特表2017-508586(P2017-508586A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-508586ランセット前進トラッキング及びカラータッチスクリーンユーザインタフェースを有する検体試験装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-508586(P2017-508586A)
(43)【公表日】2017年3月30日
(54)【発明の名称】ランセット前進トラッキング及びカラータッチスクリーンユーザインタフェースを有する検体試験装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/151 20060101AFI20170310BHJP
【FI】
   A61B5/14 300D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-575621(P2016-575621)
(86)(22)【出願日】2015年3月12日
(85)【翻訳文提出日】2016年10月21日
(86)【国際出願番号】US2015020283
(87)【国際公開番号】WO2015138799
(87)【国際公開日】20150917
(31)【優先権主張番号】61/952,070
(32)【優先日】2014年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516272836
【氏名又は名称】ヨフィメーター,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ギャド シャーナン
(72)【発明者】
【氏名】マーク ゴールドマン
(72)【発明者】
【氏名】ジェシカ シャーナン
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038TA02
4C038UE03
4C038UE05
(57)【要約】
検体の試験及び監視の方法、システム及び装置を開示する。検体試験装置は、検体センサを格納するセンサカセットを保持し、検体センサの少なくとも一部を検体試験装置の外側に露出するべく検体センサが試験位置へ前進する開口部を含む検体センサモジュールと、ランセットを検体試験装置の外側に突出させるランシングモジュールと、該モジュールと通信状態にあり、装置のランシング突出動作、ランセットの有無、又は該カセットの位置又は動きの1つ以上を検出するための1つ以上のセンサを含むセンサモジュールと、センサモジュールと通信状態にあり、検出された、ランシング突出動作等と関連した情報を判定する処理ユニットと、処理ユニットと通信状態にあり、ユーザからのユーザ入力を受け取り、判定された情報を装置のユーザに表示するためのカラータッチスクリーンディスプレイを含んでいるインタラクティブディスプレイユニットを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体試験装置であって、
検体センサを格納するように構築されているセンサカセットを保持するように構成され、前記検体センサの少なくとも一部を前記検体試験装置の外側に露出するために、検体センサが試験位置へ前進する開口部を含んでいる検体センサモジュールと、
ランセットを格納し、ユーザの皮膚を穿刺するために血液サンプル取得イベントの間、前記ランセットを前記検体試験装置の外側に突出させるように構築されているランセットカセットを保持するように構成されているランシングモジュールと、
前記ランシングモジュールと通信状態にあり、前記検体試験装置のランシング突出動作、前記ランセットカセットにおけるランセットの有無、又は前記ランセットカセットの位置又は動きの1つ以上を検出するための1つ以上のセンサを含んでいるセンサモジュールと、
前記センサモジュールと通信状態にあり、前記検出された、ランシング突出動作、前記ランセットカセットにおける前記ランセットの有無、又は前記ランセットカセットの前記位置又は動きと関連している情報を判定するように構成されている処理ユニットと、
前記処理ユニットと通信状態にあり、ユーザからのユーザ入力を受け取り、前記判定された情報を前記ユーザに表示するためのカラータッチスクリーンディスプレイを含んでいるインタラクティブディスプレイユニットとを備えている、検体試験装置。
【請求項2】
