特表2017-506593(P2017-506593A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-506593閉止装置を有する可撓性容器を製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-506593(P2017-506593A)
(43)【公表日】2017年3月9日
(54)【発明の名称】閉止装置を有する可撓性容器を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/02 20060101AFI20170217BHJP
   B31B 70/74 20170101ALI20170217BHJP
【FI】
   B29C65/02
   B31B1/90 321
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-567154(P2016-567154)
(86)(22)【出願日】2015年1月30日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月2日
(86)【国際出願番号】EP2015051914
(87)【国際公開番号】WO2015114086
(87)【国際公開日】20150806
(31)【優先権主張番号】14153657.3
(32)【優先日】2014年2月3日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516233099
【氏名又は名称】セルパック アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クロプフ、マルティン
【テーマコード(参考)】
3E075
4F211
【Fターム(参考)】
3E075AA09
3E075BA41
3E075DE03
3E075GA05
4F211AD08
4F211AG07
4F211AH55
4F211TA01
4F211TC06
4F211TC07
4F211TJ11
4F211TJ22
4F211TN02
4F211TN20
4F211TQ01
4F211TQ11
(57)【要約】
溶着部分1が2つのフィルム層12、13の縁エリアにおいて2つのフィルム層12、13の間に配置され、開放位置から閉止位置へとフィルム層12、13に対して実質的に垂直に可動な2つの部分の器具14、15の間で運ばれる。溶着部分1は、縦断面において円錐状のシーリング領域を有し、閉止された器具14、15の内部空間の断面形状及びコーン角度は、シーリング領域の断面形状及びコーン角度に対応する。器具14、15の閉止後、溶着部分1は、器具14、15の分離平面に対して平行に移動させられ、中間フィルム層12、13を介して器具と接触させる。このように、結合される部分14、15の正確な適合及び隙間のない包囲が、溶着部分及びフィルム層12、13の寸法許容差とは関係なく、器具において実現される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉止装置を有する可撓性容器を製造するための方法であって、前記閉止装置が貫通開口部を有する溶着部分(1)を備え、前記溶着部分(1)が2つのフィルム層(12、13)の縁エリアにおいて前記2つのフィルム層(12、13)の間に配置され、開放位置から閉止位置へと前記フィルム層(12、13)に対して実質的に垂直に可動な2つの部分の器具(14、15)の間で運ばれ、且つ、前記溶着部分(1)は、加熱によって前記フィルム層(12、13)に対して結合される、方法において、前記溶着部分(1)が、縦断面において円錐状のシーリング領域(5)を有し、前記閉止位置において、前記器具(14、15)の内部空間の断面形状及びコーン角度が、前記シーリング領域(5)の断面形状及びコーン角度に対応し、且つ、前記器具(14、15)の閉止後、前記溶着部分(1)が、前記器具(14、15)の分離平面に対して平行に移動させられることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記溶着部分(1)が、前記中間フィルム層(12、13)を介して前記器具(14、15)に対して載置するまで移動させられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所定の最大接触圧力に達した時に、前記溶着部分(1)の前記移動が停止されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
マンドレル(10)が前記溶着部分(1)の前記開口部に配置されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記マンドレル(10)が熱又は振動を生成又は伝達する手段を設置されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記マンドレル(10)が冷却手段を設置されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記器具(14、15)に軸線方向に隣接して、前記器具(14、15)とは関係なく開放位置から閉止位置へと実質的に前記フィルム層(12、13)に対して垂直に可動な別の2つの部分の器具(18、19)が提供されたことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記器具(14、15)又は更なる前記器具(18、19)が、熱又は振動を生成又は伝達する手段を設置されたことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記器具(14