(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-507312(P2017-507312A)
(43)【公表日】2017年3月16日
(54)【発明の名称】プレート式熱交換器のための熱交換プレートおよび前記熱交換プレートが設けられたプレート式熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 3/04 20060101AFI20170224BHJP
F28F 3/08 20060101ALI20170224BHJP
F28D 9/02 20060101ALI20170224BHJP
【FI】
F28F3/04 B
F28F3/08 301Z
F28D9/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-553814(P2016-553814)
(86)(22)【出願日】2015年3月5日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月24日
(86)【国際出願番号】CN2015073690
(87)【国際公開番号】WO2015131834
(87)【国際公開日】20150911
(31)【優先権主張番号】201410083866.3
(32)【優先日】2014年3月7日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515258882
【氏名又は名称】ダンフォス・マイクロ・チャンネル・ヒート・エクスチェンジャー・(ジャシン)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジフェン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,ウェンジアン
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA01
3L103AA11
3L103AA17
3L103DD15
3L103DD57
(57)【要約】
プレート式熱交換器のための熱交換器プレートおよび前記熱交換プレートが設けられたプレート式熱交換器。熱交換プレートは、端部開口部を形成するのに使用される開口部(11)と、開口部(11)の周りの環状ラインに沿って開口部(11)の少なくとも一部の周りに配置される複数の突起部(12)であって、複数の突起部(12)がプレート平面(15)の一方の側に向かって突出する複数の突起部(12)と、少なくとも2つの隣接する突起部(12)間に配置された遷移部分(16)であって、遷移部分(16)がプレート平面(15)の一方の側に配置され、プレート平面(15)から予め設定された距離だけ離れている遷移部分(16)とを含む。突起部(12)の頂部からプレート平面までの距離は、遷移部分(16)の最も低いポイントからプレート平面までの距離より大きい。本発明の熱交換器プレートおよびプレート式熱交換器は比較的小さい端部開口部を設けられ、熱交換流体チャネル間のより良好な流体分散を得ることができ、二酸化炭素冷媒が使用される場合でも熱交換器流体チャネル間のより良好な流体分散を得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート式熱交換器のための熱交換プレートであって、前記熱交換プレートが、
ポートを形成するための開口部と、
前記開口部を囲む環状ラインに沿って前記開口部の少なくとも一部の周りに配置される複数の突起部であって、前記複数の突起部がプレート平面の一方側へ突出する、複数の突起部と、
少なくとも2つの隣接する突起部間に配置された遷移部分であって、前記遷移部分が前記プレート平面の前記側に、前記プレート平面から所定の距離のところに位置する遷移部分と
を含み、
前記突起部の頂部から前記プレート平面までの距離が、前記遷移部分の最も低いポイントから前記プレート平面までの距離より大きい、プレート式熱交換器のための熱交換プレート。
【請求項2】
前記突起部の前記頂部が実質的に平らである、請求項1に記載のプレート式熱交換器のための熱交換プレート。
【請求項3】
前記突起部の前記頂部から前記遷移部分の前記最も低いポイントまでの距離が、前記遷移部分の前記最も低いポイントから前記プレート平面までの距離未満であるかそれに等しい、請求項1に記載のプレート式熱交換器のための熱交換プレート。
【請求項4】
前記突起部が対応する遷移部分を介して接続され、前記遷移部分とともに隆起部全体を形成する、請求項1に記載のプレート式熱交換器のための熱交換プレート。
【請求項5】
少なくとも2つの隣接する突起部間の前記プレート平面に位置する結合部分をさらに含む、請求項1に記載のプレート式熱交換器のための熱交換プレート。
【請求項6】
前記突起部の前記頂部の、前記環状ラインの円周方向の寸法が半径方向の寸法より大きい、請求項1または2に記載のプレート式熱交換器のための熱交換プレート。
【請求項7】
前記突起部の前記頂部が前記環状ラインの前記円周方向に延在する長尺状部分である、請求項1または2に記載のプレート式熱交換器のための熱交換プレート。
【請求項8】
前記遷移部分が曲面の形状を有する、請求項1に記載のプレート式熱交換器のための熱交換プレート。
【請求項9】
前記遷移部分が、隣接する突起部の前記頂部に対して前記プレート平面の別の側、前記側の反対側、の方へ突出する、請求項1または8に記載のプレート式熱交換器のための熱交換プレート。
【請求項10】
前記突起部が対応する遷移部分を介して接続され、前記遷移部分とともに環状隆起部全体を形成する、請求項1に記載のプレート式熱交換器のための熱交換プレート。
