特表2017-505893(P2017-505893A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-505893(P2017-505893A)
(43)【公表日】2017年2月23日
(54)【発明の名称】熱交換器装置および熱源ユニット
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/00 20060101AFI20170203BHJP
   F28F 9/26 20060101ALI20170203BHJP
【FI】
   F28F9/00 321
   F28F9/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-552300(P2016-552300)
(86)(22)【出願日】2015年2月12日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月29日
(86)【国際出願番号】CN2015072861
(87)【国際公開番号】WO2015120803
(87)【国際公開日】20150820
(31)【優先権主張番号】201410053051.0
(32)【優先日】2014年2月17日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515258882
【氏名又は名称】ダンフォス・マイクロ・チャンネル・ヒート・エクスチェンジャー・(ジャシン)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】シュ,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】タッカー,ジェフリー・リー
(72)【発明者】
【氏名】リウ,リウシャン
【テーマコード(参考)】
3L065
【Fターム(参考)】
3L065AA11
3L065FA19
(57)【要約】
冷却ユニットで使用するための熱交換器装置および熱源ユニットが提供される。熱交換器装置は、少なくとも1つの熱交換器モジュール(100)を備える。熱交換器モジュール(100)は、互いに対向して組み合わされる2つの熱交換器ユニット(10および20)を備える。2つの熱交換器ユニット(10および20)のうちの少なくとも1つは、2つの熱交換器ユニット(10および20)の少なくとも1つの末端上の隣接する2つの縁部(cおよびd)の間の角度が、2つの熱交換器ユニット(10および20)の本体部(12および22)の間の角度より小さいように屈曲され、したがって、熱交換のために領域が増加される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換装置が、少なくとも1つの熱交換器モジュールを備え、
前記熱交換器モジュールが互いに面して組み合わされる2つの熱交換ユニットを備え、縁部が少なくとも一端で隣接する前記2つの熱交換ユニットの2つの縁部の間の挟角が前記2つの熱交換ユニットの本体部間の挟角より小さくなるように、前記2つの熱交換ユニットのうちの少なくとも1つが屈曲している
ことを特徴とする、
水冷却ユニットのための熱交換装置。
【請求項2】
縁部が少なくとも一端で隣接する前記2つの熱交換ユニットの2つの縁部間の挟角が、0°〜15°の範囲である
ことを特徴とする、
請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項3】
前記2つの隣接する縁部の間の最小離隔距離が、0〜100mmの範囲である
ことを特徴とする、
請求項1または2に記載の熱交換装置。
【請求項4】
前記2つの熱交換ユニットのうちの一方が、屈曲状態熱交換器であり、他方が、屈曲していない平板熱交換器である
ことを特徴とする、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱交換装置。
【請求項5】
前記屈曲状態熱交換器が、本体部と、本体部に接続される前部および後部とを有し、
前記前部/後部が、曲げ軸に沿って平板熱交換器を曲げることによって形成される
ことを特徴とする、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱交換装置。
【請求項6】
前記前部/後部がそれぞれの本体部から外方へ延在し、前記前部/後部と前記本体部との間の挟角が0〜90°の角度範囲である
