(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-507795(P2017-507795A)
(43)【公表日】2017年3月23日
(54)【発明の名称】適合性のある動作ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
B23B 35/00 20060101AFI20170303BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20170303BHJP
B23B 45/00 20060101ALI20170303BHJP
B23B 45/02 20060101ALI20170303BHJP
B28D 1/14 20060101ALI20170303BHJP
【FI】
B23B35/00
B25F5/00 C
B23B45/00 Z
B23B45/02
B28D1/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-555694(P2016-555694)
(86)(22)【出願日】2015年3月6日
(85)【翻訳文提出日】2016年10月4日
(86)【国際出願番号】EP2015054703
(87)【国際公開番号】WO2015132376
(87)【国際公開日】20150911
(31)【優先権主張番号】14158235.3
(32)【優先日】2014年3月7日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100123342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 承平
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン サットラー
【テーマコード(参考)】
3C036
3C069
【Fターム(参考)】
3C036AA00
3C036EE21
3C069AA04
3C069BA09
3C069CA07
3C069CA12
3C069DA01
3C069EA01
3C069EA03
(57)【要約】
電動工具の駆動機器としてのモータと、制御装置と、動作ディスプレイと、少なくとも第1のギアと第2のギアとを有する変速機と、変速機の少なくとも1つの構成要素の回転速度を検出する第1のセンサと、モータの回転速度を検出する第2のセンサとを備えた電動工具、特にコアドリル、を制御する方法に関する。この方法は、変速機をギアに入れた際に、変速機の少なくとも1つの構成要素の第1の回転速度を検出する工程と、変速機をギアに入れた際に、モータの第1の回転速度を検出する工程と、早見表に基づく、変速機の少なくとも1つの構成要素の第1の回転速度とモータの第1の回転速度の規定された第1の比率により、ギアの選択を確認する工程と、動作ディスプレイに示される限界値を、選択されているギアの関数として早見表に基づき設定する工程と、を備える。電動工具は、この方法を実行することを目的とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
‐電動工具(1)の駆動機器としてのモータ(3)と、
‐制御装置(4)と、
‐動作ディスプレイ(5)と、
‐少なくとも第1のギアと第2のギアとを有する変速機(6)と、
‐前記変速機(6)の少なくとも1つの構成要素の回転速度を検出する第1のセンサ(10)と、
‐前記モータ(3)の回転速度を検出する第2のセンサ(20)と
を備えた前記電動工具(1)、特にコアドリル、を制御する方法であって、
‐前記変速機(6)をギアに入れた際に、前記変速機(6)の前記少なくとも1つの構成要素の第1の回転速度を検出する工程と、
‐前記変速機をギアに入れた際に、前記モータ(3)の第1の回転速度を検出する工程と、
‐早見表に基づき、前記変速機(6)の前記少なくとも1つの構成要素の前記第1の回転速度と前記モータ(3)の前記第1の回転速度との第1の規定された比率により、前記ギアの選択を確認する工程と、
‐前記動作ディスプレイ(5)に示される限界値を、選択された前記ギアの関数として前記早見表に基づき設定する工程と
を備えた方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法を実行するための
‐電動工具(1)の駆動機器としてのモータ(3)と、
‐制御装置(4)と、
‐動作ディスプレイ(5)と、
‐少なくとも第1のギアと第2のギアとを有する変速機(6)と、
‐前記変速機(6)の少なくとも1つの構成要素の回転速度を検出する第1のセンサ(10)と、
‐前記モータ(3)の前記回転速度を検出する第2のセンサ(20)と
