(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-505883(P2017-505883A)
(43)【公表日】2017年2月23日
(54)【発明の名称】直線運動と回転運動の転換装置
(51)【国際特許分類】
F16H 25/14 20060101AFI20170203BHJP
F16H 25/10 20060101ALI20170203BHJP
E05F 15/616 20150101ALI20170203BHJP
E05C 1/06 20060101ALI20170203BHJP
【FI】
F16H25/14
F16H25/10
E05F15/616
E05C1/06 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2016-527167(P2016-527167)
(86)(22)【出願日】2014年4月4日
(85)【翻訳文提出日】2016年6月15日
(86)【国際出願番号】CN2014000373
(87)【国際公開番号】WO2015066962
(87)【国際公開日】20150514
(31)【優先権主張番号】14/073,589
(32)【優先日】2013年11月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/099,186
(32)【優先日】2013年12月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516125761
【氏名又は名称】崔侃
(71)【出願人】
【識別番号】516125772
【氏名又は名称】劉・瑪格麗特・崔
(71)【出願人】
【識別番号】516125783
【氏名又は名称】劉・賽米欧・侃
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】崔侃
(72)【発明者】
【氏名】劉・瑪格麗特・崔
(72)【発明者】
【氏名】劉・賽米欧・侃
【テーマコード(参考)】
2E052
3J062
【Fターム(参考)】
2E052AA01
2E052CA06
2E052DA07
2E052DB07
2E052EA03
2E052EB01
2E052EC01
3J062AA45
3J062AA48
3J062AB32
3J062AC07
3J062BA11
3J062CC14
(57)【要約】
本発明は、直線運動と回転運動の転換装置に関するもので、これには直線-回転運動の駆動装置と径方向制御システムを有する。直線-回転運動の駆動装置は次の部分を有する:直線運動を行う可変長駆動部、可変長駆動部の連結部に連結する接合部、および接合部が回転部のアルキメデス螺旋軌道内で滑動するよう限定されている回転運動を行う回転部。径方向制御システムは次の部分を有する:システムケース、システムケースの誘導通路の中を往復運動する滑動部品、回転しシステムケースに連結してアルキメデス螺旋状の彎曲誘導通路が設けられている回転部品、彎曲誘導通路の中を運動し滑動部品と連動する棒状連動部品。本発明は、アルキメデス螺旋またはそれに近似する弧線を利用し、各種機械装置の直線・回転運動の転換を可能にするとともに、装置の全体構造の簡略化、合理化、転換効率の向上を図るもので、汎用性が高く、操作の手間を省くことができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線-回転運動の駆動装置であって、
直線運動を行う可変長駆動部で、前記可変長駆動部には連結部がある前記可変長駆動部、
前記可変長駆動部の連結部と連結する接合部、および
回転運動を行う回転部を備え、
前記回転部にはアルキメデス螺旋またはアルキメデス螺旋に近似する弧線に基づく軌道が設けられており、
前記接合部は前記軌道内で滑動するよう限定されており、
前記可変長駆動部の直線運動が前記回転部を回転させることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記軌道が貫通スロットであることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記軌道が非貫通スロットであることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記可変長駆動部が液圧シリンダーピストン装置、気圧シリンダーピストン装置、または電動直線運動の装置であることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記可変長駆動部がシャフトと前記シャフトを駆動する歯車伝動アセンブリを有し、前記歯車伝動アセンブリは歯車のラックアセンブリまたはウォーム歯車のウォームアセンブリであることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記可変長駆動部が先端にねじ山を設けたシャフトおよび対応するねじ切りを入れたサポートを有し、駆動円形ロッドがサポートを出入りする際に、前記駆動円形ロッドが直線運動をすることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記可変長駆動部がシャフト、電動機およびシャフトと電動機を連結する連結装置を有し、前記連結装置がシャフトに直線往復運動をさせることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記回転部が扉および扉と扉枠を連結する回転ヒンジを有し、前記可変長駆動部が直線運動を行う際に、扉が回転ヒンジを中心に回転して開閉することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項9】
直線-回転運動の駆動装置であって、
直線運動を行う可変長駆動部で、当該可変長駆動部に外部接続部がある前記可変長駆動部、
前記可変長駆動部品の外部接続部と連結する接合部、
回転運動を行う回転部、および、
前記回転部上に固定されたカップリング接続部品を備え、
前記カップリング接続部品にはアルキメデス螺旋またはそれに近似する弧線の軌道が設けられ、
前記接合部は軌道に沿って滑動でき、
前記可変長駆動部品が直線運動を行う時、前記回転部を回転させることを特徴とする駆動装置。
【請求項10】
前記軌道が貫通スロットであることを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記軌道が非貫通スロットであることを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記可変長駆動部が直線運動装置液圧シリンダーピストン装置、気圧シリンダーピストン装置、または電動直線運動の装置であることを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記可変長駆動部はシャフトと前記シャフトを駆動する歯車伝動アセンブリを有し、前記歯車伝動アセンブリは歯車のラックアセンブリまたはウォーム歯車のウォームアセンブリであることを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
【請求項14】
前記可変長駆動部が先端にねじ山を設けたシャフトおよび対応するねじ切りを入れたサポートを有し、駆動円形ロッドがサポートを出入りする際に、前記駆動円形ロッドが直線運動を行うことを特徴とする、請求項9に記載の駆動装置。
【請求項15】
前記可変長駆動部がシャフト、電動機およびシャフトと電動機を連結する連結装置を備え、前記連結装置が前記シャフトに直線往復運動をさせることを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
【請求項16】
前記カップリング接続部品がディスク状であることを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
【請求項17】
前記カップリング接続部品が長方形板状であることを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
【請求項18】
前記回転部が扉および扉と扉枠を連結する回転ヒンジを有し、可変長駆動部が直線運動を行う際に、扉が回転ヒンジを中心に回転して開閉することを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
【請求項19】
直線-回転運動の駆動装置であって、
直線運動を行う可変長駆動部品で、前記可変長駆動部品に連結部がある可変長駆動部品、
前記可変長駆動部品の連結部から伸びる少なくとも一つの接合部、および、
回転運動を行う少なくとも一つの回転部品を備え、
前記回転部品はアルキメデス螺旋またはアルキメデス螺旋に近似する弧線の軌道を少なくとも一つ備え、前記接合部は対応する軌道に沿って滑動し、
前記可変長駆動部品の直線運動が前記回転部品を回転させることを特徴とする駆動装置。
【請求項20】
前記接合部が一対あり、前記接合部の各々にそれぞれ2つの相対する開口部があり、前記接合部は前記可変長駆動部品の連結部から伸びる4つの挿入可能部分を形成し、
前記回転部品が一対あり、前記回転部品の各々にそれぞれ2つの軌道があり、前記軌道はアルキメデス螺旋またはそれに近似する弧線であって、前記挿入可能部分の各々はそれぞれ一つの軌道に沿って滑動することを特徴とする請求項19に記載の駆動装置。
【請求項21】
径方向制御システムであって、
システムケース内部に備えられる少なくとも一つの誘導通路、
滑動を可能にする方式で対応する前記誘導通路に配置されており、前記誘導通路の限定下で往復運動を行う少なくとも一つの滑動部品、
前記滑動部品の連結部から外に伸びる連動部品、
少なくとも一つの回転部、および
回転装置、を備え、
前記回転部は、回転を可能にする相対的な方式でシステムケースと連結しており、前記回転部の上には彎曲誘導通路が少なくとも一つあり、前記彎曲誘導通路の各々にはアルキメデス螺旋またはアルキメデス螺旋に近似する弧線が設けられており、前記連動部品の各々と、対応する前記彎曲誘導通路が連結し、前記回転部の回転軸は横向の運動を行い、前記彎曲誘導通路のおのおのが限定する滑動部品の移動距離が事前に設定されており、