ことを特徴とする、
請求項5に記載の熱交換装置。
【請求項7】
前記曲げ軸と前記屈曲状態熱交換器の前記前部または後部の上縁または下縁との間の挟角が、鋭角である
ことを特徴とする、
請求項5または6に記載の熱交換装置。
【請求項8】
前記2つの隣接する縁部が、平行または略平行である
ことを特徴とする、
請求項2〜7のいずれか一項に記載の熱交換装置。
【請求項9】
前記2つの熱交換ユニットの形状が、同一または対称である
ことを特徴とする、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱交換装置。
【請求項10】
前記2つの熱交換ユニットが、屈曲前、長方形の熱交換器である
ことを特徴とする、
請求項9に記載の熱交換装置。
【請求項11】
前記熱交換器のそれぞれと水平面との間の挟角が、曲げ軸と前記熱交換器の上面との間の挟角と0°〜10°異なる
ことを特徴とする、
請求項10に記載の熱交換装置。
【請求項12】
曲げ軸に沿って前記熱交換器の底部から頂部まで徐々に増加する曲げ半径を有することによって、前記熱交換器の前記本体部が長方形または略長方形であるように作製され、前記前部/後部が水平面に略垂直または垂直である
ことを特徴とする、
請求項11に記載の熱交換装置。
【請求項13】
前記2つの熱交換ユニットが、屈曲前、台形の熱交換器である
ことを特徴とする、
請求項9に記載の熱交換装置。
【請求項14】
前記2つの熱交換ユニットが、屈曲前、等脚台形の熱交換器である
ことを特徴とする、
請求項13に記載の熱交換装置。
【請求項15】
曲げ軸が台形の上辺および下辺に垂直または略垂直であり、前記台形の上頂角が前記熱交換器および水平面によって形成される挟角と0°〜10°異なる
ことを特徴とする、
請求項14に記載の熱交換装置。
【請求項16】
2つの熱交換ユニットが異なるサイズを有し、2つの熱交換ユニットが屈曲前、どちらも等脚台形の熱交換器であり、
前記2つの熱交換ユニットのうちの一方が、本体部および前記本体部に接続される前部/後部を形成するように屈曲し、
他方は屈曲せず、そのサイズは前記前部と後部との間で係合できるように構成され、屈曲状態熱交換器の前記前部または後部の側縁と屈曲していない前記熱交換器の側縁との間の挟角が0〜15°の範囲である
ことを特徴とする、
請求項1〜15のいずれか一項に記載の熱交換装置。
【請求項17】
前記曲げ軸と屈曲状態熱交換器の上面との間の挟角、および前記屈曲状態熱交換器の上頂角が、前記屈曲状態熱交換器と水平面との間の挟角と0〜10°異なる
ことを特徴とする、
請求項16に記載の熱交換装置。
【請求項18】
前記曲げ軸と屈曲状態熱交換器の上面との間の挟角、および前記屈曲状態熱交換器の上頂角が、前記屈曲状態熱交換器と水平面との間の挟角と等しい、または略等しい
ことを特徴とする、
請求項17に記載の熱交換装置。
【請求項19】
熱交換装置が、少なくとも1つの熱交換器モジュールを備え、
前記熱交換器モジュールが、熱交換ユニットと、互いに面して組み合わされる支持部材とを備え、
前記熱交換ユニットが、縁部が少なくとも一端で隣接する、前記熱交換ユニットの2つの縁部と支持部材との間の挟角が、前記熱交換ユニットと支持部材との間の挟角より小さくなるように、屈曲している
ことを特徴とする、
水冷却ユニットのための熱交換装置。
【請求項20】
少なくとも一端で隣接する前記2つの縁部間の前記挟角が、0°〜15°の範囲である
ことを特徴とする、
請求項19に記載の熱交換装置。
【請求項21】
前記支持部材が金属プレートであり、前記支持部材および熱交換ユニットの2つの隣接する縁部間の最小離隔距離が0〜100mmの範囲である
ことを特徴とする、
請求項19または20に記載の熱交換装置。
【請求項22】
互いに協働する、熱交換装置と、送風機と、熱交換器装置と連通する排水プレートと、熱交換装置以外の冷却サイクル構成部品を収容する機械室とを備え、
前記熱交換装置が、請求項1〜21のいずれか一項に記載の熱交換装置である
ことを特徴とする、
熱源ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2014年2月17日に提出された、発明名称「Heat exchange apparatus and heat source unit」の中国特許出願第201410053051.0号明細書の優先権を主張し、その全体の内容を、参照により本願に援用する。
