(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-509080(P2017-509080A)
(43)【公表日】2017年3月30日
(54)【発明の名称】漢字入力装置と漢字入力方法、及びこれを用いた漢字検索方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/023 20060101AFI20170310BHJP
H03M 11/08 20060101ALI20170310BHJP
【FI】
G06F3/023 310K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2016-557943(P2016-557943)
(86)(22)【出願日】2015年3月25日
(85)【翻訳文提出日】2016年9月14日
(86)【国際出願番号】KR2015002931
(87)【国際公開番号】WO2015147549
(87)【国際公開日】20151001
(31)【優先権主張番号】10-2014-0034541
(32)【優先日】2014年3月25日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】516277679
【氏名又は名称】パク・インギ
【氏名又は名称原語表記】PARK, In Ki
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(72)【発明者】
【氏名】パク・インギ
【テーマコード(参考)】
5B020
【Fターム(参考)】
5B020AA07
5B020FF14
(57)【要約】
本発明に係る漢字入力装置は、漢字を情報通信端末に入力する漢字入力装置において、「木」文字体系をベースにして、その構成要素である「|」からなる各画を基本文字素とし、前記基本文字素から連続して変形がなされる各文字素を割り当てた複数のキーからなり、前記各キーの単数又は複数の操作で該当文字素を時系列順に入力するための文字キー;前記文字キーの操作で構成可能な各文字素及び各漢字のうちの一つを選択させる選択キー;各文字素、及び各文字素から選択した少なくとも二つ以上の文字素が設定順序に従って結合された各文字及び各漢字を格納する格納部;前記文字キーで入力された文字素、少なくとも二つ以上の文字素の結合からなる文字及び漢字、及び前記選択キーによって選択された漢字を前記格納部から検索して生成させる制御部;及び前記文字キーを通じて入力された文字素、前記選択キーで選択された文字又は漢字、前記制御部で生成される文字素、文字、漢字の表出がなされる表示部;を含んで構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
漢字を情報通信端末に入力する漢字入力装置において、
「木」文字体系をベースにした画順体系のうち「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」からなる各画を基本文字素とし、前記基本文字素から連続して変形がなされる各文字素を割り当てた複数のキーからなり、前記各キーの単数又は複数の操作で該当文字素を時系列順に入力するための文字キー;
前記文字キーの操作で構成可能な各文字素及び各漢字のうちの一つを選択させる選択キー;
各文字素、及び各文字素から選択した少なくとも二つ以上の文字素が設定順序に従って結合された各文字及び各漢字を格納する格納部;
前記文字キーで入力された文字素、少なくとも二つ以上の文字素の結合からなる文字及び漢字、及び前記選択キーによって選択された漢字を前記格納部から検索して生成させる制御部;及び
前記文字キーを通じて入力された文字素、前記選択キーで選択された文字又は漢字、前記制御部で生成される文字素、文字、漢字の表出がなされる表示部;を含んで構成される、
ことを特徴とする漢字入力装置。
【請求項2】
前記文字キーは、「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」からなる4つの基本文字素、又は、前記基本文字素のうち「一」を代表とし、
これによる28個の文字素が前記文字キーにそれぞれ割り当てられた、
ことを特徴とする請求項1に記載の漢字入力装置。
【請求項3】
前記文字素は、前記「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」の基本文字素を代表とする各文字素グループのうち、
前記第1〜第4拡張文字素グループの各文字素は、前記各文字キーの複数の操作で入力されるように前記各文字キーに割り当てられた、
ことを特徴とする請求項2に記載の漢字入力装置。
【請求項4】
前記基本文字素及び前記第1〜第4拡張文字素グループに至る各文字素は、前記基本文字素「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」の傾き、長さ、加画及び突出原理を適用して区分し、これらが割り当てられた前記文字キーの操作順序に従って入力がなされる、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の漢字入力装置。
【請求項5】
前記文字キーは、少なくとも一つ以上の方向キーをさらに含み、前記制御部は、前記表示部に漢字を全て表示できない場合、前記方向キーの入力によって表示されていない残りの漢字を表示するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の漢字入力装置。
【請求項6】
前記方向キーは、前記表示部に表示された漢字に割り当てられる、
ことを特徴とする請求項5に記載の漢字入力装置。
【請求項7】
前記方向キーの入力によって表示される残りの漢字は、前記方向キーに割り当てられた漢字が最初の漢字になる多数の漢字を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の漢字入力装置。
【請求項8】
前記表示部に表示された多数の漢字のうちの少なくとも一つ以上の漢字をショートカットキーに割り当て、前記ショートカットキーを選択すると、前記表示部に前記ショートカットキーに該当する漢字から始まる多数の漢字が表示されるようにし、前記制御部は、前記表示された多数の漢字のうち選択キーによって選択された漢字を発生させるように制御する、
請求項1に記載の漢字入力装置。
【請求項9】
前記ショートカットキーが割り当てられた漢字は、残りの他の漢字と区別されるように表示される、
ことを特徴とする請求項8に記載の漢字入力装置。
【請求項10】
前記文字キーで多数の文字素が順次入力されるとき、前記表示部には、前記文字素の入力段階毎に該当文字素が結合された組合文字が表示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の漢字入力装置。
【請求項11】
漢字を情報通信端末に入力する漢字入力方法において、
請求項1から10のうちのいずれか1項の漢字入力装置を備えて、前記文字キーを用いて入力しようとする漢字の筆順に従って該当文字素を順次入力する第1段階;
前記各文字キーの操作で該当文字素が順次入力される度に入力された各文字素が互いに結合された文字を表示部に表示する第2段階;
前記該当文字素が設定された順序に従って結合された文字を含む少なくとも一つ以上の漢字を前記表示部に表示する第3段階;
前記表示された漢字のうち前記入力する漢字を選択する第4段階;及び
前記選択された漢字を発生させて前記情報通信端末に入力させる第5段階;を含む、
ことを特徴とする漢字入力方法。
【請求項12】
前記第2段階は、
前記入力する漢字の筆順に従って文字素が入力される段階毎に既に入力された文字素と結合された新しい文字を表示部に表示する、
