(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-506571(P2017-506571A)
(43)【公表日】2017年3月9日
(54)【発明の名称】多機能マットレス
(51)【国際特許分類】
A61G 1/00 20060101AFI20170217BHJP
A47C 27/08 20060101ALI20170217BHJP
A61G 1/01 20060101ALI20170217BHJP
【FI】
A61G1/00 701
A47C27/08 D
A61G1/01
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-571455(P2016-571455)
(86)(22)【出願日】2014年3月20日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月26日
(86)【国際出願番号】CN2014073763
(87)【国際公開番号】WO2015127700
(87)【国際公開日】20150903
(31)【優先権主張番号】201410068892.9
(32)【優先日】2014年2月27日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516257394
【氏名又は名称】リン リーミン
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】リン リーミン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヌー
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AB03
3B096AC08
3B096AC12
3B096AD03
(57)【要約】
N個の人体支持部材が配置され、長辺Lの方向に沿ってそれぞれ左右の2本の担架棒貫通接続領域が設置され、担架棒貫通接続領域内に担架棒を通過させる担架穴が設置され、担架穴がマットレス本体の長辺Lと平行する方向に沿って延伸し、マットレス本体上に複数のエアバッグ領域が設置され、エアバッグ領域の間にいずれも棒状隙間が設置され、棒状隙間が相互に平行してマットレス本体の長辺Lに相互に垂直である方向に設置され、棒状隙間の幅Hが人体支持部材の幅hより大きく又は等しく、前記エアバッグ領域がガスを充填された後の厚さが人体支持部材の厚さより大きい多機能マットレスであって、この多機能マットレスは操作が速く、安全で省力的で、携帯しやすくて環境に優しい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マットレス本体(1)を含む多機能マットレスであって、
更にN個の人体支持部材(3)が配置され、
前記マットレス本体(1)上に長辺Lの方向に沿ってそれぞれ左、右の2本の担架棒貫通接続領域(9)が設置され、各担架棒貫通接続領域(9)内にそれぞれ担架棒(2)を通過させる1本の担架穴(10)が設置され、左、右の2本の担架穴(10)がいずれもマットレス本体(1)の長辺Lと平行する方向に沿って延伸し、
前記マットレス本体(1)上に複数のエアバッグ領域(12)が設置され、エアバッグ領域(12)の間に人体支持部材(3)を挿通させるための棒状隙間(7)が設置され、前記棒状隙間(7)が相互に平行してマットレス本体(1)の長辺Lに相互に垂直である方向に設置され、
前記棒状隙間(7)の幅Hが人体支持部材(3)の幅hより大きく、前記エアバッグ領域(12)がガスを充填された後の厚さが人体支持部材(3)の厚さより大きいことを特徴とする多機能マットレス。
【請求項2】
前記マットレス本体(1)の各エアバッグ領域(12)がいずれも棒状となり、これらの棒状のエアバッグ領域(12)が相互に平行してマットレス本体(1)の長辺Lに相互に垂直である方向に設置され、エアバッグ領域以外のマットレス本体が全て非エアバッグベースであることを特徴とする請求項1に記載の多機能マットレス。
