(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-504861(P2017-504861A)
(43)【公表日】2017年2月9日
(54)【発明の名称】画像ベース検索
(51)【国際特許分類】
G06F 17/30 20060101AFI20170120BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20170120BHJP
【FI】
G06F17/30 350C
G06F17/30 170B
G06F17/30 320Z
G06T1/00 200E
G06F17/30 340A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-530236(P2016-530236)
(86)(22)【出願日】2014年11月10日
(85)【翻訳文提出日】2016年7月6日
(86)【国際出願番号】US2014064871
(87)【国際公開番号】WO2015073383
(87)【国際公開日】20150521
(31)【優先権主張番号】61/902,907
(32)【優先日】2013年11月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/279,871
(32)【優先日】2014年5月16日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】512038078
【氏名又は名称】ピンタレスト,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106541
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 信和
(72)【発明者】
【氏名】ジン ユシ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ カイ
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050BA13
5B050CA07
5B050DA10
5B050EA07
5B050EA18
5B050FA02
5B050FA09
5B050FA12
5B050GA08
(57)【要約】
情報の画像検索を可能にするシステム及び方法が説明される。画像に含まれるオブジェクトの各選択により、外見上類似するオブジェクトを含む追加画像が特定され、ユーザに対し提示される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、
タッチセンサー式ディスプレイと、
命令を含むメモリと
を備えるコンピューティングシステムであって、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記命令により前記コンピューティングシステムは少なくとも、
複数のオブジェクトを含む第1画像を提示し、
前記提示された画像から前記複数のオブジェクトのうちの第1オブジェクトを選択するユーザ入力を受信し、
前記選択された第1オブジェクトに外見上類似する第2オブジェクトを含む第2画像を特定し、
前記第1画像と同時に、前記第2オブジェクトを含む少なくとも一部の前記第2画像を提示する、
前記コンピューティングシステム。
【請求項2】
前記命令が実行されると、前記命令により前記コンピューティングシステムはさらに少なくとも、
前記提示された画像から前記複数のオブジェクトのうちの第3オブジェクトを選択する第2ユーザ入力を受信する、
請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項3】
前記命令が実行されると、前記命令により前記コンピューティングシステムはさらに少なくとも、
前記第1選択は肯定的選択であることを判断し、
前記第2選択は否定的選択であることを判断し、
前記第2画像は、前記第3オブジェクトに外見上類似するオブジェクトを含まない、
請求項2に記載のコンピューティングシステム。
【請求項4】
前記命令が実行されると、前記命令により前記コンピューティングシステムはさらに少なくとも、
前記第1選択は第1肯定的選択であることを判断し、
前記第2選択は第2肯定的選択であることを判断し、
前記第2画像はさらに、前記第3オブジェクトに外見上類似する第4オブジェクトを含む、
請求項2に記載のコンピューティングシステム。
【請求項5】
前記命令が実行されると、前記命令により前記コンピューティングシステムはさらに少なくとも、
前記第1画像に含まれるオブジェクトが前記ユーザにより選択可能であることを識別する選択制御の図形表示を前記第1画像上に提示する、
請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項6】
前記命令が実行されると、前記命令により前記コンピューティングシステムはさらに少なくとも、
前記提示された画像から前記複数のオブジェクトのうちの第3オブジェクトを選択する第2ユーザ入力を受信し、
前記第2画像が前記選択された第3オブジェクトに外見上類似する第4オブジェクトを含むことを判定し、
前記提示された少なくとも一部の前記第2画像は、少なくとも一部の前記第2オブジェクト及び前記第4オブジェクトを含む、
請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項7】
第1画像内の位置の選択を受信することと、
前記選択された位置に対応する第1オブジェクトを特定することと、
複数の追加画像を特定することであって、前記複数の追加画像はそれぞれ前記第1オブジェクトに外見上類似する追加オブジェクトの表示を含む、前記複数の追加画像を特定することと、
前記第1画像と同時に、少なくとも一部の前記複数の追加画像をそれぞれ提示することと
を含むコンピュータ実施方法。
【請求項8】
前記選択は、ディスプレイ上のタッチ式入力、特定位置のユーザの注視、または入力コンポーネントからの入力のうちの少なくとも1つのである、請求項7に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項9】
前記第1画像内に表示される複数のオブジェクトを特定するために前記第1画像を前処理することと、
前記第1画像内に表示される前記複数のオブジェクトをそれぞれ選択可能にすることと
をさらに含む請求項7に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項10】
前記第1画像内に表示される選択可能なオブジェクトを識別するために、前記第1画像上の位置に少なくとも1つの選択制御を提示すること
をさらに含む請求項7に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項11】
前記複数の追加画像を特定することは、
前記選択されたオブジェクトに対応付けられたインデックスを特定することと、
前記インデックスに対応付けられた複数の追加画像を特定すること
を含む、請求項7に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項12】
前記複数の追加画像のそれぞれに対し、類似スコアを決定することと、
前記決定された類似スコアに基づいて、前記複数の追加画像をそれぞれ順位付けることと
をさらに含み、