を備えた電動工具(1)、特にコアドリル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具の駆動機器としてのモータと、制御装置と、動作ディスプレイと、少なくとも第1のギアと第2のギアとを有する変速機と、変速機の少なくとも1つの構成要素の回転速度を検出する第1のセンサと、モータの回転速度を検出する第2のセンサとを備えた電動工具、特にコアドリルを制御する方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、電動工具の駆動機器としてのモータと、制御装置と、動作ディスプレイと、少なくとも第1のギアと第2のギアとを有する変速機と、変速機の少なくとも1つの構成要素の回転速度を検出する第1のセンサと、モータの回転速度を検出する第2のセンサとを備えた電動工具、特にコアドリルであって、本発明の方法を実施するための電動工具に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、コアドリル等の電動工具は、一般的に、例えばコンクリート又は煉瓦等の鉱物質の材料に孔を掘削するために用いる。この場合において、コアドリルは通常、電気モータと、変速機と、制御装置又は制御機器と、ツールソケットと、コアビットの形態のツールとを有する。電気モータは、ツールとともにツールソケットを、変速機経由で駆動する。変速機には通常2つのギア及び無負荷状態があり、コアドリルのユーザーが手動で選択又は作動させることができる。それぞれのギアにより、モータの速度が駆動速度へと異なった形で段階的に増減する。このように、伝達比によって、低トルクと高回転速度の組み合わせが又は高トルクと低回転速度の組み合わせがコアビットで使用可能となる。一度コアビットの回転が発生すると、コアビットは、先端がダイヤモンドの切断刃で材料に円形の孔を切削し、よって円筒ドリルコアが形成される。掘削又は切削手順の最後に、ドリルコアは掘削孔から取り外される。
【0004】
従来のコアドリルは、特許文献1に開示されている。コアドリルとして構成されるこの電動工具は、駆動モータと駆動シャフトとを有する駆動手段と、被駆動シャフトを有する被駆動手段と、遊星歯車列と追加のギア装置とを有する変速機と、遊星歯車列の第1のギア速度段と第2のギア速度段を変速する機器とを備える。
【0005】
従来のコアドリルにおいて広く見られる問題は、過負荷の範囲の限界値が最も回転が遅いギア(即ち、最上段のギア)に基づき決定される点にある。これらの限界値は、しかしながら、最も回転が速いギア(即ち、最下段のギア)に対応してはいない。示された選択されているギアに対応しない限界値の表示は、電動工具の不適切な動作に加え、掘削速度の低下及び/又は電動工具の寿命が短かくなることによる生産性の低下につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102011089771号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述の課題を解決し、電動工具、特にコアドリルを制御する方法を提供することである。さらに、この方法を実行する電動工具、特にコアドリルを提供し、その使用により生産性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この本発明の目的は、独立請求項1及び2に記載の発明の要旨により達成される。
【0009】
この目的を達成するため、
‐電動工具の駆動機器としてのモータと、
‐制御装置と、
‐動作ディスプレイと
‐少なくとも第1のギアと第2のギアとを有する変速機と、
‐変速機の少なくとも1つの構成要素の回転速度を検出する第1のセンサと、
‐モータの回転速度を検出する第2のセンサと
を備えた電動工具、特にコアドリル、を制御する方法が提示される。
【0010】
本発明の方法は、
‐変速機をギアに入れた際に、変速機の少なくとも1つの構成要素の第1の回転速度を特定する工程と、
‐変速機をギアに入れた際に、モータの第1の回転速度を特定する工程と、
‐ギアの選択を、早見表に基づき、変速機の少なくとも1つの構成要素の第1の回転速度とモータの第1の回転速度との、規定された第1の比率に基づき確認する工程と、
‐動作ディスプレイの限界値を、選択されているギアの関数として早見表に基づき、設定する工程と
を備える。
選択されているギアに対して動作ディスプレイに示される限界値を自動的且つ適切に対応させることができるため、ユーザーは常に適切な出力範囲で電動工具を使用して生産性を向上させることができる。
【0011】
さらに、
‐電動工具の駆動機器としてのモータと、
‐制御装置と、
‐動作ディスプレイと、
‐少なくとも第1のギアと第2のギアとを有する変速機と、
‐変速機の少なくとも1つの構成要素の回転速度を検出する第1のセンサと、
‐モータの回転速度を検出する第2のセンサと、
を備えた電動工具、特にコアドリルであって、