【請求項3】
マットレス本体(1)上には、全てのエアバッグ領域(12)を貫通し、ガス充填ノズル(14)に接続されてエアバッグ領域(12)にガスを充填し、排気する少なくとも2本のガス充填導管(13)が更に設置されることを特徴とする請求項1に記載の多機能マットレス。
【請求項4】
更に左、右の二つの担架棒(2)が配置され、各担架棒(2)上にいずれも人体支持部材(3)を挿入するための少なくともN個の挿入接続穴(21)が設置され、左担架棒における挿入接続穴(21)と右担架棒における挿入接続穴(21)が対称に分布されることを特徴とする請求項1に記載の多機能マットレス。
【請求項5】
各担架棒貫通接続領域(9)は、担架棒貫通接続領域(9)を上下貫通する複数の挿入接続操作空間(11)及び複数のサブ担架棒貫通接続領域(8)を含み、各挿入接続操作空間(11)がいずれも担架棒貫通接続領域(9)内の担架穴(10)を貫通し、左側担架棒貫通接続領域(9)における挿入接続操作空間(11)と右側担架棒貫通接続領域(9)における挿入接続操作空間(11)が対称に分布されることを特徴とする請求項4に記載の多機能マットレス。
【請求項6】
前記人体支持部材(3)の両端にいずれも1つの安全留め金(31)が設置され、人体支持部材(3)の安全留め金(31)が前記担架棒(2)における挿入接続穴(21)に挿入されて取り外し可能なロッキング実装を形成することを特徴とする請求項4に記載の多機能マットレス。
【請求項7】
前記各担架棒(2)は、取り外し可能な連結構造により1つの担架棒(2)として固接されることが可能である2つ又は2つ以上のサブ棒部材を含むことを特徴とする請求項4に記載の多機能マットレス。
【請求項8】
病床マットレスの上に置かれ、左、右の2本の担架棒貫通接続領域(9)がそれぞれマットレス本体(1)の2つの長辺L上に位置し、担架棒貫通接続領域を含む多機能マットレスのサイズが病床マットレスのサイズに等しいことを特徴とする請求項1に記載の多機能マットレス。
【請求項9】
前記マットレス本体(1)が折畳可能な構造であることを特徴とする請求項1に記載の多機能マットレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存のマットレスに合わせて平坦に敷設されて使用されることが可能な携帯式マットレスに関し、特に、医療使用も日常使用も可能な多用途多機能のフレキシブルマットレスに関する。
【背景技術】
【0002】
マットレスは人々によく知られている用品であり、例えば日常生活で使用される一般のマットレス、病院で使用される医療用マットレス等の使用場所によって異なった種類がある。しかしながら既存のマットレスは用途が単一であり、特別な状況の需要を満たすことができない。例えば、既存の医療用マットレスに横たわった患者は、担架、病床、病人用車の間での転移及び寝台整理等の介護作業のために常に移動されることが必要である。現在、例えば患者の担架から病床への移動、病床から手押し車への移動、手押し車から治療への移動、検査装置及び敷布の交換等の過程は、基本的に人工搬送によって行われる。そのようなことから、患者がこの過程で再度打撲傷を負う場合が増加して、患者の痛みが増加し、又は不適切な人為操作によって病状が悪化して患者に不利益をもたらすことになる。更に、病人を頻繁に移動することは、医療・介護者にとって最も面倒な作業であり、多人数の介護者がいなければ完遂できなく、移動過程で介護者による患者への交差感染を増加可能とし、病人の家族にこれらの過程での不必要な人数、経済負担をも増加する。また、例えば家又は老人ホームでの既存のマットレス上で病臥した体の不自由な人を移動し介護することは非常に困難である。
【0003】
