(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-504462(P2017-504462A)
(43)【公表日】2017年2月9日
(54)【発明の名称】真皮再生用注射器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/178 20060101AFI20170120BHJP
A61M 5/31 20060101ALI20170120BHJP
【FI】
A61M5/178 500
A61M5/31 530
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-567318(P2016-567318)
(86)(22)【出願日】2015年2月2日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月1日
(86)【国際出願番号】KR2015001071
(87)【国際公開番号】WO2015119405
(87)【国際公開日】20150813
(31)【優先権主張番号】10-2014-0013073
(32)【優先日】2014年2月5日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】516231718
【氏名又は名称】ジン, ジューング スク
(71)【出願人】
【識別番号】516231729
【氏名又は名称】チン, セ フーン
(74)【代理人】
【識別番号】100089026
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高明
(74)【代理人】
【識別番号】100206645
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 恒幸
(72)【発明者】
【氏名】チン, セ フーン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066CC10
4C066DD08
4C066EE14
4C066FF05
4C066GG06
4C066GG15
4C066JJ07
4C066LL07
(57)【要約】
【課題】 内部においてガスの上部に液体が分離されて積層できるように内径が2〜7mmの細い管で形成されたシリンダー;シリンダーの下端部の一側に設けられ、外部から供給されるガスがシリンダー内部に流入できるようにする流入チェック弁;及びシリンダー下端に結合され、上端が流入チェック弁の連結部より2mm下の地点〜流入チェック弁の連結部より5mm上の地点の間に位置された針;を含む真皮再生用注射器が紹介される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部においてガス上部に液体が分離されて積層できるように内径が2〜7mmの細い管で形成されたシリンダー;
シリンダーの下端部の一側に連結部を介して連結され、外部から供給されるガスがシリンダー内部に流入できるようにする流入チェック弁;及び
シリンダー下端に結合され、シリンダー内部で上方に延長され、上端が流入チェック弁の連結部より2mm下の地点〜流入チェック弁の連結部より5mm上の地点の間に位置された針;を含み、
シリンダーの下端部には針本体が結合され、流入チェック弁の連結部は針本体の上方に位置され、針は針本体を貫いてその上端が流入チェック弁の連結部の下端より2mm下の地点〜流入チェック弁の連結部の上端より5mm上の地点の間に位置されたことを特徴とする真皮再生用注射器。
【請求項2】
針本体には針を包んで針と針本体の内周面の間を満たす詰め部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の真皮再生用注射器。
【請求項3】
針は上端が詰め部を貫いて上方へ突出されたことを特徴とする請求項2に記載の真皮再生用注射器。
【請求項4】
流入チェック弁に繋がったガス供給部;をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の真皮再生用注射器。
【請求項5】
シリンダーに挿入されたピストン;をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の真皮再生用注射器。
【請求項6】
ピストンの下端には針の上端が挿入される挿入溝が形成されたことを特徴とする請求項5に記載の真皮再生用注射器。
【請求項7】
ピストンは下死点で下端面がシリンダー下端に密着され、針の上端は挿入溝に挿入されることを特徴とする請求項6に記載の真皮再生用注射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の真皮層にガスと液体を所望の量だけ持続的に相互に注入されるようにする真皮再生用注射器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に真皮は脊椎動物の皮膚の中で上皮と皮下組織の間の部分であって、中胚葉から発生し、厚さ0.3〜2.4mmの纎維性結合組織からなっているが、ここには汗腺、毛嚢、脂線などがあり、皮膚の生理的機能の大半はここで起きる。
【0003】
