(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-507671(P2017-507671A)
(43)【公表日】2017年3月23日
(54)【発明の名称】動物訓練補助具および玩具
(51)【国際特許分類】
A01K 29/00 20060101AFI20170303BHJP
A63H 33/00 20060101ALI20170303BHJP
A01K 15/02 20060101ALI20170303BHJP
【FI】
A01K29/00ZBP
A63H33/00 A
A63H33/00 Z
A01K15/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-571448(P2016-571448)
(86)(22)【出願日】2015年2月27日
(85)【翻訳文提出日】2016年10月25日
(86)【国際出願番号】AU2015000112
(87)【国際公開番号】WO2015127502
(87)【国際公開日】20150903
(31)【優先権主張番号】2014900641
(32)【優先日】2014年2月27日
(33)【優先権主張国】AU
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516257408
【氏名又は名称】マイ、クレバー、ドッグ、プロプライエタリー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MY CLEVER DOG PTY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100107342
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 修孝
(74)【代理人】
【識別番号】100155631
【弁理士】
【氏名又は名称】榎 保孝
(74)【代理人】
【識別番号】100137497
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 未知子
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ、ジャイルズ、キャンベル
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン、アンソニー、デイリー
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150EH09
2C150EH21
2C150FC13
2C150FD08
(57)【要約】
本発明は、芳香に基づいた動物訓練または活動を行うのに用いられる動物訓練補助具または玩具を提供する。本動物訓練補助具または玩具が、芳香性材料を含むように構成された内部空隙部を備え、不活性状態においては動物に望ましい芳香を実質的に放出せず、活性状態においては動物に望ましい芳香を放出するハウジングと、ハウジングの外面に設けられた1つ以上の通気孔であって、芳香性材料からの芳香が内部空隙部から動物により感知可能なハウジングの外部にまで放出可能となるように各通気孔が内部空隙部と連通する通気孔と、ハウジングの外面から操作可能であり、芳香性材料を不活性状態から活性化状態に活性化させる活性化部とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香性材料を含むように構成された内部空隙部を備えるハウジングと、
ハウジングの外面に設けられた1つ以上の通気孔であって、芳香性材料からの芳香が内部空隙部からハウジングの外部にまで放出可能となるように各通気孔が内部空隙部と連通する通気孔と、
芳香性材料から放出される芳香の量を制御する手段と
を備えてなる、動物訓練補助具または玩具。
【請求項2】
不活性状態においては動物に望ましい芳香を実質的に放出せず、活性状態においては動物に望ましい芳香を放出する芳香性材料を含むように構成された内部空隙部を備えるハウジングと、
ハウジングの外面に設けられた1つ以上の通気孔であって、芳香性材料からの芳香が内部空隙部から動物により感知可能なハウジングの外部にまで放出可能となるように各通気孔が内部空隙部と連通する通気孔と、
ハウジングの外面から操作可能であり、芳香性材料を不活性状態から活性化状態に活性化させる活性化部と
を備えてなる、動物訓練補助具または玩具。
【請求項3】
ハウジングが、単一構造である、請求項1または2に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項4】
ハウジングが、ボールの一領域にある外面からボールの別の領域にある外面にわたる穴を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項5】
動物訓練補助具または玩具が、中央穴に嵌入し、かつ、穴内の内部空隙部内に芳香性材料を保持するのに用いられるプラグ・キャップ組立体をも備える、請求項4に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項6】
プラグ・キャップ組立体が、互いに可逆的に嵌合するように構成されたプラグとキャップとを備える、請求項5に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項7】
プラグ・キャップ組立体が、使用時には、保持部材により穴内に保持されている、請求項5または6に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項8】
保持部材が、穴内に環状の縮径フランジを備える、請求項7に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項9】