特許番号02113702.1の中国の発明特許出願にはガス充填式多機能物理療法マットレスが開示されている。これでは、病人を持ち上げてマットレスから離れさせることができないため、病人転移及び寝台整理等の介護作業が極めて困難である問題が依然として存在し、また、この既存のマットレスは構造が複雑で、体積が大きくて重くて、担架として使用することが非常に難しく不便である。特許番号201120053549.9の中国の実用新案には長期の病臥患者用の介護ベッドが開示されている。これでは、病人に寝返りを打たせることができるが、患者(病人)を押したり引いたりせずに病人を持ち上げてマットレスから離れさせることができる機能をまだ実現できず、更に、これも構造が複雑で、体積が大きくて重いという問題が存在し、担架として活用することができない。
【0004】
以上のことを鑑みて、病臥患者を便利で安全で省力的に移動できるマットレスが求められている。なお、旅行の安全、自然災害に備える等の要求が高まるに伴って、野外宿営にも使用可能であって非常時に担架としても使用可能な携帯式マットレス用品が求められている。既存のマットレスは全て上記使用要求を同時に満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、構造が簡単で合理的で、軽やかで精巧で耐用性が高くて、製造コストが低くて、更に既存の病床マットレスに合わせて平坦に敷設されて使用されることが可能で、使用しやすくて、安全で信頼的で、更に担架、野外宿営用のマットレス、吊りベッド及び救援ベッドとして兼用可能で、操作が速く行え、安全で省力的で、携帯しやすくて環境に優しい多機能マットレスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
【0007】
多機能マットレスにおいて、マットレス本体を含み、更に複数の人体支持部材が配置され、前記マットレス本体上に長辺Lの方向に沿ってそれぞれ左、右の2本の担架棒貫通接続領域が設置され、これらの2本の担架棒貫通接続領域が好ましくはマットレス本体の長辺Lの方向に位置し、各担架棒貫通接続領域内にそれぞれ1本の担架棒を通過させる担架穴が設置され、左、右の2本の担架穴がいずれもマットレス本体の長辺Lと平行する方向に沿って延伸し、前記マットレス本体上に複数のエアバッグ領域が設置され、各エアバッグ領域が単一のエアバッグで構成された棒状構造であってもよく、複数の部分の接続されたエアバッグを集めてなった棒状構造であってもよく、エアバッグ領域の間に人体支持部材を挿通させるための棒状隙間が設置され、前記棒状隙間が相互に平行してマットレス本体の長辺Lに相互に垂直である方向に設置され、前記棒状隙間の幅Hが人体支持部材の幅hより大きく、前記エアバッグ領域がガスを充填された後の厚さが人体支持部材の厚さより大きい。本発明はエアバッグ領域と隙間の協働により病人に風を通すことができ、人体支持部材とエアバッグ領域、棒状隙間により多種の作業モードの協働を実現でき、病臥患者を押したり引いたりせずに快適且つ安定的に持ち上げることができ、マットレスと共に患者を移動し、マットレスを移動せずに患者を移動し、敷布を交換する等の様々な作業需要を便利で安全で快適に完成することができ、また、患者を持ち上げる過程で患者の受けた力が均一で、患者が各治療過程で再度打撲傷を負うことが回避され、更に既存の病院介護者の人数を大幅に減少して人員による患者への交差感染を低減することができる。
【0008】
各エアバッグ領域は単一のエアバッグで構成されてもよく、複数の部分の接続された構造エアバッグを集めてなってもよい。好ましい形態として、前記マットレス本体の各エアバッグ領域がいずれも棒状となり、これらの棒状のエアバッグ領域が相互に平行してマットレス本体の長辺Lに相互に垂直である方向に設置され、エアバッグ領域以外のマットレス本体が全て非エアバッグベースである。病人が仰向けて病床に横たわった時、エアバッグにガスを充填して、このような棒状で横方向に配置されたエアバッグ領域を利用して人体支持部材を効果的に位置決めして、各人体支持部材が相互に並行した位置にあることを保証して、病人の受けた力のバランスを取って、更に病人が各治療移動、介護過程で再度負傷する場合を減少することができる。
【0009】
