特表2017-506590(P2017-506590A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-506590中間射出成形部品を保持することによるセンサ製造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-506590(P2017-506590A)
(43)【公表日】2017年3月9日
(54)【発明の名称】中間射出成形部品を保持することによるセンサ製造
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/14 20060101AFI20170217BHJP
   G01D 11/24 20060101ALI20170217BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20170217BHJP
【FI】
   B29C45/14
   G01D11/24 B
   H05K5/02 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-535012(P2016-535012)
(86)(22)【出願日】2014年11月27日
(85)【翻訳文提出日】2016年7月26日
(86)【国際出願番号】EP2014075790
(87)【国際公開番号】WO2015078958
(87)【国際公開日】20150604
(31)【優先権主張番号】102013224464.9
(32)【優先日】2013年11月28日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014208429.6
(32)【優先日】2014年5月6日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】511300444
【氏名又は名称】コンティネンタル・テーヴス・アーゲー・ウント・コ・オーハーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】ロタール・ビーブリヒャー
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブ・シリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ディートマール・フーバー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・シュールマイスター
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ギュントナー
【テーマコード(参考)】
4E360
4F206
【Fターム(参考)】
4E360AB01
4E360AB31
4E360EA03
4E360ED03
4E360ED07
4E360EE02
4E360EE15
4E360GA29
4E360GB99
4F206AD19
4F206AH33
4F206JA07
4F206JB12
4F206JL02
(57)【要約】
本発明は、電子デバイス(10)を製造するための方法に関し、この方法は、電子組立品(44)を第1の筐体材料(58)で格納するステップと、第1の筐体材料(58)によって格納された電子組立品(44)を、保持要素(68)の上に、保持要素(68)が電子組立品(44)から第1の筐体材料(58)の上方へと離間されるような手法で保持するステップと、保持要素(68)に保持された組立品(44)を第2の筐体材料(62)で格納するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイス(10)を製造するための方法であって、
電子組立品(44)を第1の筐体材料(58)で格納するステップと、
前記第1の筐体材料(58)によって格納された前記電子組立品(44)を、保持要素(68)を用いて、該保持要素(68)が前記電子組立品(44)から前記第1の筐体材料(58)の上方へと離間されるような手法で保持するステップと、
前記保持要素(68)に保持された前記組立品(44)を第2の筐体材料(62)で格納するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第2の筐体材料(62)によって格納する前記ステップの後に、前記第1の筐体材料(58)と前記第2の筐体材料(62)との間にラビリンス隙間(76)を形成する、ラビリンス要素(66)と呼ばれる緊密嵌合要素を、前記第1の筐体材料(58)に形成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ラビリンス要素(66)が保持領域(64)の周りに延びるように構成され、前記第1の筐体材料(58)によって格納された前記電子組立品(44)を保持するための前記保持要素(68)が設定