提示することは、前記第1画像と同時に、少なくとも一部の順位の高い複数の追加画像をそれぞれ提示することを含む、
請求項7に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項13】
追加画像の第2選択を受信することと、
前記第1画像の前記表示を取り除くことと、
前記追加画像を提示すること
をさらに含む請求項7に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項14】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令がコンピューティングシステムの少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記命令により前記コンピューティングシステムは少なくとも、
第1ウィンドウに表示される第1画像に含まれる第1オブジェクトの第1表示の選択を受信し、
前記第1オブジェクトに外見上類似する第2オブジェクトの第2表示を含む第2画像を特定し、
第2ウィンドウに、前記第2オブジェクトの前記第2表示を含む少なくとも一部の前記第2画像を提示する、
前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
オブジェクトは、前記オブジェクトの形、サイズ、色、またはブランドに少なくとも一部基づいて、外見上類似しているかが決定される、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記命令が実行されると、前記命令により前記コンピューティングシステムはさらに少なくとも、
前記第1画像に含まれる第3オブジェクトの第3表示の第2選択を受信し、
前記第2画像はさらに、前記第3オブジェクトの前記第3表示に少なくとも一部基づいて特定される、
請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記第2選択は否定的選択であり、
前記第2画像は、前記第3オブジェクトに外見上類似するオブジェクトの表示を含まない、
請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記第2選択は肯定的選択であり、
前記第2画像は、前記第3オブジェクトに外見上類似するオブジェクトの表示を含む、
請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記命令が実行されると、前記命令により前記コンピューティングシステムはさらに少なくとも、
前記提示された少なくとも一部の前記第2画像の第2選択を受信し、
前記第1ウィンドウに前記第2画像を提示する、
請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記命令が実行されると、前記命令により前記コンピューティングシステムはさらに少なくとも、
前記第1オブジェクトに外見上類似する第3オブジェクトの第3表示を含む第3画像を特定し、
前記第2画像及び前記第3画像のそれぞれに対応付けられた類似スコアに少なくとも一部基づいて、前記第2画像及び前記第3画像を順位付け、
少なくとも一部の前記第2画像及び前記第3画像の順位付けられた表示を前記第2ウィンドウに提示する、
請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年11月12日に出願された「商品推薦、コンテンツ連動型広告、及びポルノ除去のためのオブジェクト成分の階層化」(“HIERARCHY OF OBJECTS COMPONENTS FOR PRODUCT RECOMMENDATION, CONTEXTURAL ADVERTISING AND PORNOGRAPHY REMOVAL”)と題する米国特許仮出願第61/902,907号、及び2014年5月16日に出願された「画像ベース検索」(“IMAGE BASED SEARCH”)と題する米国実用特許出願第14/279,871号に対する利益を主張し、両出願の全体を本明細書に参考として組み込むものとする。
【背景技術】
【0002】
ユーザ及び顧客の手に入るアクセス可能なデジタルコンテンツの量は膨張し続けていることに伴い、ユーザが探しているコンテンツを発見することは、引続きより一層困難なものとなっている。キーワード検索等、いくつかの異なる検索技術が存在するが、このようなシステムには非効率な点が多数存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
情報の画像検索を可能にするシステム及び方法が説明される。画像に含まれるオブジェクトの各選択により、外見上類似するオブジェクトを含む追加画像が特定され、ユーザに対し提示される。
【0004】
発明を実施するための形態は、添付の図面に関連して記述される。図面において、参照番号の左端の数(複数可)は、その参照番号が最初に現れる図面を特定する。異なる図面において同一の参照番号を使用することで、同様または同一の構成要素または機能を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】1つの実施形態における、関心オブジェクトを選択するためのグラフィカルユーザインターフェイスの表示である。
【
図2】1つの実施形態における、関心オブジェクトを選択するためのグラフィカルユーザインターフェイスの表示である。
【
図3】1つの実施形態における、関心オブジェクトを選択するためのグラフィカルユーザインターフェイスの表示である。
【
図4】実施形態による例示的画像処理ルーチンを示すフロー図である。
【
図5】実施形態によるセグメント化画像の表示である。
【
図6】1つの実施形態における、関心オブジェクトを選択するためのグラフィカルユーザインターフェイスの表示である。
【
図7】実施形態による例示的画像検索ルーチンを示すフロー図である。
【
図8A】1つの実施形態における、関心オブジェクトを選択するためのグラフィカルユーザインターフェイスの表示である。
【
図8B】
図8Aに例示される選択された関心オブジェクトに基づいて、検索結果報告を示すグラフィカルユーザインターフェイスの表示である。
【
図9】実施形態による例示的コンピューティングデバイスを示す。
【
図10】
図9に示されるようなコンピューティングデバイスのコンポーネントの例示的構成を示す。
【
図11】様々な実施形態に使用され得るサーバシステムの例示的実施形態の絵図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書において実施形態が実施例により説明されるが、実施形態は、説明される実施例または図面に限定されないことを当業者は認識するであろう。図面及びその詳細説明には、実施形態を開示される特定の形態に限定する意図はなく、それとは逆に、添付の請求項により定義される精神と範囲に入る全ての変更、均等物、及び代替案を含める意図があることを理解されたい。本明細書において使用される見出しは、本明細書の構成目的でのみ使用され、説明または請求項の範囲を限定するために用いられることを意図しない。本出願を通して使用される英単語“may”は、義務的な意味(すなわち「〜しなければならない」という意味)よりも、むしろ許可的な意味(すなわち「〜する可能性がある」という意味)で使用される。同様に、英単語“include”、“including”、及び“includes”は「含む」ことを意味するが、その対象に限定されない。
