(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-506493(P2017-506493A)
(43)【公表日】2017年3月2日
(54)【発明の名称】ねじれリミッタ装置、システム並びに方法及びねじれリミッタを組み込んだ太陽追尾装置
(51)【国際特許分類】
H02S 20/32 20140101AFI20170210BHJP
H02S 20/10 20140101ALI20170210BHJP
【FI】
H02S20/32
H02S20/10 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-550728(P2016-550728)
(86)(22)【出願日】2015年2月18日
(85)【翻訳文提出日】2016年10月3日
(86)【国際出願番号】US2015016290
(87)【国際公開番号】WO2015126890
(87)【国際公開日】20150827
(31)【優先権主張番号】61/941,754
(32)【優先日】2014年2月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/065,741
(32)【優先日】2014年10月19日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516245955
【氏名又は名称】アレイ・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Array Technologies, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・ピー・コリオ
(57)【要約】
太陽追尾装置は、支柱と、支柱に連結されたねじれ梁部材と、ねじれ梁部材に取り付けられた取付機構と、ねじれ梁部材に連結されたドライブシステムと、ドライブシステムの出力に連結されたねじれリミッタとを備える。外部の力によってドライブシステムのねじれレベルが所定の制限を超えたときに、ねじれリミッタは、ねじれ方向の太陽追尾装置アセンブリの回転動作を促進し、従って、外部の力にねじれ梁部材を介して延伸する旋回軸周りに回転させる。また、例示的実施形態は、太陽追尾装置の複数の列の位置決めの方法を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と、
前記支柱に連結されるねじれ梁部材と、
前記ねじれ梁部材に取り付けられた取付機構と、
前記ねじれ梁部材と連結されたドライブシステムと、
前記ドライブシステムの出力に連結されたねじれリミッタと、を備え、
外部の力によって前記ドライブシステムのねじれのレベルが所定の制限を超えるときに、前記ねじれリミッタは、ねじれ方向に当該太陽追尾装置アセンブリの回転動作を促進し、従って、前記ねじれ梁部材を介して延伸する旋回軸について前記外部の力が回転することを可能にする、太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項2】
前記ねじれ方向の動作は、前記外部の力が解放され、前記太陽追尾装置アセンブリのねじれレベルが減少するように過剰ねじれを分離する、請求項1記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項3】
前記ねじれ方向の動作は、第1回転位置から少なくとも一つの第2回転位置までの太陽追尾装置アセンブリの動作を備える、請求項2記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項4】
前記太陽追尾装置アセンブリは少なくとも一つの第2回転位置で最大位置ストッパに突き当たる、請求項3記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項5】
前記太陽追尾装置アセンブリは、その最大回転位置で、前記太陽追尾装置アセンブリのねじれの抵抗構造物に沿った複数の分散した箇所で拘束される、請求項3記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項6】
前記太陽追尾装置アセンブリは、複数の支柱を含み、さらに各支柱でストッパを備える、請求項5記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項7】
前記ねじれリミッタは、前記ねじれ梁部材を介して延伸する前記旋回軸周りのヒンジモーメントを制限する、請求項1記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項8】
前記ドライブシステムは、少なくとも一つのギアホイールを含むギアアセンブリを備える、請求項1記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項9】
前記ギアアセンブリは一方向のギアボックスを含み、前記ねじれリミッタはねじれ制限クラッチである、請求項8記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項10】
前記ギアセンブリは、前記ギアホイールに係合する摩擦継ぎ手を含み、前記ねじれリミッタは前記摩擦継ぎ手に配置される、請求項8記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項11】
前記ねじれリミッタは前記ギアアセンブリの第1ギアステージの出力に配置される、請求項8記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項12】
前記太陽追尾装置アセンブリは、プッシュ/プル連結された追尾装置であり、前記ねじれリミッタは、リニアスリップ装置である、請求項1記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項13】
前記太陽追尾装置アセンブリは、油圧システムを含み、前記ねじれリミッタは、圧力逃し弁である、請求項1記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項14】
ねじれ力の解放を制御し、前記太陽追尾装置アセンブリの動作を遅くするように、ギアラック又はその近傍に組み込まれたダンパをさらに備える、請求項1記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項15】
前記ねじれ梁部材は、重力のバランスの中心周りに回転するように、重力のバランスの中心を有して構成される、請求項1記載の太陽追尾装置アセンブリ。
【請求項16】
連結された太陽追尾装置の複数の列を含む太陽追尾装置の複数の列を設ける工程と、
太陽追尾装置の各列に連結されたねじれリミッタを設ける工程と、
太陽追尾装置の少なくとも一列のねじれのレベルが所定のねじれ限界を超えるような、太陽追尾装置の少なくとも一列でねじれのレベルを受ける工程と、
少なくとも一列がその最大制限位置に達したときに、太陽追尾装置の複数の列のうちの少なくとも一列の回転動作を停止するように前記ねじれリミッタを使用する工程と、
太陽追尾装置の全ての複数の列が位置決めされるまで、各列がその最大制限位置に達するような、太陽追尾装置の前記他の複数の列を駆動する工程と、
を備える、太陽電池アレイの位置決め方法。
【請求項17】
各列がその最大制限位置に達したときに、太陽追尾装置の前記他の複数の列が回転し、それらの最大制限位置に達する間は、それは回転動作を停止する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
太陽追尾装置の各列は、複数の支柱を含み、さらに各支柱でストッパを提供する工程を備える、請求項16記載の方法。
【請求項19】
支柱と、
前記支柱に連結されるねじれ梁部材と、
前記ねじれ梁部材に取り付けられた取付機構と、
入力及び出力を有する双方向のギアボックスを備え、前記ねじれ梁部材に連結されるドライブシステムと、
前記双方向のギアボックスの入力に配置されたモータブレーキと、を備え、
外部の力によって前記ドライブシステムのねじれのレベルが所定の閾値を超えたときに、モータブレーキが前記ドライブシステムの逆駆動を促進するようにスリップする、
ことを特徴とする太陽追尾装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2014年2月19日付の米国特許出願 No. 61/941,754及び2014年10月19日付の米国特許出願 No. 62/065,741の優先権を主張し、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。