ことを特徴とする請求項11に記載の漢字入力方法。
【請求項13】
前記第3段階後、
前記表示部に表示された少なくとも一つ以上の漢字のうちの特定漢字にショートカットキーを割り当てる段階;及び
前記漢字入力過程中に前記割り当てられたショートカットキーを選択する段階;及び
前記選択されたショートカットキーに対応する漢字から始まる少なくとも一つの漢字を前記表示部に表示する段階;をさらに含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の漢字入力方法。
【請求項14】
前記表示部に漢字を全て表示できない場合、方向キーが入力されると、表示されていない残りの漢字をさらに表示させる、
ことを特徴とする請求項11又は13に記載の漢字入力方法。
【請求項15】
漢字を情報通信端末に入力する漢字入力装置を用いて漢字を検索する方法において、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に漢字入力装置と検索キーを備えて、
前記文字キーを用いて入力しようとする漢字の筆順に従って該当文字素を順次入力する第1段階;
前記各文字キーの操作で該当文字素が順次入力される度に入力された各文字素が互いに結合された文字を表示部に表示する第2段階;
前記該当文字素が設定された順序に従って結合された文字を含む少なくとも一つ以上の漢字を前記表示部に表示する第3段階;
前記表示された漢字のうち前記入力する漢字を選択する第4段階;及び
前記選択された漢字に対して、前記検索キーの入力によって格納部に格納された漢字の細部情報を検索して表示部に表示する第5段階;
を含むことを特徴とする漢字検索方法。
【請求項16】
漢字検索による前記第3段階は、
前記文字素が結合された文字を含む漢字を前記表示部に全て表示できない場合、方向キーを入力する段階;及び
前記方向キーの入力によって前記表示部に表示されていない残りの他の漢字を表示する段階;
を含むことを特徴とする請求項15に記載の漢字検索方法。
【請求項17】
前記方向キーの入力によって表示される残りの漢字は、前記方向キーに割り当てられた漢字が最初の漢字になる多数の漢字を含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の漢字検索方法。
【請求項18】
前記表示部に表示された多数の漢字のうちの特定漢字にショートカットキーが設定され、前記ショートカットキーが選択されると、前記ショートカットキーに該当する漢字から始まる少なくとも一つ以上の漢字を表示部に表示する、
ことを特徴とする請求項15に記載の漢字検索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漢字入力装置と漢字入力方法、及びこれを用いた漢字検索方法に関し、特に、「木」文字体系の画順に従う4つの最小画単位である文字素(grapheme)のそれぞれを4つの文字キーグループを代表する基本文字素とし、各基本文字素のうちのいずれか一つの基本文字素から始めて、連続関係にある各文字キーの組合せで漢字を入力及び検索できるようにする漢字入力装置と漢字入力方法、及びこれを用いた漢字検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
漢字をコンピュータや携帯端末などのIT機器を通じて入力することは容易でない。
【0003】
ハングルやアルファベットは、文字の構成要素、すなわち、子音と母音が定められていることから、IT機器を通じて子音と母音をキーボードやキーパッドなどに割り当てて入力するように設定することができる。
【0004】
しかし、漢字は、表意文字であって、文字の特性上、特定の規則に従って文字が構成されておらず、文字の個数も非常に多いので、キーボードやキーパッドなどに直接表示して入力することは難しい。
【0005】
特に、漢字の構成要素である部首が非常に多く、ほとんどの漢字が部首によって結合されているが、その結合の構造が規則的でないので、漢字を一定の規則に従って入力するように技術的に処理することは困難である。
【0006】
中国、台湾、日本、韓国は、漢字の検索と入力のために、補助手段としてそれぞれアルファベット、注音符号、カナ文字、ハングルを使用している。
【0007】
これらの補助手段は、発音という共通分母を有している。
従来の漢字入力法としては、漢字を構成する要素を五筆画(一、|、ノ、丶、乙)に区分して入力する筆画入力法がある。これは、5つの筆画の形状(一、|、ノ、丶、乙)をキーに表示し、入力する漢字の各画の形状に該当するキーを筆順に従って押すことによってその漢字を入力できるようにする。すなわち、「王」を入力する場合、それぞれ「一」、「一」、「|」、「一」に対応するキーを順次押した後で特定キーを押すことによって、これらで構成された「王」を入力できるようにする。
しかし、このような漢字入力の場合、入力過程で入力された該当筆画のみが表示されるので、ユーザは漢字の筆画が正確に入力されているか否かを継続して確認しなければならないという煩雑さがある(筆画の漏れの有無を含めて、その入力が正常であるか否かを確認することが難しい)。
【0008】
また、他の例として、漢字の読み方・発音をアルファベットで入力すると、これに該当する多数の漢字が羅列され、該当する文字を特定キー(文字の順番を示す番号キーなど)の押下によって入力する方式がある。
【0009】
例えば、「我」の場合、これに該当する英語の発音である「wo」を入力すると、「我」を始めとして「wo」の発音に該当する多数の漢字が表示され、これらのうち「我」を選択して入力できるようにする。
【0010】
しかし、このような方式では、入力しようとする漢字の英語の発音を知っているときにのみ漢字を入力することができ、キーボードやキーパッドに英文字を全て表示しなければならなく、漢字を直接入力することなく英文字を通じて入力するので、キー入力回数が増加し、漢字の入力速度を高めるのに限界がある。
【0011】
一方、IT機器における漢字検索方法も多様に提示されている。
【0012】
一例として、総画検索法は、漢字の総画を用いて該当漢字を検索する方法である。
【0013】
この方法では、ユーザが画の増減と字形の変化を予め熟知しなければならないという問題がある。
【0015】
他の例として、部首検索法及び発音(ピン音、注音、訓音、読音)検索法がある。一般に、漢字字典と漢字辞典は部首検索法を基本としている。部首検索の過程は、1)部首の総画を計算する。2)部首検字表で部首のページを確認する。3)部首以外の残りの画数を数えた後、所望の漢字を探していく。このような過程は、ユーザの利便性が非常に低いという問題を有する。例えば、「家」の場合、3画である「宀」を部首検字表で探した後、残りの部分である7画の「豕」を検索する。このような理由で、当然に部首検索法の効率性が低下する。
【0017】
例えば、説文解字は540個の部首を有し、漢語大辞典と漢語大字典は200個の部首を有し、辞海は250個の部首を有している。日本の大漢和辞典、韓国の漢字辞典は214個の部首体系を維持している。
【0018】
ユニコードには、1)韓中日の統合漢字20,902字、2)韓中日の統合漢字拡張−A 6,582字、3)韓中日の統合漢字拡張−B 42,711字、4)韓中日の統合漢字拡張−C 4,220字、5)韓中日の統合互換用漢字467字、5)康熙字典の部首214字、6)韓中日の統合部首補充漢字115字、7)韓中日の統合互換用補充漢字542字などの75,753字が登録されている。漢字の正確な数を知ることができないだけでなく、214個の部首検字表がないため漢字を直観的に検索することが難しい。また、漢字の部首を知っているとしても、拡張漢字の所属を知っていないと漢字を一々確認しなければならないという問題がある。
【0019】