【0007】
本明細書において、より大きな画像及び/またはビデオからの1つまたは複数の関心オブジェクトの選択に基づいて、情報の検索を簡易化するシステム及び方法が説明される。数多くの画像ベースクエリにおいて(例えばファッションデザイン、インテリアデザイン)、ユーザが関心を持つのは、画像全体ではなく、画像内に表示された特定のオブジェクト(例えばドレス、ソファー、ランプ)、及びそれらオブジェクトの組み合わせ方(例えばシャツとスカートのセンスの良い選択、テレビに対するソファーの配置)である。
【0008】
一実施形態において、ユーザは提示された画像の中から関心オブジェクトを選択することにより(例えばタッチ式ディスプレイ、ポインティングデバイス、マウスを使用して)、検索を開始し得る。選択された関心オブジェクトに基づいて、他の類似するオブジェクトが特定され、ユーザに提示される。例えば、女性の画像がユーザに提示され、ユーザが女性の画像に含まれる靴(関心オブジェクト)を選択した場合、選択した靴に外見上類似する(例えばサイズ、形、色、スタイル、ブランド)他の靴の画像が特定され、ユーザに提示される。ユーザは、提示された画像のうちの1つを選択する、あるいは追加及び/または他の関心オブジェクトを選択する、あるいは他の動作を行うことが可能である。
【0009】
いくつかの実施形態において、画像に含まれるオブジェクトは、予め特定され、ユーザ選択のために視覚的に区別され得る。同様に、類似するオブジェクトを含む他の画像もまた、当該画像内のオブジェクトに対応付けられ得るため、ユーザが関心オブジェクトのうちの1つを選択すると、類似するオブジェクトを含む画像がユーザに素早く提示され得る。
【0010】
さらなる実施形態において、ユーザは、複数の関心オブジェクトを選択し、及び/または選択した関心オブジェクトが肯定的関心オブジェクトであるか、否定的関心オブジェクトであるかを指定することが可能である。肯定的関心オブジェクトとは、ユーザがその他の外見上類似するオブジェクトの画像を見たいと思うユーザ選択オブジェクトである。否定的関心オブジェクトとは、ユーザが他の画像に含めたくないユーザ選択オブジェクトである。例えば、ユーザが画像から肯定的関心オブジェクトとして椅子及びランプと、否定的関心オブジェクトとして敷物とを選択した場合、本明細書において説明される実施形態は、椅子及びランプを含むが敷物は含まない他の画像を特定する。
【0011】
図1〜3は、1つの実施形態における、関心オブジェクトを選択するためのグラフィカルユーザインターフェイスの表示である。クライアントデバイスを介して、グラフィカルユーザインターフェイスがユーザに提供され得る。クライアントデバイスには、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、電子書籍リーダデバイス、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ネットブック、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯ゲームデバイス、スマートフォンもしくは携帯ハンドセット等の無線通信デバイス、セットトップボックス、ゲーム機、カメラ、オーディオレコーダ/プレーヤ、またはこれらの任意の組み合わせが含まれ得る。クライアントデバイスを使用することで、ユーザは、提供された情報との対話処理を行い、関心オブジェクトを選択し、及び/または他の動作を行い得る。
【0012】
まず
図1を参照すると、第1ウィンドウ101と、第2ウィンドウ103とを備えるユーザインターフェイス100が例示される。第1ウィンドウにおいて、複数のオブジェクト104(a)、104(b)、104(c)、104(d)〜104(n)の表示を含む画像102が提示される。画像102等の画像は多くの場合、複数の別個のオブジェクト104(例えばポット、ランプ、ドレス、靴、サングラス、車、建物)を含む。例えば、
図1に例示されるように、画像102は、複数の異なるサイズ及び形のティーポット(オブジェクト)の表示を含む。ユーザが情報及び/またはアイテムを検索している時、ユーザは多くの場合、表示される画像102全体よりも、画像102に含まれる特定のオブジェクトにのみ関心を持つ。例えば、ユーザは、画像102に表示されるティーポット104(a)と類似するサイズ及び形のティーポットにのみ関心を持ち得る。
【0013】
追加情報及び/または外見上類似するオブジェクトを含む他の画像を取得するために、ユーザはオブジェクト104を選択し得る。本明細書において、選択されたオブジェクトは、「関心オブジェクト」と称され、画像内の選択される可能性のあるオブジェクトは、本明細書において「関心オブジェクト候補」と称される。いくつかの実施形態において、画像に含まれるオブジェクトのいずれの表示も関心オブジェクト候補であり得、ユーザにより関心オブジェクトとして選択され得る。オブジェクトの特定は、ユーザによるオブジェクトの選択の際、行われ得る。例えば、オブジェクトの選択が受信されるまで、関心オブジェクト候補を特定する画像解析は行われ得ない。ユーザにより画像の一部の入力選択が行われると、入力箇所が特定され、画像が処理され、そして選択箇所に対応するオブジェクトが選択関心オブジェクトとして特定され得る。
【0014】
別の実施形態において、
図1に例示されるように、関心オブジェクト候補を特定する前処理が画像に対し行われ得る。このような実施形態において、オブジェクトが関心オブジェクトとして選択可能であることをユーザに対し識別するために、各関心オブジェクト候補の上または付近に、選択制御106が提示され得る。いくつかの実施形態において、選択制御は、ユーザが選択可能なオブジェクトを識別できるように、継続的にディスプレイ上に表示され得る。別の実施形態において、選択制御は選択的に提示され得る。例えば、選択制御は、最初は所定の時間(例えば画像を提供して最初の5秒)提示され、及び/またはユーザの特定動作に応じて提示され得る。例えば、ユーザがディスプレイ上でポインタを動かした時、ユーザがディスプレイを触った時等に、選択制御は提示され得る。
【0015】
さらに別の実施形態において、画像は前処理され、関心オブジェクト候補が選択制御106によりユーザに対し視覚的に区別され、及び/またはユーザは画像内の他のオブジェクトを選択し得る。ユーザが、特定されていない、かつ選択制御106により区別されていない、画像内に表示されるオブジェクトを選択した場合、入力箇所が特定され、その画像の一部は選択オブジェクトを特定するために処理され得る。
【0016】
図2に例示されるように、関心オブジェクトの選択の際、関心オブジェクトに外見上類似するオブジェクトを含む追加画像が特定され、これらの画像の少なくとも一部は、第1ウィンドウ101に提示される画像102と同時に、第2ウィンドウ103においてユーザに対し提示される。当実施例において、ユーザは、選択制御106を含むティーポット104(a)を選択している。選択関心オブジェクト(ティーポット104(a))に外見上類似する(例えば、同様の形、サイズ、色)オブジェクトを含む追加画像が特定される。追加画像を特定する技術に関しては、後に詳述される。
【0017】