【0002】
本開示は、ねじれリミッタ装置、システム及び方法に関する。本開示は、さらに、機械的位置決めシステムのトルク解放機構に関する。本開示は、さらに、トルク制限及びスリップクラッチのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
風が、野外環境の力に曝される太陽追尾の太陽電池(PV)アレイ又は他の機械駆動の位置決めシステムに影響を与えるときに、独立して、累積的に又は差動的に作動するアレイに正負の圧力を生じさせる。これらの風力は、一般に、ドラッグ、アップリフト、ダウンフォース及び回転軸についてのヒンジモーメントに分類される。それらの風力は、風の速度、方向及びアレイの追尾回転角度に依存して変化する。また、これらの力は、通常、大きなアレイフィールドの外側構造物で、より大きくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概して、単軸の太陽追尾システムの場合に、追尾するアレイ又は他の機械的システムに誘発されたリフト及びドラッグは、その構造体内の複数のポイントで抵抗される。しかしながら、既存のシステムで証明されているように、ヒンジモーメントは、単一のポイントで概して抵抗される。比較的長いねじれ管部材又は他の梁構造物に適用される結果のねじれ力は、大きく、追尾装置構造体のねじれの柔軟性と相互作用する傾向がある。それらの構造体の単一のポイントでの高いヒンジモーメント力に対抗することは、過度の柔軟性なしにシステムの高い結合トルク及び梁負荷の両方に抵抗するために十分頑丈なねじれ管部材を必要とする。ヒンジモーメント力は、静的力又は時々トーショナルダイバージェンスとして知られる動的力として表れる。追尾装置の構造上のシステムがその設計において柔軟であり、単一のポイントでねじれが拘束される場合、構造物への負荷を実質的に増大させる可能性を有するトーショナルダイバージェンス及び他の動的力が生ずるかもしれない。したがって、これらの動的力を生ずるかもしれない風の相互作用を減少させ、消去するために、追尾装置の構造体の柔軟性を最小化することには構造的な利点がある。
【0005】
同様に、追尾システムがさらされるピークヒンジモーメント力を減少させ、そして/又は、システムに複数のポイントで抵抗させ、したがって、構造体がさらされる動的/調和力を最小化し、効率的に消去するメカニズムの必要がある。ねじれとビーム負荷との結合負荷はより小さいので、構造体でのねじれを最小化することは、関連のある構造部材の梁負荷能力を増大させる。最大ねじれ力を制限し、それから構造体に沿った複数のポイントで、より小さい最大ねじれ力に抵抗する手段を提供することによって、より軽い構造部品が素材重量及び太陽追尾システムのコストを低くするために組み込まれてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の例示的実施形態は、各追尾装置列の第2のギアラックの係合の前に且つ第1のギアボックスの出力にねじれリミッタを組み込むことによって太陽追尾装置のような公知の機械システムの不利益をかなり軽減する。そのねじれリミッタは、場合によっては、トルク制限クラッチであってもよい。本質的に、これは、追尾システムの個々に電動の又は結合された追尾装置のそれぞれの列において、ねじれ圧力が加えられる部品と駆動部との間に所定のトルク解放機構を配置する。本開示の例示的実施形態は、有利に、追尾システムの構造的な必要条件を物質的に減少させるために、追尾装置アレイへ風が誘起するねじれ力を最小化する。材料の減少は、追尾システムのコストにおけるかなりの減少という結果となるかもしれない。
【0007】
ねじれリミッタの例示的実施形態は、ヒンジモーメントを最小化し、PV追尾構造体のような機械システムに対して風によって誘起される動的力を大幅に削減するねじれ力の安全弁として動作する。重要な機能は、強風の間、ねじれを軽減することと、ねじれ力がもはや所定のねじれ解放力に打ち勝つことができない位置にアレイが移動するか、又は、アレイが最遠の回転角度までねじれ力によって移動し、それから、構造体の複数のポイントで拘束されるまで、各個の追尾装置列を異なる位置へ動かすことである。最遠の回転位置でアレイに沿った複数のストッパを組み込むことで、ねじれに対して抵抗する構造部品又は構造部品群の任意の部位においてねじれ力を最小化する。
【0008】
また、例示的実施形態では、ねじれリミッタは、アレイが不安定な重い雪の負荷、雪の吹き溜まり、若しくは、砂丘のような障害物のために移動できない場合に、又は、一以上のリンクギアセットが極限停止条件にある場合に、駆動モータの入力から過負荷を軽減するように作動する。この条件下で、障害物の抵抗力がねじれ制限閾値より大きくなった場合に、ねじれ制限クラッチは、出力から駆動入力を分離する。例示的実施形態では、ねじれリミッタによって解放される力は、アレイに外部から誘起するヒンジモーメント力と、また、アレイを移動させるために必要な入力駆動力がねじれリミッタ閾値以上であるときに入力駆動機構から誘起するヒンジモーメント力との両方である。
【0009】
太陽追尾装置アセンブリの例示的実施形態は、支柱、支柱に接続されたねじれ梁部材、ねじれ梁部材に取り付けられた取付機構、ねじれ梁部材に取り付けられた駆動システム、及び、駆動システムに接続されたねじれリミッタを備える。太陽追尾装置アセンブリは、複数の支柱を含み、さらに、各支柱にストッパを備える。ねじれ梁部材は、重力のバランスの中心について回転するように重力のバランスの中心を考慮して構成され得る。風のような外部の力が所定の限界を超えるシステムのかなりのねじれを引き起こすときに、ねじれリミッタは、それから、ねじれの方向の太陽追尾装置アセンブリの回転動作を促進し、したがって、外部の力がねじれ梁部材を経由して延伸する旋回軸についてアセンブリを回転させる。
【0010】
例示的実施形態では、ねじれリミッタは、外部の力がアレイを第2回転位置に移動させることによって解放されるように過度のねじれを切り離す。ねじれの方向の動作は、第1回転位置から少なくとも一つの第2回転位置への太陽追尾装置アセンブリの動作を含んでいてもよい。例示的実施形態では、外部の力が十分に強いときは、太陽追尾装置は、最遠回転位置、停止位置まで移動する。最大回転位置、機械的ストッパは、最大回転角度にあり、それから、主なねじれ抵抗構造部材が回転して最終的に追尾構造体の複数のポイントで抵抗され、効率的にねじれ梁部材構造体のねじれを制限する。
【0011】
ねじれ方向の動作は、第1回転位置から第2又は複数の回転位置への太陽追尾装置アセンブリの動作を含む。例示的実施形態では、太陽追尾装置アセンブリは、太陽追尾装置アセンブリのねじれ抵抗構造体に沿った複数の分散した位置で且つその最大回転位置で拘束される。ねじれ力を解放するために追尾装置を回転させることによって追尾装置が最遠位置にいないときに、ねじれリミッタは、ねじれ梁部材を経由して延伸する旋回軸周りのヒンジモーメントを制限する。それから、システムがさらには回転できないときに、最遠位置の複数のストッパは、最終的には、ねじれに抵抗する構造部材のいかなる部位のねじれも制限する。
【0012】
例示的実施形態では、太陽追尾装置アセンブリの駆動システムは、少なくとも一つのギアホイールを含むギアアセンブリを有する。例示的実施形態では、ギアアセンブリは、一方向のギアボックスを含み、ねじれリミッタは、ねじれ制限クラッチである。ねじれリミッタは、また、複数の実施形態では、スリップクラッチであってもよい。例示的実施形態では、ギアアセンブリは、ギアホイールと係合する摩擦継ぎ手を含み、ねじれリミッタは、摩擦継ぎ手に配置される。ねじれリミッタは、ギアアセンブリの第1ギアステージの出力に配置される。他の例示的実施形態では、太陽追尾装置アセンブリは、プッシュ/プル連結された追尾装置であり、ねじれリミッタは、リニアスリップ装置又はリニアクラッチの結合である。太陽追尾装置アセンブリは、油圧システムを含んでもよく、ねじれリミッタは、油圧システムの圧力逃し弁の形態であってもよい。太陽追尾装置アセンブリは、さらに、ねじれ力の解放を制御するために、ギアラックに又はその近傍に組み込まれたダンパを備え、太陽追尾装置アセンブリの動作を減速させる。
【0013】
例示的実施形態は、太陽追尾装置の複数の列を備える太陽電池アレイを整列する方法を含み、太陽追尾装置の各列にそれぞれ連結されたねじれリミッタを提供する。当該各列で、一以上の太陽追尾装置は、機械的回転制限に直面し、太陽追尾装置の少なくとも一列の駆動系において誘起されるねじれのレベルがねじれ制限閾値を超えることを引き起こす。太陽追尾装置の他の複数列の回転を同時に駆動する間に、ねじれリミッタは機械的に制限された少なくとも一列に回転させないようにする。太陽追尾装置の複数列は、連結された太陽追尾装置の複数列を含む。太陽追尾装置の複数列のうちの太陽追尾装置の少なくとも一列の機械的制限条件は、所定の閾値を超える追尾装置のかなりのねじれを作り出す。
