガラス(3)と、ボンディングフレーム(8)の脚部(9)との間の溝(10)に、両部材を相互に接合させるべく第1の接着剤(12)が充填され、その後で、カバーガラス(3)の観察者とは反対側の表面が、透明なボンディング質量体(13)の層で覆うことが提案されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示ユニットを製造する方法であって、
前記表示ユニットは、平面状のアクティブ制御可能な領域(23)と観察者側の前面に配置されたカバーガラス(3)とを有する電気光学式ディスプレイを備え、
前記電気光学式ディスプレイと前記カバーガラス(3)との間に透明なボンディング質量体(13)の層が配置され、
前記カバーガラス(3)は、1つの構造ユニットをなすべく、ボンディングフレーム(8)を用いた接着接合によって前記電気光学式ディスプレイに接続され、
前記構造ユニットは、前記カバーガラス(3)の前記観察者側の表面とディスプレイパネル(27)とが1つの平面内に位置するように、前記ディスプレイパネル(27)の凹部(26)内に挿入される、方法において、
前記カバーガラス(3)が、当該カバーガラス(3)の平面に対して平行な第1の載置面(5)に載置されるまで位置決め装置(1)の第1の凹部内へ挿入され、
その後で、前記ボンディングフレーム(8)が、前記第1の載置面(5)の平面に対して平行な第2の載置面(6)に載置されるまで前記位置決め装置(1)の第2の凹部内へ挿入され、前記第1および第2の載置面(5,6)の平面相互の間隔(28)は、前記ディスプレイパネル(27)の、前記凹部(26)を取り囲む領域の厚さに対応しており、
前記ボンディングフレーム(8)は、前記カバーガラス(3)に対して平行な脚部(9)を有し、前記脚部(9)の前記カバーガラス(3)に向いた周方向縁部は、前記カバーガラス(3)の周方向縁部を、1つの溝(10)を形成する間隔(11)で取り囲んでおり、前記脚部(9)は、該脚部(9)の前記観察者側とは反対側に、前記カバーガラス(3)の平面に対して平行な第3の載置面(16)を有しており、該第3の載置面(16)の平面は、所定の間隔で、前記カバーガラス(3)の前記観察者とは反対側の表面に対して平行に延在しており、
その後で、前記カバーガラス(3)と、前記ボンディングフレーム(8)の前記脚部(9)との間の前記溝(10)に、前記両部材を相互に接合させるべく第1の接着剤(12)が充填され、
その後で、前記カバーガラス(3)の観察者とは反対側の表面が、透明なボンディング質量体(13)の層で覆われ、前記層は、前記カバーガラス(3)に面する前記脚部(9)の端面側まで延在し、前記層の前記観察者とは反対側は前記脚部(9)の第3の載置面(16)と共に1つの平面を形成しており、
その後で、前記電気光学式ディスプレイの観察者側が、前記ボンディング質量体(13)に載置され、これによって、前記電気光学式ディスプレイが、前記カバーガラス(3)を越えて延在する自身の周方向の縁部領域でもって前記脚部(9)の前記第3の載置面(16)に載置され、
その後で、第2の接着剤(25)が、前記電気光学式ディスプレイと前記ボンディングフレーム(8)とを直接的または間接的に接合すべく、前記電気光学式ディスプレイの周方向縁部領域と前記ボンディングフレーム(8)との間に充填され、
その後で、前記カバーガラス(3)、前記電気光学式ディスプレイおよび前記ボンディングフレーム(8)からなる構造ユニットが、前記観察者とは反対側から、前記ボンディングフレーム(8)が前記ディスプレイパネル(27)に当接するまで挿入されて、当該ディスプレイパネル(27)と接続され、前記カバーガラス(3)が前記ディスプレイパネル(27)の前記凹部(26)内へ入り込むようにした
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記電気光学式ディスプレイの前記観察者とは反対側に、電子制御回路および/または照明ユニットを有するユニット(19)が設けられている、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第2の接着剤(25)は、前記電気光学式ディスプレイと固定的に接続されたユニット(19)を前記ボンディングフレーム(8)に接続すべく、当該ユニット(19)の周方向縁部領域と前記ボンディングフレーム(8)との間に充填される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
