特表2017-506695(P2017-506695A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-506695ムーニー粘度の安定な臭素化エラストマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-506695(P2017-506695A)
(43)【公表日】2017年3月9日
(54)【発明の名称】ムーニー粘度の安定な臭素化エラストマー
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/28 20060101AFI20170217BHJP
   C08F 8/20 20060101ALI20170217BHJP
【FI】
   C08L23/28
   C08F8/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-554423(P2016-554423)
(86)(22)【出願日】2014年12月15日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月26日
(86)【国際出願番号】US2014070301
(87)【国際公開番号】WO2015130391
(87)【国際公開日】20150903
(31)【優先権主張番号】61/946,018
(32)【優先日】2014年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】509004675
【氏名又は名称】エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100193493
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 健史
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ サニー
(72)【発明者】
【氏名】シェイファー ティモシー ディー
(72)【発明者】
【氏名】クラーク ジョン エイ
(72)【発明者】
【氏名】スコット アダム エイチ
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド マイケル エフ
(72)【発明者】
【氏名】シュミーク ジョエル イー
【テーマコード(参考)】
4J002
4J100
【Fターム(参考)】
4J002AC121
4J002BB241
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4J100HB05
4J100HD01
4J100JA29
(57)【要約】
本発明は遊離基脱除剤を含む臭素化エラストマー組成物に関する。遊離基脱除剤は組成物の少なくとも約0.05質量%の量で存在する。遊離基脱除剤が組成物に添加され、その結果、組成物のムーニー粘度が80℃で約15日までにわたって、約15%〜約40%より大きく増大しない。遊離基脱除剤は立体障害ニトロキシルエーテル、ニトロキシル基、又はその両方であってもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臭素化エラストマー組成物であって、その組成物がC4〜C7イソモノオレフィンから誘導された臭素化エラストマー及びその組成物の少なくとも約0.05質量%の量の遊離基脱除剤を含み、その組成物のムーニー粘度が80℃で約15日までにわたって、約15%〜約40%より大きく増大しないことを特徴とする前記組成物。
【請求項2】
組成物のムーニー粘度が80℃で約10日までにわたって、約10%〜約35%より大きく増大しない 、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
組成物が組成物の少なくとも約0.1 質量%の量の遊離基脱除剤を含む、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
遊離基脱除剤がエラストマーの臭素化中に添加される、請求項1から3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
遊離基脱除剤が立体障害ニトロキシルエーテル、ニトロキシル基、及びその組み合わせからなる群から選ばれる、請求項1から4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
遊離基脱除剤が立体障害ニトロキシル基である、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
請求項1記載の組成物からつくられた物品。
【請求項8】
酸化防止剤を更に含む請求項1から6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
エラストマーのムーニー粘度を安定化する方法であって、その方法がC4〜C7イソモノオレフィンから誘導された臭素化エラストマーを得、臭素化エラストマーに遊離基脱除剤を添加して組成物を得ることを含み、脱除剤の量が組成物の少なくとも約0.05質量%であり、組成物のムーニー粘度が80℃で約15日までにわたって約40%より大きく増大しないことを特徴とする前記方法。
【請求項10】
組成物のムーニー粘度が80℃で約10日までにわたって約10%〜約35%より大きく増大しない、請求項9記載の方法。
【請求項11】
遊離基脱除剤を組成物の少なくとも約0.1 質量%の量で組成物に添加する、請求項9又は10記載の方法。
【請求項12】
エラストマーを酸化剤の存在下又は不在下で臭素化し、遊離基脱除剤を臭素化中に添加する、請求項9から11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
遊離基脱除剤を酸化剤の不在下で臭素化中に添加する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
臭素化エラストマーをハロゲン化工程、中和工程、エラストマー仕上げ、及び包装工程により調製する、請求項9から13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
遊離基脱除剤を中和工程後に添加する、請求項9から11のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
遊離基脱除剤が立体障害ニトロキシルエーテル、ニトロキシル基、又はその組み合わせからなる群から選ばれる、請求項9から15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
遊離基脱除剤が立体障害ニトロキシル基である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
酸化防止剤を添加することを更に含む、請求項9から17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
臭素化エラストマーの調製方法であって、その方法が