前記インタラクティブディスプレイユニットは、LCDタッチスクリーンディスプレイを含んでいる請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理ユニットは、前記ランシングモジュールと前記検体センサモジュールの1つ又は両者と通信状態にある請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記処理ユニットは、
前記検体センサから得られるデータ、又は前記検体試験装置からのデータから導出される情報の個々のインスタンスを、(a)タイムスタンプ、又は(b)スピーチ又はテキストを含む、ユーザにより入力される情報と相関させること、
前記検体センサから得られるデータ、又は前記検体試験装置からのデータから導出される情報を評価して、受取人に通知を送ること、
前記処理ユニットが追加注文するように構成されている、ランセット及び検体センサの在庫を、前記検体試験装置の内部及び外部の両者において監視すること、又は
選択された時間、又は選択された時間間隔の少なくとも1つに従う前記検体試験装置を使用するようにユーザに指示するプロンプトを作成することの1つ以上を行うように構成されている請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ランセットカセットは、
前記ランセットカセットの外部の第1面上に形成されている歯型へこみ部のアレイを備え、ランシング動作の間、前記ランセットカセットの直線方向の前進のために、前記検体試験装置の爪機構と係合するように構築されている前進ラックと、
前記センサユニットによる検出イベントを引き起こすための構造を提供するための、前記前進ラックの前記歯型へこみ部と平行に位置している、前記第1面上のセンシングウェルのアレイと、を含むように構築されており、
前記センシングウェルのアレイは、前記前進ラックの前記歯型へこみ部のピッチサイズの少なくとも2倍のサイズのピッチを有するように構築されている請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ランセットカセットは、
前記ランセットを格納するための、それぞれが、前記ランセットの穿刺部が、前記検体試験装置を通して、及び前記検体試験装置の外側に突出することを可能にする突出開口部を有しているランセット室と、
前記ランセット室を汚染から保護し、前記ランセット室内の無菌環境を維持するための、前記突出開口部を有する前記ランセットカセットの一部の上に形成されている被覆層と、を含むように構築されている請求項1に記載の装置。
【請求項7】
検体試験装置を使用して検体を試験するための方法であって、
試験位置のときは、少なくとも一部が前記検体試験装置の外側である検体センサを、検体センサを格納するように構築されているセンサカセットを保持するように構成されている検体センシングモジュールにおける開口部から、前記試験位置まで前進させ、
ランセットを、ランセットを格納するように構築されているランセットカセットを保持するように構成されているランシングモジュールから、前記検体試験装置の外側へ突出させ、
前記ランシングモジュールを使用して、血液サンプル取得イベントを行い、
前記ランシングモジュールと通信状態にあるセンシングモジュールの1つ以上のセンサにより、前記検体試験装置のランシング突出動作、前記ランセットカセットにおけるランセットの有無、又は前記ランセットカセットの位置又は動きの1つ以上を検出し、
前記センサモジュールと通信状態にある処理ユニットにより、前記検出された、ランシング突出動作、前記ランセットカセットにおける前記ランセットの有無、又は前記ランセットカセットの前記位置又は動きに関連する情報を判定し、
前記判定された情報を、前記処理ユニットと通信状態にあるインタラクティブディスプレイ上に表示する、検体試験装置を使用して検体を試験するための方法。
【請求項8】
ユーザからのユーザ入力を受け取ることを更に備え、
前記受け取りは、カラータッチスクリーンディスプレイを含んでいる前記インタラクティブディスプレイユニットにより行われる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記インタラクティブディスプレイユニットは、LCDタッチスクリーンディスプレイを含んでいる請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記処理ユニットは、前記ランシングモジュールと前記検体センサモジュールの1つ以上又は両者と通信状態にある請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記検体センサから得られるデータ、又は前記検体試験装置からのデータから導出される情報の個々のインスタンスを、(a)タイムスタンプ、又は(b)スピーチ又はテキストを含む、ユーザにより入力される情報と相関させること、