次に、選択関心オブジェクトに外見上類似するオブジェクトを含む特定された画像は順位付けられ、高い順位(例えば選択関心オブジェクトに対する外観類似度に基づく)の画像が、第2ウィンドウ103において提示される。当実施例において、外見上類似するオブジェクトを含む追加画像の一部のみが、ユーザに提示される。例えば、外見上類似するオブジェクト204(a)、204(b)、204(c)〜204(n)の表示が特定され、ユーザに対し提示される。
【0018】
ユーザは外見上類似するオブジェクトの表示を選択可能であり、その表示を含む画像が、第1ウィンドウ101に含まれる画像102と置き換わる。あるいは、ユーザは、第1ウィンドウ101に提示される画像102に含まれる別の関心オブジェクト候補を選択可能である。例えば、
図3を参照すると、ユーザが関心オブジェクト候補104(b)を選択した場合、選択関心オブジェクト104(b)に外見上類似するオブジェクトの表示を含む画像が特定され、第2ウィンドウを介してユーザに提示される。
図2に関して提供された論述と同様に、選択関心オブジェクトに外見上類似するオブジェクトの画像の一部のみが第2ウィンドウ103において提示される。具体的には、外見上類似するオブジェクト304(a)、304(b)〜304(n)を含む画像の一部が第2ウィンドウ103において提示される。ユーザは画像102から異なるオブジェクトを選択し続けることが可能であり、第2ウィンドウ103を介して外見上類似するオブジェクトの表示が提供され得る。あるいは、ユーザは外見上類似するオブジェクトの表示304(a)〜304(n)のうちの1つを選択可能であり、選択した外見上類似するオブジェクトを含む画像が、画像102と置き換わって第1ウィンドウ101に提示される。
【0019】
図4は、実施形態による例示的画像処理ルーチンを示すフロー図である。当ルーチン及び本明細書に説明される各ルーチンは、本明細書に説明されるアーキテクチャにより、または他のアーキテクチャにより実施され得る。ルーチンは、論理的フローグラフのブロックの集合として例示される。ブロックのうちのいくつかは、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせにおいて実施可能な動作を表す。ソフトウェアに関しては、ブロックは、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体上に記憶され、かつ1つまたは複数のプロセッサにより実行されると詳述された動作を実行するコンピュータ実行可能命令を表す。一般に、コンピュータ実行可能命令には、特定の機能を実行する、または特定の抽象データ類を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等が含まれる。
【0020】
コンピュータ可読媒体には、ハードドライブ、フロッピーディスケット、光ディスク、CD−ROM、DVD、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、磁気もしくは光カード、固体メモリデバイス、または電子命令を記憶するのに好適な他の種類の記憶媒体を含み得る、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が含まれ得る。さらに、いくつかの実施形態において、コンピュータ可読媒体には、一時的コンピュータ可読信号(圧縮または非圧縮形)が含まれ得る。コンピュータ可読信号の実施例には、搬送波を使用して変調されていようとなかろうと、インターネットまたは他のネットワークを介してダウンロードされる信号を含む、コンピュータプログラムを提供または実行するコンピュータシステムのアクセス可能信号が含まれるが、これに限定されない。最終的に、動作が説明される順序は制限として解釈される意図はなく、任意の数の説明動作は、プロセスを実施するために、任意の順序で、及び/または並行して組わせることが可能である。
【0021】
例示的プロセス400は、402における画像のセグメント化から始まる。サークルパッキングアルゴリズム、スーパーピクセル等の任意の様々なセグメント化技術が使用され得る。そして404において、セグメントに対し、画像の背景部分を検討対象から取り除く処理が行われ得る。背景セグメントの特定は、例えば、集中制約(例えば主要オブジェクトは画像の中心にあり得る)と一意制約(例えば主要オブジェクトは背景とは異なり得る)の組み合わせを使用して行われ得る。一実施形態において、セグメント(Si)ごとに、色、質感、形の組み合わせ及び/または他の特徴検出を使用して、一意制約が計算され得る。全てのセグメント対の対ユークリッド距離は、
【数1】
はまた、
【数2】
として計算され得る。セグメントS
iまたはU
iの一意制約Uは、
【数3】
として計算され得る。セグメントS
iごとの集中制約は、
【数4】
として計算され得る。X’及びY’は画像の中心座標である。
【0022】
1つまたは複数のセグメントS’、すなわちSのサブセットは、U(s)−A(s)>tであるように選択され得る。tは、手動で設定された、あるいはデータから学習された閾値である。閾値tは、セグメントを背景情報またはオブジェクト候補として区別するのに使用される任意の定義された数または量であり得る。あるいは、
【数5】
及び
【数6】
が計算され、ラベル付き主要セグメント及びラベル付き非主要セグメントのラベル付きデータベースに対する各セグメントの類似度として使用され得る。
【数7】
はS’の要素であり、r
iはR
‐の要素であり、R
‐は画像非主要領域(背景)のセットである。最終的なスコアは、
【数8】
となる。
【0023】
別の実施形態において、同一ユーザの過去の対話処理に対する関心箇所の選択が特定され得る。最終セグメントS’は、1つまたは複数のグループを形成するようにクラスタ化され得る。各グループは画像の特徴部分である。
【0024】
図4に戻ると、406において、背景セグメントを取り除く際、画像内に残るオブジェクトが特定される。画像内に残るオブジェクトは、例えば、スライディングウィンドウ法を使用して、オブジェクト位置の可能性のある各仮説のスコアを計算することにより、特定され得る。ハールライク(Haar−like)ウェーブレットのブースト選択、または複数箇所ベースモデル等の手法を使用して各セグメントは処理され、一致可能性オブジェクトが特定され得る。例えば、セグメントの画像ベクトルが決定され、オブジェクトに関する記憶された情報と比較され得る。画像ベクトル及び記憶情報に基づいて、特定オブジェクトの記憶情報対する画像ベクトルの類似度に従って、特定が行われ得る。
【0025】
スライディングウィンドウ法は、毎回異なる訓練済オブジェクト分類子(例えば、人、鞄、靴、顔、腕等)で、N回行われ得る。各オブジェクト分類子の仮説を決定後、各オブジェクトクラスの最良仮説のセットが出力される。オブジェクトは一般に画像内にランダムに現れないため(例えば目と鼻は通常一緒に現れる)、位置感応制約もまた検討され得る。例えば、ルートオブジェクト(例えば人)の位置は、W(root)と定義され、各オブジェクトkの各幾何制約は、お互いに関して
【数9】
、6要素ベクトルとして表され得る。ルートオブジェクトW
rootに関する各ランドマークW
oiの幾何学的適合は、
【数10】
により定義され得る。dx、dyは、オブジェクトボックスW
oi内の各ピクセルとルートオブジェクトボックス内の各ピクセルの間の平均幾何学的距離である。最適な
【数11】
を探す問題は、arg min
【数12】
として定式化可能である。D