【0002】
本発明は、加熱、換気、および空調の分野に関するものであり、特に、市販の空調の技術分野に用いられる熱交換装置および熱源ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0003】
先行技術文献国際公開第2011013672号パンフレットは、熱源ユニットを開示している。特に、熱源ユニットには空気熱交換器が設けられ、各空気熱交換器は、一定の間隔をおいて配置される複数の放熱フィンと、放熱フィンを貫通する熱交換管と、両側に延在して同方向に屈曲する屈曲プレート部と、熱交換器モジュールとを備える。各熱交換器モジュールは、2つの空気熱交換器を備える。各空気熱交換器は、別の空気熱交換器の屈曲部の反対側に配設される屈曲部を有する。空気熱交換器は、下縁は互いに近接するが上縁は離間するように傾けられる。したがって、熱交換器モジュールは、側面図において略V字状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、熱源ユニットの左右両側の熱交換器の縁部は、V字状の構造の上部で離間している。したがって、2つの熱交換器を接続するために、シュラウドプレート(または、金属プレート)がさらに必要であり、結果として、2つの熱交換器の間の空間は、有効に使用されていない。
【0005】
上記に鑑み、上記の問題を少なくとも部分的に解決することが可能である新規の熱交換装置および熱源ユニットを提供する必要性が確かに存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、先行技術における上述の問題および欠点の少なくとも1つの態様を解決することである。
【0007】
本発明の1つの態様によると、水冷却ユニットのための熱交換装置が設けられ、熱交換器モジュールは、互いに面して組み合わされる2つの熱交換ユニットを備える。縁部が少なくとも一端で隣接する2つの熱交換ユニットの2つの縁部の間の挟角が2つの熱交換ユニットの本体部間の挟角より小さくなるように、2つの熱交換ユニットのうちの少なくとも1つは屈曲している。
【0008】
特に、縁部が少なくとも一端で隣接する2つの熱交換ユニットの2つの縁部間の挟角は、0°〜15°の範囲である。
【0009】
特に、2つの隣接する縁部の間の最小離隔距離は、0〜100mmの範囲である。
【0010】
特に、2つの熱交換ユニットのうちの一方は、屈曲状態熱交換器であり、他方は、屈曲していない平板熱交換器である。
【0011】
特に、屈曲状態熱交換器は、本体部と、本体部に接続される前部および後部とを有し、前部/後部は、曲げ軸に沿って平板熱交換器を曲げることによって形成される。
【0012】
特に、前部/後部はそれぞれの本体部から外方へ延在し、前部/後部と本体部との間の挟角は0〜90°の角度範囲である。
【0013】
特に、曲げ軸と屈曲状態熱交換器の前部または後部の上縁または下縁との間の挟角は、鋭角である。
【0014】
特に、2つの隣接する縁部は、平行または略平行である。
【0015】
特に、2つの熱交換ユニットの形状は、同一または対称である。
【0016】
特に、2つの熱交換ユニットは、屈曲前、長方形の熱交換器である。
【0017】
特に、熱交換器のそれぞれと水平面との間の挟角は、曲げ軸と熱交換器の上面との間の挟角と0°〜10°異なる。
【0018】
特に、曲げ軸に沿って熱交換器の底部から頂部まで徐々に増加する曲げ半径を有することによって、熱交換器の本体部は長方形または略長方形であるように作製され、前部/後部は水平面に略垂直または垂直である。
【0019】
特に、2つの熱交換ユニットは、屈曲前、台形の熱交換器である。
【0020】
特に、2つの熱交換ユニットは、屈曲前、等脚台形の熱交換器である。
【0021】
特に、曲げ軸は、台形の上辺および下辺に垂直または略垂直であり、台形の上頂角は、熱交換器および水平面によって形成される挟角と0°〜10°異なる。
【0022】
特に、2つの熱交換ユニットは異なるサイズを有し、2つの熱交換ユニットは、屈曲前、どちらも等脚台形の熱交換器である。
【0023】
2つの熱交換ユニットのうちの一方は、本体部および本体部に接続される前部/後部を形成するように屈曲する。他方は屈曲せず、そのサイズは前部と後部との間で係合できるように構成され、屈曲状態熱交換器の前部または後部の側縁と屈曲していない熱交換器の側縁との間の挟角は0〜15°の範囲である。
