(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-509170(P2017-509170A)
(43)【公表日】2017年3月30日
(54)【発明の名称】光通信網上で送信するためのCPRI信号の効率的マッピング
(51)【国際特許分類】
H04J 3/06 20060101AFI20170310BHJP
【FI】
H04J3/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2016-529430(P2016-529430)
(86)(22)【出願日】2014年12月16日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月6日
(86)【国際出願番号】IB2014066962
(87)【国際公開番号】WO2015092677
(87)【国際公開日】20150625
(31)【優先権主張番号】61/919,764
(32)【優先日】2013年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/973,605
(32)【優先日】2014年4月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/569,857
(32)【優先日】2014年12月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516134589
【氏名又は名称】アイピーライト リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086461
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 和則
(72)【発明者】
【氏名】ブラックマン、レオン
【テーマコード(参考)】
5K028
【Fターム(参考)】
5K028AA12
5K028BB08
5K028CC02
5K028DD04
(57)【要約】
通信の方法は、第1の通信インタフェース(100,200)内で入力フレームを受信するステップを含み、ここで入力フレームは、それぞれの文字をコード化することに由来するデータシンボルを有し、さらに、対応する文字を持たない1つまたはそれ以上の同期化シンボルを有する。データシンボルからの文字は回復され、そして文字を通信フレーム内にマッピングし、そして同期化シンボルを廃棄することにより、回復された文字は第2の通信インタフェース(104,204)に送信される。同期化シンボルに関係なく入力フレームに同期することにより、前記第2の通信インタフェース内で前記通信フレームから前記文字が抽出される。抽出された文字を再びコード化することにより、第2の通信インタフェース内でデータシンボルと同期化シンボルを含む入力フレームが再構築される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信の方法であって、
第1の通信インタフェース内で入力フレームを受信するステップと、
ここで前記入力フレームは、それぞれの文字をコード化することに由来するデータシンボルを有し、さらに、対応する文字を持たない1つまたはそれ以上の同期化シンボルを有し、
前記データシンボルから前記文字を回復し、そして前記文字を通信フレーム内にマッピングし、そして前記同期化シンボルを廃棄することにより、前記回復された文字を第2の通信インタフェースに送信するステップと、
前記同期化シンボルに関係なく前記入力フレームに同期するステップにより、前記第2の通信インタフェース内の前記通信フレームから前記文字を抽出するステップと、そして
前記抽出された文字を再コード化するステップにより、前記第2の通信インタフェース内で前記データシンボルと前記同期化シンボルを含む前記入力フレームを再構築するステップと、
を有することを特徴とする通信の方法。
【請求項2】
前記データシンボルは共通公衆無線インタフェース(CPRI)信号内で運ばれ、そして8ビットから10ビットへの(8b/10b)コード化プロトコルを使用して8ビット文字から生成され、そしてここにおいて前記回復された文字を送信するステップは、前記回復された文字がその中にマッピングされた前記通信フレームを1つの光通信網上で送信するステップを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記文字をマッピングするステップは、前記入力フレームを前記通信フレームのペイロード領域にマッピングするステップと、そしてマッピングされた少なくとも幾つかの前記入力フレームに対するポインタを前記通信フレームのオーバーヘッドフィールド内に設定するステップと、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記入力フレームに同期するステップは、前記通信フレームの前記ペイロード領域内の前記入力フレームのそれぞれの位置を、前記ポインタを使用して識別するステップを有する、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記入力フレームを受信するステップは、1つのハイパーフレーム内に組織化された多重の入力フレームを受信するステップを有し、そしてここにおいて前記入力フレームに同期するステップは、1つのハイパーフレーム番号(HFN)を運ぶ1つの入力フレームを識別するステップと、そして前記ハイパーフレーム内の前記識別された入力フレームの1つの位置から、前記ハイパーフレーム内の最初の入力フレームの位置を推定するステップと、を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記入力フレームを識別するステップは、1つのハイパーフレームインターバルの1つのフレーム内間隔をそれぞれ有する、多重のインターリーブされたサブ配列に前記入力フレームを分割するステップと、そして、1つのサブ配列であって、前記ハイパーフレーム番号(HFN)を含むと期待される1つのフィールドが、所定の整数範囲内で、2つ以上の前記入力フレームに亘って単調かつ周期的に前記サブ配列内で増加する、サブ配列を識別するステップと、を有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記入力フレームを受信するステップは、前記入力フレームを多重の共通公衆無線インタフェース(CPRI)源から受信するステップを有し、そしてここにおいて前記文字をマッピングするステップは、前記共通公衆無線インタフェース(CPRI)源のなかで交替する、事前に定義された1つのインターリーブ方式を使用して前記回復された文字をインターリーブするステップを有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記同期化シンボルを廃棄するステップは、前記共通公衆無線インタフェース(CPRI)信号の中に前記同期化シンボルの代わりにエラーイベントを示す1つのアラーム信号を設定するステップを有し、ここにおいて前記入力フレームを再構築するステップは、前記アラーム信号がエラーが無いことを示す場合は、前記同期化シンボルを再生成するステップを含む前記入力フレームを再構築するステップを有し、そしてそうでない場合は、故障表示を出力するステップを有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
前記文字をマッピングするステップは、前記通信フレームの境界に整列された前記入力フレームをマッピングするステップを含み、そしてここにおいて前記入力フレームを同期するステップは、前記境界からスタートして前記文字を前記通信フレームから抽出するステップを含む、ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の通信インタフェース内で受信された反対方向の通信フレームから1つの第1のクロック信号を引き出すステップと、そして前記通信フレームを前記第1のクロックを使用して送信するステップと、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の通信インタフェース内に受信された反対方向の入力フレームから1つの第2のクロック信号を引き出すステップと、そして前記再構築された入力フレームを前記第2のクロックを使用して出力するステップと、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項12】
通信用の機器であって、
1つの第1の通信インタフェースと、
ここに前記第1の通信インタフェースは、それぞれの文字をコード化することにより導出されたデータシンボルを有し、そしてさらに対応する文字を持たない1つ以上の同期化シンボルを有する、入力フレームを受信し、前記データシンボルから前記文字を回復し、前記文字を通信フレーム内にマッピングし、そして前記同期化シンボルを破棄することにより前記回復された文字を送信するように構成され;そして
1つの第2の通信インタフェースと、を有し、