【請求項11】
少なくとも第1領域における1つまたは複数の突起部が、第2領域における1つまたは複数の突起部と寸法、形状および/または間隔において異なる、請求項1に記載のプレート式熱交換器のための熱交換プレート。
【請求項12】
前記開口部から離れる方向に少なくとも1つの突起部から延在し、流体チャネルを形成するのに使用されるチャネル隆起部をさらに含む、請求項1に記載のプレート式熱交換器のための熱交換プレート。
【請求項13】
前記少なくとも1つの突起部の頂部と前記チャネル隆起部の頂部が実質的に同じ平面にある、請求項12に記載のプレート式熱交換器のための熱交換プレート。
【請求項14】
請求項1に記載のプレート式熱交換器のための熱交換プレートを含む、プレート式熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器、特に、プレート式熱交換器のための熱交換プレートおよび前記熱交換プレートが設けられたプレート式熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術において、
図1〜4が示すとおり、プレート式熱交換器の強度を増し、ポート11と流体チャネルとの間により大きな圧力低下を引き起こし、それにより、流体チャネル間のより良好な流体分散を達成するために、隆起パターンがプレート式熱交換器の熱交換プレートのポート11(流体入口および流体出口)の周りに設けられる。既存の製品の構造設計に関して、強度が低いため、強度を増すためにプレートを比較的厚くすることが必要であり、そのためコストが高い。
【0003】
図1が示すとおり、既存の隆起パターンはクモの巣模様を含むが、このような隆起パターンは特定の条件下では強度が低く、レイアウトは熱交換部の魚の骨状のパターンにより決められる。
【0004】
図2が示すとおり、
図2に示される隆起パターンは熱交換部分のパターンによっては限られず、突起部が独立しており、そのため特定の状況において、強度が低い。
【0005】
図3に示される隆起パターンは、長い突起部の一部を切り取ることにより形成され、この隆起パターンは強度が低く、製造性に乏しい。
【0006】
加えて、
図4に示される長い突起部により形成された隆起パターンが用いられると、プレート式熱交換器の強度が低く、圧力が均一に支えられない。
【0007】
上述の様々な構造において、平面の一部が各隣接する2つの突起部間にある基本平面と同一平面でなければならず、すなわち、2つの隣接する突起点間の遷移部分は相対的に低い平面である。結果として、各2つの突起部間の距離が小さすぎるということはあり得ず、したがって強度は限られ、制約が多くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、熱交換プレートおよびプレート式熱交換器が高い強度を有し、プレートの厚さをコスト節約のために削減し得る、プレート式熱交換器のための熱交換プレートと熱交換プレートを有するプレート式熱交換器とを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、二酸化炭素など高圧冷却剤が使用される場合に、より高い耐圧強度およびより良い解決策が提供される、プレート式熱交換器のための熱交換プレートと熱交換プレートを有するプレート式熱交換器とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によると、本発明は、プレート式熱交換器のための熱交換プレートであって、熱交換プレートが、ポートを形成するための開口部と、開口部を囲む環状ラインに沿って開口部の少なくとも一部の周りに配置される複数の突起部であって、複数の突起部がプレート平面の一方側へ突出する複数の突起部と、少なくとも2つの隣接する突起部間に配置された遷移部分であって、遷移部分がプレート平面の前記側に、プレート平面から所定の距離のところに位置する遷移部分とを含み、突起部の頂部からプレート平面までの距離が遷移部分の最も低いポイントからプレート平面までの距離より大きい、プレート式熱交換器のための熱交換プレートを提供する。
【0011】
本発明の一態様によると、突起部の頂部は実質的に平らである。
【0012】
本発明の一態様によると、突起部の頂部から遷移部分の最も低いポイントまでの距離は、遷移部分の最も低いポイントからプレート平面までの距離未満であるかそれに等しい。
【0013】
本発明の一態様によると、突起部は対応する遷移部分を介して接続され、遷移部分とともに隆起部全体を形成する。
【0014】
本発明の一態様によると、プレート式熱交換器のための熱交換プレートは、少なくとも2つの隣接する突起部間のプレート平面に位置する結合部分をさらに含む。
【0015】
本発明の一態様によると、突起部の頂部の、環状ラインの円周方向の寸法は半径方向の寸法より大きい。
【0016】
本発明の一態様によると、突起部の頂部は環状ラインの円周方向に延在する長尺状部分である。
【0017】
本発明の一態様によると、遷移部分は曲面の形状を有する。
【0018】
本発明の一態様によると、遷移部分は、隣接する突起部の頂部に対してプレート平面の別の側、前記側の反対側、の方へ突出する。
【0019】
本発明の一態様によると、突起部は対応する遷移部分を介して接続され、遷移部分とともに環状隆起部全体を形成する。
【0020】
本発明の一態様によると、少なくとも第1領域における1つまたは複数の突起部は、第2領域における1つまたは複数の突起部と寸法、形状および/または間隔において異なる。
【0021】
