(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-509379(P2017-509379A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(54)【発明の名称】ヒト母乳の搾乳のための方法、装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 1/06 20060101AFI20170317BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20170317BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20170317BHJP
【FI】
A61M1/06ZIT
H04M1/00 U
H04Q9/00 301Z
H04Q9/00 311J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2016-550177(P2016-550177)
(86)(22)【出願日】2015年2月6日
(85)【翻訳文提出日】2016年9月1日
(86)【国際出願番号】US2015014901
(87)【国際公開番号】WO2015120321
(87)【国際公開日】20150813
(31)【優先権主張番号】61/937,027
(32)【優先日】2014年2月7日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515264159
【氏名又は名称】ナヤ ヘルス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アルバレス, ジェフリー ビー.
(72)【発明者】
【氏名】アルバレス, ジャニカ ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ゴールデンバーク, アレックス
(72)【発明者】
【氏名】スターラー, グレッグ
【テーマコード(参考)】
4C077
5K048
5K127
【Fターム(参考)】
4C077AA22
4C077DD06
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5K048BA01
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5K127JA34
(57)【要約】
母乳の搾乳のためのシステム、方法、およびデバイスが、提供される。一側面では、システムは、乳房に係合するように構成されるインターフェースと、インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリとを有する、搾乳装置を含む。作動アセンブリの作動は、インターフェースに、減圧圧力を乳房に対して印加させ、乳房から母乳を搾乳させる。システムはまた、データ接続を介して搾乳装置と通信するように構成される、コンピューティングデバイスを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳房からの母乳の搾乳のためのシステムであって、
乳房に係合するように構成されるインターフェースと、前記インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリとを備える、搾乳装置であって、前記作動アセンブリの作動は、前記インターフェースに、減圧圧力を前記乳房に対して印加させ、そこから母乳を搾乳させる、搾乳装置と、
データ接続を介して前記搾乳装置と通信するように構成される、コンピューティングデバイスと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記インターフェースは、前記乳房に対して流体的にシールするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記データ接続は、無線通信、近距離通信、およびUSBケーブルのうちの1つまたはそれを上回るものを利用し、前記搾乳装置の少なくとも一部と前記コンピューティングデバイスとの間でデータを伝送する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンピューティングデバイスは、スマートフォン、タブレット、およびパーソナルコンピュータから選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記搾乳装置はさらに、母乳の搾乳の1つまたはそれを上回る特性を示す測定データを生成するように構成される、感知ユニットを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記測定データは、前記データ接続を介して前記コンピューティングデバイスに伝送される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンピューティングデバイスは、前記測定データを分析するように構成される、アプリケーションを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンピューティングデバイスは、前記測定データをサーバに伝送する、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記搾乳装置はさらに、前記測定データを分析し、それによって、分析結果を生成するように構成される、処理ユニットを備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記搾乳装置はさらに、前記分析結果をユーザに表示するように構成される、ディスプレイユニットを備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記分析結果は、グラフ、チャート、または表に表示される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記分析結果は、前記データ接続を介して前記コンピューティングデバイスに伝送される、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記コンピューティングデバイスは、前記分析結果をユーザに表示する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記コンピューティングデバイスは、前記データ接続を介して、前記搾乳装置の少なくとも1つの機能性を制御する、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記機能性は、前記搾乳装置の電力、前記搾乳装置によって印加される減圧圧力、および前記搾乳装置の1分あたりのサイクルのうちの1つまたはそれを上回るものを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
母乳を搾乳するようにユーザにリマインドする通知は、前記データ接続を介して前記コンピューティングデバイスに伝送される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
母乳を搾乳するようにユーザにリマインドする通知は、前記データ接続を介して、前記搾乳装置の少なくとも一部に伝送される、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
ファームウェア更新が、前記データ接続を介して、前記搾乳装置の少なくとも一部に伝送される、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記コンピューティングデバイスは、ネットワークを介してサーバと通信する通信モジュールを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
母乳を搾乳するようにユーザにリマインドする通知は、前記サーバから前記コンピューティングデバイスに伝送される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記コンピューティングデバイスは、携帯電話番号と関連付けられた携帯電話を備え、前記通知は、ショートメッセージサービス(SMS)によって、前記ネットワークを介して前記携帯電話番号に伝送される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
乳房からの母乳の搾乳を測定するための方法であって、
インターフェースと、前記インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリと、感知ユニットとを備える、母乳搾乳装置を提供するステップと、
前記インターフェースと乳房を係合するステップと、
前記作動アセンブリを作動させ、それによって、前記インターフェースに、減圧圧力を前記乳房に対して印加させるステップと、
前記乳房から母乳を搾乳するステップと、
前記感知ユニットを使用して、母乳の搾乳の特性を測定し、それによって、測定データを生成するステップと、
データ接続を介して、前記測定データを前記感知ユニットからコンピューティングデバイスに伝送するステップと、
を含む、方法。
【請求項23】
前記測定データを前記コンピューティングデバイスの1つまたはそれを上回るデータ記憶内に記憶するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記コンピューティングデバイスのアプリケーションを介して前記測定データを分析し、分析結果を生成するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記コンピューティングデバイスを介して前記分析結果をユーザに表示するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記分析結果は、グラフ、チャート、または表に表示される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