前記検体センサから得られるデータ、又は前記検体試験装置からのデータから導出される情報を評価して、受取人に通知を送ること、
前記処理ユニットが追加注文するように構成されている、ランセット及び検体センサの在庫を、前記検体試験装置の内部及び外部の両者において監視すること、又は
選択された時間、又は選択された時間間隔の少なくとも1つに従う前記検体試験装置を使用するようにユーザに指示するプロンプトを作成することの1つ以上を行うことを更に備えている請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ランシング動作の間、前記ランセットカセットの直線方向の前進のために、前記ランセットカセットの外部の第1面上に形成されている歯型へこみ部のアレイを備えている前進ラックを、前記検体試験装置の爪機構と係合させることを更に備えている請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記検体試験装置は、前記センサユニットによる検出イベントを引き起こすための構造を提供するための、前進ラックの前記歯型へこみ部と平行に位置している、前記第1面上の前記センシングウェルのアレイを含んでおり、
前記センシングウェルのアレイは、前記前進ラックの前記歯型のへこみ部のピッチサイズの少なくとも2倍のサイズのピッチを有するように構築されている請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許文献は、2014年3月12日に出願された、「ANALYTE TESTING DEVICES WITH LANCET ADVANCEMENT TRACKING AND COLOR TOUCH SCREEN USER INTERFACE」というタイトルの、米国暫定特許出願第61/952,070号の優先権の恩典を主張するものである。出願第61/952,070号の全体の開示は、すべての目的のためにここにおいて参考文献として組み込まれる。
【0002】
この特許文献は、検体試験装置及び関連する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
検体試験及び監視装置は、現代の診察及び健康に関する問題の管理において重要な役割を果たしている。検体又は構成要素(臨床化学における)は、分析手順における関心対象である物質又は化学的構成要素である。例えば、人間の血液、尿、及び/又は唾液のサンプルは、グルコース、フルクトサミン、赤血球容積率、ヘモグロビン血液酸素飽和度、乳酸塩、鉄、pH、コレステロール、肝臓酵素(例えば、アスパラ銀酸塩(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アルカリホスファターゼ(ALP)/ガンマグルタミルトランスフェラーゼ(GGT)、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、ビリルビンなど)、ホルモン、及び/又は他の合成物に対して試験できる。
【発明の概要】
【0004】
血液サンプル取得モジュールと、検体試験のための患者インタフェースを提供するカラータッチスクリーンインタラクティブディスプレイを有する検体監視に対して、技術、システム、及び装置が開示される。
【0005】
1つの態様においては、検体試験装置は、
検体センサを格納するように構築されているセンサカセットを保持するように構成され、検体センサの少なくとも一部を検体試験装置の外側に露出するために、検体センサが試験位置へ前進する開口部を含んでいる検体センサモジュールと、
ランセットを格納し、ユーザの皮膚を穿刺するために血液サンプル取得イベントの間、ランセットを検体試験装置の外側に突出させるように構築されているランセットカセットを保持するように構成されているランシングモジュールと、
ランシングモジュールと通信状態にあり、装置のランシング突出動作、ランセットカセットにおけるランセットの有無、又はランセットカセットの位置又は動きの1つ以上を検出するための1つ以上のセンサを含んでいるセンサモジュールと、
センサモジュールと通信状態にあり、検出された、ランシング突出動作、ランセットカセットにおけるランセットの有無、又はランセットカセットの位置又は動きと関連している情報を判定するように構成されている処理ユニットと、
処理ユニットと通信状態にあり、ユーザからのユーザ入力を受け取り、判定された情報を装置のユーザに表示するためのカラータッチスクリーンディスプレイを含んでいるインタラクティブディスプレイユニットを含んでいる。
