特表2017-508088(P2017-508088A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-508088層厚検出装置を有する道路舗装機械、および、塗布された材料層の厚さを検出する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-508088(P2017-508088A)
(43)【公表日】2017年3月23日
(54)【発明の名称】層厚検出装置を有する道路舗装機械、および、塗布された材料層の厚さを検出する方法
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/48 20060101AFI20170303BHJP
【FI】
   E01C19/48 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-557929(P2016-557929)
(86)(22)【出願日】2015年3月17日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月1日
(86)【国際出願番号】EP2015055555
(87)【国際公開番号】WO2015140166
(87)【国際公開日】20150924
(31)【優先権主張番号】14160503.0
(32)【優先日】2014年3月18日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515291281
【氏名又は名称】エムオーベーアー モビール アウトマチオーン アーゲー
【氏名又は名称原語表記】MOBA Mobile Automation AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】特許業務法人タス・マイスター国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホルン アルホンス
(72)【発明者】
【氏名】ホルン ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ヒルテンカンプ トマス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーターマン マルクス
【テーマコード(参考)】
2D052
【Fターム(参考)】
2D052AA03
2D052AC01
2D052AD01
2D052AD11
2D052BD12
2D052CA01
(57)【要約】
道路舗装機械が、基礎(14)に材料層(42)を塗布するスクリード(16)、および、塗布された材料層(42)の厚さ(h)を検出する層厚検出装置を含む。層厚検出装置は、塗布された材料層(42)からの第1の距離を検出する第1のセンサ(38)、および、基礎(14)からの第2の距離を検出する第2のセンサ(40)を含む。層厚検出装置は、スクリード(16)にしっかりと取り付けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路舗装機械であって:
材料層(42)を基礎(14)に塗布するスクリード(16);
塗布された前記材料層(42)の厚さ(h)を検出する層厚検出装置
を有し、
前記層厚検出装置は、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離を検出する、前記スクリード(16)の進行方向後方の第1のセンサ(38)、および、前記基礎(14)からの第2の距離を検出する、前記スクリード(16)の進行方向前方の第2のセンサ(40)を含み、
前記層厚検出装置は、前記スクリード(16)に固定して取り付けられ;ならびに、
前記層厚検出装置は、信号処理ユニット(44)を含み、
前記信号処理ユニット(44)が、前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)からのセンサ信号(s、s)、スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の距離(a、b)、ならびに、前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さに基づいて、前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)を検出するように構成されていることを特徴とする、道路舗装機械。
【請求項2】
前記スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記距離(a、b)は同じであり、
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは同じであり、
前記信号処理ユニット(44)は、前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)からの前記センサ信号(s、s)、ならびに、前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さに基づいて、前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)を検出するように構成されている、請求項1に記載の道路舗装機械。
【請求項3】
前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)は、以下のようにして求められる:
=s+s−2B
式中:
=前記塗布された材料層(42)の層厚、
=前記第1のセンサ(38)によって検出される、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離、
=前記第2のセンサ(40)によって検出される、前記基礎(14)からの第2の距離、ならびに
B=前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さ
である、請求項2に記載の道路舗装機械。
【請求項4】
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは同じであり、
前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)は、以下のようにして求められる:
式中:
=前記塗布された材料層(42)の層厚、
=前記第1のセンサ(38)によって検出される、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離、
=前記第2のセンサ(40)によって検出される、前記基礎(14)からの第2の距離、
B=前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さ、
a=前記スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)の距離、ならびに
b=前記スクリードの後縁(26)からの前記第2のセンサ(40)の距離
である、請求項1に記載の道路舗装機械。
【請求項5】
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは同じであり、
前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)は以下のようにして求められる:
式中:



=前記塗布された材料層(42)の層厚、
=前記第1のセンサ(38)によって検出される、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離、
=前記第2のセンサ(40)によって検出される、前記基礎(14)からの第2の距離、
B=前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さ、
a=前記スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)の距離、ならびに
b=前記スクリードの後縁(26)からの前記第2のセンサ(40)の距離
である、請求項1に記載の道路舗装機械。
【請求項6】
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは、前記スクリード(16)の厚さに等しい、請求項1〜5のいずれか一項に記載の道路舗装機械。
【請求項7】
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは同じであり、
前記信号処理ユニット(44)は、前記取り付け高さを求めるために校正を行うように構成されており、前記校正しながら、前記第1のセンサ(38)は前記基礎(14)からの距離を検出する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の道路舗装機械。