ここに前記第2の通信インタフェースは、前記通信フレームを前記第1の通信インタフェースから受信し、前記同期化シンボルに関係なく前記入力フレームに同期することにより前記通信フレームから前記文字を抽出し、そして前記抽出された文字を再コード化することにより、前記データシンボルと前記同期化シンボルを含む前記入力フレームを再構築する、ように構成される、
ことを特徴とする通信用の機器。
【請求項13】
前記データシンボルは共通公衆無線インタフェース(CPRI)信号内で運ばれ、そして8ビットから10ビットへの(8b/10b)コード化プロトコルを使用して8ビット文字から生成され、そしてここにおいて前記第1の通信インタフェースは、前記回復された文字がその中にマッピングされた前記通信フレームを1つの光通信網上で送信するように構成される、ことを特徴とする請求項12に記載の機器。
【請求項14】
前記第1の通信インタフェースは、前記入力フレームを前記通信フレームのペイロード領域にマッピングし、そして前記通信フレームのオーバーヘッドフィールド内に、マッピングされた少なくとも幾つかの前記入力フレームに対するポインタを設定する、ように構成される、ことを特徴とする請求項12または13に記載の機器。
【請求項15】
前記第2の通信インタフェースは、前記通信フレームのペイロード領域内の前記入力フレームのそれぞれの位置を前記ポインタを使用して識別することにより、前記入力フレームに同期するように構成される、ことを特徴とする請求項14に記載の機器。
【請求項16】
前記第1の通信インタフェースは、1つのハイパーフレーム内で組織化された多重の入力フレームを受信するように構成され、前記第2の通信インタフェースは、1つのハイパーフレーム番号(HFN)を運ぶ1つの入力フレームを識別し、そして前記ハイパーフレーム内の前記識別された入力フレームの1つの位置から、前記ハイパーフレーム内の最初の入力フレームの位置を推定するように構成される、ことを特徴とする請求項14に記載の機器。
【請求項17】
前記第2の通信インタフェースは、前記入力フレームを、1つのハイパーフレームインターバルの1つのフレーム内間隔をそれぞれが有する多重のインターリーブされたサブ配列に分割し、そして、1つのサブ配列であって、前記ハイパーフレーム番号(HFN)を含むと期待される1つのフィールドが、所定の整数範囲内で、2つ以上の前記入力フレームに亘って単調かつ周期的に前記サブ配列内で増加する、サブ配列を識別する、ように構成される、ことを特徴とする請求項16に記載の機器。
【請求項18】
前記第1の通信インタフェースは、前記入力フレームを多重の共通公衆無線インタフェース(CPRI)源から受信し、そして前記CPRI源の中で交替する、事前に定義された1つのインターリーブ方式を使用して前記回復された文字をインターリーブする、ように構成される、ことを特徴とする請求項12または13に記載の機器。
【請求項19】
前記第1の通信インタフェースは、前記共通公衆無線インタフェース(CPRI)信号の中に前記同期化シンボルの代わりにエラーイベントを示す1つのアラーム信号を設定するように構成され、そしてここにおいて前記第2の通信インタフェースは、前記アラーム信号がエラーの無いことを示す場合は前記同期化シンボルを再生成することを含み前記入力フレームを再構築し、そしてそうでない場合は故障表示を出力する、ように構成されることを特徴とする請求項12または13に記載の機器。
【請求項20】
前記第1の通信インタフェースは、前記通信フレームの境界に整列された前記入力フレームをマッピングするように構成され、そしてここにおいて前記第2の通信インタフェースは、前記境界からスタートして前記文字を前記通信フレームから抽出することにより前記入力フレームを同期させるように構成される、ことを特徴とする請求項12または13に記載の機器。
【請求項21】
前記第1の通信インタフェースは、受信された反対方向の通信フレームから1つの第1のクロック信号を引き出し、そして前記通信フレームを前記第1のクロックを使用して送信するように構成される、ことを特徴とする請求項12または13に記載の機器。
【請求項22】
前記第2の通信インタフェースは、前記第2の通信インタフェース内で受信された反対方向の入力フレームから1つの第2のクロック信号を引き出し、そして前記再構築された入力フレームを前記第2のクロックを使用して出力するように構成される、ことを特徴とする請求項12または13に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に通信網に関し、特に光通信網上でCPRI信号を送信するための方法およびシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
種々の通信網は多重の基地送信局(BTS)を有し、それは無線周波数(RF)信号をモバイル機器との間で1つまたはそれ以上のアンテナを使用して送受信する。種々の通信網構成では、基地送信局(BTS)は通信網内の他の要素と、サンプリングされそしてデジタル化された形態でRF信号を通信する。例えば共通公衆無線インタフェース(CPRI)標準は、基地送信局(BTS)の無線装置コントローラ(REC)とローカルまたは遠隔無線装置(RE)ユニットとの間のインタフェースを定義している。CPRI仕様は、例えば、2013年8月30日付け「共通公衆無線インタフェース(CPRI)仕様」、バージョン6.0に記載され、それはここに参照として採り入れられる。
【0003】
種々の用途では、CPRI信号は、8ビットの文字を10ビットシンボルにマップする1つのコード化方式(8b/10bコード化と呼ばれる)を使用して、10ビットシンボルとして送信される。8b/10bコード化方式は、例えば、2005年12月12日付け、「IEEE標準802.3−2005:パート3:衝突検出つき搬送波検知多重アクセス方式(CSMA/CD)アクセス方法および物理層仕様」というタイトルを付けられたIEEE標準802.3−2005に定義され、それはここに参照として採り入れられる。
【0004】
CPRI信号は種々のタイプの通信網、例えば、光通信網上で送信されうる。CPRI信号を光伝送網(OTN)上で送信するための種々の方式は、2012年2月の「光伝送網(OTN)用インタフェース」というタイトルのITU−T勧告G709/Y.1331の付属書VIIIに記載され、それはここに参照として採り入れられる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つの実施形態は、第1の通信インタフェース内で入力フレームを受信するステップを有する通信の方法を提供する。入力フレームはそれぞれの文字をコード化することに由来するデータシンボルを有し、さらに、対応する文字を持たない1つまたはそれ以上の同期化シンボルを有する。文字はデータシンボルから回復され、そして文字を通信フレーム内にマッピングし、そして同期化シンボルを廃棄することにより、回復された文字は第2の通信インタフェースに送信される。同期化シンボルに関係なく入力フレームに同期することにより、文字は第2の通信インタフェース内の通信フレームから抽出される。抽出された文字を再コード化することにより、第2の通信インタフェース内でデータシンボルと同期化シンボルを含む入力フレームが再構築される。
【0006】
幾つかの実施形態では、データシンボルは、共通公衆無線インタフェース(CPRI)信号内で伝送され、そして8ビットから10ビットへの(8b/10b)コード化プロトコルを使用して8ビット文字から生成され、そして回復された文字を送信するステップは、回復された文字がその中にマッピングされた通信フレームを1つの光通信網上で送信するステップを有する。他の実施形態では文字をマッピングするステップは、入力フレームを通信フレームのペイロード領域にマッピングするステップと、そして通信フレームのオーバーヘッドフィールド内に、少なくとも幾つかのマッピングされた入力フレームに対するポインタを設定するステップと、を有する。さらに他の実施形態では入力フレームに同期するステップは、ポインタを使用して、通信フレームのペイロード領域内の入力フレームのそれぞれの位置を識別するステップを有する。
【0007】
1つの実施形態では、入力フレームを受信するステップは、1つのハイパーフレーム内に組織された多重の入力フレームを受信するステップを有し、そして入力フレームに同期するステップは、1つのハイパーフレーム番号(HFN)を運ぶ1つの入力フレームを識別するステップと、そしてハイパーフレーム内の識別された入力フレームの1つの位置から、ハイパーフレーム内の最初の入力フレームの位置を推定するステップと、を有する。他の1つの実施形態では、入力フレームを識別するステップは、入力フレームを、1つのハイパーフレームインターバルの1つのフレーム内間隔をそれぞれが有する多重のインターリーブされたサブフレームに分割するステップと、そして、HFNを含むと期待される1つのフィールドが、所定の整数領域内で、2つ以上の入力フレームに亘って単調かつ周期的にその中で増加する、1つのサブ配列を識別するステップと、を有する。さらにもう1つの実施形態では、入力フレームを受信するステップは、入力フレームを多重のCPRI源から受信するステップを有し、そして文字をマッピングするステップは、CPRI源のなかで交替する、事前定義された1つのインターリーブ方式を使用して回復された文字をインターリーブするステップを有する。