平面状のアクティブ制御可能な領域(23)と観察者側の前面に配置されたカバーガラス(3)とを有する電気光学式ディスプレイを備えており、
前記電気光学式ディスプレイと前記カバーガラス(3)との間に透明なボンディング質量体(13)の層が配置され、
前記カバーガラス(3)は、1つの構造ユニットをなすべく、ボンディングフレーム(8)を用いた接着接合によって前記電気光学式ディスプレイに接続され、
前記構造ユニットは、前記カバーガラス(3)の前記観察者側の表面とディスプレイパネル(27)とが1つの平面内に位置するように、前記ディスプレイパネル(27)の凹部(26)内に挿入される、表示ユニットにおいて、
前記カバーガラス(3)の前記観察者とは反対側と、前記電気光学式ディスプレイの前面側との間に、透明なボンディング質量体(13)によって充填される間隙が設けられており、
前記カバーガラス(3)の平面を越えて径方向に延在する前記電気光学式ディスプレイの領域(21)が、その前面側でもって、前記ボンディングフレーム(8)の前記カバーガラス(3)に対して平行な脚部(9)の第3の載置面(16)に載置され、
前記第3の載置面(16)は、前記脚部(9)の観察者から遠い側であり、
前記脚部(9)の観察者側は、前記カバーガラス(3)の前面側に対して平行にかつそこから間隔をおいて延在し、この間隔は、前記ディスプレイパネル(27)の凹部(26)を取り囲んでいる領域の厚さに対応しており、
前記脚部(9)と前記カバーガラス(3)の相対向する径方向周側の間に溝(10)を形成する間隔を有しており、前記溝(10)内には、前記カバーガラス(3)と前記ボンディングフレーム(8)とを接合させる第1の接着剤(12)が充填され、
第2の接着剤(25)が、前記電気光学式ディスプレイの径方向周縁または前記電気光学式ディスプレイに固定的に接合されたユニット(19)の径方向周縁と、前記電気光学式ディスプレイまたはそれに固定的に接合された前記ユニット(19)を囲む前記ボンディングフレーム(8)の領域との間に充填されている
ことを特徴とする表示ユニット。
【請求項5】
前記ボンディングフレーム(8)は、L字型の断面を有しており、前記カバーガラス(3)に対して平行に配向された前記ボンディングフレーム(8)の第1の区分は、前記ボンディングフレーム(8)の脚部(9)を形成し、前記ボンディングフレーム(8)の第2の区分(14)は、前記ディスプレイパネル(27)から離れる方向に向いており、前記第2の接着剤(25)は、前記電気光学式ディスプレイの径方向周縁または前記電気光学式ディスプレイに固定的に接合されたユニット(19)の径方向周縁と、前記L字型ボンディングフレーム(8)の前記第2の区分(14)との間に充填されている、請求項4記載の表示ユニット。
【請求項6】
前記ボンディング質量体(13)は、前記カバーガラス(3)および前記電気光学式ディスプレイの前面側基板の屈折率に少なくとも近似的に対応している屈折率を有している、請求項4または5記載の表示ユニット。
【請求項7】
前記カバーガラス(3)は、低反射性の材料からなっている、請求項4から6いずれか1項記載の表示ユニット。
【請求項8】
前記カバーガラス(3)の前面側は、防眩反射防止コーティングを備えている、請求項7記載の表示ユニット。
【請求項9】
前記ユニット(19)は、電子制御回路および/または照明ユニットを有している、請求項4から8いずれか1項記載の表示ユニット。
【請求項10】
前記ユニット(19)は、ハウジング(24)を有している、請求項9記載の表示ユニット。
【請求項11】
前記電気光学式ディスプレイのアクティブ制御可能な領域(23)は、前記カバーガラス(3)の平面状延在部の面積以下の面積領域を越えて延在する、請求項4から9いずれか1項記載の表示ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示ユニットが、平面状のアクティブ制御可能な領域と観察者側の前面に配置されたカバーガラスとを有する電気光学式ディスプレイを備え、電気光学式ディスプレイとカバーガラスとの間に透明なボンディング質量体の層が配置され、カバーガラスは、1つの構造ユニットをなすべく、ボンディングフレームを用いた接着接合によって電気光学式ディスプレイに接続され、構造ユニットは、カバーガラスの観察者側の表面とディスプレイパネルとが1つの平面内に位置するように、ディスプレイパネルの凹部内に挿入される、表示ユニットを製造する方法および表示ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の表示ユニットでは、表示ユニットの表示の光学的な障害を回避するために、平面状のアクティブ制御可能な領域とカバーガラスとを互いに所定の間隔をおいて配置することが必要である。