発音(ピン音、注音、訓音、読音)検索法は、個別漢字の発音を習得すると速く検索できるという長所を有するが、発音の習得時間が長いという短所を有する。一般に、人々は漢字の全ての発音(ピン音、注音、訓音、読音)を実際に記憶しにくいので、多数の漢字字典と漢字辞典が部首検索を基本とする場合が多く、発音検索リストと総画検索リストを有している。
【0021】
発音(ピン音、注音、訓音、読音)入力の一つであるピン音において、中国のIT機器は、入力の効率性を高めるために頻度順配列を採択している。
【0022】
ここで、発音検索法で入力の効率が低下する最も大きな理由は、残りの漢字を探すために一つの方向キーのみを使用するためである。
【0023】
しかし、頻度順配列の問題によって多数の方向キーを設定できないという問題がある。
【0024】
大型字典と大型辞典のピン音検索において、ユーザが漢字の四声を正確に知っていないと検索が遅くなる。ピン音入力の頻度順配列は字典及び辞典のピン音配列と一致しないので、ユーザの入力が不便になる。台湾と日本においても、検索及び入力で同一の現象を経験している。
【0025】
これに対して、本出願人は、大韓民国特許登録10−0643856号、10−0662553号、10−0757372号を通じて携帯電話入力方法、コンピュータ入力方法及び漢字データベース処理方法を開示したことがあるが、これらは、いずれも漢字のアルファベット配列法をベースにしたものである。
【0026】
前記本出願人の先出願特許によると、漢字のアルファベット配列法は、核心概念である各字画の羅列であるので、表音文字体系と類似する文字体系になるには論理的に根拠が不十分である。
【0027】
これは、表音文字体系の最小音単位が文字素であるためである。
【0028】
そして、漢字の字画の数が46個に達するにもかかわらず、漢字のアルファベット配列法は字画を28個に限定させたという問題を有する。そして、漢字のアルファベット配列法は、配列基準の原則に欠けているので、28個の字画の配列が混乱するという問題も有する。したがって、漢字のアルファベット配列法には制字原理に関する内容がない。また、前記本出願人の先出願特許は、共通的に速い入力のための漢字の方向キー使用方法を提示していないので、検索及び入力の効率性が低下するという問題を有する。また、本出願人の先出願特許は、既存の漢字入力法が使用する頻度順配列の問題を提示していない。そして、本出願人の先出願特許である10−0757372号は、漢字のリストウィンドウに横と縦の検索と関係のない無意味な数字を通じて漢字を入力することを提示しており、検索のための入力手段をマウスに限定したという問題を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明は、前記問題の解決と改善のためのものであって、特に、「木」文字体系の画順に従う4つの画を基本文字素とし、これらの基本文字素から連続的な変形関係のある文字素を基本文字素を基準にした文字キーグループに区分し、各基本文字素を含む各文字キーの組合せで漢字を入力及び検索できるようにする漢字入力装置と漢字入力方法、及びこれを用いた漢字検索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
前記目的を達成するための本発明に係る漢字入力装置は、
漢字を情報通信端末に入力する漢字入力装置において、「木」文字体系をベースにして、その構成要素である「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」からなる各画を基本文字素とし、前記基本文字素から連続して変形がなされる文字素を割り当てた複数のキーからなり、前記各キーの単数又は複数の操作で該当文字素を時系列順に入力するための文字キー;前記文字キーの操作で構成可能な文字素及び漢字のうちの一つを選択させる選択キー;各文字素、及び各文字素から選択した少なくとも二つ以上の文字素が設定順序に従って結合された各文字及び各漢字を格納する格納部;前記文字キーで入力された文字素、少なくとも二つ以上の文字素の結合からなる文字及び漢字、及び前記選択キーによって選択された漢字を前記格納部から検索して生成させる制御部;及び前記文字キーを通じて入力された文字素、前記選択キーで選択された文字又は漢字、前記制御部で生成される文字素、文字、漢字の表出がなされる表示部;を含んで構成される。
【0032】
また、前記基本文字素及び前記第1〜第4拡張文字素グループに至る各文字素は、前記基本文字素「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」の傾き、長さ、加画及び突出原理を適用して区分し、これらが割り当てられた前記文字キーの操作順序に従って入力がなされることが好ましい。
【0033】
そして、前記文字キーは、少なくとも一つ以上の方向キーをさらに含み、前記制御部は、前記表示部に漢字を全て表示できない場合、前記方向キーの入力によって表示されていない残りの漢字を表示するように制御し、さらに、前記方向キーは、前記表示部に表示された漢字に割り当てられることが好ましい。
【0034】
また、前記方向キーの入力によって表示される残りの漢字は、前記方向キーに割り当てられた漢字が最初の漢字になる多数の漢字を含んで構成される。
【0035】
そして、前記表示部に表示された多数の漢字のうちの少なくとも一つ以上の漢字をショートカットキーに割り当て、前記ショートカットキーを選択すると、前記表示部に前記ショートカットキーに該当する漢字から始まる多数の漢字が表示されるようにし、前記制御部は、前記表示された多数の漢字のうち選択キーによって選択された漢字を発生させるように制御することが好ましい。特に、前記ショートカットキーが割り当てられた漢字は、残りの他の漢字と区別されるように表示されることが好ましい。
【0036】
また、前記文字キーで多数の文字素が順次入力されるとき、前記表示部には、前記文字素の入力段階毎に該当文字素が結合された組合文字が表示されることが好ましい。
【0037】
一方、前記目的を達成するための本発明の一実施例に係る漢字入力方法は、漢字を情報通信端末に入力する漢字入力方法において、
前記の漢字入力装置を備えて、前記文字キーを用いて入力しようとする漢字の筆順に従って該当文字素を順次入力する第1段階;前記各文字キーの操作で該当文字素が順次入力される度に入力された各文字素が互いに結合された文字を表示部に表示する第2段階;前記該当文字素が設定された順序に従って結合された文字を含む少なくとも一つ以上の漢字を前記表示部に表示する第3段階;前記表示された漢字のうち前記入力する漢字を選択する第4段階;及び前記選択された漢字を発生させて前記情報通信端末に入力させる第5段階;を含んで構成される。
【0038】
また、前記第2段階は、前記入力する漢字の筆順に従って文字素が入力される段階毎に既に入力された文字素と結合された新しい文字を表示部に表示させることが好ましい。
【0039】
そして、前記第3段階後、前記表示部に表示された少なくとも一つ以上の漢字のうち特定漢字にショートカットキーを割り当てる段階;及び前記漢字入力過程中に前記割り当てられたショートカットキーを選択する段階;及び前記選択されたショートカットキーに対応する漢字から始まる少なくとも一つの漢字を前記表示部に表示する段階;をさらに含むことが好ましい。
【0040】
また、前記表示部に漢字を全て表示できない場合、方向キーが入力されると、表示されていない残りの漢字をさらに表示させることが好ましい。
【0041】