【0006】
この、及び他の態様と、それらの実現形態が、図、説明、及び請求項において詳細に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】開示される技術の血液サンプル取得モジュールと、検体試験のための患者インタフェースを提供するカラータッチスクリーンを含んでいる検体試験装置の図を示している。
図2】開示される技術の血液サンプル取得モジュールの、例としてのランセットカセットの模式図を示している。
図3】血液サンプル取得モジュールの、例としてのランセットカセット及びセンサの模式図を示している。
図4】検体試験装置の、例としてのランシング動作における、例としてのセンサ及びランセットカセットの相互作用を描いている例示的模式図を示している。
図5】装置の処理ユニットと、例としてのインタラクティブカラータッチスクリーンディスプレイと通信状態にある血液サンプル取得モジュールの、例としてのランセットカセット及びセンサの模式図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この特許文献において記述される装置、システム、及び技術は、血液サンプルにおけるグルコース濃度のような、検体の特性を測定するために実現できる。今日の市場における種々のグルコース計とランシング装置は、複数の装置、構成要素、及び電源を含む傾向にあり、グルコースレベルを監視するために多数のステップを必要とすることがよくある。そのような装置が、医療設備又は病院の外部での患者の使用のために設計されると、装置を操作すること、及び測定を行うことにおける複雑さのため、患者の操作エラー、及び間違ったデータということに繋がることもあり得、また、患者の欲求不満及びそのような装置を日課として使用することを躊躇することを引き起こすこともあり得る。例えば、幾つかのグルコース監視システムは、試験ストリップを読むこと、ランセットを準備すること、ランセットを使用すること、血液を試験ストリップ上に置いて、ストリップをグルコース計に挿入すること、データをグルコース計から読むこと、データを日誌に記録して日誌を次に医師を訪問するときに持って行くことを覚えておくこと、そしてストリップとランセットパッケージを片付けて、遊離した構成要素を廃棄し、そしてグルコース計を格納することを含む多数のステップを必要とする。このため、ステップを削減し、装置を統合して、例えば、血液中のグルコースのような検体を監視するためのユーザインタフェースを簡略化することは、患者、看護人、ペイヤにとって恩典となる。
【0009】
ユーザによる単一サンプル採取を確実にするための血液サンプル取得モジュールと、検体試験のための患者インタフェースを提供するためのインタラクティブディスプレイユニットを有する検体試験のために、装置、システム、及び技術が開示される。
【0010】
開示される実施の形態がここにおいて、基盤となっている概念の理解を容易にするために、主にグルコースの監視に基づいて記述されるが、開示される実施の形態はまた、制限されることはないが、フルクトサミン、赤血球容積率、ヘモグロビン血液酸素飽和度、乳酸塩、鉄、pH、コレステロール、肝臓酵素(例えば、AST、ALT、ALP/GGT、LDH、ビリルビンなど)、ホルモン、及び/又は他の合成物を含む他の検体の監視も含むことができるということは理解されたい。例えば、他の生体分子物質もまた、開示される実施の形態の検体監視技術を使用して監視でき、この生体分子物質には、制限されることはないが、他の生物学的素材及び生体指標の中で、核酸、脂質、炭水化物、ペプチド、蛋白質、酵素、ホルモン、抗体、糖蛋白、糖脂質、細胞内小器官、エンドトキシン、及びウィルスが含まれる。
【0011】
図1は、血液サンプル取得モジュールの1つの例としての実現形態と、検体試験のための患者インタフェースを提供するインタラクティブカラータッチスクリーンディスプレイ104を含んでいる検体試験装置100の例としての実施の形態の図を示している。例えば、カラータッチスクリーンディスプレイ104は、カラフルな、視覚的に明瞭なアイコンを提示でき、それによりユーザ入力を受け取り、制御のユーザナビゲーションを向上するための、ユーザによる直接タッチの容易さを可能にする。カラータッチスクリーンディスプレイ104はまた、検体試験装置により提供されるデータ及び情報を視覚的に提供する。カラータッチスクリーンディスプレイ104は、ユーザの相互作用及び視聴のためのインタラクティブユーザインタフェースとして動作する。例えば、インタラクティブカラータッチスクリーンディスプレイ104により提示されるアイコン、グラフ、及び他の表示される特徴の色は、検体レベルデータ及び他の患者の健康情報を、ユーザが情報及びデータタイプと、レベルとの間を同じディスプレイスクリーン上で区別することを可能にするための対応する色において表現及び区別可能である。