【0008】
幾つかの実施形態では、同期化シンボルを廃棄するステップは、CPRI信号の中に同期化シンボルの代わりにエラーイベントを示す1つのアラーム信号を設定するステップを有し、ここにおいて入力フレームを再構築するステップは、アラーム信号がエラーが無いことを示す場合は、同期化シンボルを再生成することを含み入力フレームを再構築するステップを有し、そしてそうでない場合は、故障表示を出力するステップを有する。他の実施形態では、文字をマッピングするステップは、通信フレームの境界に整列された入力フレームをマッピングするステップを含み、そして入力フレームを同期させるステップは、その境界からスタートして文字を通信フレームから抽出するステップを含む。
【0009】
1つの実施形態では、方法はさらに第1の通信インタフェース内に受信された反対方向の通信フレームから1つの第1のクロック信号を引き出すステップと、そして通信フレームを第1のクロックを使用して送信するステップと、を有する。他の1つの実施形態では、方法はさらに第2の通信インタフェース内に受信された反対方向の入力フレームから1つの第2のクロック信号を引き出すステップと、そして再構築された入力フレームを第2のクロックを使用して出力するステップと、を有する。
【0010】
本発明によればさらに、第1の通信インタフェースと第2の通信インタフェースとを有する通信用の機器が提供される。第1の通信インタフェースは、それぞれの文字をコード化することにより導出されたデータシンボルを含み、そしてさらに対応する文字を持たない1つ以上の同期化シンボルを含む、入力フレームを受信し、データシンボルから文字を回復し、文字を通信フレーム内にマッピングし、そして同期化シンボルを破棄することにより回復された文字を送信するように構成される。第2の通信インタフェースは、通信フレームを第1の通信インタフェースから受信し、同期化シンボルに関係なく入力フレームに同期することにより通信フレームから文字を抽出し、そして抽出された文字を再コード化することにより、データシンボルと同期化シンボルを含む入力フレームを再構築する、ように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、以下の図面を伴う本発明の実施形態の詳細な説明から、より十分に理解されよう。
【
図1】本明細書に記載の1つの実施形態に基づく、共通公衆無線インタフェース(CPRI)信号を伝送する1つの通信網を概略示すブロック図である。
【
図2】本明細書に記載の1つの実施形態に基づく、CPRIフレーム階層構造を概略示す図である。
【
図3】本明細書に記載の1つの実施形態に基づく、OTNフレーム階層構造とCPRI信号伝送におけるその使用方法を概略示す図である。
【
図4】本明細書に記載の1つの実施形態に基づく、CPRIレートオプション−1のCPRIチャネルを1つのOTNマルチフレームにマッピングするためのテーブルを示す図である。
【
図5】本明細書に記載の1つの実施形態に基づく、CPRIレートオプション−2のCPRIチャネルを1つのOTNマルチフレームにマッピングするためのテーブルを示す図である。
【
図6】本明細書に記載の1つの実施形態に基づく、CPRIレートオプション−3のCPRIチャネルを1つのOTNマルチフレームにマッピングするためのテーブルを示す図である。
【
図7】本明細書に記載の1つの実施形態に基づく、CPRIレートオプション−5のCPRIチャネルを1つのOTNマルチフレームにマッピングするためのテーブルを示す図である。
【
図8】本明細書に記載の1つの実施形態に基づく、同期のためにCPRI基本フレームに対しポインタを使用する方法を示す図である。
【
図9】本明細書に記載の1つの実施形態に基づく、光通信網を介してCPRI信号を通信することにおけるデータの流れを概略示すブロック図である。
【
図10】本明細書に記載の1つの実施形態に基づく、CPRIからOTU2へのマッパーおよびOTU2からCPRIへのデマッパーのハードウェア実装を概略示すブロック図である。
【
図11】CPRIレートオプション−3のCPRI信号を1つのOTNマルチフレームに整列マッピングするためのテーブルを概略示す図である。
【
図12】CPRIレートオプション−5のCPRI信号を1つのOTNマルチフレームに整列マッピングするためのテーブルを概略示す図である。
【
図13】本明細書に記載の1つの実施形態に基づく、CPRIからOTU2へのマッパーおよびOTU2からCPRIへのデマッパーの、ハードウェア実装の他の選択肢を概略示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
種々の通信網は1つの中央局に接続する多重の基地局サイトを有する。大規模な展開では、基地送信局(BTS)と中央局との距離は一般的に約10−30Kmであり、1つの専用の基地局コントローラを持つそれぞれのアンテナを別々に中央局に接続することはコスト的に不可能である。コストを削減する1つの方法は、アンテナ毎に遠隔無線ヘッド(RRH)を設け、そして、多重のアンテに対する、基地局の制御機能を中央局の内部で(または近くで)実行することである。
【0013】
遠隔無線ヘッド(RRH)ユニットは一般的に、アンテナにおける無線周波数(RF)信号と,サンプリングされそしてデジタル化されたRF信号の形式の間を変換するように設計される。中央局の基底帯域ユニット(BBU)(またはBBUのプール)は、1つ以上の基地送信局(BTS)の遠隔無線ヘッド(RRH)に対して、基地局の制御機能を実行する。遠隔無線ヘッド(RRH)の中で、無線周波数(RF)信号は、例えば上記のCPRI仕様に従って、サンプリングされそしてデジタル化されて共通公衆無線インタフェース(CPRI)信号となりうる。
【0014】
共通公衆無線インタフェース(CPRI)信号は、任意の適合する通信網、たとえば光通信網を介して、基底帯域ユニット(BBU)と遠隔無線ヘッド(RRH)の間で送信されてもよい。その光通信網は、例えば、上記のITU−T勧告G709/Y.1331に記載される1つの光伝送網(OTN)を有してもよい。所定のBBUからRRHへ(またはRRHからBBUへ)の接続に関係するCPRI信号は、本明細書ではまた、CPRIクライアント信号、CPRIチャネル、またはCPRIソースと呼ばれる。従来は、RRHは受信信号のクロックを送信クロックとして使用し(ループバックタイミング)、そして異なるセクターのRRHに接続されるBBUは同一のクロックソースを使用する。
【0015】
本明細書に記載の本発明の1つの実施形態は、光通信網を介したCPRI信号の効率的な伝送のための改良された方法とシステムを提供する。いくつかの実施形態では、中央局のBBUインタフェースとBTSサイトのRRHインタフェースは、光通信網を介した伝送のためにCPRI信号をインタフェース接続する。
【0016】
幾つかの実施形態では、BBUインタフェースはBBUから、それぞれの文字のコード化に由来するデータシンボルを含むCPRI信号を受信する。上記のCPRI仕様に従って、文字はデータバイトからなり(即ち8ビット文字)、データシンボルは10ビットシンボルからなり、そしてコード化方式は8ビットから10ビットへの(8b/10b)ラインコード化方式を含む。CPRI仕様はラインビットレートに関し異なるオプションを定義し、それはオプション1のラインレート614.4Mビット/秒の整数倍である。
【0017】
CPRI仕様はさらにフレーム階層構造を定義し、その中でCPRI信号のデータシンボル(またはそれぞれの文字)は、基本フレーム、ハイパーフレームおよびCPRIフレームに組織化される。従って1つのCPRIフレームは150個のハイパーフレームからなり、そして1つのハイパーフレームは256個の基本フレームからなる。1つのハイパーフレームの64番目の基本フレームはハイパーフレーム番号(HPN)を運び、それは0...255の範囲の連続循環カウンターである。開示された技術は上記のCPRI信号およびフレーム階層構造に限定されず、任意の他の適合する信号構造およびフレーム階層構造も使用されうる。
【0018】
8ビット文字から10ビットデータシンボルへのコード化は可能な全ての10ビットシンボルを使用せず、そして従って対応する文字を持たないシンボルに対する余地を残す。このようなシンボルは制御および同期化に使用されてもよい。例えば、各CPRIハイパーフレームの第1番目のシンボルは、CPRI仕様に従ってフレーム同期化のために機能する、1つの同期化シンボルを含む。
【0019】
幾つかの実施形態では、BBUインタフェースはデータシンボルから文字を回復し、同期化シンボルを破棄し、そして文字を光伝送網(OTN)の通信フレーム内にマッピングする。10ビットシンボルの代わりに未処理の8ビット文字をマッピングすることはオーバーヘッドに有意の減少をもたらす。1つの実施形態では、BBUインタフェースは、破棄された同期化シンボルの代わりに、CPRI信号に関するエラーイベントを示す1つの警報表示文字を挿入する。