一方、前記目的を達成するための本発明の一実施例に係る漢字検索方法は、漢字を情報通信端末に入力する漢字入力装置を用いて漢字を検索する方法において、前記の漢字入力装置及び検索キーを備えて、前記文字キーを用いて入力しようとする漢字の筆順に従って該当文字素を順次入力する第1段階;前記各文字キーの操作で該当文字素が順次入力される度に入力された文字素が互いに結合された文字を表示部に表示する第2段階;前記該当文字素が設定された順序に従って結合された文字を含む少なくとも一つ以上の漢字を前記表示部に表示する第3段階;前記表示された漢字のうち前記入力する漢字を選択する第4段階;及び前記選択された漢字に対して、前記検索キーの入力によって格納部に格納された漢字の細部情報を検索して表示部に表示する第5段階;を含むことを特徴とする。
【0042】
また、漢字検索による前記第3段階は、前記文字素が結合された文字を含む漢字を前記表示部に全て表示できない場合、方向キーを入力する段階;及び前記方向キーの入力によって前記表示部に表示されていない残りの他の漢字を表示する段階;を含むことが好ましい。
【0043】
そして、前記方向キーの入力によって表示される残りの漢字は、前記方向キーに割り当てられた漢字が最初の漢字になる多数の漢字を含むことが好ましい。
【0044】
併せて、前記表示部に表示された多数の漢字のうち特定漢字にショートカットキーが設定され、前記ショートカットキーが選択されると、前記ショートカットキーに該当する漢字から始まる少なくとも一つ以上の漢字を表示部に表示させることが好ましい。
【発明の効果】
【0045】
上述したような本発明に係る「木」文字体系を用いた漢字入力装置及び方法、そして、これを用いた漢字検索方法は、次のような効果を有する。
【0046】
第1、214個の部首で配列されているユニコードの漢字リストを「木」文字体系に適用すると、ユニコードの漢字リストに対して英語辞典のように直観的な検索及び入力を行うことができる。他の全ての漢字字典及び漢字辞典も同一の効果を示すことができる。
【0047】
第2、ユニコード漢字リストを発音(ピン音、注音、訓音、読音)検索、総画検索、筆画検索、筆記検索などのために「木」文字体系に適用すると、直観的な検索及び入力を行うことができる。
【0048】
第3、既存の部首入力法は部首検字表を補助手段として必ず必要とするが、「木」文字体系を適用すると部首検字表が必要でない。
【0049】
第4、ピン音入力法と総画入力法は、漢字が多いと四声と五筆画を補助手段として必要とするが、漢字がいくら多くても補助手段が必要でない。
【0050】
第5、ユニコードの7万余字を始めとした全ての漢字のリストに対して、マウス、タッチ、スタイラスペン、レーザ、瞳孔などの移動手段で直観的な検索及び入力を行うことができる。
【0051】
第6、表意文字の音標文字概念への転換を通じて検索及び入力の漢字配列が同一になるので、ユーザの負担が既存の入力法に比べて大幅に減少し得る。
【0052】
第7、「木」文字体系の検索の利便性により、キーボードやキーパッドなどの補助手段を用いることなく漢字を独自に入力することができる。
【0053】
第8、漢字を筆順に従って組合せで入力すると、漢字記憶喪失症(Chinese character amnesia)が予防される。
【0054】
第9、多数のショートカットキーに該当する漢字を論理的に配列することによって、既存の方式に比べて入力効率性が高くなる。
【0055】
第10、既存の入力方式は頻度順のため方向キーを一つのみ使用しているが、多数の方向キーを使用することによって漢字入力の効率性が高くなる。
【0056】
第11、既存の多様な漢字入力法では漢字リストから漢字を選択して入力するが、本発明は、フォントを開発し、ハングルのように組合せで自ら漢字を入力することができる。
【0057】
第12、既存の入力法の漢字頻度順には配列規則の客観性がないが、「木」文字体系の配列規則は如何なる入力法に適用しても常に客観性を維持するので、ユーザの使用利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】本発明の実施例に係る漢字入力装置の構成ブロック図である。
【
図3】本発明に係る基本文字素の交差関係及び対面関係を示した図である。
【
図4】本発明に係る基本文字素に対する傾き原理に従う拡張された文字素を示した図である。
【
図5】本発明に係る基本文字素に対する長さ原理に従う拡張された文字素を示した図である。
【
図6】本発明に係る基本文字素に対する加画原理に従う拡張された文字素を示した図である。
【
図7】本発明に係る基本文字素に対する突出原理に従う拡張された文字素を示した図である。
【
図8】本発明に係る基本文字素から拡張された文字素のピラミット構造を示した図である。
【
図9】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図10】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図11】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図12】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図13】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図14】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図15】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図16】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図17】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図18】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図19】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図20】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図21】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図22】本発明の各実施例によって文字素をキーパッド上に具現した例示図である。
【
図23】本発明に係る「木」文字体系を示したチャートである。
【
図24】本発明に係る「木」文字体系において文字素の結合段階による文字の例示図である。
【
図25】本発明に係るショートカットキーのリスト及び文字素の方向キーを示した例示図である。
【
図26】本発明に適用される康熙字典の214個の部首と「木」文字体系の配列順序を示した図である。
【
図27】本発明に適用される康熙字典の214個の部首における「木」文字体系のピラミット構造を示した図である。
【
図28】本発明に適用されるユニコードの韓中日の部首補充と「木」文字体系の配列順序を示した図である。
【
図29】本発明に適用されるユニコードの韓中日の部首補充のピラミット構造を示した図である。
【
図30】本発明に係る「木」文字体系における部首統合の配列順序を示した図である。
【
図31】本発明に適用される康熙字典のページ情報の「木」文字体系を示した図である。
【
図32】本発明に適用される漢語大字典のページ情報の「木」文字体系を示した図である。
【
図33】本発明に適用される漢語大辞典のページ情報の「木」文字体系を示した図である。
【
図34】本発明に適用される大韓和辞典のページ情報の「木」文字体系を示した図である。
【
図35】本発明に適用されるユニコードの韓中日の統合漢字の部首ユニコード番号情報に対応する「木」文字体系を示した図である。
【
図36】本発明に適用されるユニコードの韓中日の統合漢字−Aの部首ユニコード番号情報に対応する「木」文字体系を示した図である。
【