本発明の一態様によると、プレート式熱交換器のための熱交換プレートは、開口部から離れる方向に少なくとも1つの突起部から延在し、流体チャネルを形成するのに使用されるチャネル隆起部をさらに含む。
【0022】
本発明の一態様によると、少なくとも1つの突起部の頂部とチャネル隆起部の頂部は実質的に同じ平面にある。
【0023】
本発明の別の態様によると、本発明は上述の熱交換プレートを含むプレート式熱交換器を提供する。
【0024】
図1、3および4に示される隆起パターンを備えるプレート式熱交換器に比べて、本発明によるプレート式熱交換器はより高い強度を有する。本発明によるプレート式熱交換器は良好な耐凍性を有し、例えば、ある突起部からの漏えいがあった場合、すぐに凍結してしまうこと回避するために、流体は他の突起部へ拡散することができる。
【0025】
加えて、隆起パターンの代わりとして追加的な装置が設けられたプレート式熱交換器に比べて、本発明によるプレート式熱交換器は、製造コストおよび材料コストが低い。
【0026】
さらに、本発明によるプレート式熱交換器においてポートを囲む隆起パターンにおける突起部の数は、ポートの周りのスペースにより限られることはなく、圧力低下要求により設定されてもよく、必ずしもスペースにより設定されなくてよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1-4】既存の熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの概略斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの概略的メインビューである。
【
図7】本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの、
図6の線AAに沿った概略断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの、
図6の線BBに沿った概略断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの概略断面部分拡大図である。
【
図10】突起部の頂部が長尺状である、本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの概略的メインビューである。
【
図11】突起部の頂部が溶接部分として示される、本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの概略的メインビューである。
【
図12】本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの概略的メインビューである。
【
図13】本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの、
図12の線AAに沿った概略断面図である。
【
図14】本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの、
図12の線BBに沿った概略断面図である。
【
図15】熱交換プレートの一方の側が示される、本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの概略斜視図である。
【
図16】熱交換プレートの別の側が示される、本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、添付図面および特定の実施形態と併せて以下でさらに説明される。
【0029】
本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器は、端部プレートと、第1熱交換流体チャネルと第2熱交換流体チャネルとを少なくとも形成する熱交換プレートとを含む。端部プレートは熱交換プレートの外側に配置される。プレート式熱交換器はまた、ポートとして流体入口と流体出口とを含む。熱交換プレートは互いに積み重ねられ、それにより第1熱交換流体チャネルと第2熱交換流体チャネルとを積み重ね方向に交互に形成する。プレート式熱交換器は、任意の公知のプレート式熱交換器であってよい。本発明の実施形態による熱交換プレートは、以下に詳細に説明される。
【0030】
実施形態1
図5〜8は本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンを示す。隆起パターンはポート11と熱交換流体チャネルとの間に接続され、流体は隆起パターンを通って熱交換流体チャネルに入る。
図5〜8が示すとおり、本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートは、ポートを形成するための開口部11と、開口部11の少なくとも一部(全てまたは一部)の周りに、開口部11を囲む環状ライン(例えば円)に沿って配置される複数の突起部12を含み、複数の突起部12はプレート平面15の一方の側に突出する。環状ラインの開口部11に近い側にある、開口部11を囲む環状領域において、および開口部11から離れた側にある、環状ラインまたは突起部を囲む環状領域において、熱交換プレートのプレート部分は、プレート平面15内に位置してもよく、またはプレート平面15内に部分的に位置してもよい。プレート突起部12は薄いプレートをプレス加工することにより形成されるため、突起部12は中空の構造を有する。複数の突起部12は熱交換プレートの溶接部分または接続部分として機能する。熱交換プレートはまた、隣接する突起部12間に遷移部分16を含み、遷移部分16は、プレート平面15の前記側に、プレート平面から所定の(ゼロより大きい)距離のところに位置する。