【0012】
図1に示されているように、装置100は、ランセット突出開口部109を有する外部ハウジング又は装置ケーシング101を含んでいる。装置100は、装置100内に位置している別個の空洞内に含まれている、検体センサモジュール102とランシングモジュール103を含んでいる。検体センサモジュール102は、検体センサ(例えば、試験ストリップ)を格納するように構築されているセンサカセットを保持するように構成されおり、検体センサモジュール102は、血液サンプル取得イベントの間、検体センサの少なくとも一部を検体装置100の外側に露出するために、検体センサが試験位置に前進する開口部を含んでいる。ランシングモジュール103は、ランセットを格納し、ユーザ/患者の皮膚を穿刺して血液を抜き取るために血液サンプル取得イベントの間、ランセットを検体装置100の外側に突出させる(例えば、「ファイヤする」とも称されることもある)ように構築されているランセットカセットを保持するように構成されている。幾つかの実施の形態においては、検体試験装置100の血液サンプル取得モジュールとインタラクティブカラータッチスクリーンディスプレイ104は、「ANALYTE TESTING DEVICES」というタイトルの米国特許公告第2013/0245392号、及び「USER INTERFACE FOR ANALYTE MONITORING SYSTEMS」というタイトルのPCT公告第WO2014022711号に記述されている検体試験装置の実施の形態に従って組み込み且つ実現でき、これらの文献の全体の内容はこの特許出願に、開示の一部として参考文献として組み込まれる。
【0013】
図2〜5は、検体試験装置100に組み込まれている、開示される血液サンプル取得モジュールとタッチスクリーンインタラクティブディスプレイユニットを表している模式図を示している。
【0014】
図2の模式図に示されているように、図1の検体試験装置100のランシングモジュール103は、ランセットカセット130を含むように構成できる。ランセットカセット130は、カセット130の内面の外部に沿うチャネル領域135を含んでいる。チャネル135は、ランシングモジュール103のランセット深度調整構成要素が、一連の刻み目の1つの刻み目が、ファイヤされるランセットのファイヤリング経路に揃うことができるように通過できる領域を提供する。ランセットカセット130は、ランセットカセット130の内面の外部に沿う前進ラック132(例えば、歯型へこみ部のアレイとして構成されている)を含んでいる。歯型前進ラック132は、血液サンプル取得モジュールのランシング動作の間、ランセットカセット130の直線方向における前進のために、ランシングモジュール103の、バネを備えている爪と係合できる外部へのへこみ部を提供する。ランセットカセット130は、ランセットカセット130の底面の外部に沿う被覆層137(例えば、フィルムのような)を含んでいる(例えば、被覆層137は、カセットの面のまわりを包むように示されている)。被覆層137は、ランセットカセット130の上面と底面を一緒に結合するとともに、ランセットを汚染から保護し、室内の無菌環境を維持するために、ランセット室への開口部136上の保護被覆を提供する。開口部136は、ランセットの穿刺部分が、血液サンプル取得イベントを実現するために、ランシングモジュール103から、及び装置100からファイヤされる、ランセットカセット130の孔を提供する。ランセットカセット130は、チャネル135内に開口谷部134を含み、ランシングモジュール103のバネアームが、ランセットがファイヤされた後にその初期位置に戻ることを可能にする。ランセットカセット130は、カセット130の内面の外部上に構成され、開口谷部134及び/又は歯型前進ラック132と平行に位置しているスイッチ/接触フラグ又はウェル131を含んでいる。スイッチ/接触フラグ131は、ランシング動作の実現及び/又はランセットカセット130におけるランセットの有無を検出するための1つ以上のセンサスイッチ(図3図5に示されている)による検出イベントを誘発できる構造を提供する。幾つかの実施の形態においては、例えば、スイッチ/接触フラグ131は、歯型前進ラック132の歯型へこみ部のピッチ(又は幅)の2倍のピッチ(又は幅)を有するように構築できる。他の実現形態においては、例えば、スイッチ/接触フラグ131は、歯型前進ラック132の歯型へこみ部のピッチ(又は幅)と等しいピッチ(又は幅)、又は歯型へこみ部のサイズの3倍以上のピッチ(又は幅)を有するように構築できる。