【0014】
太陽追尾装置の他の複数列が回転し、それらの最大機械制限位置に達している間に、太陽追尾装置の全ての複数列がもはや回転しなくなるまで、少なくとも一つの制限された列は回転しない。太陽追尾装置の他の複数列が回転し、それらの最大制限位置に達している間に、個々の列がその最大機械限界位置に達すると、各追尾装置列は回転動作を止める。全ての追尾装置列がそれらの機械制限に達したときに、それらは一列に並ぶ。
【0015】
また、安全な閾値で駆動トルクを制限し、解放する同様の機構は、一以上の追尾装置列が雪の吹き溜まり、砂丘又は他の障害のような外部環境条件から妨害された場合に好都合である。ねじれリミッタは、追尾アレイを障害物によるダメージから保護でき、また、障害物が除去されるまで追尾装置に限定された動作で回転させる。
【0016】
例示的実施形態では、外部の力から過度のねじれの間に、ねじれの方向への動作が、第1回転位置から少なくとも一つの第2回転位置への太陽追尾装置の少なくとも一列の動作を含む。ねじれの方向への動作が、第1回転位置から複数の回転位置への太陽追尾装置の少なくとも一列の動作を含み得る。例示的実施形態では、太陽追尾装置の少なくとも一列は、複数の回転位置又は最大制限位置で複数の機械的拘束に至る。太陽追尾装置の各列は、複数の支柱と各支柱のストッパとを含み得る。例示的実施形態は、さらに、ねじれ力の解放を制御するために、ねじれリミッタで又はその近傍でダンパを組み込んで備え、太陽追尾装置アセンブリの動作を減速させる。
【0017】
単独で電動の太陽追尾装置アセンブリの例示的実施形態は、支柱、支柱に連結された一以上のねじれ梁部材、一以上のねじれ梁部材に取り付けられた太陽電池モジュール取付システム、一以上のねじれ梁部材に連結された駆動システム及びモータブレーキを備える。駆動システムは、入力及び出力を有する双方向のギアボックスを備え、モータブレーキは、双方向のギアボックスの入力側に配置される。外力が駆動システム上に所定の制限を超える程のねじれを生じさせるときに、モータブレーキはスリップする、又は、モータブレーキがモータ自体の内部にある場合は、モータは、システムを介して逆に駆動する。このことは、システムの逆駆動及びねじれ力の解放を促進する。
【0018】
例示的実施形態では、ギアドライブシステムは、トルク制限クラッチ及び少なくとも一つのウォームギアホイールを含むギアアセンブリを備える。ギアアセンブリは、ギアボックス内に含まれても、含まれなくてもよい。ギアのトルクのレベルが所定のレベルを越えたときに、クラッチはスリップする。ギアアセンブリは、ウォームギアホイールに係合する二つのテーパー部分を含んでいてもよい。例示的実施形態では、トルク制限クラッチは、二つのテーパー部分に配置される。クラッチは、テーパー部分でスプリング張力を変化させるナットを介して調節可能であってもよい。このスリップクラッチは、例示的実施形態及びギアドライブ式機械システムの異なるタイプのために必要に応じた他の形態における代替形状をとることができる。
【0019】
例示的実施形態では、太陽追尾装置アセンブリは、少なくとも一つの支柱、ねじれ梁部材を介して延伸する旋回軸を有する、支柱に連結されたねじれ梁部材、ねじれ梁部材に取り付けられた取付機構、取付機構に取り付けられた一以上の太陽電池モジュール、及び、トルク制限クラッチ並びに少なくとも一つのウォームギアホイールを含むギアボックスアセンブリを備える。ギアボックスのトルクのレベルが所定の閾値を超えるときに、クラッチはスリップする。
【0020】
ギアドライブ機械システムの例示的実施形態は、少なくとも一つのギアラックを含む少なくとも一つのギアドライブ機構ユニットと、ギアラックに係合するギアドライブシステムとを備える。ギアドライブシステムは、少なくとも一つのギアホイールを含むギアアセンブリと、ギアアセンブリの出力及びギアドライブシステムがギアラックに係合する箇所の前に配置されたトルク制限クラッチとを備える。ギアアセンブリのトルクレベルが所定のレベルを超えるときに、クラッチがスリップし、ギアドライブ機構ユニットのトルクを解放する。
【0021】
例示的実施形態では、ギアアセンブリは、ギアホイールに係合する少なくとも一つのテーパー部分を含み、トルク制限クラッチは、テーパー部分に配置される。クラッチは、テーパー部分でスプリング張力を変化させるナットを介して調節可能であってもよい。例示的実施形態では、ギアドライブ機構ユニットは、回転可能である。例示的実施形態では、ギアドライブ機構ユニットがその最大回転角度のハード停止位置まで回転する。
【0022】
ギアドライブ機械システムの例示的実施形態は、回転軸周りに回転可能な少なくとも一つのギアドライブ機構ユニットと、ギアドライブシステムとを備える。ギアドライブ機構ユニットは、少なくとも一つのギアラックを含み、ギアドライブシステムは、ギアラックに噛合する。ギアドライブシステムは、少なくとも一つのギアホイールを含むギアアセンブリと、ギアアセンブリの出力に配置されたトルク制限クラッチとを備える。ギアアセンブリのトルクのレベルが所定のレベルを超えるときに、クラッチはスリップし、ギアドライブ機構ユニットのトルクを解放し、回転軸周りのヒンジモーメントを制限する。
【0023】
例示的実施形態では、トルク制限クラッチは、ギアドライブ機構ユニットの第1ギアステージの出力に配置される。例示的実施形態では、トルク制限クラッチは、ギアドライブ機構ユニットのギアラックへの入力に組み込まれる。少なくとも一つのギアドライブ機構ユニットは、複数のギアドライブ機構ユニットを備えることができる。例示的実施形態では、各ギアドライブ機構ユニットは、その最大回転角で機械的に制限された停止位置まで回転する。
【0024】
太陽追尾システムの例示的実施形態は、トルク制限クラッチを介して回転するように保持された少なくとも一つの太陽追尾装置を備える。太陽追尾装置アセンブリは、少なくとも一つの支柱と、支柱に連結されたねじれ梁部材と、ねじれ梁部材に取り付けられたモジュール取付手段と、ねじれ梁部材に連結された少なくとも一つのギアドライブアセンブリとを含む。旋回軸は、ねじれ梁部材を貫通する。トルク制限クラッチは、ギアドライブアセンブリに係合する。ギアドライブアセンブリの外部的に適用されるトルクのレベルが、所定のレベルを超えるとき、クラッチはスリップし、追尾システムに回転させ、したがって、太陽追尾装置アセンブリのトルクを解放し、旋回軸周りのヒンジモーメントを減少させる。
【0025】
例示的実施形態では、トルク制限クラッチは太陽追尾装置アセンブリの第1ギアステージの出力に配置される。例示的実施形態では、トルク制限クラッチは、太陽追尾装置アセンブリのギアドライブアセンブリに組み込まれる。ギアドライブアセンブリは、主駆動ギアを含んでいてもよく、トルク制限クラッチは、主駆動ギアの出力に組み込まれる。例示的実施形態では、太陽追尾装置アセンブリは、その最大回転角度で機械的なストッパに係合するまで回転する。
【0026】
太陽追尾システムは、連結されたシステムであり、トルク制限クラッチは、アーム接続とねじれ管部材との間に組み込まれる。太陽追尾システムは、プッシュ/プル連結された追尾装置であってもよい。他の実施形態では、太陽追尾システムは、油圧で作動し、トルク制限クラッチは、圧力逃し弁である。
【0027】
同様に、ねじれリミッタ、トルク制限クラッチ、ギアドライブシステム、太陽追尾装置及び関連したトルク解放方法が提供されることが分かる。開示された装置、システム及び方法は、所定のトルク解放機構を提供し、したがって、ヒンジモーメントとPV追尾構造体の他の動的な力とを減少させ又は削除させる。これらおよび他の特徴および利点は、同様の参照番号が全体を通して同様の部分を参照する添付の図面と共に、以下の詳細な説明の検討から理解されるであろう。
【0028】
上記の特徴及び本公開の目的は、同じ参照番号が同じ要素を示す添付図面と併せて以下の説明を参照してより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1A〜Dは、本開示による機構ユニットの例示的実施形態の模式図である。
【
図2】
図2は、本開示によるねじれを制限する例示的な方法のプロセスフローダイアグラムである。
【
図3】
図3は、本開示による太陽追尾装置の例示的実施形態の斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示によるねじれリミッタを含む太陽追尾装置の例示的実施形態の詳細切断図である。