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の筐体材料(58)と前記第2の筐体材料(62)とが、前記第1の筐体材料(58)の格納する前記ステップの間、前記第2の筐体材料(62)が前記第1の筐体材料(58)を特定の領域で溶着するような手法で構成された、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の筐体材料(62)により格納する間に特定の領域で溶着される溶着リブを、前記第1の筐体材料(58)に形成するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記保持要素(68)を少なくとも能動的に受け入れるように形成された、受入要素(64)と呼ばれる緊密嵌合要素を、前記第1の筐体材料(58)に形成するステップを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の筐体材料(58)によって前記電子組立品(44)を格納した後に、前記保持要素(68)が前記受入要素(64)へと導入される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の筐体材料(58)によっておよび/または前記第2の筐体材料(62)によって格納する間に前記電子組立品(44)が保持される、電気接触のための電気接続部(42)を、前記電子組立品(44)が有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
留め付け要素(74)を、前記第1の筐体材料(58)によって格納された前記電子組立品(44)の隣に配置するステップと、
前記第1の筐体材料(58)によって格納された前記電子組立品(44)と、前記留め付け要素(74)と、を前記第2の筐体材料(62)によって格納するステップと、
を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法によって製造される、具体的にはセンサである、電子デバイス(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子組立品を製造するための方法と、電子組立品とに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から知られているのは、センサに基づいた物理場を用いて検出される物理量に依存している電気信号を出力するためのセンサの形態の電子デバイスである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/037810号パンフレット
【特許文献2】独国特許出願公開第102011080789号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10146949号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102006053308号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公知の電子組立品を改善することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
目的は、独立請求項の特徴によって解決される。さらに好ましい発展態様は、従属請求項の主題である。
【0006】
本発明の一態様によれば、電子デバイスを製造するための方法は、電子組立品を第1の筐体材料で格納するステップと、第1の筐体材料によって格納された電子組立品を、保持要素を用いて、保持要素が電子組立品から筐体材料の上方へと離間されるような手法で保持するステップと、保持要素に保持された組立品を第2の筐体材料で格納するステップと、を含む。
【0007】
明示された方法は、両方の要素が、風化効果を有する水分および他の影響から保護されるように、電子組立品が、少なくとも2つの筐体材料のうちの一方によって完全に格納されなければならないという検討に基づいている。電子組立品の格納のために、電子組立品はいわゆる担持体へと挿入でき、次に、担持体は、例えば、単一の筐体材料で射出成形される。しかしながら、このような担持体は追加的に製造されなければならず、原則として、通常は電子組立品の製造の後に取り除かれなければならない保持要素を有する。そのようにする中で、過小評価されるべきではない、筐体材料によって意図されている封止効果が破壊される危険性が存在する。また、それにより高価である担持体が、特別に作り出されなければならない。
【0008】
そのため、異なる道筋が、明示された方法の枠組み内で辿られる。ここで、第1のステップでは、電子組立品が第1の筐体材料によって格納される。この場合、第1の筐体材料が電子組立品を実際に緊密に格納するかどうかに対して、検討が行われる必要はない。前記電子組立品は、むしろ、組み立てられる電子デバイスの中間製品が、第2の筐体材料による格納の間に保持される保持要素のための支持体として作用する。この状態において、電子デバイスは、第2の筐体材料によって、水分などの風化の影響に対して対抗して封止され得る。