a)C4〜C7イソモノオレフィンとイソプレン及びアルキルスチレンから選ばれた少なくとも一種のモノマーとを重合してC4〜C7イソモノオレフィン誘導エラストマーを得、
b)そのC4〜C7イソモノオレフィン誘導エラストマーを酸化剤の不在により特徴づけられる臭素化方法で臭素化し、
c)遊離基脱除剤をそのC4〜C7イソモノオレフィン誘導エラストマーの臭素化中又は臭素化後にそのC4〜C7イソモノオレフィン誘導エラストマーに添加することを含む前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本発明は2014年2月28日に出願された米国特許出願第61/946,018号の優先権及び利益を主張する。
本発明は経時の改良されたムーニー粘度安定性を有する臭素化エラストマー/ポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は経時のムーニー粘度安定性を必要とするタイヤ及びその他の工業用ゴム適用に特に有益な臭素化イソモノオレフィン誘導エラストマー組成物に関する。
インナーライナーコンパウンド中に存在するエラストマーは一般にBr2 を使用してイソブチレン誘導ゴムの直接臭素化により調製される。また、イソブチレン誘導エラストマーは酸化剤で調製される。前者の方法は通常の臭素化として知られており、後者は臭素再生として知られている。米国特許第5,681,901 号は臭素再生を開示している。臭素再生は臭素化の一層有効な方法である。何とならば、再生が通常の臭素化と較べて一層大きい最大理論的臭素利用を生じるからである。
通常の臭素化又は臭素再生により調製された、臭素化イソブチレン誘導エラストマー(また、ブロモブチルエラストマーと称される)は、ブロモブチルエラストマーの調製に使用される化学のために当然にムーニー増大を受け易い。“ムーニー増大”はムーニー粘度を経時にわたって増大することを表すために当業界で普通に使用される用語である。弾性ポリマーのムーニー増大はインナーライナーコンパウンドの不満足な加工性をもたらし得る。ブロモブチルエラストマーと違って、クロロブチルエラストマーの如き、その他のハロブチルエラストマーは、一般に臭素と較べて、ポリマー構造への塩素の一層大きい結合強さのためにブロモブチルエラストマーと同じ程度のムーニー粘度の増大を経験しない。
Brendan Rodgers 著, Rubber Compounding Chemistry and Applications, p.135, (2004)を参照のこと。エラストマーをムーニー増大から安定化するために酸化防止剤を含む添加剤を使用することが一般に知られている。酸化防止剤として、イルガノックスTM 1010 及びブチル化ヒドロキシトルエン (BHT)が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、酸化防止剤を使用することにより達成し得るブロモブチルポリマーのムーニー増大安定化の程度は比較的短期間である。ブロモブチルエラストマー中の酸性種の存在がムーニー増大問題に取り組むことに更なる複雑性を追加する。何とならば、酸性種が酸化防止剤の加水分解安定性に影響し、最終的に酸化防止剤の効力の低下をもたらし得るからである。こうして、その他の安定剤を、単独で、又は酸化防止剤と組み合わせて使用することによりエラストマーの安定性をムーニー増大から更に改良するようにとの要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の挑戦及び/又はその他の挑戦が本明細書に開示された生成物及び方法により取り組まれる。
一局面において、本発明は組成物の少なくとも約0.05質量%の量の遊離基脱除剤を含むブロモブチルエラストマーに関するものであり、そのエラストマーのムーニー粘度は80℃で約15日までにわたって、約15%〜約40%より大きくまで増大しない。
一局面において、本発明は遊離基脱除剤を組成物の少なくとも約0.05質量%の量でブロモブチルエラストマー組成物に添加する方法に関するものであり、その組成物のムーニー粘度は80℃で約15日までにわたって、約40%より大きくまで増大しない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】TEMPO を有するブロモブチルエラストマーの粘度安定性を示す。
図2】チヌビンTM NOR 371を有するブロモブチルエラストマーの粘度安定性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
特許請求された発明を理解する目的のために本明細書に採用される好ましい実施態様及び定義を含む、本発明の種々の特別な実施態様が今記載される。例示の実施態様が特殊性でもって記載されたが、種々のその他の変更が本発明の精神及び範囲から逸脱しないで当業者に明らかであり、また直ぐになし得ることが理解されるであろう。侵害を決めるために、“本発明”の範囲はそれらの均等物及び言及されるものと同等である要素又は制限を含む、請求項のいずれか一つ以上に相当するであろう。
本発明者らは遊離基脱除剤として知られている、或るクラスの安定剤が、イソモノオレフィン誘導弾性ポリマーの分子量の増大を抑制することを助け、それによりポリマーのムーニー粘度増大の量を減少し得ることを発見した。好適な遊離基脱除剤は立体障害ニトロキシルエーテル及び立体障害ニトロキシル基を含む。WO 2008/003605A1はその構造及び立体障害ニトロキシルエーテルをニトロキシル基から調製する方法を開示している。立体障害ニトロキシルエーテル及びニトロキシル基は一般にポリエチレンフィルム適用に使用される。こうして、エラストマーのムーニー増大を低減するための立体障害ニトロキシルエーテル及びニトロキシル基の使用は、今まで、開示されておらず、また認められていなかった。
本発明は組成物の少なくとも約0.05質量%の量の遊離基脱除剤を含む臭素化エラストマー組成物に関するものであり、その組成物のムーニー粘度は80℃で約15日までにわたって、約15%〜約40%より大きくまで増大しない。別の実施態様において、本発明は遊離基脱除剤を組成物の少なくとも約0.05質量%の量で臭素化エラストマー組成物に添加する方法に関するものであり、その組成物のムーニー粘度は80℃で約15日までにわたって、約40%より大きくまで増大しない。
【0007】
定義
現在記載される発明に適用し得る定義は以下に記載されるとおりである。
この特別な適用の目的のために、“組成物”という用語は遊離基脱除剤が添加された臭素化弾性ポリマーを意味する。臭素化ポリマーそれ自体は先に説明されるとともに、また更に実施例で以下に説明されるように、その他の酸化防止剤の包含により既に変性されていてもよい。本発明の組成物の使用者は使用者が硬化性ブラダーの如き完成物品として、又はタイヤインナーライナー、空気ダイアフラム、もしくはホースの如き完成物品中の使用のために有益な完全配合組成物を生じるために充填剤、硬化剤、及びその他の成分を添加することで“組成物”として通常考えられるものをつくるであろう。