、15)又は前記更なる器具(18、19)が、冷却手段を設置されたことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記器具(14、15)内へと挿入される前に、前記フィルム層(12、13)が厳格な仮付け溶着によって前記溶着部分(1)に対して結合されることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記溶着部分(1)を配置する前に、前記溶着部分(1)の前記輪郭に対応するエリア内に前記フィルム層(12、13)が互いに対して連結されることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の可撓性容器は、特に液体又はペースト状の製品を受容するために機能し、閉止装置は、容器の内容物を吐出するための貫通開口部を有する溶着部分を含む。フィルム層に対する溶着部分の結合は、熱の影響によって実現され、これにより、フィルム層及び溶着部分の部分が融合される。融合されたエリアにおける必要な結合を形成するため、圧力が溶着部分に対して付与され、特定時間維持されなければならない。これに関し、特に重要なのは、圧力の分配であり、これにより、一方で結果としての結合が堅くされ、他方で結合される部分が損傷されず、又は、弱められないことを確実とする。これに関する特定の課題は、使用される器具の形状及び寸法が可変であるのに対し、結合される部分の形状及び特に寸法が、特定の許容値内で変化する、ということである。したがって、閉止された器具において作られる溶着圧力は、可変となり、溶着作業の結果は、必然的にかなりの変化となる。溶着部分が小さすぎる場合、及び/又は、フィルム層が薄すぎる場合、溶着部分のエリア内の接触圧力は、不十分となり、これにより、このエリアにおいて不十分な溶着結合となる。同時に、この状況において、過度の接触圧力及びフィルム層の損傷は、溶着部分に隣接したエリアに生じ得る。溶着部分が大きすぎる場合、溶着部分又は重なるフィルム層は、過度の接触圧力の結果として損傷されるかもしれず、一方で、溶着部分に隣接するフィルム層のエリアは、十分な圧力を受けず、不十分に溶着される。
【0003】
知られた方法によれば、前述の課題は、溶着作業の間に溶け落ちて(melt off)、不十分な圧力に起因して生じ得る隙間を充填する、突出したリブを備えた溶着部分を提供することによって低減される。同様に、シーリング器具は、ひっくり返して(upset)溶着される材料を分配するための表面構造を有してもよい。別の方法は、こうして結合される部分の許容値を補償し、部分的なエリアにおける過度の圧力を避けるための、シーリング器具における弾性部分の統合において構成される。類似の方法は、最初に弾性支持に対する1つのシーリング顎部(sealing jaw)への適用に基づき、ついで反対側の処理に基づく。前述の方法の組み合わせも使用されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
知られた方法の1つの不利な点は、特にリブ等が使用される時、包装の目的のため必要とされるよりも抵抗性の、及び/又は、より厚いシート材料が選ばれなければならない、ということである。特に、ますますより小さい包装ユニットへと向かう最近の傾向、及び、シート材料製造業者がますます、包装される製品の要求を満たすより薄い包装フィルムを提供するという事実を考慮し、より厚いシートの使用は、溶着結合のため、単にかなりの無駄を示す。弾性材料は不十分な熱伝導体であるため、弾性嵌め込み部又は支持部を使用する方法は、熱又は時間においてより高い要求を課す。
【0005】
この先行技術の背景において、本発明に係る目的は、連続生産のため溶着部分及び/又はフィルム層の寸法が変化したとしても、これにより溶着部分が安全に溶着される閉止装置を有する可撓性容器を製造するための方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴部分において記載された対策によって実現される。
【0007】
特に、この発明的解決策は、溶着部分の断面形状に対応する器具の断面形状と、溶着部分のコーン角度に対応する器具のコーン角度とが、器具の内側の位置に対する溶着部分の送り(feeding)を可能とし、結合される部分の正確な適合及び隙間のない包囲が、溶着部分及びフィルム層の寸法許容差とは関係なく、器具において実現される利点を提案する。
【0008】
本方法の特定の実施例は従属請求項に記載される。
【0009】
本発明に係る例示的実施例は、示される添付の図面を参照しつつ以下に実例によって記載される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る方法に適した溶着部分の斜視図である。
図2】フィルム層及びこれに挿入される溶着部分を備えた器具を通る縦断面である。
図3図2内の線III−IIIに沿った断面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、好適には射出成形によって合成材料から一体で形成される、溶着部分1の斜視図を示す。貫通開口部を備えた管状ネック2は、溶着部分1を設置された可撓性包装容器の内容物を吐出するために機能する。管状ネックの外側において、ネック2を閉止するキャップのための係合手段として機能するねじ区分3が示される。自動的に処理する溶着部分1又は完成した溶着された容器をそれぞれ考慮して案内表面9を備えた鍔部4が提供されてもよい。シーリング領域5は、縦断面で見た時に、円錐形状である。基本的に、シーリング領域5の断面は、いかなる形状を有してもよいが、好適には、フィルム層の方向においてフィルム層に対して垂直におけるよりも大きい。示された実例において、フィン8は、溶着部分1の両側において遷移エリアにおける密な溶着結合を促進するために、シーリング領域において側方に形成される。選択的ネック6は、シーリング領域5の自由端において提供されてもよく、液体内容物の抽出を容易にすることを意図された少なくとも1つのスロット7を有してもよい。