【0009】
明示された方法のさらなる発展態様では、第2の筐体材料によって格納するステップの後、第1の筐体材料と第2の筐体材料との間にラビリンス隙間を形成する、ラビリンス要素と呼ばれる緊密嵌合要素が、第1の筐体材料に形成される。通常、電子デバイスは、例えば、電子組立品のための電気接続が準備される必要がある場所が開けられたままとされなければならないため、第2の筐体材料によって完全に格納することはできない。
【0010】
最終的に形成されるラビリンス隙間は、任意に設計でき、隙間シールとも呼ばれる、それ自体知られているラビリンスシールの機能を実現するように意図されている。これは、接触のないシャフトのシールを含んでいる。封止効果は、封止される隙間の拡張を通じた流体効果に基づいている。それによって、流体抵抗が増加される。経路拡張は、通常、シャフトにおける成形要素と固定されたハウジング部品との相互の係わり合い(「インターレース」という技術的表現)によって達成される。
【0011】
明示された方法の追加のさらなる発展態様では、ラビリンス要素は保持領域の周りに延びるように構成され、第1の筐体材料によって格納される電子組立品を保持するための保持要素が設定される。第2の筐体材料によって第1の筐体材料を格納するとき、原則として、第1の筐体材料は、前述の中間製品が第1の筐体材料において保持要素で保持される場所で、格納することができない。ここで、侵入してくる水分からの高い保護を提供するために、前述のラビリンス隙間を主としてこの領域に形成することが提案される。
【0012】
明示された方法の具体的なさらなる発展態様では、第1の筐体材料と第2の筐体材料とは、第1の筐体材料の格納するステップの間、第2の筐体材料が第1の筐体材料を特定の領域で溶着するような手法で構成される。この方法では、第1の筐体材料と第2の筐体材料とが、継ぎ目のない接着された形で一体に結合でき、2つの筐体材料の間の前述の隙間を少なくとも部分的に閉じることができる。
【0013】
この目的のために、明示された方法の具体的に好ましい実施形態では、第2の筐体材料により格納する間に特定の領域で溶着される溶着リブが、第1の筐体材料に形成され得る。この溶着リブは、例えば前述のラビリンス要素であり得る。
【0014】
別のさらなる発展態様では、明示された方法は、保持要素を少なくとも能動的に受け入れるように適合される受入要素と呼ばれる緊密嵌合要素を、第1の筐体材料に形成するステップを含む。しかしながら、保持要素は、受入要素に、非能動的に保持されたとしてもよい、または、継ぎ目のない接着された手法で保持されてもよい。保持要素による前述の中間製品の保持の間、受入要素は、保持要素の安定性を高め、そのため正確で耐久性のある位置決めを可能にする。
【0015】
明示された方法の追加のさらなる発展態様では、第1の筐体材料によって電子組立品を格納した後、保持要素は受入要素へと導入される。この方法では、保持要素は第1の筐体材料に位置し、電子組立品には位置せず、電子組立品は、この方法では、水分に対して効果的に封止される。
【0016】
明示された方法のさらに別のさらなる発展態様では、第1の筐体材料によって、および、第2の筐体材料によって格納する間に電子組立品が保持される電気接触のための電気接続部を、電子組立品が有する。電子デバイスは、この電子接続を用いた電子デバイスの格納の間、さらに安定され得る。
【0017】
好ましいさらなる発展態様では、明示された方法は、留め付け要素を、第1の筐体材料によって格納された電子組立品の隣に配置するステップと、第1の筐体材料によって格納された電子組立品と留め付け要素とを、第2の筐体材料によって格納するステップと、を含む。この留め付け要素を用いることで、電子組立品は、例えば車両などの上位のデバイスに留め付けることができる。このさらなる発展態様にとって、材料の適切な選択により、2つの筐体材料が電子組立品を上位のデバイスに対して機械的に結合解除できることは、特に好ましい。この目的のために、2つの材料は、できるだけ弾性的であるように選択されるべきである。
【0018】
本発明のさらなる態様によれば、電子デバイスは、明示された方法のうちの1つによって製造される。電子デバイスは、好ましくはセンサである。このセンサは、特に好ましくは、測定される量に依存するエンコーダ場を検出するように、および、エンコーダ場に依存して測定信号を出力するように適合される感知要素を備える。そして、測定信号は、ケーブルを介して上位の制御デバイスへと、直接的に出力され得るか、または、信号処理回路を用いて処理され得る。エンコーダ場は、この場合には、力場または磁場であり得る。
【0019】
特に好ましくは、センサは、車両に設置され得る慣性センサまたは速度センサである。
【0020】