乳房からの母乳の搾乳を制御するための方法であって、
インターフェースと、前記インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリとを備える、母乳搾乳装置を提供するステップと、
前記インターフェースと乳房を係合するステップと、
データ接続を介して、制御信号をコンピューティングデバイスから受信するステップと、
前記制御信号に基づいて、前記作動アセンブリを作動させ、それによって、前記インターフェースに、減圧圧力を前記乳房に対して印加させるステップと、
前記乳房から母乳を搾乳するステップと、
を含む、方法。
【請求項28】
乳房からの母乳の搾乳のための装置であって、
乳房に係合するように構成されるインターフェースと、
前記インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリであって、前記作動アセンブリの作動は、前記インターフェースに、減圧圧力を前記乳房に対して印加させ、そこから母乳を搾乳させる、作動アセンブリと、
ネットワークを介してサーバと通信する通信モジュールと、
を備える、装置。
【請求項29】
前記インターフェースは、前記乳房に対して流体的にシールするように構成される、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記ネットワークは、インターネットネットワークを備える、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
母乳の搾乳の1つまたはそれを上回る特性を示す測定データを生成するように構成される、感知ユニットをさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項32】
前記測定データは、前記ネットワークを介して前記サーバに伝送される、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記サーバは、前記測定データを分析するように構成される、アプリケーションを備える、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記測定データを分析し、それによって、分析結果を生成するように構成される、処理ユニットをさらに備える、請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記分析結果をユーザに表示するように構成される、ディスプレイユニットをさらに備える、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記分析結果は、前記ネットワークを介して前記サーバに伝送される、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
前記分析結果は、前記サーバと通信するコンピューティングデバイス上に表示される、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記作動アセンブリの少なくとも1つの機能性は、前記ネットワークを介して、前記サーバ上のアプリケーションによって制御される、請求項28に記載の装置。
【請求項39】
前記機能性は、前記作動アセンブリの電力、前記作動アセンブリによって印加される減圧圧力、および前記作動アセンブリの1分あたりのサイクルのうちの1つまたはそれを上回るものを含む、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
母乳を搾乳するようにユーザにリマインドする通知は、前記ネットワークを介して電子メールアドレスに伝送される、請求項28に記載の装置。
【請求項41】
母乳を搾乳するようにユーザにリマインドする通知は、ショートメッセージサービス(SMS)によって、前記ネットワークを介して携帯電話番号に伝送される、請求項28に記載の装置。
【請求項42】
前記通知は、SMSによって、前記サーバから前記携帯電話番号と関連付けられたスマートフォンに伝送される、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
母乳を搾乳するようにユーザにリマインドする通知は、前記ネットワークを介して前記通信モジュールに伝送される、請求項28に記載の装置。
【請求項44】
ファームウェア更新が、前記ネットワークを介して前記通信モジュールに伝送される、請求項28に記載の装置。
【請求項45】
乳房からの母乳の搾乳を測定するための方法であって、
インターフェースと、前記インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリと、感知ユニットとを備える、母乳搾乳装置を提供するステップと、
前記インターフェースと乳房を係合するステップと、
前記作動アセンブリを作動させ、それによって、前記インターフェースに、減圧圧力を前記乳房に対して印加させるステップと、
前記乳房から母乳を搾乳するステップと、
前記感知ユニットを使用して、母乳の搾乳の特性を測定し、それによって、測定データを生成するステップと、
ネットワークを介して前記測定データをサーバに伝送するステップと、
を含む、方法。
【請求項46】
前記サーバは、分散型コンピューティングサーバである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記母乳の搾乳の特性は、前記母乳が前記インターフェースから前記インターフェースと流体連通する収集リザーバに移動するにつれて、前記感知ユニットによって測定される、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記測定データを前記サーバと関連付けられた1つまたはそれを上回るデータ記憶内に記憶するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記サーバ上のアプリケーションを介して前記測定データを分析し、分析結果を生成するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
前記分析結果を前記サーバからコンピューティングデバイスに伝送するステップと、
前記コンピューティングデバイスを介して前記分析結果をユーザに表示するステップと、
をさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
乳房からの母乳の搾乳を遠隔制御するための方法であって、
インターフェースと、前記インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリとを備える、母乳搾乳装置を提供するステップと、
前記インターフェースと乳房を係合するステップと、
ネットワークを介して、制御信号をサーバから受信するステップと、
前記制御信号に基づいて、前記作動アセンブリを作動させ、それによって、前記インターフェースに、減圧圧力を前記乳房に対して印加させるステップと、
前記乳房から母乳を搾乳するステップと、
を含む、方法。
【請求項52】
乳房からの流体の搾乳を測定するための装置であって、
乳房に係合するように構成されるインターフェースと、
前記インターフェースに動作可能に結合されるであって、前記作動アセンブリの作動は、前記インターフェースに、減圧圧力を前記乳房に対して印加させ、そこから流体を搾乳させる、作動アセンブリと、
前記乳房から搾乳された流体の体積を示す測定データを生成するように構成される、感知ユニットと、
を備える、装置。
【請求項53】
前記インターフェースは、前記乳房に対して流体的にシールするように構成される、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記流体は、母乳および初母乳のうちの1つまたはそれを上回るものである、請求項52に記載の装置。
【請求項55】
前記測定データは、前記搾乳された流体の時間の単位あたりの体積を示す、請求項52に記載の装置。
【請求項56】
前記作動アセンブリは、ポンプを備え、前記測定データは、前記搾乳された流体の前記ポンプのストロークあたりの体積を示す、請求項52に記載の装置。
【請求項57】
前記作動アセンブリは、ポンプを備え、前記測定データは、前記搾乳された流体のポンプ電力サイクルあたりの体積を示す、請求項52に記載の装置。
【請求項58】
前記インターフェースは、前記搾乳された流体の通過を可能にする弁を備え、前記感知ユニットは、前記弁の運動を測定する加速度計を備える、請求項52に記載の装置。
【請求項59】
前記測定データは、前記弁の運動に基づいて生成される、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
第2の乳房に係合するように構成される、第2のインターフェースをさらに備え、前記作動アセンブリの作動は、減圧圧力を前記乳房および前記第2の乳房に対して交互に印加させ、そこから交互に流体を搾乳させ、前記第2のインターフェースは、前記第2の乳房から搾乳された流体の通過を可能にする第2の弁を備え、前記感知ユニットは、前記第2の弁の運動を測定する第2の加速度計を備える、請求項58に記載の装置。
【請求項61】
前記感知ユニットは、前記加速度計および前記第2の加速度計の両方によって検出された運動に基づいて、ユーザ運動を判定する、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記ユーザ運動は、前記第1の弁または第2の弁のうちの少なくとも1つの運動を判定するとき、前記加速度計または前記第2の加速度計のうちの少なくとも1つによって検出される運動から減算される、請求項61に記載の装置。
【請求項63】
前記インターフェースは、前記搾乳された流体の通過を可能にする弁を備え、前記感知ユニットは、前記インターフェースに結合される第1の加速度計と、前記弁に結合される第2の加速度計とを備える、請求項52に記載の装置。
【請求項64】