図37】本発明に適用されるユニコードの韓中日の統合漢字−Bの部首ユニコード番号情報に対応する「木」文字体系を示した図である。
【
図38】本発明に適用されるユニコードの韓中日の統合漢字の「一」部首リストを示した図である。
【
図39】本発明に適用されるユニコードの韓中日の統合漢字−Aの「一」部首リストを示した図である。
【
図40】本発明に適用されるユニコードの韓中日の統合漢字−Bの「一」部首リストを示した図である。
【
図41】本発明に適用されるユニコードの韓中日の統合漢字の「一」部首リスト統合のための「木」文字体系を示した図である。
【
図42】本発明に適用されるユニコードの韓中日の統合漢字の「一」部首リスト統合のための「木」文字体系のピラミット構造を示した図である。
【
図43】本発明に係る従来の携帯電話と「木」文字体系とを比較した図である。
【
図44】本発明に係る従来の携帯電話と「木」文字体系の「人」2音節語とを比較した図である。
【
図45】本発明に係る従来の携帯電話と「木」文字体系の2音節語とを比較した図である。
【
図46】本発明に係る羅列と組合せの基準を示した図である。
【0059】
本発明に係る漢字入力装置は、漢字を情報通信端末に入力する漢字入力装置において、「木」文字体系をベースにして、その構成要素である「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」からなる各画を基本文字素とし、前記基本文字素から連続して変形がなされる各文字素を割り当てた複数のキーからなり、前記各キーの単数又は複数の操作で該当文字素を時系列順に入力するための文字キー;前記文字キーの操作で構成可能な文字素及び漢字のうちの一つを選択させる選択キー;各文字素、及び各文字素から選択した少なくとも二つ以上の文字素が設定順序に従って結合された各文字及び各漢字を格納する格納部;前記文字キーで入力された文字素、少なくとも二つ以上の文字素の結合からなる文字及び漢字、及び前記選択キーによって選択された漢字を前記格納部から検索して生成させる制御部;及び前記文字キーを通じて入力された文字素、前記選択キーで選択された文字又は漢字、前記制御部で生成される文字素、文字、漢字の表出がなされる表示部;を含んで構成される。
【発明を実施するための形態】
【0060】
まず、本発明を説明するにおいて、「文字素」の意味を定義する。
【0061】
本発明に使用される文字素(grapheme)は、表意文字である漢字を構成する最小画単位の文字である。本発明では、特に、「木」文字の画順体系を構成する「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」からなる各画文字を基本文字素として設定する。これらの基本文字素をベースにして文字素を拡張させることができる。このように基本文字素から拡張させた文字を、便宜上、「拡張された文字素」と称する。これは、以下で詳細に説明することにする。このように、本発明では、全ての漢字は少なくとも一つの文字素の構成からなり、これらの文字素の入力を通じて全ての漢字を入力及び検索すると定義する。このような定義から、漢字の入力及び検索方式のための文字素の体系を「木」文字体系と称する。本発明に係る「木」文字体系において、上述した基本文字素はいずれも1画に限定する。
【0062】
すなわち、本発明では、表意文字である漢字の筆画を最小単位とする文字素とし(例えば、筆を離さずに曲げたり反る関係にある単一の画を文字素とし)、これらの文字素のうち「木」文字体系をなす各画である「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」を基本文字素とする。
【0063】
そして、これらの各基本文字素は、各画の開始過程で同一の進行方向に又は同一の範疇に連続的に曲げたり反ったり払う関係の文字素を、上記の基本文字素のそれぞれをベース(代表)にする文字素グループに区分することによって論理的秩序を与える。
【0064】
図1は、本発明の一実施例に係る漢字入力装置の構成図である。
【0065】
図1を参照すると、本発明に係る漢字入力装置100は、漢字を構成する文字素を入力するための多数の文字キー110と、多数の漢字のうちのいずれか一つを選択するための多数の選択キー120と、文字キー110及び選択キー120によって入力及び選択された文字素及び漢字を発生させるように制御する制御部130と、多数の文字素、文字素が結合された文字、漢字などを格納する格納部140と、制御部130によって発生する文字素及び漢字を表示する表示部150とを含んで構成される。また、本発明の他の実施例に係る漢字入力装置100は、検索キー160をさらに含むこともできる。また、本発明の更に他の実施例では、ショートカットキー170及び方向キー180をさらに含むこともできる。
【0066】
文字キー110には一つ以上の文字素が割り当てられる。このような文字キー110の入力によって該当文字素を入力させる。文字素は、「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」で構成される。しかし、他の例では、「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」を含めて4個〜47個に文字素を拡張することができる。以下では、文字素に対して具体的に説明する。
【0067】
本発明に係る「木」文字体系は、次の事項に基づいて決定される。
【0068】
1)
図2に示すように、「木」文字体系の中心は「木」である。「木」文字体系を構成する「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」を基本文字素として設定する。これらの基本文字素は、無条件に1画のみに限定する。さらに、これらの基本文字素から拡張される各文字素も1画に限定する。
【0069】
2)
図3に示すように、4個の基本文字素を交差関係と対面関係で設定する。すなわち、「一」と「|」の交差関係を「十」として設定し、「ノ」と「ヽ」の対面関係を「八」として設定する。
【0070】
3)4個の基本文字素をベースにして拡張される文字素の場合、
図4の傾き原理、
図5の長さ原理、
図6の加画原理、
図7の突出原理から弁別要素が生じる。このような弁別要素の多くの原理を同一の文字素に適用することができる。具体的に説明すると、
図4の傾き原理により、「ノ」で左払いの程度によって3つの文字素に拡張することができ、
図5の長さ原理により、「ノ」と「ヽ」を相対的に短い形状と対比させ、それぞれ1個ずつ文字素を拡張することができる。また、
図6の加画原理により、「一」から1次〜3次加画で文字素を拡張することができ、
図7の突出原理により、
図6の1次加画文字素から突出の有無によってそれぞれ1個ずつ文字素を拡張することができる。
【0071】
4)このように、「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」の基本文字素からピラミッド形状に5段階に拡張された文字素をまとめると、
図8に示す通りである。本発明の実施例では、これらの4個の基本文字素を含めて、28個から選択された文字素を文字キー110に割り当てる。このとき、多数の文字キー110には少なくとも一つ以上の文字素を割り当てることができる。このような文字キー110の各例示を
図9〜
図22に示す。
図21と
図22は、実際に携帯端末とコンピュータのキーボードに文字素が具現された例を示している。
【0072】
5)本発明では、このような「木」文字体系の文字素を前記の制字原理に従って順次配列させ、英語の26個のアルファベットと対称関係をなすようにし、このような対称関係は