本発明のさらなる態様によれば、車両は、前述のセンサのうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
先に記載した本発明の特性、特徴、および利点と共に、これらが達成される手法は、図面を参照して詳細に説明されている例示の実施形態の以下の記載に関連して、より明確に、大いにさらに理解可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】駆動動的制御を備える車両の概略図である。
図2図1の車両における速度センサの概略図である。
図3図1の車両における慣性センサの概略図である。
図4図1の慣性センサにおける電子組立品の概略図である。
図5図1の慣性センサにおける代替の電子組立品の概略図である。
図6図1の慣性センサの中間製品の概略図である。
図7図1の慣性センサの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図においては、同じ技術的要素は、同じ符号で提供されており、一度だけ説明されている。
【0024】
図1を参照すると、図1は、それ自体知られている駆動動的制御を備える車両2の概略図を示している。この駆動動的制御の詳細は、例えば、特許文献2に見出すことができる。
【0025】
車両2は、シャーシ4と4つの車輪6とを備えている。各々の車輪6は、さらに図示されてはいない道路上において、車両2の移動を減速するために、シャーシ4における固定位置に留め付けられた制動装置8を用いて、シャーシ4に対して減速され得る。
【0026】
この場合、アンダーステアまたはオーバーステアの結果として、車両2の車輪6がそれ自体のロードホールディングを失い、例えば、さらに図示されてはいない操舵輪を用いて、所定の軌道から車両2が離れるように移動さえすることは、当業者には知られている様態で起こり得る。これは、ABS(アンチロックブレーキシステム)およびEPS(横滑り防止装置)など、それ自体知られている制御回路によって回避される。
【0027】
本実施形態では、車両2は、この目的のために車輪6に速度センサ10を有しており、速度センサ10は、車輪6の速度12を検出する。さらに、車両2は慣性センサ14を有しており、慣性センサ14は車両2の駆動動的データ16を検出し、駆動動的データ16から、例えば、ピッチ変化量、ロール変化量、図3に指示されているヨー変化量15、図3に指示されている横加速度17、図3に指示されている前後加速度19、および/または鉛直加速度が、当業者にはそれ自体知られている手法で出力され得る。例えば、ヨー変化量15および横加速度17の検出は、駆動動的制御を実施することが要求される。
【0028】
検出された速度12と駆動動的データ16とに基づいて、制御装置18が、車両2が車道上で横滑りしているかどうか、および、前述の所定軌道から離れてすらいるかどうかを当業者には知られている手法で決定でき、それに応じて、それ自体知られている制御装置出力信号20でこれに反応し得る。そして、制御装置出力信号20は、それ自体知られている手法で横滑りと所定軌道からの逸脱とに応答する制動装置8などの作動装置を、対応する信号24を用いて作動させるために、調節デバイス22によって用いられ得る。
【0029】
図2を参照すると、図1の車両2における速度センサ10の概略図を示している。
【0030】
本実施形態では、速度センサ10は能動的速度センサ10として実行され、その枠組み内において、磁場30が、車輪6のうちの1つにトルク保証の手法で連結されているエンコーダディスク26によって送られ、そのエンコーダディスクは、複数の磁極28から成る。磁場30は、筐体32に包囲された感知要素34を通過し、感知要素34は、信号処理回路36を介してデータケーブル38へと連結されており、データケーブル38を介して、速度12は制御装置18へと送信され得る。この場合、感知要素34、信号処理回路36、およびデータケーブル38は、例えばリードフレームの形態で、配線40によって互いと配線され得る。遮蔽板42が、速度センサ10の電磁両立性を増加させるために設けられてもよい。
【0031】
能動的速度センサにおけるさらなる背景情報が、例えば、特許文献3から得ることができる。
【0032】
図3を参照すると、図1からの慣性センサ14の概略図を示している。
【0033】
図1で説明した駆動動的制御について、例えば特許文献4に記載されているように、少なくともヨー変化量15が検出されなければならない。横加速度17の検出も、駆動動的制御の枠組み内で適切である。しかしながら、任意の空間方向での回転の速さおよび加速が、アプリケーションに依存する慣性センサ14内で検出され得る。この場合、明確にする目的のために、以後、回転の各々の速さについて、および、各々の加速について、それ自体の感知要素が必要とされ、図3の慣性センサ14における個々の感知要素は、センサクラスタ41を形成するために組み合わされる。
【0034】