“希釈剤”は希釈剤又は溶解剤を意味する。希釈剤はルイス酸、その他の金属錯体、開始剤、モノマー、又はその他の添加剤のための溶解剤、即ち、溶媒として作用し得るが、好ましくは溶解されたモノマーの重合により得られるエラストマーのための溶解剤として作用しない化学薬品を含むと特別に定義される。本発明の実施において、希釈剤は重合媒体の成分、即ち、触媒系の成分、モノマー等の一般的性質を変化しない。しかしながら、希釈剤と反応体の間の相互作用が生じ得ることが認められる。好ましい実施態様において、希釈剤は触媒系成分、モノマー等と認められる程度まで反応しない。更に、希釈剤という用語は少なくとも2種又はそれ以上の希釈剤の混合物を含む。希釈剤は、本発明の実施において、一般に炭化水素液体であり、これらは米国特許第7,232,872 号に開示されているように塩素又はフッ素でハロゲン化されてもよい。
“溶媒”は弾性ポリマーのための溶解剤として作用し得る炭化水素液体を意味する。溶媒は、本発明の実施において、一般に式CxHy(式中、xは5〜20であり、かつyは12〜22である)を有する炭化水素液体、例えば、ヘキサン、イソヘキサン、ペンタン、イソ−ペンタン、及びシクロヘキセンである。
【0008】
“ポリマー”はあらゆるホモポリマー、コポリマー、共重合体、ターポリマー等を意味する。同様に、“コポリマー”は必要によりその他のモノマーと一緒に、少なくとも2種のモノマーを含むあらゆるポリマーを意味する。ポリマーがモノマーを含むと言及される場合、そのモノマーはモノマーの重合形態又はモノマーからの誘導体(即ち、モノマー単位)の重合形態でポリマー中に存在する。しかしながら、言及の容易さのために、(それぞれの)モノマー等を含むという表現が速記として使用される。同様に、触媒成分が成分の中性の安定な形態を含むと記載される場合、成分のイオン形態がモノマーと反応してポリマーを生成する形態であることは当業者により良く理解されている。
“エラストマー”は“大きい変形から回復することができ、加硫された場合に、溶媒に実質的に不溶性である(が、膨潤し得る)状態に変性でき、又は既に変性されている物質”というASTM D1566の定義に合致するあらゆるポリマー又はポリマーの組成物を意味する。エラストマーはまたゴムとしばしば称される。エラストマーという用語はゴムという用語と互換可能に本明細書中で使用し得る。好ましいエラストマーはDSC により測定し得ないか、又はDSC により測定し得る場合には、40℃未満、もしくは好ましくは20℃未満、もしくは0℃未満である融点を有する。
“ムーニー粘度”又は“粘度”はゴムの粘度の目安を意味する。それは円筒形キャビティ内でゴムに埋め込まれた円筒形金属ディスク(又はローター)の回転に抵抗するせん断トルクと定義される。せん断ディスク粘度計の寸法、試験温度、及びムーニー粘度の測定操作がASTM D1646に特定されている。ムーニー粘度はムーニー単位で測定される。
【0009】
エラストマー
本発明の実施に有益なエラストマーとして、a)少なくとも一種のC4〜C7イソオレフィンモノマー及び少なくとも一種のマルチオレフィンモノマーから誘導されたポリマー及びb)C4〜C7 イソオレフィンモノマーのホモポリマーが挙げられる。C4- 誘導単位を含むコポリマーが“ブチルゴム”と時折便宜上称される。コポリマーにつき、コポリマー中のイソオレフィン誘導含量は一実施態様において全モノマー誘導単位の70質量%から99.5質量%までの範囲であり、また別の実施態様において85質量%〜99.5質量%の範囲である。コポリマー中の全マルチオレフィン誘導含量は一実施態様において30質量%から0.5 質量%まで、また別の実施態様において15質量%から0.5 質量%までの混合物の範囲で存在する。更に別の実施態様において、ポリマーの12質量%から0.5 質量%までがマルチオレフィン誘導単位である。更に別の実施態様において、ポリマーの8質量%から0.5 質量%までがマルチオレフィン誘導単位である。本明細書中、本発明の目的のために、マルチオレフィンは2個以上の二重結合を有するあらゆるモノマーを表す。好ましい実施態様において、マルチオレフィンが2個の共役二重結合を含むあらゆるモノマーであり、脂肪族又は芳香族モノマーであってもよい。
C4〜C7イソオレフィンはイソブチレン、イソブテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、1-ブテン、2-ブテン、メチルビニルエーテル、インデン、ビニルトリメチルシラン、ヘキセン、及び4-メチル-1-ペンテンの如き化合物から選ばれてもよい。マルチオレフィンはC4〜C14 マルチオレフィン、例えば、イソプレン、ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、ミルセン、6,6-ジメチル-フルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、アルキルスチレン、及びピペリレン、並びに米国特許第5,506,316 号に開示されているようなその他のモノマーである。
イソオレフィンがイソブチレンである場合、エラストマーが“イソブチレンをベースとするエラストマー”と称されてもよい。本発明に有益なイソブチレンをベースとするブチルゴムポリマーの一実施態様は92〜99.5質量%のイソブチレンを0.5 〜8質量%のイソプレンと反応させ、又は更に別の実施態様において95〜99.5質量%のイソブチレンを0.5 質量%〜5.0 質量%のイソプレンと反応させることにより得られる。
エラストマーはまたC4〜C7イソオレフィン誘導単位及びアルキルスチレン誘導単位を含むランダムコポリマーであってもよく、そのコポリマーは少なくとも85質量%、更にまた少なくとも86.5質量%のイソオレフィン単位、約5質量%〜約12質量%のアルキルスチレン単位、及び約1.1 質量%〜約1.5 質量%のハロゲンを含む。一実施態様において、ポリマーがC4〜C7α-オレフィン及びメチルスチレンのランダム弾性コポリマーであってもよく、約8質量%〜約12質量%のメチルスチレンを含む。ポリ(イソブチレン共p-メチルスチレン)ポリマーはまたIMSMポリマーと称される。
【0010】
本発明における使用に適したその他のC4〜C7イソオレフィン誘導単位含有エラストマーとして、イソオレフィン及び2種のマルチオレフィンを含むターポリマーが挙げられ、この場合、マルチオレフィンが重合の前に異なる主鎖構造を有する。このようなターポリマーとして、C4〜C8イソオレフィン誘導単位、C4〜C14 マルチオレフィン誘導単位、及びアルキルスチレン誘導単位のブロックターポリマー及びランダムターポリマーの両方が挙げられる。一つのこのようなターポリマーはイソブチレンモノマー、イソプレンモノマー、及びアルキルスチレンモノマー、好ましくはメチルスチレンモノマーから生成されてもよい。別の好適なターポリマーはイソブチレンモノマー、シクロペンタジエンモノマー、及びアルキルスチレンモノマーから重合されてもよい。このようなターポリマーはカチオン重合条件下で得られる。
こうして、本明細書の有益なポリマーはC4イソモノオレフィン誘導単位、例えば、イソブチレン誘導単位、及び少なくとも一種のその他の重合性単位のコポリマーと記載することができ、イソブチレンをベースとするエラストマーの非限定例として、ポリ(イソブチレン)、ブチルゴム(イソプレン−イソブチレンゴム、“IIR ”)、分枝(“星型−分枝”)ブチルゴム、星型−分枝ポリイソブチレンゴム、イソプレン−イソブチレン−スチレンのブロックターポリマー、イソブチレンとパラ−メチルスチレンのランダムコポリマー、並びにイソブチレン、イソプレン、及びパラ−メチルスチレンのランダムターポリマーが挙げられる。