図23に示した例の通りである。このような対称関係を用いることによって、26個のアルファベットに関して対称な文字素をキーボードなどに形成することができる。この場合、アルファベットに関して対称な文字素の入力を通じて文字及び漢字を入力できるようになる。例えば、「非」を入力しようとする場合、「非」の文字素に関して対称なアルファベット「VAABKAAA」のキーを押せばよい。これらの28個の文字素は、
図23に示した順序で決定されることが好ましい。
【0074】
9)このような総体的な制字原理をベースにして本発明に係る「木」文字体系が完成する。
【0076】
続いて、文字キー110を通じて前記のような「木」文字体系によって設定された多数の文字素を入力し、その文字素の入力を通じて所望の漢字を入力することができる。このために、例えば、文字キー110に少なくとも一つの文字素が割り当てられ、文字キー110を押すことによって該当文字素が入力されるように設定することができる。このような文字キー110は、例えば、キーボード、キーパッドなどのキーボタンとして具現することができる。
【0077】
選択キー120は、文字キー110で入力された少なくとも一つ以上の文字素で構成された漢字、及びその漢字を含む多数の漢字から入力しようとする漢字を選択するためのものである。このような選択キー120も、例えば、キーボタンとして具現することができる。
【0078】
制御部130は、文字キー110によって入力された文字素及び/又は漢字を漢字入力装置100に発生させて入力するように制御する。また、制御部130は、選択キー120によって選択された文字素及び/又は漢字が発生するように制御する。このように発生した文字素と漢字は漢字入力装置100に入力される。このような制御部130は、ソフトウェア又はプログラムとして具現することができる。
【0079】
格納部140は、多数の文字素、文字素が結合された文字、漢字などを予め格納している。また、格納部140は漢字の情報を含む。このような格納部140は、文字キー110によって入力された文字素及び漢字のみならず、文字キー110によって文字素が連続的に入力される度にその連続的に入力された文字素が結合された文字を格納することが好ましい。例えば、「木」を入力するとき、「一」、「|」、「ノ」、「ヽ」の文字素を順次入力すると、各文字素が入力される度にこれらが順次結合された文字、すなわち、「一」、「十」、「オ」、「木」が段階的に入力される。このように文字素が結合された形態の文字が表示されるとき、文字素や漢字でない文字が入力され得る。よって、格納部140は、漢字入力過程で発生し得る文字素、文字素が結合された文字、漢字などを全て格納することが好ましい。また、格納部140は、全ての漢字に対する情報を含む。このような漢字情報は、各漢字別の音、意味、例文などを含む。
【0080】
表示部150は、制御部130によって入力される文字素、少なくとも一つの文字素が結合された文字、漢字などを表示する。このような表示部150は、例えば、液晶表示装置(LCD)などのディスプレイ装置として具現することができる。本発明において、表示部150は、タッチパッド、タッチスクリーンなどのように文字キー110と一体型として具現することもできる。他の実施例において、選択キー120も、このようなタッチパッド、タッチスクリーンなどのように文字キー110及び表示部150と一体型として具現することができる。
【0081】
検索キー160は、表示部150に表示された漢字に対する情報を検索して表示部150に表示させる。このとき、漢字の情報は、音、意味、例文などの情報を含むことができる。このような漢字の情報は、知らない漢字の意味を知ろうとするときに使用することができる。
【0082】
ショートカットキー170は、入力しようとする漢字が他の所属漢字を含むとき、その含まれる所属漢字に割り当てられる。これは、所属漢字を先に入力した後でショートカットキー170を入力すると、その所属漢字から始まる多数の漢字が表示されるようにし、これらのうち所望の漢字を入力できるようにする。例えば、「木」をショートカットキーに割り当てた場合、「本」を入力するときは、先に「木」を入力した後で「木」のショートカットキーを入力すると、「木」を含む漢字、例えば、「木」、「本」、「林」、「朴」などの漢字が表示される。このとき、「本」を選択して入力させることができる。
【0083】
方向キー180は、表示部150のサイズ制約によって所望の漢字を全て表示できない場合、一部のみが表示された状態で方向キー180を入力すると、表示されていない残りの他の漢字を表示させる。これによって、表示する漢字が多い場合に一部のみを表示し、残りは方向キー180の入力によってさらに表示させることができる。
以下では、このように構成された本発明の漢字入力装置100における漢字入力過程を説明する。本発明では、文字キー110を用いて入力しようとする漢字を構成する文字素を筆順に従って入力する。このとき、文字キー110によって文字素がそれぞれ入力される度に、表示部150にはこれらの文字素が順次結合された文字が表示される。例えば、「王」を入力する場合、「一」、「一」、「|」、「一」を順次入力すると、表示部150には、これらの文字素が入力される度に「一」、「一」、「|」、「一」が表示されるのではなく、これらの文字素の組合せ、すなわち、一⇒二⇒干⇒王のような文字素の組合せが各段階別に表示される。このとき、「王」のように「天」、「木」、「中」、「少」が組合せとなるためには、
【0085】
などのフォントが必要であり、実際にこれらのフォントの文字は通用しないが、画面上には表示されるようにする。よって、本発明では、全ての漢字の入力のために入力過程で表れるそれぞれのフォントを予め格納しており、文字素が連続的に入力される度にこれらのフォントを表示部150に表示させることによって、ユーザは、文字素が組み合わされる過程を目で確認しながら文字素を入力することができる。したがって、漢字の全てのフォントが作られると、
図24に示すように、如何なる漢字も生々しく組合せで表現することができる。
【0086】
また、本発明で漢字を入力する場合、その漢字から始まる多数の他の漢字が予め表示部150に表示される。例えば、「王」を入力する場合、「王」から始まる「王」、「全」、「皇」、「弄」などの漢字が表示される。このとき、表示された多数の漢字のうちのいずれか一つは、選択キー120を用いて選択できるようになる。
【0087】
一方、前記のように、漢字を容易且つ速く入力するためにショートカットキー170が設定される。本発明では、
図25に示すように、キーボードやキーパッドの初期画面に基本的にショートカットキー170のリストを表示できるようにする。
図25の白丸の「一」〜白丸の「丶」内にある代表漢字は、下位所属漢字にすぐ案内できるショートカットキー170としての役割をする。すなわち、このようなショートカットキー170は、表示部150に表示される多数の漢字のうち特定漢字に割り当てることができる。これによって、例えば、「禁」を入力するとき、「木」をショートカットキーとして設定した場合、先に「木」を入力した後、ショートカットキーとして設定された「木」を選択すると、「木」から始まる全ての漢字が表示されるようにし、そのうち「禁」を選択することによってこれを入力できるようにする。勿論、このようなショートカットキーを用いない場合は、「木」、「木」、「示」を筆順に従って順次入力することによって該当漢字を入力することもできる。白丸の「一」〜白丸の「丶」のショートカットキーは、各文字素から始まる最も頻度数の高い漢字のリストがあることを示す。頻度数の高い漢字リストは必ず「木」文字体系の配列順序に従う。前記ショートカットキーの代表漢字は、必ず部首のみを代表するものではない。例えば、「禁」の部首は「示」であるが、筆順の開始が「木」であるので、「禁」はショートカットキーに該当する漢字「木」に属する。すなわち、ショートカットキーとしての役割をする代表漢字「木」は、「木」から筆順が始まる全ての漢字を意味する。「木」の入力は、初期画面の代表漢字「木」を押した後、一番最初に表れる「木」を押すことによって行われる。すなわち、「木」は2回の入力を通じて入力することができる。他のショートカットキーに該当する漢字も全て同一に適用される。ショートカットキーに該当する各漢字は、色や書体を用いてショートカットキーであることを区分させることができる。