環状フランジが、ロック・キーシステムを用いてプラグ・キャップ組立体を保持する、請求項8に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項10】
穴内のプラグ・キャップ組立体の一構成においては、プラグ・キャップ組立体のプラグの第1の端部を、第2の端部が穴の反対側で穴から現れるように、穴内に押し込むことが可能であり、これによりプラグ・キャップ組立体が穴内に収容される際にプラグの第2の端部に物理的にアクセス可能となる、請求項9に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項11】
プラグの第2の端部が穴から出ている場合には、キャップをプラグの第2の端部に嵌合または離脱させることによって、プラグ・キャップ組立体を組み立ておよび解体することができる、請求項10に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項12】
キャップが、芳香性材料を保持する、請求項5〜11のいずれか一項に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項13】
キャップが、通気孔を有する、請求項5〜12のいずれか一項に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項14】
キャップの基部が、透明であり、芳香性材料が内部空隙部内にあるかどうかを、動物訓練補助具または玩具を解体することなく使用者に認知可能にする、請求項5〜13のいずれか一項に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項15】
ハウジングが、互いに分離可能な複数のハウジング部を備え、芳香性材料が内部空隙部に対して導入または離脱可能となる、請求項1または2に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項16】
各ハウジング部が、外面から内部空隙部に延びる穴を有する、請求項15記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項17】
動物訓練補助具または玩具が、ハウジング部をともに保持する保持部材をも備える、請求項16記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項18】
保持部材が、2つの保持部を備え、保持部の一方が雄ねじ部を備え、他方の保持部が雌ねじ部を備え、前記雄ねじ部が前記雌ねじ部にねじ込まれ、複数のハウジング部を保持するとともに、組み立てられた動物訓練補助具または玩具を形成し、かつ、雄ねじ部と雌ねじ部とを互いに解くことによって内部空隙部にアクセス可能となるように、保持部が各ハウジング部内で穴に嵌合し得る、請求項17記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項19】
複数のハウジング部をともに保持するための保持部が、クリップ形態である、請求項17記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項20】
動物訓練補助具または玩具が、基板またはより大きな玩具や訓練補助具などの装置に取り付け可能なものである、先行する請求項のいずれか一項に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項21】
芳香性材料が、液体またはオイル状の芳香が内部または表面上に吸収された固体である、先行する請求項のいずれか一項に記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項22】
芳香性材料が、ディスク状のものである、請求項21記載の動物訓練補助具または玩具。
【請求項23】
一次強化を用いて動物の望ましい行動を強化する動物訓練方法であって、請求項1〜22のいずれか一項に記載の動物訓練補助具または玩具を用意することと、動物訓練補助具または玩具内の芳香性材料を活性化することと、望ましい行動と同時にまたはその直後に動物に動物訓練補助具または玩具を与えることにより該動物に褒美を与えることとを含む、動物訓練方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年2月27日に出願された、発明の名称が「動物訓練補助具および玩具」である、オーストラリア仮特許出願第2014900641号の優先権の利益を主張するものである。この出願は全体として引用することにより本明細書の一部とされる。
【0002】
本発明は、犬などの動物に対する芳香に基づいた訓練および活動に使用するための装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ペット用、狩猟用、および労働用動物を訓練することは、一般的なことである。かかる訓練は、動物の行動を変化させて、特殊な活動を補助したり、特定の任務を引き受けさせたり、または家庭生活に効果的に参加させるものである。ここでは、説明を簡略化するために、犬の訓練について更に述べる。しかしながら、ここで論じることは、他の動物の訓練についても利用または適用できることは理解されるであろう。
【0004】
犬は、2つの刺激間の関連を形成する古典的な条件付けにより、習慣や感受性を通して行動を変化させる非連合学習により、または、行動と結果を関連付けるオペラント条件付けにより学習することができる。
【0005】
犬を訓練する方法には様々な確立した方法がある。より知られた方法には、ケーラー法、クリッカー訓練、支配性に基づく訓練、および関係性に基づく訓練がある。成功する方法の共通の特徴は、その犬の特性や個性を知ること、強化および/または罰することを正確なタイミングで行うこと、および一貫したコミュニケーションをとることである。