例示のエラストマーは5未満、また2.5 未満の狭い分子量分布 (Mw/Mn)、200,000 から2,000,000 までの範囲の例示の粘度平均分子量、及びゲル透過クロマトグラフィーにより測定して25,000〜750,000 の範囲の例示の数平均分子量により特徴づけられる。
【0011】
ハロゲン化エラストマーの調製方法
本発明において使用される臭素化エラストマーは通常の臭素化方法又は以下に詳述される臭素再生により調製し得る。下記の表1〜表4に提示される、本発明の実施例の全てが、同じベースブロモブチルエラストマーを有する。実施例の半分につき、エラストマーが当業界で知られている通常の臭素化により調製された。実施例のその他の半分につき、エラストマーが当業界で知られている臭素再生により調製された。一般に、通常の臭素化又は臭素再生により調製されたブロモブチルエラストマーはハロゲン化工程、中和工程、及び包装工程を有する。最終包装工程中に、水でスラリーにされたエラストマーが脱水され、押出物が乾燥されて荷造及び/又は包装のためのエラストマークラムを生成する。
【0012】
通常の臭素化方法
ブチルエラストマーを通常の臭素化により調製することは当業界で公知であり、例えば、米国特許第2,356,128 号、米国特許第4,474,924 号、米国特許第4,068,051 号、米国特許第7,232,872 号、及び米国特許第7,414,101 号に詳しく記載されている。これらの文献に開示されたように、モノマー及び触媒が炭化水素基尺剤に溶解され、その中で重合が起こる。重合がスラリー重合である場合、希釈剤は得られるポリマーが生成後に希釈剤から沈澱するように選ばれる。スラリー重合は通常スラリー中に10〜70質量%の固体を含むスラリーを生じる。重合後に、溶液重合(この場合、ポリマーが溶媒に溶解されて留まる)及びスラリー重合の両方につき、ポリマーが溶媒から回収される必要がある。これは典型的にはフラッシュドラム中で行なわれ、続いてポリマーの洗浄及び乾燥が行なわれて荷造及び包装に適したゴムクラムを生じる。
溶解されたモノマーのハロゲン化は臭素をポリマーセメント溶液に添加することにより行なわれる。イソブチレンコポリマーのハロゲン化がまた米国特許第5,670,582 号に記載されている。生成されたエラストマー中のハロゲン質量%は一実施態様においてハロゲン化エラストマーの質量を基準として0.1 質量%から10質量%までであり、別の実施態様において0.5 質量%から5質量%までである。更に別の実施態様において、ハロゲン化ゴムのハロゲン質量%が1.0 質量%から2.5 質量%までである。
【0013】
ハロゲン化後に、溶液が中和工程にかけられ、この場合、HBr が苛性水溶液と反応させられて水相に可溶性の塩を生じる。中和後に、水相の一部又は全部が必要により炭化水素溶媒(その中にハロゲン化エラストマーが依然として溶解されている)の除去前に除去されてもよい。このような水除去につき、溶液の温度が100 ℃を超えるべきではなく、さもないと最終ハロゲン化ポリマーの性質が悪影響されるかもしれない。中和工程後に、遊離基脱除剤が本発明に従ってブロモブチルエラストマーに添加し得る。
次いでイソブチレンをベースとするポリマーが溶媒をスラリー又は溶液からストリッピングし、得られる固体ポリマーを荷造又は包装し得るクラム形態に乾燥することにより完成される。乾燥は通常連続らせん通路の押出機を使用して達成され、この場合、ポリマーが押出機を通過する際に、エラストマー固体が混錬され、水が押出機のらせんブレードにより混合物から圧搾又は蒸発される。
米国特許第5,670,582 号、米国特許第2,356,128 号、米国特許第4,474,924 号、米国特許第4,068,051 号、米国特許第7,232,872 号、及び米国特許第7,414,101 号に詳述された方法が参考として本明細書に含まれる。
【0014】
臭素再生方法
ブロモブチルエラストマーを臭素再生により調製する一つの方法が米国特許第5,670,582 号に詳しく記載されている。その臭素再生方法は遊離基条件下で(a) C4-C7 イソモノオレフィン、例えば、イソブチレンから誘導されたポリマー、(b) ハロゲン化剤及び(c) 酸化剤を接触させ、ハロゲン化コポリマーを回収することを伴なう。臭素利用はその反応を酸化剤(これはハロゲン化反応の開始時、又は、更に好ましくは、ポリマーが部分ハロゲン化された後の第二段階で反応媒体に添加される)の存在下で行なうことにより増大し得る。
臭素再生でハロゲンの源として使用し得るハロゲン化剤として、分子状臭素 (Br2)、塩化臭素、臭化ヨウ素及びこれらの混合物が挙げられる。遊離基ハロゲン化がハロゲン化反応の開始時に存在する酸化剤を用いて行なわれる場合、臭化水素がハロゲン源として使用し得る。好ましいハロゲン源は分子状臭素である。
ハロゲン化方法の副生物としてその場で生成される、ハロゲン化水素、例えば、臭化水素のかなりの部分が酸化されて有益なハロゲンを再生するので、その反応が酸化剤を使用しないで行なわれる場合よりも一層少ない量のハロゲン化剤がポリマーハロゲン化の所定の程度を得るのに初期に必要とされる。一般に、反応媒体中に存在するハロゲン化剤の量は約0.1 〜25 php (ポリマー100 重量部あたりの重量部) 、更に好ましくは約0.2 〜10 php、最も好ましくは約0.2 〜6 php の間で変化してもよい。
臭素再生に適しているとわかった酸化剤は酸素を含む水溶性物質である。好ましい薬剤は下記の物質により例示されるような過酸化物及び過酸化物生成物質である:過酸化水素、塩素酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム又は次亜臭素酸ナトリウム、酸素、窒素の酸化物、オゾン、尿素過酸化物、酸、例えば、過チタン酸、過ジルコニウム酸、過クロム酸、過モリブデン酸、過タングステン酸、過ウナニック酸、過ホウ酸、過リン酸、過ピロリン酸、過硫酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、及び過ヨウ素酸。以上のうち、過酸化水素及び過酸化水素生成化合物、例えば、過酸及び過酸化ナトリウムが、その方法を行なうのに最も適しているとわかった。
使用される酸化剤の量は使用されるハロゲン化剤の量及び種類に依存する。一般に、ハロゲン化剤1モル当り約0.1 モルから約3モルまでの酸化剤が使用し得る。反応混合物中に存在する酸化剤の好ましい量はハロゲン化剤1モル当り約1モルから2モルまでの範囲である。
【0015】
酸化剤はあらゆる好適な希釈剤、例えば、四塩化炭素、低級アルコール、エーテル又は水中の溶液として反応ゾーンに導入し得る。また、酸化剤は水溶液又は油中水エマルションとして導入される。水溶液として導入される場合、その溶液は約10-85 質量%の酸化剤を含んでもよく、エマルションとして導入される場合、そのエマルションは約1-50質量%の酸化剤を含んでもよい。