前記第1の加速度計は、前記インターフェースの運動を測定するように構成される、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
前記第2の加速度計は、前記弁の運動を測定するように構成される、請求項63に記載の装置。
【請求項66】
前記測定データは、前記インターフェースの運動および前記弁の運動に基づいて生成される、請求項63に記載の装置。
【請求項67】
前記感知ユニットは、前記第1の加速度計によって検出される運動に基づいて、背景運動を判定する、請求項63に記載の装置。
【請求項68】
前記背景運動は、前記弁の運動を判定するとき、前記第2の加速度計によって検出される運動から減算される、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記インターフェースは、前記搾乳された流体を収集するように構成されるリザーバに結合され、前記感知ユニットは、前記リザーバに結合され、前記リザーバは、前記感知ユニットと通信する処理ユニットを備え、前記処理ユニットは、前記感知ユニットによって生成される測定データを受信するように構成される、請求項52に記載の装置。
【請求項70】
前記処理ユニットは、データ接続を介して前記測定データをコンピューティングデバイスに伝送するように構成される、通信モジュールを備える、請求項69に記載の装置。
【請求項71】
前記処理ユニットは、ネットワークを介して前記測定データをサーバに伝送するように構成される、通信モジュールを備える、請求項69に記載の装置。
【請求項72】
前記感知ユニットは、ビーム遮断センサの1つまたはそれを上回るセンサ構成要素の近傍の前記搾乳された流体の通過を検出するように構成される、ビーム遮断センサを備える、請求項52に記載の装置。
【請求項73】
前記測定データは、前記搾乳された流体が前記センサ構成要素間を通過する時間の長さに基づいて生成される、請求項72に記載の装置。
【請求項74】
前記インターフェースは、前記搾乳された流体の通過を可能にする弁を備え、前記感知ユニットは、前記弁を通して通過する前記搾乳された流体の液滴を計数するように構成される、電荷結合素子(CCD)を備える、請求項52に記載の装置。
【請求項75】
前記測定データは、前記液滴の1つまたはそれを上回るCCD画像に基づいて生成される、請求項74に記載の装置。
【請求項76】
前記インターフェースは、前記搾乳された流体の通過を可能にする管を備え、前記感知ユニットは、前記管内に含まれる前記搾乳された流体を感知するように構成される、容量センサを備える、請求項52に記載の装置。
【請求項77】
前記インターフェースは、前記搾乳された流体を収集するように構成されるリザーバに結合され、前記感知ユニットは、前記リザーバ内に含まれる前記搾乳された流体の体積を測定するように構成される、容量センサを備える、請求項52に記載の装置。
【請求項78】
前記感知ユニットは、前記搾乳された流体の体積を測定するように構成される、歪みゲージを備える、請求項52に記載の装置。
【請求項79】
前記インターフェースは、前記搾乳された流体の通過を可能にする弁を備え、前記歪みゲージは、前記弁に結合され、前記弁の経時的変位を判定するように構成される、請求項78に記載の装置。
【請求項80】
前記インターフェースは、前記搾乳された流体を収集するように構成されるリザーバに結合され、前記歪みゲージは、前記リザーバに結合され、前記リザーバ内に含まれる前記搾乳された流体の体積を測定するように構成される、請求項78に記載の装置。
【請求項81】
前記リザーバは、蛇腹要素を有する底部内部表面を備え、前記蛇腹要素は、前記搾乳された流体によって前記底部内部表面上にかかかる負荷の前記底部内部表面による吸収を最小限にするように構成される、請求項80に記載の装置。
【請求項82】
前記感知ユニットは、前記インターフェースに結合され、前記搾乳された流体の1つまたはそれを上回る画像を捕捉するように構成される、カメラを備える、請求項52に記載の装置。
【請求項83】
前記1つまたはそれを上回る画像を分析し、前記搾乳された流体の体積を判定するように構成される、処理ユニットをさらに備える、請求項82に記載の装置。
【請求項84】
前記1つまたはそれを上回る画像は、前記1つまたはそれを上回る画像を分析し、前記搾乳された流体の体積を判定するように構成されるコンピューティングデバイスに伝送される、請求項82に記載の装置。
【請求項85】
前記コンピューティングデバイスは、スマートフォンである、請求項84に記載の装置。
【請求項86】
前記カメラは、モバイル装置上に据え付けられる、請求項82に記載の装置。
【請求項87】
処理ユニットと、
前記作動アセンブリに動作可能に結合され、その少なくとも1つの機能性を制御する、制御ユニットと、
をさらに備え、前記測定データの少なくともサブセットは、フィードバックとして、前記処理ユニットおよび前記制御ユニットのうちの少なくとも1つに伝送される、請求項52に記載の装置。
【請求項88】
前記作動アセンブリは、ポンプを備え、前記フィードバックは、前記ポンプの減圧ストロークを調節し、最適流体搾乳を維持するために使用される、請求項87に記載の装置。
【請求項89】
前記作動アセンブリは、ポンプを備え、前記フィードバックは、前記ポンプの1分あたりのサイクルを調節し、最適流体搾乳を維持するために使用される、請求項87に記載の装置。
【請求項90】
乳房から搾乳された流体の体積を測定するための方法であって、
インターフェースと、前記インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリと、感知ユニットとを備える、乳房流体搾乳装置を提供するステップと、
前記インターフェースと乳房を係合するステップと、
前記作動アセンブリを作動させ、それによって、前記インターフェースに、減圧圧力を前記乳房に対して印加させるステップと、
前記乳房から流体を搾乳するステップと、
前記感知ユニットを介して、前記搾乳された流体の体積を示す測定データを生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項91】
前記測定データの少なくともサブセットに基づいて、前記作動アセンブリの作動パラメータを変更するステップと、
前記変更された作動パラメータに基づいて、前記作動アセンブリを作動させるステップと、
をさらに含む、請求項90に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本出願は、2014年2月7日に出願された米国仮特許出願番号第61/937,027号[代理人書類番号44936−704.101]の非仮出願であって、この仮出願の利益を主張しており、この仮出願の全体の内容は本明細書中に参考として援用される。
【0002】
本願の主題は、2014年3月20日に出願された米国特許出願第14/221,113号[代理人書類番号44936−703.201]、2014年7月7日に出願された米国仮特許出願番号第62/021,601号[代理人書類番号44936−705.101]、2014年7月7日に出願された米国仮特許出願番号第62/021,597号[代理人書類番号44936−706.101]、2014年7月23日に出願された米国仮特許出願番号第62/028,219号[代理人書類番号44936−708.101]、および2014年9月19日に出願された米国仮特許出願番号第62/052,941号[代理人書類番号44936−709.101]に関連し、これら出願の全体の内容は、参考として本明細書中に援用される。
【0003】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、概して、医療デバイスおよび方法に関し、より具体的には、ヒトの母乳の搾乳および採取のためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
乳房ポンプは、母親が自らの子供と離れていても授乳を続けられるように母乳を採取するため一般に用いられている。今のところ、乳房ポンプには、2種類の基本型、すなわち、小型ではあるが非効率的で使用するために疲れを生じる手動デバイスと、効率的ではあるが大きくかさばる電動デバイスとがある。このため、母乳の搾乳および採取のために小型で非常に効率的な改良された乳房ポンプを提供することが望ましいであろう。母乳産出量の定量化、母乳特性評価、およびモバイルデバイスとの通信等の追加的な特徴は、ユーザの利便性を高める上でさらに望ましい。これらの目的の少なくともいくつかは、以下に開示されるデバイスおよび方法によって満足される。
【0005】
(2.背景技術の記載)
以下の米国特許は、ヒトの母乳の搾乳および採取に関する。米国特許第6,673,036号、第6,749,582号、第6,840,918号、第6,887,210号、第7,875,000号、第8,118,772号、および第8,216,179号。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,673,036号明細書
【特許文献2】米国特許第6,749,582号明細書
【特許文献3】米国特許第6,840,918号明細書
【特許文献4】米国特許第6,887,210号明細書
【特許文献5】米国特許第7,875,000号明細書
【特許文献6】米国特許第8,118,772号明細書
【特許文献7】米国特許第8,216,179号明細書
【発明の概要】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、概して、医療デバイスおよび方法に関し、より具体的には、ヒトの母乳の搾乳ならびに採取のためのデバイスおよび方法に関する。
【0008】
本発明の第1の側面では、乳房からの母乳の搾乳のためのシステムが、提供される。本システムは、乳房に係合するように構成されるインターフェースと、インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリとを有する、搾乳装置を備えてもよい。作動アセンブリの作動は、インターフェースに、減圧圧力を乳房に対して印加させ、乳房から母乳を搾乳させることができる。本システムはさらに、データ接続を介して搾乳装置と通信するように構成される、コンピューティングデバイスを備える。