その他にも、電気光学式ディスプレイとカバーガラスとの間に形成されボンディング質量体が充填される間隙を、所定の寸法に正確に維持し、ボンディング質量体の容積を所期のように設定調整できるようにする必要がある。この目的のために、この間隙を、カバーガラスと電気光学式ディスプレイの前面側ディスプレイガラスとの間のスペーサによって決定することが知られているが、この方法は構造を複雑にし、観察者から見ることができる領域に支障をきたす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は、冒頭に述べたような形式の表示ユニットの製造方法および表示ユニットにおいて、光学的な支障が回避されるような単純な構造を有し、製造が容易で、ディスプレイパネルに簡単に取り付け可能であるように改善を施すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題は、本発明に係る表示装置の製造方法によって解決される。本方法は、カバーガラスが、カバーガラスの平面に対して平行な第1の載置面に載置されるまで位置決め装置の第1の凹部内へ挿入され、その後で、ボンディングフレームが、第1の載置面の平面に対して平行な第2の載置面に載置されるまで位置決め装置の第2の凹部内へ挿入され、第1および第2の載置面の平面相互の間隔は、ディスプレイパネルの、凹部を取り囲む領域の厚さに対応しており、ボンディングフレームは、カバーガラスに対して平行な脚部を有し、脚部のカバーガラスに向いた周方向縁部は、カバーガラスの周方向縁部を、1つの溝を形成する間隔で取り囲んでおり、脚部は、脚部の観察者側とは反対側に、カバーガラスの平面に対して平行な第3の載置面を有しており、第3の載置面の平面は、所定の間隔で、カバーガラスの観察者とは反対側の表面に対して平行に延在しており、その後で、カバーガラスと、ボンディングフレームの脚部との間の溝に、両部材を相互に接合させるべく第1の接着剤が充填され、その後で、カバーガラスの観察者とは反対側の表面が、透明なボンディング質量体の層で覆われ、層は、カバーガラスに面する脚部の端面側まで延在し、層の観察者とは反対側は脚部の第3の載置面と共に1つの平面を形成しており、その後で、電気光学式ディスプレイの観察者側が、ボンディング質量体に載置され、これによって電気光学式ディスプレイが、カバーガラスを越えて延在する自身の周方向の縁部領域でもって脚部の第3の載置面に載置され、その後で、第2の接着剤が、電気光学式ディスプレイとボンディングフレームとを直接的または間接的に接合すべく、電気光学式ディスプレイの周方向縁部領域とボンディングフレームとの間に充填され、その後で、カバーガラス、電気光学式ディスプレイおよびボンディングフレームからなる構造ユニットが、観察者とは反対側から、ボンディングフレームがディスプレイパネルに当接するまで挿入されて、ディスプレイパネルと接続され、カバーガラスがディスプレイパネルの凹部内へ入り込むようにする。
【0005】
電気光学式ディスプレイは、好ましくは、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。
【0006】
また、電気光学式ディスプレイは、平面だけでなく曲面形状や反り形状も有し得ることを理解されたい。その場合には、位置決め装置の載置面が相応に曲面状にまたは反り形状に構成される。
【0007】
この製造方法により、位置決め装置内での相互の正確な位置決めによるボンディングフレームとカバーガラスとの間のボンディング質量体の充填の正確な準備とその後の接着のために、所定の容積の平行な収容間隙が生成され、この間隙内に相応に定められた体積のボンディング質量体が充填可能となる。これにより、邪魔なスペーサはもはや不要となる。
【0008】
第1の接着剤により、カバーガラスとボンディングフレームとの間の溝は、液密に遮蔽される。
【0009】
好ましくは、位置決め装置は、少なくともその表示ユニットの構成要素が接触する表面にノンスティックコーティングを備えており、これによって接着剤と位置決め装置との間で接着が生じることもない。