図3における慣性センサ14は、例えば、すべての3つの空間方向において回転の速さおよび加速を検出できる六軸慣性センサとして、構成されるべきである。この目的のために、前述の要件に従うセンサクラスタ41は、6つの異なる感知要素を備えなければならない。しかしながら、明確にする目的のために、センサクラスタ41における感知要素のうちの3つだけ、具体的に詳細には、ヨー変化量感知要素43、横加速感知要素45、および前後加速感知要素47だけが、図3には示されている。
【0035】
感知要素43、45、47の各々は配線40を介してその信号処理回路36に連結されており、その信号処理回路36を介して、それぞれの感知要素43、45、47は、それぞれの信号処理回路36に、検出されるそれぞれの測定量15、17、19に依存するさらには指示されていない測定信号を出力する。
【0036】
慣性センサ14における個々の信号処理回路36は、各々の場合で個々の感知要素43、45、47から受信される測定信号から、それぞれの測定量15、17、19を決定し、それをデジタルデータとして、データインターフェース49への配線を介して出力する。
【0037】
そして、データインターフェース49は、受信したデジタルデータを所定のパターンに応じて変調し、それを駆動動的データ16として制御装置18へと送信する。この場合における変調パターンは、使用されるインターフェースに依存する。自動車の分野では、例えば、CANバスと呼ばれる、制御装置領域ネットワークバスへのインターフェースなど、様々なインターフェースが一般的に使用される。しかしながら、慣性センサ14からの測定された量15、17、19などのセンサデータは、PSI5インターフェースと呼ばれるいわゆる周辺センサーインターフェース5による特に効率的な手法で、データケーブル38としての二本のワイヤ線を介して制御装置へと送信でき、これは、データインターフェース49がPSI5インターフェース49として特に好ましい手法で構成できる理由である。これについてのさらなる情報は、関連する基準から推論できる。
【0038】
本発明は、図1図3に示されている慣性センサ14を参照することで、さらに詳細に示されることになるが、本発明は、任意の電子デバイス、具体的には、速度センサ10、磁場センサ、構造伝搬音センサ、または温度センサなどの任意のセンサにおいて実施できる。
【0039】
前述の車両2で使用されるとき、慣性センサ14が侵入してくる水分に対してできるだけ緊密に封止されることは、慣性センサ14の長期の寿命にとって特に重要である。正確には慣性センサ14が車輪6に設置されており、車輪6は、車両2の進行中、わずかとは言えない量の土埃および水分を跳ね上げる可能性があり、侵入する水分に対する封止は、例えば、配線40が腐食したり断線されたりするのを回避する、非常に大きな重要性を獲得する。
【0040】
これを達成するために、慣性センサ14とPSI5インターフェース49とを備えている慣性センサ14の電子組立品44は、次の手法で格納される。
【0041】
電子組立品44が図4に示されている。この組立体では、センサクラスタ41とPSI5インターフェース49とは、共通の集積回路に配置され得る。電子組立品44は、センサクラスタ41とPSI5インターフェース49とを、例えば何らかの過電圧から保護する別の保護コンデンサ46をさらに備え得る。
【0042】
この例示の実施形態では、リードフレームが、配線40として非制限的な手法で選択され、配線40から、2つの接続ピン48と、保持ピン50の形態でのいくつかの突起領域とが突出している。
【0043】
保持ピン50は後で詳細に説明するが、接続ピン48はコネクタピン52に電気的に連結され、コネクタピン52には、図2に示すように、速度12を制御装置18へと送信するために、データケーブル38がさらに連結される。
【0044】
支持要素54は、遮蔽板42の平面で見るとき、遮蔽板42から突出している。支持要素54は、コネクタピン42との一体品で形成され、リードフレームとして実行される配線40を用いて、接続ピン48と接続ピン48の反対の側とに電気的および機械的に連結される。
【0045】
保持ピン50は、原則として、任意に設計され得る。例えば図5で示しているように、保持ピン50は共通のフレーム56に隣接してもよく、したがって、フレーム56は、センサクラスタ41およびPSI5インターフェース49を備える集積回路、ならびに保護コンデンサ46を包囲できる。保持ピン50の表面は、この場合、任意で構成され得る。以後に説明される機能を最適に実行するために、保持ピン50および/またはフレーム56は、溝、エンボスなどで構築されるべきである。さらに、保持ピン50および/またはフレーム56には、くびれまたは穴が設けられてもよい。しかしながら、原則として、保持ピン50および/またはフレーム56の形は任意である。
【0046】