【0009】
多くの実施形態では、乳房は、ヒト乳房である。インターフェースは、乳房に対して流体的にシールするように構成されることができる。
【0010】
多くの実施形態では、データ接続は、無線通信、近距離通信、またはUSBケーブルを利用し、搾乳装置の少なくとも一部とコンピューティングデバイスとの間でデータを伝送する。コンピューティングデバイスは、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータであってもよい。
【0011】
多くの実施形態では、搾乳装置はさらに、母乳の搾乳の1つまたはそれを上回る特性を示す測定データを生成するように構成される、感知ユニットを含む。測定データは、データ接続を介してコンピューティングデバイスに伝送されることができる。コンピューティングデバイスは、測定データを分析するように構成される、アプリケーションを含むことができる。コンピューティングデバイスは、測定データをサーバに伝送することができる。搾乳装置はさらに、測定データを分析し、分析結果を生成するように構成される、処理ユニットと、分析結果をユーザに表示するように構成される、ディスプレイユニットとを含むことができる。分析結果は、グラフ、チャート、または表に表示されることができる。分析結果は、データ接続を介してコンピューティングデバイスに伝送されることができ、コンピューティングデバイスは、分析結果をユーザに表示することができる。
【0012】
多くの実施形態では、コンピューティングデバイスは、データ接続を介して搾乳装置の少なくとも1つの機能性を制御することができる。機能性は、搾乳装置の電力、搾乳装置によって印加される減圧圧力、または搾乳装置の1分あたりのサイクルのうちの1つまたはそれを上回るものを備えることができる。
【0013】
多くの実施形態では、母乳を搾乳するようにユーザにリマインドする通知は、データ接続を介してコンピューティングデバイスに伝送されてもよい。通知は、データ接続を介して、搾乳装置の少なくとも一部に伝送されることができる。ファームウェア更新が、データ接続を介して、搾乳装置の少なくとも一部に伝送されることができる。
【0014】
多くの実施形態では、コンピューティングデバイスは、ネットワークを介してサーバと通信する通信モジュールを備えることができる。母乳を搾乳するようにユーザにリマインドする通知は、サーバからコンピューティングデバイスに伝送されてもよい。コンピューティングデバイスは、携帯電話番号と関連付けられた携帯電話を備えてもよく、通知は、ショートメッセージサービス(SMS)によって、ネットワークを介して携帯電話番号に伝送されてもよい。
【0015】
本発明の別の側面では、乳房からの母乳の搾乳を測定するための方法が、提供される。本方法は、インターフェースと、インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリと、感知ユニットとを有する、母乳搾乳装置を提供するステップを含む。本方法はさらに、インターフェースと乳房を係合するステップと、作動アセンブリを作動させ、それによって、インターフェースに、減圧圧力を乳房に対して印加させるステップとを含む。本方法はさらに、乳房から母乳を搾乳するステップを含む。本方法はさらに、測定データを生成するために、感知ユニットを使用して、母乳の搾乳の特性を測定するステップを含んでもよい。測定データは、データ接続を介して、感知ユニットからコンピューティングデバイスに伝送されてもよい。
【0016】
多くの実施形態では、測定データは、コンピューティングデバイスの1つまたはそれを上回るデータ記憶内に記憶されてもよい。測定データは、コンピューティングデバイスのアプリケーションを介して分析され、分析結果を生成することができ、分析結果は、コンピューティングデバイスを介してユーザに表示されることができる。分析結果は、グラフ、チャート、表、または任意の他の視覚的、聴覚的、もしくは触知的インジケータに表示されることができる。
【0017】
本発明の別の側面では、乳房からの母乳の搾乳を制御するための方法が、提供される。本方法は、インターフェースと、インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリとを有する、母乳搾乳装置を提供するステップを含む。本方法はさらに、インターフェースと乳房を係合するステップを含む。制御信号は、データ接続を介して、コンピューティングデバイスから受信されてもよい。本方法はさらに、制御信号に基づいて、作動アセンブリを作動させ、インターフェースに、減圧圧力を乳房に対して印加させるステップを含んでもよい。本方法はさらに、乳房から母乳を搾乳するステップを含む。
【0018】
本発明の別の側面では、乳房からの母乳の搾乳のための装置が、提供される。本装置は、乳房に係合するように構成されるインターフェースと、インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリとを備える。作動アセンブリの作動は、インターフェースに、減圧圧力を乳房に対して印加させ、乳房から母乳を搾乳させることができる。本装置はまた、ネットワークを介してサーバと通信する通信モジュールを含むことができる。
【0019】
多くの実施形態では、ネットワークは、インターネットネットワークを含む。本装置はさらに、母乳の搾乳の1つまたはそれを上回る特性を示す測定データを生成するように構成される、感知ユニットを含むことができ、測定データは、ネットワークを介してサーバに伝送されることができる。サーバは、測定データを分析するように構成される、アプリケーションを含むことができる。
【0020】
多くの実施形態では、本装置はさらに、測定データを分析し、分析結果を生成するように構成される、処理ユニットと、分析結果をユーザに表示するように構成される、ディスプレイユニットとを含む。分析結果は、ネットワークを介してサーバに伝送されることができる。分析結果は、サーバと通信するコンピューティングデバイス上に表示されることができる。
【0021】
多くの実施形態では、作動アセンブリの少なくとも1つの機能性は、ネットワークを介して、サーバ上のアプリケーションによって制御される。機能性は、作動アセンブリの電力、作動アセンブリによって印加される減圧圧力、または作動アセンブリの1分あたりのサイクルを含むことができる。
【0022】
多くの実施形態では、母乳を搾乳するようにユーザにリマインドする通知は、ネットワークを介して電子メールアドレスに伝送されてもよい。母乳を搾乳するようにユーザにリマインドする通知は、サーバから携帯電話番号と関連付けられたスマートフォンへのSMS等、ショートメッセージサービス(SMS)によって、ネットワークを介して携帯電話番号に伝送されることができる。母乳を搾乳するようにユーザにリマインドする通知は、ネットワークを介して通信モジュールに伝送されることができる。ファームウェア更新は、ネットワークを介して通信モジュールに伝送されることができる。
【0023】
別の側面では、本発明は、乳房からの母乳の搾乳を測定するための方法を提供する。本方法は、インターフェースと、インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリと、感知ユニットとを含む、母乳搾乳装置を提供するステップを含む。インターフェースは、乳房と係合されてもよい。作動アセンブリは、作動され、インターフェースに、減圧圧力を乳房に対して印加させることができる。母乳は、乳房から搾乳される。感知ユニットは、母乳の搾乳の特性を測定し、測定データを生成するために使用されてもよい。測定データは、ネットワークを介してサーバに伝送されてもよい。
【0024】
多くの実施形態では、サーバは、分散型コンピューティングサーバである。母乳の搾乳の特性は、母乳がインターフェースからインターフェースと流体連通する収集リザーバに移動するにつれて、感知ユニットによって測定されることができる。測定データは、サーバと関連付けられた1つまたはそれを上回るデータ記憶内に記憶されることができる。測定データは、サーバ上のアプリケーションを介して分析され、分析結果を生成することができる。分析結果は、サーバからコンピューティングデバイスに伝送され、コンピューティングデバイスを介してユーザに表示されることができる。
【0025】
本発明の別の側面では、乳房からの母乳の搾乳を遠隔制御するための方法が、提供される。本方法は、インターフェースと、インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリとを備える、母乳搾乳装置を提供するステップを含む。インターフェースは、乳房と係合されてもよい。制御信号が、ネットワークを介してサーバから受信されることができる。作動アセンブリは、制御信号に基づいて作動され、インターフェースに、減圧圧力を乳房に対して印加させてもよい。母乳は、乳房から搾乳されてもよい。
【0026】
本発明の別の側面では、乳房からの流体の搾乳を測定するための装置が、提供される。本装置は、乳房に係合するように構成されるインターフェースと、インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリとを含む。作動アセンブリの作動は、インターフェースに、減圧圧力を乳房に対して印加させ、乳房から母乳を搾乳させる。本装置は、乳房から搾乳された流体の体積を示す測定データを生成するように構成される、感知ユニットを含む。
【0027】
多くの実施形態では、乳房は、ヒト乳房である。インターフェースは、乳房に対して流体的にシールするように構成されることができる。流体は、母乳または初母乳であることができる。測定データは、搾乳された流体の単位時間あたりの体積、ポンプのストロークあたりの体積、またはポンプ電力サイクルあたりの体積を示すことができる。
【0028】