【0024】
特に、曲げ軸と屈曲状態熱交換器の上面との間の挟角、および屈曲状態熱交換器の上頂角は、屈曲状態熱交換器と水平面との間の挟角と0〜10°異なる。
【0025】
特に、曲げ軸と屈曲状態熱交換器の上面との間の挟角、および屈曲状態熱交換器の上頂角は、屈曲状態熱交換器と水平面との間の挟角と等しい、または略等しい。
【0026】
本発明の別の態様において、水冷却ユニットのための熱交換装置が設けられ、熱交換装置は、少なくとも1つの熱交換器モジュールを備える。熱交換器モジュールは、熱交換ユニットと、互いに面して組み合わされる支持部材とを備え、熱交換ユニットは、縁部が少なくとも一端で隣接する熱交換ユニットの2つの縁部と支持部材との間の挟角が、熱交換ユニットと支持部材との間の挟角より小さくなるように、屈曲している。
【0027】
特に、少なくとも一端で隣接する2つの縁部間の挟角は、0°〜15°の範囲である。
【0028】
特に、支持部材は金属プレートであり、支持部材および熱交換ユニットの2つの隣接する縁部間の最小離隔距離は、0〜100mmの範囲である。
【0029】
本発明の別の態様において、熱源ユニットが設けられ、熱源ユニットはまた、互いに協働する、熱交換装置と、送風機と、熱交換器装置と連通する排水プレートと、熱交換装置以外の冷却サイクル構成部品を収容する機械室とを備える。熱交換装置は、上の記述に従う熱交換装置である。
【0030】
本発明による熱交換装置は、左右両側の熱交換器を接続するための追加の金属薄板の必要性を有しない。左右両側の熱交換器の少なくとも一方は屈曲し、左右両側の熱交換器は互いに接続され、熱交換領域を増加させる。
【0031】
本発明のこれらのおよび/または他の態様および利点は、添付図面と関連する好ましい実施形態の以下の記述によって、明らかにかつ容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の第1の実施形態による熱交換器モジュールの概略図である。
図2】屈曲前の、図1に示される熱交換装置の熱交換器の概略図である。
図3】屈曲後の、図2の熱交換器の概略図である。
図4】本発明の第2の実施形態による熱交換器モジュールの概略図である。
図5】屈曲前の、図4の熱交換器の概略図である。
図6】屈曲後の、図4の熱交換器の概略図である。
図7】本発明の第3の実施形態による熱交換器モジュールの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の技術的解決法は、図1〜7とともに、実施形態による以下のさらなる詳細で説明される。この記述において、同一または類似の図面のラベルは、同一または類似の部品を示す。本発明の実施形態の、添付図面を参照した以下の説明は、本発明の包括的な発明の概念を説明することが意図され、本発明の制限と解釈すべきではない。
【0034】
本発明の背景技術から理解されるように、本発明の重要な設計点は、国際公開第2011013672号パンフレットの熱源ユニットで使用される熱交換器モジュールの改良である。特に、その文献の熱交換器の対は、側面図において略V字状の形態で配置されるため、略V字状の空間が、対向する空気熱交換器の対向する屈曲部の間に形成される。明らかに、上記の文献において、組み合わされている一対の熱交換器の間の本体部の間の空間、および、それらの隣接する屈曲部の間の空間は、どちらも同一のV字形状を実質的に形成し、換言すれば、それらの間の挟角は同一であり、一般に60〜90°の範囲である。最終的な結果としては、一対の熱交換器の間のV字状の空間は有効に使用されていないということである。それらの間の挟角が大きいため、V字状の空間は、略V字状の形態に切断されたプレート本体、すなわち、シュラウドプレートによって閉じ、風がV字状の空間を通過して熱交換効果に影響を及ぼすことを防がなければならない。
【0035】
本発明においては、上記の文献で言及される欠点を正しく解決する熱交換装置が提供される。したがって、以下の説明は、本発明が熱交換装置を改良する方法に重点を置く。熱源ユニットの部品の配置(送風機、熱交換装置と連通する排水プレート、および熱交換装置以外の冷却サイクル構成部品を収容する機械室など)も本発明で適用されてもよく、したがって、前述の文献は、それらの部品の特定の説明のために参照されてもよく、それはここでは再度、詳細には記載されない。
【0036】