前記回転装置が前記回転部を選択的に回転させ、前記回転部の回転方向が、前記滑動部品の少なくとも一つの伸長または収縮、および、少なくとも一つの噛合せ固定または離脱を決定し、
前記滑動部品の少なくとも一つの直線運動の速度と前記回転部の回転速度が比例関係にあることを特徴とする径方向制御システム。
【請求項22】
前記ケースが長尺で、一部が中空の筒形ケースであることを特徴とする請求項21に記載の径方向制御システム。
【請求項23】
前記滑動部品の少なくとも一つが前記筒形ケースと互いに間隔を置く複数の滑動部品の周囲にあることを特徴とする請求項22に記載の径方向制御システム。
【請求項24】
前記少なくとも一つの回転部の直径方向に位置が相対する少なくとも一対の鍵穴があり、
前記回転装置には、長尺ハンドルと前記長尺ハンドルから垂直に伸びた一対の相離れた鍵形部品があり、
前記鍵形部品の各々は選択的に前記一対の鍵穴に挿入でき、少なくとも一つの回転部と噛合い、選択的に前記鍵を回して少なくとも一つの回転部を回転させることを特徴とする請求項23に記載の径方向制御システム。
【請求項25】
前記回転部を固定するための固定装置を備え、前記固定装置は、
前記筒形ケース内に少なくとも一つの固定凹部、
前記固定凹部中に配置された少なくとも一つのスプリング、
一端が前記少なくとも一つのスプリングに接する少なくとも一つの固定支柱であって、前記固定支柱は少なくとも一つの直径が前記鍵穴より大きく、前記少なくとも一つの固定支柱が常態下で前記少なくとも一つのスプリングの圧力で前記鍵穴の一つに接するようになる固定支柱、および
前記少なくとも一つの固定支柱の別の一端にある接合頭部であって、前記接合頭部の直径は前記少なくとも一つの固定支柱の直径より小さく、前記接合頭部は常態下で前記鍵穴に接合し前記回転部の少なくとも一つの回転を防止する接合頭部、を備え、
前記鍵形部品の一方は他方の鍵形部品より長く、前記鍵を前記鍵穴に入れた際、長い方の鍵形部品が前記少なくとも一つのスプリングの圧力を解消し前記接合頭部を動かして鍵穴と分離させ、前記少なくとも一つの回転部を固定解除して回転させることを特徴とする請求項24に記載の径方向制御システム。
【請求項26】
前記筒形ケース内に挿入して装着できる長尺軸状部品であって、前記長尺軸状部品にはその軸に対して横向の貫通穴があり、前記貫通穴と前記筒形ケース上には一対の径方向が相対する第一誘導通路が完全に対応し相通するように設けられている長尺軸状部品を備え、
前記筒形外殻ケースの内部が、選択的に前記筒形ケースとその上にある一対の径方向が相対する穴を受け入れることができ、前記筒形外殻ケースの穴と前記筒形ケース上にある一対の第二誘導通路が完全に対応し相通することを特徴とする請求項24に記載の径方向制御システム。
【請求項27】
前記少なくとも一つの回転部が、リング型回転部の周方向に間隔をおいて一対の第一彎曲誘導通路と一対の第二彎曲誘導通路を備え、前記第一彎曲誘導通路は相対し同一方向に沿って螺旋状に伸び、前記第二彎曲誘導通路は相対し、前記第一彎曲誘導通路の螺旋方向とは反対の同一螺旋方向に螺旋状に伸び、
前記リング型回転部が定回転弧道に従い回転する時、前記第一彎曲誘導通路が一対の第一滑動部品が収縮して前記長尺軸の穴に入るようにさせ、前記第二彎曲誘導通路が一対の第二滑動部品が前記円筒形外殻ケースの穴に伸びるようにして、前記長尺軸と前記筒形外殻ケースの2つが連結して固定されることを特徴とする請求項26に記載の径方向制御システム。
【請求項28】
前記リング型回転部を選定位置に固定するために用いられる固定装置を備え、前記固定装置は、
一対のスプリング、
一対の固定支柱で、前記固定支柱の一端はそれぞれ相応のスプリングに接し、前記固定支柱の直径はいずれも前記鍵穴より大きく、前記固定支柱は常態下で相応のスプリングに圧縮されて相応の鍵穴に接する固定支柱、および、
前記各固定支柱の別の一端にある接合頭部で、前記接合頭部の直径は前記固定支柱の直径より小さく、前記接合頭部は常態下で相応の鍵穴に接合し、前記リング型回転部の回転を防ぐ接合頭部、を備え、
前記鍵状部品が選択的に前記鍵穴に挿入されると、前記スプリングの圧縮を解消して、前記接合頭部と前記鍵穴を分離させ、前記リング型回転部を固定解除して回転させることを特徴とする請求項27に記載の径方向制御システム。
【請求項29】
基本的に前記筒形ケースと前記少なくとも一つの回転部の外殻ケースを備え、
前記外殻ケースには中空開口部と外殻ケースの周囲に形成された少なくとも一つの外部開口部があり、前記少なくとも一つの外部開口部は前記少なくとも一つの誘導通路と完全に対応し、前記各滑動部品は前記少なくとも一つの外部開口部の中に伸びて前記外殻ケースを固定し、
固定装置が前記少なくとも一つの回転部と前記外殻ケースの間に配置され、前記少なくとも一つの回転部の回転後の位置を固定することを特徴とする請求項23に記載の径方向制御システム。
【請求項30】
前記固定装置が、
前記少なくとも一つの回転部側にある長尺スロット、
前記長尺スロット中に配置された板ばねで、前記板ばねにはそのうちに長尺接合スロットがある板バネ、および、
前記外殻ケースの中空開口部に回転しながら装着される固定支柱であって、前記固定支柱の一端には鍵型部品を選択的にその中に受け入れる挿入口があり、また前記固定支柱の別の一端には長尺接合頭部があり、前記接合頭部は插入方式で前記接合スロットに装着され、前記板ばねは常態下で前記固定支柱を押して前記外殻ケースの内部に接触させ、前記少なくとも一つの回転部を固定する固定支柱を備え、
前記固定支柱の選択的回転は前記板ばねを前記長尺スロット内に押入れ、固定解除して前記少なくとも一つの回転部を望む方向に回転させることを特徴とする請求項29に記載の径方向制御システム。
【請求項31】
前記筒形ケースが異なる径方向に伸びる複数のサブケースを持つことを特徴とする請求項23に記載の径方向制御システム。
【請求項32】
前記サブケースが、
前記サブケース連結部を通って伸びる前記誘導通路、
滑動方式により前記少なくとも一つの誘導通路中に設置される一対の滑動部品、
前記サブケース中に少なくとも一つ配置される回転部であって、前記少なくとも一つの回転部には一つの側に一対の彎曲誘導通路があり、前記一対の滑動部品の連動部品を収納する回転部、及び、
前記少なくとも一つの回転部の別の側にある一体式かさ歯車であって、隣接する回転部のかさ歯車が互いに噛合うかさ歯車、を備えることを特徴とする請求項31に記載の径方向制御システム。
【請求項33】
前記回転装置に前記筒形ケース上に装着された回転起動装置があり、前記回転起動装置の一端選択的に工具が挿入でき回転できる挿入口があり、前記回転起動装置の別の側にはかさ歯車一体があり、回転起動装置のかさ歯車が各サブケース中の回転部のかさ歯車とが互いに噛合い、前記回転起動装置が選択的に回転する時にすべての回転の同時回転を促すことを特徴とする請求項32に記載の径方向制御システム。
【請求項34】
前記回転装置が操作可能な方法で前記滑動部品の少なくとも一つの直線運動起動装置に連結することを特徴とする請求項23に記載の径方向制御システム。
【請求項35】
前記直線運動起動装置が、
前記筒形ケースから径方向に伸びる中空凸形台、
回転可能方式で前記中空凸形台内に装着された駆動軸であって、前記駆動軸の一端には選択的に工具を挿入でき前記駆動軸を回転させる挿入口があり、前記駆動軸の別の一端付近にはリング型安定スロットがある駆動軸、
前記リング型安定スロット内に差し込まれる安定ピンであって、前記安定ピンが前記駆動軸の軸向き運動を防ぐ安全ピン、
前記駆動軸の相対する側から軸方向に伸びる長尺ボルト、
前記ボルトを装着するための接続部品、および
前記接続部品から前記滑動部品の少なくとも一つを通し対応する彎曲誘導通路中に伸びる長尺駆動連動部品で、前記駆動連動部品が伸び前記駆動軸と連結する長尺駆動連動部品、を備え、
前記駆動軸の選択的回転が前記駆動連動部品に連結する前記滑動部品の少なくとも一つを直線的に押すか引くことによって、さらに前記駆動連動部品による前記彎曲誘導通路内の直線運動が前記回転部の少なくとも一つを前記駆動連動部品と共に前記彎曲誘導通路内で滑動し相応の回転を起こすようにすることを特徴とする請求項34に記載の径方向制御システム。
【請求項36】
前記直線運動起動装置が、
前記筒形ケースの外に配置された偏心カムで、前記偏心カムの片側に挿入口があり、前記偏心カムの回転に用いる工具を選択的に受け入れる偏心カム、
前記筒形ケース中に径方向に伸びる駆動ロッドであって、前記駆動ロッドの一端が旋回して前記偏心カムに連結する駆動ロッド、および、
前記駆動ロッドに相対する側から伸びる長尺の駆動連動部品であって、前記駆動連動部品と前記駆動ロッドが連結し前記滑動部品の少なくとも一つを通し対応する彎曲誘導通路中に伸びる駆動連動部品、を備え、
前記駆動ロッドの選択的回転が前記駆動連動部品に連結する前記滑動部品の少なくとも一つを直線的に押すか引くことによって、前記駆動連動部品による前記彎曲誘導通路内での直線運動が前記少なくとも一つの回転部を前記駆動連動部品と共に彎曲誘導通路に従い相応の回転を行うようにすることを特徴とする請求項34に記載の径方向制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は直線運動と回転運動の転換装置に関するものである。これはアルキメデスの曲線転変運動を利用した機械伝動および連結装置で、直線運動を回転運動に転換する直線-回転運動の駆動装置と、回転運動を部品の伸長や収縮など直線運動に転換する径方向制御システムを含む。
【背景技術】
【0002】
現行技術において、運動部品の直線運動を回転運動に転換したり回転運動を直線運動に転換したりする駆動装置は多岐にわたって応用されている。例えば、ドアヒンジ、刈り込みばさみ、てこや歯車の転換装置はいずれも直線-回転運動の相互転換の応用事例である。実際の使用例においては、現行の駆動装置のほとんどは回転運動を直線運動に転換する駆動装置で、その反対の転換の応用装置は少なく、装置も非常複雑なものとなり、転換効率、汎用性、応用の普遍性の面で改善の余地がある。
【0003】
直線運動と回転運動の互相転換の典型的な例としてねじ締めを挙げることができる。ねじの頭を回転させることで、ねじは直線運動を行うようになる。ねじ締め(ボルト固定)の原理は機械工程の分野で広く応用されているが、ドライバーなどの特定の工具を用いないならば、ねじを締めたり緩めたりするのは容易ではない。