【請求項8】
前記信号処理ユニット(44)は、以下のように、前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さを以下のように求めるように構成されており:
式中:
=前記第1のセンサ(38)によって検出される、前記基礎(14)からの第1の距離、
=前記第2のセンサ(40)によって検出される、前記基礎(14)からの第2の距離、
B=前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さ
である、請求項7に記載の道路舗装機械。
【請求項9】
前記層厚検出装置は、前記スクリード(16)に取り付けられる少なくとも1つの支持体を含み、
前記第1のセンサ(38)は、前記スクリードの後縁(26)から第1の距離において前記支持体に配置され、
前記第2のセンサ(40)は、前記スクリードの後縁(26)から第2の距離において前記支持体に配置される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の道路舗装機械。
【請求項10】
前記支持体は、前記スクリード(16)に取り付けられる測定バーを含み、
前記第1のセンサ(38)は、前記スクリードの後縁(26)から前記第1の距離において前記測定バーの第1の端部に配置され、
前記第2のセンサ(40)は、前記スクリードの後縁(26)から前記第2の距離において前記測定バーの第2の端部に配置される、請求項9に記載の道路舗装機械。
【請求項11】
前記測定バーは、前記スクリード(16)の上面に堅くかつ固定して取り付けられる、請求項10に記載の道路舗装機械。
【請求項12】
前記支持体は、前記スクリード(16)に固定して取り付けられるとともに、スクリードの後縁(26)から前記第1の距離において前記第1のセンサ(38)が配置される第1の剛性支持体、および、前記スクリード(16)に固定して取り付けられるとともに、前記スクリードの後縁(26)から前記第2の距離において前記第2のセンサ(40)が配置される第2の剛性支持体を含む、請求項9に記載の道路舗装機械。
【請求項13】
前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)は、超音波センサ、レーザーセンサもしくはマイクロ波センサまたはそれらの組み合わせを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の道路舗装機械。
【請求項14】
厚さ検出装置によって、道路舗装機械(10)を使用することによって基礎(14)に塗布された材料層(42)の厚さ(h)を検出する方法であって、厚さ検出装置は、前記道路舗装機械のスクリード(16)に固定して取り付けられるとともに、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離を検出する、前記スクリード(16)の進行方向後方の第1のセンサ(38)、および、前記基礎(14)からの第2の距離を検出する、前記スクリード(16)の進行方向前方の第2のセンサ(40)を備え、前記方法は以下のステップを含む:
前記塗布された材料層(42)からの第1の距離を検出するステップ;
前記基礎(14)からの第2の距離を検出するステップ;および
塗布された前記材料層(42)の前記層厚(h)を求めるステップ
を含み、
前記層厚(h)を、前記検出された第1の距離および第2の距離、前記スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の距離(a、b)、ならびに、前記道路舗装機械(10)の前記スクリード(16)の後縁に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さに基づいて求めることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路舗装機械(路面仕上げ機)に関し、特に、層厚検出装置を有する道路舗装機械、および、そのような道路舗装機械によって塗布された材料層の厚さを検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
概して、無限軌道式の駆動装置上の道路舗装機械は、準備が整った基礎(路盤)上を走行し、基礎上には、生成される車道面または生成される道路舗装が適用される。一般に、道路舗装は瀝青質材料であるが、砂または石またはコンクリート層を有する層も加えることができる。道路舗装機械の進行方向後方には、高さが調整可能なスクリードが設けられ、その前側には、スクリードの前側において保たれる道路舗装材料の量が常に十分であり、多過ぎないことを確実にするコンベヤ装置によって供給および分配される道路舗装材料の供給分が積み重ねられる。古い道路舗装のカバリングによって形成することもできる、準備が整った基礎の表面に対するスクリードの後縁の高さは、ローラによるその後続のさらなる圧密の前に生成される車道面の厚さを確立する。スクリードは、道路舗装機械の中心エリアに配置される牽引地点を中心に回転的に移動可能に支えられる牽引アーム上で保持され、スクリードの高さは、油圧調整装置によって決まる。
【0003】
図1は、例えば特許文献1において記載されているような既知の道路舗装機械を示している。道路舗装機械は全体が10で示され、無限軌道式の駆動装置12を含み、無限軌道式の駆動装置12によって、道路舗装機械10は、準備が整った基礎14上を進行する。進行方向において分かるように、道路舗装機械10の後端には、牽引アーム18によって牽引地点20において道路舗装機械10に連結される、高さが調整可能なスクリード16が配置される。スクリード16の前方には、アスファルト材料の供給源22が配置され、この供給は、それ自体が既知である、スクリュー状のコンベヤ装置24の速度に対応する制御を用いて、本質的にスクリード16の全幅にわたって一定に保たれる。スクリード16は、生成される路面のアスファルト上で浮動する。生成される路面の、ロードローラによるその最終的な圧密の前の厚さは、スクリード16の後縁26の高さを調整することによって調整される。この高さ調整は、スクリード16の設定角度を変更することによって開始され、通常は、牽引アーム18の前端に係合する調整シリンダを作動させることによって達成される。道路舗装機械は、マウント34に取り付けられる3つの超音波センサ28、30、32を含む。マウント34は牽引アーム18に取り付けられる。3つの超音波センサ28、30、32は、例えばロードカバーの古い経路、または、既に生成されているロードカバーの経路によって形成することができる基準面をスキャンする。
【0004】
道路を構築するとき、生成される層を可能な限り連続的かつリアルタイムで測定することが望ましい。層厚を求めることは、例えば、新たに適用された道路舗装の質を確認するために望ましい。例えば瀝青層の計算された厚さが小さ過ぎる場合、道路舗装が尚早に破断するというリスクがあり、この結果として、道路舗装の高価な補修が生じる。他方で、コストの増大につながる、使用される材料の質が高すぎないように、使用される材料の質に関して層厚を確認しなければならない。
【0005】
新たに適用された道路舗装の層厚を求める既知のシステムは、例えば特許文献2、特許文献3および特許文献4において記載されている。これらの既知のシステムの欠点は、これらが機械的に複雑であり、信号処理に関して複雑化され、層厚を求めるときに十分な精度を依然として有しないことである。
【0006】
特許文献5は、横方向の高さセンサ、スクリードの前方の前方高さセンサ、および、スクリードの後方の後方高さセンサを備えるセンサフレームを有する道路舗装機械を記載しており、これらはそれぞれ、基礎からの距離を測定する。センサフレームは、スクリードおよび/または牽引アームに堅く取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0542297号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2535456号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2535457号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第2535458号明細書
【特許文献5】米国特許第7172363号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、道路舗装機械によって塗布された材料層の層厚を求めるための改善された手法を提供することであり、この手法は、あまり複雑ではなく、改善された精度で層厚を求めることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1に記載の道路舗装機械を使用して、および、請求項14に記載の方法を使用して達成される。