多くの実施形態では、インターフェースは、搾乳された流体の通過を可能にする弁を含み、感知ユニットは、弁の運動を測定する加速度計を備える。測定データは、弁の運動に基づいて生成されることができる。
【0029】
多くの実施形態では、本装置はさらに、第2の乳房に係合するように構成される、第2のインターフェースを含むことができる。作動アセンブリの作動は、減圧圧力を乳房および第2の乳房に対して交互に印加させ、交互に乳房から流体を搾乳させてもよい。第2のインターフェースは、第2の乳房から搾乳された流体の通過を可能にする第2の弁を含むことができ、感知ユニットは、第2の弁の位置を測定する第2の加速度計を含むことができる。感知ユニットは、加速度計および第2の加速度計の両方によって検出された運動に基づいて、ユーザ運動を判定することができる。ユーザ運動は、第1の弁または第2の弁のうちの少なくとも1つの位置を判定するとき、加速度計または第2の加速度計のうちの少なくとも1つによって検出される運動から減算されることができる。
【0030】
多くの実施形態では、インターフェースは、インターフェース筐体と、搾乳された流体の通過を可能にする弁とを備えてもよい。感知ユニットは、インターフェース筐体に結合される第1の加速度計と、弁に結合される第2の加速度計とを備えてもよい。第1の加速度計は、インターフェース筐体の位置を測定するように構成されてもよい。第2の加速度計は、弁の位置を測定するように構成されてもよい。測定データは、インターフェース筐体の位置および弁の位置に基づいて、生成されてもよい。感知ユニットは、第1の加速度計によって検出される運動に基づいて、背景運動を判定することができる。背景運動は、弁の位置を判定するとき、第2の加速度計によって検出される運動から減算されてもよい。
【0031】
多くの実施形態では、インターフェースは、搾乳された流体を収集するように構成されるリザーバに結合されてもよい。感知ユニットは、リザーバに結合されてもよい。リザーバは、感知ユニットと通信する処理ユニットを備えてもよく、処理ユニットは、感知ユニットによって生成される測定データを受信するように構成されてもよい。処理ユニットはさらに、データ接続を介して測定データをコンピューティングデバイスに伝送するように構成される、通信モジュールを備えてもよい。処理ユニットの通信モジュールは、ネットワークを介して測定データをサーバに伝送するように構成されてもよい。
【0032】
多くの実施形態では、感知ユニットは、ビーム遮断センサの1つまたはそれを上回るセンサ構成要素の近傍の搾乳された流体の通過を検出するように構成される、ビーム遮断センサを含む。測定データは、搾乳された流体がセンサ構成要素間を通過する時間の長さに基づいて生成されることができる。
【0033】
多くの実施形態では、インターフェースは、搾乳された流体の通過を可能にする弁を含み、感知ユニットは、弁を通して通過する搾乳された流体の液滴を計数するように構成される、電荷結合素子(CCD)を含む。測定データは、液滴の1つまたはそれを上回るCCD画像に基づいて生成されることができる。
【0034】
多くの実施形態では、インターフェースは、搾乳された流体の通過を可能にする管を含み、感知ユニットは、管内に含まれる搾乳された流体を感知するように構成される、容量センサを含む。インターフェースは、搾乳された流体を収集するように構成されるリザーバに結合されることができ、感知ユニットは、リザーバ内に含まれる搾乳された流体の体積を測定するように構成される、容量センサを含むことができる。
【0035】
多くの実施形態では、感知ユニットは、搾乳された流体の体積を測定するように構成される、歪みゲージを含む。インターフェースは、搾乳された流体の通過を可能にする弁を含むことができ、歪みゲージは、弁に結合され、弁の経時的変位を判定するように構成されることができる。インターフェースは、搾乳された流体を収集するように構成されるリザーバに結合されることができ、歪みゲージは、リザーバに結合され、リザーバ内に含まれる搾乳された流体の体積を測定するように構成されることができる。リザーバは、蛇腹要素を有する底部内部表面を備えてもよい。蛇腹要素は、搾乳された流体によって底部内部表面にかかる負荷の底部内部表面による吸収を最小限にするように構成されることができる。
【0036】
多くの実施形態では、感知ユニットは、インターフェースに結合され、搾乳された流体の1つまたはそれを上回る画像を捕捉するように構成される、カメラを含む。本装置はさらに、1つまたはそれを上回る画像を分析し、搾乳された流体の体積または搾乳された流体の他の特性を判定するように構成される、処理ユニットを含むことができる。1つまたはそれを上回る画像は、1つまたはそれを上回る画像を分析し、搾乳された流体の体積を判定するように構成されるコンピューティングデバイスに伝送されることができる。コンピューティングデバイスは、スマートフォンであることができる。カメラは、モバイルデバイス上に据え付けられることができる。
【0037】
多くの実施形態では、本装置はさらに、処理ユニットと、作動アセンブリに動作可能に結合され、作動アセンブリの少なくとも1つの機能性を制御する、制御ユニットとを備える。測定データの少なくともサブセットは、フィードバックとして、処理ユニットおよび制御ユニットのうちの少なくとも1つに伝送されてもよい。作動アセンブリは、ポンプを含むことができ、フィードバックは、ポンプの減圧ストロークまたはポンプの1分あたりのサイクルを調節し、最適流体搾乳を維持するために使用されることができる。
【0038】
本発明の別の側面では、乳房から搾乳された流体の体積を測定するための方法が、提供される。本方法は、インターフェースと、インターフェースに動作可能に結合される作動アセンブリと、感知ユニットとを含む、乳房流体搾乳装置を提供するステップを含む。インターフェースは、乳房と係合される。作動アセンブリは、作動され、インターフェースに、減圧圧力を乳房に対して印加させる。流体は、乳房から搾乳される。搾乳された流体の体積を示す測定データは、感知ユニットを介して生成される。
【0039】
多くの実施形態では、本方法はさらに、測定データの少なくともサブセットに基づいて、作動アセンブリの作動パラメータを変更するステップを含む。作動アセンブリは、変更された作動パラメータに基づいて作動される。
【0040】
本発明の他の目的および特徴は、明細書、請求項、および添付の図の精査によって明白となる。
【0041】
(参照による引用)
本明細書に記載される全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的かつ個々に、参照することによって組み込まれることが示される場合と同程度まで、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0042】
本発明の新規の特徴は、具体性をもって添付の請求項に示される。本発明の特徴および利点のより深い理解は、本発明の原理が活用された例証的実施形態を示す以下の詳細な記述および付随の図面の参照によって得られ得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は、実施形態による、ポンプデバイスの斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態による、水圧ポンプデバイスの斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態による、水圧ポンプデバイスの断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態による、駆動機構に結合される作動アセンブリを図示する。
【
図5】
図5A−5Bは、実施形態による、コントローラに結合される作動アセンブリを図示する。
【
図6】
図6は、実施形態による、乳房インターフェースの断面図である。
【
図7】
図7は、実施形態による、別の乳房インターフェースの断面図である。
【
図8】
図8Aは、実施形態による、開位置にある、可撓性膜内に統合される弁の断面図である。
図8Bは、実施形態による、閉位置にある、可撓性膜内に統合される弁の断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態による、機械的変形可能部材を伴う乳房インターフェースの断面図である。
【
図10】
図10は、実施形態による、機械的変形可能部材のための機械的駆動装置の断面図である。
【
図11A】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11B】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11C】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11D】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11E】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11F】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11G】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11H】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11I】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11J】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11K】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11L】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11M】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11N】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11O】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11P】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図11Q】