ハロゲン化反応は最初にコポリマーを好適な有機溶媒、例えば、C4〜C10 脂肪族、脂環式又は芳香族の液体に溶解することにより行なわれる。溶媒として、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルペンタン、ノルマルヘプタン及びベンゼンだけでなく、ハロゲン含有溶媒、例えば、クロロベンゼン、四塩化炭素及びクロロホルムが挙げられる。ポリマー溶液(これは1質量%程度に少ないポリマー又は40質量%程度に多いポリマーを含んでもよい)は、反応体との緊密な接触を可能にするのに適した手段を備えている反応ゾーンに導入される。ポリマー溶液の温度は反応体の種々の性質及び溶媒の揮発性に鑑みて反応を行なうのに最も都合の良い温度に調節される。
酸化剤がハロゲン化反応の開始時に反応ゾーンに導入される場合、それはハロゲン化剤及び化学的遊離基開始剤(存在する場合)の添加の前、同時又はその後に添加されてもよい。しかしながら、更に好ましくは、酸化剤はハロゲン化剤の少なくとも約50質量%、更に好ましくは約75〜100 質量%がハロゲン化反応で消費された後まで反応混合物に添加されない。分子状臭素がハロゲン化剤として使用される場合、ハロゲン消費が赤褐色から明黄褐色又は黄褐色への色の変化により示される。ハロゲン消費はまた反応条件下の反応速度の関数として化学量論的に計算し得る。
ハロゲン化反応の完結後に、ポリマーが通常の技術、例えば、希薄な苛性液による中和、水洗及び、例えば、スチームストリッピング技術によるような溶媒の除去又はイソプロパノールの如き低級アルコールを使用する沈澱により回収される。米国特許第5,670,582 号に詳述された方法が参考として本明細書に含まれる。
【0016】
仕上げ及び包装方法
包装工程の前に、遊離基脱除剤が本発明に従ってブロモブチルエラストマーに添加し得る。
エラストマーの仕上げ及び包装は当業者に公知であり、例えば、米国特許第8,524,859 号及び米国特許第7,858,735 号に詳しく記載されている。仕上げ方法はスラリーの質量を基準としてエラストマー及び水を含むスラリーを得、湿潤エラストマークラムを生成するのと平行してそのスラリーを少なくとも二つの脱水押出機を含む第一の脱水装置に通し、その湿潤エラストマークラムを第二の脱水装置に通して部分乾燥されたエラストマークラムを生成し、その部分乾燥エラストマークラムを乾燥装置に通して乾燥エラストマークラムを生成することを伴う。仕上げ方法後に、エラストマーが荷造され、包装されてもよい。
【0017】
遊離基脱除剤
本明細書に使用される“遊離基脱除剤”という用語は立体障害ニトロキシルエーテル及び立体障害ニトロキシル基を表すが、これらに限定されない。WO 2008/003605A1はニトロキシル基をアルデヒド及びヒドロペルオキシドと反応させることにより立体障害ニトロキシルエーテルを立体障害ニトロキシル基から調製するための方法を開示している。これらのニトロキシルエーテル生成は異なる出発ニトロキシル基から行われてもよく、続いてこれらが所望の化合物へと更に反応させられる。
本発明の立体障害ニトロキシルエーテルは式 (I)又は(II)により表わされる構造を有するが、これらに限定されない。
【化1】
【化2】
【0018】
立体障害ニトロキシル基は式(Ia)により表わされる構造を有するが、これらに限定されない。
【化3】
【0019】
本発明においてブロモブチルエラストマーの調製中に添加し得る遊離基脱除剤の市販の例として、TEMPO 、チヌビンTM NOR 371、及びチヌビンTM XT 200 が挙げられるが、これらに限定されない。TEMPO は2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシを表すために当業界で一般に使用される用語である。本発明において試験された立体障害ニトロキシル基はTEMPO である。チヌビンTM NOR 371はBASFからプラスチック添加剤として市販される、高分子量のヒンダードアミノエーテル (N-OR) ヒンダードアミン光安定剤である。本発明において試験された立体障害ニトロキシルエーテルはチヌビンTM NOR 371である。チヌビンTM XT 200 はチヌビンTM NOR 371の性質と同様の性質を示すであろうと予想される。何とならば、チヌビンTM XT 200 はNOR 371 クラスをベースとするからである。チヌビンTM XT 200 はBASFからプラスチック添加剤として市販される、高分子量のヒンダードアミンNOR 光安定剤をベースとする高性能光安定剤である。実施態様において、その他の遊離基脱除剤が本発明のブロモブチルをベースとするエラストマー組成物に添加されてもよく、光安定剤及びUV吸収剤が挙げられるが、これらに限定されない。
遊離基脱除剤は本明細書に記載されたように、臭素化エラストマーの調製中に、例えば、中和工程の後、エラストマーの調製後、例えば、包装工程の前、又は臭素化エラストマーの調製の間及びその後の両方で添加し得る。
臭素化エラストマーに添加される遊離基脱除剤の量は組成物の合計質量を基準として少なくとも約0.05しパ、組成物の合計質量の少なくとも0.075 質量%、組成物の合計質量の少なくとも0.10質量%、組成物の合計質量の少なくとも0.125 質量%、又は組成物の合計質量の少なくとも0.15質量%である。組成物に添加される遊離基脱除剤の量は組成物の0.30質量%以下、組成物の0.35質量%以下、又は組成物の0.40質量%以下である。遊離基脱除剤に適した質量範囲は上述された最小量のいずれか一つ又は上述された最大量のいずれか一つにより特定される。
【0020】
特別な実施態様
本発明はまた下記の特別な実施態様に関して理解し得る。
パラグラフA:ブロモブチルエラストマー組成物であって、その組成物がC4〜C7イソモノオレフィンから誘導された臭素化エラストマー及びその組成物の少なくとも約0.05質量%の量の遊離基脱除剤を含み、その組成物のムーニー粘度が80℃で約15日までにわたって、約15%〜約40%より大きく増大しない前記組成物。
パラグラフB:組成物のムーニー粘度が80℃で約10日までにわたって、約10%〜約35%より大きく増大しない 、パラグラフAの組成物。
パラグラフC: 組成物が組成物の少なくとも0.1 質量%、組成物の合計質量の少なくとも0.125 質量%、又は組成物の合計質量の少なくとも0.15質量%の量の遊離基脱除剤を含むパラグラフA又はBの組成物。
パラグラフD:組成物中の遊離基脱除剤の量が組成物の0.30質量%以下、組成物の0.35質量%以下、又は組成物の0.40質量%以下であるパラグラフA並びに任意のパラグラフB及び/又はCの組成物。
パラグラフE:遊離基脱除剤が酸化剤の不在により特徴づけられる通常の臭素化方法及び臭素化中の酸化剤の包含により特徴付けられる臭素再生方法中に添加されるパラグラフA及び任意のパラグラフBからDのいずれか一つ又はいずれかの組み合わせの組成物。
パラグラフF:遊離基脱除剤が好ましくは通常の臭素化方法中に添加されるパラグラフA及び任意のパラグラフBからEのいずれか一つ又はいずれかの組み合わせの組成物。
【0021】
パラグラフG:遊離基脱除剤が立体障害ニトロキシルエーテル、ニトロキシル基、及びその両方からなる群から選ばれるパラグラフA及び任意のパラグラフBからFのいずれか一つ又はいずれかの組み合わせの組成物。