【0010】
本発明の道路舗装機械は、層厚検出装置がスクリードにしっかりと取り付けられ、それによって、測定装置が、実際の塗布が生じる地点に取り付けられるので、層厚をより正確に検出することが可能となり有利である。層厚を検出するための座標系の原点は、材料が実際に塗布された地点に正確に配置される。さらに、本発明の手法は、層厚検出装置をスクリードにしか取り付ける必要がないので、設置を容易にし、特に、層厚検出装置を道路舗装機械のいずれかの他のエリアには取り付ける必要がなく、そのような取り付けは、例えば道路舗装機械の移動のために、測定システムに対して悪影響を有する。
【0011】
さらに、本発明の手法は、容易に求めることが可能な変数、具体的には、センサによって検出される距離信号、および、センサとスクリードの後縁との間の容易に求めることが可能な距離しか計算において使用されず、それによって、層厚が、層が塗布された地点に対して、具体的にはスクリードの後縁に対して、複雑ではない信号処理を用いて簡単に、正確に求められるため、有利である。
【0012】
実施形態によると、スクリードの後縁からの第1のセンサおよび第2のセンサの距離、ならびに、スクリードの後縁に対する第1のセンサおよび第2のセンサの取り付け高さは同じであり、信号処理ユニットは、第1のセンサおよび第2のセンサからのセンサ信号に基づいて、ならびに、スクリードの後縁に対する第1のセンサおよび第2のセンサの取り付け高さから、塗布された材料層の層厚を検出するように構成されている。
【0013】
この実施形態による本発明の手法は、スクリードの後縁からのセンサの距離が同じであると仮定すると、層厚を求めることを大幅に簡略化することができ、この場合、小さな角度変化についての第1の良好な近似中に、センサ取り付け高さおよびセンサ信号のみが計算に付加されるため、有利である。
【0014】
塗布された材料層の層厚は、以下のように求めることができる:
式中:
=塗布された材料層の層厚、
=第1のセンサによって検出される、塗布された材料層からの第1の距離、
=第2のセンサによって検出される、基礎からの第2の距離、ならびに
B=スクリードの後縁に対する第1のセンサおよび第2のセンサの取り付け高さ
である。
【0015】
さらなる実施形態によると、スクリードの後縁に対する第1のセンサおよび第2のセンサの取り付け高さは同じであり、塗布された材料層の層厚は、以下のように求めることができる:
式中:
=塗布された材料層の層厚、
=第1のセンサによって検出される、塗布された材料層からの第1の距離、
=第2のセンサによって検出される、基礎からの第2の距離、
B=スクリードの後縁に対する第1のセンサおよび第2のセンサの取り付け高さ、
a=スクリードの後縁からの第1のセンサの距離、ならびに
b=スクリードの後縁からの第2のセンサの距離
である。
【0016】
この実施形態による本発明の手法は、層厚を簡単に計算することを可能にし、この場合、センサを、状況に応じて、スクリードの後縁に対して互いから異なる距離に配置することもできるため、有利であり、この場合、センサがスクリードの後縁に対して同じ高さに設置されるため、計算が簡略化される。
【0017】
さらなる実施形態によると、スクリードの後縁に対する第1のセンサおよび第2のセンサの取り付け高さは同じであり、塗布された材料層の層厚は、以下のように求めることができる:
式中:




=塗布された材料層の層厚、
=第1のセンサによって検出される、塗布された材料層からの第1の距離、
=第2のセンサによって検出される、基礎からの第2の距離、
B=スクリードの後縁に対する第1のセンサおよび第2のセンサの取り付け高さ、
a=スクリードの後縁からの第1のセンサの距離、ならびに
b=スクリードの後縁からの第2のセンサの距離
である。
【0018】
この実施形態による本発明の手法は、層厚をかなり正確に求めることが可能となり、この場合、測定装置の回転点が正確にスクリードの後縁上にあると仮定されるという点で、計算アルゴリズムが最適化されるため、有利である。
【0019】
この実施形態による本発明の手法は、スクリードの厚さと同じであるスクリードの後縁に対する高さに取り付けられるセンサに起因して、取り付け高さを求めることがかなり簡略化され、例えば、スクリードの既知の厚さまたは高さを、取り付け高さを求める他のステップを必要とすることなく、取り付け高さに対して簡単に使用することができるため、有利である。
【0020】
さらなる実施形態によると、スクリードの後縁に対する第1のセンサおよび第2のセンサの取り付け高さは同じであり、信号処理ユニットは、取り付け高さを求めるために校正を行うように構成されており、校正中に、第1のセンサは基礎からの距離を検出する。
【0021】
この実施形態による本発明の手法は、校正中に、第1のセンサが基礎からの距離も求めるという点で、校正プロセス中に、同じである第1のセンサおよび第2のセンサの取り付け高さを簡単に求めることが可能であるため、有利である。したがって、本発明によると、取り付け高さを簡単に求めることが可能であり、これは、最も正確な可能な取り付け高さを求めるために、センサがスクリードの上側縁の高さに取り付けられる場合にも可能である。
【0022】
スクリードの後縁に対する第1のセンサおよび第2のセンサの取り付け高さは、以下のように求めることができる:

式中:
=第1のセンサによって検出される、基礎からの第1の距離、
=第2のセンサによって検出される、基礎からの第2の距離、
B=スクリードの後縁に対する第1のセンサおよび第2のセンサの取り付け高さ
である。
【0023】
さらなる実施形態によると、層厚検出装置は、スクリードに取り付けられる少なくとも1つの支持体を含み、第1のセンサは、スクリードの後縁から第1の距離において支持体に配置され、第2のセンサは、スクリードの後縁から第2の距離において支持体に配置される。
【0024】
この実施形態による本発明の手法は、支持体を使用するときに、スクリードの後縁からのセンサの距離を、塗布された材料層を第1のセンサが確実にスキャンし、第2のセンサが基礎を確実にスキャンするように、さらに調整しなくてもよいため、有利である。
【0025】
実施形態によると、支持体は、スクリードに取り付けられる測定バーを含み、第1のセンサは、スクリードの後縁から第1の距離において測定バーの第1の端に配置され、第2のセンサは、スクリードの後縁から第2の距離において測定バーの第2の端に配置される。
【0026】
実施形態によると、測定バーは剛体であり、スクリードの上面に固定して取り付けられる。
【0027】
この実施形態による測定バーの使用は、これが、スクリードへの測定構成の簡単な取り付けを可能にするため、有利であり、この場合、特に、測定バーがその端のそれぞれにセンサを既に含むことに起因して、スクリードへの簡単な取り付け、および特に、スクリードに対するセンサの簡単な配向も保証される。他の実施形態では、対応するセンサを有する複数のそのような測定バーが、スクリードの幅に沿って配置されることができる。簡単かつ信頼性の高い測定が、測定バーの剛体の実施形態、および、スクリードの上面への測定バーの移動可能な取り付けに起因して保証される。
【0028】
他の実施形態によると、支持体は、スクリードに固定して取り付けられるとともに、スクリードの後縁から第1の距離において第1のセンサが配置される第1の剛性支持体、および、スクリードに固定して取り付けられるとともに、スクリードの後縁から第2の距離において第2のセンサが配置される第2の剛性支持体を含む。
【0029】
この実施形態は、2つのセンサを取り付ける共通の測定バーの代わりに、状況に関係なく、第1のセンサおよび第2のセンサを、スクリードの後縁に対して異なる位置に、また、スクリードの後縁に対して、例えばスクリードの後縁から異なる距離におよび/または異なる取り付け高さに配置するために、別個の測定バーまたは別個の剛性支持体を提供することも可能であるため、有利である。
【0030】
実施形態によると、第1のセンサおよび第2のセンサは、超音波センサ、レーザーセンサ、マイクロ波センサまたはさらにはそれらの組み合わせを含む。
【発明の効果】
【0031】
したがって、本発明によると、道路舗装機械において層厚を連続的に求めることを可能にする手法が提供され、このように求めることは、アスファルトを敷設するときに質のパラメータを求めるための最も重要なタスクのうちの1つを表す。アスファルトを敷設するときに層厚を求めるための、上記で述べた様々な測定方法が従来技術において既知であるが、これらは、この目的で合理的に使用することができる許容可能な範囲内にある精度を達成しない。したがって、本発明によると、スクリードにしっかりと設置される測定装置が提供されるという点で特に達成される改善された精度を有する測定方法が層厚測定において使用される、手法が教示される。