【
図5】
図5は、本開示によるねじれリミッタを含むギアドライブ機構ユニットの例示的実施形態の詳細切断図である。
【
図6】
図6は、本開示による複数の摩擦板のねじれリミッタの例示的実施形態の斜視図である。
【
図7】
図7Aは、本開示による例示的なねじれリミッタをそれぞれ組み込んだ電動の太陽追尾装置の例示的実施形態の斜視図である。
図7Bは、
図7Aの太陽追尾装置の斜視図である。
【
図8】
図8は、本開示による例示的なトルク制限クラッチを含む連結されたギアドライブ太陽追尾装置の例示的実施形態の斜視図である。
【
図9】
図9は、本開示による回転ねじれリミッタの例示的実施形態を組み込んだプッシュ/プル追尾装置システムの例示的実施形態の斜視図である。
【
図10】
図10は、本開示によるリニアスリップフォースリミッタの例示的実施形態を含むプッシュ/プル連結された追尾装置システムの例示的実施形態の斜視図である。
【
図11】
図11は、本開示によるリニアスリップフォースリミッタの例示的実施形態の斜視図である。
【
図12】
図12Aは、本開示による例示的な外部の圧力弁を含む油圧ラム駆動の太陽追尾装置の例示的実施形態の後部斜視図である。
図12Bは、
図12Aの太陽追尾装置の側面図である。
【
図13】
図13は、本開示による油圧シリンダ又はラムの例示的実施形態の斜視図である。
【
図14】
図14は、本開示による外部の圧力弁の例示的実施形態の切断図である。
【
図15】
図15は、本開示による太陽追尾装置ギアアセンブリ及び例示的なねじれリミッタの例示的実施形態の斜視図である。
【
図16】
図16は、本開示による太陽追尾装置ギアアセンブリ及び例示的なねじれリミッタの例示的実施形態の側面図である。
【
図17】
図17は、本開示による太陽追尾装置ギアアセンブリ及び例示的なねじれリミッタの例示的実施形態の詳細図である。
【
図18】
図18は、本開示による太陽追尾装置ギアアセンブリ及び例示的なねじれリミッタの例示的実施形態の詳細側面図である。
【
図19】
図19は、本開示による例示的なモータブレーキを含む太陽追尾装置の例示的実施形態の斜視図である。
【
図20】
図20は、本開示によるモータブレーキの例示的実施形態の切断図である。
【
図21】
図21は、本開示による例示的実施形態で使用されるDCブラシモータの斜視切断図である。
【
図22】
図22は、本開示によるモータブレーキを創出するためにブラシ型DCモータの電機子をショートする例示的な方法の模式的ダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の段落では、実施形態は、一定の縮尺で描かれていない添付図面を参照して実施例により詳細に説明され、示された構成要素は、必ずしも互いに比例して描かれていない。この説明を通して、示された実施形態および実施例は、むしろ、本開示の制限としてよりも、手本として考慮されるべきである。ここで使用されるように、「本開示」は、ここで説明される実施形態の任意のものと、任意の同等のものとにも言及される。さらに、この書面全体の開示の様々な解釈への言及は、全ての請求される実施形態又は方法が参照される解釈を含まなければならないことを意味しない。
【0031】
ねじれリミッタの例示的実施形態は、外部の力に曝されるいかなる種類の駆動システムでも有利に使用され、ただ単一の点の代わりに、構造に沿った複数の点で外力に抵抗する能力から利益を得ることができる。太陽追尾装置は、そのようなシステムの一例であり、例示的実施形態は、任意の種類の太陽追尾装置で使用され、二軸の追尾装置と同様に水平、チルト並びにロール及び方位角のような単軸の追尾装置に限定されずに含む。例示的実施形態は、駆動の出力側と、ねじれ力の所定のレベルで解放する収集器アレイとの間に連結されたねじれリミッタを含む任意の太陽追尾装置の設計を含む。例示的実施形態は、ギアドライブ、油圧駆動又は任意の他の手段による駆動の太陽追尾装置を含む。例示的な追尾装置の配置は、直接追尾装置フレームに取り付けられた又は平歯車ラックのような第2ステージを介したウォームギアの第1駆動、Dリングチェイン駆動又は追尾装置のために一又は二の支柱に取り付けられたケーブルシステムを組み込む。例示的な太陽追尾装置の実施形態は、ねじれリミッタ力が任意の追尾装置回転角度で一定のままであるように調整されたアレイを組み込んでもよい。
【0032】
本開示の例示的実施形態は、システムが高トルク位置から第2位置及びストッパまで移動するように追尾システムのねじれを解放する、又は、外部の力が十分に強い場合に、システムは、通常システムの中心である単一のポイントに代わって、ねじれ力が複数のポイントで支えられる最遠の位置まで移動する。代わりに、システムが砂丘、雪、氷、又は、複数の他の外部障害物のような障害物に遭遇した場合に、システムの駆動モータからのトルクは、ねじれリミッタにより入力駆動から解放される。さらに、連結された駆動システムで、障害物によって影響された列又は列群だけは、他の障害がない連結された列が追尾を続ける間は、動かない。このようにして、例示的実施形態は、有利に、風からの外部のねじれ力及び/又は追尾システムの出力が妨害されたときに駆動によって発生した内部ねじれ力の二つの異なる種類のトルクを解放する利益を提供する。
【0033】
強風の状況下で、風力は追尾装置システムのヒンジモーメントを誘起する。ヒンジモーメントがねじれリミッタの保持力より大きくなった場合に、ねじれリミッタはねじれを解放し、追尾装置は第2位置まで移動する。当該第2位置において、突風が減少し、その力が減少させられるか、又は、新しい回転位置の結果としてヒンジモーメントが減少させられる。その動きが続いて、システムが最遠の位置、複数の機械的なストッパまで駆動される場合に、そのとき、風は、単一のポイントの代わりに複数のポイントで抵抗されうる。有利に、ねじれリミッタの例示的実施形態を採用するシステムは、モータのような電気装置又は積極的な解放の必要なしに、自然な又は受動的な方法で反応する。例示的実施形態では、ねじれリミッタは、受動的にスリップし、モータがシステムを最遠の停止位置まで駆動させたとき一日二回、朝夕に一度ずつそれ自体を補正する機会を有するクラッチアセンブリである。
【0034】
風が追尾PVアレイに作用するときに、風は通常、ヒンジモーメントM
Hを
図1A〜1Dに示すように、追尾装置の回転軸周りに生じさせる。その風にさらされる例示的な太陽追尾装置の機能及び特徴は、以下のように指定される。
【0036】
上述され、本明細書でより詳細に説明されるように、例示的なねじれリミッタ、関連するギアドライブ及び太陽追尾装置は、追尾装置のヒンジモーメントを減少させ、又は、削除する。
【0037】
図2は、ねじれリミッタを組み込んだ例示的な方法1000を示す。ねじれリミッタは、ねじれ、トルク、又は、スリップ、力の分離、圧力の解放、動作の促進、又は、システムの構成部品の分離に限定せずに含む任意の手段によるシステムへの他の外力のレベルを制限し、解放し、軽減し、又は、さもなければ減少させる任意の装置である。本明細書でより詳細に説明するように、ねじれリミッタの多くの異なる設計が存在する。システムは、安全にさらされるねじれレベルの所定の制限を有するように構成されてもよい(1010)。外力によってシステムのねじれのレベルが所定の制限を超えるときに(1020)、ねじれリミッタは、システムのねじれレベルを減少させるように作用する(1030)。本明細書でより詳細に説明されるように、ねじれリミッタの種類に応じて、ねじれを減少させる動作は、スリップし(1040)、圧力を解放し(1050)、及び/又は、ねじれ方向のシステムの回転動作を促進する。
【0038】
例示的実施形態では、システムはねじれ方向に動作し、外力が解放され、システムのねじれレベルが減少するように過度のねじれを切り離す(1070)。例示的実施形態では、ねじれ方向のシステムの動作は、システムが第1位置から少なくとも一つの第2位置に移動することを意味する(1080)。システムは、少なくとも一つの第2位置で最大位置のストッパに突き当たるかもしれない(1090)。動作が回転動作である場合には、最大位置のストッパは、最大回転角に配置されるかもしれない(1100)。ねじれ方向の動作は、第1位置から複数の位置までであってもよい(1110)。例示的実施形態では、システムは、太陽追尾装置アセンブリのねじれに抵抗する構造体に沿った複数に分散した箇所でのその最大配置に拘束される(1120)。
【0039】