図11A−11Qは、流体を検出するためのセンサの例示的実施形態を図示する。
【
図12】
図12は、実施形態による、コントローラおよびモバイルデバイスを図示する。
【
図13】
図13は、実施形態による、コントローラとモバイルデバイスとの間の短距離通信を図示する。
【
図14】
図14は、実施形態による、コンピューティングデバイスおよびサーバと通信するポンプデバイスの概略図である。
【
図15】
図15は、実施形態による、市販のデバイスと比較した例示的ポンプデバイスのポンプの性能を図示するグラフである。
【
図16】
図16は、実施形態による、市販のデバイスと比較した例示的ポンプデバイスのポンプ効率を図示するグラフである。
【
図17】
図17は、母乳の搾乳のためのシステムの概略図を図示する。
【
図18】
図18は、母乳の搾乳のためのシステムの別の例示的実施形態を図示する。
【
図19】
図19A−19Cは、コンピューティングデバイス上の例示的ディスプレイを図示する。
【
図20】
図20A−20Bは、母乳搾乳システム内の例示的ディスプレイを図示する。
【
図21】
図21は、母乳搾乳デバイスを制御するためのフィードバック制御ループの使用を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0044】
(発明の詳細な説明)
開示されたシステム、デバイス、および方法の具体的な実施形態を、ここで、図面を参照しつつ以下に記述する。いかなる詳細な記述も、任意の特定の構成要素、特徴、またはステップが本発明にとって必須であることを示唆することを意図しない。本発明は、主に、母乳に関するが、母乳の搾乳および採取の本明細書における任意の説明はまた、初母乳等の乳房から搾乳される他のタイプの流体にも適用されることができる。さらに、開示される実施形態は、他の用途、特に、睡眠時無呼吸の治療および/または他の遠隔圧力ニーズ等、圧力差の形成と伝達を含む用途において使用されてもよい。
【0045】
本発明のシステム、デバイス、および方法は、ヒトの母乳等の母乳の搾乳ならびに採取のための改良されたポンプデバイスを提供する。既存のデバイスと対照的に、本明細書に説明される機構は、より小型かつより効率的な電気ポンプデバイスの開発を可能にし、それによって、利便性および使用の容易性を向上させる。加えて、本明細書に開示される例示的実施形態の少なくともいくつかは、母乳の搾乳の特性を測定するためのセンサを組み込む。得られたデータは、例えば、ポンプ効率を改善し、かつ母乳の搾乳に関連する情報および/または分析をユーザに提供するためのフィードバックとして、使用されることができる。さらに、好適な実施形態では、データは、ポンプデバイスと通信する別のデバイスに伝送され、それによって、母乳の搾乳の制御、表示、および/または分析が、遠隔で行われることを可能にすることができる。
【0046】
図1は、本発明の例示的実施形態を図示する。ポンプデバイス100は、(「搾乳装置」としても知られる)は、乳房インターフェース105と、管110と、管110を通して乳房インターフェース105に動作可能に結合される、コントローラ115(「ペンダントユニット」とも称される場合がある)とを含む。乳房インターフェース105は、乳房に係合し、それに対して流体シールを形成するための弾性かつ整合的なフランジ120と、採取容器125とを含む。コントローラ115は、本明細書にさらに詳細に説明されるように、電源およびポンプデバイス100の駆動機構を格納し、また、ポンプデバイス100の制御、母乳産出量の定量化、他のデバイスとの通信等、種々の機能のためのハードウェアを含む。管110は、機械的なエネルギー入力等の好適なエネルギー入力を、コントローラ115から乳房インターフェース105までの長い距離にわたって伝達する。乳房インターフェース105は、エネルギー入力を乳房に対する減圧圧力に高度に効率的な様式で変換し、採取容器125の中への母乳の搾乳をもたらす。デバイス100はさらに、本明細書にさらに詳細に説明されるように、収集された流体の種々の特性を追跡するように構成される、1つまたはそれを上回るセンサを備えてもよい。電力が、コントローラ115もしくは別の電力源への接続を介して、1つまたはそれを上回るセンサに提供されてもよい。1つまたはそれを上回るセンサが、乳房インターフェース105もしくは採取容器125の1つまたはそれを上回る部分に結合される実施形態では、センサはさらに、センサとコントローラとの間で信号を伝送するように構成される1つまたはそれを上回る通信ラインを介して、コントローラ115に結合されてもよい。
【0047】
水圧(油圧)ポンプデバイス
水圧システムは、必要とされるポンプ力を低減させることができ、したがって、高ポンプ効率を維持しながらポンプデバイスのサイズを低減させることができる。好適な実施形態では、ポンプデバイスは、水圧ポンプシステムを利用して、母乳の搾乳および採取のため、乳房に対する圧力差を発生させることができる。
【0048】
例示的水圧ポンプデバイスが、
図2および3に示される。
図2は、管165によって乳房インターフェース160に流体的に結合された注射器155を有する、ポンプデバイス150を図示する。注射器155は、三方弁170を通して管165に結合される。乳房インターフェース160は、出口ポート175を含む。注射器155は、管165内に含まれる流体180を、乳房インターフェース160内に格納された可撓性部材に向けて駆動し、乳房からの母乳の搾乳に必要な圧力差を生成する。
【0049】
図3は、ポンプデバイス200の別の実施形態を図示する。作動アセンブリ205は、アセンブリ筐体210と、駆動要素215と、シール220と、シャフト222とを含む。駆動要素215は、シャフト222を通してコントローラ115等のコントローラに動作可能に結合される。管225は、流体230を含み、作動アセンブリ205および乳房インターフェース235に流体的に結合される。乳房インターフェース235は、インターフェース筐体240と、可撓性膜245と、リザーバ250と、シール要素255と、搾乳面積260と、排出ポート265とから成る。シール要素255は、変形可能部分270を含む。代替として、可撓性膜245は、変形可能部分270を有するシール要素255を備えてもよく、可撓性膜245は、乳房インターフェース235の中に係合される乳房に対して流体的にシールすることによって、シール要素として機能するように構成される。排出ポート265は、採取容器275に結合され、フラップ弁280を含む。
【0050】
作動アセンブリ205は、可撓性ラインであり得る、管内225に含有まれる流体230を変位させる。流体230は、乳房インターフェース235内のリザーバ250を占有し、可撓性膜245と結合される。好ましくは、可撓性膜245、シール要素255、およびインターフェース筐体240間の結合は、流体230が、リザーバ250内に含まれ、搾乳面積260の中に浸潤することができないような液密結合である。可撓性膜245は、流体230からシール要素255の変形可能部分270に減圧圧力を伝達する。乳房がシール要素255によって乳房インターフェース235の中に係合され、それと流体的にシールされると、作動要素215の変位が、可撓性膜245および変形可能部分270を通して、乳房に対する実質的な減圧圧力を生成し、その結果、搾乳面積260中への母乳の搾乳をもたらす。代替として、可撓性膜245は、可撓性膜245が、乳房インターフェース235の中に係合される乳房に対して流体シールを形成し、減圧圧力を流体230から可撓性膜245の変形可能部分に伝達するように、変形可能部分270を有するシール要素255を備えてもよい。搾乳された母乳は、排出ポート265を通して採取容器275中に排出される。排出ポート265は、フラップ弁280とともに構成され、搾乳面積260内の減圧圧力を維持しながら、母乳の通過をもたらす。採取容器275は、瓶またはバッグ等の任意の好適な容器であることができる。多くの実施形態では、採取容器275は、可撓性膜245に取り外し可能に結合される。採取容器275は、直接または延在管類等の任意の好適なデバイスを介して遠隔で、結合されることができる。好ましくは、採取容器は、ポンプデバイス200の他の構成要素から迅速に分断されることができる(例えば、母乳貯蔵、清浄等のため)。
【0051】
水圧ポンプデバイスの流体は、非圧縮性流体等、任意の好適な流体であることができる。多くの実施形態では、非圧縮性流体は、水または油等の液体であることができる。多くの実施形態では、流体は、ポンプデバイスによって流体に付与される減圧圧力が、流体の脱ガスをもたらさないような特性を有する流体であることができる。代替として、流体は、空気等の任意の好適なガスであることができる。水圧システムと併用するために好適な任意の液体またはガスが、本明細書に説明される水圧ポンプデバイスのために使用されることができる。
【0052】
作動機構
当業者に公知の多くの作動機構が、作動アセンブリ205のために利用されることができる。作動アセンブリ205は、ピストンアセンブリ、ダイアフラムポンプ等のポンプ、または任意の他の好適な作動機構とすることができる。作動アセンブリ205の最適な構成は、減圧要件、サイズ、電力、およびポンプデバイス200のその他の必要性、ならびに粘度、生体適合性、および流体寿命要件等の流体230の特性等、多くの要因に依存し得る。
【0053】
図3は、作動アセンブリ205がピストンアセンブリであって、駆動要素215がピストンである、例示的実施形態を図示する。作動アセンブリ205は、Oリング、回転ダイヤフラムシール、またはワイパシール等のシール220を含み、流体230の望ましくない滲出を防止し、流体230の駆動を可能にするようにアセンブリ筐体210に対してシールする。