【0032】
本発明の実施形態を、図面を参照して以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】既知の道路舗装機械を示す図である。
図2】本発明の1つの実施形態による道路舗装機械を示す図である。
図3】例えば図2に示されているような道路舗装機械において使用されるときのスクリードの幾何学的な概略を示す図である。
図4】スクリードの後縁に対するX−Y座標系の位置を示す図である。
図5】層厚測定のために導出された変数を有する、図4を用いて説明した座標系(X−Y座標系)を示す図である。
図6】この場合は傾いている、図3に示されているスクリードを幾何学的に示す図である。
図7図6を用いて説明した、導出された測定された変数、および、それらの幾何学的な関係を示す図である。
図8】改善された精度で層厚を求めるときに用いられる幾何学的特徴を概略的に示す図である。
図9図8における幾何学的形状と同様であるが、Y軸に対して角度Δαだけ傾いたスクリードの場合の、スクリードの幾何的な概略を示す図である。
図10】本発明による、層厚測定システムの1つの可能な設置の概略上面図である。
図11】センサが、別個の剛性の支持体を介してスクリード構造に取り付けられている、本発明の測定装置の代替的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施形態の以下の記載において、同じであるかまたは同様の要素には同じ参照符号が付されている。
【0035】
図2は、本発明の1つの実施形態による道路舗装機械を示している。図2に示されている道路舗装機械は、図1に示されている道路舗装機械と同様であるが、本発明の層厚検出装置を含む。図2に示されている道路舗装機械は、図1に示されている超音波センサまたは示されているマウントを含まず、その代わりに、本発明の層厚検出装置はスクリード16に取り付けられている。あるいは、図1に示されているセンサを、材料層の塗布を制御するために保持してもよい。図2に示されている実施形態では、本発明の層厚検出装置は、スクリード16の上面に堅くかつ固定して取り付けられている支持体36を含み、それによって、支持体36はスクリード16とともに移動する。第1のセンサ38が、スクリード16の進行方向後方においてスクリードの後縁26から距離aにおいて支持体36の第1の端に配置されている。第2のセンサ40が、スクリード16の進行方向前方においてスクリードの後縁26から距離bにおいて支持体36の第2の端に配置されており、第2のセンサ40は同様に、距離信号s2を生成する超音波またはレーザーセンサである。第1のセンサ38は、超音波センサ、レーザーセンサまたはマイクロ波センサであるものとすることができ、塗布された層42の表面42aからの第1のセンサ38の距離を示す距離信号s1を生成する。第2のセンサ40は、超音波センサ、レーザーセンサまたはマイクロ波センサであるものとすることができ、基礎14からの第2のセンサ40の距離を示す距離信号s2を生成する。層厚検出装置は、図2に概略的に示されており、かつ例えば道路舗装機械10の制御部の一部であるものとすることができる信号処理デバイス44をさらに含む。あるいは、信号処理デバイスは、道路舗装機械の他の要素とは独立して設けてもよい。図示の実施形態では、信号処理デバイス44は、センサ38および40から、概略的に示されている接続部46、48を介してデータを受信するマイクロコントローラとして具現することができ、このデータは、測定された距離s1およびs2を反映する。信号処理デバイス44は、受信した距離信号s1およびs2に基づいて、および、スクリードの後縁26からのセンサ38、40の距離a、bに基づいて、ならびに、スクリードの後縁26に対する、またはスクリードの後縁26の上の、センサ38および40の取り付け高さBに基づいて、塗布された層42の層厚hを求める。信号処理デバイス44は、層厚hを連続的もしくは一定の所定の間隔で検出し、出力し、および/または、記憶することができ、この目的で、信号処理デバイスは、メモリおよび/またはディスプレイ(図2にはより詳細には示されていない)をさらに含むことができる。
【0036】
図2に示されている実施形態では、支持体36は概略的に示されており、スクリードの上側縁16bに堅くかつ固定して取り付けられており、それによって、支持体36、ならびに、したがってセンサ38および40も、上記で述べたように、塗布された層42の層厚hを、処理デバイス44において実行される計算アルゴリズムによって、以下により詳細に記載するように求めることができるよう、スクリードとともに移動する。そのような場合、スクリードの後縁26の上のセンサ38、40の取り付け高さは、スクリード16の厚さBまたは高さBに等しい高さである。
【0037】
例えば図2に示されている道路舗装機械10を用いてアスファルトを敷設するときに、層厚を測定する本発明の手法は、進行方向に道路舗装機械10に沿って一列で配置されており、かつ1つの実施形態によると、センサ38が、塗布されたアスファルト層42のアスファルト表面42aからの距離s1を測定し、センサ40が、基礎14からの距離s2を測定するように、スクリードの後縁26に対して距離対称に配置されている、2つの高さセンサ38、40が設けられることに基づく。2つのセンサ38、40は、特に、僅かな捩れしかあり得ないように、支持体36によって舗装スクリード16に堅く接続されている。
【0038】
以下では、第1の実施形態による、層厚を求める本発明の手法を、図3を用いてより詳細に説明する。図3は、例えば図2に示されているような道路舗装機械において、但し他の道路舗装機械においても用いることができるようなスクリードを、幾何学的に概略を示している。図3は、距離センサ38および40を用いるとともに、関連する距離測定値s1およびs2を基礎として用いて層厚を測定する概略的な構造を示している。図3は、スクリードの後縁26の上に直接配置され、図3に示されている線L1が通る対称点Sを示している。図示の実施形態によると、上記で述べたように、センサ38、40は、支持体36を介して、具体的には、仮想線L1の方向への捩れ、特に垂直方向の捩れが生じないように、舗装スクリード16に堅く接続されている。スクリードの後縁26に対するセンサの適用高さが提供する距離Bは、対称点Sと塗布されたアスファルト層42の表面42aとの間に配置される。図示の実施形態では、距離Bは、スクリード16が長手方向に牽引地点20にわたって移動する場合であっても、ほぼ一定の値を表す。線L1は、センサ38および40の基準線、ならびに、同時に、対称点Sに対する取り付け高さまたは搭載高さも表す。この文脈では、線L1は、搭載基準線とも称することができる。距離aおよびbは、センサ38および40と、スクリードの後縁26または対称点Sとの間の距離または設置距離である。センサ38および40を用いる層厚測定のための座標系は、スクリードの後縁26に対するX−Y座標系の位置を示す図4に示されているように、スクリードの後縁26上に直接ある。より具体的には、座標系におけるYのゼロ点が、スクリードの後縁26上に直接あり、スクレーパ縁がXのゼロ点を決定する。座標系は、塗布プロセス中にスクリードの後縁26の移動に追従し、ゼロ点からのそのマイナスの延長のX軸は、路面42aに一致する。
【0039】
以下、層厚hに関して、第1の実施形態に従って用いられる式を導出するための、層厚測定の測定される変数を抽出する図5を参照する。図5は、図4を用いて説明した座標系(X−Y座標系)とともに、塗布された層42の厚さh、および、図2において説明したセンサの測定された距離の値s1およびs2、具体的には、センサの設置高さBだけプラスのY方向に座標系のゼロ点から離間する、線L1から進む、アスファルト表面42aおよび基礎14からの距離を示している。直前に記載した実施形態では、センサ38および40がゼロ点から等距離にあり、すなわち、X方向に沿ってゼロ点から同じ距離であると仮定する。図3図5を用いて記載した幾何学的形状を基礎として用いて、図示の実施形態によると、層厚hは以下のように見出すことができる:
【0040】
基準線L1(図3を参照のこと)の傾きが、Y座標軸を中心に対称に変化する場合、本明細書において以下でより詳細に説明するように、信号s1+s2の和が略一定のままであるため、上記で提供される式は本質的に有効であるままである。上記式(1)の導出を、以下でより詳細に記載するものとし、以下は、図示の実施形態に従って仮定される:
・38、40とスクリードの後縁26(対称点S)との間の距離a、bは等しく、すなわちa=bであり;
・センサ38および40は、仮想線L1上に配置され、例えば支持体36によってスクリード16に堅く接続され;
・センサ38は、アスファルト表面42aからの距離s1を測定し;
・センサ40は、基礎14からの距離s2を測定し;