図3〜5を参照しながら、ギアドライブ機構システム10及びねじれリミッタ18の例示的実施形態が説明される。ギアドライブ機構システム10は、一以上の機構ユニットを有し、回転、動作のために機械部品を駆動させ、仕事を発生させるギアを使用する任意の種類の機構システムであってもよい。当該システムは、輸送システム、農業システム、製造システム及びエネルギー変換並びに/又は発電システムを限定せずに含む。例示的なギアドライブ機構システム10は、ギアラック14を含む少なくとも一つのギアドライブ機構ユニット12を備える。また、機構システム10は、トルク制限クラッチ18のような、ねじれリミッタを組み込むギアドライブシステム16を含む。より具体的には、例示的なギアドライブシステム16は、トルク制限クラッチ18と、少なくとも一つのギアホイール22を含むギアアセンブリ20とを備える。
【0040】
モータ15は、ギアドライブシステム16を駆動させるために設けられる。ギアドライブシステム16は、順に梁部材若しくは管部材、例えば、ねじれ管部材34を直接回転する、又は、ギアラック14を駆動する。ギアラック14は、順番にねじれ管部材又は他のモジュール取付梁構造体34を駆動する。
図3に示されるように、ギアラック14は、機構ユニット12の回転可能な管部材、例えば、ねじれ管部材34に付け加えられた平歯車ラック又はDリングチェイン駆動であってもよい。このようにして、ギアドライブシステム16によって駆動されるときに、機構ユニット12は回転される。例示的実施形態では、トルク制限クラッチ18は、機構ユニット12の第1ギアステージ上に且つギアドライブシステム16が機構ユニット12のギアラック14に係合する箇所の前にギアアセンブリ20の出力に配置される。追尾アセンブリ12と類似の第2、第3等機構ユニットは、分離した類似のウォームアセンブリと共に駆動シャフト25に連結され得る。これは、ギアドライブ機構システムの複数の機構ユニットについて繰り返される。
【0041】
図4及び5を参照すると、トルク制限クラッチ18の例示的実施形態は、例示的なギアボックス24の切断断面図に見ることができる。ギアホイール22は、任意の種類のギアホイールであってもよく、ウォーム21に係合するウォームホイールとして、例として示される。
図5で最もよく参照されるように、ウォームホイール22は、中央に二つのテーパー部分26を定義することができる。例示的実施形態では、クラッチ18は、これらのテーパー部分26に配置される。例示的実施形態では、スプリング張力下でウォームホイールギア22に係合する二つの鋼鉄テーパー26があってもよい。クラッチは、ナット44又はテーパー26のスプリング張力を変化させる他の同等の機構を介して調節可能であってもよい。ギアボックス出力シャフト43がギアボックス24をギアラック14に連結する。例示的実施形態では、スプリング19は、出力シャフト43に設けられる。スプリングは、ベリビルワッシャのようなワッシャ19の形態であり得る。
図5に最もよく示されるように、ワッシャ19は、ギアボックス24外側の出力シャフト43に相互に対面した円錐状ディスクである。ワッシャ19は、ウォームホイール22に向かって、円錐部分に圧力を供給するスプリングとして作用する。
【0042】
ギアアセンブリ20のトルクレベルが所定のレベルを超えたときに、クラッチ18はスリップする。より具体的には、テーパー26上のクラッチ18の摩擦が増加するトルクのために克服されたときに、クラッチ18はスリップする。これは、有利に、ギアドライブ機構ユニット12のトルクを解放する。このトルク解放機構は、機構ユニット12の回転軸周りのヒンジモーメントH
Mを制限するために機構ユニット12が回転可能である例示的実施形態で特に有利である。
【0043】
様々な機械的な状況がクラッチ、ギアドライブ及び一以上の機構ユニットを有する機構システムの例示的実施形態で生じうる。当該機構システムは、一以上の追尾装置を含む太陽追尾システムである。
図1及び3を参照すると、例示的な太陽追尾装置12は、少なくとも一つの支柱32を備える。当該支柱32は、PVモジュールと他のそこに据え付けられる構成部品を支持することができる限り任意の形状を有する任意の材料で構成されている。太陽追尾装置12の例示的実施形態は、二つの空間的に離れた支柱32a,32bを含む。ねじれ梁部材34又は他の追尾構造体は、支柱32に連結されている。さらに具体的には、ねじれ梁部材は、二つの支柱32a,32bを橋渡しし、ベアリング36及び任意の適当な止め金具を含むベアリング収容アレンジメントによって支柱に取り付けられる。
【0044】
ねじれ梁部材34は、複数の連結した梁部材を含む、取付ラック又は他の取付機構を支持するために適当な任意の形状又は構成であってもよく、例示的実施形態では、円形、正方形又は六角形の形状の断面を有する。重心から外れたところに重量がかかるシステムでは、システムが回転するにつれて重心から外れた重い負荷によるねじれは変化する。代替の例示的なねじれ梁部材の実施形態は、アレイの重量を平衡点を中心に回転されるように、重力のバランスをとって構成され得る。この安定したシステムは、まったく偏った重量がなく、全ての回転位置でねじれ解放力を一定に維持するため、ねじれを制限する設計に組み込む利点がある。
【0045】
旋回軸40はねじれ梁部材34を貫通しており、ねじれ梁部材34は旋回軸40を中心にして旋回し、又は、回転する。太陽電池モジュール42は、クランプ35を使用してねじれ梁部材34に取り付けられて、又は、モジュール取付ブラケットアセンブリを介して、太陽追尾装置12に取り付けられてもよい。太陽追尾装置は、二つの又は複数のねじれ構造アレンジメントでの一つのねじれ梁部材より多くを採用し得ることに留意すべきである。そのような実施形態では、追尾装置は、その長さに沿って延びる二以上のねじれ梁部材を有する。複数の追尾装置の一つの列は、その列の長さに沿って延びる二以上のねじれ梁部材を有し得る。
【0046】
例示的実施形態では、太陽追尾装置12のギアドライブシステム16は、太陽追尾装置12の第1ギアステージにトルク制限クラッチ18を組み込む。例示的実施形態は、ギアドライブシステム16が太陽光収集器アレイを直接回転させる1ステージのウォームギアドライブである1ステージのギア駆動太陽追尾装置を含み得る。ねじれリミッタは、クラッチとして、ウォームギアドライブ及び太陽光収集器アレイの出力の結合の間に配置され得る。また、例示的実施形態は、二つ又は複数のステージ太陽追尾装置を含む。ギアアセンブリ20は、少なくとも一つのギアホイール22を含み、例示的実施形態では、ギアホイールは、ウォームホイールである。
【0047】
例示的実施形態では、トルク制限クラッチ18は、第1ステージウォームギア及び第2ステージウォームギアの出力の結合の間に配置される。第2又は複数のステージギア又はギア群は、双方向に回転力を伝達することができる任意のタイプの双方向ギアドライブシステムから構成される。当該ギアドライブシステムは、平歯車、ピンギア、ケーブルドライブ、ベルト又はチェインドライブを限定せずに含む。トルク制限クラッチ18は、ギアアセンブリ20の出力に配置可能で、それは、太陽追尾装置12の第1ギアステージの出力の上で、さらにギアドライブシステム16が太陽追尾装置12のギアラック14に係合する箇所の前である。上記で議論されたように、クラッチ18は、ウォームホイールギア22の二つのテーパー部分26に配置される。二つの鋼鉄テーパー26は、ナット44又は他の調節機構を介して調節可能なスプリング張力下でウォームホイールギア22に係合する。
【0048】
例示的実施形態では、トルク制限クラッチは、太陽追尾装置の一以上の列46から構成されるアレイレイアウトに連結される複数の太陽追尾装置12内に組み込まれ得る。さらに具体的には、複数の太陽追尾装置12は、機械的に大型アレイ形態50に連結可能で、それらは、単一のモータと追尾装置コントローラによる駆動で同時に稼働する。そのアレイ形態は、太陽追尾装置アレイの下に回転ドライブ連結システムを設けることによって実装され得る。また、回転ドライブのような、他のベアリングシステムは、アレイ支持体の基部近傍に加えられる負荷力に耐えられるように適切に設計されるならば、傾斜固定の方位追尾ジオメトリに組み込まれ得る。代替的な例示的実施形態では、アレイは、各太陽光収集器ギアドライブにモータを有することができる。単一の電動ギアドライブの実施形態では、ねじれ制限機構は、電動ギアドライブアセンブリに組み込まれてもよい。例示的実施形態では、ドライブシステムは、連結されたウォームギアドライブを円形傾斜固定の方位追尾アレイフィールドに組み込むことができる。そのような実施形態では、傾いた太陽電池アレイは、太陽を追尾するための広領域円形ベアリング上で回転する。
【0049】