【0015】
図3の模式図において示されているように、ランセットカセット130は、ランシングモジュール103の、例としてのランシング動作において示されている。この例としての模式図においては、ランセットカセット130の反対面が示され、ランセット121の一部を表示しており、各ランセット121の接触面が、ランセットカセット130の上面の開口領域133から露出され、それにより、ランシングモジュール103のファイヤリングハンマ構成要素が、例えば、血液サンプル取得モジュールのランシング動作の間、ランセット121に接触して動かすことができる。ランセットカセット130は、カセット130の上面の縁及び内面に沿う戻り止め139を含んでおり、前進した後、ランセットカセットのインデックスされた位置を保持する。例えば、ランシングモジュール103のスライディング構成要素140の直線方向の動きは、ランセットカセット130を1ランセット位置だけ前進させ、このランセット位置は、戻り止め139により、ファイヤされるランセット121が、そのランセットの突出のためのファイヤリングハンマ構成要素のファイヤリング経路に揃う位置に置かれるようにインデックスされている。図3に示されている例においては、ランシングモジュール103のスライディング構成要素140は、前進爪機構を提供するための機械的爪構成要素として構成できる。
【0016】
図3の模式図に示されているように、血液サンプル取得モジュールは、装置100の内部ハウジング構造に取り付けることができるセンサ位置決めバックボーン145に取り付けられているセンサスイッチ141aとセンサスイッチ141bを含む、ランシングモジュール103と相互作用するための2つ以上のセンサを含んでいる。センサ位置決めバックボーン145は、センサスイッチ141aと141bを、ランセットカセット130に対して静止した位置に維持することの保証を提供し、それにより、センサスイッチ141aと141bが、ランセットカセット130とランセット121についての動き、位置、及び他の情報を検出することが可能になる。例えば、センサ141aと141bは、ランセットカセット130上の空洞/平坦表面(例えば、ランセットカセット130のスイッチ/接触フラグ131と外部ケーシング)の存在を検出して、ランセットカセット130の動き(例えば、前進)を確認できる。幾つかの実現形態においては、例えば、センサ141aと141bは、空洞/平坦表面の存在を光学的に検出するための光学センサであってよい。例えば、センサスイッチ141aは、ランシングモジュール103を含む装置100の空洞におけるランセットカセット130の前進イベントを検証するように構成でき、そのような前進は、ファイヤされるランセットを、ランセット突出開口部109から、そのランセットの突出のためにファイヤリングハンマ構成要素によりファイヤされる用意された位置(例えば、ファイヤリング経路)に揃える。センサスイッチ141aと141bは、スイッチ/制御フラグ131を有するランセットカセット130の面と係合している。センサスイッチ141bは、ランセットカセット130がその初期位置にロードされていることを確認するように構成できる。
【0017】
図4は、検体試験装置100の、例としてのランシング動作における、センサ141とランセットカセット130の相互作用を描いている例示的模式図を示している。例えば、ランシングモジュール103を使用して血液サンプルを取得するための装置100の1つの実現形態においては、ユーザは、装置100の外部スライドボタン(例えば、米国特許公告第2013/0245392号における装置1800として描かれている検体試験装置の、例としての実施の形態の、スライディングトラック1839に沿って平行移動するコッキングボタン1830とイジェクトボタン1835を含むスライディングボタンのようなもの)を起動することにより、新しい検体試験を開始できる。外部スライドボタンは、内部機械的爪構成要素140に連結されている。例えば、爪140は、すべての起動に対して直線状の動きを再循環させるトラック上で構成できる。爪140は歯型前進ラック132の単一の歯上に係合して、ランセットカセット130の増加するインデクシングを可能にする。
【0018】