【0010】
電気光学式ディスプレイの観察者とは反対の側には、電子制御回路および/または照明ユニットを有するユニットが配置可能である。その際には電気光学式ディスプレイと固定的に接合されたユニットをボンディングフレームに接合すべく、第2の接着剤がユニットの周方向縁部領域とボンディングフレームとの間に充填されていてもよい。
【0011】
また上記課題は、本発明による表示ユニットによって解決される。本表示ユニットは、カバーガラスの観察者とは反対側と、電気光学式ディスプレイの前面側との間に、透明なボンディング質量体によって充填される間隙が設けられており、カバーガラスの平面を越えて径方向に延在する電気光学式ディスプレイの領域が、その前面側でもって、ボンディングフレームのカバーガラスに対して平行な脚部の第3の載置面に載置され、第3の載置面は、脚部の観察者から遠い側であり、脚部の観察者側は、カバーガラスの前面側に対して平行にかつそこから間隔をおいて延在し、この間隔は、ディスプレイパネルの凹部を取り囲んでいる領域の厚さに対応しており、脚部とカバーガラスとの相互に相対向する径方向周側の間に溝を形成する間隔を有しており、溝内には、カバーガラスとボンディングフレームとを接合させる第1の接着剤が充填され、第2の接着剤が、電気光学式ディスプレイの径方向周縁または電気光学式ディスプレイに固定的に接合されたユニットの径方向周縁と、電気光学式ディスプレイまたはそれに固定的に接合されたユニットを囲むボンディングフレームの領域との間に充填される。
【0012】
この構成により、上述した方法によって製造された表示ユニットと同じ利点および特性が達成される。
【0013】
取り付けが容易で軽量の小型表示装置を実現するために、本発明によれば、ボンディングフレームは、L字型の断面を有しており、カバーガラスに対して平行に配向されたボンディングフレームの第1の区分は、ボンディングフレームの脚部を形成し、ボンディングフレームの第2の区分は、ディスプレイパネルから離れる方向に向いており、第2の接着剤は、電気光学式ディスプレイの径方向周縁または電気光学式ディスプレイに固定的に接合されたユニットの径方向周縁と、L字型ボンディングフレームの第2の区分との間に充填される。
【0014】
なお、ここではボンディングフレームが任意のその他の好適な断面を有していてもよいことを理解されたい。
【0015】
ボンディング質量体は、カバーガラスおよび電気光学式ディスプレイの前面側基板の屈折率に少なくとも近似的に対応している屈折率を有しており、これによって、カバーガラス、ボンディング質量体および電気光学式ディスプレイの前面ガラスを透過した光がこれらの部材の境界面において屈折または反射しなくなる。
【0016】
カバーガラスが低反射性の材料からなり、防眩反射防止コーティングを備えているならば、カバーガラスに入射光の光反射が回避される。
【0017】
アクティブ制御可能な領域の駆動および電気光学式ディスプレイの照明のために、ユニットは、電子制御回路および/または照明ユニットを有しており、これらは、電気光学式ディスプレイの観察者とは反対側に配置されている。電子制御回路と照明ユニットの保護およびライトボックスの形成のために、ユニットは、ハウジングを有していてもよい。
【0018】
電気光学式ディスプレイのアクティブ制御可能な領域が、カバーガラスの平面状延在部の面積以下の面積領域を越えて延在するならば、表示ユニットの前面面積に比べて、制御可能な領域の大面積化、および情報表示のための大面積化が可能となる。
【0019】
本発明の実施形態は、図面に示されており、以下でさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】カバーガラスが挿入された
図1に係る位置決め装置の断面図である。
【
図3】カバーガラスとボンディングフレームが挿入された、
図1に係る位置決め装置の断面図である。
【
図4】カバーガラスとボンディングフレームが挿入され、第1の接着剤が充填された、
図1に係る位置決め装置の断面図である。
【
図5】カバーガラスとボンディングフレームが挿入され、第1の接着剤が充填されボンディング質量体が設けられた、
図1に係る位置決め装置の断面図である。
【
図6】カバーガラスとボンディングフレームが挿入され、液晶表示部とディスプレイモジュールが配置され、第1の接着剤が充填され、ボンディング質量体が設けられた、
図1に係る位置決め装置の断面図である。
【