マットレス本体1上には複数のガス充填導管が設置され、前記ガス充填導管が全てのエアバッグ領域を貫通し、好ましくは2本又は2本以上のガス充填導管を採用してより迅速且つ安定的にガスを充填し排気することを保証し、前記ガス充填導管がガス充填ノズルに接続されてエアバッグ領域にガスを充填し、排気する。病人を転移し、病人に風を通し、クリーニング介護を行い又は敷布を交換する必要がある時、ガス充填導管、ガス充填ノズルによりエアバッグ領域にガスを充填することができ、上記介護、転移作業が完了した後、エアバッグ領域を排気して正常状態に回復させることができる。なお、ガス充填ノズル及びガス充填導管により更にエアバッグ領域のガス充填量を調節し制御して異なった患者、異なった環境のエアバッグの厚さに対する需要に適応することができる。
【0010】
なお、前記多機能マットレスは更に左、右の二つの担架棒及び複数の人体支持部材を選択的に配置することができ、これらの担架棒が多機能マットレスに取り外し可能に挿入され、実装され、各担架棒上にいずれも人体支持部材を挿入するための少なくとも複数の挿入接続穴が設置され、左、右の二つの担架棒における挿入接続穴が対称に分布される。例えば、多機能マットレスにN個の人体支持部材の空間が残され、そのようにして各担架棒上にいずれも人体支持部材を挿入するための少なくともN個の挿入接続穴が設置される。この特許に記載のNは複数を表し、即ちNは1より大きい自然数である。
【0011】
更に、前記多機能マットレスの各担架棒貫通接続領域はいずれも担架棒貫通接続領域を上下貫通する複数の挿入接続操作空間及び担架棒貫通接続領域の複数のサブ担架棒貫通接続領域を含み、各挿入接続操作空間がいずれも担架棒貫通接続領域内の担架穴を貫通し、左側担架棒貫通接続領域における挿入接続操作空間と右側担架棒貫通接続領域における挿入接続操作空間が対称に分布される。これらの担架棒貫通接続領域に位置する挿入接続操作空間は人体昇降のために予め残されたものであり、敷布、マットレスと共に患者を容易に手動で又は昇降機で持ち上げて移動することができ、人体昇降、移動の多種の作業モードに活用可能である。また、前記マットレス本体は折畳可能な構造である。
【0012】
更に、前記棒状隙間の延伸方向はいずれも担架棒貫通接続領域の挿入接続操作空間に向かっている。同一の挿入接続操作空間は複数の棒状隙間に対応可能である。より好ましくは、棒状隙間と挿入接続操作空間とは対応し、前記担架棒貫通接続領域の挿入接続操作空間の位置と担架棒における一部又は全部の挿入接続穴の位置とは対応し、そのようにして担架棒における挿入接続穴の一部又は全部を露出させて人体支持部材を挿入し、実装する。
【0013】
前記人体支持部材は好ましくは弾性材料で製作された多機能マットレスの付属品であり、人体支持部材の両端にいずれも1つの安全留め金が設置され、前記安全留め金が前記担架棒における挿入接続穴に挿入されて取り外し可能なロッキング実装を形成して担架棒と協働して患者を安定的に支持することを完成することができる。
【0014】
なお、各担架棒は1つの棒部材であってもよく、より好ましくは2つ又は2つ以上の棒部材を接続して組み立てて1つの担架棒を構成し、即ち前記各担架棒は2つ又は2つ以上のサブ棒部材を採用して接続してなることが可能であり、前記2つ又は2つ以上の棒部材同士は取り外し可能な連結構造により1つの担架棒として固接されることが可能である。より好ましくは、担架棒の取り外し可能な連結構造は軸穴挿入連結構造及び/又はネジ連結構造である。
【0015】
前記多機能マットレスは病床マットレスの上に置かれ、両側の担架棒貫通接続領域の間の前記マットレス本体がマットレス載置領域であり、前記マットレス載置領域のサイズ(幅及び長さ)が多機能マットレスの下に位置する病床マットレスのサイズ(幅及び長さ)と基本的に一致し、前記担架棒貫通接続領域が病床マットレスの外まで伸び出す。しかし、左、右の2本の担架棒貫通接続領域がそれぞれマットレス本体の2つの長辺L上に位置し、担架棒貫通接続領域を含む多機能マットレスのサイズが病床マットレスのサイズに等しいことがより好ましくい実施形態である。例えば、2本の担架棒貫通接続領域の最も外縁の間の距離が多機能マットレスの下の病床マットレスの幅と基本的に一致する。