幾つかの実現形態においては、例えば、爪140を、バネを有するように構成でき、それにより、ランセットカセット130が、公称の開始位置に再循環するときに、ランセットカセット130を把持することが可能となる。図4に示されている例においては、センサスイッチ141に係合するランセットカセット130のスイッチ/接触フラグ131は、歯型前進ラック132のピッチの2倍で分散され、それにより、センサ141のセンサ状態(例えば、開/閉)は、各新しいランセットの前進に対して変化する。例えば、ランセット121の総数を有する完全にロードされたランセットカセット130の初期位置においては、センサスイッチ141bは、ランセットカセット130がその初期位置であることを示すバイナリ信号を提供でき、センサスイッチ141aは、閉じたセンサ状態、例えば、最終的に、ランセットカセットがカセット130においてすべてのランセット121を有していることを示すランセットカウント「1」に対応する状態を示すバイナリ信号を提供できる。装置100から第1ランセットをファイヤすると、起動機構はランセットカセット130を移動させ(例えば、機械的爪構成要素140を介して)、それにより、センサスイッチ141bはカセット130とはもはや揃わず(このため、ランセットカセット130がその初期位置にないことを示している)、センサスイッチ141aは、スイッチ/接触フラグ131と新しく揃うために、別のセンサ状態(例えば、開)に切り替えられ、例えば、それによりランセットカウントを「2」に変更する。
【0019】
図5は、装置100の処理ユニット150とインタラクティブディスプレイユニット160(インタラクティブカラータッチスクリーンディスプレイ104と通信状態にある)と通信状態にある血液サンプル取得モジュールの模式図を示している。処理ユニット150は、データを処理するためのプロセッサと、プロセッサと通信状態にあり、データを格納するためのメモリユニットを含むことができる。幾つかの実現形態においては、例えば、処理ユニット150はマイクロコントローラ(MCU)を含むことができる。メモリユニットは、例えば、プロセッサ実行可能コードを含むことができ、このコードは、プロセッサにより実行されたときに、情報、コマンド、及び/又はデータを受信、情報及びデータを処理、及び情報/データを別のエンティティ又はユーザに送信又は提供するなどの種々の動作を行うように装置を構成する。
【0020】
インタラクティブディスプレイユニット160は、ランセットカセット130に残っている未使用のランセットのカウントを保管及び/又は表示するために実現できる。例えば、例としての「新しい試験」のシナリオにおいては、ティブディスプレイユニット160の、ユーザにより起動されたボタンは、スイッチに接触することができ、新しい試験が開始されたことを確認できる。処理ユニット150(例えば、MCU)は、センサスイッチ141の状態変化を探し、ランセット121が前進したことを確認する。変化が検出されない場合は、例えば、処理ユニット150は、カラータッチスクリーンディスプレイ104上の表示画像を変更して、「ポップアップ」警報を示すことができ、ユーザの検証を要求できる。変化が確認された場合は、例えば、アクティブカウンタを修正できる。
【0021】
この特許文献に記述される主題と機能的動作の実現形態は、この明細書に開示される構造体、及びそれらの構造的等価物、又は、それらの1つ以上の組み合わせを含む、種々のシステム、デジタル電子回路、又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアにおいて実現できる。この明細書に記述される主題の実現形態は、1つ以上のコンピュータプログラム製品として、つまり、実体的及び非一時的コンピュータ読み取り可能媒体に、データ処理装置による実行のために、又は、データ処理機器の動作を制御するために、符号化されたコンピュータプログラム指令の1つ以上のモジュールとして実現できる。コンピュータ読み取り可能媒体は、マシン読み取り可能記憶装置、マシン読み取り可能記憶基板、メモリ装置、マシン読み取り可能伝搬信号に影響を与える物質の合成物、又はそれらの1つ以上の組み合わせであってよい。「データ処理機器」という用語は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は、複数のプロセッサ又はコンピュータを含む、データを処理するためのすべての機器、装置、及びマシンを包含している。機器は、ハードウェアに加えて、該コンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又はそれらの1つ以上の組み合わせを構成するコードを含むことができる。