パラグラフH:遊離基脱除剤が好ましくは立体障害ニトロキシル基であるパラグラフA及び任意のパラグラフBからGのいずれか一つ又はいずれかの組み合わせの組成物。
パラグラフI:酸化防止剤を更に含むパラグラフA及び任意のパラグラフBからHのいずれか一つ又はいずれかの組み合わせの組成物。
パラグラフJ:パラグラフA及び任意のパラグラフBからIのいずれか一つ又はいずれかの組み合わせの組成物からつくられた物品。
パラグラフK:エラストマーのムーニー粘度を安定化する方法であって、その方法がC4〜C7イソモノオレフィンから誘導された臭素化エラストマーを得、臭素化エラストマーに遊離基脱除剤を添加して組成物を得ることを含み、脱除剤の量が組成物の少なくとも約0.05質量%であり、組成物のムーニー粘度が80℃で約15日までにわたって約40%より大きく増大しない前記方法。
パラグラフL:組成物のムーニー粘度が80℃で約10日までにわたって約10%〜約35%より大きく増大しないパラグラフKの方法。
パラグラフM:遊離基脱除剤を組成物の少なくとも約0.1 質量%〜組成物の0.40質量%以下の量又は組成物の少なくとも0.1 質量%〜組成物の0.30質量%以下の量で組成物に添加するパラグラフK又はパラグラフLの方法。
【0022】
パラグラフN:エラストマーを酸化剤の存在下又は不在下で臭素化し、遊離基脱除剤を臭素化中に添加するパラグラフK及び任意のパラグラフLからMのいずれか一つ又はいずれかの組み合わせの方法。
パラグラフO:遊離基脱除剤を酸化剤の不在により特徴づけられる臭素化方法中に添加するパラグラフK及び任意のパラグラフLからNのいずれか一つ又はいずれかの組み合わせの方法。
パラグラフP:ブロモブチルエラストマーをハロゲン化工程、中和工程、仕上げ工程、及び任意の包装工程により調製するパラグラフK及び任意のパラグラフLからOのいずれか一つ又はいずれかの組み合わせの方法。
パラグラフQ:遊離基脱除剤を中和工程の後、包装工程の前、及び中和工程の後かつ包装工程の前の両方で添加するパラグラフK及び任意のパラグラフLからPのいずれか一つ又はいずれかの組み合わせの方法。
パラグラフR:遊離基脱除剤が立体障害ニトロキシルエーテル、ニトロキシル基、又はその両方からなる群から選ばれるパラグラフK及び任意のパラグラフLからQのいずれか一つ又はいずれかの組み合わせの方法。
パラグラフS:遊離基脱除剤が好ましくは立体障害ニトロキシル基であるパラグラフK及び任意のパラグラフLからRのいずれか一つ又はいずれかの組み合わせの方法。
パラグラフT:酸化防止剤を添加することを更に含むパラグラフK及び任意のパラグラフLからSのいずれか一つ又はいずれかの組み合わせの方法。
パラグラフU:臭素化エラストマーをイソブチレン及びイソプレン及び/又はアルキルスチレンから誘導するパラグラフAからIのいずれか一つの組成物又はパラグラフJからTのいずれか一つの方法。
【実施例】
【0023】
下記の操作を実施例中表1〜表4に示され、かつ図1及び図2に示されるように本発明の範囲内でブロモブチルエラストマー組成物の調製に特別に使用した。
ブロモブチルエラストマーを当業界で知られている通常の臭素化方法又は臭素再生方法により調製した。ブロモブチルエラストマー及び遊離基脱除剤をブラベンダーTMミキサー中で80℃で約3分間ブレンドした。本発明の実施例に使用した全てのブロモブチルエラストマーを酸化防止剤ブチル化ヒドロキシトルエン (BHT)で前処理した。本発明はBHT 又はその他の酸化防止剤で前処理されたブロモブチルエラストマー組成物に限定されない。遊離基脱除剤が酸化防止剤又は安定剤で前処理されなかったブロモブチルエラストマーに添加し得ることは本発明によりまた認められる。
また、遊離基脱除剤を有しない対照サンプルをブラベンダーTM 中で混合した(下記の表中で比較例と標識した)。全てのブラベンダーTM混合ブロモブチルサンプルを空気循環オーブン中で80℃で約30日にわたって熟成した。80℃で5日にわたって熟成されたサンプルは倉庫条件で1年にわたるブロモブチルエラストマーと同様の性質を示すと予想される。80℃で10日にわたって熟成されたサンプルは倉庫条件で2年にわたるブロモブチルエラストマーと同様の性質を示すと予想される。80℃で15日にわたって熟成されたサンプルは倉庫条件で3年にわたるブロモブチルエラストマーと同様の性質を示すと予想される。80℃で20日にわたって熟成されたサンプルは倉庫条件で4年にわたるブロモブチルエラストマーと同様の性質を示すと予想される。80℃で25日にわたって熟成されたサンプルは倉庫条件で5年にわたるブロモブチルエラストマーと同様の性質を示すと予想される。80℃で30日にわたって熟成されたサンプルは倉庫条件で6年にわたるブロモブチルエラストマーと同様の性質を示すと予想される。
サンプルを80℃で0日、1日、7日、10日、15日、20日、25日、及び30日の間隔で採取し、ASTM 1646 に従ってムーニー粘度について試験した。ムーニー粘度の変化を計算して遊離基脱除剤をエラストマーに添加する効果を測定した。
【0024】
実施例1
下記の表1はTEMPO をエラストマーの0.05質量%(実施例A)及びエラストマーの0.1 質量%(実施例B)の量で通常の臭素化により調製されたブロモブチルエラストマーに添加した場合のブロモブチルサンプルのムーニー粘度を示す。TEMPO を遊離基脱除剤として有する実施例A及び実施例Bの両方はTEMPO 又は遊離基脱除剤を含まない対照サンプル(比較例)と較べてムーニーの一層低い増大を示す。実施例BとしてのTEMPO の量の50%を有する実施例Aは熟成期間中につき実施例Aと較べて粘度の一層高い増大を示す。
【表1】
【0025】
実施例2
下記の表2はTEMPO をエラストマーの0.05質量%(実施例A’)及びエラストマーの0.1質量%(実施例B’)の量で臭素再生により調製されたブロモブチルエラストマーに添加した場合のブロモブチルサンプルのムーニー粘度を示す。TEMPO を遊離基脱除剤として有する実施例A’及び実施例B’の両方はTEMPO 又は遊離基脱除剤を含まない対照サンプル(比較例)と較べてムーニーの一層低い増大を示す。実施例B’としてのTEMPO の量の50%を有する実施例A’は熟成期間中につき実施例A’と較べて粘度の一層高い増大を示す。
【表2】
【0026】
先の表1及び表2からの結果は、TEMPO が通常の臭素化又は臭素再生により調製された、ブロモブチルエラストマーのムーニー増大の安定性を改良するのに有益な添加剤であることを示す。通常の臭素化により調製されたブロモブチルエラストマーは表2の比較例に見られるような、臭素再生により調製されたエラストマーと較べて表1の比較例に見られるような、熟成期間の間にわたって粘度の一層低い増大を示す。従って、TEMPO を通常の臭素化により調製されたブロモブチルエラストマーに添加することは表2の実施例A’及びB’に見られるような、臭素再生により調製されたエラストマーと較べて表1の実施例A及びBに見られるような、熟成期間の間にわたって粘度の一層低い増大を示す。
