(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-505882(P2017-505882A)
(43)【公表日】2017年2月23日
(54)【発明の名称】シーケンシャルピストン駆動装置を備えた外燃機関
(51)【国際特許分類】
F02G 1/044 20060101AFI20170203BHJP
F01B 9/06 20060101ALI20170203BHJP
F01B 23/10 20060101ALI20170203BHJP
F01B 25/02 20060101ALI20170203BHJP
【FI】
F02G1/044 A
F01B9/06
F01B23/10
F01B25/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-569104(P2016-569104)
(86)(22)【出願日】2014年12月3日
(85)【翻訳文提出日】2016年9月13日
(86)【国際出願番号】FI2014000036
(87)【国際公開番号】WO2015121528
(87)【国際公開日】20150820
(31)【優先権主張番号】20140044
(32)【優先日】2014年2月17日
(33)【優先権主張国】FI
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516244970
【氏名又は名称】ライティネン セッポ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ライティネン セッポ
(57)【要約】
外燃機関を用いて熱源から効率的にエネルギーを回復するための方法及びシステム。本発明は、ガンマ型スターリング機関のパワーピストン及び変位ピストンのための駆動機構をシーケンシャルに動作させることを含み、ほぼ理想的なピストン動作シーケンスを提供する。スターリング機関は、高圧段階の間の、作動流体再熱器と機関の残りの間の作動流の流体を制御して分離する部材によって補完される。作動流体は、再加熱の前に1つ以上の連続的な変位シリンダ/電力シリンダ段階を介して流動制御において循環する。制御システムは、作動流体を、入口ポートから第1の変位シリンダに方向付け、さらに第1のパワーシリンダに方向付け、また、拡張の後に、再加熱か次の変位シリンダかのどちらかに方向付ける。低温の作動流体は、最終的に、逆流型の再熱器に戻されて方向付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変位ピストン内の流動チャネル(
図1の流動チャネルと
図8の流動チャネル)と加圧シリンダ壁の開口(
図1のシリンダ壁の開口と
図8のシリンダ壁の開口)を使用して、シーケンスで動作するピストン駆動装置(
図3、セクタ1〜4、加速/減速)を連続的に動作させることによる、付加的な作動流体流動制御システムを備えた修正されたガンマ型スターリング機関(
図1、
図8)に基づいた機関ユニットの実施形態であって、シリンダ壁の1つの開口または複数の開口とともに作動流体流動を可能にする/不可能にする1つのピストンまたは複数のピストン内の流動チャネルと、ピストンのセットのうちの1つが完全速度で移動している間、他の1つがピストンストローク位置の端で停止するような、変位ピストンのセット及びパワーピストンのセットの交互運動によって特徴づけられた発明。
【請求項2】
ガイドレール(
図2のアイテム130)を備えたピストン駆動装置のフレームと、車輪(
図2のアイテム10)と、主軸(
図1のアイテム101あるいは
図8のアイテム501)に取り付けられた、プロファイル表面(
図2のアイテム150及び
図3または
図4または任意のディスクまたは物体内のリングまたは凹部のプロファイル内面)を備えた回転部材とを含み、変位ピストンの回転部材の回転が、作動ピストンの回転部材の回転より、シーケンスの完全な一周の4分の1だけ進んでいる、シーケンシャルに動作するピストン駆動システムであって、接触車輪及び補機の往復運動とともに、単方向かつ不変の速度の動き、及び関連する1つのピストンまたは複数のピストンが完全速度で移動する一方、他の1つのピストンまたは複数のピストンがストローク位置の端で停止するような、交互の動きを作成する主セクタと同期された主軸回転角と、同時の関連する1つのピストンまたは複数のピストンの速度加速及び他の1つのピストンまたは複数のピストンの速度減速のための遷移セクタとの組み合わせである、プロファイル表面の形状によって特徴付けられた、ピストン駆動システム。
【請求項3】