【0054】
図4は、一対のピストン305を含む、作動アセンブリ300の別の例示的実施形態を図示する。
【0055】
好適な実施形態では、作動アセンブリは、コントローラ115内の駆動機構等、好適な駆動機構によって動力供給される駆動要素を含む。多くの駆動機構が、当業者に公知である。例えば、駆動要素215等の駆動要素は、モータによって電気機械的に作動されてもよく、レバー等の好適なユーザ作動式インターフェースによって手動で作動されてもよい。当業者に公知の種々の駆動モードが、使用されることができる。特に、本明細書に記載されるような例示的水圧ポンプデバイスの実装は、水圧システムの低減された力要件により、直接駆動およびソレノイド等の好適な駆動様式の使用を可能にする。
【0056】
ここで
図4の例示的実施形態を参照すると、ピストン305は、クランクシャフト315へのカップリング310を含む。クランクシャフト315は、ベルト駆動325を通してモータ320に動作可能に結合される。クランクシャフト315は、両方の乳房に同時に減圧圧力を印加するように一対のピストン305を同じストロークタイミングで駆動するが、この特徴は、母乳の産出増大に望ましい。代替として、クランクシャフト315は、交互またはオフセットストロークサイクル等の任意の好適なストロークタイミングで一対のピストン305を駆動することができる。交互またはオフセットストロークサイクルは、モータ320の電力要件を低減させる利点を有し得る。
【0057】
駆動機構は、局部電池またはACアダプタ等の任意の好適な電源によって給電されることができる。駆動機構は、コントローラ115内に配置された内蔵電子装置等のハードウェアによって制御されることができる。
【0058】
図22は、交互ポンプシステム2200の別の実施形態を図示する。システム2200は、標的組織、ここでは、乳房2220に一致するようなサイズおよび形状にされるインターフェース2212を伴う、二重搾乳デバイスを含む。リザーバ2214は、搾乳デバイスに螺合または別様に結合される。水圧ライン2210は、各搾乳デバイスを、ピストンチャンバ内の油等の非圧縮性流体と、作動可能ピストン2206とを有する、水圧ピストンアセンブリ2204に流体的に結合する。一方の水圧ライン2210は、水圧ピストンの高圧側2208に結合され、他方の水圧ラインは、ピストンの低圧側2208に結合される。モータ2202が、ピストン2206を作動させる。したがって、動作時、ピストンが作動されるにつれて、高圧側は、搾乳デバイスの一方内には、より高い圧力を、他方の搾乳デバイス内には、低い圧力を生成する。より低い圧力の搾乳デバイスは、減圧をもたらし、母乳の搾乳を生じさせる一方、高圧側は、母乳を搾乳しない。次いで、ピストンが、そのストロークの端部に到達し、反対方向に往復運動するにつれて、高圧側および低圧側は、反転され、それによって、反対側に母乳の搾乳を生じさせ、元の側には搾乳を生じさせない。本プロセスは、母乳が、交互方式において収集されることを可能にする。本システムにおける搾乳デバイス、リザーバは、本開示のいずれかに開示される構成要素のいずれかであってもよい。
【0059】
図5A−5Bは、取り外し可能カップリング355を含む、作動アセンブリ350の例示的実施形態を図示する。
図5Aは、取り外し可能カップリング355を介して結合される、作動アセンブリ350およびコントローラ360の等角図である。
図5Bは、取り外し可能カップリング355を備える、作動アセンブリ350の断面図である。好ましくは、作動アセンブリ350は、コントローラ360およびその中に格納される駆動機構に取り外し可能に結合される。カップリングは、機械的カップリングまたは当業者に公知の任意の好適な迅速脱着機構であり得る。取り外し可能に結合された設計は、ポンプデバイスの構成および使用の柔軟性を可能にする。例えば、ユーザの使い心地は、種々の乳房サイズとの適合性のために、異なるサイズの乳房インターフェースを通して改良され得る。加えて、本特徴は、一般のポンプデバイスが、取り換え可能な乳房インターフェースと併用されることを可能にし、したがって、病原体の拡散リスクを低減させる。さらに、取り外し可能カップリングは、ポンプデバイスの個々のパーツの容易な交換を可能にする。
【0060】
可撓性膜
図3に示される実施形態等、多くの実施形態において、可撓性膜245は、乳房インターフェース235内に位置し、少なくともその一部を覆うように配置され、インターフェース筐体240と可撓性膜245との間にリザーバ250を形成する。好ましくは、可撓性膜245は、流体230が作動アセンブリ205によってリザーバ250から変位されたときに形成される負圧に曝されると、実質的に変形する。可撓性膜245の変形量は、多くの要因(例えば、壁厚、デュロメータ、表面積)によって制御することができ、ポンプデバイス(例えば、ポンプ電力、減圧要件)に基づいて最適化することができる。
【0061】
図6は、特定の厚さとデュロメータとを有する、例示的可撓性膜370を図示する。
【0062】
図7は、表面積増加のためのひだのついた特徴380を伴う、可撓性膜375の別の実施形態を図示する。
【0063】
可撓性膜に好適な材料は、当業者に公知である。多くの実施形態では、可撓性膜は、シリコーン、PEBAX等のポリエーテルブロックアミド、およびネオプレン等のポリクロロプレン等の結合流体からの圧力に曝されると、膨張および収縮するように設計された材料から作製されることができる。代替として、可撓性膜は、ステンレス鋼、ニチノール、高デュロメータのポリマー、または高デュロメータのエラストマー等の実質的に剛性の材料から作製されることができる。これらの実施形態では、剛性の材料は、材料の降伏点を超えない可撓性膜の実質的な変形を可能にする応力および/または歪み分散要素とともに設計されるであろう。
【0064】
図8Aおよび8Bは、出口弁405が可撓性膜410の中に統合され、搾乳された母乳の流れを出口ポート415を通して制御する、乳房インターフェース400の好適な実施形態を図示する。出口弁405は、
図8Aに示されるように、可撓性膜410が弛緩されたときに開放され、流体の流れを可能にし、また、
図8Bに示されるように、可撓性膜410が変形されたときに閉鎖され、流体の流れを防止する。出口弁405は、抽出の間は、搾乳面積420に実質的な減圧圧力が存在するようにする一方、ポンプストロークの休止相の間は、母乳が排出することを可能にする。多くの従来型乳房ポンプ弁は、圧力差のみで機能する一方、出口弁405は、好ましくは、可撓性膜410の機械的移動にも機能するように構成されることができる。統合された出口弁405に、本明細書に記載されるような機械的機能性を組み込むことで、減圧形成の間、乳房インターフェース400のシールを改良することができる。さらに、出口弁405等の可撓性膜410内における一体的に形成された出口弁の実装は、洗浄されるべきパーツの数を低減させる。
【0065】
機械的ポンプデバイス
図9は、可撓性膜の代わりに機械的変形可能部材605が使用され得る、乳房インターフェース600の代替的実施形態を図示する。機械的変形可能部材605は、本明細書に記載の可撓性膜のために使用されるものと類似技法から構成されることができる。機械的変形可能部材605は、引張要素610に結合される。ある場合には、引張要素610は、軸荷重吸収部材615内に配置される。軸荷重吸収部材615は、管620内に配置される。好ましくは、引張要素610が、軸荷重吸収部材615内に同心円状に配置され、軸荷重吸収部材615が、管620内に同心円状に配置される。引張要素610の代替的構成では、軸荷重吸収部材615および管620もまた、使用されることができる。
【0066】
図10は、アセンブリ筐体635内の作動アセンブリ630の駆動要素625に結合される引張要素610を図示する。駆動要素625は、シャフト640を通して、コントローラ内に格納された駆動機構等の駆動機構に動作可能に結合される。管620内の軸荷重吸収部材615は、アセンブリ筐体635に固定して結合される。駆動要素625の変位は、引張要素610を通して機械的変形部材605に張力を伝達し、減圧圧力を乳房に対して生成する。駆動要素625は、本明細書に前述される実施形態等の好適な駆動機構によって作動されることができる。
【0067】
引張要素610は、ワイヤ、コイル、管、編組、ロープ、または任意のそれらの組み合わせ等の任意の好適なデバイスであることができる。例えば、引張要素610は、その周囲に配置されるステンレス鋼編組を伴う、小型ニチノールワイヤであることができる。引張要素610は、金属、ポリマー、またはエラストマー等、高い引張強度を有する多くの好適な材料から作製されることができる。軸荷重吸収部材615は、金属またはポリマー等、軸方向に合成の任意の好適な材料から作製されることができ、管またはコイル等、軸方向に合成の任意の好適な幾何学形状に構成されることができる。
【0068】
流体収集および定量化システム
多くの事例では、母乳産出量の量(例えば、体積、重量)、搾乳頻度(例えば、時間、日付)、および/または搾乳持続時間等、母乳の搾乳ならびに収集等の収集された流体の種々の特性を測定および追跡することが望ましくあり得る。既存のアプローチでは、母乳産出の追跡は、一般に、手動測定および記録付けによって遂行される。本明細書に説明されるデバイスの例示的実施形態は、改良された利便性、効率、および正確度のために、デジタルベースの手段を提供し、母乳産出を自動的に測定および追跡してもよい。例えば、センサが、搾乳された母乳の体積を測定するために使用されることができる。好適な実施形態では、体積は、単位時間あたりの体積、ポンプストローク(例えば、作動アセンブリのストローク)あたりの体積、またはポンプ電力サイクル(例えば、作動アセンブリの電力サイクル)あたりの体積として測定されることができる。
【0069】