train(Θ
i)は、訓練画像内のΘ
iの観測値である。
【0026】
当機能を最適化するために、408において画像内のオブジェクトの位置が特定され得る。例えば、画像内のルートオブジェクト(例えば人)の中心は(0、0)と印され、処理された画像内の他のオブジェクトの位置は、ルートオブジェクトに関して変化する。そしてΘ
iをパラメータとして使用して、線形サポートベクトルマシン(SVM)が適用される。SVMに対し、D
train(Θ
i)が入力される。線形計画法、動的計画法、凸最適化等の他の最適化手法も単独で、または本明細書において説明される最適化と組み合わせて使用可能である。訓練データD
train(Θ
k)は、ユーザが、オブジェクト全体とランドマークの両方の上部にバウンディングボックスを配置することにより、収集可能である。あるいは、オブジェクトを特定するのに、顔検出アルゴリズム、エッジ検出アルゴリズム等の半自動的手法が利用され得る。いくつかの実施形態において、オブジェクトを表示するのに、長円形、楕円形、及び/または不規則形等の他の形が使用され得る。
【0027】
図4に戻ると、410において、特定されたオブジェクトごとに、トークンが対応付けられる。具体的には、オブジェクトを含むバウンディングボックスがトークンと対応付けられ、当該対応付けはデータストア1103(
図11)に維持され得る。トークンは、オブジェクトを表す一意的識別子であり得る。あるいは、トークンは分類情報を含み得る。例えば、衣服の表示に対応付けられたトークンは、オブジェクトの一意的識別子に加えて、衣料分類子(プレフィックス分類子等)を含み得る。別の実施形態において、画像特徴セット(例えば色、形、質感)は、画像内のオブジェクトごとに計算され、当該画像特徴セットは、オブジェクトの表示を表す単一特徴ベクトルを形成するために連結され得る。単一特徴ベクトルは、その後、ビジュアル用語集ユーザを介して、ビジュアルトークンに変換され得る。ビジュアル用語集は、大きな画像データセットから生成された特徴に対しクラスタリングアルゴリズム(例えばk平均法)を実行することにより生成され、クラスタの中心が用語集セットとなり得る。各単一特徴ベクトルは、特徴空間(例えばユークリッド距離)に最も類似する1つまたは複数の用語集の用語に変換される。
【0028】
トークンと画像内に表示される各オブジェクトを対応付けた後、412において、オブジェクトはインデックス化される。各オブジェクトは、標準テキストベース検索技術を使用して、インデックス化され得る。しかしながら、標準テキストまたは画像検索と異なり、複数のインデックスがデータストア1103(
図13)に維持され、各オブジェクトは複数のインデックスのうちの1つまたは複数と対応付けられ得る。後に詳述されるように、ユーザは、画像内に表示されるオブジェクトを1つまたは複数選択し得る。各選択は、アクションID(肯定的選択、否定的選択)に対応付けられ得る。インデックス付き画像及びトークンは、画像内に表示される選択オブジェクトに外見上類似する他のオブジェクトを特定するのに利用され得る。画像の処理後、414において、例示的プロセス400は完了する。
【0029】
図5は、実施形態によるセグメント化画像の表示である。画像500等の画像は、前述のセグメント化技術を使用してセグメント化され得る。例示的ルーチン400を使用して、背景セグメントは取り除かれ、画面内の6つのオブジェクトがセグメント化され、特定化されている。具体的には、身体オブジェクト502、頭部オブジェクト504、シャツオブジェクト506、ズボンオブジェクト508、鞄オブジェクト510、及び足部オブジェクト512である。セグメント化の一環として、ルーツオブジェクト、当実施例では身体オブジェクト502は特定され、他のオブジェクト504〜512の位置は、これらの他のオブジェクトを特定する時に検討されている。
【0030】
別の実施形態において、他のセグメント化及び特定化技術を使用して、画像がセグメント化され得る。例えば、クラウドソーシング技術を使用して、画像はセグメント化され得る。例えば、ユーザは画像を見て、オブジェクトを含む画像領域を選択し、これらのオブジェクトにラベルを付け得る。より多くのユーザが画像内のオブジェクトを特定するため、これらのオブジェクトの識別の信頼性が向上する。ユーザが提供したセグメント化及び特定化に基づいて、画像内のオブジェクトは、インデックス化され、他の画像に含まれる他の外見上類似するオブジェクトに対応付けられ得る。
【0031】
ユーザは、様々な選択技術を使用して、画像内のセグメント及び/またはオブジェクトを選択し得る。例えば、
図6は、一連のセル602(a)〜602(e)に予備的にセグメント化された画像600の実施例を示す。ユーザは、オブジェクトを含む各セルを選択する(例えば触れる)ことでオブジェクトを指定し得る。当実施例において、ユーザは、セル602(b)、602(d)、602(e)を選択することで、スカート604の表示を選択した。オブジェクトの表示と共に、予備セグメント化がユーザに対し視覚的に提示され得る。別の実施形態において、予備セグメント化は、仮想的に維持され、提示され得ない。このような実施形態において、ユーザ入力の位置が特定され、対応する予備セグメントが特定され得る。セグメント群が特定され、これらセグメントは結合され、指定オブジェクトを囲む単一のセグメントまたはバウンディング領域を形成し得る。
【0032】
図7は、実施形態による例示的画像検索ルーチン700を示すフロー図である。例示的ルーチン700は、702における画像セグメントの選択を受信することから始まる。前述のように、ユーザは、例えば画像のセグメントを選択する入力デバイス(例えば指、マウス、カーソル、キーボード)を使用して、画像のセグメントを選択し得る。別の実施形態において、ユーザの特定された注視位置に基づいて、画像のセグメントが決定され得る。例えば、クライアントデバイスは、ユーザがクライアントデバイスのディスプレイを見ている画像を取り込む1つまたは複数の画像取り込みコンポーネント(例えばカメラ)を備え得る。取り込まれた画像は、ユーザの注視位置を特定するために処理され、画像の対応するセグメントが選択され得る。
【0033】
704において、画像内の選択セグメントの位置に基づいて、セグメントに対応するオブジェクトが特定される。画像内のオブジェクトの位置は、ルーツオブジェクト、画像の中心点等からの距離に基づいて特定され得る。受信した選択の位置はオブジェクトの位置と相関し、従って対応するオブジェクトが特定され得る。
【0034】
特定されたオブジェクトに基づいて、外見上類似するオブジェクトを含む1つまたは複数の追加画像が特定され得る。例えば、前述のように、オブジェクトがオブジェクトタイプによりインデックス化され、オブジェクトが選択された時、同一のインデックスに対応付けられた他の画像を特定するために、オブジェクトタイプのインデックスデータストアが照会され得る。外見上類似すると特定されたオブジェクトの画像は、追加画像内に表示されるオブジェクトに対しどれだけ選択オブジェクトの表示が類似しているかに基づいて、順位付けまたは重み付けがされ得る。例えば、選択オブジェクトの単一特徴ベクトルは、外見上類似するオブジェクトの特徴ベクトルと比較され、オブジェクト間の類似度が決定され得る。追加の外見上類似するオブジェクトには、より大きい重み付け、またはより高い類似スコアが付与され得る。
【0035】