【発明の効果】
【0016】
上記技術的解決手段を採用すれば、本発明の多機能マットレスは既存の病院、老人ホーム、家庭で使用されるマットレスに合わせて使用することが容易になって、病臥患者を押したり引いたりせずに快適且つ安定的に持ち上げて移動してマットレスから離れさせる効果が実現され、それは多種の作業モードを有し、後で他の治療、検査装置上に移動し、敷布を交換し、又は背中に流通する空気を増加させる等の介護作業が非常に便利で安全で快適になり、患者が各治療過程で再度打撲傷を負うことを回避することができ、更に既存の病院介護者の人数を大幅に減少し、人員による患者への交差感染を低減し、病人の家族のこれらの過程での不必要な人数、経済負担を減少することができる。また、本発明の多機能マットレスは担架、野外宿営用のマットレスと吊りベッドとして兼用することもでき、携帯しやすくて、使用に省力的で便利である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下に添付図面において、直方体マットレスを実施例として非限定的に例示する本発明について行った具体的な記述により、本発明の多機能マットレスの他の利点及び特徴をより明らかでより理解しやすくする。
【0018】
【
図1】本発明の多機能マットレスの第1の実施例の平面図である。
【
図2】本発明の多機能マットレスの第2の実施例の平面図である。
【
図3】本発明の多機能マットレスの選択的に配置された付属品の担架棒及び人体支持部材がロッキング接続された時の平面図である。
【
図4】本発明の多機能マットレス本体にガスが充填されず、担架棒を通過させない平坦に敷設された状態の側面図である。
【
図5】本発明の多機能マットレス本体1にガスが充填されない状態で担架棒を通過させた側面図である。
【
図6】本発明の
図3の実施例のガス充填状態の側面図であり、この状態下で敷布、マットレスと共に患者を昇降又は移動することができる。
【
図7】本発明の多機能マットレスの付属品の担架棒及び人体支持部材の具体的なロッキング接続の側面図である。
【
図8】本発明の多機能マットレスの付属品の担架棒及び人体支持部材の具体的なロッキング接続の平面図である。
【
図9】
図8の実施例における人体支持部材とてこのロッキング接続の局所拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、
図1〜
図9に提供された実施例を参照して本発明の具体的な実施形態を更に説明する。本発明の多機能マットレスは以下の実施例の記述に限定されない。
【0020】
図1、
図2及び
図3に示すように、本発明の多機能マットレスはマットレス本体1及び選択的に配置可能な付属品の2つの担架棒2と複数の人体支持部材3を含む。
図1に示すように、多機能マットレスは長さL、幅S、厚さdを有する直方体であって、その長さLと幅Sの大きさ、サイズが一般の標準的な病床のマットレスのサイズに近い。実際において多機能マットレスの担架棒貫通接続領域が病床マットレスの外に延伸していれば、多機能マットレスを病人と共に検査装置に移動したい時に問題が発生する。マットレス本体1の両側にその長さLの方向、即ち長辺Lの方向に沿ってそれぞれ1本の担架棒貫通接続領域9が設置され、各担架棒貫通接続領域9上にそれぞれ左右担架棒2の挿入を許容する1本の担架穴10が設置され、好ましくは2本の担架穴10をマットレス本体1の左側縁と右側縁に設置し、また、それらがそれぞれ長さLの方向に沿って延伸し、即ち2本の担架穴10が左側長辺Lと右側長辺L上に設置され、両側の担架棒の貫通に利用可能である。マットレス本体1は一定の強度及び柔軟性を有する多種の材料で製作される。