本発明の実施形態による熱交換装置は商業的な空調システムに適用されてもよく、特に、熱源ユニットまたは水冷却ユニットに使用される。一般に、熱交換装置は、少なくとも1つの熱交換器モジュールを備え、各熱交換器モジュールは、一対の対向する熱交換器を備える。簡潔さのために、2つの対向する熱交換器を備える1つの熱交換器モジュールのみ、一例として以下に示される。
【0037】
図1は、熱交換装置の図を単に示し、それと関連する水冷却ユニットまたは熱源ユニットの関連部品を省略している。本発明の主目的が熱交換装置に関するものであるという事実を考えると、そのような省略は、当業者による本発明の理解に影響を及ぼさず、本発明の開示内容が不完全となることはない。
【0038】
図1が示すように、熱交換器モジュール100は、2つの熱交換器10および20を備え、それらは互いに面して組み合わされ、熱交換器モジュールの左右両側に位置づけられる。本発明による熱交換装置は、複数(たとえば4つ)の熱交換器モジュール100と、対応する数の送風機モジュールまたは送付機ユニットとを備えてもよいことが理解でき、複数の送風機モジュールまたは送付機ユニットは、送風機装置または送風機システムを形成する。もちろん、各送付機ユニットまたはモジュールも、1つの送風機またはより多くの送風機であってもよい。
【0039】
特に、熱交換器モジュール100の上端には、上部プレート50が設けられ、送風機モジュールまたはユニット30および40は、熱交換器10および20に対応する位置で、上部プレート上に設けられる。1つの実施形態において、円筒状の風吹出口31および41は、上部プレート50から上向きの方向に設けられ、ファンシュラウド32および42は、風吹出口31および41の突出する端面を覆う。送風機30および40は、風吹出口31および41に適合されるプロペラ型ファンと、ファンシュラウド32および42の反対に取り付けられる軸芯と、回転軸上に取り付けられるプロペラ型ファンを有するファンモータとを備える。
【0040】
もちろん、より良好な位置に熱交換器モジュール100を固定するために、熱交換器モジュール100の底部にも、所定の位置に固定する支持要素または支持フレーム60が設けられてもよい。
【0041】
特に、熱交換器モジュール100は、少なくとも2つの熱交換器10および20を備え、それらは互いに面して組み合わされ、左右両側に位置づけられる。ここでは2つの熱交換器の例が使用される。本発明において、2つの熱交換器10および20の2つの縁部(たとえば下記の縁部cおよびd)の間の挟角は、縁部が少なくとも一端(たとえば図面の平面の前端または後端)で隣接し、2つの熱交換器10および20の本体部(たとえば下記の本体部12および22)間の挟角より小さいように設定され、熱交換領域を増加させる。
【0042】
左側熱交換器10の右縁部cと右側熱交換器20の左縁部dと(すなわち2つの隣接する縁部cとdと)の間の挟角は、0°〜15°の範囲である。明確に、左縁部dおよび右縁部cは、図面の平面において、前端または後端に位置づけられてもよく、もちろん、前端および後端で隣接する2つの縁部の間の挟角は、同時に、15°より小さく設定することができる。さらに、それらの間の挟角のサイズは、具体的には、当業者によって必要に応じて設定することができる。好ましくは、右縁部cおよび左縁部dは、空間を効果的に使用して熱交換領域を増加させるように、平行である傾向があり、または、平行であり、または、明らかな挟角を有さず、熱交換性能を改善する。一般に、縁部cとdとの間の最小離隔距離は0〜100mmの範囲であることが望ましい。たとえば、熱交換器の上部が互いに切り離される場合には、最小離隔距離または底部でのそれらの間の距離は、1〜100mmの範囲であり、具体的には必要に応じて設定されてもよい。
【0043】
さらに、熱交換器のうちの1つのみ屈曲させることができることが理解でき、たとえば、熱交換器10、および他の熱交換器または右側の熱交換器は、金属プレートまたは非屈曲熱交換器によって置換されてもよい。
【0044】
もちろん、2つの熱交換器の2つの隣接する縁部が上記のように配置される場合、(たとえば、それらが平行または略平行で、15°より小さい角度を形成するとき、特に、2つの熱交換器が互いに接触しているとき)、国際公開第2011013672号パンフレットの場合のように、シュラウドプレートを提供する必要性はない。
【0045】