・距離Bは一定であり、Y方向に線L1とスクリード16の後縁26との間の距離を表し;
・線L1は、最初は基礎14に対して平行に延びる。
【0041】
上記仮定を基礎として用いて、層厚を、以下の式に従って直接見出すことができる:
【0042】
線L1は、スクリードの移動に起因して傾くものとすることができ、図6は、測定システムの傾きに対する変化を示している。図6に示されているように、例えばスクリード設定角度の変化に起因して対称点Sを中心として対称な、線L1から線L1’の位置の変化または傾きに起因して、測定値s1およびs2はΔs1およびΔs2だけ対称的に変化する。式(2)が真のままであるように、線L1’を、基礎14に対して平行に再び位置合わせしなければならず、これは、図6の矢印50aおよび50bによって例として示されているように、線L1’が対称点Sに対して値Δs1またはΔs2だけ回転するという点で達成される。ここで、値s2’が、スクリードの傾きの変化中にセンサ40によって検出される測定値であるΔs2、s2’だけ補正される場合、その結果は再び、元の測定値s2であり、すなわち、基礎14(座標軸X)に対して平行に延びる仮想線L1に関して生じる測定値である。しかし、値Δs2は、直接測定されないものとすることができ、式において解くことができる補助値を単に表す。図7は、図6を用いて説明した導出された測定値およびそれらの幾何学的な関係を明確にする。実際にセンサ40によって測定される測定値s2’と、水平な線L1に関して元々検出された測定値s2との上記で述べた関係は、以下の通りである:
【0043】
式(2)において式(3)を用いる場合、結果は:
である。
【0044】
上記で述べたように直接測定可能ではない値Δs2は、ここで、第1のセンサ38および取り付け高さBからの測定値s1’を用いて記載され、この場合、図7からの結果として、以下は対称性の理由から真である:
【0045】
式5が式4において用いられる場合、結果は:
である。
【0046】
解くと、これは:
を与える。
【0047】
式(7)において、s1’およびs2’は、センサによって測定される距離であり、この場合、式1は、具体的には、測定値s1およびs2に対して測定値s1’およびs2’を一般化することによって生じる。
【0048】
したがって、本発明によると、層厚は、図示の実施形態に従って、上記で示したように、センサによって得られた測定値を加算するとともに、定数Bの2倍を引くことによって得られる。例示的な実施形態によると、層厚を高い精度で求めることを可能にし、測定装置の簡単な機械的な実施形態および簡単な計算アルゴリズムを可能にする、簡単な計算ガイドが提供される。
【0049】
上記で記載した実施形態では、分かりやすくするために、センサ38、40とスクリードの後縁26との間の距離が同じであると仮定したが、これは必ずしも必須ではなく、実際には、特に道路舗装機械の構造によって課される可能性がある状況に応じて可能ではない可能性もある。しかし、スクリードの後縁26からのセンサ38および40の距離aおよびbが異なる非対称な構造にも本発明の手法が有効である。この場合、intercept theoremに従って、上記の補正変数Δs2およびΔs1を補正することが単に必要であり、以下の関係が生じる:
【0050】
式(9)から、以下のようになる:
【0051】
式3〜式8の上記の導出が再び行われる場合、今回は式9を用いて、その結果は:
となり、ここから、解いた後で、層厚は以下のように見出される:
【0052】
式11において、定数Bは、図3および図5を用いて上記で説明したように、スクリードの後縁26に対するセンサ38および40の取り付け高さを反映し、定数Bは、好ましい実施形態ではスクリードの高さに等しい。他の実施形態では、支持体は、スクリードの上側縁16aから或る距離を置いて取り付けられることができ、それによって、この場合、定数Bは、スクリードの厚さ、および、支持体がスクリードの上にあるさらなる距離を示す。さらに他の実施形態では、スクリードの後縁26に対するセンサ38および40の取り付け高さは、スクリードの厚さ未満であるものとすることができる。
【0053】
実施形態によると、層厚を後で求めるのに定数Bを確実に求めるために、塗布を開始する前に、システムを校正することができる。式1から進んで、定数Bを以下のように計算することができる:
【0054】
この定数は、システムの校正中に求めることができ、層厚測定システムにおいて一定の特性値として記憶されたままである。層42の実際の塗布前に行われるシステムの校正中に、層42がないことに起因して、式12において与えられる層厚がゼロであるため、ここでは双方が基礎14を基準に、センサ38および40によって測定が行われ、それによって、システムの校正中に、定数Bを以下のように求めることができる:
【0055】
上記で記載した実施形態は、層厚の計算の第1の良好な近似値を表し、これは、一連の実験および試験において実証されるように、特に小さな角度変化において、非常に良好で正確な結果を提供する。さらに、この簡略化された手法は、システムの校正中に定数Bを求めるのに好適である。以下で記載するのは、より一層正確な層厚の計算が可能になる実施形態であり、この場合、さらなる最適化のために、上記で記載した第1の実施形態から進んで、測定装置の回転点は、スクリードの後縁26にあるものと仮定される。図8は、改善された精度で層厚を求めるのに用いられる幾何学的な特性値を概略的に示している。図8では、簡略化された計算において依然としてスクリードの上側縁にあるものと仮定した対称点S、すなわち、支持体が取り付けられる点が、この場合は、スクリードの後縁26にあるものと仮定される。これによって、図4に示されているスクリード座標系に関して、センサ38、40の対称な位置の変化につながらないタイプの回動移動をセンサ38、40が実行することになる。図4を用いて既に説明したように、層厚を計算するための座標系は、スクリードの後縁および新たに敷設されたアスファルト層42に関し、座標系の高い点はスクリードの後縁26にあり、X軸は、既に敷設されたアスファルト層の表面42aにある。このように定義される座標系はスクリード座標系と呼ばれ、塗布中に画定される。しかし、塗布自体の間に、スクリード16は、スクリードの設定角度に応じて、座標系におけるその位置を変化させることができる。
【0056】
図8は、実施形態に従って本発明の層厚を求めることにおいて層厚の非常に正確な計算に用いられる種々の一定の特性値を提供する。変数a、bおよびB、すなわち、スクリードの後縁26からのセンサ38および40の距離は、スクリードの後縁26に対するそれらの取り付け高さとして画定される。これらの画定された変数を用いて、図8に示されている変数C1、C2、α1、α2、ならびに、後で説明する変数α1’およびα2’を計算することが可能であり、この場合、C1およびC2は以下のように見出される:

【0057】
図8に示されている角度α1およびα2は、以下のように見出される:

【0058】
既知の値a、bおよびBを考慮して、角度は以下のように見出される:

【0059】
図9は、図8と同様であるが、角度ΔαだけY軸に対して傾いたスクリードを用いる、概略的なスクリードの幾何学的形状を示しており、この結果、上記で既に述べ、かつ図9に示されている角度α1’およびα2’が生じ、この場合、任意の測定値s1に関して、角度α1’が以下のように計算される:
【0060】
回転角度Δαを、以下のようにα1’およびα1から見出すことができる:
【0061】
B、C1およびC2が位置ベクトルとみなされる場合、この回転角度Δαは、これらの位置ベクトルに対して同じように働き、それによって、α2’に関して以下の関係が生じる:
【0062】
以下の式は、層厚hに関して図8から導出することができる:
式中、hに関して:
であり、それによって、層厚に関して、計算のための以下の基礎がもたらされる:
式中:



であり、ここで、Bは、例えば上述した校正から、既知である。
【0063】
層厚を検出するための、本発明の手法の上述した実施形態は、本発明の測定構造がスクリード16(図2および図3を参照のこと)に特に簡単に設置されており、実施形態に従って、例えば利用可能なレベリングシステムに一体化することができるため、従来の手法と比較して有利である。1つの好ましい実施形態によると、スクリードの後縁からのセンサの距離は、スクリードの厚さに等しいものとすることができ、それによって、さらなる構造が必要ではないが、その代わりに、本発明の測定構造を既存のスクリードに簡単に取り付けることができる。同様に、最適な測定距離を維持するために、超音波センサと検出される表面との間の特定の距離を設定することが有利であるものとすることができる。
【0064】