請求項2による連続的に動作するピストン駆動装置であって、ピストン速度が変化する間に誘発動的な力が出現する往復運動部分が、動的な力を互いに相対するように適合させることによって除外され、誘発された力のベクトルの反対方向と、動的な力のベクトルが共通線上に位置し、関連する補機と関連する加速/減速値によって乗算される関連するストロークの方向に移動する部品とを備えたピストン(複数を含む)の質量の絶対的な力の値が互いに同一であることによって特徴付けられた発明。
【請求項4】
請求項1による機関ユニットの急速な熱流束制御(
図6)のための方法であって、異なる温度の作動流体源に接続されたマルチポート制御バルブ(
図6のアイテム800)を使用することによって、完全な電力を連続的に流すための通常温度の作動流体(
図6のアイテム802)と、急速な電力増加のための加熱されすぎた作動流体(
図6のアイテム801)と、急速な電力減少のための低温の作動流体(
図6のアイテム803)と、部分的に電力を流すための通常の温度と低温の流体(
図6のアイテム802及び803)の混合とを提供することに特徴付けられた方法。
【請求項5】
2つの加圧シリンダと1つのパワーシリンダのセットが連続モード動作のために接続されている機関ユニット(
図1)であって、1セットのための作動流体の流動路が第1の加圧シリンダ(230)入口ポート(入口ポート)から始まり、その後、パワーシリンダ(250)に続き、第2の加圧シリンダ(210)出口ポート(出口ポート)で終了することによって特徴付けられた発明。
【請求項6】
請求項5による連続モード動作のためのシリンダの2セットを中間加熱マニホルド(
図7)に接続させることによる、機関ユニット(
図1)の電力制御の方法であって、シリンダの第1及び第2のセットを接続させて、かつシリンダの第2のセットに入る前に再加熱を介して作動流体ストリームのすべてまたは一部を循環させる3段階に切り替わるバルブ(901)を備えたパイプマニホルド(900)によって特徴付けられた発明。
【請求項7】
圧力変換に対する加熱のための方法が連続モード動作のために連続する加圧シリンダ(210、211及び220、221)を接続させることによって実施される機関ユニット(
図1)であって、シリンダ間に作動流体経路を備え、第1のシリンダの高温の空間の体積が増加しているかまたは最大であり、かつ第2のシリンダの低温の空間の体積が減少しているかまたは最大である間、互いに逆に動作する、連続的に接続された加圧シリンダによって特徴付けられた発明。
【請求項8】
修正されたガンマ型スターリング機関(
図1、
図8)に基づいた機関ユニットの実施形態であって、加圧位相の間、再熱器の死容積の影響を除外する方法が、閉鎖部材(
図1の230及び231の入口ポート、
図8の710及び711の入口ポート)を使用することによって、流動路を再熱器から加圧シリンダまで閉じることによって実施され、変位ピストンが加圧シリンダの低温端に向かって移動するか、あるいは変位ピストンが加圧シリンダの低温端で停止している間、再熱器の内部空間と加圧シリンダの内部空間とを分離する作動流体の流動チャネル内の閉鎖部材を同期的に動作させることによって特徴付けられた発明。
【請求項9】
修正されたガンマ型スターリング機関(
図1、
図8)に基づいた機関ユニットの実施形態であって、複数の変位シリンダ(
図1の211、221、231、241、
図8の711、721)が共通のピストンロッド(
図1の110、111、
図8の111)及び関連するピストン駆動機構にリンクされ、共通のピストンロッド及び関連するピストン駆動機構にリンクされた複数の変位シリンダによって特徴付けられた発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外燃機関に関する。より詳細には、作動流体流動制御システムと、複数のユニットを連続する行に接続して再加熱前の行を通して作動流体を循環させる可能性とを備えた修正ガンマ型スターリング機関に関する。本発明は、効率的な熱源エネルギー回復のための外再燃ヒータに対して低温作動流体ストリームの出力をもたらす、パワーピストン及び変位ピストンの動作に関してほぼ理想のタイミングを提供する。電力制御応答時間は、電力入力制御のための混合バルブシステム及び種々の温度作動流体の少量及び/または軸動力/全体効率間で最適化するための作動流体の中間再加熱の使用により改善される。
【背景技術】
【0002】
電力生成のために使用された本CHPユニットは、典型的な温度パラメータ内で以下のように動作する。
−燃焼器の後の燃焼排気温は1250℃。構成材料の耐久性と結果としてもたらされた加熱器表面による灰の軟化は、さらなる温度上昇を制限している。