図3を参照すると、本実施形態において、熱交換器10および20のそれぞれが、本体部12、22ならびにそれらの本体部に接続される前部13、23および後部14、24を有するように屈曲している。熱交換器は、一体成形または別の同様のプロセスによって、本発明の熱交換器10および20に関して記載される形態に加工することもできることが理解できる。
【0046】
本発明の熱交換器10および20のそれぞれまたは両方について、前部/後部13、14および23、24は、たとえば、平坦なプレートの形態において、熱交換器上であらかじめ設定されている曲げ軸
【数1】
に沿って、先行技術の熱交換器を曲げることによって形成できる。
【0047】
前部/後部13、14、23および24は、それぞれの本体部12および22から外方へ延在し、前部/後部と本体部と間の挟角は0°〜90°の角度範囲であることが図3から分かる。
【0048】
明確に、本発明のある実施形態において、隣接する縁部cとdとの間の挟角は、熱交換器10および20の本体部12および22の間の挟角より小さい。そのような構造的配置の使用によって、熱交換領域を、上述の文献における熱交換器に対して増加させることができる。以下の本発明の実施形態で言及される熱交換器モジュールのすべては、上述の構造的特性を有し、それはここでは繰り返さない。
【0049】
本発明の3つの実施形態が、以下の図2〜7に示され、異なるタイプの熱交換器を曲げることによって、本発明で示される熱交換器モジュール100に必要とされる熱交換器を形成する方法と関連する。熱交換デバイスが、複数の熱交換器モジュールを並べて配置することによって形成されるとき、本発明による熱交換器モジュール100は、それらの単に一部として、または、少なくとも熱交換デバイスの2つの最も外側で使用されてもよいことは理解されるべきである。しかし、好ましい実施形態において、熱交換デバイスは、本発明による熱交換器モジュール100から全面的に形成され、これは必須ではない。
【0050】
図2および3は、図1に示される熱交換器モジュール100として使用されてもよい熱交換器の例を示す。特に、図2は、屈曲前の、熱交換器10または20のためのプレートの形態の、略長方形の熱交換器を示す。特に示されないが、入口/出口マニホルド、その間のひだなしチューブ、およびフィンなどの部品は、プレートの形態の長方形の熱交換器に配設されてもよいことは明確に理解できる。
【0051】
左側熱交換器10および右側熱交換器20は、同一の形状を有するまたは対称であるように配置されるため、これらの熱交換器のうちの1つのみ、たとえば右側熱交換器20が、曲げの実行方法を説明するための例とされ、同じ原理によって、左側熱交換器10を同じように曲げることができることがここで説明されなければならない。曲げによって、左右両側の熱交換器10および20の右縁部cおよび左縁部dは、平行であるように、または、平行である傾向があるように、または、図1に示されるような明らかな挟角を有しないように作製できる。ここで、明らかな挟角がないことの意味は、単に右縁部cと左縁部dとの間の挟角が0°〜15°の範囲であることである。
【0052】
図3は、屈曲後の右側熱交換器20を示す。図3において、長方形の熱交換器は、右側熱交換器20が本体部22および前部/後部23および24を有するように、それらの両側の曲げ軸
【数2】
に沿って屈曲している。αは、右側熱交換器20(の本体部)の左側面である。βは、右側熱交換器20(の前部/後部)の前または後側面である。
【0053】
図1を参照すると、左右両側の熱交換器10および20が水平面と形成する挟角はθ1であり、曲げ軸
【数3】
と右側熱交換器20の上面との間の挟角はθ2である。角度θ1およびθ2は等しい、または略等しい。明らかに、角度θ1とθ2との差は好ましくは0°〜10°の範囲であり、左右両側の熱交換器10および20の右縁部cおよび左縁部dは、水平面(示されていない)に対して垂直、または垂直である傾向がある。一般に、角度θ2は鋭角である。
【0054】
曲げが行われるとき、曲げ半径は同じでもよいことが理解できる。もちろん、本体部22の左側面αは長方形の傾向があり、前部/後部23および24の前/後側面βは水平面に垂直な傾向があるように、曲げ半径を曲げ軸
【数4】
に沿って底部から頂部まで徐々に増加させることも可能である。
【0055】