図1は表1及び表2からのデータに基づいて、TEMPO を有するブロモブチルサンプルのムーニー粘度の増大をグラフで示す。通常の臭素化により調製された比較サンプル及び臭素再生により調製された比較サンプルは15日目付近で安定な相対粘度を示す。実施例A及びB、通常の臭素化により調製されたエラストマーは、15日目付近で安定な相対粘度を示し、驚くことに20日目付近で相対粘度を減少する。実施例A’及びB’、臭素再生により調製されたエラストマーは、10日目付近で安定な相対粘度を示し、驚くことに20日目付近で相対粘度を減少する。実施例A及びBについての粘度の増大は10日目における約10%〜約15%と15日目における約15%の間である。実施例A’及びB’についての粘度の増大は10日目における約27%〜約35%と15日目における約30%〜約35%の間である。
【0027】
実施例3
下記の表3はチヌビンTM NOR 371 をエラストマーの0.1 質量%(実施例C)及びエラストマーの0.2 質量%(実施例d)の量で通常の臭素化により調製されたブロモブチルエラストマーに添加した場合のブロモブチルサンプルのムーニー粘度を示す。チヌビンTM NOR 371 を遊離基脱除剤として有する実施例C及び実施例Dの両方はチヌビンTM NOR 371 又は遊離基脱除剤を含まない対照サンプル(比較例)と較べてムーニーの一層低い増大を示す。実施例DとしてのTEMPO の量の50%を有する実施例Cは熟成期間の間にわたって実施例Dと較べて粘度の一層高い増大を示す。
【表3】
【0028】
実施例4
下記の表4はチヌビンTM NOR 371 をエラストマーの0.1 質量%(実施例C’)及びエラストマーの0.2 質量%(実施例D’)の量で臭素再生により調製されたブロモブチルエラストマーに添加した場合のブロモブチルサンプルのムーニー粘度を示す。チヌビンTM NOR 371 を遊離基脱除剤として有する実施例C’及び実施例D’の両方はチヌビンTM NOR 371 又は遊離基脱除剤を含まない対照サンプル(比較例)と較べてムーニーの一層低い増大を示す。驚くことに、実施例D’としてのTEMPO の量の50%を有する実施例C’は80℃で1日目、7日目、25日目、及び30日目について実施例D’と較べて粘度の一層低い増大を示す。
【表4】
【0029】
先の表3及び表4からの結果は、チヌビンTM NOR 371が通常の臭素化又は臭素再生により調製された、ブロモブチルエラストマーのムーニー増大の安定性を改良するのに有益な添加剤であることを示す。通常の臭素化により調製されたブロモブチルエラストマーは表4の実施例C’及びD’に見られるような、臭素再生により調製されたエラストマーと較べて表3の実施例C及びDに見られるような、熟成期間の間にわたって粘度の一層低い増大を示す。一層低い量のチヌビンTM NOR 371 を臭素再生により調製されたブロモブチルエラストマーに添加することは熟成期間の或る日数にわたって粘度の一層低い増大を示すが、熟成期間のその他の日数にわたって粘度の一層高い増大を示す。チヌビンTM XT 200はチヌビンTM NOR 371 の性質と同様の性質を示すと予想される。何とならば、チヌビンTM XT 200 はNOR 371クラスをベースとするからである。
図2は表3及び表4からのデータに基づいて、チヌビンTM NOR 371 を有するブロモブチルサンプルのムーニー粘度の増大をグラフで示す。通常の臭素化により調製された比較サンプル及び臭素再生により調製された比較サンプルは20日目付近で安定な相対粘度を示すが、驚くことに25日目付近で相対粘度の減少を示す。実施例C及びD、通常の臭素化により調製されたエラストマーは、15日目付近で安定な相対粘度を示す。臭素再生により調製された、実施例D’は、15日目付近で安定な相対粘度を示す。実施例C’は熟成中のいずれの期間でも安定な相対粘度を示さない。実施例C及びDについての粘度の増大は10日目では約12%〜約18%の間であり、15日目では約15%〜約22%の間である。実施例C’及びD’についての粘度の増大は10日目では約32%〜約35%の間であり、15日目では約35%〜約42%の間である。
【0030】
表1〜表4、図1、及び図2からの結果はTEMPO を有するブロモブチルエラストマーがチヌビンTM NOR 371 を有するエラストマーと較べてムーニー増大の一層大きい安定化を示すことを示す。また、結果はムーニー増大が通常の臭素化により調製されたエラストマーと較べて臭素再生により調製されたブロモブチルエラストマーについて一層高いことを示す。また、結果はムーニー増大が一層多量の遊離基脱除剤で調製されたブロモブチルエラストマーについて一般に一層低いことを示す。
或る実施態様及び特徴が数的上限の組及び数的下限の組を使用して記載された。特に示されない限り、あらゆる下限からあらゆる上限までの範囲が意図されることが認められるべきである。或る下限、上限、及び範囲が下記の一つ以上の請求項に現れる。全ての数値は“約”又は“およその”示された値であり、当業者により予想されるような実験誤差及び変化を考慮する。
特許請求の範囲に使用される用語が先に定義されない限り、それは当業者が少なくとも一つの印刷刊行物又は発行特許に反映されるようにその用語に与えた最も広い定義を与えられるべきである。更に、この出願で引用された全ての特許、試験操作、及びその他の書類はこのような開示がこの出願と不一致ではない程度まで、またこのような組み入れが許される全ての司法権について参考として充分に含まれる。
以上が本発明の実施態様に関するが、本発明のその他の実施態様及び更なる実施態様がその基本的範囲から逸脱しないで推考されてもよく、その範囲は下記の請求項により決められる。
【0031】
工業上の適用可能性
本発明のブロモブチルエラストマー組成物はあらゆる数の物品をつくるのに使用し得る。一実施態様において、物品がタイヤ硬化ブラダー、タイヤインナーライナー、タイヤインナーチューブ、及びエアースリーブから選ばれる。別の実施態様において、物品がホース又は多層ホース中のホース部品、例えば、部品層の一つとしてポリアミドを含むものである。本発明の組成物を使用してつくられるその他の有益な商品として、エアースプリングブラダー、シール、成形品、ケーブルハウジング、及びTHE VANDERBILT RUBBER HANDBOOK, P 637-772 (Ohm, 編集, R.T.Vanderbilt Company, Inc.1990)に開示されたその他の物品が挙げられる。
本明細書に引用された全ての優先権書類、特許、刊行物、及び特許出願、試験操作(例えば、ASTM方法)、並びにその他の書類はこのような開示が本発明と不一致ではない程度まで、またこのような組み入れが許される全ての司法権について参考として充分に含まれる。
数的下限及び数的上限が本明細書にリストされる場合、あらゆる下限からあらゆる上限までの範囲が意図される。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2016年8月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
工業上の適用可能性