図1に示すように、マットレス本体1は1つの非エアバッグベースを含んでもよく、非エアバッグベース上に複数のエアバッグ領域12が設置され、各エアバッグ領域12が1つの棒状エアバッグで構成される。なお、前記多機能マットレスは更に各エアバッグ領域12を貫通する2本のガス充填導管13及びガス充填ノズル14を含んでもよく、ガス充填ノズル14が各ガス充填導管13に接続され、ガス充填ノズル14により各ガス充填導管13及び各エアバッグ12に容易にガスを充填し又は排気することができる。複数のエアバッグ領域12はマットレス本体1の幅Sの方向に沿って相互に平行して前記マットレス本体1の長辺Lの垂直方向に設置され、隣接する2つずつのエアバッグ領域12の間に棒状隙間Hが形成される。隣接する2つずつのエアバッグ領域12の間の棒状隙間Hは、実際にマットレス本体1の実体ベース部分であり、実体部分の隙間Hが勿論マットレス本体1の幅Sの方向に沿って延伸する。
【0021】
担架棒2は、この多機能マットレスの選択的に配置される付属品とし、左右担架棒2上には好ましくは人体支持部材3を挿入するための複数の挿入接続穴21が設置され、左右担架棒2における挿入接続穴が対称に分布され、
図3に示すように、人体支持部材の数量が6つである時、各担架棒2における挿入接続穴21の数量が少なくとも6つであり、ユーザが必要に応じて病人に適合する人体支持部材の挿入位置を選択することができる。
【0022】
図3に示すように、各担架棒貫通接続領域9は断続していない1本の担架棒貫通接続領域であってもよいが、より好ましくは各担架棒貫通接続領域9は複数の断続したサブ担架棒貫通接続領域8で形成され、2つのサブ担架棒貫通接続領域8の間に担架棒貫通接続領域9を上下貫通する挿入接続操作空間11が設置される。
【0023】
図3の実施例において、左側担架棒貫通接続領域9における挿入接続操作空間11と右側担架棒貫通接続領域9における挿入接続操作空間11が対称に分布される。別の実施形態において、
図2に示すように、棒状隙間7と挿入接続操作空間11とが対応し、前記棒状隙間7の延伸方向がいずれも担架棒貫通接続領域9の挿入接続操作空間11に向かっている。より好ましい形態としては、担架棒2における挿入接続穴21の一部又は全部を露出させて安全留め金をロッキング実装するために、前記担架棒貫通接続領域9の挿入接続操作空間11の位置と担架棒2における一部又は全部の挿入接続穴21の位置が対応する。
【0024】
図3に示すような実施例において、多機能マットレスに6本の人体支持部材3が配置され、2本の担架棒貫通接続領域9が対称に左右に並べられる。各担架棒貫通接続領域9は5つの挿入接続操作空間11により6部分のサブ担架棒貫通接続領域8に分けられ、エアバッグ領域12の間の棒状隙間7はいずれもそれの対応する挿入接続操作空間11に向かっている。それにより人体支持部材3が横方向に平行して挿入して均一に支持し固定する作用を果たすのが可能であることを保証する。なお、
図2、
図3に示すように、マットレス本体上に更に折畳線が設置されてマットレスに折畳可能な機能を持たせて携帯及び収納を容易にする。
【0025】
図1、
図2、
図3の相違点は、
図1の担架棒貫通接続領域がマットレスの縁を折返して形成された断続した筒状構造であり、
図2、3においてマットレス本体1の挿入接続操作空間が担架棒貫通接続領域を上下貫通することである。このような2つの実施形態は機能上では基本的に同様であり、重要点は製造時の異なった構造変化である。
図3は本発明の多機能マットレスを使用している時の状態であり、具体的には寝台、敷布を整理する等のサービスの時に敷布、マットレスを移動せずに人体のみを移動した状態の平面図である。
【0026】
図4、
図5はマットレスの側面図であり、その中で
図4におけるマットレス本体1は平坦に敷設された一般の休息のための使用に備える状態にあり、エアバッグ領域12にガスが充填されていない。
図5はマットレス本体1がガスを充填されていない状態にあって担架棒2を通過させた側面図であり、2つの担架棒2がそれぞれマットレス本体1における担架穴10に取り外し可能に挿入され、実装されている。エアバッグ領域12のガス未充填状態のマットレス本体1での厚さがマットレス本体1の実体ベース部分の厚さdに等しく、一般にマットレス本体1と敷布と共に患者を移動して診療することができる場所に適用する。