【0004】
別の例は機械仕掛のロックで、これにはしばしばラック歯車やクランクなど回転装置の移動により生じる往復運動を行う部分がその一部となっている。最も簡単なロックの操作には普通大きな力は必要としないが、当該ロックの鍵または工具使用に当たっての潜在的誤用、部品の位置のずれや部品の機械的故障などにより問題が生じる。複雑なロックには、この種の潜在的問題が多いため、通常は金庫のロックなど特定用途に用いられる。
【0005】
このように、現行の直線運動と回転運動の転換装置は構造と使用において、利便性が低く欠陥が存在しており、さらなる改善が待たれる。そのため、いかにして一層科学的、合理的、シンプルな方法で、ある部品の直線運動と別の部品の回転運動を相互に転換して新たな直線運動や回転運動にする転換装置を開発できるかが、本分野における重要な研究課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、直線-回転運動の駆動装置の構造を一層科学的、合理的、シンプルなものとし、一部品の直線運動を別の部品の回転運動に転換し、現行の転換駆動装置の不備を解消することにより、技術的問題の解決を図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的問題を解決すべく、本発明は、直線-回転運動の駆動装置で、次の部分を有する:直線運動を行う可変長駆動部で、当該可変長駆動部には連結部がある;可変長駆動部の連結部に連結する接合部;回転運動を行う回転部で、当該回転部にはアルキメデス螺旋またはそれに近似する弧線の軌道が設けられ、前記接合部が軌道内で滑動するよう限定される;このうち、可変長駆動部の直線運動が回転部を回転させる。
【0008】
さらなる改善を加えたものとして、前記軌道が貫通スロットであるものが含まれる。
【0009】
前記軌道が非貫通スロットであるものも含まれる。
【0010】
前記可変長駆動部が液圧シリンダー・ピストンの装置、気圧シリンダー・ピストンの装置または電動直線運動の装置であるものも含まれる。
【0011】
前記可変長駆動部がシャフトと当該シャフトを駆動する歯車伝動アセンブリで、前記歯車伝動アセンブリは歯車のラックアセンブリまたはウォーム歯車のウォームアセンブリであるものも含まれる。
【0012】
前記可変長駆動部が先端にねじ山を設けたシャフトおよび対応するねじ切りを入れたサポートを有し、駆動円形ロッドがサポートを出入りする際に、当該駆動円形ロッドが直線運動を行うものも含まれる。
【0013】
前記可変長駆動部がシャフト、電動機およびシャフトと電動機を連結する連結装置で、前記連結装置シャフトに直線往復運動をさせるものも含まれる。
【0014】
前記回転部が扉および扉と扉枠を連結する回転ヒンジを有し、可変長駆動部が直線運動を行う際に、扉が回転ヒンジを中心に回転して開閉するものも含まれる。
【0015】
本発明はまた、下記の部分を有する直線-回転運動を行う駆動装置も含まれる、:直線運動を行う可変長駆動部で、当該可変長駆動部に外部接続部があるものや可変長駆動部品の外部接続部と連結する接合部、回転運動を行う回転部、回転部上に固定されたカップリング接続部品で、当該カップリング接続部品にアルキメデス螺旋またはそれに近似する弧線の軌道が設けられ、前記接合部は軌道に沿って滑動できるものも含まれる。可変長駆動部品が直線運動を行う時、回転部を回転させる。
【0016】
さらなる改善を加えたものとして、前記軌道が貫通スロットであるものも含まれる。
【0017】
前記軌道が非貫通スロットであるものも含まれる。
【0018】
前記可変長駆動部が直線運動装置液圧シリンダー・ピストンの装置で、気圧シリンダー・ピストンの装置または電動直線運動の装置であるものも含まれる。
【0019】
前記可変長駆動部がシャフトと当該シャフトを駆動する歯車伝動アセンブリで、前記歯車伝動アセンブリはが歯車のラックアセンブリまたはウォーム歯車のウォームアセンブリであるものも含まれる。
【0020】
前記可変長駆動部が先端にねじ山を設けたシャフトおよび対応するねじ切りを入れたサポートを有し、駆動円形ロッドがサポートを出入りする際に、当該駆動円形ロッドが直線運動を行うものも含まれる。
【0021】
前記可変長駆動部がシャフト、電動機およびシャフトと電動機を連結する連結装置で、前記連結装置シャフトに直線往復運動をさせるものも含まれる。
【0022】
前記カップリング接続部品がディスク状であるものも含まれる。
【0023】
前記カップリング接続部品が長方形板状であるものも含まれる。
【0024】
前記回転部が扉および扉と扉枠を連結する回転ヒンジを有し、可変長駆動部が直線運動を行う際に、扉が回転ヒンジを中心に回転して開閉するものも含まれる。
【0025】
本発明には、さらに下記の部分を有する直線-回転運動の駆動装置も含まれる、:直線運動を行う可変長駆動部品で、当該可変長駆動部品に連結部がある。少なくとも一つの可変長駆動部品の連結部から伸びる接合部。回転運動を行う回転部品が少なくとも一つあり、回転部品にアルキメデス螺旋またはそれに近似する弧線の軌道が少なくとも一つあり、各接合部は対応する軌道に沿って滑動するもの。このうち、可変長駆動部品の直線運動は回転部品を回転させる。
【0026】
さらなる改善を加えたものとして、前記接合部が一対あり、各接合部にそれぞれ2つの相対する開口部があり、可変長駆動部品の連結部から伸びる4つの挿入可能部分を形成するもの。前記回転部品が一対あり、各回転部品にそれぞれ2つの軌道,各軌道都基于アルキメデス螺旋またはそれに近似する弧線、各挿入可能部分はそれぞれ一つの軌道に沿って滑動するものも含まれる。
【0027】
本発明はまた、径方向制御システムにより技術的問題を解決しようとするもので、構造の信頼性が高く、駆動力の要求が小さくて済み、操作も簡単であることから、現行の直線回転運動転換装置の不備を補う。
【0028】
前記技術的問題を解決する本発明の径方向制御システムは、下記の部分を有する:内設誘導通路が少なくとも一つのシステムケース。滑動部品の少なくとも一つが滑動を可能にする方式で相応の誘導通路に配置されており、前記誘導通路制御下で往復運動を行う。連動部品で、各滑動部品の連結部から連動部品が外に伸びている。少なくとも一つの回転部で、回転を可能にする相対的な方式でシステムケースと連結しており、当該回転部上には彎曲誘導通路が少なくとも一つあり、各彎曲誘導通路にはアルキメデス螺旋またはそれに近似する弧線が設けられており、各連動部品と対応する彎曲誘導通路が連結し、相対回転部の回転軸は横向の運動を行い、各彎曲誘導通路による滑動部品の移動距離の限定が事前に設定できるもの。回転装置で、前記回転部の選択的回転方向が、滑動部品の少なくとも一つの伸長または収縮、さらに少なくとも一つの噛合せ固定または離脱を決定する。このうち、前記滑動部品の少なくとも一つの直線運動の速度と前記回転部の回転速度が比例関係にある。
【0029】
本実用新案の改善として、前記ケースが長尺で、一部が中空の筒形ケースも含まれる。
【0030】
前記滑動部品の少なくとも一つが前記筒形ケースと互いに間隔を置く複数の滑動部品の周囲にある。
【0031】
前記少なくとも一つの回転部の直径方向に位置が相対する少なくとも一対の鍵穴がある。前記回転装置には、長尺ハンドルと当該ハンドルから垂直に伸びた一対の相離れた鍵形部品があり、前記各鍵形部品は選択的に前記一対の鍵穴に挿入でき、少なくとも一つの回転部と噛合い、選択的に述の鍵を回して少なくとも一つの回転部を回転させる。
【0032】
前記回転部を設置された固定装置に固定させるためのもので、当該固定装置は以下の部分を有する:前記筒形ケース内に少なくとも一つの固定凹部。前記固定凹部中に少なくとも一つ配置されたスプリング。一端が前記少なくとも一つのスプリングに接する少なくとも一つの固定支柱で、前記固定支柱は少なくとも一つの直径が前記鍵穴より大きく、前記少なくとも一つの固定支柱が常態下で前記少なくとも一つのスプリングの圧力で前記鍵穴の一つに接するようになる。前記少なくとも一つの固定支柱の別の一端にある接合頭部で、前記接合頭部の直径は前記少なくとも一つの固定支柱の直径より小さく、前記接合頭部は常態下で前記鍵穴に接合し前記回転部の少なくとも一つの回転を防止する。このうち、一つの鍵形部品は別の鍵形部品より長く、前記鍵を前記鍵穴に入れた際、長い方の鍵形部品が前記少なくとも一つのプリングの圧力を解消し前記接合頭部を動かして鍵穴と分離させ、前記少なくとも一つの回転部を固定解除して回転させる。
【0033】
さらに下記の部分を有する:前記筒形ケース内に挿入して装着できる長尺軸状部品で、当該長尺軸状部品にはその軸に対して横向の貫通穴があり、前記穴と前記筒形ケース上には一対の径方向が相対する第一誘導通路が対応し通じるように設けられている。筒形外殻ケースの内部が、選択的に前記筒形ケースとその上にある一対の径方向が相対する穴を受け入れることができ、前記筒形外殻ケースの穴と前記筒形ケース上にある一対の第二誘導通路が完全に対応し相通する。
【0034】
前記少なくとも一つの回転部は下記の部分から成る:リング型回転部の周方向に間隔をおいて一対の第一彎曲誘導通路と一対の第二彎曲誘導通路があり、前記第一彎曲誘導通路は相対し同一方向に沿って螺旋状に伸び、前記第二彎曲誘導通路は相対し、前記第一彎曲誘導通路の螺旋方向とは反対の同一螺旋方向に螺旋状に伸びる。このうち、前記リング型回転部が定回転弧道に従い回転する時、前記第一彎曲誘導通路が一対の第一滑動部品が収縮して前記長尺軸の穴に入るようにさせ、前記第二彎曲誘導通路が一対の第二滑動部品が前記円筒形外殻ケースの穴に伸びるようにして、こうして前記長尺軸と前記筒形外殻ケースの2つが連結して固定される。
【0035】
さらに前記リング型回転部を選定位置に固定する固定装置で、前記固定装置は下記の部分を有する:一対のスプリング。一対の固定支柱で、前記固定支柱の一端はそれぞれ相応のスプリングに接し、前記固定支柱の直径はいずれも前記鍵穴より大きく、前記固定支柱は常態下で相応のスプリングに圧縮されて相応の鍵穴に接する。前記各固定支柱の別の一端にある接合頭部で、前記接合頭部の直径は前記固定支柱の直径より小さく、前記接合頭部は常態下で相応の鍵穴に接合し、前記リング型回転部の回転を防ぐ。このうち、前記鍵状部品が選択的に前記鍵穴に挿入されると、前記スプリングの圧縮を解消して、前記接合頭部と前記鍵穴を分離させ、前記リング型回転部を固定解除して回転させる。