皮膚老化の特徴的症状は、上皮にしわができることである。しわは真皮の細胞外基質(extracelleur matrix)の漸進的退縮によって真皮が薄くなり、また弾力が失われることでその上部の上皮が屈曲されて生じるものである。医学的に説明すれば、皮膚が老化することにつれ、真皮層にヒアルロン酸(Hyaluronic acid:HA)の量が減少し、コラーゲンマトリックス(collagen matrix)の分節(fragmentation)による機械的緊張(mechanical tension)の減少によって繊維芽細胞の伸張形態が崩壊され、これによりコラーゲンの生産減少と退行が進められて真皮が老化されるし、その結果、その上部の皮膚にしわができる。
皮膚の上皮に形成されるしわをとり除くためには、弾力を失った上皮を引っ張って切り捨てる外科的手術や、上皮を微細に損傷させることで皮膚が再生されるようにする化学はく皮術などの侵襲的方法が使われることもあるが、このような侵襲的方法は副作用が多いという短所がある。
【0004】
一方、筋肉を一定期間麻痺させることでしわができないようにするボトックス注射法や、真皮下層にフィラー(filler)を注入するなどの非侵襲的方法がある。ボトックス注射法の場合、效果が限時的(5〜6ヶ月)という短所があり、ボトックスは筋肉が動かないようにすることで、筋肉の動きにより皮膚が折られて生じるしわを止めることはできるが、皮膚の弾力を多く失うため筋肉の収縮がない時も既にできているしわは解決できない限界があり、真皮層にフィラー(Filler)を注入する方法は、しわの真下の真皮層に正確、且つ、均一な量を注入することが現実的に不可能で、デコボコした不規則面が作られるため行い難いし、フィラーも6〜9ヶ月後には吸収され、やはり效果が限時的であるという短所があった。
【0005】
KR10-2012-0013271A"真皮再生用注射器及び施術方法"は、本発明者の出願であって、当該技術の場合、しわが寄った皮膚の真皮層に二酸化炭素などのガスを注入することで、真皮層部位にガスが広く拡散しながら微細な分離損傷を加え、これによって形成された分離空間に、水に希釈したヒアルロン酸やコラーゲン水溶液などの液体を注射するための注射器を提示している。
【0006】
このような方法で皮膚の真皮層または真皮下層にガスと液体を相互に注射すれば、真皮層の毛細管の血流が増加し、活発なコラーゲン組職の切り替えが誘導されて広い部位の真皮層に新しいコラーゲンが生産されるし、緻密な纎維配列が形成されることで、上部皮膚の上皮のしわがなくなったり薄くなる。この方法は副作用がなく、しわ取りの效果が長期間維持される長所がある。
【0007】
それだけでなく、今まで研究してきた結果、この施術法はしわの治療だけでなく、フラクショナルレーザー、はく皮術、ケミカルピーリング、残痕除去術など、既存の如何なる施術法をもっても解決できなかった裂傷陷沒残痕、水痘残痕、にきびの残痕、窪んだ爪痕など様々な形態の陷沒残痕を簡単に治療できる卓越な效果が確認された。
【0008】
しかし、このような注射器によっても、シリンダー下部と注射針が結合される地点には常に液体が残存する死空間が存在する問題があった。つまり、チェック弁は注射器のシリンダーに設けられるため、針の上端とチェック弁の間には常に液体がたまっていて、ガスが先に流入されることができなかった。
【0009】
よって、初期製作時に液体が満たされた注射器にチェック弁を介してガスを注入してもチェック弁の下端から注射針までの死空間には常に液体が存在するようになり、それによって侵襲した後ピストンを押し入れ始める時、ガスが真皮に注入されることではなく一部の液体が注入されて完璧な施術效果が具現できない問題があった。
これにより、死空間を最小化することで初期ピストンの加圧時からガスだけが真皮に注入される方法が切実に必要であった。
【0010】
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進するためのものであって、本技術分野において通常の知識を有する者に既に知られた従来技術に当たることを認めるものとして受け入れられてはならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、真皮再生用注射器において、シリンダー下端とチェック弁の間の死空間を最小化することで初期ピストンの加圧時からガスだけが真皮に注入されるようにすることができ、液体注入後にガスを繰り返して注射する場合、またはガス注入後に液体を繰り返して注射する場合も死空間に残存液体或はガスが残らないようにする真皮再生用注射器を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための本発明による真皮再生用注射器は、内部においてガス上部に液体が分離されて積層できるように内径が2〜7mmの細い管で形成されたシリンダー;シリンダーの下端部の一側に設けられ、外部から供給されるガスがシリンダー内部に流入できるようにする流入チェック弁;及びシリンダー下端に結合され、上端が流入チェック弁の連結部より2mm下の地点〜流入チェック弁の連結部より5mm上の地点の間に位置された針;を含む。
【0013】
シリンダーの下端部には針本体が結合され、流入チェック弁の連結部は針本体の上方に位置され、針は針本体を貫いてその上端が流入チェック弁の連結部の下端より2mm下の地点〜流入チェック弁の連結部の上端より5mm上の地点の間に位置されることができる。
針本体には針を包んで針と針本体の内周面の間を満たす詰め部が設けられることができる。
【0014】
針は上端が詰め部を貫いて上方へ突出されることができる。
流入チェック弁に繋がったガス供給部;をさらに含むことができる。