【0020】
遠隔無線ヘッド(RRH)インタフェースは、光伝送網(OTN)の通信フレームを受信し、上記の同期化シンボルに関係なくCPRI基本フレームとハイパーフレームに同期する。いくつかの効率的な同期方法が以下に詳細に記載される。RRHのインタフェースは、典型的には、抽出した文字を再コード化することによって、データシンボルと廃棄された同期化シンボルの両方を含むCPRI信号を再構成し、そしてRRHに再構成されたCPRI信号を送信する。BBUとRRHは、従来どおりCPRI信号を通信し、そして光通信網上でのCPRI信号の効率的な送信に気づいていない。
【0021】
いくつかの実施形態では、多重のCPRI信号が同一のクロック源に同期され、従って、1つのOTNマルチフレームにマッピングされてもよい。1つの例示的な実施形態では、そのOTNマルチフレームは、9つのOTNフレーム、例えば、ODUKまたはOTUK構造を含む。多重のCPRI信号の文字は、スタッフィング文字を一切追加しないビット同期マッピング手順(BMP)を使用して、例えばCPRI信号‐あたり−文字ベースで多重のCPRI信号をインターリーブすることによって、OTNフレームのペイロード領域にマッピングされる。
【0022】
さらに、各CPRI信号の最初の完全な基本フレームに対する1つのポインタまたはオフセットが、OTNフレームのオーバーヘッド領域に設定される。通信網からOTNの通信フレームを受信すると、BBUインタフェースとRRHインタフェースは、上記の同期化シンボルに関係なく、OTNフレーム内の基本フレームに同期させるためこれらのポインタを使用する。
【0023】
代替の実施形態では、基本フレームは、OTNフレームの境界に整列されたペイロード領域にマッピングされる。このような実施形態では、基本フレームに対するポインタは必要ない。しかし、そのようなアラインメントを達成するために、これらの実施形態は、最大1基本フレームの遅延を導入してもよい。
【0024】
実際に使用されるビット同期マッピング手順(BMP)マッピングは、CPRI信号のCPRIレートオプションに依存する。開示された実施形態のいくつかは、OTNポイント・ツー・ポイント接続を介したCPRI信号の次の通信構成をサポートする:
・24個のCPRIオプション−1信号
・12個のCPRIオプション−2信号
・6個のCPRIオプション−3信号
・3個のCPRIオプション−5信号
【0025】
OTNフレームにCPRI信号のオリジナルの10ビットデータシンボルではなく、むしろ8ビット文字をマッピングすることにより、そしてビット同期マッピング手順(BMP)マッピングを使用する(すなわちスタッフィング無く)ことにより、開示された技術は光通信網を介した通信データレートにおいて、20%以上の減少を達成した。開示された技術を用いてCPRI信号は光通信網を介して、誤り訂正符号化無しで約11.84Gbit/秒、誤り訂正符号化有りで約12.64Gbit/秒のレートで伝送されうる。あるいは、開示された技術は、任意の他の適切なレートオプションのCPRI信号を、任意の適切なOTN伝送レートの任意の他の適切なOTN構造の中にマッピングするために適用されうる。
【0026】
いくつかの実施形態では、CPRIハイパーフレームに同期させるため,BBUまたはRRHインタフェースは、最初にハイパーフレーム番号(HFN)を運ぶ基本フレームを識別し、その後ハイパーフレーム内のこれらの基本フレームの位置からハイパーフレームの境界を推定する。1つの実施形態では、HFNを運ぶ基本フレームを識別するために、BBUまたはRRHインタフェースは、基本フレームを、各々がハイパーフレーム間隔のフレーム内スペースを有する、多重のインターリーブされたサブ配列に分割し、そして、サブ配列の中のHFNを含むことが期待される1つのフィールドが2つ以上の基本フレームに亘って、0...149の範囲で単調にそして循環的に増加する、1つのサブ配列を識別する。インタフェースは、このサブ配列が64番目の基本フレームにおいてハイパーフレームに同期されるべきであると考える。
【0027】
原則として、BBUインタフェースとRRHインタフェースのそれぞれは、通信網にOTNフレームを送信するためのローカルクロック信号を生成することができ(すなわち、CPRI信号のクロックから独立して)、そして受信したOTNのペイロードから、CPRI信号をBBUとRRH向かって送信するためのクロック信号を回復することが出来る。しかし、このようなスキームは、回復されたクロック信号において、周波数および/または位相の真の値からの大きな瞬間的偏差(ワンダーとも呼ばれる)を生じ、そのことはエラーか、そうでなければ性能低下をもたらす可能性がある。
【0028】
開示された実施形態のいくつかでは、BBUインタフェースは、BBUによって送信されたCPRI基本フレームからCPRIクロックを回復し、そしてこの回復クロックを、CPRI信号をBBUインタフェースからBBUに逆方向に送信するために使用する(ループバックタイミング)。BBUインタフェースはOTNフレームを通信網に送信するため、回復されたCPRIクロックを事前定義された比率で上方変換する。
【0029】
RRHインタフェースは、受信したOTNフレームからOTNクロックを回復し、そして回復されたOTNクロックを、BBUに向けて通信網にOTNフレームを送信するために使用する(すなわち、ループバックタイミング)。RRHインタフェースは、RRHにCPRI信号を送信するための回復されたOTNクロックを下方変換する。1つの実施形態では、BBUインタフェースにおける上方変換比とRRHインタフェースにおける下方変換率は、互いの逆数からなる。開示されたループバックタイミング技術は、周波数と位相ワンダーの程度を、ローカルに生成されたOTNクロック信号を使用する場合に比べ、有意に減少させる。
【0030】
(システムの記述)
図1は、本明細書中に記載される実施形態による、共通公衆無線インタフェース(CPRI)信号を伝送する通信網20を概略示すブロック図である。通信網20は中央局24を有し、その中央局24は1つのIPオーバーマルチプロトコルラベルスイッチング(IP/MPLS)通信網に接続する。中央局24は、IP/MPLSデータを運ぶ共通公衆無線インタフェース(CPRI)信号を、1つの通信網32上で、多重の遠隔無線ヘッド(RRH)ユニット26と通信する。中央局とRRHとの間の距離は一般的に約10−30キロであるが、より短いまたはより長い距離も可能である。
【0031】
通信システム20は、GSM(登録商標)、符号分割多重接続(CDMA)、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)、ロングタームエボリューション(LTE)、またはLTEアドバンスト(LTE−A)のような、任意の適切な技術を使用した、任意の適切な通信網を含んでもよい。IP/MPLS通信網および中央局を含む通信網20の一部はまた、バックホール通信網と呼ばれる。通信網32を含む通信網20の一部は、フロントホール通信網と呼ばれる。いくつかの実施形態では、通信網32は、例えば、光伝送網(OTN)のような光配送通信網を含む。OTNは例えば、上記のITU−T勧告G709/Y.1331に記載されている。
【0032】
システム20は多重の基地送受信局(BTS)タワー36を有し、その頂部に1つ以上の無線周波数(RF)アンテナ38が搭載される。一般的に、RRHユニット26は各アンテナ38の近くに搭載されている。
図1の例示的システムでは、各BTSタワー36は3つの指向性アンテナ38を有し、それにより3セルBTSを実現している。代替実施形態では、各BTSは、最大6つのセクターを有する。さらに代替的には、他の任意の適切な数のBTSあたりのセクターが使用できる。
【0033】
無線機器(RE)ユニットとも呼ばれる遠隔無線ヘッド(RRH)26ユニットは、一般的に、アンテナ38に接続されるRF回路、ならびにアンテナにおけるRF信号と、RF信号がサンプリングされデジタル化されたバージョンの間の変換のための、上方/下方変換器、アナログ−デジタル/デジタル−アナログ変換器(不図示)を有する。
【0034】
中央局24は、基底帯域ユニット(BBU)40のプールとBBU OTNインタフェース44を有する。各BBU40とそれが通信するそれぞれのRRHは、通信網20内の1つの基地局(BS)の分散型の実装として見ることができる。とりわけ、BBU40は、IP/MPLS通信網から受信されたデータをCPRI信号に変換し、そのCPRI信号は通信網32を介してRRHに送信され、そしてBBU40は、通信網32を介してRRHから受信したCPRI信号をIP/MPLS通信網への伝送に適したデータ形式に変換する。
【0035】