好ましい実施形態によると、センサは、スクリードの後縁に対して可能な限り対称的に取り付けられ、それによって、第1の実施形態による計算ガイドを使用するときに、高度に正確な計算アルゴリズムを使用する必要なく、結果が十分に正確となる。実施形態によると、本発明の計算アルゴリズムが、第1のアルゴリズムおよび第2のより正確なアルゴリズムの双方を実施することができ、この場合、例えば、スクリードの検出される変位に応じて、例えば限定角度を超える場合に、または、極めて正確な結果が所望される場合に、層厚の計算を、第1のアルゴリズムから、第2のより正確なアルゴリズムに切り替えることができる。
【0065】
さらに、本発明の実施形態の場合、層厚に関して層厚測定装置によって検出されるデータが、予め指定された層厚を維持するために、スクリードの位置に対して道路舗装機械を積極的に制御するために使用されることができる。
【0066】
センサを設置することができる方法を示す実施形態を以下に記載する。図10は、本発明による層厚測定システムの1つの可能な設置の概略上面図である。図10に示すように、システムは、スクリード16に取り付けられる2つの支持体または測定バー36a、36bを含み、第1のセンサ38a、38bおよび第2のセンサ40a、40bが、スクリードの上側面16b上でまたはスクリードの上側面から上に離間して、スクリードの後縁26から距離a、bにおいて測定バー36a、36bの端に配置されるようにする。当然ながら、図10に示されている構成に加えて、1つのみの測定バーを設けることも可能であるが、対応して配置されるセンサシステムを有する3つ以上の測定バーを設けることも可能であり、複数のセンサは、層厚測定のスキャン範囲を増大し、それによって、測定精度がより高くなる。
【0067】
図11は、センサ38および40が別個の剛性の支持体36a、36bを介して取り付けられている、本発明の測定装置の代替的な実施形態を示している。上記で述べたように、計算アルゴリズムが、図11に示されているように、互いに異なるセンサ38および40の取り付け高さを含み、かつ、センサ38、40とスクリードの後縁26との間の距離aおよびbを含むことが必須である。図11に示されている実施形態では、センサ38、40が支持体または測定バーの両端に配置されている上述した実施形態の代わりに、センサ38は、センサ40よりも高くに、具体的にはスクリードの上側縁16bに取り付けられる剛性の支持体36aを介して配置されることになり、取り付け部36aは、好ましくは接続が生じないように、センサ38がスクリード16と一緒に移動するようなものである。センサ40は、第2の支持構造36bを介して牽引アーム18に取り付けられ、牽引アーム18は、センサ38およびセンサ40の双方が、スクリードの後縁26に対して確実に定められた、明確に画定された不変の関係で配置されるようにスクリード16を回転させ、それによって、塗布された層42の層厚を求めるための上記で記載した手法を、図11に従う実施形態においても使用することができ、この場合、センサ38および40の異なる高さも考慮しなければならない。
【0068】
上記で記載したセンサは、超音波センサであるものとすることができるが、レーザースキャナも用いることができ、これは、この場合、層厚を計算するために基礎または層42に対して直交するベクトルを条件とする。他のセンサの構成は、超音波センサおよびレーザースキャナの組み合わせを含むことができ、双方の測定位置において1つの単純なレーザー距離測定も可能である。
【0069】
装置の文脈において複数の態様を記載したが、これらの態様が、対応する方法の記載も表し、それによって、装置のブロックまたは構成要素を、対応する方法のステップまたは方法のステップの特徴として解釈してもよいことが理解される。同様に、方法のステップの文脈においてまたは方法のステップとして記載した態様は、対応する装置の対応するブロックまたは詳細または特徴の記載も表す。
【0070】
特定の実施態様の要件に応じて、本発明の実施形態を、ハードウェアまたはソフトウェアで実施することもできる。実施は、デジタル記憶媒体、例えばフロッピーディスク(登録商標)、DVD(登録商標)、Blu−ray(登録商標)ディスク、CD(登録商標)、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはFLASHメモリ、固定ディスク、または、特定の方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働することができるかまたは協働する、電子的に読み取り可能な制御信号が記憶される何らかの他の磁気もしくは光メモリを用いて達成することができる。したがって、デジタル記憶媒体はコンピュータ読み取り可能である。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、本明細書において記載される方法のうちの1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働することが可能である、電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを含む。
【0071】
概して、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実施することができ、この場合、プログラムコードは、コンピュータにおいてコンピュータプログラム製品を作動させると、方法を実行することが可能である。プログラムコードは、例えば機械読み取り可能なキャリアに記憶することができる。
【0072】
他の実施形態は、本明細書において記載される方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムは機械読み取り可能な媒体に記憶される。
【0073】
換言すると、本発明の方法の1つの実施形態は、コンピュータにおいてコンピュータプログラムを作動させる場合に、本明細書において記載される方法のうちの1つを実行するプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。したがって、本発明の方法の別の実施形態は、本明細書において記載される方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムが記録されるデータキャリア(または、デジタル記憶媒体もしくはコンピュータ読み取り可能な媒体)である。
【0074】
本発明の方法の別の実施形態は、本明細書において記載される方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。データストリームまたは信号のシーケンスは、例えば、データ通信接続を介して、例えばインターネットを介して送信することができるように構成することができる。
【0075】
別の実施形態は、本明細書において記載される方法のうちの1つを実行するように構成されているかまたは適合される処理デバイス、例えばコンピュータまたはプログラマブルロジックコンポーネントを含む。
【0076】
別の実施形態は、本明細書において記載される方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムがインストールされるコンピュータを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックコンポーネント(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ:FPGA)を、本明細書において記載される方法の機能のいくつかまたは全てを実行するために用いることができる。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書において記載される方法のうちの1つを実行するようにマイクロプロセッサと協働することができる。概して、方法は、実施形態のいくつかでは所望のハードウェアデバイスによって実行される。これは、コンピュータプロセッサ(CPU)等の、普遍的に用いることができるハードウェアであるものとすることができるか、または、方法に固有のハードウェア、例えばASICであるものとすることができる。
【0078】
上記で記載した実施形態は、本発明の原理の説明を単に表す。本明細書において記載される構成および詳細の変更形態および変形形態が当業者には明らかになることが自明である。したがって、本発明が、以下の特許請求の範囲の保護範囲のみによって限定されるべきであり、実施形態の記載および説明において本明細書で提示された特定の詳細によっては限定されないことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2016年11月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路舗装機械であって:
材料層(42)を基礎(14)に塗布するスクリード(16);
塗布された前記材料層(42)の厚さ(h)を検出する層厚検出装置
を有し、