本発明のブロモブチルエラストマー組成物はあらゆる数の物品をつくるのに使用し得る。一実施態様において、物品がタイヤ硬化ブラダー、タイヤインナーライナー、タイヤインナーチューブ、及びエアースリーブから選ばれる。別の実施態様において、物品がホース又は多層ホース中のホース部品、例えば、部品層の一つとしてポリアミドを含むものである。本発明の組成物を使用してつくられるその他の有益な商品として、エアースプリングブラダー、シール、成形品、ケーブルハウジング、及びTHE VANDERBILT RUBBER HANDBOOK, P 637-772 (Ohm, 編集, R.T.Vanderbilt Company, Inc.1990)に開示されたその他の物品が挙げられる。
本明細書に引用された全ての優先権書類、特許、刊行物、及び特許出願、試験操作(例えば、ASTM方法)、並びにその他の書類はこのような開示が本発明と不一致ではない程度まで、またこのような組み入れが許される全ての司法権について参考として充分に含まれる。
数的下限及び数的上限が本明細書にリストされる場合、あらゆる下限からあらゆる上限までの範囲が意図される。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕臭素化エラストマー組成物であって、その組成物がC4〜C7イソモノオレフィンから誘導された臭素化エラストマー及びその組成物の少なくとも約0.05質量%の量の遊離基脱除剤を含み、その組成物のムーニー粘度が80℃で約15日までにわたって、約15%〜約40%より大きく増大しないことを特徴とする前記組成物。
〔2〕組成物のムーニー粘度が80℃で約10日までにわたって、約10%〜約35%より大きく増大しない 、前記〔1〕記載の組成物。
〔3〕組成物が組成物の少なくとも約0.1 質量%の量の遊離基脱除剤を含む、前記〔1〕又は〔2〕記載の組成物。
〔4〕遊離基脱除剤がエラストマーの臭素化中に添加される、前記〔1〕から〔3〕のいずれか1項記載の組成物。
〔5〕遊離基脱除剤が立体障害ニトロキシルエーテル、ニトロキシル基、及びその組み合わせからなる群から選ばれる、前記〔1〕から〔4〕のいずれか1項記載の組成物。
〔6〕遊離基脱除剤が立体障害ニトロキシル基である、前記〔5〕記載の組成物。
〔7〕前記〔1〕記載の組成物からつくられた物品。
〔8〕酸化防止剤を更に含む前記〔1〕から〔6〕のいずれか1項記載の組成物。
〔9〕エラストマーのムーニー粘度を安定化する方法であって、その方法がC4〜C7イソモノオレフィンから誘導された臭素化エラストマーを得、臭素化エラストマーに遊離基脱除剤を添加して組成物を得ることを含み、脱除剤の量が組成物の少なくとも約0.05質量%であり、組成物のムーニー粘度が80℃で約15日までにわたって約40%より大きく増大しないことを特徴とする前記方法。
〔10〕組成物のムーニー粘度が80℃で約10日までにわたって約10%〜約35%より大きく増大しない、前記〔9〕記載の方法。
〔11〕遊離基脱除剤を組成物の少なくとも約0.1 質量%の量で組成物に添加する、前記〔9〕又は〔10〕記載の方法。
〔12〕エラストマーを酸化剤の存在下又は不在下で臭素化し、遊離基脱除剤を臭素化中に添加する、前記〔9〕から〔11〕のいずれか1項記載の方法。
〔13〕遊離基脱除剤を酸化剤の不在下で臭素化中に添加する、前記〔12〕記載の方法。
〔14〕臭素化エラストマーをハロゲン化工程、中和工程、エラストマー仕上げ、及び包装工程により調製する、前記〔9〕から〔13〕のいずれか1項記載の方法。
〔15〕遊離基脱除剤を中和工程後に添加する、前記〔9〕から〔11〕のいずれか1項記載の方法。
〔16〕遊離基脱除剤が立体障害ニトロキシルエーテル、ニトロキシル基、又はその組み合わせからなる群から選ばれる、前記〔9〕から〔15〕のいずれか1項記載の方法。
〔17〕遊離基脱除剤が立体障害ニトロキシル基である、前記〔16〕記載の方法。
〔18〕酸化防止剤を添加することを更に含む、前記〔9〕から〔17〕のいずれか1項記載の方法。
〔19〕 臭素化エラストマーの調製方法であって、その方法が
a)C4〜C7イソモノオレフィンとイソプレン及びアルキルスチレンから選ばれた少なくとも一種のモノマーとを重合してC4〜C7イソモノオレフィン誘導エラストマーを得、
b)そのC4〜C7イソモノオレフィン誘導エラストマーを酸化剤の不在により特徴づけられる臭素化方法で臭素化し、
c)遊離基脱除剤をそのC4〜C7イソモノオレフィン誘導エラストマーの臭素化中又は臭素化後にそのC4〜C7イソモノオレフィン誘導エラストマーに添加することを含む前記方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臭素化エラストマー組成物であって、その組成物がC4〜C7イソモノオレフィンから誘導された臭素化エラストマー及びその組成物の少なくとも.05質量%の量の遊離基脱除剤から本質的になり、酸化防止剤を含んでもよく、その組成物のムーニー粘度が80℃で5日までにわたって、5%〜0%より大きく増大しないことを特徴とする前記組成物。
【請求項2】
組成物が組成物の少なくとも.1質量%の量の遊離基脱除剤を含む、請求項記載の組成物。
【請求項3】
遊離基脱除剤が立体障害ニトロキシルエーテル、ニトロキシル基、及びその組み合わせからなる群から選ばれる、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
酸化防止剤を更に含む請求項1からのいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
エラストマーのムーニー粘度を安定化する方法であって、その方法がC4〜C7イソモノオレフィンから誘導された臭素化エラストマーを得ることと、ここで、臭素化エラストマーが、ハロゲン化工程、中和工程、仕上げ工程、及び包装工程により調製され、前記包装工程よりも前に、臭素化エラストマーに遊離基脱除剤を添加して組成物を得ることを含み、脱除剤の量が組成物の少なくとも.05質量%であり、組成物のムーニー粘度が80℃で5日までにわたって0%より大きく増大しないことを特徴とする前記方法。
【請求項6】
エラストマーを酸化剤の存在下又は不在下で臭素化し、遊離基脱除剤を臭素化中に添加する、請求項項記載の方法。
【請求項7】
遊離基脱除剤を酸化剤の不在下で臭素化中に添加する、請求項記載の方法。
【請求項8】
遊離基脱除剤を中和工程後に添加する、請求項5から7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
遊離基脱除剤が立体障害ニトロキシルエーテル、ニトロキシル基、又はその組み合わせからなる群から選ばれる、請求項5から8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
臭素化エラストマーの調製方法であって、その方法が
a)C4〜C7イソモノオレフィンとイソプレン及びアルキルスチレンから選ばれた少なくとも一種のモノマーとを重合してC4〜C7イソモノオレフィン誘導エラストマーを得、
b)そのC4〜C7イソモノオレフィン誘導エラストマーを酸化剤の不在により特徴づけられる臭素化方法で臭素化し、
c)遊離基脱除剤をそのC4〜C7イソモノオレフィン誘導エラストマーの臭素化中又は臭素化後にそのC4〜C7イソモノオレフィン誘導エラストマーに添加することを含む前記方法。
【国際調査報告】