BBUからRRHへの方向において、BBU OTNインタフェース44は、各BBU40から受信したCPRI信号を、通信網32を介して送信するのに適合した通信フレームの内にマッピングする。反対のRRHからBBUへの方向において、BBU OTNインタフェース44は、通信網32を介して受信した通信フレームをデマッピングしてCPRI信号を回復し、そしてそのCPRI信号を関係するBBU40に送達する。
【0036】
システム20は、さらに、通信網32とBTSサイトのRRH26との間をインタフェースする多重のRRH OTNインタフェースユニット48を有する。BBUからRRHへの方向において、RRH OTNインタフェース48は通信網32から受信した通信フレームからCPRI信号を抽出し、そしてそのCPRI信号をそれぞれのRRH26に送信する。RRHからBBUへの方向において、RRH OTNインタフェース48は所定のRRH26からCPRI信号を受信し、そのCPRI信号を通信網32の通信フレームの中にマッピングし、そしてその通信フレームをそれぞれのBBU40に通信網32を介して送信する。
【0037】
図1の通信システム20の構成は、例として示され、そして代替実施形態においては、他の任意の適切なシステム構成が使用可能である。例えば、
図1においては各BTSは、3つのRRHユニットを有するが、代替実施形態では、1つのBTSが他の任意の適切な数のRRHを有してもよく、そして異なるBTSが異なる数のRRHを有してもよい。
【0038】
図2は、本明細書中に記載の実施形態に基づく、CPRIフレームの階層構造を示す図である。
図2に見られるように、CPRI信号は、階層的なフレーム構造で伝送される。前に引用されたCPRI仕様に従って、1つのCPRIフレームは文字Zによってインデックス付けされた150のハイパーフレームを含み、1つのハイパーフレームは、文字Xによってインデックス付けされた256の基本フレームを含み、1つの基本フレームは文字Wによってインデックス付けされた16のワードを含む。各ワードは文字Yでインデックス付けされた(CPRIレートオプションによる)1つまたはそれ以上のバイトを含む。W=0でインデックス付けされたワードは、1つの制御ワードを含む。
【0039】
上述したように、ワードあたりのバイト数は、CPRIレートオプションによって異なる。
図2の例は、CPRIオプション−3レートに関し、そこでは基本フレーム内の各ワードは4バイトからなり、すなわち、Y=0,1,2,3である。以下の表1は、様々なCPRIレートオプションに対応するいくつかのワードサイズのまとめである。 CPRI仕様によれば、基本フレームのフレームレートは、3.84MHzである。あるいは、他の任意の適切なフレームレートも使用可能である。
【表1】
【0040】
また、制御ワードのバイト、それは本明細書では制御バイトとも呼ばれるが、はインデックスZ、X、Yが割り当てられ、ここでX及びZは、それぞれ、CPRIフレームインデックスおよびハイパーフレームインデックスを意味し、そしてYは、制御ワード内の各バイトを意味する。
図2の例では、ワードは4バイトからなり、そして制御バイトインデックスはZ.X.0、Z.X.1、Z.X.2およびZ.X.3と表示される。
【0041】
前に引用されたCPRI仕様は、基本フレームの8ビット文字(すなわち、バイト)と、通信網を介して送信されると10ビットのCPRIデータシンボルとの間の可逆ラインコード化マッピング方式を定義する。8ビットから10ビットへのマッピングはまた、8b/10bコード化方式、またはラインコード化方式と呼ばれている。 CPRIデータシンボルは、可能な1024個の10ビット値の内512個のみを使用する。残りの512個の10ビット値の1つまたはそれ以上は、同期および制御のために使用される。
【0042】
例えば、先に引用したCPRI仕様に従って、1つのハイパーフレーム内の第1の基本フレームのバイトZ.X.0(すなわち、Z.0.0)は、K28.5と表記される同期化シンボルを含み、それはハイパーフレームの開始に印を付ける。また、制御バイトZ.64.0(すなわち、ハイパーフレーム内のインデックスが64である基本フレームの制御ワード内)は、ハイパーフレーム番号(HFN)すなわち、値Zを保持する。0≦Z≦149であり、したがって、1バイトで表現されうることに留意されたい。
【0043】
開示された技術では、CPRI信号は、CPRI信号と共に受信されるラインコードを除去した後、通信網32を介して送信される。10ビットのシンボルの代わりに8ビットを送信すると、通信網を介したデータレートの20%の減少を達成する。8ビット文字は10ビットシンボルから回復され、そして通信網32を介して送信される通信フレーム内にマッピングされる。また、8ビット文字のみが通信網32上を送信されるため、同期化シンボルK28.5が破棄され、そして後述するような、代わりの新規の同期メカニズムが使用される。いくつかの実施形態では、制御バイトZ.0.0に対し同期化シンボルK28.5を送信する代わりに、制御バイトZ.0.0は、後述するように、警報信号を送出するために使用する。
【0044】
図2中のCPRIフレームの階層構成は、例示として与えられる。代替実施形態では、他の任意の適切なフレームの階層構造が使用できる。例えば、バイトZ.0.0において同期化シンボルとしてK28.5シンボルを用いること、そしてHFNを保持するためにバイトZ.64.0を使用することは必須ではなく、他の任意の適切な設定も可能である。
【0045】
図3は、本明細書中に記載の1つの実施形態に従った、OTNフレームの階層構造とそれをCPRI信号を伝送するために使用する方法を概略示す図である。OTNフレームの構造および階層は、例えば前に引用したITU−T勧告G.709/Y.1331に定義されている。
図3は3つの基本的OTN情報構造(またはフレーム)を示し、それはそれぞれ、光チャネル−ペイロードユニット(OPUK)、データユニット(ODUK)、伝送ユニット(OTUK)を定義する。インデックスK=0 ...4は、先に引用したITU−T勧告G.709 / Y.1331の表7−1から7−4に定義されている対応する信号レートを指す。本特許出願の文脈においてOPUK、ODUK及びOTUK構造は、集合的にOTN構造またはOTNフレームと呼ばれる。
【0046】
OTUKフレームは4行と4080列の長方形の構造として構成される。OTUKフレームの最初の3824列は、ODUKフレームからなり、そして残りの第3825−4080列は、OTUKフレームの前方誤り訂正符号(FEC)例えば、リードソロモン(RS)FECコードを含む。
【0047】
ODUKフレームの第1−14列は、ODUKオーバーヘッド(OH)領域、OTUK OH領域およびフレームアライメント オーバーヘッド(FA OH)領域を含む。OTUK及びODUKフレームのオーバーヘッド領域は、一般的に、アラーム表示、エラー監視、保守信号および保護スイッチ制御チャネルに関する情報を運ぶ。
【0048】
OTUKフレームの第17−3824列は、CPRI信号を搬送するOPUペイロード領域を含み、第15−16列は、それぞれのOPUオーバーヘッド領域60を含む。OPU OH60の15列の3つのRESバイトは予備である。ペイロード構造識別子(PSI)バイトは、一般的に、256バイトのPSI信号を、多重のODUKのフレームにわたって伝送する。第16列の多重フレーム識別子(OMFI)バイトは、一般的に、多重フレームのOTN構造においてフレームカウンタとして使用される。例えば、以下に開示される幾つかの実施形態では、OMFIバイトはOTN多重フレーム構造においてフレームカウンタとして機能し、そのOTN多重フレーム構造は以下に説明されるように、1つの多重フレームに3の倍数のOTNフレームを含み、例えば、1つの多重フレームに9個または3個のOTNフレームを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、第16列の最初の3つのバイト(OPU OH60内の)は、BFPn、BFPn+1、BFPn+2と表示され、OPU領域内のCPRI基本フレームに対するポインタとして使用される。いくつかの実施形態では、BFPn値は、多重フレーム識別子(OMFI)=0x00であるフレーム内の(OTN多重フレーム内の)1つのCPRIチャンネル(n)に対するOPU2のペイロード内に、このチャネルの完全なCPRI基本フレームが開始する前に、マッピングされたバイト数を表す。1つの実施形態では、表2にまとめたようなCPRIレートオプションに応じて、異なる数のCPRI信号(又はチャネル)がOPU領域に運ばれる。幾つかの実施形態では、未使用のBFPnバイトは0x00または他の任意の適切な値に設定される。例えば、未使用BFPnは、受信側での検出時間を短縮するため、使用済みBFPn値を複製してもよい。
【表2】
【0050】
上述したように、いくつかの実施形態ではCPRIチャネルは9個のOTNフレームの多重フレーム構造内のOPUペイロード領域にマッピングされる。表3は、0...8の範囲の各OMFI値に対するBFPn値の割り当てをまとめたものである。また、表3は、CPRIレートオプションに応じて、どのBFPn値が必要とされるかを示す。どのBFPn値にも割り当てられないバイトは、予備のバイトとして機能する。