外見上類似するオブジェクトの追加画像を特定することに加えて、選択は肯定的選択であるか、否定的選択であるかに関する特定も行われ得る。いくつかの実施形態において、選択が、肯定的(ユーザがその他の外見上類似するオブジェクトの画像を見たいと思う関心オブジェクト)であるか、または否定的(ユーザが他の画像に含めたくない関心オブジェクト)であるか、ユーザは指定可能である。708において選択関心オブジェクトが肯定的関心オブジェクトであると特定された場合、710において、特定された画像及び/またはこれらの画像の決定された類似スコアに対し、肯定的重み付けが適用され得る。これと比較して、選択が否定的であると特定された場合、712において、特定された画像及び/またはこれらの画像の決定された類似スコアに対し、否定的重み付けが適用され得る。
【0036】
重み付けを特定された画像に対応付けた後、714において、画像内において追加オブジェクトが選択されたか否かに関する判定が行われ得る。画像内の追加オブジェクトが選択された場合、例示的ルーチン700は、ブロック704に戻り、引続きその後の動作を行う。本明細書において論述されるように、いくつかの実施形態において、ユーザは画像内の複数のオブジェクトを選択し、及び/または各選択に肯定的または否定的指示を対応付け得る。複数のオブジェクトが選択された場合、外見上類似する画像ごとの類似スコアが検討され、複数の選択オブジェクトを有する画像は、その類似スコアが合同され得る。同様に、いくつかの実施形態において、ユーザは、複数の画像からオブジェクトを選択し、これらのオブジェクトを検討して(肯定的または否定的関心オブジェクトのいずれであるか)、他の外見上類似するオブジェクトを特定し得る。
【0037】
追加のオブジェクト選択がないことが判定された場合、716において、各特定された画像の類似スコアが順位付けられ、718において、最も順位の高い画像が、ユーザに対する提示のために送信される。前述のように、いくつかの実施形態において、外見上類似するオブジェクトの画像の一部のみが、ユーザに対する提示のために送信され得る。例えば、外見上類似するオブジェクトを含む追加画像のセグメントのみが、ユーザに対する提示のために送信され得る。別の実施形態において、外見上類似するオブジェクトを含む追加画像全体が、ユーザに対する提示のために送信され得る。
【0038】
図8Aは、一実施形態における、クライアントデバイス805上に提示される、画像802を含むグラフィカルユーザインターフェイス800の表示である。当実施例において、ユーザは、画像802内に表示される3つのオブジェクト804、806、808を選択している。肯定的選択は「+」表示で提示され、一方否定的選択は「−」表示で提示される。一実施形態において、ユーザは、関心オブジェクトの肯定的選択を、オブジェクトを1回選択することにより行い得る。関心オブジェクトの否定的選択は、オブジェクトを2回選択することにより行われ得る。
【0039】
当実施例において、ユーザは、画像内に表示される敷物に対し肯定的選択804、画像内に表示される椅子に対し肯定的選択808、画像内に表示されるソファーに対し否定的選択806を行っている。
図7に関して前述されたように、受信した選択に基づいて、外見上類似するオブジェクトを含む1つまたは複数の画像が特定され、重み付けが行われる。当実施例において、複数のオブジェクトが選択されたため(一部肯定的選択、一部否定的選択)、椅子と敷物の表示に対し最も高い外観類似度を有するが、ソファーに対する外観類似度を有さない画像を特定するために追加画像が処理される。
【0040】
図8Bは、
図8Aに例示される選択された関心オブジェクトに基づいて検索結果報告を示す、クライアントデバイス805上に提示されるグラフィカルユーザインターフェイス850の表示である。例示されるように、選択関心オブジェクトに対し最も高い外観類似度を有すると特定された画像は、
図8Aの肯定的選択の椅子と敷物に外見上類似する椅子852及び敷物854を含む。同様に、
図8Aにおいてソファーは否定的選択であったため、グラフィカルユーザインターフェイス805は、ソファーの表示を含まない。
【0041】
図9は、本明細書において説明される様々な実施形態に従って使用可能な例示的クライアントデバイス900を示す。当実施例において、クライアントデバイス900は、ディスプレイ902と、ディスプレイ902と同じデバイス側面上に、任意でカメラ等の少なくとも1つの入力コンポーネント904とを備える。クライアントデバイス900はまた、スピーカー906等のオーディオトランスデューサと、任意でマイク908とを備え得る。一般に、クライアントデバイス900は、ユーザがクライアントデバイス900と対話処理を行うことを可能にする任意の形態の入出力コンポーネントを有し得る。例えば、デバイスとのユーザ対話処理を可能にする様々な入力コンポーネントには、タッチ式ディスプレイ902(例えば抵抗性、容量性、補間感圧抵抗(IFSR)タッチ式ディスプレイ)、カメラ(ジェスチャ追跡用等)、マイク、全地球測位システム(GPS)、羅針盤、またはこれらの任意の組み合わせが含まれ得る。これらの入力コンポーネントのうちの1つまたは複数は、デバイス上に含まれ得る、あるいはデバイスと通信状態にあり得る。本明細書に含まれる教示及び提示に照らして明らかであるように、様々な他の入力コンポーネント及び入力コンポーネントの組み合わせも同様に、様々な実施形態の範囲内で使用可能である。
【0042】
本明細書において説明される様々な機能性を提供するために、
図10は、
図9に関して説明され、本明細書において論述されるクライアントデバイス900等のクライアントデバイス900の例示的基本コンポーネントセット1000を示す。当実施例において、デバイスは、少なくとも1つのメモリデバイスまたは素子1004に記憶可能な命令を実行する少なくとも1つの中央処理装置1002を備える。当業者には明らかであるように、デバイスは、プロセッサ1002により実行されるプログラム命令の第1データストレージ等、多くの種類のメモリ、データストレージ、またはコンピュータ可読記憶媒体を備え得る。リムーバブル記憶メモリは、他のデバイス等と情報を共有するのに利用可能であり得る。一般にデバイスは、タッチ式ディスプレイ、電子インク(eインク)、有機発光ダイオード(OLED)、または液晶ディスプレイ(LCD)等のある種のディスプレイ1006を備える。
【0043】
論述されるように、数多くの実施形態におけるデバイスは、デバイス付近のオブジェクトを撮像可能な1つまたは複数のカメラ等、少なくとも1つの画像取り込み素子1008を備える。画像取り込み素子は、特定された解像度、焦点距離、可視領域、及びキャプチャレートを有するCCDまたはCMOS画像取り込み素子等の任意の好適な技術を含み得る、またはそれに少なくとも一部基づき得る。デバイスは、検索用語、トークンを生成し、及び/または選択された検索用語に一致する結果を特定及び提示するプロセスを行う少なくとも1つの検索コンポーネント1010を備え得る。例えば、クライアントデバイスは、遠隔コンピューティングリソース(図示せず)と常時または間欠的に通信状態にあり、検索プロセスの一環として、選択された検索用語、デジタルアイテム、トークン等の情報を遠隔コンピューティングシステムと交換し得る。
【0044】