図4を参照すると、本発明の第2の実施形態による熱交換器モジュール200が示される。左右両側の熱交換器210および220の本体部211および221の右縁部cおよび左縁部dは、平行であるように、または、平行である傾向があるように、または、明らかな挟角を有しないように配置されることが図4から分かる。上記のように、ここでの「明らかな挟角がない」の意味は、やはり、右縁部cと左縁部dとの間の挟角が0°〜15°の範囲であることである。左右両側の熱交換器210および220が組み合わされるとき、それらの上面は傾けられるため、その上に取り付けられるファンも水平面と特定の挟角を形成する。
【0056】
特に、図5を参照すると、左右両側の熱交換器210および220は、同一の形状を有するように、または、互いに対して対称形であるように配置される。しかし、屈曲前、左右両側の熱交換器210および220はどちらも、プレートの形態の台形の熱交換器である。ここで、台形の熱交換器の選択は単なる例である。
【0057】
図6を参照すると、上記のように、2つの熱交換器は厳密に同一の構造を有し、同様に屈曲しているため、ここでは、それらのうちの1つだけの屈曲方法についての詳細な説明が提供される。ここで、曲げ軸
【数5】
は、台形の上縁および下縁に対して垂直である、または垂直の傾向がある。そして、台形の頂角はθ3(一般に鋭角)であり、θ3は、左右両側の熱交換器210および220が水平面(図4参照)と形成する挟角θ1と等しい、または略等しく、好ましい解決方法は、それらの角度の差が0°〜10°の範囲であるということであり、左右両側の熱交換器の左右の縁部cおよびdは、屈曲後、平行である、または、平行の傾向がある、または、明らかな挟角を有していない。屈曲後、右側熱交換器の本体部221の両側には、特定の角度でそこから外方へ延在する前部/後部223および224が設けられる。αは、右側熱交換器220(の本体部)の左側面である。βは、右側熱交換器220(の前部/後部)の前または後側面である。
【0058】
図7を参照すると、本発明の第3の実施形態による熱交換器モジュール300が示される。熱交換器モジュール300は、組み合わされる左右両側に熱交換器310および320も備える。しかし、これらは、熱交換器の1つだけ(本例では左側熱交換器310)が屈曲しているという点で、第1および第2の実施形態の熱交換器モジュールと異なる。右側熱交換器320は屈曲していないが、屈曲した左側熱交換器310に直接取り付けられる。もちろん、一般に、左右両側の熱交換器310および320は、異なるサイズである。可能であれば、左右両側の熱交換器310および320のサイズは、同一であるように設定されてもよい。
【0059】
左右両側の熱交換器310および320のサイズは、以下で異なるように設定されるが、左側熱交換器310および右側熱交換器320はどちらも、屈曲前、等脚台形である。次いで、左側熱交換器310は屈曲されるが、右側熱交換器320は屈曲されない。屈曲した左側熱交換器310(の前/後側部)の前/後側面βの最外縁部または右縁部c、および右側熱交換器320の側縁dは、平行である、または、平行の傾向がある、または、明らかな挟角を有していないように構成される。明らかな挟角がないことの意味は、組み立てられた熱交換器モジュール300の上面が水平または略水平であるように、縁部cとdとの間の挟角が0°〜15°の範囲であるということであることは説明されなければならない。
【0060】
特に、左側熱交換器310の頂角はθ3(一般に鋭角)であり、左側熱交換器の曲げ軸
【数6】
と左側熱交換器の上面との間の挟角はθ2であり、左側熱交換器310の左側と水平面との間の挟角はθ1である。特に、角度θ3およびθ2は、θ1と等しいまたは略等しい、あるいは、0°〜10°異なる。
【0061】
要約すると、本発明において、曲げ軸と熱交換器の前部または後部の上縁または下縁との間の挟角は、屈曲後、鋭角である。
【0062】
同一の熱源ユニットにおいて、本発明の熱交換装置は、性能および効率を改善することができる。同一の熱交換器性能が必要である場合、本発明の熱交換装置は、コストを減少させるために、熱源ユニットの数を減少させることができる。
【0063】
上記は単に、本発明のいくつかの実施形態である。当業者は、全体的な発明の概念の原理および精神を逸脱しない範囲でこれらの実施形態に対して変更が行われてもよいことを理解するであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲およびそれらの等価物によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】