【0022】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られている)は、コンパイラ又はインタプリタ言語を含むプログラム言語の任意の形態において記述でき、スタンドアロンプログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、又は、コンピューティング環境における使用に適切な他のユニットとしての形態を含む、任意の形態において展開できる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステムにおけるファイルに対応しているわけではない。プログラムは、他のプログラム又はデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語文書に格納されている1つ以上のスクリプト)に、該プログラムに専用の単一ファイルに、又は複数の調整されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの部分を格納しているファイル)に格納できる。コンピュータプログラムは、1つのサイトに位置している、又は複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークにより相互接続されている、1つのコンピュータ又は複数のコンピュータ上で実行されるように展開できる。
【0023】
この明細書に記述されるプロセス及び論理フローは、1つ以上のコンピュータプログラムを実行して、入力データに対して演算を行い、出力を生成することにより機能を行う1つ以上のプログラマブルプロセッサにより行うことができる。プロセス及び論理フローはまた、特殊目的論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)により行うこともでき、機器もまた、それらとしても実現できる。
【0024】
コンピュータプログラムの実行のために適切なプロセッサは、例として、汎用及び特殊目的マイクロプロセッサの両者、及び、デジタルコンピュータの任意の種類の、任意の1つ以上のプロセッサを含む。一般的には、プロセッサは、指令及びデータを、リードオンリメモリ、又はランダムアクセスメモリ、又は両者から受け取る。コンピュータの重要な要素は、指令を行うためのプロセッサと、指令及びデータを格納するための1つ以上のメモリ装置である。一般的には、コンピュータはまた、データを格納するための1つ以上の大容量記憶装置、例えば、磁気、光磁気ディスク、又は光ディスクもまた含み、又は、それらからデータを受け取り、又はそれらにデータ転送し、又はその両者を行うように動作可能にそれらに結合できる。しかし、コンピュータはそのような装置を有する必要はない。コンピュータプログラム指令及びデータを格納するために適切なコンピュータ読み取り可能媒体は、例として、半導体メモリ装置、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリ装置を含む、不揮発性メモリ、媒体、及びメモリ装置のすべての形態を含む。プロセッサとメモリは、特殊目的論理回路により補完でき、又はそこに組み込むことができる。
【0025】
この特許文献は多数の具体的内容を含んでいるが、これらは、如何なる発明、又は権利を主張できるものの範囲を制限するものと解釈されるべきではなく、特別な発明の特別な実施の形態に特有の特徴の記述として解釈されるべきである。別個の実施の形態の状況においては、この特許文献に記述されるある特徴はまた、単一の実施の形態においては、組み合わせにおいても実現できる。逆に、単一の実施の形態の状況において記述される種々の特徴はまた、複数の実施の形態において別個に、又は任意の適切な下位の組み合わせにおいても実現できる。さらに、特徴を、ある組合せにおいて作用するように上記に記述でき、及びそのように最初に権利を主張できるが、権利が主張される組合せからの1つ以上の特徴を、ある場合においては、組み合わせから切り離すことができ、権利が主張される組み合せを、下位の組み合わせ、又は下位の組み合わせの変形例に向けることができる。
【0026】
同様に、動作は、図において特別な順序で示されているが、これは、そのような動作が、示されている特別な順序、又は連続する順序で行うこと、又はすべての例示された動作を、所望の結果を達成するために行うことを要求するものとして理解されるべきではない。更に、この特許文献において記述される実施の形態における種々のシステム構成要素の分離は、すべての実施の形態においてそのような分離を要求するものとは理解されるべきではない。
【0027】
少しばかりの実現形態と例のみを記述したが、他の実現形態、向上、及び変形は、この特許文献に記述及び例示されたものに基づいて行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】