デバイスはまた、GPS、NFC位置追跡またはWiFi位置監視等の少なくとも1つの位置特定コンポーネント1012を備え得る。位置特定コンポーネント1012により取得された位置情報は、オブジェクト選択と一致する画像を選択する際の因子として、本明細書で論述される様々な実施形態で使用され得る。例えば、ユーザがサンフランシスコにいて、画像内に表示される橋(オブジェクト)の肯定的選択を行った場合、ゴールデンゲートブリッジ等の外見上類似するオブジェクトを特定する際、ユーザの位置は因子として検討され得る。
【0045】
例示的クライアントデバイスはまた、ユーザから従来の入力を受付け可能な少なくとも1つの追加入力デバイスを備え得る。この従来の入力には、例えば、プッシュボタン、タッチパッド、タッチ式ディスプレイ、ハンドル、操作レバー、キーボード、マウス、トラックボール、キーパッド、またはユーザがデバイスに対し命令を入力できるその他のこのようなデバイスもしくは素子が含まれ得る。いくつかの実施形態において、これらの入出力デバイスは、無線、赤外線、ブルートゥース、または他のリンクによっても接続され得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、このようなデバイスは、全くボタンを備えず、接触(例えばタッチ式ディスプレイ)、音声(例えば発話)命令、またはこれらの組み合わせを介してのみ制御され得る。
【0046】
図11は、本明細書において説明される1つまたは複数の実施形態で使用され得る、遠隔コンピューティングリソース等のサーバシステム1100の例示的実施形態の絵図である。サーバシステム1100は、1つまたは複数の冗長プロセッサ等のプロセッサ1101と、ビデオディスプレイアダプタ1102と、ディスクドライブ1104と、入出力インターフェイス1106と、ネットワークインターフェイス1108と、及びメモリ1112とを備え得る。プロセッサ1101と、ビデオディスプレイアダプタ1102と、ディスクドライブ1104と、入出力インターフェイス1106と、ネットワークインターフェイス1108と、メモリ1112は、通信バス1110によりお互いに通信可能に接続され得る。
【0047】
ビデオディスプレイアダプタ1102は、サーバシステム1100のオペレータがサーバシステム1100の作動を監視し設定することを可能にする、ローカルディスプレイ(
図11に図示せず)に対する表示信号を提供する。入出力インターフェイス1106も同様に、サーバシステム1100のオペレータにより操作可能なマウス、キーボード、スキャナ、または他の入出力デバイス等、
図11に図示されない外部入出力デバイスと通信する。ネットワークインターフェイス1108は、他のコンピューティングデバイスと通信するハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの任意の組み合わせを含む。例えば、ネットワークインターフェイス1108は、サーバシステム1100とクライアントデバイス900等の他のコンピューティングデバイスとの間の通信を提供するように構成され得る。
【0048】
メモリ1112は一般に、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、及び/または他の揮発性もしくは永久メモリを含む。メモリ1112は、サーバシステム1100の作動を制御するオペレーティングシステム1114を格納しているように示される。サーバシステム1100の低次元作動を制御するバイナリ入出力システム(BIOS)1116もまた、メモリ1112に格納される。
【0049】
メモリ1112はさらに、クライアントデバイス900及び外部ソースがサーバシステム1100と情報及びデータファイルを交換することを可能にするネットワークサービスを提供するために、プログラムコード及びデータを記憶する。従って、メモリ1112は、ブラウザアプリケーション1118を格納し得る。ブラウザアプリケーション1118は、プロセッサ1101により実行されると、ウェブページ等の構成可能マークアップドキュメントを生成あるいは取得するコンピュータ実行可能命令を含む。ブラウザアプリケーション1118は、データストア1103、クライアントデバイス900等のクライアントデバイス、外部ソース等の間のデータ交換及びマッピングを簡易化するために、データストアマネジャーアプリケーション1120と通信する。
【0050】
本明細書において使用される「データストア」という用語は、データ記憶、データアクセス、データ取得が可能な任意のデバイスまたはデバイスの組み合わせを指し、これは、任意の標準環境、分散環境、またはクラスタ環境における任意の数のデータサーバ、データベース、データストレージデバイス、データ記憶媒体、及びこれらの任意の組み合わせを含み得る。サーバシステム1100は、クライアントデバイス900、外部ソース、及び/または検索サービス1105用の1つまたは複数アプリケーションの態様を実行するために、必要に応じてデータストア1103と融合する任意の好適なハードウェア及びソフトウェアを備え得る。サーバシステム1100は、データストア1103と協働してアクセス制御サービスを提供し、マッチング検索結果、外見上類似するオブジェクトを含む画像、外見上類似するオブジェクトを有する画像のインデックス等のコンテンツを生成可能である。
【0051】
データストア1103は、特定の態様に関連するデータを記憶するためのいくつかの個別のデータテーブル、データベース、または他のデータストレージ機構及び媒体を含み得る。例えば、例示されるデータストア1103は、デジタルアイテム(例えば画像)と、これらアイテムに関する対応メタデータ(例えばトークン、インデックス)を含む。検索履歴、環境設定、プロファイル、及び他の情報も同様に、データストアに記憶され得る。
【0052】
データストア1103に格納され得る数多くの他の態様が存在し、これらは、必要に応じて前記の機構のいずれかに、またはデータストアのいずれかの追加機構に格納可能であることは理解されよう。データストア1103は、対応付けられたロジックを通して、サーバシステム1100から命令を受信し、命令に応じてデータを取得、更新あるいは処理することが可能であり得る。
【0053】
メモリ1112はまた、検索サービス1105を含み得る。検索サービス1105は、サーバシステム1100の1つまたは複数の機能を実施するために、プロセッサ1101により実行可能であり得る。一実施形態において、検索サービス1105は、メモリ1112内に記憶された1つまたは複数のソフトウェアプログラムに組み込まれた命令を表示し得る。別の実施形態において、検索サービス1105は、ハードウェア命令、ソフトウェア命令、またはこれらの組合せを表示可能である。
【0054】
一実施形態において、サーバシステム1100は、1つまたは複数のコンピュータネットワークまたは直接接続を使用して、通信リンクを介して相互接続された、いくつかのコンピュータシステム及びコンポーネントを利用する分散環境である。しかしながら、このようなシステムは、
図11に例示されるコンポーネントよりも少ない、または多いコンポーネントを有するシステムにおいても同等に作動し得ることが、当業者には理解されるであろう。従って、
図11における描写は、本来例示的なものであり、開示内容の範囲を限定しないものとして理解されるべきである。
【0055】
本明細書の内容は、構造的特徴及び/または方法論的動作に特有の言語で記述されたが、添付の請求項において定義される内容は、記述される特定の特徴または動作に必ずしも限定されないことは理解されよう。むしろ特定の特徴または動作は、請求項を実施する例示的形態として開示される。