【0012】
図2は、製造される包装袋の前壁フィルム12と後壁フィルム13との間に受容される、溶着部分1を備えた器具組立体の縦断面を示し、図3において、同じ組立体が図2の線III−IIIに沿った断面図で示される。
【0013】
溶着部分1は、保持器具14、15によって、示された位置に配置される。示された特定の実施例において、保持器具は、溶着部分1の開口部へと延び、内側から溶着部分1を支持するマンドレル10を有し、大きい溶着部分の場合においてこれは好適となり得る。更に、1つの実施例において、マンドレルは、溶着部分1から突出するように十分に長く作られてもよく、こうしてフィルム層12、13の間で溶着部分1に配置するための挿入支援部として機能する。最終的に、マンドレルは、溶着作業を支援するための加熱手段を更に設置されてもよい。同様に、マンドレル10は、形成された結合が急速に冷却されるのを可能とする冷却手段を設置されてもよい。なお、2つのフィルム層12、13は、先行する工程ステップにおいて、示されない手段、例えば吸引手段によって部分的に示された拡張された位置内へと運ばれる。
【0014】
2つの保持器具部分14、15は、両方向の矢印16及び17の方向において互いに向かって開放位置から閉止位置へと、逆に開放位置へと、可動である。保持器具部分14、15が閉止される時、それらは、それらの断面形状及びコーン角度が正確に溶着部分1のシーリング領域5に対応する、空洞部を画成する。保持器具部分14、15を閉止した後、溶着部分1は、中間シート12、13を介して保持器具部分14、15に対して遊びなく載置するまで、図2における右へと動かされる。この状態は、例えば、保持器具の送り力の急速な増大によって検知され得る。ここで上部シーリング器具部分18及び下部シーリング器具部分19は、両方向の矢印20、21の方向において互いに向かって動かされ、シート12、13は、小さなバツ印によってマークされた位置において溶着部分に対して溶着される。シーリング器具18、19は、形成された溶着結合が急速に冷却されるのを可能とするように、更に冷却手段を設置されてもよい。なお、図2に示された保持器具14、15及びシーリング器具18、19の構成は、逆にされてもよく、すなわち、シーリング器具18、19が、フィルム層12、13の縁部に対して保持器具14、15より近くに配置されてもよい。
【0015】
保持器具部分14、15は、閉止位置において中間シート12、13なく直接的に互いに接触する停止部(図示せず)を有し、したがって、常に正確に同じ内部空間を溶着部分1及びシート12、13の許容値とは関係なく画定する。溶着部分1をこの円錐状の内部空間内へと結合される部分が密着するまで挿入することによって閉止された器具部分に付与される接触圧力は、かなり狭い制限部に制御され得る。
【0016】
図2及び図3において示された例示的実施例とは異なり、保持器具及びシーリング器具が互いに独立することは、方法の実施にとって必須事項ではない。実際には、熱又は振動を生成又は伝達し、且つ、溶着作業がこれにより実行される要素は、器具の対14、15において一体化される。熱を生成する要素として、電気抵抗式加熱要素が提供されてもよい。伝熱のための要素は、例えば器具の外側を加熱される、流体を流す管路として形成されてもよい。例えば超音波の範囲内の振動によって、形成される結合における熱は生成され得る。冷却手段は、器具の対において、更に形成された溶着結合を冷却し、こうしてその方法を促進するために配置されてもよい。当然のことながら、それとは別に、溶着結合は、次のステップで、別の冷却手段によって記載された器具の外側で冷却されてもよい。
【0017】
更に、シーリング領域5の円錐部の方向は、図2に対し逆であってもよく、すなわち、より大きい断面が容器の内部に配置されてもよい。したがって、本実施例において、溶着部分は、溶着作業の開始前に、引っ張りによって器具の対と接触させる。
【0018】
上述の作業の準備において、フィルム層12、13は、最大4つの要素、すなわち、2つのフィルム層12、13、溶着部分1及び器具部分14、15が互いに対して配置される必要性を回避するために、例えば厳格な(punctual)溶着結合によって、溶着部分1に対して仮付け溶着されてもよい。
【0019】
更に、前述の作業における準備において、フィルム層12、13は、あらかじめ溶着線によって互いに対して連結されてもよい。特に、コーン角度がシーリング領域5のコーン角度に対して適合された円錐状の縁開口部が準備されてもよい。上述の方法による最終的な溶着作業において、あらかじめ形成された溶着線は、ついで遷移エリアにおける新しく形成された溶着線と統合される。
【0020】
最終的に、融合された材料の結合を向上させるため、例えばリブの形式で形状化された部分が器具部分において及び/又は溶着部分1のシーリング領域5内に、記載された方法で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0021】
1 溶着部分
2 管状ネック
3 ねじ区分
4 鍔部
5 シーリング領域
6 ネック
7 スロット
8 フィン
9 案内表面
10 マンドレル
11 両方向の矢印
12 フロントシート
13 バックシート
14 上部保持器具部分
15 下部保持器具部分
16 両方向の矢印
17 両方向の矢印
18 上部シーリング器具部分
19 下部シーリング器具部分
20 両方向の矢印
21 両方向の矢印
図1
図2
図3
【国際調査報告】