図6を参照すると、高いねじれ、スプリング力、マルチプレートねじれリミッタ718の例示的実施形態は、複数の交互配置のバネ仕掛けの摩擦プレート715から構成され得る。スプリング717は、摩擦プレート715上に摩擦力を創出し、ねじれリミッタ718の摩擦表面領域での増加を引き起こす。この設計は、
図4および5に描写されたスプリング負荷のテーパー円錐のねじれリミッタの例示的変更である。内径は、一つのシャフトに連結され、外径は、異なるシャフトに連結され得る。ねじれリミッタ718は、二つのシャフトの間のねじれを制限する。ねじれリミッタは、
図7Bに示すように、歯車装置と出力との間のウォームギアドライブユニット内側に組み込まれ得る、又は、
図7Aに示すように、ねじれ管部材のウォームギアユニットへの連結上のウォームギアユニットの外側に据え付けられ得る。代替的に、それは、
図10に示すように、連結された追尾システムのアレイ上のねじれを制限するために、内径上のねじれ管部材及びリニアアームに連結される。
【0050】
トルク制限クラッチアセンブリを使用したシステムの例示的実施形態は、
図7A〜12Bに、太陽追尾システムを例として示される。これら及び他の実施形態では、ねじれ制限クラッチは、追尾装置の第1ギアステージより他の配置に存在する。
図7A,7B及び8を参照すると、単独の電動ギア駆動の太陽追尾装置112の例示的実施形態は、ギアアセンブリの出力に又はドライブユニット116の内側に組み込んでクラッチ118を含み得る。そのような実施形態は、
図3〜4に示された例示的システムに類似して構成される。当該システムにおいて、複数の追尾装置は、単一のモータによって駆動され、トルク制限クラッチ18は、同様の方法で動作し、同様の利点を提供する。例示的な太陽追尾アセンブリ112では、ねじれ梁部材34は、支柱32に連結され、太陽電池モジュール42は、追尾装置112に据え付けられてもよい。
【0051】
図7A及び7Bに図示される例示的実施形態では、ねじれリミッタ又はクラッチ118は、個別の電動ギア駆動太陽追尾装置112のねじれ管部材34へのギアドライブユニット116の出力の連結に配置され得る。さらに具体的には、クラッチ118は、機械的に(ドライブユニット116内に)ギアアセンブリの出力に連結される。代替的に、クラッチは、ブレーキモータ及び双方向のギアドライブの間のような歯車列の他のステージに組み込まれ得る。さらなるねじれ制限クラッチ118が設けられ、例示的実施形態では、回転アクチュエータ111及び追尾装置112のねじれ梁部材34の間に配置され得る。例示的実施形態では、ドライブユニット116は、トルク制限クラッチを収容する。
図8は、複数の列46に配置された、連結された単一ステージギアドライブ追尾装置112の例示的実施形態を示す。当該複数の列46には、二つのねじれ制限クラッチ118が主駆動ギア116の出力上に組み込まれる。
【0052】
図9は、トルク管部材34へのトルクアームの連結上のねじれリミッタ218を有するプッシュ/プル追尾装置212の例示的実施形態を示す。例示的実施形態では、回転クラッチは、主ねじれ要素に又は任意の種類の追尾装置のギアの出力上に配置され得る。
図9に示すように、例示的実施形態では、ねじれリミッタ218は、ギアドライブユニット216の出力のアームコネクションとプッシュ/プル追尾システムのねじれ管部材34との間に組み込まれる。さらに具体的には、ギアラック214が動作可能なようにねじれ梁部材34に連結される間に、回転クラッチ218は、機械的に太陽追尾装置212のギアラック214に連結される。例示的実施形態では、ねじれリミッタは、回転構造を持つねじれリミッタであってもよい。
【0053】
図10〜11を参照すると、プッシュ/プル連結された太陽追尾システム310の例示的実施形態が示される。ここで、リンク機構が、強風の間に最遠の位置への個々の列の動作を成し遂げるために、各追尾装置312でリニアスリップ力リミッタ318を組み込む。リニア力リミッタ318の例示的実施形態は、
図11に示される。例示的実施形態では、リニアクラッチは、リニアリンク機構が直線運動でスリップする間に追尾装置を回転させる摩擦リニアスライド318である。摩擦リニアスライド318は、管部材319と管部材上をスライドするクランプ321とから構成される。クランプ321は、トラニオンマウント323を経由して管部材に取り付けられ、摩擦メイト325は、クランプ321と管部材319との間に配置される。このリニア摩擦スライド装置318は、太陽追尾装置のプッシュ/プルリンク機構に配置され得る。外部から追尾装置に与えられたねじれ力がスライド318の摩擦を打ち勝つのに必要な力よりも大きい場合は、そのとき、ねじれ力が解放され、追尾装置に動作をさせる。プッシュ/プル追尾システムは、個々に駆動することができ、又は、直線駆動動作で共に連結されることもできることに留意すべきである。
【0054】
図12A,12B,13及び14を参照すると、油圧駆動の追尾システム412の例示的実施形態は、追尾装置が過度の風力にさらされた状況下で追尾装置412に最遠位置に動作させるために、過度の圧力の安全弁418の形態でねじれの解放機能を採用することができる。
図13に示すように、複動油圧ラム460又はシリンダは、油圧追尾装置412を駆動するために使用されうる。油圧ラム460の例示的実施形態はロッド461、シール465並びに他の密封部品463、延長ポート462及び収縮ポート464を有する。
図10〜11を参照して上記で議論したように、油圧ラム460の直線運動は、回転運動に変換され、プッシュ/プル追尾装置の設計で使用されてもよい。
【0055】
例示的実施形態では、油圧ラム460は、
図14に示すように、過圧弁418を装着することができる。例示的な過圧弁418は、弁ボンネット476内に含まれるスプリング472を有する。シートディスク478は、本体474内にディスクホルダ480によって保持される。弁418は、ブロウダウン調節リング482とノズル484とをさらに備えてもよい。過圧弁418は、油圧ラム460の二つのチャンバの間の油圧流路に組み込まれ、回転位置を保持する。すなわち、過圧弁は、油圧ラム460の延長ポート462及び収縮ポート464の間に配置され得る。
【0056】
これは、外部で追尾システムに与えられるねじれが油圧ラムでの過剰圧力を創出する時、ラム460での動作を許す。さらに具体的には、十分な圧力を過圧弁418に与えたときに、それは油圧的に解放し、追尾装置のためのねじれリミッタとして動作する。過圧安全弁418は、その設計により外部から追尾システム412に与えられる過剰なねじれを解放するために所定の圧力で開くように設定されている。圧力、弁418によって制御された圧力は、加圧された液体を油圧ラムの二つのチャンバの間に流すことによって緩和される。また、空気作動追尾システムは、同じ機能を達成するために過剰圧力安全弁の形態で風が誘起するねじれの除去を採用する。
【0057】
電動ギアラック/追尾装置列アセンブリの例示的実施形態は、これから、
図15〜18を参照して説明される。ギアラック814は、太陽追尾装置アセンブリ812のねじれ管部材834に連結され、また、追尾装置アセンブリの支柱832に取り付けられる。さらに具体的には、ギアラック814は、ねじれ管ベアリングアセンブリ836と結合器823とを介してねじれ管部材834に連結されてもよい。例示的実施形態では、ギアボックス824は、ギアアセンブリ820の出力に配置される内部クラッチ(図不掲載)を有し、ギアシャフトエンドベアリングを含み得る。当該ギアアセンブリ820は、ギアラック814と、ピニオンギアシャフト817付きのピニオンギア815とを含む。システムは、駆動モータ821を有し、ギアボックス824を駆動するギアドライブ直立円柱アセンブリを有する。一以上の太陽電池モジュール842は、モジュール取付ブラケット835を使用して、ねじれ管部材834と連結されうる。
【0058】
図17は、ギアラック814の端部移動位置及びピニオンギア815の係合の詳細図である。例示的実施形態では、ギアラック814のピン825は、ピニオンギア815が、ピン825の変更された位置決めに回転するときに停止を達成するために、ギアラック814の末端で又はその近傍で有利に配置される。
図18に最もよく示すように、ピニオンギア815は、中央の畝状ピン825とスロット付きのピニオンギアを有してもよい。この配置は、ピニオンギア815がギアラック814のピン825だけに接触してギアラックの側部プレートには接触しないことを有利に確実にする。
【0059】
図19〜22に示すように、例示的実施形態では、単一の電動の太陽追尾装置512は、モータブレーキ518であり得るねじれリミッタ装置を組み込む。