−スターリング機関の後の燃焼排気温は820℃。スターリング機関の作動流体の平均温度は、650〜750℃の範囲であり、燃焼排気から作動流体までの熱流束に対して要求される温度差を考慮すると、さらなる機関電力出力の損失なしに燃焼排気を冷却する可能性はあり得ないと言える。
−燃焼用空気予熱器の後の燃焼排気温は650℃。
【0003】
上記のパラメータによって、電力生成に関する本技術は、燃焼排気エネルギーを1250℃から650℃まで取り戻しており、エネルギーの残りは、他の目的で使用されない限り浪費される。したがって、燃焼排気と作動流体の間の温度頂点を最小化することは、燃焼排気を冷却するために使用される作動流体温を最小化することとともに、軸動力効率のためには必須である。
【0004】
再熱器のパイプのチャネルや容積のような死容積は、機関軸動力の出力に対するそれらの否定的な影響のために最小化されるべきである。しかしながら、再熱器において要求される高熱流束は、今度は、再熱器のパイプの内側の大きな表面積を要求するが、これは死容積を最小に保つという矛盾した要求である。死容積か、熱源と作動流体の間の温度差かのどちらかを最小化することにおいて妥協は避けられない。
【0005】
ガンマ型スターリング機関のピストンのための理想的な動作シーケンスは、変位ピストンを全拡張期間のシリンダの低温端に維持し、パワーピストンの戻りストロークが開始する前にそれを他端に移動させ、ストロークが完成するまでそれをそこに維持することである。本ガンマスターリング機関の構成は、両方のピストンのクランク駆動装置/持続的な動きを使用しており、その結果、機械作業に対する作動流体圧力の変換の最大容積の大きな損失をもたらす。
【0006】
スターリング機関電力制御は遅いことで有名であり、再熱器パイプ及び円筒材料における熱エネルギー対電力出力の比率が高いため、電力制御降下が要求される場合、パイプ及びシリンダの冷却速度を増すために有効な実際的な方法は存在しない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、付加的な作動流体流動ダイバータシステムを備えたガンマスターリング機関において知られているプロセス段階と部品、及び新しいピストン駆動機構と改善された電力制御方法とから構成される外燃機関のための方法及びシステムに関する。新しい作動流体流動ダイバータシステムは、機関の残りからの絶縁再熱器システムである一方、再熱器が接続されたシリンダは、終了/副圧力段階にある。
【0008】
さらに、ダイバータシステムは、作動流体を第1の変位シリンダから第1のパワーシリンダに方向付けており、また、拡張段階の後、再熱器の出口ポートまで、隣の連続する変位シリンダなどにさらに方向付ける。多数の加圧/拡張段階を通して通過する一方、作動流体における熱エネルギーは、低温の作動流体ストリームを再熱器にもたらす機械作業(及び損失)に変換され、高い熱流束と、作動流体と熱源の間の低い温度頂点は、逆流型の熱交換器の使用により達成される。
【0009】
本発明は、電力制御応答時間に関して2つの改善点を提供する。低温の作動流体は、マルチポート制御バルブ(
図6のバルブDポートC)の使用による再加熱なしに第1の段階入口に戻ることができ、その結果、迅速な熱エネルギー供給の減少または加熱しすぎた流体の少量は、付加的な電力が要求される場合、機関の向上を与えるために、再熱器から取り出され得る。他の選択肢は、電力制御マニホルド(
図7)によってマニホルド(
図1のアイテム300)を交換し、通常の流動路の中央で作動流体温度を高めることである。
【0010】
新しいピストン駆動機構は、回転するプロファイルディスク(
図1のアイテム150〜152)と、プロファイルエッジ面(
図1のアイテム140〜142)に接触する車輪とに基づく。ディスクのプロファイルは、主セクタと主セクタ間の遷移セクタとに分離される。主セクタの個数は、4個のうちの複数でなければならない。主セクタは、以下のような制御ピストン位置及び動きである(
図3)。
セクタ1 ピストンは上部位置で停止する、
セクタ2 ピストンは定速で下降している、
セクタ3 ピストンは下部位置で停止する、
セクタ4 ピストンは定速で上昇している。
【0011】
遷移セクタは、定g−値のピストン速度の加速及び減速のためにある。変位ピストン駆動装置のプロファイルディスクの回転は、パワーピストン駆動装置のプロファイルディスクの回転より4分の1回転だけ進んでいる。ピストン及び駆動機構移動部ならびにg−値は、ストロークの方向に移動し、変位ピストン駆動装置のg−値によって乗算される変位ピストンの質量、関連する補機及び駆動機構部が、パワーピストン駆動装置のg−値によって乗算されるストロークの方向に移動するパワーピストンの質量ならびに関連する補機及び駆動機構部の負の積と同一になるように選択される。変位ピストンの重心、ストロークの方向に移動する関連する補機及び駆動部の質量は、パワーピストンの重心、ストロークの方向に移動する関連する補機及び駆動部の質量と同一線上に位置する。その結果、移動する質量の加速及び減速力は互いに補完し合い、減速する質量の運動エネルギーは、加速する質量の主軸を介して通過される。本発明は、ほぼ理想のピストン動作シーケンスを提供し、移動する部分の動力学によって振動は起きない。