【0006】
犬は鋭い嗅覚を持つため、芳香を犬の訓練プログラムの一部に用いて、犬を目的物や人にむけてひきつけたり、あるいは、特定の行動に対して犬に褒美を与えることができる。このため、芳香に基づいた犬の訓練装置や玩具が知られている。米国特許第6,531,145号では、芳香を使った犬の狩猟訓練に用いられる、利便性良く芳香を放つシリカゲルビーズを開示している。また、製品中に芳香成分を含むことで犬にとってもっと魅力的に感じさせる、噛む玩具が開示されている。一例としては、米国特許第6,415,741号があり、芳香性の噛む玩具が挙げられる。この玩具は、芳香性材料が製造中に噛む玩具の本体内に入れられている。
【0007】
芳香は、訓練以外の目的に、動物を落ち着かせたり、動物に褒美を与えたりするのにも用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
多くの知られている芳香に基づく訓練補助具や玩具の問題点は、芳香が再生不可能であり、その結果、補助具や玩具の芳香に基づく性質には寿命がある点である。そこで、芳香が取り換え可能な訓練補助具または玩具が求められている。また、使用者が補助具または玩具から放出する芳香の量および/または補助具若しくは玩具から芳香が放出される時期を制御できるような訓練補助具または玩具が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第一の面によれば、
芳香性材料を含むように構成された内部空隙部を含んでなるハウジングと、
ハウジングの外面に設けられた1つ以上の通気孔であって、芳香性材料からの芳香が内部空隙部からハウジングの外部にまで放出可能となるように各通気孔が内部空隙部と連通する通気孔と、
芳香性材料から放出される芳香の量を制御する手段と
を含んでなる動物訓練補助具または玩具が提供される。
【0010】
芳香性材料から放出される芳香の量を制御する手段が、ハウジングの外面から芳香性材料を活性化させる活性化部であっても良い。
【0011】
このため、第二の面によれば、
不活性状態においては動物に望ましい芳香を実質的に放出せず、活性状態においては動物に望ましい芳香を放出する芳香性材料を含むように構成された内部空隙部を含んでなるハウジングと、
ハウジングの外面に設けられた1つ以上の通気孔であって、芳香性材料からの芳香が内部空隙部から動物により感知可能なハウジングの外部にまで放出可能となるように各通気孔が内部空隙部と連通する通気孔と、
ハウジングの外面から操作可能であり、芳香性材料を不活性状態から活性化状態に活性化させる活性化部と
を含んでなる動物訓練補助具または玩具が提供される。
【0012】
特定の実施形態においては、動物訓練補助具または玩具が、さらに、ハウジングを基板またはリストバンドや玩具などの装置に脱着可能に取り付ける取付手段を備える。
【0013】
また、特定の実施形態においては、ハウジングが、相互に分離可能であり、芳香性材料を内部空隙部に対して挿入または離脱できる複数のハウジング部を備える。
【0014】
特定の実施形態では、芳香性材料が、液体芳香を内部または表面上に吸収する固体である。固体は、ディスクの形態であっても良い。
【0015】
第二の面によれば、一次強化を用いて動物の望ましい行動を強化する、動物訓練方法が提供される。方法は、本発明の第二の面に係る動物訓練補助具または玩具を提供することと、動物訓練補助具または玩具内の芳香性材料を活性化することと、望ましい行動と同時にまたはその直後に動物に動物訓練補助具または玩具を与えることにより、該動物に褒美を与えることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の等角図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の等角図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の分解等角図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の一端部から見た平面図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の他端部から見た平面図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の側面図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る動物訓練補助具または玩具のある端部から見た平面図である。
【
図10】
図10は、本発明の更なる実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の側面図である。
【
図11】
図11は、本発明の更なる実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の等角図である。
【
図12】
図12は、本発明の更なる実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の頂部から見た平面図である。
【
図15】
図15は、本発明の更なる実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の等角図である。
【
図16】
図16は、本発明の更なる実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の下方から見た平面図である。
【
図17】
図17は、本発明の更なる実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の2つのハウジング部の分解等角図である。
【
図18】