シリンダーに挿入されたピストン;をさらに含むことができる。
ピストンの下端には針の上端が挿入される挿入溝が形成されることができる。
ピストンは下死点で下端面がシリンダー下端に密着され、針の上端は挿入溝に挿入されることができる。
【0015】
本発明の他の真皮再生用注射器は、内部においてガス上部に液体が分離されて積層できるように内径が2〜7mmの細い管で形成されたシリンダー;シリンダーの下端部の一側に設けられ、外部から供給されるガスがシリンダー内部に流入できるようにする流入チェック弁;及びシリンダー下端に設けられ、上端が流入チェック弁の連結部より2mm下の地点〜流入チェック弁の連結部より5mm上の地点の間に位置された針の流路;を含む。
【0016】
また、他の真皮再生用注射器は、内部においてガス上部に液体が分離されて積層できるように内径が2〜7mmの細い管で形成されたシリンダー;シリンダーの下端部の一側に設けられ、外部から供給されるガスがシリンダー内部に流入できるようにする流入チェック弁;及びシリンダー下端に設けられ、上端がシリンダー内部で流入チェック弁の連結部に対応される高さまで延長して形成された針の流路;を含む。
【発明の効果】
【0017】
上述のような構造からなった真皮再生用注射器によれば、シリンダー下端とチェック弁の間の死空間を最小化することで、初期ピストンの加圧時からガスだけが真皮に注入されるようになる。これにより、真皮の内側には完全にガス−液体−ガスの順に繰り返して注入することが可能となる。
【0018】
また、最終的に液体を全て使うことになる最終段階では、シリンダーに残っている液体を全て使用できるようになるので、比較的に値段の高い治療液体を一切残さず使うことができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施例による真皮再生用注射器の作動過程を示した図面。
【
図2】本発明の実施例による真皮再生用注射器の作動過程を示した図面。
【
図3】本発明の実施例による真皮再生用注射器の作動過程を示した図面。
【
図4】本発明の実施例による真皮再生用注射器の作動過程を示した図面。
【
図5】本発明の実施例による真皮再生用注射器の作動過程を示した図面。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例について察してみる。
【0021】
図1ないし
図5は本発明の実施例による真皮再生用注射器の作動過程を示した図面であって、本発明による真皮再生用注射器は、内部においてガスGの上部に液体Lが分離されて積層できるように内径が2〜7mmの細い管で形成されたシリンダー100;シリンダー100の下端部の一側に設けられ、外部から供給されるガスがシリンダー100内部に流入できるようにする流入チェック弁300;及びシリンダー100下端に結合され、上端が流入チェック弁300の連結部320より2mm下の地点〜流入チェック弁300の連結部320より5mm上の地点の間に位置された針200;を含む。
【0022】
本発明の注射器は一般的な注射器のように、シリンダー100、その内部のピストン500及び針200で構成される。但し、シリンダー100の場合、内部に満たされる液体Lの表面張力と粘度を利用しなければならないため、内径が2〜7mmの細い管で形成される。ピストン500はヘッドと支持台520で構成される。
【0023】
具体的に、
図1のように本発明のシリンダー100にはその下端に針200が設けられる。針200はシリンダー100の下端部に挿入されて結合されるが、その上端が流入チェック弁300の連結部320より2mm下の地点〜流入チェック弁300の連結部320より5mm上の地点の間に位置されるようにする。
【0024】
シリンダー100の下端部の一側には流入チェック弁300が設けられ、外部から供給されるガスがシリンダー100内部に流入できるようにする。チェック弁の場合、一側だけに流体を通過させる特性があるのでシリンダー100の内部では外部へ流体が通過されないが、シリンダー100の外部では流入チェック弁300を介して内部へガスGが通過できるようにする。これにより、ガスGはシリンダー100内部で流入チェック弁300を通じて充電され、針200を通じて真皮に吐出される。
【0025】
図1は初期にシリンダー100の内部に液体Lが充填された状態を示す。液体Lの場合、水に希釈したヒアルロン酸やコラーゲン水溶液などが充填されることで、ガスGが充填された真皮の空間に注入される。この場合、製造工程を通じてシリンダー100下端とピストン500の間に生じる空間には施術用液体のみが満たされるようにする。
【0026】
その後、
図2のように流入チェック弁300を介してガスGをシリンダー100の内部に充填する。この時、外部のガスはガス供給部400で供給されるが、ガス供給部400は大気圧以上の一定した圧力を維持することができ、使用者がピストン500を引っ張る場合、引っ張られる体積によってガスGが流入チェック弁300に沿ってシリンダー100の内部に
図2のように充填されるようにする。ここで、針200の上端は流入チェック弁300の連結部320が位置される地点に対応されるように設けられることが好ましいが、その理由は施術を始める時、真皮には液体LでなくガスGのみが優先的に注入されなければならないため、このように針200の上端を限定する場合、針200の上端からガスGが満たされるし、それによってピストン500を最初加圧する時、ガスGが優先的に針200を通じて吐出されるためである。