【表3】
【0051】
図4−7は、本明細書に記載されている実施形態による、種々のCPRIレートオプションに対してCPRIチャネルをOTNマルチフレームへマッピングするテーブルを示す図である。各テーブルは、9フレームのOTNマルチフレームのそれぞれの搬送ユニット(OTUK)フレームに対応する9個のOPU領域からなる。表4は、使用されるCPRIレートオプションの関数としてのマッピングされたCPRIチャネルの数を示す。
【表4】
【0052】
図4−7のテーブルで、第15列および16列はOPU OH領域60を示し、第17... 3824列は、例えば上記
図3に記載されるように、OPUペイロードエリアを示す。第16列の多重フレーム識別子(OMFI)値は第1のペイロードのための0x00から、最後のペイロードの0x08までOTN多重フレーム内で増加する。列16におけるBFPn値は、上記の表3に従って割り当てられる。例示的な実施形態では、CPRIチャネルはバイトインターリーブ方式でマッピングされる。CPRIチャネルのマッピングは、多重フレーム識別子(OMFI) 0x00に対応する、ペイロードの第17列および1行目から始まる。CPRIチャンネルは順番にマッピングされる−各チャンネルCH1...CHNのそれぞれから1バイト。各チャネルからのバイトの順番のマッピングは、OTN多重フレーム全体を充填するまで繰り返される。あるいは、他の任意のインターリービング方式、おそらくチャネルごとに複数のバイトを順番にマッピングする方式も使用できる。
【0053】
図4のテーブルは、24個のCPRIチャネルを1つのOTN多重フレームにマッピングするための方式を記載する。チャネルのバイトが繰り返される順番、CH1 ... CH24でマッピングされる。上記表3に見られるように、この場合、すべてのBFP1... BFP24値が使用される。
図5のテーブルは、12個のCPRIチャンネルを、OTN多重フレームに、繰り返される順番CH1 ... CH12で、BFP1... BFP12のみを使用して、マッピングする。
【0054】
同様に、
図6のテーブルは、反復される配列CH1 ... CH6(およびBFP1 ... BFP6)を使用して、6個のCPRIチャネルをOTN多重フレームにマッピングし、そして
図7のテーブルは、反復される配列CH1 ..CH3(およびBFP1 ..BFP3)を使用して、3個のCPRIチャネルをOTN多重フレームにマッピングする。
【0055】
上記の
図4−7中のマッピングテーブルは、例示として示され、そして代替の実施形態では、他の任意の適切なマッピングテーブルが使用できる。例えば、
図4−7のテーブルでは、チャンネルは順番にインターリーブされるが、他の実施形態では、他の任意の適切なインターリービング方式も使用可能である。
【0056】
図8は、本明細書中に記載の実施形態による、同期のためポインタをCPRI基本フレームへ使用する方法を示す図である。
図8のマッピングテーブルは、上記
図6と同じであり、6個のCPRIオプション3チャンネルを9個のフレームのOTN多重フレーム内にマッピングすることに関する。例えば、多重フレーム識別子(OMFI)= 0x00に対応するOPUKの中にマッピングされた3バイトが、チャネルn=5からのCPRI基本フレームの最後の3バイトであると仮定する。チャネルn=5の次の完全CPRI基本フレームへのオフセット(バイト単位)はBFPn=BFP5=3に関する。テーブルはN=6個のチャンネルを順番にマッピングしているので、OPUK構造内のオフセットはBFP5xN=3x6=18バイトであり、そしてODUK(またはOTUK)構造の最初のバイトに対するオフセットは、17+3x6+(5−1)=39バイトで与えられる。結論として、
図8の矢印により示されるように、BFP5は、チャネルn=5の最初の完全CPRI基本フレームを指すように、OMFI=0x01に対応するペイロードにおいてBFP5=3に設定されるべきである。
【0057】
図8に記載の、BFPn値を使用して基本フレームを指す方法は、例示として示され、そして代替の実施形態では他の任意の適切なポインティング方法が使用可能である。例えば、BFPn値はOMFI=0x00のOTN構造内の基本フレームを指すために使用するが、代替的な実施形態では、1つのBFPnは、最初以外の、おそらくOMFI>0x00のOTNフレーム内の1つの基本フレームを指してもよい。
【0058】
(データフローとクロックタイミング)
図9は、本明細書中に記載の実施形態による、光通信網を介したCPRI信号通信におけるデータフローを概略示すブロック図である。
図9中の基底帯域ユニット(BBU)40は、光通信網32を介して遠隔無線ヘッド(RRH)ユニット26とCPRI信号を通信する。例えば
図1のシステム20において記載されているように、BBU40は中央局24内に存在してもよく、そしてRRH26は、BTSタワーの上に取り付けられてもよい。
【0059】
BBU40とRRH26は、それぞれ、BBU OTNインタフェース44とRRHOTNインタフェース48を使用して、通信網32を介してCPRI信号を通信する。本実施例では、通信網32は、光伝送通信網(OTN)を備え、そしてCPRI信号をODUK構造にマッピングすることにより、CPRI信号が通信網経由で配信される。あるいは、CPRI信号は、OTUK構造、すなわち前方誤り訂正符号(FEC)を含む構造中に、またはOTNの他の任意の適切な構造内にマッピングされてもよい。簡潔化のため、BBU OTNインタフェース44とRRH OTNインタフェース48は単にそれぞれBBUインタフェース、RRHインタフェース、とも呼ばれる。
【0060】
以下の記述では我々は、BBUが上記で引用されたCPRI仕様に従ってCPRI信号を生成することを前提とする。詳細には、我々は、CPRI信号が、適切な8b/10bラインコード化方式を使用して、8ビット文字(バイト)からコード化された10ビットのCPRIシンボルを運ぶことを前提とする。また、CPRI信号は、例えば、上記
図2に示すように、CPRI基本およびハイパーフレームを含むフレーム階層を使用して伝送される。
【0061】
BBUからRRHへの方向において、CPRIからODUKへのマッパー70(または単に簡潔化のため、マッパー)はそれぞれのBBU40からCPRI信号を受信する。マッパー70は10ビットのシンボルからCPRI信号のバイトを回復し、そして後述するように、K28.5同期化シンボルをアラーム文字で置き換える。マッパー70は、その後CPRIバイトを、例えば、上記
図4−7に記載のマッピングテーブルの1つを使用して、ODUK構造内にマッピングする。マッパー70はODUKフレームを通信網32に送信する。
【0062】
RRHインタフェース48内のODUKからCPRIへのデマッパー74は、通信網32からODUKフレームを受信し、そしてCPRI基本およびハイパーフレームに(以下に詳細に説明するように)同期させる。デマッパー74は、例えば、上記
図4−7のマッピングテーブルの1つを使用して、異なるCPRI信号のCPRIバイトを抽出し、8b/10bコード化方式を使用してCPRIバイトを10ビットのシンボルに再コード化し、バイトZ.0.0の代わりにK28.5同期化シンボルを再生成し、そしてCPRI信号をRRH26に送信する。類似のフローおよび処理がRRHからBBUへの方向に適用される。マッパー70とデマッパー74の例示的ハードウェア実装は、さらに以下で記述される。
【0063】
原則として、BBUインタフェース44とRRHインタフェース48はそれぞれ、通信網にODUKフレームを送信するためのローカルクロック信号(すなわち、CPRI信号のクロックから独立して)を生成することができる。そのような解決策では、BBUとRRHに向かうCPRI信号を送信するためのクロック信号は、CPRI信号に加えて、スタッフィングバイトを含むことができるODUKペイロードから回復されるであろう。しかしながら、このような方式は、一般的に、例えばクロック回復部が、スタッフィングバイトを検出したときに階段関数を用いて周波数を補正しようとする場合に、回復されたクロック信号内に真の値からの大きな瞬間的な周波数および/または位相の偏移(ワンダーとも呼ばれる)をもたらす。大きなワンダーレベルが許容できないほどになり、そして性能低下をもたらす可能性がある。
【0064】
以下に開示される実施形態では、BBUは、CPRI信号のクロックに同期したクロック信号を使用して通信網にODUKフレームを送信する。また、RRHからBBUへの方向において、RRHインタフェース48が通信網にODUKフレームを送信するために使用するクロック信号、およびBBUインタフェース44がBBU40にCPRI信号を送信するために使用するクロック信号は、ループバックタイミング技術を用いて生成される。このように、ここで開示されるタイミング方式は、一般的に従来のタイミング方式でもたらされるワンダーレベルよりも有意に小さいワンダーレベルをもたらす。
【0065】