図18は、本発明の更なる実施形態に係る動物訓練補助具または玩具におけるハウジング部の頂部から見た平面図である。
【
図21】
図21は、本発明の更なる実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の分解等角図である。
【
図22】
図22は、本発明の別の実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の側面図である。
【
図23】
図23は、本発明の他の実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の平面図である。
【
図24】
図24は、本発明の他の実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の等角図である。
【
図25】
図25は、本発明の他の実施形態に係る動物訓練補助具または玩具における一部の断面図である。
【
図26】
図26は、本発明のより更なる実施形態に係る動物訓練補助具または玩具の分解等角図である。
【0017】
下記説明においては、全図面を通して、類似の参照番号は、類似または相当する部分を示すものとする。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好ましい実施形態の詳細な説明
図1〜
図9に、本発明に係る動物訓練補助具または玩具10の実施形態を示す。
図10〜
図21に、本発明に係る動物訓練補助具または玩具10の更なる実施形態を示す。本発明に係る動物訓練補助具または玩具10の他の実施形態を
図22〜
図25に示し、本発明に係る動物訓練補助具または玩具10のより更なるの実施形態を
図26に示す。
【0019】
動物訓練補助具または玩具10は、芳香に基づく動物の訓練または活動に好適に使用される。芳香は、訓練補助具が褒美に基づいた訓練に用いることができるように、または玩具が動物との一般的な活動に用いることができるように、動物にとって望ましい芳香であってもよい。また、芳香は、玩具10が寝具や類似物に使用可能である場合、あるいは動物を落ち着かせるのに役立つ訓練補助具として使用可能である場合において、動物を落ち着かせ、あるいはなだめる芳香とすることもできる。
【0020】
動物訓練補助具または玩具10は、芳香性材料を含むように構成された内部空隙部14を有するハウジング12を備える。また、動物訓練補助具または玩具10は、ハウジング12の外面20に1つ以上の通気孔18をも備える。各通気孔18は、芳香性材料からの芳香が内部空隙部からハウジングの外部に放出可能となるように、内部空隙部14と連通する。また、この装置は、芳香性材料から放出された芳香量を制御する制御手段22をも備える。
【0021】
動物訓練補助具または玩具10は、芳香性材料16を含むように構成された内部空隙部14(
図7、
図13、
図14、および
図25に最もよく示されているように)を有するハウジング12を備える。芳香性材料16は、不活性状態においては動物に望ましい芳香を実質的に放出せず、活性状態においては動物に望ましい芳香を放出する。ここで、「不活性状態においては動物に望ましい芳香を実質的に放出しない」というのは、芳香性材料が活性状態において動物に感知され得る芳香を放出しないことを意味するものでない。むしろ、活性化状態では、不活性状態よりも、芳香性材料から実質的により多くの芳香が放出される。例えば、より詳細を後述する実施形態では、芳香性材料16は、基板表面にマイクロカプセル化および堆積化した芳香を有する。実際のところ、マイクロカプセル化された粒子の中には、芳香性材料16を内部空隙部14に配置した際に破裂するものがあってもよい。ただし、芳香性材料16が活性化した際に、実質的により多くの芳香が連続して放出されるものとする。芳香性材料16は、内部空隙部14内に固定され、動物訓練補助具または玩具10を使った動物の通常の活動過程中には内部空隙部14から放出されることはない。
【0022】
動物訓練補助具または玩具10はまた、ハウジングの外面20に開口する1つ以上の通気孔18をも備える。各通気孔18は、芳香性材料16からの芳香が内部空隙部14から動物により感知され得るハウジング12の外部に放出可能となるように、内部空隙部14と連通する。図示した実施形態では、通気孔18は、特に、芳香性材料からの芳香が内部空隙部からハウジングの外部に放出可能とする目的で設けられた通路または穴の形態であるが、通気孔18は、芳香が内部空隙部14からハウジング12の外部に流通する通路を構成する開口部、隙間、アパーチャまたは類似体の任意の形態をとり得る。例えば、通気孔18は、動物訓練補助具または玩具10の2つの部品間の隙間の形態であってもよい。芳香性材料16の揮発性成分を内部空隙部14から排出可能とする、非常に小さい隙間のみ必要であることは、理解されるであろう。通気孔は、動物訓練補助具または玩具10が通常の状態である場合には通常閉じていてもよいが、動物或いはユーザが動物訓練補助具または玩具を噛むなどにより動物訓練補助具または玩具10の構成を変えた場合には開き得ると考えられる。
【0023】
また、動物訓練補助具または玩具10は、芳香性材料16を不活性状態から活性状態に活性化するための活性化部22(
図3および
図17〜
図20に最もよく示されているように)をも備え、この活性化部22は、ハウジング12の外面20から操作可能である。この活性化部22は、芳香がそこから放出するように物理的に芳香性材料16を破裂可能とする任意の装置または形態とし得る。図示された実施形態では、活性化部22は、一般に、固体の芳香性材料16の表面に接触しその表面を破裂させ揮発性の芳香を放出するか、あるいは放出される揮発性の芳香の量を増加する、リブの形態である。他の形態としては、活性化部は、液体芳香性材料16を含有するカプセルに穴をあけたり、または破壊するのに用いることができ、それにより、カプセルが開いて、芳香性の液体またはオイルが放出される。更に他の形態では、活性化部は、動物が噛んだりユーザが握ったりするなどの外部刺激がその動物訓練補助具または玩具10に加わった場合に、物理的に芳香性材料16を破壊して、これにより揮発性芳香を放出させたり、あるいは放出される揮発性芳香の量を増加させることが可能な、内部空隙部14内かまたは内部空隙部14に隣接する、突起、延長部、針などの形態であってもよい。