【0056】
条項
1.少なくとも1つのプロセッサと、
タッチセンサー式ディスプレイと、
命令を含むメモリと
を備えるコンピューティングシステムであって、命令が少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、命令によりコンピューティングシステムは少なくとも、
複数のオブジェクトを含む第1画像を提示し、
提示された画像から複数のオブジェクトのうちの第1オブジェクトを選択するユーザ入力を受信し、
選択された第1オブジェクトに外見上類似する第2オブジェクトを含む第2画像を特定し、
第1画像と同時に、第2オブジェクトを含む少なくとも一部の第2画像を提示する、
コンピューティングシステム。
【0057】
2.命令が実行されると、命令によりコンピューティングシステムはさらに少なくとも、
提示された画像から複数のオブジェクトのうちの第3オブジェクトを選択する第2ユーザ入力を受信する、
第1項に記載のコンピューティングシステム。
【0058】
3.命令が実行されると、命令によりコンピューティングシステムはさらに少なくとも、
第1選択は肯定的選択であることを判断し、
第2選択は否定的選択であることを判断し、
第2画像は、第3オブジェクトに外見上類似するオブジェクトを含まない、
第2項に記載のコンピューティングシステム。
【0059】
4.命令が実行されると、命令によりコンピューティングシステムはさらに少なくとも、
第1選択は第1肯定的選択であることを判断し、
第2選択は第2肯定的選択であることを判断し、
第2画像はさらに、第3オブジェクトに外見上類似する第4オブジェクトを含む、
第2項に記載のコンピューティングシステム。
【0060】
5.命令が実行されると、命令によりコンピューティングシステムはさらに少なくとも、
第1画像に含まれるオブジェクトがユーザにより選択可能であることを識別する選択制御の図形表示を第1画像上に提示する、
第1項に記載のコンピューティングシステム。
【0061】
6.命令が実行されると、命令によりコンピューティングシステムはさらに少なくとも、
提示された画像から複数のオブジェクトのうちの第3オブジェクトを選択する第2ユーザ入力を受信し、
第2画像が選択された第3オブジェクトに外見上類似する第4オブジェクトを含むことを判定し、
提示された少なくとも一部の第2画像は、少なくとも一部の第2オブジェクト及び第4オブジェクトを含む、
第1項に記載のコンピューティングシステム。
【0062】
7.第1画像内の位置の選択を受信することと、
選択された位置に対応する第1オブジェクトを特定することと、
複数の追加画像を特定することであって、複数の追加画像はそれぞれ第1オブジェクトに外見上類似する追加オブジェクトの表示を含む、複数の追加画像を特定することと、
第1画像と同時に、少なくとも一部の複数の追加画像をそれぞれ提示することと
を含むコンピュータ実施方法。
【0063】
8.選択は、ディスプレイ上のタッチ式入力、特定位置のユーザの注視、または入力コンポーネントからの入力のうちの少なくとも1つのである、第7項に記載のコンピュータ実施方法。
【0064】
9.第1画像内に表示される複数のオブジェクトを特定するために第1画像を前処理することと、
第1画像内に表示される複数のオブジェクトをそれぞれ選択可能にすることと
をさらに含む第7項に記載のコンピュータ実施方法。
【0065】
10.第1画像内に表示される選択可能なオブジェクトを識別するために、第1画像上の位置に少なくとも1つの選択制御を提示すること
をさらに含む第7項に記載のコンピュータ実施方法。
【0066】
11.複数の追加画像を特定することは、
選択されたオブジェクトに対応付けられたインデックスを特定することと、
インデックスに対応付けられた複数の追加画像を特定すること
を含む、第7項に記載のコンピュータ実施方法。
【0067】
12.複数の追加画像のそれぞれに対し、類似スコアを決定することと、
決定された類似スコアに基づいて、複数の追加画像をそれぞれ順位付けることと
をさらに含み、
提示することは、第1画像と同時に、少なくとも一部の順位の高い複数の追加画像をそれぞれ提示することを含む、
第7項に記載のコンピュータ実施方法。
【0068】
13.追加画像の第2選択を受信することと、
第1画像の表示を取り除くことと、
追加画像を提示すること
をさらに含む第7項に記載のコンピュータ実施方法。
【0069】
14.命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、命令がコンピューティングシステムの少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、命令によりコンピューティングシステムは少なくとも、
第1ウィンドウに表示される第1画像に含まれる第1オブジェクトの第1表示の選択を受信し、
第1オブジェクトに外見上類似する第2オブジェクトの第2表示を含む第2画像を特定し、
第2ウィンドウに、第2オブジェクトの第2表示を含む少なくとも一部の第2画像を提示する、
非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0070】
15.オブジェクトは、オブジェクトの形、サイズ、色、またはブランドに少なくとも一部基づいて、外見上類似しているかが決定される、第14項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0071】
16.命令が実行されると、命令によりコンピューティングシステムはさらに少なくとも、
第1画像に含まれる第3オブジェクトの第3表示の第2選択を受信し、
第2画像はさらに、第3オブジェクトの第3表示に少なくとも一部基づいて特定される、
第14項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0072】
17.第2選択は否定的選択であり、
第2画像は、第3オブジェクトに外見上類似するオブジェクトの表示を含まない、
第16項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0073】
18.第2選択は肯定的選択であり、
第2画像は、第3オブジェクトに外見上類似するオブジェクトの表示を含む、
第16項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0074】
19.命令が実行されると、命令によりコンピューティングシステムはさらに少なくとも、
提示された少なくとも一部の第2画像の第2選択を受信し、
第1ウィンドウに第2画像を提示する、
第14項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0075】
20.命令が実行されると、命令によりコンピューティングシステムはさらに少なくとも、
第1オブジェクトに外見上類似する第3オブジェクトの第3表示を含む第3画像を特定し、
第2画像及び第3画像のそれぞれに対応付けられた類似スコアに少なくとも一部基づいて、第2画像及び第3画像を順位付け、
少なくとも一部の第2画像及び第3画像の順位付けられた表示を第2ウィンドウに提示する、
第14項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】