BBUインタフェース44は、BBU40からCPRI信号を受信し、そしてそれぞれの(f1と表示される周波数の)CPRIクロック信号を回復するクロック回復ユニット78を備える。ループバックタイミングを使用して、BBUインタフェース44内のデマッパー74は、(RRHに由来する)CPRI信号をBBU40に送信するためにクロック回復ユニット78によって回復されたクロック信号を使用する。周波数上方変換器82は、周波数が、f1にODUKとOPUK構造の間のサイズの違いを補正する係数238分の239を乗じた周波数に等しい、クロック信号を生成する。マッパー70は、ODUKフレームを通信網32に送信するためにその上方変換されたクロック信号を使用する。
【0066】
RRHインタフェース48では、クロック回復ユニット86が、ODUKフレームから(
【数1】
と表示される周波数の)ODUKクロック信号を回復する。周波数下方変換器ユニット90は、クロック回復ユニット86の出力を比率239分の238により下方変換する。周波数上方変換器82および周波数下方変換器ユニット90は逆数の変換比率を使用するため、周波数下方変換器ユニット90によるクロック信号出力の周波数は、BBU由来のCPRI信号のクロック周波数に非常に近い。RRHインタフェース48内のデマッパー74は、(BBUに由来)CPRI信号をRRH26へ送信するために、周波数下方変換器ユニット90によるクロック信号出力を使用する。クロック回復ユニット86によるクロック信号出力は、RRHインタフェース48のマッパー70から通信網32にODUKフレームを送信するために使用される(ループバックタイミング技術)。
【0067】
図9に示されるデータフローおよびタイミング方式は、例示として示され、そして代替の実施形態では他の任意の適切なデータフロー及びタイミング方式が使用可能である。例えば、ODUK構造ではなくOTUK構造を使用する同様の実施形態では、上方および下方変換器82と90の変換比率は、それぞれ、238分の255および255分の238で与えられる。あるいは、他の任意の適当なOTN構造と対応する周波数変換比率が使用可能である。
【0068】
(ハードウェアでのCPRI−OTNマッパーとデマッパーの実装)
図10は、本明細書に記載の実施形態による、CPRIから光チャネル搬送ユニット(OTU2)へのマッパー100と、OTU2からCPRIへのデマッパー104のハードウェア実装を概略示すブロック図である。CPRIからOTU2へのマッパー100とOTU2からCPRIへのデマッパー104は、簡略化のため単にそれぞれマッパー100、デマッパー104と呼ばれる。マッパー100とデマッパー104は、例えば、それぞれ、上記
図9のCPRIからOTU2へのマッパー70とOTU2からCPRIへのデマッパー74を実現するために使用可能である。
【0069】
マッパー100は、CH1...CHNと表示されるN個のCPRI信号を受信し、ここでNは、例えば、上記の表4に示されるように、使用されるCPRIレートオプションに依存する。マッパー100は、それぞれのCPRI信号を終端するためのN個の物理的コード化サブ層(PCS)108を有する。PCS108は、8b/10bラインコード化方式に従って10ビットCPRIデータシンボルからCPRIデータバイトを回復し、そして回復されたCPRIバイトをそれぞれの先入れ先出し記憶装置(FIFO)112に保管する。
【0070】
先入れ先出し記憶装置(FIFO)112は、一般的に、例えば2バイトのFIFOのような2−3バイトの記憶領域を有する。あるいは、FIFO112は、他の任意の適切な記憶容量を有してもよい。さらに代替的に、FIFO以外の記憶要素および他の任意の記憶容量が使用可能である。
【0071】
物理的コード化サブ層(PCS)108は、CPRIシンボル中の同期化シンボルK28.5を検出することによりCPRIハイパーフレームの開始を識別する。PCS108はK28.5同期化シンボルを破棄し、そして、PCSがCPRI信号内にエラーを検出するか(またはしないか)に応じて、それぞれのバイトZ.0.0を0x00または0x01に設定する。
【0072】
バイトインタリーバ116はFIFO112からCPRIデータバイトを受信し、そしてそれぞれのCPRIチャネルから1バイトを順番に出力し、そして必要なだけこの順序を繰り返すことにより、CPRIチャネルをインターリーブする。従ってバイトインタリーバ116は、{CH1、CH2、...CHN、CH1、CH2、... }の形式の1つのバイト配列を光チャネルペイロードユニット(OPU2)120に向かって出力する。あるいは他の適合するインターリーブ方式を用いることもできる。
【0073】
光チャネルペイロードユニット(OPU2)120は、ビット同期マッピング手順(BMP)を使用して、(OTNマルチフレーム上の)1つまたは複数のOPU2構造内に、インターリーブされたCPRIバイトをマップする。いくつかの実施形態では、OPU2ユニット120は、上記
図4−7のマッピングテーブルの1つに従ってCPRI信号をマッピングする。バイトインタリーバ116は、OPU2ユニット120に対し、n番目のCPRI信号の最初のCPRI基本フレームに対応する、1つのオフセット値、offset(n)を示し、そしてOPU2ユニット120は、それぞれの基本フレームポインタ(BFPn)を設定するため、そのoffset(n)値を使用する。1つの例示的な実施形態では、OPU2ユニット120は、1つのCPRI基本フレームの始まりの前に、BFPn値を、OPUKペイロードにマッピングされたバイト数に設定する。あるいは、OPU2ユニット120は、他の任意の適切な方法を使用してBFPn値を計算してもよい。
【0074】
光チャネルデータユニット(ODU2)124と光チャネル搬送ユニット(OTU2c)128は先に引用したITU−T勧告G.709/Y.1331に従って、光通信網上での配信に適した通信フレームを生成する。ODU2ユニット124は、ODUの構造を導出するためOPU2構造にODU2オーバーヘッド(OH)を付加し、そしてOTU2cユニット128はOTU2構造を生成するために、前方誤り訂正(FEC)ビット、ならびにOTU2オーバーヘッド(OH)及びフレームアライメント オーバーヘッド(FA OH)を付加する。マッパー100は、例えば、上記
図9に記載のように、受信したCPRI信号のクロックに同期したクロック信号を使用して、OTU2フレームを送信する。
【0075】
デマッパー104は、マッパー100のマッピング方式に従って上述したようにマッピングされた、CPRI信号を中に含む、ODU2フレームを受信し、そしてマッパー100と逆の処理を行う。OTU2c(逆)ユニット132はOTU2構造内のFECビットを使用してエラー訂正を行い、そして得られたODU2構造をODU2(逆)ユニット136に送信し、そのODU2(逆)ユニット136はOPU2ペイロードを抽出する。OPU2(逆)ユニット140は、OPU2構造のペイロード領域からCPRIデータバイトを抽出するために、ビット同期マッピング手順(BMP)のデマッピングを行う。1つの実施形態では、OPU2(逆)ユニット140は、上記
図4−7のマッピングテーブルの1つを使用して、OPU2ペイロード中のCPRIデータバイトをデマッピングする。OPU2(逆)ユニット140は、CPRIデータをバイトデインターリーバ144に伝送し、それは異なるCPRIチャネルのバイトの間を分離する。
【0076】
OPU2(逆)ユニット140は、さらに、OPU2 OH60内のBFPnと多重フレーム識別子(OMFI)値を使用して、CPRI基本フレームに同期させる。1つの実施形態では、OPU2(逆)ユニット140は、n番目(1≦n≦N)のCPRIチャネルの、最初の完全CPRI基本フレームに対するバイトオフセットを、式:offset(n)=16 +n+ BFPn・Nに基づいて導出する。この式において、定数16は OTU2構造の16列に関し、nはCPRIチャネル番号であり、Nは、CPRIチャネルの総数である。
【0077】
バイトデインターリーバ144はそれぞれのCPRIチャネルのデインタリーブされたバイトを、別々にそれぞれのハイパーフレーム番号(HFN)同期装置148に伝送し、そのHFN同期装置148はCPRIハイパーフレームに同期する。いくつかの実施形態では、HFN同期装置148は、ハイパーフレームに同期するため、ハイパーフレーム番号(HFN)を保持する、64番目の基本フレーム内のバイトZ.64.0を使用する。
【0078】
HFN同期装置148は、互いに離れたハイパーフレーム間隔である、CPRI基本フレームの1つのサブシーケンス(または多重のサブシーケンス)内のバイトZ.X.0を吟味し、あるサブシーケンスの中でZ.X.0値(すなわち、X=64の場合、この値はHFNを保持する)が0...149の範囲で単調な周期的整数カウントを形成する基本フレームの1つのサブシーケンスを発見する。HFN同期装置148は、その後、Z.64.0バイトの位置に基づいてハイパーフレームの最初のバイト(Z.0.0)を識別する。
【0079】
代替の実施形態では、HFN同期装置148は、例えば事前設定の値を保持するCPRI基本フレーム内のフィールドに基づく方法などの、他の任意の適切な同期方法を使用できる。