【0024】
図1〜
図21および
図26に示す動物訓練補助具または玩具10では、一般に、ボールの形状であり、動物とのボール型の活動の独立型の玩具として使用可能である。
図22〜
図25に示した動物訓練補助具または玩具10は、2つのボールの形態であり、各ボールがより詳細を後述する基板または装置に取り付け可能となされている。なお、この動物訓練補助具または玩具10は、所望の任意の形態をとり得ると考えられる。動物訓練補助具または玩具10の形状は、動物訓練補助具または玩具の最終用途により規定されてもよく、動物訓練補助具または玩具10が例えばリストバンドに取り付けるための補助具として具体的に用いられた場合には、この動物訓練補助具または玩具10は、小型の円形状の薄型の容器の形状であってもよい。
【0025】
図1〜
図9に示した実施形態では、ハウジング12は、単一構造であり、ボールの一領域にある外面20からボールの他領域にある外面20まで延設された中央穴24を備える。図示した実施形態では、中央穴24は、ハウジング12を直径方向に延びている。これらの実施形態では、ハウジング12の外面20には、取扱人や動物が動物訓練補助具または玩具10をしっかりつかむのを補助する、複数の稜部26および谷部28を備える。なお、他の装飾的なまたは機能的な形態を外面20に施すこともできる。
【0026】
図1〜
図9に図示した実施形態では、動物訓練補助具または玩具10は、中央穴24に嵌入するプラグ・キャップ組立体30をも備え、中央穴24内の内部空隙部14に芳香性材料16を保持するのに用いられる。プラグ・キャップ組立体30は、プラグ32とキャップ34とを備える。プラグ32およびキャップ34は、互いに可逆的に嵌合するように構成されている。組み立てた形態では、プラグ32とキャップ34は、ともに、芳香性材料16が嵌入する内部空隙部14を形成している。
【0027】
使用時には、プラグ・キャップ組立体30は、保持部材36により中央穴24に保持される。保持部材36の詳細については、
図7および
図8に最もよく示されており、これら図から明らかなように、中央穴24は、この穴24内に環状縮径フランジ38を備える。フランジ38は、中央穴において縮径アパーチャ40を規定する。縮径アパーチャ40の直径は、中央穴24の中間または平均内径よりも小さい。環状縮径フランジ38は、動物訓練補助具または玩具10の使用時に、プラグ・キャップ組立体30を中央穴24に保持するのに用いられる。具体的には、環状フランジ38は、「ロック・キー」システムを用いてプラグ・キャップ組立体30を保持する。環状フランジ38は、該フランジ38内を外径方向に延びる1つ以上の溝42を備える。
図8に最もよく示されているが、図示された実施形態では、2つの溝42があるが、任意の数の(つまり1つ以上の)溝42を用い得ることは当業者により理解されるであろう。プラグ32は、一般に、細長い本体44と、大径な第1および第2の端部46および48を備える。本体44は、2つの壁部50を備え、各壁部は、本体44から外径方向に延びている。壁部50は、第1の端部46の裏面52から本体44に沿って長手方向に延びるが、第2の端部48までは延びない。このため、本体44の縮径部54は、第2の端部48に隣接してある。使用時には、各壁部50の端部にあるベアリング面56がフランジ38に当接するまで、プラグ32が中央穴24に挿入される。この点で、プラグ32が中央穴24内に完全に収容される。
図5に示すように、プラグ32が中央穴24内に収容された場合に、動物訓練補助具または玩具10の表面から見たときに第1の端部が中央穴24を効果的に閉じるように、プラグ32の第1の端部46の直径は、中央穴24の直径よりも若干小さくされている。プラグ32は、この構成にて中央穴24内を回転自在可能となっている。
【0028】
また、このプラグ32は、壁部50が溝42と位置合わせまたは一致するような位置まで中央穴24内を回転可能とされている。この位置では、第1の端部46は、壁部50を溝42内で走行させた状態で中央穴24内に更に押し込まれ得る。第1の端部46が中央穴24内に更に押し込まれると、第2の端部48は、中央穴24の反対の端部にある中央穴24から現れる。これにより、その後、プラグ32が中央穴24に収容された場合に、プラグ32の第2の端部48へ物理的にアクセスすることが可能となる。ユーザがプラグ32を中央穴24内で回転しやすくするために、第1の端部は、該第1の端部46の外面60から突出するハンドル58を備える。ユーザは、親指と人差し指の間でハンドル58をつまんで、プラグ32を中央穴24内にて回転することができる。壁部50が溝42と位置合わせされる時期をユーザが知ることができるようにするため、第1の端部46の外面60とハウジング12の外面20とは、壁部50が溝42内で位置合わせされる時期を示す印62を含む。
【0029】