【0027】
また、シリンダー100の内径は2〜7mmに限定されるため、満たされた液体Lの表面張力と内部の粘度によってガスGが注入されてもガスGが液体Lを押し上げて液体Lが上部に位置されてガスGが下部に位置されるし、次に針200の上端が位置されるようにする。
【0028】
このような状態で
図3のようにピストン500を加圧する場合、針200を通じてガスGが先に注入される。ガスGを全て注入した後は液体Lを一部注入し、皮膚の他の部位に針200を侵襲した後、再度
図2のようにガスGを充填し、充填されたガスGを
図3のように真皮に押し入れ、再び液体Lを
図4のように注入する過程を繰り返すことで真皮再生を施術する。
【0029】
すなわち、ガスG充填−ガスG注入−液体L注入−ガスG充填−ガス注入−液体L注入の過程を繰り返して行うことである。
【0030】
そのような施術の最終段階で液体Lがほとんど全て消尽された場合には、
図4のように最後に液体Lを注入する過程を行う。そして、この場合ピストン500の下端には針200の上端が挿入される挿入溝540が形成されるが、ピストン500を最後まで加圧してピストン500が下死点に至った場合、
図5のようにピストン500下端面がシリンダー100下端に密着され、針200の上端は挿入溝540に挿入されることで、最後の液体Lまで全て皮膚に注入して施術を仕上げられるようになる。
【0031】
注入される液体Lは水に希釈したヒアルロン酸やコラーゲン水溶液などであるが、そのコストに相当負担を感じる患者がいるので、液体Lを残さず全て消尽させることで施術価格が安くなる長所がある。
【0032】
さらに、ピストン500下端とシリンダー100下端の形状をマッチングされるように一致させる場合、針200の上端以下に残っている全ての液体を吐出させられるようになる。同時に、シリンダー100の下端部には針本体220が結合され、針本体220には針を包んで針200と針本体220の内周面の間を満たす詰め部222が設けられることができ、この場合詰め部222によって針本体220には死空間がなくなり、液体Lはシリンダー100下端と針本体220の間にだけ満たされることで、
図5のように残っている液体Lが全て吐出できるようにする。
【0033】
一方、流入チェック弁300の連結部320は針本体220の上方に位置され、針200は針本体220を貫いてその上端が流入チェック弁300の連結部320下端より2mm下の地点〜流入チェック弁300の連結部320の上端より5mm上の地点の間に位置されることができるが、流入チェック弁300の連結部320下端から2mmを超えるように下に位置される場合は、死空間によって最初注入する時ガスではなく液体が先に注入される問題があり、流入チェック弁300の連結部320上端から5mmを超えて上に位置される場合は、針200の上端と流入チェック弁300の連結部320の間の死空間に残余ガスが残り過ぎる問題があり、それによってガスが一定水準以上圧縮された後は、残存するガスの耐圧によって残存ガスがクッションの役目をするための液体の注入量を精密に調節し難しい問題がある。
【0034】
したがって、針200の上端は流入チェック弁300の連結部320下端より2mm下の地点〜流入チェック弁300の連結部320上端より5mm上の地点の間に位置されることが好ましくて、シリンダー100の内部へ突出された針200の上端は、全てピストン500の挿入溝540に挿入されるようにすることで、最初注入する時はガスGだけが吐出されるし、最後に注入する時は液体Lが残らず全て吐出されるようにすることが好ましい。
【0035】
本発明の他の真皮再生用注射器は、内部においてガスGの上部に液体Lが分離されて積層できるように内径が2〜7mmの細い管で形成されたシリンダー100;シリンダー100の下端部の一側に設けられ、外部から供給されるガスGがシリンダー100内部に流入できるようにする流入チェック弁300;及びシリンダー100下端に設けられ、上端が流入チェック弁300の連結部320より2mm下の地点〜流入チェック弁300の連結部320より5mm上の地点の間に位置された針の流路;を含む。
【0036】
すなわち、針200の上端は上方に延長された別途の連結管などを介してシリンダー100の内部で上方に延長されることができるし、この場合連結管は針200と一体となって針流路を形成するようにし、実質的に針200の上端の役目をするようにすることもできる。
【0037】
上述のような構造からなる真皮再生用注射器によれば、シリンダー下端とチェック弁の間の死空間を最小化することで、初期ピストンの加圧時からガスだけが真皮に注入されるようにすることができる。これによって、真皮の内側には完全にガス−液体−ガスの順に注入することが可能となる。
【0038】
また、針の上端は流入チェック弁の下端より2mm下の地点〜流入チェック弁の上端より5mm上の地点の間に位置され、初期注入する時の液体の吐出を防ぐことで残余ガスを最小限にし、正確な量の液体を吐出することに問題がないようにすることができる。
そして、最終的に液体を全て使うようになる最終段階では、シリンダーに残っている液体を全て使えるようになることで、比較的に値段の高い治療液体を残さず全て使える長所がある。
【0039】
本発明は特定の実施例に関して図示して説明したが、以下の特許請求範囲によって提供される本発明の技術的思想を脱しない限度内で、本発明が多様に改良及び変化されることができることは、当業界において通常の知識を有する者に自明であろう。
【国際調査報告】