電子組立品44を格納するために、電子組立品44は、保持ピン50およびコネクタピン42に、詳細には示していない工具で保持される。そしてこれに、例えば、射出成形などの最初の成形方法といった、図6に示した第1の筐体材料58による第1の格納が続く。このために、電子組立品44は、さらには図示していない鋳型へと挿入され得る。第1の筐体材料58は、この鋳型へと挿入され、その結果、図6に示した形を取ることができる。
【0047】
電子組立品44が鋳型において少なくとも1つの場所に位置しなければならないという事実のため、図6に見ることができる射出前成形部品とも呼ばれる中間製品60は、保持ピン50において曝露される場所を有し、その場所を介して、原理上、水分は電子組立品44へと浸透できる。これを回避するために、本実施形態の枠組み内で、中間製品60は、続く図7において見ることができる第2の筐体材料62によって格納される。
【0048】
この第2の格納を具体的に効果的に実施するために、本実施形態の枠組みの中で、4つの受入要素64が第1の筐体材料58に形成され、ラビリンス要素66によって各々包囲される。それぞれ1つの保持要素68がこれらの受入要素64へと挿入でき、保持要素68のうちの1つだけが図6において明確にするために示されている。そのため、受入要素64は、保持要素68のための保持領域として作用する。これらの保持要素68は、後で詳細に説明されることになる。
【0049】
コネクタピン42に連結されたデータケーブル38を侵入する水分から保護するために、図6では見ることができないコネクタピン42はコネクタ筐体70によって取り囲まれ、コネクタ筐体70には、図ではさらに示されていない、データケーブル38に連結されるコネクタが、能動的に挿入され得る。ラッチ要素72がコネクタ筐体70にさらに形成されており、ラッチ要素72には、コネクタ筐体70とのコネクタが、対応するラッチ要素と係合され得る。
【0050】
第2の筐体材料62での格納の前、本実施形態の枠組みの中で、ソケットの形態の留め付け要素74が、第1の筐体材料58の隣に配置される。この場合、中間製品60は、図6では見ることができない対応する鋳型にここでも受け入れられ、保持要素68において鋳型に保持され得る。保持要素68は、この鋳型の一部であってもよい。
【0051】
保持要素68は第1の筐体材料58に位置し、電子組立品44と直接的に接触していない。そのため、さらなる鋳型に保持される中間製品60が第2の筐体材料62で格納される場合、第1の筐体材料58と第2の筐体材料62とは、図7に指示されているラビリンス隙間76を形成し、ラビリンス隙間76は、受入要素64から始まって、ラビリンス要素66と第1の筐体材料58の表面とを介して、保持ピン50まで延びる。あらゆる侵入する水分だけが、電子組立品44と接触し、電子組立品44を腐食し得る。
【0052】
ラビリンス要素66はラビリンス隙間76をさらに長くし、必然的に、互いと同軸に配置される複数のラビリンス要素66は、ラビリンス隙間76をさらに延ばすことができる。
【0053】
ラビリンス隙間76を部分的に閉じるために、例えば、ラビリンス要素66は溶着リブとして構成され得る。すなわち、この時点において、第2の筐体材料62での格納の間、第1の筐体材料58は融解し、第2の筐体材料62と結合されることになる。この方法では、ラビリンス隙間76は、継ぎ目のない接着された手法で閉じられる。代替で、ラビリンス要素66は、必然的に、溝として形成されてもよい。
【0054】
第2の筐体材料62での格納の後、保持要素68は、望まれる場合に、受入要素64から再び取り外すことができる。
【0055】
例えばプラスチックの形態で、風化に対抗性のある材料が、第1の筐体材料58として、および、第2の筐体材料62として選択されるべきである。この場合、例えば、2つの筐体材料のそれぞれについて、任意の組み合わせが、熱可塑性物質、熱硬化性プラスチック、およびエラストマから選択できる。
【符号の説明】
【0056】
2 車両
4 シャーシ
6 車輪
8 制動装置
10 速度センサ
12 速度
14 慣性センサ
15 ヨー変化量
16 駆動動的データ
17 横加速度
18 制御装置
19 前後加速度
20 制御装置出力信号
22 調節デバイス
24 信号
26 エンコーダディスク
28 磁極
30 磁場
32 筐体
34 感知要素
36 信号処理回路
38 データケーブル
40 配線
41 センサクラスタ
42 遮蔽板、コネクタピン
43 ヨー変化量感知要素
44 電子組立品
45 横加速感知要素
46 保護コンデンサ
47 前後加速感知要素
48 接続ピン
49 データインターフェース、PSI5インターフェース
50 保持ピン
52 コネクタピン
56 フレーム
58 第1の筐体材料
60 中間製品
62 第2の筐体材料
64 受入要素
66 ラビリンス要素
68 保持要素
70 コネクタ筐体
72 ラッチ要素
74 留め付け要素
76 ラビリンス隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】