プラグ32の第2の端部48が中央穴24から延びている場合には、プラグ・キャップ組立体30は、キャップ34を第2の端部48に嵌入または離脱させることにより組み立てたり解体したりすることができる。キャップ34は、基部64と基部64の一面から延びる保持フランジ66とを備える。保持フランジ66は、断面において弓型であり、プラグ32の第2の端部48が、保持フランジ66が延びる基部64の面に隣接して位置するように、キャップ34に嵌入可能となるような形状となされている。保持フランジ66の自由端部68は、第2の端部48の直径よりも小径であり、これにより、組み立てた際に、プラグ32の長手軸方向に長手方向の力を加えることによりキャップ34がプラグ32から離脱不可能となるように、自由端部68は、第2の端部48の表面70に当接する。換言すれば、キャップ34は、プラグ32の長手軸と実質的に水平な方向に第2の端部48の方へまたはそこから離れた方に移動することにより、プラグ32に嵌合しまたは離脱する。一旦、キャップ34がプラグ32に嵌入すると、プラグ・キャップ組立体30は、プラグ・キャップ組立体30の全体が中央穴24内に収容されるように、中央穴24内に押し戻し得る。この構成では、キャップ32が中央穴24内に収納されるためにプラグの長手軸と水平なキャップ34の移動が妨げられるので、キャップ34は、プラグ32から離脱不可能となる。
【0030】
図示した実施形態では、キャップ34は一般的に断面が円形であり、保持フランジ66は半円形である。キャップ34がプラグ32に嵌合するかあるいは離脱する場合に、保持フランジには、プラグ32の第2の端部48が通過する隙間72が存在する。
【0031】
図7に最もよく示されているように、プラグ・キャップ組立体30は、芳香性材料16が位置する内部空隙部14を形成する。キャップ34は通気孔18を有する。通気孔は、キャップの周辺にある切り欠き部の形態をなす。通気孔18は、芳香性材料16が活性化された場合に芳香性材料16から動物訓練補助具または玩具10の外部に芳香を放出させる。
【0032】
なお、プラグ・キャップ組立体30が中央穴24内に収容された場合に解体されなければ、他の形態および構成のプラグ32およびキャップ34を用いることができることは、理解されるであろう。
【0033】
任意には、キャップ34の基部64は、透明であってもよいし、これにより、ユーザは、芳香性材料16が内部空隙部14内にあるかどうかを、動物訓練補助具または玩具10を解体せずにも把握することができる。また、透明な基部64により、ユーザは、例えば、芳香性材料16に関する芳香(例えば、ビーフ、魚など)を識別し得るような、芳香性材料16上の印や記載を読み取ることができる。
【0034】
任意には、プラグ32は、プラグ・キャップ組立体30が中央穴24内に収容される場合に第1の端部46から突出し、動物訓練補助具または玩具10から延出する延長部(図示せず)を備えてもよい。延長部は、動物訓練補助具または玩具10を取り付けるのに用いてもよい。
【0035】
芳香性材料16は、油性芳香物などの液体芳香物であってもよいし、あるいは、内部または表面上に液体芳香物を吸収した固形物であってもよい。図示した実施形態では、芳香性材料16は、固体であり、内部または表面上に芳香性液体または油が吸収された芳香性ディスク74の形態をなしている。芳香性液体または油は、マイクロカプセル化され、その後、このマイクロカプセル化された粒子は、ディスク74の表面に付与されている。不活性状態では、これらマイクロカプセル化された粒子の大部分は、損傷がなく、ディスク74からは実質的に芳香(上記で定義した)は放出されない。活性化時には、相当な数のマイクロカプセル化した粒子が割られ、あるいはさもなければ破裂され、これらを含んだ芳香性油または液体が外部に曝され、揮発性芳香成分が放出する。ディスク74は、液体または油性の芳香を吸収するのに十分な多孔性である吸収性材から形成することができる。多くの吸収性材、例えば、段ボール、厚紙、セラミックス、ゼオライト、多孔性プラスチック、発泡体およびスポンジなどを用いることができる。再生可能な生分解性な厚紙(カードストック)は、この目的のために特に適した多孔性材料である。芳香としては、動物にとって魅力的な芳香を含む任意の液体または油性の材料であればよい。犬の場合には、鶏、牛、ベーコン、ハム、またはサーモンの芳香を用いることができる。また、フェロモンや動物をなだめたり落ち着かせたりする他の材料などの他の芳香もまた用いることができるであろう。これらの芳香は、市販のものが利用できる。
【0036】
芳香性ディスク74は、内部空隙部14内に配置することができる。かかる芳香は、薄い外部被膜を有するディスク74の内部に吸収されており、この外部被膜は、少なくとも外部被膜の一部が取り除かれることによりディスクが活性化されるまでディスク74から芳香が放出されるのを防いでいる。芳香性ディスク74は、
図1〜
図9までに図示された実施形態において、1つ以上のリブ76(
図3で最もよく示されているが)の形態をとる活性化部22により活性化される。このリブは、プラグ32の第2の端部48の端面70から突出する。ハンドル58を用いてプラグ32を回転すると、結果的に、リブ76がディスク74の表面を摩耗し、外部被膜の少なくとも一部を取り除いて、吸収されている芳香がそこから放出されるようにディスク74を活性化する。
【0037】
有利な点としては、キャップ34は、またリード、リストバンド、毛布、寝具などの他の装置にも用い得るものである。例えば、動物訓練補助具または玩具10は、動物の寝具の中に一体に組み込むこともできる。他の例としては、上記他の装置は、プラグ32の第2の端部48と同じ形態の突起を備えてもよい。使用時には、芳香性材料16は、キャップ34内に配置されていてもよく、キャップがその装置上の突起に取り付けられてもよい。これにより、キャップ34は、装置の範囲内で使用可能となる。
【0038】
図10〜
図21に図示された実施形態では、ハウジング12は、互いに分離可能な複数のハウジング部12aおよび12bを備え、これらにより芳香性材料16が内部空隙部14に導入されたり離脱されたりすることができる。これらの実施形態では、ハウジング10は、2つの実質的な半球状のハウジング部12aおよび12bを備える。各ハウジング部12aおよび12bは、外面20から内部空隙部14に伸びる中央穴24を備える。これらの実施形態では、ハウジング部12aおよび12bの外面20が取扱者や動物が動物訓練補助具または玩具10をしっかりつかむのを補助する、複数のドーム状の突起部80を備える。なお、他の装飾的なまたは機能的な形態を外面20に施すこともできる。