【0036】
前記回転装置は下記の部分を有する:基本的に前記筒形ケースと前記少なくとも一つの回転部の外殻ケースで、前記外殻ケースには中空開口部と外殻ケースの周囲に少なくとも一つ外部開口部があり、前記少なくとも一つの外部開口部は前記少なくとも一つの誘導通路と完全に対応し、前記各滑動部品は前記少なくとも一つの外部開口部の中に伸びて前記外殻ケースを固定する。固定装置の配置が前記少なくとも一つの回転部と前記外殻ケースの間にあり、前記少なくとも一つの回転の回転後の位置を固定する。
【0037】
前記固定装置は下記の部分を有する:前記少なくとも一つの回転部側にある長尺スロットが含まれる。前記長尺スロット中に配置された板ばねで、前記板ばねにはそのうちに長尺接合スロットがある。前記外殻ケースの中空開口部に回転しながら装着される固定支柱で、前記固定支柱の一端には鍵型部品を選択的にその中に受け入れる挿入口があり、また前記固定支柱の別の一端には長尺接合頭部があり、前記接合頭部は插入方式で前記接合スロットに装着され、前記板ばねは常態下で前記固定支柱を押して前記外殻ケースの内部に接触させ、前記少なくとも一つの回転部を固定する。このうち、前記固定支柱の選択的回転は前記板ばねを前記長尺スロット内に押入れ、固定解除して前記少なくとも一つの回転部を望む方向に回転させる。
【0038】
前記筒形ケースが異なる径方向に伸びる複数のサブケースを持つものも含まれる。
【0039】
前記サブケースは下記の部分を有する:前記サブケース連結部を通って伸びる前記誘導通路。滑動方式により前記少なくとも一つの誘導通路中に設置される一対の滑動部品。前記サブケース中に少なくとも一つ配置される回転部で、前記少なくとも一つの回転部には一つの側に一対の彎曲誘導通路があり、前記一対ある滑動部品の連動部品を収納する。前記少なくとも一つの回転部の別の側にある一体式かさ歯車で、隣接する回転部のかさ歯車が相互に噛合い接合する。
【0040】
前記回転装置に前記筒形ケース上に装着された回転起動装置があり、前記回転起動装置の一端選択的に工具が挿入でき回転できる挿入口があり、前記回転起動装置の別の側にはかさ歯車一体があり、回転起動装置のかさ歯車と各サブケース中の回転部のかさ歯車が相互に噛合って接合し、それが選択的に回転する時にすべての回転の同時回転を促す。
【0041】
前記回転装置が操作可能な方法で前記滑動部品の少なくとも一つの直線運動起動装置に連結する。
【0042】
前記直線運動起動装置は下記の部分を有する:前記筒形ケースから径方向に伸びる中空凸形台。回転可能方式で前記中空凸形台内に装着された駆動軸で、前記駆動軸の一端には選択的に工具を挿入でき前記駆動軸を回転させる挿入口があり、前記駆動軸の別の一端付近にはリング型安定スロットがある。前記リング型安定スロット内に差し込まれる安定ピンで、前記安定ピンが前記駆動軸の軸向き運動を防ぐ。前記駆動軸の相対する側から軸方向に伸びる長尺ボルト。前記ボルトを装着するための接続部品。前記接続部品から前記滑動部品の少なくとも一つを通し対応する彎曲誘導通路中に伸びる長尺駆動連動部品で、前記駆動連動部品が伸び前記駆動軸と連結する。このうち、前記駆動軸の選択的回転が前記駆動連動部品に連結する前記滑動部品の少なくとも一つを直線的に押すか引くことによって、さらに前記駆動連動部品による前記彎曲誘導通路内の直線運動が前記回転部の少なくとも一つを前記駆動連動部品と共に前記彎曲誘導通路内で滑動し相応の回転を起こすようにする。
【0043】
前記直線運動起動装置は下記の部分を有する:前記筒形ケースの外に配置された偏心カムで、前記偏心カムの片側に挿入口があり、前記偏心カムの回転に用いる工具を選択的に受け入れる。前記筒形ケース中に径方向に伸びる駆動ロッドで、前記駆動ロッドの一端が旋回して前記偏心カムに連結する。前記駆動ロッドに相対する側から伸びる長尺の駆動連動部品で、前記駆動連動部品と前記駆動ロッドが連結し前記滑動部品の少なくとも一つを通し対応する彎曲誘導通路中に伸びる。このうち、前記駆動ロッドの選択的回転が前記駆動連動部品に連結する前記滑動部品の少なくとも一つを直線的に押すか引くことによって、前記駆動連動部品による前記彎曲誘導通路内での直線運動が前記少なくとも一つの回転部を前記駆動連動部品と共に彎曲誘導通路に従い相応の回転を行うようにする。
【発明の効果】
【0044】
このような設計を採用することにより、本発明はアルキメデス螺旋の原理と特性を利用し、各種機械装置で直線・回転運動の転換ができるようになり、各接続部品の選択的な外部伸長、内部収縮、転換、相互固定の操作が容易に行えるだけでなく、装置の全体的構造もシンプルかつ合理的で、転換効率も高く、汎用性も良好で、操作効率も向上し、幅広い使用が可能になる。
【0045】
上記は、本発明技術案の概説である。本発明の技術をより良く理解できるようにするため、以下では付図と具体的な操作方法による本発明の詳細説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】アルキメデス螺旋の平面座標イメージ図とする。
【
図2】アルキメデス螺旋原理に基づいた方向限定軌道のイメージ図とする。
【
図3】は本発明の直線-回転運動の駆動装置を応用した簡易吊上げ装置の構造イメージ図とする。
【
図4】は本発明の直線-回転運動の駆動装置を応用したドア開閉装置の構造イメージ図とする。
【
図5】は本発明の、一対の回転部品を直線運動部品の両側に設置し一定トルクを生じる直線-回転運動の駆動装置の構造イメージ図とする。
【
図7】は
図5の接合部の運動が軌道終点に達した状態のイメージ図とする。
【
図8】は本発明の、両側の回転部品と二つのアルキメデス螺旋を持つ直線-回転運動の駆動装置の分解構造イメージ図とする。
【
図9】は本発明の径方向制御システム実施例一の平面図とする。
【
図10】は
図9の径方向制御システムの分解立体図とする。
【
図11】は本発明の径方向制御システムの実施例二の立体図で、各部の断面図によりその詳細を図示したものとする。
【
図12】は本発明の径方向制御システムの実施例三の立体図とする。
【
図14】は
図12の径方向制御システムの正面断面図で、一対の滑動部品が内部ケースの内壁に接合されたものとする。
【
図15】は
図12の径方向制御システムの正面断面図で、別の一対の滑動部品が外殻ケース上の穴に接合されたものとする。
【
図16】は
図12の径方向制御システム中の滑動部品を制動する内部部品の立体図で、ケースを取り除いたものとする。
【
図17】は本発明の径方向制御システムの実施例四の立体図で、ケースを切断し、局部断面図により示したものとする。
【
図19】は
図17の径方向制御システムの回転部の立体図とする。
【
図20】は本発明の径方向制御システムの実施例五の立体図で、一部を切断し、局部断面図により示したものとする。
【
図21】は本発明の径方向制御システムの実施例六の立体図で、一部を切断し、局部断面図により示したものとする。
【
図22】は本発明の径方向制御システムに基づいた実施例七の立体図で、一部を切断し、局部断面図により示したものとする。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の直線運動と回転運動の転換装置は主にアルキメデス螺旋の原理と特性を利用したものである。
【0048】
図1が示すとおり、アルキメデス螺旋の極座標の数式はρ=αθとなり、このうちρは原点0から始まる半径または径方向ベクトルで、αは定数,θは弧角度、ρ、θ各は極座標変数である。何らかの定数αを定めると、径方向ベクトルの長さと角度の間の変化には一定の比例関係が見られるようになる。つまり、前記数式中の任意の動点における角度の回転変化とその径方向長さの変化には相応の比例関係が生じる。特に説明のない限り、本説明で採用するアルキメデス螺旋は公式ρ=αθに従い、あらゆる曲線または曲線の一部に適用されるものとする。
【0049】
図2は前記公式に適合するアルキメデスの螺旋を示したものである。直線運動を行う部分は曲線2に沿って運動し、各実施例の中で詳細な説明を加える。この事例では、部品の移動は任意の弧線起点3aから終点3eの範囲にある一定の直線距離内である。ここでは、60°の弧度で生じる直線運動は20mmで、このうち、初期半径ρ1は50mm、起点半径ρ1と終点半径ρ5の長さの差は、生じる直線運動の長さとなる。通過点3b、3c、3dと、対応する径方向の長さρ2 ρ3、ρ4は、弧線を均等分した等角変数(例:15°の区間)となる。連結点3a、3b、3c、3d、3eではアルキメデス螺旋曲線2の近似形状が得られる。通過点の数を増やすとさらに正確な曲線2が得られる。
【0050】
さらに、曲線2は簡単な円弧曲線の局所近似で代替することができる。
図2は軸原点0c を本来の原点0よりずらしたもので、曲線2は簡単な円弧曲線の特徴を持つ。移動点0cから曲線上の各相応点3a、3b、3c、3d、3eまでの半径r1、r2、r3、r4、r5は近似値が同じとなり、約65.6°の弧度を超えるほぼ円形の曲線が得られる。上記の事例の平均半径は約57.6mmである。このように、アルキメデス螺旋の弧局部は、近似円弧曲線によって代替できることがわかる。このため、比較的単純かつ滑らかで一般的な曲線を用いて直線運動と回転運動の転換装置の上で機械部品の直線運動と回転運動を相互に転換することが可能になる。
【0051】
図2が示す円弧近似方向限定曲線2は、前述のアルキメデス螺旋の特性を持ち、機械的な応用が便利で、効果的に直線運動を回転運動に転換するだけでなく、比較的滑らかで省力的な転換曲線を描いて機械部品の連結や固定を行うことができる。
【0052】
次に、直線運動を回転運動に転換する直線-回転運動の駆動装置の具体的な実施方法を説明する。
【0053】
本発明の直線回転駆動装置は、直線運動を行う可変長駆動部と回転運動を行う回転部を有する。この可変長駆動部には、連結部と連結部から外に伸びる接合部がある。回転部にはアルキメデス螺旋形の軌道が設けられている。当該軌道と接合部は互いに係合する。接合部が軌道上で滑動すると、可変長駆動部の直線運動が回転部を回転させる。軌道の形状は貫通式、非貫通式または他の軌道を限定する形式を用いることができる。直接、回転部に軌道を設ける方法だけでなく、駆動装置に接続部品を設けることができる。例えば、回転部に円形または長方形の支柱板を連結固定し、当該接続部品上にアルキメデス螺旋形の軌道を設けることもできる。こうして接合部が軌道上で滑動し、直線運動が別の部品の回転運動に転換される。