【0027】
図6におけるマットレス本体1がガスを充填された状態にあり、その中で人体支持部材3がマットレス本体1のエアバッグ領域12の間の隙間H内に挿入されており、前記人体支持部材が好ましくは安全留め金バンドであり、2つの担架棒2が留め金バンド組み立て方式でそれぞれ安全留め金バンド3の安全留め金31と共に取り外し可能なロッキング実装を形成する。多機能マットレスにガスを充填すると、エアバッグ領域12が膨張して各エアバッグ領域12の間に棒状隙間7が形成されるが、マットレス本体1の非エアバッグベースが膨張せず、膨張後のエアバッグ12の厚さDがマットレス本体1の非エアバッグベースの厚さdより大幅に大きいため、棒状のエアバッグ12におけるガスの作用により患者が上へ支持され、隣接する2つずつのエアバッグ12の間にフレキシブルな凹溝状の棒状隙間Hが形成されてマットレス本体1に横臥した人体と凹溝状の棒状隙間Hの間に必ずフレキシブルな隙間を形成させる。その中で棒状隙間Hの幅のサイズが各人体支持部材3の幅のサイズhより大きく、人体支持部材3の厚さがエアバッグ領域12の厚さDより大幅に小さくて、人体支持部材3が円滑に人体とフレキシブルな棒状隙間Hの間を通過できるようにする。
【0028】
前記人体支持部材3は多種の実施形態を有してもよく、例えば前記人体支持部材3は弾性材料で製作された多機能マットレスの付属品である。より好ましい形態としては、人体支持部材3の両端にいずれも1つの安全留め金31が設置され、前記安全留め金31が前記担架棒2における挿入接続穴21に挿入されて取り外し可能なロッキング実装を形成して担架棒と協働して患者に対する安定的な支持を完成することができる。
【0029】
例えば、
図8、
図9に示すように、人体支持部材3は安全留め金バンドであり、各安全留め金バンドの両端における安全留め金31を2つの担架棒2における挿入接続穴21を通過させ、係合し、協働することによる堅いロッキングを実現する。
【0030】
本発明に記載の安全留め金31は多種の実施形態、例えばT形構造の安全留め金又は係合歯係合構造の留め金を採用してもよい。例えば
図8は具体的な係合歯係合構造の安全留め金を示し、前記安全留め金31は2つの鉤状歯からなった構造であり、2つの鉤状歯の間に一定の距離が置かれる。これらの安全留め金31は取り外し可能に担架棒又は他の装置の挿入接続穴21内にロッキング実装され且つ自動的に噛み合ってロッキングし、開ける必要がある時にT形構造の安全留め金を回転したり又は係合歯係合構造の安全留め金に圧力を施したりすればアンロックして抜き出すことができる。人体支持部材の安全留め金と担架棒の接続は以上に記載のような構造であることに限定されず、容易にロッキングし開けることができるいかなるロッキング接続方式であってもよく、ここで一つずつに例示しない。
【0031】
該マットレスを便利に使用するために、マットレスのサイズはその一般の医療ベッドのサイズ大きさに対して標準的な余幅で対応する。例えば、
図1−
図3に記載の多機能マットレスを一般の病床マットレスの上に置けば、左、右の2本の担架棒貫通接続領域9がそれぞれマットレス本体1の2つの長辺L上に位置し、多機能マットレスの幅Sが病床マットレスのサイズに等しく、該多機能マットレスの幅に担架棒貫通接続領域の幅が含まれる。
【0032】
重症患者に必要とされる特別な状況下で、マットレスは例えば
図1の状態で一般の敷布の下に置かれて予備的な付属品とし、患者を他の場所へ移動して治療し検査し敷布を交換する必要がある等の場合に、上記の他の付属品との協働使用方法により、病臥患者の医療、回復、介護の移動過程で、担架から病床への移動、病床から手押し車への移動、手押し車から治療、検査装置への移動及び敷布の交換等の各段階で振動を減少し、これらの過程が患者の苦しみを増加し、病状を加重するのを防止することを実現でき、患者医療期間に対する上質な管理及び人に優しいサービスを向上させる。
【0033】