前記層厚検出装置は、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離を検出する、前記スクリード(16)の進行方向後方の第1のセンサ(38)、および、前記基礎(14)からの第2の距離を検出する、前記スクリード(16)の進行方向前方の第2のセンサ(40)を含み、
前記層厚検出装置は、前記スクリード(16)に固定して取り付けられ;
前記層厚検出装置は、信号処理ユニット(44)を含み、ならびに、
前記信号処理ユニット(44)が、前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)からのセンサ信号(s、s)、スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の距離(a、b)、ならびに、前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さに基づいて、前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)を検出するように構成されている、道路舗装機械。
【請求項2】
前記スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記距離(a、b)は同じであり、
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは同じであり、
前記信号処理ユニット(44)は、前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)からの前記センサ信号(s、s)、ならびに、前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さに基づいて、前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)を検出するように構成されている、請求項1に記載の道路舗装機械。
【請求項3】
前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)は、以下のようにして求められる:
=s+s−2B
式中:
=前記塗布された材料層(42)の層厚、
=前記第1のセンサ(38)によって検出される、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離、
=前記第2のセンサ(40)によって検出される、前記基礎(14)からの第2の距離、ならびに
B=前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さ
である、請求項2に記載の道路舗装機械。
【請求項4】
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは同じであり、
前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)は、以下のようにして求められる:
式中:
=前記塗布された材料層(42)の層厚、
=前記第1のセンサ(38)によって検出される、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離、
=前記第2のセンサ(40)によって検出される、前記基礎(14)からの第2の距離、
B=前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さ、
a=前記スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)の距離、ならびに
b=前記スクリードの後縁(26)からの前記第2のセンサ(40)の距離
である、請求項1に記載の道路舗装機械。
【請求項5】
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは同じであり、
前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)は以下のようにして求められる:
式中:



=前記塗布された材料層(42)の層厚、
=前記第1のセンサ(38)によって検出される、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離、
=前記第2のセンサ(40)によって検出される、前記基礎(14)からの第2の距離、
B=前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さ、
a=前記スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)の距離、ならびに
b=前記スクリードの後縁(26)からの前記第2のセンサ(40)の距離
である、請求項1に記載の道路舗装機械。
【請求項6】
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは、前記スクリード(16)の厚さに等しい、請求項1に記載の道路舗装機械。
【請求項7】
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは同じであり、
前記信号処理ユニット(44)は、前記取り付け高さを求めるために校正を行うように構成されており、前記校正しながら、前記第1のセンサ(38)は前記基礎(14)からの距離を検出する、請求項1に記載の道路舗装機械。
【請求項8】
前記信号処理ユニット(44)は、以下のように、前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さを以下のように求めるように構成されており:
式中:
=前記第1のセンサ(38)によって検出される、前記基礎(14)からの第1の距離、
=前記第2のセンサ(40)によって検出される、前記基礎(14)からの第2の距離、
B=前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さ
である、請求項7に記載の道路舗装機械。
【請求項9】
前記層厚検出装置は、前記スクリード(16)に取り付けられる少なくとも1つの支持体を含み、
前記第1のセンサ(38)は、前記スクリードの後縁(26)から第1の距離において前記支持体に配置され、
前記第2のセンサ(40)は、前記スクリードの後縁(26)から第2の距離において前記支持体に配置される、請求項1に記載の道路舗装機械。
【請求項10】
前記支持体は、前記スクリード(16)に取り付けられる測定バーを含み、
前記第1のセンサ(38)は、前記スクリードの後縁(26)から前記第1の距離において前記測定バーの第1の端部に配置され、
前記第2のセンサ(40)は、前記スクリードの後縁(26)から前記第2の距離において前記測定バーの第2の端部に配置される、請求項9に記載の道路舗装機械。
【請求項11】
前記測定バーは、前記スクリード(16)の上面に堅くかつ固定して取り付けられる、請求項10に記載の道路舗装機械。
【請求項12】
前記支持体は、前記スクリード(16)に固定して取り付けられるとともに、スクリードの後縁(26)から前記第1の距離において前記第1のセンサ(38)が配置される第1の剛性支持体、および、前記スクリード(16)に固定して取り付けられるとともに、前記スクリードの後縁(26)から前記第2の距離において前記第2のセンサ(40)が配置される第2の剛性支持体を含む、請求項9に記載の道路舗装機械。
【請求項13】
前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)は、超音波センサ、レーザーセンサもしくはマイクロ波センサまたはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の道路舗装機械。
【請求項14】
前記層厚に関して、前記層厚検出装置によって検出されるデータは、予め指定された層厚を維持するために、前記スクリードの位置に対して前記道路舗装機械を積極的に制御するという効果を有する、請求項1に記載の道路舗装機械。
【請求項15】
厚さ検出装置によって、道路舗装機械(10)を使用することによって基礎(14)に塗布された材料層(42)の厚さ(h)を検出する方法であって、厚さ検出装置は、前記道路舗装機械のスクリード(16)に固定して取り付けられるとともに、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離を検出する、前記スクリード(16)の進行方向後方の第1のセンサ(38)、および、前記基礎(14)からの第2の距離を検出する、前記スクリード(16)の進行方向前方の第2のセンサ(40)を備え、前記方法は以下のステップを含む:
前記塗布された材料層(42)からの第1の距離を検出するステップ;
前記基礎(14)からの第2の距離を検出するステップ;および