図22〜
図25に示された実施形態では、ハウジング部12aおよび12bの外面20は、実質的に平滑である。
【0039】
動物訓練補助具または玩具10は、2つのハウジング部12aおよび12bを保持する保持部材82をも備える。保持部材82は、2つの保持部82aおよび82bを備える。一方の保持部82aは、雄ねじ部84を備え、他方の保持部82bは、雌ねじ部86を備える。保持部82aおよび82bは、各ハウジング部12aおよび12b内の中央穴24に嵌合可能となされている。雄ねじ部84は、雌ねじ部86にねじ込まれ、ハウジング部12aおよび12bを一緒に保持し、動物訓練補助具または玩具10を組み立て形成し、また雄ねじ部84は、雌ねじ部86と互いに解くことで、内部空隙部14にアクセス可能となる。中央穴24は、外面20から内部空隙部14に向かって内方にテーパが形成され、各保持部82aおよび82bは、中央穴24のテーパ部に実質的に補完するテーパを有する。保持部82aおよび82bの少なくとも一方は、ハウジング部12aまたは12bの対応する中央穴24にも鍵止めされ、保持部82a/82bとハウジング部12a/12bとの間の回転を防止する。具体的には、
図14および
図19〜
図21に見られるように、保持部82bは、外面90から延びる少なくとも1つの長手方向突起部88と、ハウジング部12bの中央穴24の内表面94に形成された少なくとも1つの対応する長手方向の凹部92とを備える。また、保持部82bとハウジング部12bとの間および保持部82bとハウジング部12bとの間に固定された配置を形成し且つ各保持部82a/82bとハウジング部12a/12bとの間の相互の回転を防止するように、突起部88が凹部92に嵌合可能となるように、突起部88および凹部92は、形状や大きさが互いに実質的に補完しあう。
【0040】
図26に示す他の実施形態では、2つのハウジング部12aおよび12bをともに保持するための保持部材82がクリップ96の形態で構成されている。クリップ96は、ハウジング部12aおよび12bから延びるフック部材98を備える。フック部材98は、それぞれ支柱100とフック部102とを備える。フック部102は、傾斜面104と保持面106とを有する。中央連結リング108は、2つのハウジング部12aおよび12bを、中央連結リング108を間に挟んで嵌め合わせる場合に、各フック部材98のフック部102が嵌入する空隙部110を備える。各支柱100は弾性的な可撓性を有するため、2つのハウジング部12aおよび12bが中央連結リング108と係合する際に各空隙部110の表面が対応するフック部材98の傾斜面104に当接し、結果的に、フック部材98が互いに曲がり、各フック部102を対応する空隙部110に進入させる。フック部102が完全に空隙部110に挿入されると、フック部材98は、元の場所に引き戻され、各フック部材98の保持面106は、空隙部110内の稜部112に当接し、ハウジング部12aおよび12bをともにロックする。
【0041】
図10〜
図25に示した実施形態では、ハウジング12を組み立てたときに、内部空隙部14が、ハウジング部12aおよび12b上の2つの弓形内面114aおよび114bにより形成される。芳香性材料保持部材116は、2つのハウジング部12aおよび12bの間に位置する。芳香性材料保持部材116は、板状であり、一般に横断面が円形であり、外周から半径方向内側に向かって延びる複数の周辺切り欠き部118を有する。動物訓練補助具または玩具を組み立てると、切り欠き部118は、芳香性材料16からの芳香が通過し内部空隙部14からハウジング12の外部に放出可能となる更なる通気孔18を提供する。また、芳香性材料保持部材116は、動物訓練補助具または玩具10を組み立てたときに保持部82aおよび82bが通過する中央アパーチャ120を備える。芳香性ディスク74は、芳香性材料保持部材116の一面に形成されたディスク受容窪み部122の中に位置付けられ得る。このディスク受容窪み部122は、芳香性環状ディスク74と概して同じ形状を有する。
【0042】
各ハウジング部12aおよび12bの周縁部124は、ハウジング12を組み立てた際に芳香性材料保持部材116の周囲に接触し、2つのハウジング部12aおよび12bの周辺を効果的に封止する。通気孔18は、内部空隙部14とハウジング12の外部とに開口し、芳香性材料16からの芳香を内部空隙部14から動物訓練補助具または玩具10の外側に通過させる。
【0043】
上記にて述べたように、芳香性材料16は、油性芳香などの液体芳香か、あるいは液体芳香を内部または表面上に吸収する固体であってもよい。図示された実施形態では、芳香性材料16は、固体であり、上記にて述べたように、芳香性液体または油を内部または表面上に吸収する芳香性ディスク74の形態である。
【0044】
芳香性ディスク74は、保持部82aおよび82bが芳香性ディスク74の中央アパーチャ126を通過した状態で、内部空隙部14内に位置づけることができる。芳香は、薄い外部被膜を有するディスク74に内部まで吸収されており、この外部被膜は、少なくとも外部被膜の一部が取り除かれることによりディスクが活性化されるまでディスク74から芳香が放出されるのを防いでいる。芳香性環状ディスク74は、
図10〜
図25に示す実施形態において、内面114aまたは114bの少なくとも一方から突出する1つ以上のリブ128(