前記各担架棒2は1つの棒部材であってもよいが、多機能マットレスの携帯機能を向上するために、多機能マットレスの体積及び重量をできる限り減小させることに加えて、好ましくは2つ又は2つ以上の棒部材を採用して接続して1つの担架棒を構成する。担架棒2の棒部材は並目ねじで接続される二部分又は複数の部分であってもよく、先にマットレスの両端から挿入してからネジ接続する。これらの棒部材同士は取り外し可能に固定連結され、その連結構造が多種の形態を採用してもよく、好ましい形態としては、前記取り外し可能な連結構造が軸穴挿入連結構造及び/又はネジ連結構造である。軸穴挿入連結構造及びネジ連結構造はいずれも着脱に便利で、連結強度が好ましくて、連結信頼性が高い固定連結構造である。
【0034】
本発明の多機能マットレスの作業モードは様々になってもよく、以下にいくつかの具体的な使用実例により本発明の多機能マットレスの作業原理を更に説明する。
【0035】
作業モード1:マットレス、敷布を連れて患者を移動する作業モード:マットレス1及び敷布を連れて患者を移動して診療することができる場合について、担架棒2を通過させて左右担架棒2に均一に上向きの作用力を施すだけで、患者に接触せずに患者を安定的に上げ、快適且つ安全に傷病者を病床から手押し車に移動し、手押し車から治療、検査装置に移動することを実現できる。
【0036】
作業モード2:マットレス、敷布を連れて患者を移動して診療し又は敷布を交換することができない作業モード:敷布、マットレスを移動することができずに患者を診療し移動し又は敷布を交換する必要がある時、マットレス1にガスを充填し、ガス充填導管13を介してガスをエアバッグ領域12のエアバッグに充填するだけで、患者を上げ、エアバッグ領域間の棒状隙間7を利用して敷布を下ろし、人体支持部材3を下ろした敷布と人体の形成した凹溝状隙間から通過させ、更に、人体支持部材3を左右担架棒2の挿入接続穴21中に挿入し、左右担架棒2に均一に上向きの作用力を施すことにより、人体支持部材3が人体に支持作用を果たし、患者が自然に持ち上げられてマットレス本体1及び敷布から離れ、それにより人体を返さずに便利で安全で省力的に患者を上げて他の治療、検査装置上に移動し又は敷布を交換することができるのを実現する。
【0037】
作業モード3:担架として用いられる作業モード:左右担架棒2をそれぞれマットレス本体1の担架穴10内に挿入して担架を形成し、傷病者を載せた担架を直接一般の病床上に置くことができ、次に左右担架棒2を抜き出し、マットレス1にガスを充填し、人体支持部材3を挿入し、安全留め金31をそれぞれ左右担架棒2の挿入接続穴21に挿入し、次に左右担架棒2に均一に上向きの作用力を施し、患者を上げて敷布を入れた後患者を下げ、次にマットレスを排気し、マットレス本体1が一般の休息のための使用に備えるマットレスになる。
【0038】
作業モード4:病人に風を通して換気する作業モード:エアバッグ領域12にガスを充填し、エアバッグにより患者を高く持ち上げ、エアバッグ領域12の間の棒状隙間7が患者の背中に風を通して換気することができる。
【0039】
作業モード5:宿営マットレスとして用いられる作業モード:マットレス本体1を地面、平らな台又は他の横臥平面上に敷き、エアバッグ12にガスを充填し、マットレス本体1に寝具を敷くようにすればよく、エアバッグ領域12が湿気を隔離し保温することができるガスクッションになる。特に救災応急で病床が足りない時、臨時病床とすることができる。
【0040】
作業モード6:吊りベッドとして用いられる作業モード:マットレス本体1における前記担架穴を利用し又は担架棒2を通過させて堅固な支持物に確実に接続すればよい。
【0041】
上記は、本発明の好ましい実施例のみであり、特に多機能マットレス本体は上記付属品の人体支持部材及び担架棒に合わせて使用されることに限定されなく、より好ましくは上記棒状隙間に伸び込むことが可能な複数のものを有し平衡的に患者を昇降、移動することができる専用の設備に合わせる。本発明の請求の範囲に基づいて行われた技術的な同等の効果、変化及び修正は全て本発明の範囲に含まれると見なすべきである。
【国際調査報告】