塗布された前記材料層(42)の前記層厚(h)を求めるステップ
を含み、
前記層厚(h)を、前記検出された第1の距離および第2の距離、前記スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の距離(a、b)、ならびに、前記道路舗装機械(10)の前記スクリード(16)の後縁に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さに基づいて求めることを特徴とする、方法。
【請求項16】
前記スクリードの位置を、予め指定された層厚を維持するために、前記求められた層厚に応じて制御する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
道路舗装機械であって:
材料層(42)を基礎(14)に塗布するスクリード(16);および
塗布された前記材料層(42)の厚さ(h)を検出する層厚検出装置
を有し、
前記層厚検出装置は、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離を検出する、前記スクリード(16)の進行方向後方の第1のセンサ(38)、および、前記基礎(14)からの第2の距離を検出する、前記スクリード(16)の進行方向前方の第2のセンサ(40)を含み、
前記層厚検出装置は、前記スクリード(16)に取り付けられる剛性の第1の支持体(36a)、および、前記スクリード(16)を回転させる牽引アーム(18)に取り付けられる第2の支持体(36b)を含み、
前記第1のセンサ(38)は前記第1の支持体(36a)に取り付けられ、前記第2のセンサ(40)は前記第2の支持体(36b)に取り付けられ、
前記層厚検出装置は、前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)からのセンサ信号(s、s)、スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の距離(a、b)、ならびに、前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さに基づいて、前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)を検出するように構成されている信号処理ユニット(44)を含む、道路舗装機械。
【請求項18】
前記スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記距離(a、b)は同じであり、
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは同じであり、
前記信号処理ユニット(44)は、前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)からの前記センサ信号(s、s)、ならびに、前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さに基づいて、前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)を検出するように構成されている、請求項17に記載の道路舗装機械。
【請求項19】
前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)は、以下のようにして求められる:
=s+s−2B
式中:
=前記塗布された材料層(42)の層厚、
=前記第1のセンサ(38)によって検出される、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離、
=前記第2のセンサ(40)によって検出される、前記基礎(14)からの第2の距離、ならびに
B=前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さ
である、請求項18に記載の道路舗装機械。
【請求項20】
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは同じであり、
前記塗布された材料層(42)の前記層厚(h)は、以下のようにして求められる:
式中:
=前記塗布された材料層(42)の層厚、
=前記第1のセンサ(38)によって検出される、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離、
=前記第2のセンサ(40)によって検出される、前記基礎(14)からの第2の距離、
B=前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さ、
a=前記スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)の距離、ならびに
b=前記スクリードの後縁(26)からの前記第2のセンサ(40)の距離
である、請求項17に記載の道路舗装機械。
【請求項21】
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは同じであり、
前記塗布された材料層(42)の前記層厚(hB)は以下のようにして求められる:
式中:



=前記塗布された材料層(42)の層厚、
=前記第1のセンサ(38)によって検出される、前記塗布された材料層(42)からの第1の距離、
=前記第2のセンサ(40)によって検出される、前記基礎(14)からの第2の距離、
B=前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さ、
a=前記スクリードの後縁(26)からの前記第1のセンサ(38)の距離、ならびに
b=前記スクリードの後縁(26)からの前記第2のセンサ(40)の距離
である、請求項17に記載の道路舗装機械。
【請求項22】
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは、前記スクリード(16)の厚さに等しい、請求項17に記載の道路舗装機械。
【請求項23】
前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さは同じであり、
前記信号処理ユニット(44)は、前記取り付け高さを求めるために校正を行うように構成されており、前記校正しながら、前記第1のセンサ(38)は前記基礎(14)からの距離を検出する、請求項17に記載の道路舗装機械。
【請求項24】
前記信号処理ユニット(44)は、以下のように、前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の前記取り付け高さを以下のようにして求めるように構成されており:
式中:
=前記第1のセンサ(38)によって検出される、前記基礎(14)からの第1の距離、
=前記第2のセンサ(40)によって検出される、前記基礎(14)からの第2の距離、
B=前記スクリードの後縁(26)に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さ
である、請求項23に記載の道路舗装機械。
【請求項25】
前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)は、超音波センサ、レーザーセンサもしくはマイクロ波センサまたはそれらの組み合わせを含む、請求項17に記載の道路舗装機械。
【請求項26】
厚さ検出装置によって、道路舗装機械(10)を使用することによって基礎(14)に塗布された材料層(42)の厚さ(h)を検出する方法であって、厚さ検出装置は、前記スクリード(16)に取り付けられる剛性の第1の支持体(36a)、前記スクリード(16)を回転させる牽引アーム(18)に取り付けられる第2の支持体(36b)、塗布された前記材料層(42)からの第1の距離を検出する、前記第1の支持体(36a)に取り付けられる第1のセンサ(38)、および、前記基礎(14)からの第2の距離を検出する、前記第2の支持体(36b)に取り付けられる第2のセンサ(40)を備え、前記方法は以下のステップを含む:
前記塗布された材料層(42)からの第1の距離を検出するステップ;
前記基礎(14)からの第2の距離を検出するステップ;および
塗布された前記材料層(42)の前記層厚(h)を求めるステップ
を含み、
前記層厚(h)を、前記検出された第1の距離および第2の距離、前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の距離(a、b)、ならびに、前記道路舗装機械(10)の前記スクリード(16)の後縁に対する前記第1のセンサ(38)および前記第2のセンサ(40)の取り付け高さに基づいて求める、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10
【国際調査報告】