【0054】
可変長駆動部には、液圧油圧シリンダー装置で、気圧シリンダー装置または電力駆動の直線運動装置など既知の直線運動装置を直接用いることができる。可変長駆動部の他の形式としては、歯車/軸類の組合せ、歯車/ラックの構造、ターボ/ウォーム構造などを採用することができ、手動ハンドルによる歯車伝動アセンブリも用いることができる。この歯車伝動アセンブリは歯車・ラックアセンブリまたはウォーム伝動歯車アセンブリを採用できる。また、ねじ山を入れたロッドと内側にねじ切りを入れたねじ受け部品を組み合わせたものを使用することもできる。ねじ山を入れた側がねじ受け部品のねじ穴内を旋回しながら出入する時に、ロッドの進行は直線運動を呈する。さらに選択できる事例としては、直線回転駆動装置をロッド、電動機、当該ロッドと電動機を繋げる連結部の構成を挙げることができる。必要に応じ、ロッドに直線往復運動をさせる。可変長駆動部は何らかの機械装置の直線運動を利用して当該部品の直線運動を生じさせることができる。
【0055】
回転部は、扉と、扉と扉枠を連結するヒンジから構成される。扉がヒンジの部分で回転すると、可変長部品の直線運動が扉を選択的に開閉させる。回転部には、ハングアーム、ロッド、ディスク形部品、歯車、軸類または他の回転運動を行う部品などを幅広く用いることができる。
【0056】
図3は直線回転駆動装置10を装着した簡易吊上げ機の模型で、直線運動を回転運動に転換するものである。図が示すとおり、直線回転駆動装置10は、可変長駆動部12を有するが、この部分12は例えば直線運動を生じる二重作用液圧装置に用いることができる。直線回転駆動装置10は回転部14を有し、回転部14とアーム16は固定連結され、部品12の直線運動がアーム16の振りに転換される。
【0057】
可変長駆動部12はピストン18を有する。パイプ22と23はピストン18の両端の圧力を制御し、可変長駆動部12に伸縮往復運動をさせる。図が示すとおり、可変長駆動部12はシリンダー25の制御を受け、ピストン18による直線運動を限定する。可変長駆動部12は連結部20を有し、連結部は第一接合部24と第二接合部26とにより回転部14と連結する。
【0058】
回転部14は可変長駆動部12とピストン18の直線運動により回転する。回転部14と可変長駆動部12とアーム16は効果的に連結し、可変長駆動部12の直線運動をアーム16の回転運動に転換する。図が示すとおり、回転部14と可変長駆動部12は回転軸30の所で連結する。可変長駆動部12とピストン18が直線運動を行うと、回転部は軸30を中心として回転運動する。
【0059】
図が示すとおり、回転部14は軸30を中心に回転運動を行う円形構造である。回転部14は2つのアルキメデス螺旋形スロットまたは軌道40、42を有しているが、それぞれが連結し、可変長駆動部12の第一接合部24と第二接合部26の力を受ける。
【0060】
図2で説明したとおり、軌道40と42はアルキメデス螺旋またはそれに近似する弧線により形成されている。ゆえに、可変長駆動部12のピストン18が直線運動を行う時、軌道40と42は共に接合部24、26により直線運動を回転部14と回転部14に固定連結されたアーム16の回転運動に転換する。
【0061】
作動時には、可変長駆動部12はオイルパイプ22と23の制御を受ける。圧力オイルは液圧シリンダー25の中でピストン18を押し直線運動により外に伸長させる。ピストン18が直線運動する時、対応軌道40と42にある接合部24と26は接合力を回転部14に伝達する。接合部24と26は軌道40、42に沿って滑動する。
【0062】
接合部24と26がアルキメデス螺旋軌道40、42の中で同一方向への運動を行う時、共に直線運動による力を回転部14に伝導し、回転部14を軸30を中心に回転させ、固定連結したアーム16も回転させる。ピストン18が液圧シリンダー25内で直線収縮する時、回転部14と固定連結したアーム16に逆方向の力を加え、逆回転させる。
【0063】
図4は、当該実施例の直線回転駆動装置210である。アルキメデス螺旋を利用して作成した貫通スロット240は直線運動を扉または窓の回転運動に転換する。図が示すとおり、駆動装置210は、第一部品または可変長駆動部212、軌道またはスロット240を有する接続部品214、接続部品214と可変長駆動部212と運動して接合する第二部品216を有する。
【0064】
可変長駆動部212は歯車装置または連結装置220を採用できる。装置220は可変長駆動部212に直線駆動力を与える。装置220はウォーム歯車を使った装置を採用することもでき、この場合、モーター222と円形ロッド218を有する電動直線駆動器となる。装置220はモーター222と駆動円形ロッド218を連結し、駆動円形ロッド218に選択的な往復直線運動をさせる。
【0065】
図が示すとおり、駆動円形ロッド218にはねじ山部分がある。装置220には駆動円形ロッド218に適合する内ねじが設けられている。駆動円形ロッド218は装置220に対して直線運動でねじ穴を出入りする。駆動円形ロッド218のねじ山部分が装置220の穴から旋回しながら出入りする時、駆動円形ロッド218の運動は直線運動である。
【0066】
図が示すとおり、接続部品214は板構造または非円構造の支柱板とすることもできる。接続部品214と第二部品216は例えば扉または窓と固定連結できる。接続部品214にはさらにアルキメデス螺旋形の軌道または方向限定スロット240が設けられている。図が示すとおり、方向限定スロット240と円形ロッド218の接合部224は係合する。接合部224が方向限定スロット240に沿って滑動する時、円形ロッド218の直線運動は接続部品214と固定連結した第二部品216を回転させる。
【0067】
図から分かるとおり、扉または窓である第二部品216はまたドアヒンジ226とドア枠228と結合し、第二部品216は接続部品214により回転する。
【0068】
操作の際には、遠隔操作器または手動制御電動機222を使用し駆動円形ロッド218に直線運動をさせることができる。駆動円形ロッド218が直線運動を行う時、接合部224はアルキメデス方向限定スロット240の中で滑動する。接合部224はアルキメデス方向限定スロット240の軌道に沿って接続部品214を回転させる。こうしてディスク214と連結する部品216もドア枠228に対して相応の回転を始める。
【0069】
単一の回転部では、単線アルキメデス螺旋の回転半径は回転角の変化に従って変わり、直接に回転部のトルク変化に影響する。トルクのこうした変化は直線回転駆動装置の動態応用にマイナス影響を与える。そのため、直線運動を回転運動に転換する過程において、直線回転駆動装置のトルクを一定に保つのは非常に重要である。
【0070】
図5-7は、直線回転運動の転換過程における直線回転駆動装置310が一定トルクを保つ実施例である。駆動装置310は第一部品または可変長駆動部312、回転部314と315、回転運動の執行部品316を有する。
【0071】
可変長駆動部312には、油圧シリンダー・ピストンの装置または気圧シリンダー・ピストン装置を採用できる。図が示すとおり、油圧シリンダー・ピストン装置320は油圧シリンダーとピストン318を有する。ピストン318は、連結部322、回転部314と315に配置された複数の接合部324と326を有する。回転部314と315は、第一部品312の直線運動を第二部品316の回転運動に転換する。
【0072】
図4が示すのは直線/回転駆動装置310である。図にあるとおり、可変長駆動部312は油圧シリンダー・ピストン装置320を採用することができる。ピストン318は直線往復運動を行う。可変長駆動部312は、連結部322に設置された複数の接合部324と326、回転部314、315と共にピストン318の直線運動を回転部314と315の回転運動に転換する。
【0073】
図が示すとおり、回転部314には二重スロットまたは二重軌道340、342が設けられ、回転部315は二重スロットまたは二重軌道344、346を有する。軌道340、342、344、346はいずれも
図2で定義したアルキメデス螺旋の相似軌道である。接合部324と326にはピストン318から反対方向に伸びる2つの末端があり、それぞれの末端は相対応するアルキメデス螺旋スロット340、342、344と346中に挿入される。
【0074】
如
図6と7が示すとおり、アルキメデス螺旋スロット340と342は回転部314を中心として対称に排列されている。スロット340と342はトルク変化を一定トルクにするよう平衡を取る。このため、駆動アームまたはピストンロッド318が一定の長さの範囲内で直線運動をする時、アルキメデススロット340と342を同時駆動し、当該駆動過程においてトルクの恒常性を保つ。
【0075】
如
図5が示すとおり、接合部324、326の相対側面に装着されたアルキメデススロットを有する回転部314、315は相対的に逆回転する。回転部314、315のアルキメデス螺旋は一致させる必要はない。独立した回転部のアルキメデス螺旋はρ=αθにおいて異なる定数を持つことができる。ただ、この2つの独立回転部が異なる角度に対して同一の直線運動長さを有していれば、互いに適した回転を保つことができる。単一ディスク上に約180oで設けたアルキメデススロット340、342に対し2つの回転部314、315を組み合わせることにより、相対角度の変化は倍増して約360oとなる。
【0076】
操作過程において、可変長駆動部312はシリンダー内の液動または気動圧力を受動的に受け、圧力がピストン318を動かす。ピストン318は直線往復運動を行うよう限定され、接合部324と326に直線運動を行わせる。同時に、接合部324と326はアルキメデス螺旋スロット340、342、344、346に沿ってそれぞれ滑動するよう限定され、回転部314、315の回転を促す。
【0077】
図8は第一部品または可変長駆動部412の直線運動を一個または複数の第二部品または回転部414、415の回転運動に転換する液圧駆動直線回転駆動装置410の実施例である。直線回転駆動装置410は液体圧力または気体圧力による駆動力を生じる。このように、直線回転駆動装置410中の可変長駆動部412は液圧シリンダー/ピストンアセンブリでも気圧シリンダー/ピストンアセンブリのいずれでも良い。