プレート平面15は平面であり、そこに熱交換プレートがプレス加工される前に置かれる。突起部12間に遷移部分16が存在することにより、突起部12を密に配置することができ、そのためプレート式熱交換器の強度を増すことができる。図において、全ての隣接する突起部12は間に遷移部分16を有するが、任意選択的に、遷移部分16は少なくとも2つの隣接する突起部12間に設けられてもよく、遷移部分16は曲面または滑らかな曲面であり得る。突起部12は対応する遷移部分16を介して接続され、遷移部分16とともに、環状隆起部などの隆起部全体を形成する。遷移部分16は曲面の形状を有してもよい。遷移部分16はプレート平面15の別の側(前記側の反対側)の方へ突出する。すなわち、遷移部分16は、隣接する突起部12の頂部に対してプレート平面15の別の側(前記側の反対側)の方へ突出する。少なくとも第1領域における突起部12または少なくとも1つの突起部12は、第2領域における突起部12または少なくとも別の突起部12と寸法、形状および/または間隔において異なっており、例えば、突起部12は、ポート11の周りに均一または不均一な間隔で配置されてもよい。
【0031】
第1熱交換プレートの前記側および第2熱交換プレートの前記側は互いに面するように、互いに積み重ねられ、第1流体チャネルが2つの熱交換プレート間に形成され、第2熱交換プレートの別の側(前記側の反対側)および第3熱交換プレートの別の側(前記側の反対側)は互いに面するように互いに積み重ねられて、第2流体チャネルを形成する。熱交換プレートはこのようにして順番に積み重ねられてプレート式熱交換器を形成する。第1流体チャネルを形成する2つの熱交換プレートの突起部12の頂部は、互いに溶接または接続され、第1流体が、ポートへ流れ込んだ後で、突起部12間の間隙を通じて2つの熱交換プレート間の第1流体チャネルへ入る。ある熱交換プレートの別の側(前記側の反対側)のプレート平面15および別のプレートの別の側(前記側の反対側)のプレート平面15は、互いに溶接されて密閉表面を形成し、その結果、第1流体は第1流体チャネルのみに入ることができ、第2流体チャネルには入ることができない。同様の設計が、第2流体が第2流体チャネルのみに入り、第1流体チャネルに入ることができないことを確実にするために、第2流体入口ポートの近傍の熱交換プレートにも適用される。
図5〜8が示すとおり、突起部12の頂部は実質的に平らであってもよく、例えば単一の平面にあってもよい。
【0032】
図9は、本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの断面部分拡大図である。
図9が示すとおり、突起部12の頂部からプレート平面15までの距離Bは、遷移部分16の最も低いポイントからプレート平面15までの距離Aより大きい。距離Aはゼロより大きくてもゼロに等しくてもよい。突起部12の頂部から遷移部分16の最も低いポイントまでの距離は、遷移部分16の最も低いポイントからプレート平面15までの距離未満であってもそれに等しくてもよい。
【0033】
図10は、本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンの一例を示す。
図10が示すとおり、突起部12の頂部の、環状ラインの円周方向の寸法は半径方向の寸法より大きくてもよい。例えば、突起部12の頂部は環状ラインの円周方向に延在する長尺状部分である。この理由により、突起部12の数はより少なくなるが、プレート式熱交換器の強度は高まる。
【0034】
図11は、本発明の一実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポート11の周りの隆起パターンを示し、網掛け線は突起部12の頂部、すなわち溶接部分または接続部分を示す。溶接部分または接続部分が大きいほど、端部を囲むプレート式熱交換器の熱交換プレートのその部分の強度が高まり、隆起パターンの断面が大きくなる、すなわち、隆起パターンを通過する流体の圧力低下が増す。
【0035】
本発明の一実施形態によると、突起部12の数と形は、好適な強度および圧力低下を達成するために必要に応じて調節され得、突起部12は、より高い強度を達成するために非常に密に配置されてもよい。
【0036】
任意選択的に、プレート平面に位置する結合部分は少なくとも2つの隣接する突起部12間に配置され得る。
【0037】
実施形態2
図12〜16は、本発明の別の実施形態によるプレート式熱交換器のための熱交換プレートのポートの周りの隆起パターンを示す。この実施形態は、チャネル隆起部17が加えられているという点で、上述の実施形態とは異なる。すなわち、熱交換プレートが、チャネル隆起部17であって、少なくとも1つの突起部12から開口部11から離れる方向に延在し、流体チャネルを形成するのに使用されるチャネル隆起部17をさらに含む。形成された流体チャネルは熱交換チャネルの一部として機能してもよく、または熱交換領域の熱交換チャネルへ接続されてもよい。図において、全ての突起部12にチャネル隆起部17が設けられているが、任意選択的に、1つのみまたは複数の突起部12にチャネル隆起部17が設けられてもよく、突起部12の幅は隆起部17の幅より広いが、任意選択的に、突起部12の幅は隆起部17の幅と等しいかまたはそれより小さくてもよい。少なくとも1つの突起部12の頂部は、チャネル隆起部17の頂部と実質的に同じ平面にあってもよい。任意選択的に、少なくとも1つの突起部12の頂部はチャネル隆起部17の頂部と同じ平面になくてもよい。
【0038】
上記の実施形態の1つまたは複数の特徴が組み合わされて新しい実施形態を形成してもよいことが説明されなければならない。
【国際調査報告】