図20に最もよく示すように、例示的なモータブレーキは、電気モータに付加する。モータブレーキ518は、圧力プレート及びディスク部品の任意の適当な組合せを含み得る。例示的実施形態では、内部構成部品は、静止円板521と、ハブとシャフトとを有する一以上の回転摩擦ディスク523とを含む。ブレーキは、モータ作動の間に電気的に解放され、モータが電源を切ったときに係合される。圧力プレート525は、そのディスクに対して押圧し、自己調節機構527は、ディスク上の圧力を調節するように設けられてもよい。解放レバー529は、圧力の手動開放を許す。
【0060】
例示的実施形態では、各アレイに個々のモータが配置され得る。例示的実施形態では、双方向に駆動可能な歯車装置システムは、各アレイでのモータ及びモータブレーキ518に連結され得る。モータは、モータシステムにブレーキを有し、又は、ブレーキとしてそれ自体を使用する。適切なモータ、ブレーキの大きさ、及び、ギア比、並びに、ギア効率によっては、モータ又はモータブレーキ518は、システム中で風力の解放用に機能し得る。例示的実施形態では、ドライブシステムは、双方向のギアボックス514を備え、モータブレーキ518は、ギアボックス514の入力に配置される。双方向の歯車装置は、ギアボックス入力又は出力から駆動し、出力又は入力のどちらからも駆動する能力を有する。例示的実施形態では、双方向の歯車装置は、平歯車、はすば歯車、遊星歯車、高効率の低比率ウォームギア、ベルトドライブ、チェインドライブ、又は、他の双方向のドライブ配置を限定せずに含む任意の適当なギアであり得る。
【0061】
例示的なモータブレーキの実施形態では、風のような外部の力によって与えられ、
モータブレーキ力に打ち克つねじれ管部材34のトルクは、双方向の歯車装置のギア比率によって減少する。そのとき、ねじれはその出力で解放され、追尾装置アレイが回転する。この実施形態では、モータブレーキ518は、所定のトルク限度に達するまで、太陽追尾装置512の位置をロックするように構成され、限度に達した時、モータブレーキがスリップする。例示的実施形態は、モータ内に、又は、モータとギアドライブとの間に付加して機械的なブレーキを組み込む。モータ自体が、
図21に示すように、分離したブレーキを有する場合、そのとき、モータは、アレイを保持するために必要なねじれ解放力から独立してアレイを移動させるための大きさであってもよい。
【0062】
図21に示すように、モータブレーキは、ブラシ型直流モータ618であり得る。当該ブラシ型直流モータ618は、モータ出力でブレーキ動作を行うために短絡されたリードワイヤ635のような、入力電気リード線を有する。ブラシ型DCモータをもって設計され、ギア比率及びスリップトルクを適切な大きさにするならば、モータ自体は、外部ねじれが克服するスリップクラッチとして使用されうる。共に短絡された入力線を有するDCブラシ型モータ618は、そのモータを短絡された出力を有する発電機に変えることによってブレーキとして作用する。例示的実施形態では、ブラシ型モータ618は、電流の方向を周期的に逆にする内部整流子631を有し、少なくとも一つのブラシ633が整流子と接触していることで変換が行われる。
【0063】
モータの組み込みを示す例示的な回路図は、
図22に示される。
図22は、短絡された発電機として作用するように、モータ、この例示的実施形態では、ブラシモータ618を短絡する例示的な方法を示す。Hブリッジは、モータの電源をつけ、モータは、継電器619を経由して短絡されてもよい。これが起こるとき、ブラシモータ618は、変換することが不可能であるほどに十分に負荷がかかった発電機として作用し、太陽追尾システム上のブレーキとして作用する。モータ618は、負励磁作動ブレーキであるブレーキ637を組み込んでもよい。モータブレーキは、様々な太陽追尾装置アセンブリのうちの一つに組み込まれ、当該アセンブリは、個々の電動の単一、複数のステージ又は双方向のギア駆動システムを限定せずに含むことに留意すべきである。外力によってドライブシステムのねじれレベルが所定の制限を超えたときに、モータブレーキは、超過され、ドライブシステムのバックドライブを促進する。
【0064】
図23A〜23Dを参照して、ベアリング止めアセンブリ70の例示的実施形態は、説明されうる。例示的なベアリング止めアセンブリ70は、ベアリングハウジング72、乾式スライドベアリング74及び内部回転停止ブロック76を備える。
図23Bは、回転のその限界の一側部に、つまり、一最遠停止位置に係合する停止ブロック76を描写する。
図23Cは、中央位置、つまり、許される回転動作の中央の停止ブロック76を示す。
図23Dは、
図23Bの反対の最遠の停止位置の停止ブロック76を示す。ベアリング止めアセンブリは、各コラムに配置可能で、ねじれ管部材34に取り付けられ得る。ベアリング止めアセンブリ70は、太陽追尾装置アレイを支持する三重の機能を有利に提供する。当該アセンブリは、アレイがその上を回転するベアリングを備え、明細書内で詳細に説明されるように、追尾装置の最大回転位置の機械的なストッパとして機能する。ハウジングは、緩やかに動作するベアリングで貼り付く動作又はスリップする動作を防止するために低摩擦コーティングで被覆することができる。
【0065】
図24A〜24Cは、完全に接地する追尾装置ベアリング止めアセンブリ170の他の例示的実施形態を示す。例示的なアセンブリ170は、ベアリングハウジング172と、ピン及びローラベアリングホイール173と、乾式スライド上半分ブッシング174と、内部回転停止ブロック176とを備える。都合よいことに、この設計は、埃っぽい環境でよりよい性能を提供し、また、連続的に導電性接地経路を提供し、コラムにねじれ管部材を電気的に結合するための外部のアース線の必要をなくす。
【0066】
図23Aを再び参照すると、ベアリング止めアセンブリ70の例示的実施形態は、太陽追尾装置アプリケーションに完全に取り付けられて見ることができる。当該アプリケーションでは、太陽追尾装置12が、特別なモジュール取付ブラケットで、ねじれ管部材34に取り付けられた太陽電池モジュール42を有する。さらなるブラケットは、ダンパにねじれ管部材34と追尾装置の支柱32との間を連結させるように設けられる。ダンパは、トルクが過剰である状況の際に追尾装置が回転する速度を制御するためにギアドライブに組み込まれてもよい。ねじれがシステムを回転させることによって解放される時、アレイを動作させる速度は、クラッチのスリップの摩擦若しくは外部のダンパ又はその両方によって制御されうる。
【0067】
例示的実施形態では、ベアリング止めアセンブリ70は、U字型ブラケット78に連結され、当該Uブラケット78は、I字型梁円柱80に連結する。図示するように、ベアリング止めアセンブリ70は、ねじれ管部材がベアリング止めアセンブリの中央を経由して延びるように、例示的な八角形のねじれ管部材34に取り付けられる。ねじれ管部材は、円形、丸い形、卵形、正方形、長方形、三角形、五角形、六角形及び八角形に限定せずに含む任意の断面形状であり得ることに留意すべきである。ベアリング止めアセンブリ70の停止ブロック76は、管部材の外側と調和し、且つ、管部材と回転するような、ねじれ管部材34の外側形状に従うリングとして構成され得る。
【0068】
例示的実施形態では、乾式スライドベアリング74は、また、ねじれ管部材34の外側形状に従い、管部材と共に回転する。
図23Aに示すように、乾式スライドベアリング74は、内部が八角形で外部が円形であってもよい。乾式スライドベアリング74の円形外部形状は、ベアリングハウジング72の円形内部形状の上をスライドする。乾式スライドベアリング74の外部表面とベアリングハウジング72の内部表面とのこの接触面は、ベアリング表面を形成する。例示的実施形態では、ベアリングハウジング72のベアリング表面は、ベアリングの摩擦を減少させるために、低摩擦のコーティングで被覆され得る。乾式スライドベアリング74は、概して、ポリマー材料から形成され、また、摩擦を低減するためにその配合に減摩剤を組み入れてもよい。ねじれ管部材34が機械的限界まで回転したときに、停止ブロック76は、ねじれ管部材34のさらなる回転を止めるためにベアリングハウジングに係合する。このようにして、停止ブロック76によって形成された二つの最遠の回転停止位置がある。
【0069】
動作中に、風によって、ギアドライブ機構システム10上にヒンジモーメントM
Hが誘起される。
図1〜5と他の実施形態とで参照されるように、クラッチは、最大誘導ヒンジモーメントトルクの何分の一かでスリップするように予め設定されてもよい。風によって誘起されるヒンジモーメントH
Mが所定のトルク制限値に達したとき、クラッチ18のテーパー26との摩擦力が負け、クラッチ18はスリップする。実際には、クラッチ18は、風によって誘起されたヒンジモーメントM