【0012】
本発明をより完全に理解するために、添付の図面における以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】発明に関連する主な実体が側面図に示される、発明の1つの実施形態を開示する。
【
図2】ピストン駆動装置のプロファイルディスク及び車輪が端面図で示される、発明の1つの実施形態の断面図である。
【
図3】セクタの場所と範囲が詳細に示され、外端がプロファイルされている、ピストン駆動装置のディスク及び車輪の概略図である。
【
図4】ディスクの正面がプロファイルされる、代替的なプロファイル表面の場所である。
【
図5】パワーピストンが上昇する間とパワーピストンが下降する間の作動流体流動路図である。
【
図6】2つの高圧/拡張段階を備えた発明の別の実施形態の概略図及びマルチポート制御バルブシステムを使用することによる電力制御の図である。
【
図7】電力に関する中間の作動流体の再加熱/効率の最適化を可能にするマニホルド(
図1のアイテム300)の交換である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
シーケンシャルピストン駆動装置(100)を備える本発明の多段の外燃機関の2つの実施形態は、
図1、
図8及び
図2に開示される。異なる数及び位置の加圧シリンダ(210、220、230、240、710及び720)、パワーシリンダ(250及び720)、変位ピストン駆動装置(120、130、140、150及び121、131、141、151)及びパワーピストン駆動装置(122、132、142、152及び502、531)を備える他の構成が想定される。各加圧シリンダ(210、220、230、240及び710、720)は、変位ピストン(それぞれ211、221、231、241及び231、141)及び再生器(
図2のシリンダの左側面)を含む。変位ピストンは、ピストンロッド(110、111)を備えた変位ピストン駆動装置にリンクされ、パワーピストンは、ピストンロッド(112)を備えたパワーピストン駆動装置にリンクされる。パワーシリンダはパワーピストンを含む。
図1及び
図8のパワーピストンは、二重作用型である。
【0015】
加圧シリンダ動作及び熱力学原理は、シリンダの内外に、さらに次のシリンダにあるいは再熱器を通して作動流体流動を迂回させるために使用されるピストンの付加的なチャネルとシリンダ壁の開口とを備えるガンマ型スターリング機関熱力学と同一である。加圧シリンダの低温端に対する変位ピストンの動きは、再生器を通して作動流体をシリンダの高温端に押し付けている。作動流体は、再生器を通過している間、熱せられ、その結果、半断熱プロセスによってシリンダ内部の圧力を高める。加圧された作動流体は、バルブポートを通してパワーシリンダに方向付けられ、その結果、断熱拡張は、作動流体PV(圧力*体積)の可能性を部分的に機械作業に変換し、作動流体の圧力及び温度を減少させ、または、変位ピストンがシリンダの低温端に移動した後、そこからの圧力出力を増加させることが可能な次の加圧シリンダ(変位ピストンがシリンダの高温端にある)に方向付けられる。
【0016】
変位ピストンストロークの一端で、ピストン内のチャネルとシリンダ壁の開口とを通る流動路の1つのグループは閉ざされ、他のグループは開かれる。ピストンストロークのもう一方の端で、流動路の別のグループは開かれ、他のグループは閉ざされる(
図5)。パワーピストンストロークの端の付近で、ピストン速度が減速して停止を完成させる一方、変位ピストンの動きは、完全速度まで同期的に加速している。変位ピストンストロークの端の付近では、逆順で同じことが起こり、変位ピストンは減速して停止を完成させ、パワーピストンストロークは即座に完全速度まで加速している。
【0017】
各ピストン駆動装置は、放射状型のプロファイルディスク(150、151及び152)あるいは別の軸方向型のディスク(
図4)、プロファイル表面に接触する車輪であって、上に設けられた1つ以上の車輪(複数を含む)と下に設けられた1つ以上の複数の車輪とを含む。車輪はベアリングを備えたピストン駆動装置のフレーム(130、131、132及び531)に接続される。ピストン駆動装置のフレームの動きと回転は、ガイドレール(120、121及び122)によって制限され、ピストンストローク方向のみの動きを許す。プロファイルディスクは主軸に取り付けられる(101及び501)。