【0078】
可変長駆動部412は、油圧シリンダー436、油圧シリンダー436と連結するピストン418、および外部シリンダー434を有する。可変長駆動部412の連結側には長手ロッド420がある。長手ロッド420とピストン418は固定連結されており、外部シリンダー434の中で往復直線運動を行う。可変長駆動部412には一組の横向貫通ピンまたは接合部424、426があり、長手ロッド420から横向きに外に伸び、回転部414、415と相互に作用する。
【0079】
外部シリンダー434上には複数のスロット432a、432bまたは穴が設けられている。外部シリンダー434上のこれらスロット432a、432bは接合部424と426と相対する位置にある。操作過程において、スロット432aと432bは接合部424、426に直線運動を行わせ、接合部424、426と回転部414、415を効果的に接合する。
【0080】
接合部424、426の末端にはリング448が装着され、接合部424、426が直線運動を行う時その末端と回転部414と415の接触が回転滑動となるようにしている。
【0081】
図が示すとおり、2つの回転部415、414は軸430に沿って可変長駆動部412の両側に接続されている。回転部414、415は普通のディスク形構造になっており、各部に2つの軌道が設けられている。回転部414は2つの軌道440、442があり、回転部415は2つの軌道444、446を有する。軌道は対応する接合部424と426を制限する。各軌道440、442、444、446はいずれもアルキメデス螺旋状になっており、回転運動の際にトルクの平衡を保ち駆動トルクが安定する働きをしている。図が示すとおり、アルキメデス軌道440、442の設定方向と軌道444、446は反対で、回転部414と415が接続部品に伝達するトルクの平衡が取れるようにしている。
【0082】
操作過程において、可変長駆動部412は選択的にシリンダー436中の液圧または気圧を受ける。圧力はピストン418に作用し、ピストン418は外部シリンダー434の中で直線往復運動をする。同時にピストン418が固定連結する長手ロッド420も外部シリンダー434の中で直線運動を行う。こうして、接合部424、426は回転部414、415と接合しつつそれぞれのアルキメデス螺旋軌道440、442、444、446の限定を受けて滑動する。回転部414と415は軸430を中心に回転し直線運動を回転運動に転換する。
【0083】
アルキメデス螺旋原理を応用した直線回転駆動装置のコンセプトは他の実施例にも広く活用できる。例えば安全を考慮し、直線回転駆動装置には、アルキメデス螺旋スロット付きの主軸頭を設けることができる。応用に際しては、アルキメデス螺旋スロット内で滑動するロッドの終端に自動フックを付ける。力の方向が下向きの時、自動フックは下向きの力で主軸頭を下方位置に下げる。ロッドがスプリングの上向きの弾力作用を受ける時には、主軸頭は直線応力の作用で上向きに動く。
【0084】
別の実施例としては、アルキメデス直線回転駆動装置の相対転角増大という特性を四連ロッド駆動装置に応用できる。一対の同一非円形状回転部またはアルキメデス補助具を第一部品または滑動部品の片側に装着する。ねじの滑動部品が手動クランクまたはモーターで駆動される時、同一のアルキメデススロットのシャフト付き垂直棒が連動装置の上下運動を生じさせる。連動装置の最高点と最低点の間の回転角度は単一アルキメデス回転角の2倍である。また、ねじ込み過程の一定の連結位置で、自動的にロックを行うこともできる。
【0085】
本発明は直線・回転運動転換の駆動装置で、主に直線運動を行う可変長駆動部および回転運動を行う回転部を有する。可変長駆動部は固定端と可動端を有し、可動端は固定端に対して直線運動を行い、可動端の外には一個以上の接合部がある。回転部は一個以上あり、各回転部には一個以上のアルキメデス螺旋またはアルキメデス螺旋に近似した円弧曲線の軌道が設けられている。可変長駆動部の接合部は、滑動しつつ回転部の対応する軌道に挿入され、二者が共同して可変長駆動部の可動端の直線運動を回転部の回転運動に転化する。
【0086】
このうち、可変長駆動部は既知の直線運動装置を用いることができ、軌道の形は貫通式、非貫通式方向限定スロットまたは他の方向限定構造を採用できる。回転部はディスク状、長方形板状またはヒンジ付きアーム、ロッド型、ディスク形部品、歯車、軸類など回転運動を行うどんな部品でも良い。
【0087】
次に、回転運動を部品の伸長・収縮などの直線運動に転換する径方向制御システムの具体的実施方法について説明する。
【0088】
全体的に見ると、本発明の径方向制御システムは下記の部分を有する:システムケースで、当該ケースには誘導通路が少なくとも一つのものを含む。滑動部品が少なくとも一つあり、滑動しつつ誘導通路に収納され、選択的に伸長または収縮して機構部と連結し一つに固定される。滑動部品に設けられている長尺連動部品。回転部は操作を受けてケース上に装着されるもので、回転部にはアルキメデス螺旋の彎曲誘導通路が少なくとも一つあり、連動部品が彎曲誘導通路の中に設置されている。回転部の選択的回転は回転を連結する滑動部品の直線運動に変換する。逆に、滑動部品の選択的直線運動が回転部の回転に変換される。
【0089】
以下に、幾つかの具体的実施例を挙げ、本発明の径方向制御システムについて説明する。
【0091】
図9と10は、実施例一の径方向制御システム50を示したものである。この実施例では、径方向制御システム50は、システムケース52を有し、ケースには中央の穴51と複数の誘導通路またはスロット、図中の第一誘導通路54、第二誘導通路56、第三誘導通路58がある。ケース52の形状はほぼ正方形だが、ケース52は異なる形状でも良い。滑動部品−−図中の第一滑動部品60、第二滑動部品62、第三滑動部品64−−は滑動しつつ対応する誘導通路54、56、58にある。誘導通路54、56、58は相応の滑動部品60、62、64の滑動または往復運動を導き限定する。この実施例では、各滑動部品60、62、64の形状は異なっている。例えば、第一滑動部品60は長尺円柱形に、第二滑動部品62は長方形に、第三滑動部品64は長尺六角形の部品となっている。
【0092】
回転ディスク形式の回転部70は操作を受けて滑動部品60、62、64に連結し、滑動部品60、62、64がケース52に対して選択的伸長または収縮を行うようにする。滑動部品60、62、64は、滑動部品60、62、64のそれぞれの底部付近の空間で連結して伸びる連動部品、すなわち第一滑動部品60の第一連動部品61、第二滑動部品62の第二連動部品63、第三滑動部品64の第三連動部品65を有する。連動部品61、63、65の構造は、滑動部品60、62、64に固定された小円柱形部品、または回転しながら滑動部品60、62、64に装着される棒が理想的である。
【0093】
回転部70には、複数の彎曲誘導通路72、74、76がある。彎曲誘導通路72、74、76は対応する連動部品61、63、65を有する。彎曲誘導通路72、74、76にはアルキメデス螺旋が設けられている(アルキメデス螺旋曲率を有する)。回転部70が回転する時、彎曲誘導通路72、74、76はそれを滑動部品60、62、64の直線移動運動に転換する。回転部70には、工具を選択的に插入することにより選択的に回転部70を回転させる挿入口または凹部71を設けることもできる。使用者の好みと必要に応じ、回転部70を軸とした角度のほかに、彎曲誘導通路72、74、76は同一形状でもよく、こうすると、滑動部品60、62、64が曲線の一端から別の一端まで同一の距離を移動するようになる。アルキメデス螺旋は、どのような回転弧度に対しても一定範囲内の異なる距離で対応する。
【0094】
例えばこの実施例では、第一彎曲誘導通路72と第二彎曲誘導通路74の形状と寸法は基本的には同一である。そのため対応する第一滑動部品60と第二滑動部品62はいずれも同一距離を移動する。この実施例での回転弧度は70°で、第一滑動部品60と第二滑動部品62が相応曲線を通って回転し、曲線の一端から別の一端まで押されて、または引かれて移動する距離は約12mmである。一方、第三彎曲誘導通路76での第三滑動部品64の移動距離は8mmだが、これは50°の回転弧度で行われる。もし第三彎曲誘導通路76の螺旋形状をさらに20°延長すれば、第三滑動部品64の実際の移動距離は8mmを超える。しかし、回転部70の寸法、空間的余裕、または設計上の必要などの理由から、第三彎曲誘導通路76に完全な70度の弧度を与えることは不可能である。三つの滑動部品60、62、64の運動を指定回転弧度内に納めるため、第三彎曲誘導通路76には補助スロット77が設けられている。補助スロット77は回転部70の直径と同心で、指定回転弧度の延長部分(すなわち20°の延長)に相当するスロットである。当該補助スロット77はまた、第三滑動部品64の運動を妨げることで自動ロック機能も果たしている。ただし回転部が補助スロット77の起点に戻っている場合は別である。
【0095】
径方向制御システム50は、組立部品など各種の異なる環境に用いることができ、特定の付属部品を加え、滑動部品60、62、64に対応する収納穴または開口部を設けて連結させることができる。これにより、付属部品の配置や連結の混乱を防ぐことにもなる。別の用途には固定機能があり、滑動部品60、62、64の形状を変えることにより、専用または非標準ロックともなり不慮の改変を防ぐこともできる。
【0097】
図11は、径方向制御システムの別の実施例を示したものである。この実施例では、径方向制御システム150は、滑動部品をその伸長または収縮位置に固定するシステムを有する。
【0098】
図が示すように、径方向制御システム150は中空で筒形のケース152を有し、当該筒形ケース152には周方向に間隔を置いた複数の誘導通路154または開口部がある。誘導通路154は径方向に伸び筒形ケース152の壁に至るが貫通していない。滑動部品160は滑動しつつ誘導通路154に収納され、誘導通路154は滑動部品160の通路または往復運動を制限または限定する。滑動部品160は滑動部品160の上部付近から連結して伸びる長尺連動部品161を有する。長尺誘導スロット155は当該壁に設けられており相応の誘導通路154と相通じている。誘導スロット155の連動部品161は貫通しその中に留まる。誘導スロット155の厚さは連動部品161より短いものが望ましく、連動部品161と回転部170が接合できるようにする。