【0088】
ショートカットキーの文字素と組合せ型フォントの配列は、アルファベットA、B、C、D、E、F、G、Hの配列のように「木」文字体系の基準に従う。白丸の「一」〜白丸の「丶」の代わりに一番最初に表れ得る漢字を配置すると、高頻度の漢字がどこに位置するのかを正確に知ることができる。例えば、ユーザが、英語の単語「BOOK」は「B」に属することを直観的に知ることができるのと同一の概念である。
【0089】
ショートカットキー170を押すと、キーボードやキーパッドが一時的に消えるようにし、画面全体に各所属漢字(該当ショートカットキー170に割り当てられた漢字を含む各漢字)が50字〜100字以上表示されるようにする。画面全体から初期画面に戻ってくる記号を作っておくと、非常に便利且つ迅速に漢字を入力することができる。例えば、基本100字を配置する場合、頻度数の高い800字を無条件に2回の入力を通じて入力することができる。普遍的な統計によると、800字の累積使用量は全体文章の80%以上を占有すると言う。ここで、選択した漢字がディスプレイされる場合、選択された漢字と結合する文字又は単語のリストが継続的に全体画面に表れるようにすると、入力の効率性が極大化される。
【0090】
「木」文字体系を用いて入力するキーボードは、その形態に合わせて
図9〜
図21に示すように4個〜28個のキーボタンとして具現することができる。しかし、本発明は、このような配置や形態に限定するものではなく、具現しようとするIT機器の形態に合わせて必要に応じて多様な形状に決定することができる。
【0091】
また、本発明では、ショートカットキーに該当する漢字を用いて所属漢字を入力することができる。ショートカットキーに該当する漢字は、表示部150に表示される漢字のうち特定漢字に「木」文字体系の順序に従って与えられる。
【0092】
一方、本発明の他の特徴では、このような漢字入力装置を用いた漢字検索方法を提供する。漢字検索方法の場合、漢字入力装置で漢字が入力されると、検索キー160を入力する。そうすると、該当漢字に対する情報が表示される。このとき、漢字の情報には音、意味、例文などが含まれる。
【0093】
本実施例に係る「木」文字体系を既存の検索法及び入力法に適用すると、シナジー効果を出すことができる。多くの方法のうち、歴代の主要な3大検索及び入力法は次に示す通りである。
【0094】
(1)既存の部首検索及び入力法は、部首検字表で部首総画を確認した後、残りの画を数えて検索又は入力する方式であるが、この方法に「木」文字体系を適用すると、部首検字表と残りの画を数える方式が全く必要でない。
【0095】
(2)総画検索及び入力法に「木」文字体系を適用すると、五筆画を始めとした多くの補助手段を用いることなく検索及び入力することができる。
【0096】
(3)発音(ピン音、注音、訓音、読音)検索法は、事情によって4個の声調、総画順序、部首順序、筆画順序の補助手段を必要とするが、この方法に「木」文字体系を適用すると、発音の検索後、漢字リストを直観的に検索して入力することができる。この方法に「木」文字体系を適用すると、配列順序の統一性が維持されるので、ユーザが検索及び入力を容易に行うことができる。
【実施例1】
【0099】
以下では、部首検索法に「木」文字体系を適用する場合を説明する。時代的に変化した全ての部首リストに漢字をそれぞれ所属させると、部首の変動が発生するとしても検索の不便が生じない。
【0101】
部首検字表として最も多く用いられている康熙字典の214個の部首を、「木」文字体系によって
図26に示すようにまとめることができる。また、
図27に示すように、部首リストを「木」文字体系のピラミット構造として全ての漢字を検索すると、部首検字表が必要でない。部首検字表が必要でないので、当然、部首の総画の意味が消えると同時に、残りの画を数えて検索する不便が生じない。韓中日の部首補充は、検索の不便によって伝統的な214個の部首から部首の数を変動させ、新たに部首となったものが集まったものである。これを「木」文字体系によってまとめると、
図28の配列順序と
図29のピラミット構造が作られる。
【0102】
図30に示すように、前記214個の部首と韓中日の部首補充を合わせると、これまで変形した全ての部首を含む部首統合リストになる。このように既存の部首のみならず、部首の変動で追加された部首に漢字が全て所属すると、自身が知っている部首のみで漢字を検索することができる。将来、部首がさらに増加するとしても、「木」文字体系によって配列すると、部首の検索に何ら問題も生じない。参考事項として、部首の変動事項を表示することが好ましい。
【0103】
既存の全ての部首リストは、字典と辞典などの全ての書籍に部首ページ情報があるため検索を可能にするが、ユニコードでは、部首リストがあるとしても、部首のユニコード番号情報がないため検索時間が非常に長くなるしかない。しかし、「木」文字体系は、英語のアルファベットのように文字素で検索できるので、部首のユニコード番号情報を必要としない。部首リストがある全ての書籍のみならず、ユニコードでも英語辞典を探すのと同一に検索及び入力を行うことができる。
【0104】
ユニコード漢字は、韓中日の統合漢字20,902字、韓中日の統合漢字拡張−A 6,582字、韓中日の統合漢字拡張−B 42,711字、韓中日の統合漢字拡張−C 4,220字、韓中日の統合互換用漢字467字、康熙字典の部首214字、韓中日の統合部首補充漢字116字、韓中日の統合互換用補充漢字542字などの75,754字が登録されており、拡張−D、拡張−Eに継続して増加している。これらは、部首配列となっているので検索が非常に難しい。さらに、探そうとする漢字がどこに属するのかを正確に知ることができない。しかし、前記の各リストを「木」文字体系でそれぞれまとめると、漢字を直観的に検索することができる。さらに、それぞれ分離されたリストを統合することによって全体のリストを作ると、漢字を直観的に検索することが遥かに容易になる。また、ユーザが、統合された全体のリストで個別漢字の所属を知ろうとする場合、ユーザのために個別漢字の所属情報を提供することができる。
【0105】
また、既存の部首検字表は、本の種類によって部首を英語辞典のように検索できないので、部首の総画を数えるために多少時間をかけるようになるが、「木」文字体系によって
図31〜
図37の部首検字表をまとめると、直観的な検索を行うことができる。英語辞典の場合、本の種類及び厚さとは関係なく、語彙がいくら多くても直観的に直ぐ検索できるのと同様に、「木」文字体系による漢字検索は、文字素単位の検索であるため検索時間が増加しない。すなわち、漢字が無限大に増加するとしても、検索時間が増加しない。
【0106】
「木」文字体系の最も特徴的な点は、既存の数多くの検索法を全く知っていないとしても無限大の漢字を文字素単位で検索できるという点にある。
【0107】
ユニコードの韓中日の統合漢字の三つの部分全体の代わりに、「一」部首を例に挙げると、
図38、
図39、
図40に示すようにそれぞれ配列することができ、
図41に示すように三つの部分を統合してまとめることもできる。
【0108】
前記韓中日の統合漢字の3種を統合した「一」部首を「木」文字体系によって
図42のピラミット構造でまとめることもできる。
【0109】
前記の例を通じて、部首、部首補充、韓中日の統合漢字種類、韓中日の統合漢字を全て含む部首リストをピラミット構造として漢字を検索及び入力することもできる。