Hのための圧力逃し弁のように作動し、ギアドライブ機構ユニット12のトルクを有利に解放する。クラッチをスリップする十分なトルクのレベルで、ギアドライブ機構ユニット12の一列は、位置を外れ、さらに低いヒンジモーメント位置に回転しうる。
【0070】
ギアドライブシステム収集器アレイの出力に外部から与えられたねじれが所定の制限を超えたときに、ねじれ制限装置は、ねじれ閾値以下までその力が小さくなるまで又はアレイがその機械的限界に達するまで、新しい位置にアレイを動作させる。入力から与えられたねじれがアレイの所定のねじれ制限を超える場合に、ねじれ制限装置は、過剰な入力力を分離し、入力をアレイの影響される動作なしに移動させる。本明細書で詳細に説明されるように、これは、機械的ストッパに対して駆動するときに、リンクされているアレイを同期するために使用される、又は、雪がドリフトする若しくは砂がアレイの動作を妨げるなどの自然発生のときに使用される。この場合において、ねじれリミッタで入力駆動力を分離し、所定の位置でアレイ出力を保持することが有利である。
【0071】
例示的実施形態では、風速力が、駆動系のクラッチをスリップするために必要なトルクを超えるときに、太陽電池アレイ又はギアドライブ機構ユニット12は、他の位置に回転する。この過剰なトルクが風から続くならば、そのとき、各機構ユニット12及びユニットのアレイ50は、その最大回転角度54、ねじれ力がねじれ管部材34の複数の位置で抵抗されうる極大の回転角度まで動作する。機構ユニット12の列は、極大角度のストッパに到達するまで風によって回転し得る。
【0072】
例示的実施形態では、列が通常運転の間に極大角度まで移動するたびに、システムは機構ユニット12の各列の機械的ストッパ58に突き当たることができる。太陽追尾装置の他の列を駆動する間に外部の力が太陽追尾装置の列を回転させることは、太陽追尾装置の全列が位置合わせされるまで、各列をその最大制限位置に到達させることを許容する。これは、風が列を動作させる事象において一日二回のユニット12の全列の調整を有利に確保する。これは、全列が少なくとも一日に一回正確に同調されることを確保する。新しいプロジェクトの試運転で、追尾装置の列は、バラバラな方向を向いているかもしれないが、較正後、列は完全に同調する。連結された太陽追尾装置システムでは、クラッチ18は各追尾装置列で独立して動作可能であることに留意すべきである。これは、追尾装置の全列を逆駆動しなければならない逆駆動可能な連結されたシステムを有することは、風力が列に独立して与えられるときに、各列を保護するために適切に作用しないためである。
【0073】
例示的実施形態では、回転速度は、クラッチスリップ力によって調節されうる。クラッチ18は、システムのスプリングを除去することによってシステムの動的な負荷を有利に分離し、従って、顕著に設計荷重を減少させる。代替的に、ダンパ58が追尾装置の動作を遅くするために設けられてもよい。最大角度ストッパは、そのとき、ギアラックによってだけではなく、機構ユニット12の列の端部のストッパ58又はギアラックのダンパによって抵抗され、従って、ギアラック60のねじれ負荷を共有し、ねじれ管部材34の複数のポイントを介してねじれ負荷を分散する。ダンパ58は、アレイの末端でのストッパとしての二重の役割を果たし、又は、任意の位置に配置されたダンパは、ねじれ解放反応速度の調節及びヒンジモーメント負荷の抵抗に関して補助するように設計され得る。
【0074】
例示的実施形態は、最大ヒンジモーメントを減少させ、動的負荷を除去し、ギアドライブ機構システムが単一のポイントでの代わりにアレイの複数のポイントでヒンジモーメント力に抵抗することを有利に可能にする。一般的に、ヒンジモーメント力は、小さなチルト角でより大きくなり、アレイチルト角が増加するにつれて減少する。例示的実施形態では、極大垂直停止位置で最大ヒンジモーメント力は、小さな回転角度でのものより小さく、動作両極端の範囲で機械的ストッパで発生するのみである。全ヒンジモーメントは、ただ中央ギアだけでより多くで抵抗され得る。動作機械的ストッパの範囲は、ヒンジモーメント荷重に抵抗することを補助するために、一般的に分散した垂直の支持体に、アレイ上の任意の場所に配置され、したがって、システム内の任意の単一ポイントでのねじれ負荷を最小限にする。
【0075】
図1及び3を再参照すると、最大ヒンジモーメントは、xフィート重量ポンドであり、クラッチ18は、おおよそx/4フィート重量ポンドでスリップする。同様に、ねじれ管部材34は、クラッチ18がスリップする前にギアドライブで最高でx/4フィート重量ポンドに抵抗することのみが必要である。この例示的実施形態では、最大回転角度54で、最大ヒンジモーメントがおおよそxフィート重量ポンドであり、ギアはx/2フィート重量ポンドに抵抗し、追尾装置の端部に配置されたストッパは、x/4フィート重量ポンドに抵抗しなければならない。結果、管部材34の最大ねじれ負荷は、x/4フィート重量ポンドである。最大ねじれの値は、クラッチと複数のストッパとの例示的実施形態を有利に利用しない場合は、各構成部品において二倍になる見込みである。これらの値は、ねじれの解放がより低い値で生ずるのを可能にし、且つ、各コラムでのように、アレイの端部だけでより多くのストッパを使用することによって、さらに減少し得る。
【0076】
例示的実施形態では、駆動系及びギアラックにおいて、一つのギアラック14がモータ15からの力を止めることはないはずである。結果的に、ギアラック及び駆動系は、より最小限に構築され得る。さらに、例示的なシステムは、日常的な範囲の動作に限定された動作にだけ対応して構築されれば十分で、過剰移動の保護は、ねじれリミッタに組み込まれうる。ダンパ58及びギアラック14は、全範囲の動作で最適に設計され、実装される。動作範囲の余分な許容値は、日常の動作範囲の他に必要ではない。
【0077】
例示的実施形態では、機構ユニット12の一列に機械的制約を生じた場合でも、有利なことに、システム10の残りに影響しないであろう。これは、追尾装置の列に係る問題を自己診断できるために有益でありうる。外側の列が風から極大の角度に動作するならば、それらは、内側の列への風の遮断物として作用し得る。リフト、ドラッグ及びヒンジモーメントの力がシステムで組み合わせて生じ、これらの各負荷が異なる特定の回転角度位置でピークになるため、機構ユニットが最大リフト力となる状況が発生する前により極大の角度位置に動作するのを可能にすることは有利であり得る。これが、本明細書で説明されるねじれリミッタを介して確実に成し遂げられるのならば、そのとき、最大リフトのための基礎設計値は、より小さく、したがって、システムの基礎に必要なサイズ及び/又は深さは、より低いリフト力に抵抗するためにより小さくなりうる。
【0078】
最大ねじれは複数のポイントで抵抗し、ピークヒンジモーメントのための最大回転角度では抵抗しないので、ねじれ強度の要求値は、より小さくなりうる。システムは、一般的に、水平太陽追尾装置の場合の極大回転角度位置向けに設計されているので、ドラッグ力ピークは、変化しないが、他の太陽追尾装置ジオメトリにおいては、ドラッグ力ピークは、小さくなりうる。また、最大結合力は小さくなりうる為、その場合、全体の構造的要求が小さくなる。これらの力の減少は、機構システムの構造物の必要の減少につながる。構造物の材料の減少は、一般的に、実質的な材料コストの削減と同じであり、また、人件費の削減にもつながる可能性があり、従って、システムの取付コストを削減することができる。
【0079】
このようにして、太陽追尾装置のようなシステムに組み込まれた、ねじれリミッタ装置、システム及び方法が提供されることが理解できる。そのシステム、装置及び方法が例示的実施形態に関して説明されているが、本開示が開示された実施形態に限定される必要がないことを理解すべきである。例示的実施形態が上述の通り説明されているものの、様々な変更及び修正が、本開示から逸脱することなく、本明細書中でなされ得ることは当業者には明らかであろう。
【0080】
前述の構成及び特定の部品又は化学合成物の全てが、置き換え可能であり、先行する実施形態の任意のシステムと共に使用可能であることは理解されるべきである。特許請求の範囲の精神及び範囲内に含まれる様々な改変及び類似の構成を包含することが意図され、その範囲は、全てのそのような改変及び類似の構造を包含するように、そのうちで最も広く解釈されるべきである。本開示は、後述の特許請求の範囲の任意及び全ての実施形態を含む。本開示の真の精神および範囲内に入るそのような全ての変更及び改変を包含するように、添付の特許請求の範囲内に意図される。
【国際調査報告】