【0099】
ケース152の一端には凹部153があり、当該凹部153の形状と寸法は回転部170を収納できるものとする。この実施例では、回転部170は、回転部170を貫通する厚さで軸向きに伸びる鍵穴178が少なくとも一対あるリング型ディスクとなっている。回転部170の片側には複数の彎曲誘導通路またはスロット172があり、誘導スロット172には操作可能な連動部品161が収納されている。回転部170には、外周リング型スロット176を加えることもでき、回転部170がケース152上のクラッチリング(図面未記載)に確実に装着されるようにする。別の実施例
図16にはこの種のクラッチリング237の用例が図示されている。
【0100】
径方向制御システム150はまた、選択的に回転部170を対応する滑動部品160が完全に収縮または伸びた位置に固定する固定装置180を有する。固定装置180には、スプリング184の圧縮により伸び、位置を固定する長尺固定支柱182がある。固定支柱182とスプリング184はいずれもケース152の別の一端付近の固定凹部183内に設置されている。固定支柱182の先端または上端には接合頭部186を加えることもできる。当該接合頭部は鍵150と相互作用を行う部品で、通常、伸長、固定位置で回転部170が相対的に回転することを防ぐストッパーとなる。固定支柱182の直径は、鍵穴178の直径より大きくすることが望ましい。接合部186の直径は鍵穴178に合うよう十分小さくすることが望ましい。この構型構造により、固定支柱182の通常固定位置は回転部170の側面に軸方向に接し、接合頭部186は鍵穴178内に残ることで、効果的に回転部170を固定する。
【0101】
固定装置180の操作用として、径方向制御システム150は鍵190を有する。鍵190には長尺ハンドル192とそこから垂直に伸びた一対の長尺支柱または鍵状(すなわち第一鍵状部品193と第二鍵状部品194)のレンチを加えることもできる。鍵状部品193、194は鍵穴178を通過する構造になっている。鍵状部品193、194のうち少なくとも一つは、固定支柱182と相互に作用する構造とする。この実施例において、第二鍵状部品194の遠端には接合頭部195を加えることができ、こうして第二鍵状部品194は第一鍵状部品193より長くなる。あるいは、鍵状部品194は鍵状部品193より長いが、接合頭部195がない設計とすることもできる。使用者が鍵190を鍵穴178に差し込むと、第二鍵状部品194は接合頭部195により接合頭部186の圧縮力に抵抗し、接合部186と鍵穴178は分離する。この時、使用者は鍵190を回して回転部170を回転させる。この実施例において、回転部170が滑動部品160の完全収縮位置(すなわちケース152に対する軸収縮)にまで回転した時、固定装置180はスプリング184の作用で自動的に鍵穴178に接合する。
【0102】
前述の径方向制御システム50と同様、径方向制御システム150も各種の用途に活用できる。例えば、径方向制御システム150でケース152を插入する機構部を挟み込むことができる。挟むことによる作用は、滑動部品160がケース152の軸に向けて収縮する時に生じる。別の使用例としては、対応する穴(その寸法は滑動部品160に適合するよう設計する)を持つ単独の機構部による同一類型の動作を選択的に連結する方法がある。
【0104】
図12-15は、径方向制御システム250の別の実施例を示したものである。この実施例において、径方向制御システム250は機構部の内と外の連結または固定に用いられる。
【0105】
図12と13から一層明確に理解できるとおり、径方向制御システム250は、中空で筒形のケース252を有し、筒形ケース252の回りには周方向に間隔を開けて設けられた少なくとも2対の誘導通路または開口部254、256がある。一対の第一誘導通路254はケース252の径方向に相対する位置に設けられ、一対の第二誘導通路256もケース252の径方向に相対する位置に設けられ第一誘導通路254と連結する。誘導通路254、256は筒形ケース252を貫通し壁径方向に伸びる。第一滑動部品260は滑動しつつ第一誘導通路254内に収納され、第二滑動部品262も滑動しつつ第二誘導通路256内に収納される。誘導通路254、256は滑動部品260、262の通路または往復運動を制限し限定する。滑動部品260には相応する第一滑動部品260の上部付近から連結して伸びる長尺連動部品261があり、第二滑動部品262には相応する滑動部品262の底部付近から連結して伸びる長尺連動部品263が設けられている。
【0106】
ケース252の一端の寸法は、回転部270の凹部(未図示、ただし前述の実施例における凹部153と基本的に同一)を収納できるように設計されている。この実施例において、回転部270は少なくとも一対の回転部270の厚さを貫通して伸びる鍵穴278のリング型ディスクを有する構造になっている。
図16が明確に示すとおり、回転部270の一面には少なくとも2対の彎曲誘導通路またはスロットが設けられている。第一滑動部品260の連動部品261は操作を受けて一対の第一誘導スロット272中に収納される。同様に、第二滑動部品262の連動部品263も操作を受けて一対の第二誘導スロット274に収納される。回転部270にはまた、その外表面を囲むリング型スロット276があり、クラッチリング277により回転部270がケース252上に確実に装着されるようにする。
【0107】
第一誘導スロット272は、指定された回転部270の回転弧度に応じ、相応する滑動部品260の選択的な収縮と伸長に用いられ、ケース252の内側部分に連結し固定される。この時、当該部分は長尺軸またはロッド270で、その中を貫通して垂直に伸び、装着が完了した際に完全に対応して第一誘導スロット254相通する穴272を有している。第一誘導スロット272は同一の極座標方向に螺旋が伸びているが、2つのスロット272の配置は図が示すように180°分離している。
【0108】
逆に、第二誘導スロット274は、回転部270の指定回転弧度に従い、相応する滑動部品262の選択的伸長と収縮を行い、ケース252の外側部分への連結と固定を行う。この時、当該部分は外中空筒形ケース290で、選択的にケース252を挿入する中央開口部293を有している。外殻ケース290には一対の径方向に相対する穴292があり、装着完了時に完全に対応し第二誘導通路256と相通する。第二誘導スロット274は同一の極座標方向に沿い螺旋が伸びているが、2つのスロット274の配置は図が示すように180°分離し、さらに、螺旋方向と第一誘導スロット272の螺旋方向は反対になっている。この実施例において、軸295が外殻ケース290の円形形状により良く適合するよう、各滑動部品260、262には彎曲の端部を設けるのが望ましい。
【0109】
径方向制御システム250はまた、固定装置280も有している。この実施例において、固定装置には、相応のスプリング284で圧縮され伸長し位置を固定する一対の長尺固定支柱282がある。固定支柱282の構造は前述の固定支柱182と同一である。固定装置280と固定装置180は基本的に同一の方式で操作し、前述の鍵190と相似した鍵(図面未記載)を利用するが、その鍵は2つの鍵状部品に接合頭部を持たせるか、または2つの鍵状部品長さは同一とする。
【0110】
使用に際しては、鍵は回転部270を一方向に向かって選択的に、予定の回転弧度だけ回転させ、第一滑動部品260を軸295の穴296の中に収縮させる。また、第二滑動部品262は外殻ケース290の穴292の中に伸長する。回転部270は反対方向に回転して上記の過程を逆転させる。固定装置280は、回転部270を1または2回転後の位置に固定する構造とする。このように、径方向制御システム250は、内・外部機構部の同時連結または固定に用いられる。しかしながら、上記の説明では滑動部品260、262と対応する彎曲誘導通路またはスロット272、274を中心に記述したが、本文で説明した実施例のいずれにおいても、ケース内とケース周囲のどの位置にも任意数の滑動部品と彎曲誘導通路を採用し選択的な収縮と伸長を行わせることができる。これはどのようなロックによる連結を望むかによって決まる。
【0112】
図17-19は、径方向制御システムのもう一つの実施例を示したものである。この実施例において、径方向制御システム350は選択した位置で接続部の固定に用いることができ、固定装置を加えることができる。
【0113】
図17と18が明示するように、径方向制御システム350は中空で筒形のケース352を有し、筒形ケース352の周囲には周方向に間隔を置いて設けられた複数の誘導通路または開口部354がある。誘導通路354は筒形ケース352を貫通し壁の径方向に伸びる。滑動部品360は滑動しつつ誘導通路354内に収納され、誘導通路354は滑動部品360の通路または往復運動を制限し限定する。滑動部品360は、相応する滑動部品360の底部付近から連結して伸びる長尺連動部品361を有する。長尺誘導スロット355はその壁中にあり、相応の誘導通路354と相通する。連動部品361は誘導スロット355を貫通してその中に留まる。この実施例において、径方向制御システム350は六個の滑動部品360を有し、複数の噛合せ固定点が存在する。
【0114】
ケース352の一端には、クラッチリング359を設置するリング型スロット357があり、径方向制御システム350が選択的かつ確実に対応する凹部またはスロット中に装着されるようにする。ケース352に相対する側部上には円形回転部370が設けられている。回転部370の片側には複数の彎曲誘導通路またはスロット372があり、誘導スロット372には移動可能な連動部品361が収納されている。
【0115】
径方向制御システム350はまた、ケース352と回転部370を密閉し保護する外殻ケース、外殻またはカバーを有する。外殻ケース390には下に説明する固定装置を設置する中央開口部393がある。外殻ケース390の周囲には周方向の壁に複数の外部開口部または穴がある。外部開口部392の数と滑動部品360の数は一致する。組立が完了した際、滑動部品360は相応の外部開口部392に伸び、外殻ケース390を固定する。
【0116】