本発明の方法を実行するための、電動工具、特にコアドリルが提供される。
【0012】
本発明のさらなる優位な効果、機能は、下記の図面の説明から読み取ることができる。図面は、本発明の様々な実施例を示す。図面、明細書、及び請求項には、数多くの機能の組み合わせが含まれている。当業者であれば、適宜、個別の機能を検証、統合し、さらなる有効な組み合わせを創作することができるであろう。図は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】モータと、制御装置と、変速機と、コアビットとして構成される工具と、第1のセンサと、第2のセンサとを備えた、コアドリルとして構成される本発明の電動工具を示す図である。
【
図2】本発明の方法の第1のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、ドリルスタンド2に装着されるコアドリルとして構成された電動工具1を示す。ドリルスタンド2により、コアドリル1は、一点鎖線で示す矢印Aの向きで、作業の対象となる被加工部材Wに向かって及び被加工部材Wから離れるように可逆的に動かすことができる。この部材Wの素材は、コンクリートである。
【0015】
コアドリル1は、ハウジング2と、モータ3と、制御装置4と、動作ディスプレイ5と、変速機6と、被駆動シャフト7と、コアビットとして構成される工具8と、変速機6の回転速度を検出する第1のセンサ10と、モータ3の回転速度を検出する第2のセンサとを有する。如何なる種類の電気モータもモータ3として使用することができる。
【0016】
モータ3は電気モータとして構成され、コアビット8を駆動する役割をする。モータ3は、変速機6に取り外し可能に接続された駆動シャフト(図示せず)を有する。この接続は、連結手段(図示せず)により確立される。コアビット8は、変速機6及び被駆動シャフト7により回転する。部材Wに孔を切削するために、モータ3で発生するトルクは対応するコアビット8に伝達される。
【0017】
変速機6は、第1のギアと、第2のギアとを有するとともに無負荷状態にもなり、モータ3の駆動シャフトと被駆動シャフト7との間に位置する。モータ3から被駆動シャフト7又はコアビット8への回転速度及びトルクの伝達を変化させるため、各ギアはギア速度セレクタ(図示せず)により手動で選択することができる。
【0018】
現在選択されているギアに対する変速機6の少なくとも1つの構成要素の回転速度を検出するため、第1のセンサ10が変速機5に配置される。変速機6のその少なくとも1つの構成要素は、歯車等でもよい。対照的に、第2のセンサ20は、モータ3の回転速度を検出するように配置される。
【0019】
制御装置4は第1の配線11経由でセンサ10に、第2の配線12経由でセンサ20に接続されて、第1のセンサ10及び第2のセンサ20が検出する回転速度の値が制御装置4に伝達される。加えて、制御装置4がモータ3の回転速度を直接変化させることができるように、制御装置4はモータ3に接続されている。さらに、制御装置4は、動作ディスプレイ5に示される限界値が変化する(即ち、増減する)ように、動作ディスプレイ5に接続されている。制御装置4は、早見表(伝達比表)が保存されたデータ記憶装置(図示せず)を有する。現在選択されているギアは、早見表によりモータ3の回転速度と対応する変速機6の回転速度の比率によって確認することができる。制御装置4のモータ3への接続により、制御装置4はモータ3を作動、具体的にはモータ3の回転速度を自動的に加速又は減速することができる。
【0020】
動作ディスプレイ5は、ユーザーに現在のコアドリル1の出力レベルを報知、具体的には、コアドリル1の過負荷についてユーザーに警告を発する役割を担う。このため、動作ディスプレイ5は、ユーザーがコアドリル1で作業中に動作ディスプレイ5を見ることができるように、コアドリル1のハウジング2上に見やすく配置されている。動作ディスプレイ5は、選択されているギアについての出力範囲、特に過負荷の範囲を示す視覚的スケール(目盛り)を備える。視覚的スケールの代わり又は視覚的スケールに加えて、過負荷の範囲への到達、特に過負荷の範囲を超過したことを示す音響表示機器を設けてもよい。
【0021】
図2は、本発明の方法に基づき、選択されているギアに対して制限値を適合させる手順を示す。
【0022】
この目的のため、工程S1において、第1のセンサ10が変速機6の回転速度を検出する。
【0023】
工程S2において、モータ3の回転速度を第2のセンサ20で検出する。
【0024】
工程S3において、データ記憶装置に記録した早見表並びに検出済みのモータ3及び変速機6の回転速度に基づき、選択されているギアを確認する。
【0025】
工程S4において、動作ディスプレイ5に示される限界値が、選択されているギアの関数として早見表に基づき、選択される。
【国際調査報告】