図7】カバーガラスとボンディングフレームが挿入され、液晶ディスプレイとディスプレイモジュールが配置され、第1の接着剤と第2の接着剤が充填され、ボンディング質量体が設けられた、
図1に係る位置決め装置の断面図である。
【
図8】ディスプレイパネルの凹部に挿入された表示ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示される位置決め装置1は、より深い位置にある第1の段状凹部2を有しており、この第1の段状凹部2の周辺輪郭は、挿入されるカバーガラス3に対応し、片側が開口している。この第1の段状凹部2の開口側には、第2の段状凹部4が位置決め装置1内に形成されており、その面状延在部分は、第2の段状凹部2よりも大きく、そのため第2の段状凹部2を取り囲むように1つの段差が第1の段状凹部2に対して形成されている。
【0022】
第1の段状凹部2の底部は第1の載置面5を形成し、第2の段状凹部4の底部は第1の載置面5に平行する第2の載置面6を形成している。
【0023】
第1および第2の段状凹部2,4の壁部には、ノンスティックコーティング7が施されている。
【0024】
図2では、前面側に防眩反射防止コーティングが施された低反射性のガラスからなるカバーガラス3が挿入されている。
【0025】
続いて、
図3に示すように、第2の段状凹部4内にL字型のボンディングフレーム8が挿入される。このボンディングフレーム8は、カバーガラス3の平面に対して平行に延在しかつ脚部9を形成しているその第1の区分の外側15が第1の載置面5に置かれ、その自由端部はカバーガラスに向けられている。脚部9の自由端部と、カバーガラス3を径方向で取り囲んでいる端面との間には間隔が残されており、この間隔が溝10を形成している。
【0026】
脚部9の外側15に対して平行に延在している脚部9の内側16は、所定の間隔11をおいてカバーガラス3の観察者とは反対側の面に対して平行に延びる平面内へ延在している。
【0027】
図4では、溝10に第1の接着剤12が充填されており、これによってカバーガラス3がボンディングフレーム8と接合される。
【0028】
図5に示すように、透明なボンディング質量体13の容積を画定している層によって、観察者とは反対側の平面が脚部9の内側16と同じ平面内に延在するように、カバーガラス3の観察者とは反対側が覆われている。このボンディング質量体13の層は、第1の接着剤12を越えて脚部9の自由端部にまで達している。
【0029】
L字型のボンディングフレーム8の第2の区分14は、第2の載置面6から離れる方向に延在し、その外側17は、第2の段状凹部4の側壁18に当接する。
【0030】
それに続いて、ボンディングフレーム8によって形成される収容部内に、液晶ディスプレイ20とディスプレイモジュール19とからなる構造ユニットが挿入される。
図7に示すように、液晶ディスプレイ20は、カバーガラス3よりも大きくなる拡張部分を有しており、このディスプレイの前面側22の、カバーガラス3を越えて延在する領域21が、脚部9の内部16に載置されている。それ以外の液晶ディスプレイのディスプレイガラスによって形成される前面側は、ボンディング質量体13に載置される。
【0031】
カバーガラス、ボンディング質量体13および液晶ディスプレイ20は、十分に対応する屈折率を有している。
【0032】
液晶ディスプレイ20のアクティブ制御可能な領域23の表面領域の広がりがカバーガラス3の表面に対応し、これに平行に覆われる。
【0033】
ディスプレイモジュール19は、ハウジング24を備え、第2の接着剤25を用いてボンディングフレーム8の第2の部分14と接合される(
図7参照)。これによって、この表示ユニットは、ディスプレイパネル27の切欠部26内への設置の準備ができる。
【0034】
ディスプレイモジュール19のハウジング24内には、液晶ディスプレイ20のアクティブ制御可能な領域23を駆動制御する電子制御回路と、液晶ディスプレイ20を照明する照明ユニットとが設けられている。
【0035】
第1の段状凹部4の深さは、ディスプレイパネル27の凹部26を取り囲んでいる領域の厚さに対応している。これにより、脚部9の外側15の表面と、カバーガラス3の観察者側表面との間の間隔28も、ディスプレイパネル27の凹部26を取り囲んでいる領域の厚さに対応している。そのため、カバーガラス3の観察者側表面の平面は、ディスプレイパネル27の観察者側表面と同じ平面内に延在する。
【国際調査報告】