前記回転部370の回転を制御しその相対的位置を固定するため、径方向制御システム350はまた固定構造380を有する。固定構造380には中央開口部393に装着した長尺固定支柱382がある。固定支柱382の一端には挿入口387があり、別の一端には接合頭部386がある。挿入口387は選択的に工具(例:六角棒レンチ)または鍵を挿入できる構造になっている。
図17と18が明示するように、回転部370の相対面には長尺スロット371がある。長尺スロット371は本来、板ばね383を収納し、板ばね383には、接合頭部386を収納するのに十分な寸法を持つ長尺接合スロット385がある。この実施例において、接合頭部386と接合スロット385の形状はいずれも長方形である。
【0117】
その使用において、板ばね383は常態下で圧縮されず、接合頭部386は接合スロット385に収納され、回転部370は効果的に固定されている。回転部370を回転させるため、使用者は工具または鍵を挿入口387に挿入して固定支柱382を内向きに回転させ、こうして長尺スロット371内の板ばね383を圧縮または展開させる。一定程度まで展開すると、固定支柱382の継続する回転が回転部370を回転させ、滑動部品360の伸長または収縮を促す。以上過程を逆転させると反対の作用を生じる。
【0119】
図20は径方向制御システムのもう一つの実施例を示したものである。この実施例において、径方向制御システム450を機構部を複数の位置で同時に連結または固定するために使用できる。
【0120】
図が示すように、径方向制御システム450は中空のケース452を有し、当該ケースには放射状に外向きに伸びる複数のサブケース451がある。この実施例において、4つのサブケースは結合方向に沿って径方向に伸び、最後のサブケースはケース452の後部から伸びる。各サブケース451は中空の筒形支柱を形成するのが望ましく、サブケース451と結合しつつ伸びる誘導通路454を設ける。一対の滑動部品460が滑動しつつ各誘導通路454内に収納され、誘導通路454は滑動部品460の通路または往復運動を制限し限定する。各滑動部品460は相応の滑動部品460の底部付近から結合して伸びる長尺連動部品461を有する。
【0121】
各サブケース451内には円形回転部470が設けられている。回転部470の片側には複数の彎曲誘導通路またはスロット472があり、当該彎曲誘導通路/スロットは連動部品461が操作を受けてその中に収納される構造になっている。回転部470の別の側にはかさ歯車471が設置されている。組立が完了した際には、5つの回転部470すべては相応のかさ歯車471と一つに連結する。
【0122】
回転部470に同時回転をさせるため、径方向制御システム450にはケース452の前部に起動装置482が装着されている。この実施例において、起動装置482は円錐台部品で、その片側には鍵または工具を選択的に受け入れる挿入口487があり、別の側にはかさ歯車486が設けられている。かさ歯車486は隣接するかさ歯車471と連結する。
【0123】
操作の過程で、使用者は六角棒レンチなどの工具または鍵を挿入口487に挿入し、起動装置482を選定する方向に回転させる。起動装置482の回転は、かさ歯車471、486の互相連結によりすべての起動装置470の同時回転を促す。こうして、起動装置482の回転方向に従って、すべての滑動部品460が伸長または収縮する。
【0124】
図21と13は、径方向制御システムのさらに別の実施例である。これらの実施例では、滑動部品の径方向運動は回転部の回転により駆動されるのではなく、当該径方向運動は少なくとも一つの滑動部品の位置により伝達、すなわち直線運動が回転運動に転換される。
【0126】
図21が明示するように、径方向制御システム500の構造は前記多数の実施例と基本的に同一である。径方向制御システム500は、中空の筒形ケース512、複数の誘導通路または開口部514、滑動しつつ誘導通路514内に収納される複数の滑動部品520、各滑動部品520(すべてではなく、滑動部品の少なくとも一つには連動部品を設けない)上にある長尺連動部品521、リング型回転部530、複数の彎曲誘導通路532、回転部530を確実にケース512上に装着するクラッチリング537を有する。
【0127】
この実施例において、径方向制御システム500は直線起動装置580を有する。直線起動装置580には、回転しながらケース512の片側から径方向に伸びる凸形台511内に装着される駆動支柱、軸またはロッドがある。駆動軸582の一端には挿入口587があり、選択的に工具または鍵を挿入でき、別の一端にはリング型安定スロット583があって、当該リング型安定スロットとケース512の一端を貫通して插入される安定ピン581と相互に作用する。安定ピン582は安定スロット583内に留まり駆動軸582が操作期間に凸部511に対して軸向き運動を起こすことを防止する。こうして駆動軸582の相対的位置が安定し維持される。
【0128】
長尺ボルト584は駆動軸582から軸方向に伸び、その上のねじにより接続部品586に連結する。接続部品586は滑動部品520を貫通して相応する彎曲誘導通路532内に伸びる長尺駆動連動部品585に連結し、当該駆動連動部品585はボルト584と結合するよう配置される。
【0129】
操作の過程では、回転部530の回転に替えて、使用者は挿入口587に挿入する鍵または工具を使用して駆動軸582を回転させる。駆動軸582の回転はボルト584を回転させ、回転方向に従って接続部品586を押すまたは引く。接続部品586の押し引きは連結する滑動部品520の収縮または伸長を促す。駆動連動部品585と彎曲誘導通路532は連結し、駆動連動部品585の直線運動が回転部530を回転させ、他の滑動部品520の同時伸長と収縮を促す。この実施例においては、彎曲誘導通路532は駆動連動部品585により駆動される。彎曲誘導通路532はアルキメデス螺旋原理により作成され、特に当該曲線を平坦にして一致させることにより、直線運動から回転運動への転変のために最小限の力を用いるだけで良い。この種の曲線一致により、予備の回転弧度内に加える力の大きさはすべて同一となる、すなわち、駆動連動部品585を彎曲誘導通路532に沿って直線移動させるために必要な力の当該曲線上における任意点はすべて同一となる。
【0131】
図22が示すように、径方向制御システム600の構造は、径方向制御システム500と基本的に同一である。径方向制御システム600は、中空の筒形ケース612、複数の誘導通路614または開口部、滑動しつつ誘導通路614内に収納される複数の滑動部品620、滑動部品620(すべてではなく、滑動部品の少なくとも一つには連動部品を設けない)上の長尺連動部品621、リング型回転部630、複数の彎曲誘導通路632、回転部630を確実にケース612上に装着するためのクラッチリング637を有する。
【0132】
この実施例において、径方向制御部品600は直線運動起動装置680を有している。直線運動起動装置680には、一端が回転しながら偏心カム684上に装着する駆動支柱、軸またはロッドがある。偏心カム684はケース612の片側に設けられ、駆動ロッド682は側面開口部611を貫通して径方向にケース612中まで伸びる。偏心カム684は、駆動ロッド682の連結部を超える筒形補助具の構造になっている。駆動ロッド682の旋回軸または回転軸は、筒形補助具の軸から離れている。偏心カム684の一端には挿入口687があり、選択的に工具をまたは鍵650挿入できる。この際の工具650は六角棒レンチでも良い。駆動ロッド682の別の一端は滑動部品620を越えて相応する彎曲誘導通路632中に伸びる長尺駆動連動部品685に連結し、当該駆動連動部品685はねじ駆動ロッド682と結合するように配置されている。
【0133】
操作の過程で使用者は、回転部630を回転させるのではなく、工具650を使用して偏心カム684を回転させる。偏心カム684の回転は、回転方向に従って、駆動ロッド682を直線的に押すまたは引く。駆動ロッド682は側面開口部611内で往復運動を行うよう制限される。接続部品が駆動するロッド682の押し引きは、連結する滑動部品620の収縮または伸長を促す。駆動連動部品685は彎曲誘導通路632と連結するため、駆動連動部品685の直線運動は回転部630を回転させ、他の滑動部品620の同時伸長と収縮を促す。このように、径方向制御システム600の機能と操作は、径方向制御システム500と基本的に同一だが、駆動部品は偏心カムでボルト型ではない。
【0134】
前記すべての実施例において、径方向制御システム50、150、250、350、450、500、600は、少なくとも一つのアルキメデス螺旋の彎曲誘導通路の回転部、滑動部品および滑動しつつ彎曲誘導通路に連結する連動部品、および滑動部品の往復運動を制限する誘導通路と関係している。アルキメデス螺旋の原理は、滑動部品が相対的に順調に伸長し収縮する助けとなるが、その理由は多くの使用者が定義する彎曲誘導通路という構造にある。彎曲誘導通路の相対角の配置(すなわち彎曲誘導通路が回転軸に対する全体的伸長方向)は急なものでも平坦なものでも良いが、回転から直線への変換または直線から回転への変換による滑動部品の移動が必要とする力を理想的な最低限度に抑えるような配置にする必要がある。
【0135】
特筆すべきなのは、径方向制御システム50、150、250、350、450、500、600の代替案として多種のオプションが利用できる点である。例えば、上記のシステムには、そのいずれに対しても木材、プラスチック、鋼材、複合材料、その組合せなどあらゆる材料を使用することができる。径方向制御システムの一部または全部に対して、区分用の色や標記を用いることもできる。各種実施例の用途も、上に挙げたものに限る必要はない。径方向制御システム50、150、250、350、450、500、600は、機構部の選択的固定連結が必要となる各種の状況に適用できる。また、滑動部品の数とその方向性、彎曲誘導通路の具体的構造とその方向性、および滑動部品と対応する誘導通路の形状などは、すべて使用者の希望と要求に基づき変化させることができる。
【0136】
前記したものは本発明の単なる最善の実施例にすぎず、本発明に対していかなる形式上の制限を課すものではない。本分野の技術者が上に開示した技術内容に基づいて行う、簡単な変更、均等の改変または修飾などは、いずれも本発明の保護範囲に属するものとなる。
【国際調査報告】