【0018】
プロファイルディスクと車輪のレイアウトが
図3に示される。主セクタ1、2、3及び4は、定速か、あるいは最大または最小のストローク場所で停止したかのどちらかのピストンの動きのためのものである。
【0019】
加速/減速セクタは、変位ピストンの同時加速及びパワーピストンの減速、またはその逆のためのものである。加速/減速セクタのタイミングは一致するように設定され、g−力方向と、変位ピストンとパワーピストン駆動装置の大きさと、ピストン及び関連する質量は、互いを除外する目的のために相反しており、そのため、振動から動的な力が生成されるのを防ぐ。加速/減速セクタの外部には、定速で動いている変位ピストン及び動いていないパワーピストンか、または定速で動いているパワーピストン及び動いていない変位ピストンのどちらかが常に存在する。
【0020】
ディスクの外面に設けられたプロファイル表面を備えたプロファイルディスクに加えて、上記のすべては、プロファイル表面がリングまたは凹部の内面に設けられている、ディスク内のリングまたは凹部にとって有効である。
【0021】
ピストン(211、221、131、241及び711、721)の円柱面の開口と、シリンダ壁の開口とは、シャットオフバルブとして作動している。作動流体流動路と流動方向は、
図5に示される。図面の上部は、パワーピストンが下降している間の作動流体流動のためのものであり、下部は、パワーピストンが上昇している間の作動流体流動のためのものである。高温の作動流体は、再熱器から「再熱器からの流体」としてマークされた接続まで入り、冷却された作動流体は、「再熱器までの流体」としてマークされた接続から再熱器に戻される。
【0022】
図6は、電力制御のために使用される混合バルブシステム(D)を開示する。図中の逆流型の再熱器は、2つの出口と1つの入口を有する。しかしながら、より多くの出口ポートシステムが想定される。混合バルブポート(A)に対する作動流体ストリームは、機関の急速な加熱のために時々、使用される。通常の動作の間、作動流体ストリームは、混合バルブシステムポート(B)に方向付けられ、温度制御が要求する場合は、ごく小量はポート(A)に方向付けられる。急速な機関の冷却のために、低温の作動流体は、混合バルブシステムポート(C)に方向付けられる。
【0023】
図7は、シリンダ接続部(300)に取って代わる代替的なマニホルドを開示する。マニホルドは、3段階に切り替わるバルブと、2つの付加的な接続を含む。完全に閉じた位置で、バルブは、すべての作動流体を加圧シリンダ210から加圧シリンダ220に方向付けている。バルブが完全に開いた位置で、すべての作動流体は、再熱器に方向付けられ、再熱器から戻ってくる作動流体は、加圧シリンダ220に方向付けられる。バルブが部分的に開いた位置で、少量の作動流体は加圧シリンダ220に方向付けられ、残りすべては再熱器に方向付けられ、それはそこから戻されて、さらに加圧シリンダ220に方向付けられる。再熱器に方向付けられた少量の作動流体は加熱されて、その結果、軸動力は増加し、全体の軸動力効率は減少する。制御は急速な電力増加のために、高い軸動力が要求される短期間、使用される。
【0024】
図1に開示された発明の構成において、以下のように2つのセットの連続動作シーケンスが存在する。
1.第1の加圧シリンダ、熱源からの流体の流入と第1のパワーシリンダへの流出。
2.第1のパワーシリンダ、第1の加圧シリンダからの流体の流入と第2の加圧シリンダへの流出。
3.第2の加圧シリンダ、第1のパワーシリンダからの流体の流入と熱源または次の加圧シリンダへの流出。
【0025】
パワーピストンの下向きストロークの端で(
図5)、第2及び第3の加圧シリンダの内部の作動流体の質量の量は、量/各高温端、低温端及び死容積の温度商値に直接、比例する。第2の加圧シリンダ内の作動流体の質量の大部分は高温であり、第3のシリンダ内の作動流体の質量の大部分は低温であるため、作動流体の質量の大部分は、加圧シリンダピストンストロークの端で、第3の加圧シリンダ内に存在するであろう。作動流体の質量を第2の加圧シリンダから第3の加圧シリンダまで動かすことは、パワーピストン戻りストロークに必要な消費されるエネルギーを減少させ、プロセス段階の第2の連続するセットに入る作動流体の低温を相殺するだろう。
【0026】
上述のすべての動作は、発明をスターリング冷却器として使用するために適用可能であり、シリンダの低温端は冷却源として使用され、再熱器は放熱板として使用される。
【国際調査報告】