【0080】
HFN同期装置148は、それぞれの物理的コード化サブ層(PCS)(逆)ユニット152にCPRIデータバイトを提供する。ハイパーフレームの最初のバイトで運ばれるアラーム信号がゼロになる、すなわち、Z.0.0=0x00の場合、PCS(逆)152はCPRIデータバイトを8b/10bライン符号化方式に従って10ビットのCPRIシンボルにコード化し、そしてZ.0.0バイトをK28.5同期化シンボルで置き換える。Z.0.0がゼロでない場合(例えば、0x01に等しい)、またはOTNサーバ層がアラーム表示を検出した場合、PCS(逆)152はCPRIバイトを破棄し、代わりに故障表示を出力する。
【0081】
物理的コード化サブ層(PCS)(逆)152は、上記
図9で説明したように、OTU2が受信したフレームから回復されたクロック信号を使用して、CPRI信号を送信する。
【0082】
上記のようなハードウェア実装では、OTU2信号レートは3.84x128x24x255/238=約12.64Gbit/秒によって与えられ、ここで3.84MHzはCPRI基本フレームのフレームレートを意味する。代替の実施形態では、OTNフレームは、FECビット無しに伝送され、すなわち、OTU2cユニット128とOTU2c(逆)132が除外され、そしてODU2レートは3.84x128x24x239/238=約11.84Gbit/秒に等しい。
【0083】
(CPRI信号のOTNフレーム内への整列マッピング)
図11と12は、本明細書に記載の実施形態による、CPRIチャンネルをOTNマルチフレームに整列マッピングするためのテーブルを2つのCPRIレートオプションに対して概略描いた図である。
図11及び
図12のテーブルにおいて、CPRI信号は、3つのOTNフレームからなるOTNマルチフレームのOPUK構造内にマッピングされる。
【0084】
上記
図4−7のマッピングテーブルとは異なり、
図11及び
図12においてはCPRI基本フレームはマルチフレーム境界に整列されてマッピングされる。その結果、第1の基本フレームは、ゼロオフセットで開始し、そしてBFPn値は未使用のまま残る。
図11及び12のテーブルで、それぞれのペイロードバイトは、2数シンボルk−nで表記され、ここでnは、n番目のCPRIチャネルを表し、kは、CPRI信号内のバイト配列内のバイトインデックスを示す。
【0085】
例えば、
図11の表は、N=6のオプション3 CPRIチャネルをマップし、チャネルn=1のバイトは、位置(17、23、29、...)にマップされ、チャネルn=2のバイトは、位置(18、24、30、...)にマップされ、そして以下同様である。マッピング配列はそれぞれ3808バイトの3つのOPUK構造内に6つのCPRIチャネルをマッピングした後は、循環的に繰り返すことに注意されたい。同様に、
図12のテーブルはN=3のオプション5 CPRIチャンネルをマップする。この場合、チャネルn=1のバイトは位置(17、20、23、...)にマップされ、チャネルn=2のバイトは(18、21、24、...)にマップされ、チャネルn=3のバイトは位置(19、22、25、...)にマップされる。
【0086】
レートオプション−1(24CPRIチャンネル)及びオプション2(12CPRIチャンネル)などの他のCPRIレートオプションのマッピングは、レートオプション−3と5に対する上記のマッピングに類似した態様で行うことができる。
【0087】
図11および12に示される整列マッピング方式は、例示として示され、そして代替の実施形態においては、他の適合する整列マッピング方式が使用できる。例えば、CPRIチャネルの順序に従ってバイトをマッピングする方法以外のインターリービング方式が使用できる。
【0088】
図13は、本明細書に記載の実施形態による、CPRIからOTU2へのマッパーとOTU2からCPRIへのデマッパーの代替的ハードウェア実装を示す図である。
【0089】
CPRIからOTU2へのマッパー200とOTU2からCPRIへのデマッパー204は簡素化のため、単にマッパー200とデマッパー204と呼ばれる。マッパー200とデマッパー204は、それぞれ、例えば上記
図9のCPRIからOTU2へのマッパー70とOTU2からCPRIへのデマッパー74を実装するために使用できる。
【0090】
マッパー200とデマッパー204は、それぞれ上記
図10に記載されたマッパー100とデマッパー104と同様に構築されそして動作する。したがって、ここでの説明は主に、それぞれの実装の間の構造と機能における違いに焦点を当てる。
【0091】
マッパー200において、アライナー170は、マッパー100の先入れ先出し記憶装置(FIFO)112を代替する。OPU2ユニット120からのフレームアライメント信号に基づいて、アライナー170はCPRIチャネルの着信バイトを遅延させ、それにより、例えば
図11と12において記載のように、バイトインタリーバ116とOPU2ユニット120が、CPRIチャネルのCPRI基礎フレームを、OPU2構造の境界に整列されてマップすることを可能にする。
【0092】
デマッパー204では、ハイパーフレーム番号(HFN)同期装置180は上記
図10のHFN同期装置148と比較して異なる機能を有する。いくつかの実施形態では、CPRI基本フレームがOPU2構造の境界に整列されるため、HFN同期装置180は、それぞれの多重フレーム識別子(OMFI)バイトから事前定義されたオフセットにある、OPU2構造内の最初のCPRI基本フレームを識別することにより、CPRI基本フレームに同期する。
【0093】
図13のマッパー200とデマッパー204の構成は、純粋に概念明確化のために選択された構成事例である。代替の実施形態では、他の任意の適合する構成を使用できる。マッパー200とデマッパー204の実装選択肢は、上記マッパー100とデマッパー104について記載したものと同様である。
【0094】
図9のBBUインタフェース44およびRRHインタフェース48、
図10のマッパー100及びデマッパー104、および
図13のマッパー200およびデマッパー204の構成は、純粋に概念の明確化のために選択された構成例である。代替の実施形態では、他の任意の適合する構成を使用できる。クロック回復ユニット78および86、周波数上方/下方変換器82と90およびマッパー70とデマッパー74のようなBBUインタフェース44とRRHインタフェース48の異なる要素;物理的コード化サブ層(PCS)ユニット108、アライナー170、先入れ先出し方式記憶装置(FIFO)112、インターリーバ116およびOPU2ユニット120、ODU2ユニット124およびOTU2cユニット128のような、マッパー100および200の要素;ならびにOTU2c(逆)ユニット132、ODU2(逆)ユニット136およびOPU2(逆)ユニット140、バイトデインターリーバ144、HFN同期装置180およびPCS(逆)ユニットを含むデマッパー104と204の異なる要素;は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような任意の適合するハードウェアを用いて実現できる。いくつかの実施形態では、BBUとRRHインタフェース及びマッパーとデマッパーのいくつかの要素は、ソフトウェアを使用して、またはハードウェアおよびソフトウェア要素の組み合わせを用いて実現することができる。
【0095】
あるいは、BBUインタフェース44、RRHインタフェース48、マッパー100、デマッパー104、マッパー200、および/またはデマッパー204は、本明細書に記載の機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされる汎用プロセッサを有してもよい。ソフトウェアは、例えば、通信網を介して、電子的形態でそのプロセッサにダウンロードされてもよく、またはそれは、代替的にまたは追加的に、磁気、光学、又は電子メモリのような非一過性接触可能媒体上に提供及び/又は記憶されてもよい。
【0096】
本明細書に記載の実施形態は、主にCPRI信号のマッピングを取り扱うが、本明細書に記載の方法およびシステムはまた、マッピングされるべき複数の信号が同一のクロック源に同期されている他の用途、例えば、シリアルデジタルインタフェース(SDI)ビデオ信号の通信にも使用可能である。
【0097】
上述の実施形態は例として引用され、本発明は、上記の本明細書に具体的に図示され、そして記載されたものに限定されるものではないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書で上述した様々な特徴の組合せおよびサブ組み合わせの両方、ならびに前述の記載を読んだ当業者が想起し、かつ従来技術に開示されていない、変形及び変更を含む。本特許出願に参照により組み込まれた文書は、本出願の統合された一部と見なされるべきであるが、これら組み込まれた文書で定義される任意の用語が本明細書に明示的または暗示的に作られた定義と矛盾する場合は、本明細書の定義を考慮すべきである。
【国際調査報告】