図17〜21に最もよく示されているが)の形態をなしている活性化部22により活性化される。リブ128は、ハウジング12を組み立てた際にディスク74の少なくとも一面に接触し、一方のハウジング部12aが他方12bに対して回転することにより、結果的にリブ128がディスク74の表面を摩耗し、その上にある外部被膜の少なくとも一部が取り除かれ、これにより吸収された芳香がそこから放出するようにディスク74を活性化する。ディスク74の周辺部は、その周辺部から半径方向に延びる鍵部130を有する。芳香性材料保持部材116のディスク受容窪み部122は、ディスク74の鍵部130に形状が補完しあう鍵部132を備える。ディスク74を動物訓練補助具または玩具10に搭載するために、ハウジング部12aおよび12bが互いに分離され、ディスク74は、鍵部130が鍵部132に嵌合するように芳香性材料保持部材116上に位置付けられる。このようにして、ディスク74は、芳香性材料保持部材116に対して回転不能となる。保持部82aの雄ねじ部84は、アパーチャ120および126に挿入される。
【0045】
図22〜
図25に図示した実施形態では、芳香性ディスク74のアパーチャ126は、保持部82bに対するディスク74の回転を阻止するため、保持部82a上の突起(図示せず)に鍵がかかる鍵切り欠き部(図示せず)を備える。このように、鍵がかかる構成の他の形態は保持部82aとディスク74との間に形成され、これが後者の保持部82a、さらにはハウジング部12aに対する回転を阻止する。
【0046】
図示しない他の実施形態では、芳香性材料16は、芳香性液体または油を含有するカプセルの形態であってもよい。このカプセルは、動物訓練補助具または玩具10の内部空隙部14に配置することができる。そして、活性化部22は、カプセルが開き芳香性液体または油がそこから解放されるようにカプセルに穴をあけたり、または破壊したりすることに用いることができる。例えば、ハウジング部12aおよび12bの一方または両方、あるいはキャップ34は、カプセルを内部空隙部14内で活性化するように押し下げ可能となるように、弾性変形してもよい。これらの実施形態では、内部空隙部14は、芳香性液体材料が吸収されるあるいは吸収されうるスポンジなどの吸収性材料を含んでもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、動物訓練補助具または玩具10は、さらに基板や、リストバンド、リード、玩具、そのほか類似のものなどの装置136に、ハウジング12を着脱可能に取り付ける取付手段134を備える。これらの実施形態では、単一のハウジング12が訓練補助具(例えば、リストバンドやリード)および/または玩具(例えば、骨や玩具動物)のある領域から着脱可能な組立システムを提供する。かかる取付手段134は、ハウジング12上の溝と装置136上のこれに対応する鍵部とを、またはその逆の関係を有する鍵・溝構造体の形態であってもよい。
【0048】
図22〜
図25に図示した実施形態では、動物訓練補助具または玩具10は、基板やより大きな玩具や訓練補助具などの装置136に取り付け可能となされている。一般的な骨の形状の装置136を図示している。装置136の端部138は、平坦な円形であり、中央アパーチャ140を有する。
図10〜
図21に示した動物訓練補助具または玩具10は、芳香性の骨の形状の訓練補助具または玩具を形成するように、端部138に取り付け可能となされている。図示した実施形態では、端部138に取り付けられた動物訓練補助具または玩具10は、
図10〜
図21に示した動物訓練補助具または玩具10に類似するが、実質的に平滑な外面20を有する。
図10〜
図21に図示した動物訓練補助具または玩具10と同様に、
図22〜
図25に示した動物訓練補助具または玩具10のボール部は、互いに分離可能なハウジング部12aおよび12bを備え、アパーチャ140を挿通する保持部82aの雄ねじ部84とそれに対応するハウジング部12aは、前述したように、雌ねじ部86にねじ込むことができる。このようにして、動物訓練補助具または玩具10は、装置136に取り付け可能となされている。装置136は、任意の形状を取り得るもので、例えば、今述べたように、動物訓練補助具または玩具10を取り付けることができるアパーチャをもつ平坦な部分を有するリードとすることもできる。
【0049】
図示しない実施形態では、1つ以上の通気孔18は、通気孔18が開いたときに芳香性材料からの芳香が内部空隙部14からハウジング12の外部に解放され、通気孔18が閉じたときに芳香が内部空隙部14内に実質的に保持されるように、開閉可能となされている。
【0050】
第二の面によれば、一次強化を用いて動物の望ましい行動を強化する、動物訓練方法が提供される。方法は、本発明に係る動物訓練補助具または玩具を用意することと、動物訓練補助具または玩具内の芳香性材料を活性化することと、望ましい行動と同時にまたはその直後に動物に動物訓練補助具または玩具を与えることにより該動物に褒美を与えることとを含む。
【0051】
本明細書および下記請求項を通して、特段のことわりがない限り、用語「備える」および「含む」、ならびに「備えてなる」および「含んでなる」などの変化した用語は、記述したある完全なもの或いは完全なものの群を当然包含するが、任意の他の完全なもの或いは完全なものの群を除外するものではないと理解されるであろう。
【0052】
本明細書におけるいかなる従来技術への言及も、従来技術が技術常識の一部を形成するといういかなる示唆をも承認すると理解されたり、理解されるべきではない。
【0053】
本発明の用途が記載した特定の適用に限定されるものではないことは当業者により理解されるであろう。本発明は、本明細書中に記載または図示した特定の要素および/または性質に関する好ましい実施形態に限定されることもない。本発明は、開示された単一または複数の実施形態に限定されるものではなく、下記請求項により記載および定義される発明の範囲から逸脱しない範囲で、多くの再配列、変更、および代替が可能であることが理解されるであろう。
【国際調査報告】