【実施例2】
【0110】
発音入力法に「木」文字体系を適用するときの内容を説明すると、多くのピン音入力法のうち、代表的に従来の携帯電話(例:iPhone5(登録商標、図中においても同様))における入力法と本発明の「木」ピン音入力法とを比較してみる。従来の携帯電話に出現する簡体字のピン音リストを示すと、次のように合計103字である。
【0112】
画面において、1列毎に7字ずつ4列を作り、左右に8個の方向キー180を設定し、白丸数字の1〜8を方向キーとして設定する。方向キーは、8個に固定されたものではなく、大型画面であれば100個以上に設定することができる。したがって、方向キー180は画面サイズによって多様に設定することができる。このような方向キー180は、表示する漢字が多い場合、表示されていない残りの漢字を表示させるためのものである。すなわち、表示部150のサイズ制約によって漢字を全て表示できない場合に一部のみを表示し、残りは方向キー180の入力によって表示されていない他の漢字を表示させる。
【実施例3】
【0115】
図43に示した従来の携帯電話のように、ユーザが簡体字のピン音入力中に「r」発音を選択して入力すると、次の12字が出現する。12字を入力及び具現するためには、2回と3回の入力が必要である。
【0116】
「木」ピン音入力法によると、「r」の入力時に28字が表示され、漢字をタッチすると、2回の入力を通じて漢字が入力される。29番目の漢字からは、漢字の方向キーを通じて探すので3回の入力を通じて入力される。「木」ピン音入力法の場合は、最大252字まで3回以内の入力を通じて入力できるが、従来の携帯電話の場合は、103字を3回以内の入力を通じて処理することが不可能である。
【実施例4】
【0117】
図44は、前記103字のうち最も造語力の多い漢字である「人」を入力した後、1音節が結合される入力の例を示す。この方式において、従来の携帯電話の場合は、頻度順配列と一つの方向キー180が使用されるが、「木」ピン音入力法の場合は、
図44に示すように、「木」文字体系の配列による多数の方向キーを使用するので、入力効率性の面で従来の携帯電話との間で絶対的な格差が生じる。
【実施例5】
【0118】
図45の単語入力比較は、従来の携帯電話で最も多く用いられる方式である。スマートフォンやタブレットPCなどの多様な機器の画面サイズによって単語をいくらでも増加可能であるが、現在、従来の携帯電話と類似する画面サイズに単語を適用すると、2音節語を5個ずつ4列にする場合、20単語を処理することができる。「ry」を2回の入力を通じて入力した後で2音節語を選択すると、2音節語が3回の入力を通じて入力される。2音節語が20単語を超える場合、漢字の方向キーを押した後で2音節語を選択すると、2音節語が4回の入力を通じて入力される。
【0120】
前記103個の漢字リストによると、方向キー丸数字の1は、最初の単語「任一」に取り替えられ、方向キー丸数字の2は、最初の単語「如有」に取り替えられる。「任一」と「如有」は、漢字の方向キーとしての役割をするが、タッチを通じて一番最初の単語を入力することができる。漢字の方向キーは、色や書体などで区別することができる。
【0121】
上記で例示した表によると、「木」文字体系によって20単語の配列と8個の方向キーを設定するとき、最大180単語まで4回以内で入力できるので、入力が非常に速くなる。すなわち、180単語まで入力すると、20単語×3回=60回;160単語×4回=640回になり、平均700回/180単語=3.9回になる。従来の携帯電話は、ディスプレイされる単語を最大50個に制限しており、単語を増加させるほど入力平均が非常に高くなる。また、従来の携帯電話に単語を多く増加させることはできるが、頻度順配列のため直観的な検索が難しいので、単語リストを制限するしかない。「木」文字体系は、具現方式、単語配列、方向キー設定などの事情によって柔軟に単語を増加させることができる。したがって、「木」文字体系は、従来の携帯電話と異なり、単語の数による入力平均の偏差がほとんどない。これは、いずれのリストでも直観的な検索がなされるためである。
【0122】
表意文字である漢字は、文字素の概念を有さないので、音標文字と類似する文字体系で検索して入力することが不完全であると認識されている。本発明は、漢字を検索して入力するための文字体系の開発が核心であるので、従来技術に対する共通した問題を包括的に提起することが好ましい。中国、台湾、日本、韓国は、漢字の検索及び入力のために、補助手段としてそれぞれアルファベット、注音符号、カナ文字、ハングルを用いている。これらの補助手段は、発音という共通分母を有している。
【実施例6】
【0123】
総画検索に「木」文字体系を適用した場合を説明すると、伝統的な総画検索は、1)探そうとする漢字の総画を数える段階、2)総画リストを探す段階、3)確認したページを探す段階を経る。
【0125】
総画を数えた後の漢字リスト検索の歴史的な統一基準がないので、全ての字典と辞典での検索が難しい。しかし、「木」文字体系によって歴史的な全ての資料の総画検索を統一させると、総画を数えた後の検索が容易になる。
【0126】
進化された総画検索は、2段階を改良し、総画の補助手段として五筆画(一、|、ノ、丶、乙)を用いている。漢語大辞典のように数万個の漢字の総画リストを検索するために、五筆画×五筆画=25単位に拡大して検索しなければならない。しかし、「木」文字体系は、如何なる補助手段も用いることなく所望の漢字を独自且つ直観的に検索することができる。
【実施例7】
【0127】
筆画入力法は、前記進化された総画検索の補助手段として用いられている五筆画(一、|、ノ、丶、乙)を使用する方法である。
【0129】
全ての漢字は、単字を羅列と組合せで入力することができる。文字素の羅列数はIT機器の事情に従うことが好ましい。文書作業又は文字メッセージなどの漢字を入力するにおいて、
図46に示すように、ディスプレイウィンドウに羅列と組合せを活用すると、単語と文章を速く入力することができる。単語と文章の入力は、文字素を常に1個ずつのみ羅列させる。単字入力、単語と文章入力を一つの画面に同時に具現することができる。
【0131】
ユーザが漢字を組合せで直接入力すると、ピン音使用のため漢字の書き取りを徐々に忘れていく現象、すなわち、漢字記憶喪失症(Chinese character amnesia)を予防することができる。
【実施例8】
【0132】
筆記入力法は、漢字を筆記し、漢字リストから所望の漢字を探して入力する方式である。
【0134】
数千字のリストであっても、英語辞典のように正確に検索して入力することができる。しかし、既存の筆記入力法によると、漢字の数が増加するほど検索が難しくなるので、入力がさらに困難になる。
【実施例9】
【0135】
キーボードを用いることなく、検索を通じた画面移動のみでも、「木」文字体系による全ての漢字リストを検索して入力することができる。タッチの手段は、マウス、指、レーザ、スタイラスペン、思考や瞳孔の動きなどと多様であり得る。ここで、漢字の例示対象は簡体字に限定されているが、繁体字を始めとした異体字、略字、俗字などのいずれの漢字にも同一に適用される。
【0136】
ディスプレイ画面は、一般的なモニターのみならず、スクリーンなどの画面を視覚的に具現できる全てのものに適用することができる。虚空を画面として具現して視覚的に表しても、レーザなどの道具で検索及び入力を行うことができる。
【0137】
前記「木」文字体系の文字素のために、画面の事情によって数十字〜数百字を含むショートカットキーに該当する代表漢字を配置すると、漢字を迅速に探すことができ、より効率的に検索及び入力を行うことができる。これは、「木」文字体系が英語のアルファベット文字体系と同一の概念であるためである。
【国際調査報告】