例示的実施形態では、本明細書に説明されるポンプデバイスは、搾乳された母乳の体積等、母乳の搾乳の1つまたはそれを上回る特性を示す測定データを生成するために、1つまたはそれを上回るセンサを含む。体積の測定に関する本明細書における任意の説明はまた、他の特性の測定にも適用されることができ、その逆も同様である。加速度計、ホール効果センサ、およびフォトダイオード/LEDセンサ、CCDセンサ、カメラ、および他の撮像デバイス、容量センサ、歪みゲージ等の任意の好適なタイプのセンサが、使用されることができ、そのようなセンサは、任意の数および組み合わせにおいて使用されることができる。センサは、乳房インターフェース上またはその近傍等、乳房からの流体流れを監視するために好適な任意の場所(例えば、搾乳面積260、排出ポート265、採取容器275)に位置付けられることができる。母乳が、一対の乳房インターフェースを介して、一対の乳房から同時に搾乳される実施形態では、センサは、乳房インターフェースの両方の上もしくはその近傍、または乳房インターフェースの一方のみの上もしくはその近傍に位置することができる。センサは、ポンプデバイスと一体的に形成されるか、またはそれに恒久的に添着されてもよい。代替として、センサは、別個に提供され、使用に先立って、ポンプデバイスに結合されてもよい。
【0070】
図11Aおよび11Bは、弁統合式センサ455を伴う、乳房インターフェース450の例示的実施形態を図示する。センサ455は、好ましくは、フラップ弁460等の弁内に位置するが、また、流体流れによって開放される出口弁465または任意の他の弁(例えば、採取容器上またはその近傍)内に位置してもよい。例示的実施形態では、センサ455は、弁が開放される時間の長さ等、弁の位置および/または運動を測定する加速度計を含み、得られた測定データは、流体流れを定量化するために照会されることができる。好ましくは、乳房インターフェース450は、一対の乳房から母乳を並行して搾乳するために(例えば、同時に、交互に、または連続して)、第2の同じ乳房インターフェースと併用される。一対の加速度計が、各インターフェース内の対応する弁の位置および/または運動を検出するために使用されることができる。いくつかの事例では、ユーザの移動は、加速度計に、弁運動として誤って解釈される運動信号を生成させ得る。故に、好適な実施形態では、好適なアプローチが、ユーザの運動から生じる信号と、弁の運動によって生成される信号とを区別するために使用される。例えば、ポンプデバイスは、対応する弁もまた、交互に開放されるように、各乳房から交互に母乳を搾乳するように構成されることができる。その結果、両方の加速度計から同時に検出される運動は、弁運動からではなく、ユーザ運動から生じたものと見なされることができる。ユーザ運動は、弁運動を得るために、加速度計によって得られる総運動信号から減算され、それによって、各弁の位置を判定することができる。代替として、または組み合わせて、センサ455は、一式の弁加速度計に加え、一式の背景運動加速度計を備えてもよく、背景運動加速度計は、本明細書にさらに詳細に説明されるように、ユーザの運動を含む背景運動を測定するように構成される。背景運動加速度計によって測定される背景運動は、単離された弁運動を得るために、弁加速度計によって測定される運動から減算されてもよい。
【0071】
図11Cは、加速度計470を伴う実施形態をより明確に図示する。加速度計470は、乳房インターフェース474(本明細書では、遠位アセンブリとも称される場合がある)を有する、搾乳デバイス472の出力上の弁476に結合される。弁476は、フラップ弁、ダックビル弁、または同等物であってもよい。搾乳デバイスおよび乳房インターフェースは、本明細書に開示される実施形態のいずれかであってもよい。母乳468が搾乳されるにつれて、それは、デバイスの出力に収集される。十分な流体が収集されると、フラップ弁470は、開放し、母乳468は、リザーバ462の中に排出され、層464をその中に収集する。リザーバ462は、好ましくは、それが容易に取り付けられ、かつ取り外され得るように、搾乳デバイス472に螺合接続される。弁476の移動は、加速度計470を使用して追跡される。加速度計からのデータは、次いで、本明細書に開示される方法または手段のいずれかを使用して、処理、伝送、または表示される。
【0072】
図11L−11Nは、背景運動加速度計473および弁運動加速度計478を有する、例示的実施形態を図示する。
図11Lは、例示的実施形態の等角図である。
図11Mは、例示的実施形態の側面断面図である。背景運動加速度計473は、乳房インターフェース235の一部、例えば、乳房インターフェースの筐体240に結合されてもよい。弁運動加速度計478は、弁471に結合されてもよく、弁471は、フラップ弁、ダックビル弁、または搾乳された母乳468によって付与される圧力もしくは重量に応答して開放するように構成される、任意の他の弁であってもよい。背景運動加速度計473および弁運動加速度計478は、電力ライン482を通して、電源、例えば、コントローラ115に結合されてもよい。背景運動加速度計473および弁運動加速度計478はさらに、通信ライン480を通して、コントローラ115等のポンプ制御ユニットの処理デバイスまたは通信モジュールに結合されてもよい。代替として、または組み合わせて、加速度計は、乳房インターフェースまたはリザーバの一部上に配置される通信モジュールに結合されてもよく、通信モジュールは、コントローラまたはコンピューティングデバイスと無線通信するように構成される。電力ライン482および通信ライン480は、1つまたはそれを上回るワイヤを備えてもよく、可撓性管類110の異なるチャネルまたは同一チャネル484内に配置され、乳房インターフェース235をポンプデバイスの作動アセンブリに結合してもよい。背景運動加速度計473は、電力ライン482および通信ライン480に近接して位置付けられるように、筐体240の表面上に配置されてもよい。同様に、弁運動加速度計478は、電力ラインおよび通信ラインに近接して位置付けられるように、弁471の表面上に配置されてもよい。弁471は、その上に配置される弁加速度計478が電力および通信ラインに近接して位置付けられることができるような構成に配列されてもよい。好ましくは、背景運動加速度計473は、加速度計によって生成される位置データの一貫性を最適化するように、その感知軸を弁加速度計471の軸に整合される場所および配向に配置されてもよい。
【0073】
図11Mに示されるように、搾乳された母乳468は、乳房インターフェース235の搾乳面積260に進入し、続いて、採取容器に結合される排出ポート265に進入することができる。母乳468の流体流れは、弁471に対して圧力を生成し、弁471を開放させることができる。例えば、弁471は、構成486まで矢印485によって示される方向に変位されてもよい。弁471の移動は、弁運動加速度計478によって追跡されてもよい。弁運動加速度計478は、多くの場合、弁の運動471に加え、ユーザ運動等の弁の運動471と関連しない背景運動を測定し得る。背景運動に対して弁運動加速度計478の測定を正規化するために、背景運動加速度計473は、弁の運動471と関連しないデバイスの背景運動を測定するように、空間内のポンプデバイスの全体的移動を追跡するように構成されることができる。加速度計473および478によって生成されるデータは、通信ライン480を介してポンプ制御ユニットの通信モジュールに伝送されてもよく、通信モジュールは、データ分析および/または表示のために、データをポンプ制御ユニットまたは別のコンピューティングデバイスのいずれかの処理デバイスに伝送するように構成されてもよい。代替として、または組み合わせて、加速度計によって生成されるデータは、乳房インターフェースまたはリザーバの一部と統合される通信モジュールを介して、無線で伝送されてもよい。
【0074】
図11Nは、背景運動加速度計473および弁運動加速度計478によって生成される運動信号の例示的グラフを示す。グラフに示されるように、弁運動加速度計478によって生成される弁信号487は、背景運動加速度計473によって生成される背景信号488と異なる。測定された弁運動への背景運動の寄与を除外または最小限にするために、背景信号488は、弁信号487から減算され、正規化された弁信号489を生成してもよい。
【0075】
他の例示的実施形態では、本明細書に説明されるポンプデバイスは、ポンプデバイス内の好適な場所(例えば、弁、出口ポート、または流体通過を可能にする他の構成要素内もしくはその近傍)に据え付けられる、1つまたはそれを上回るビーム遮断センサ(例えば、赤外線ベース、レーザベース等)を利用することができる。ビーム遮断センサは、複数のセンサ構成要素を含むことができ、構成要素のうちの1つまたはそれを上回るものの間またはその近傍の流体の通過を検出するように構成されることができる。好ましくは、センサは、ビームエミッタとビーム検出器との間を通過することによって、搾乳された流体がビームを遮断すると、信号を生成するように構成されることができる。得られた信号は、搾乳された流体の体積を示す測定データを生成するために使用されることができる。例えば、測定データは、流体がセンサ構成要素間またはその近傍を通過する時間の長さに基づくことができる。
【0076】
図11Dは、ビーム遮断センサ477を採用する、母乳搾乳デバイスの例示的実施形態を図示する。搾乳デバイス472は、乳房インターフェース474と、リザーバ462とを含む。リザーバは、搾乳デバイス466に螺合または別様に結合される。本明細書に開示される搾乳デバイス、インターフェース、リザーバ等の例示的実施形態のいずれも、本例示的システムにおいて使用されてもよい。ビーム遮断センサ477は、搾乳デバイスの出力に隣接して配置され、したがって、母乳の液滴468が、搾乳デバイス出口からリザーバ462の中に排出されるにつれて、光ビーム477aを遮断し、搾乳された流体の測定を可能にする。流体は、リザーバ462内の層464に収集される。センサからのデータは、次いで、本明細書に開示される方法のいずれかを使用して、処理、伝送、または別様に表示されることができる。
【0077】
別の例示的実施形態では、本明細書に説明されるポンプデバイスは、電荷結合素子(CCD)、相補型金属−酸化物−半導体(CMOS)内のアクティブピクセルセンサ、またはカメラ等の、搾乳体積を定量化するために、流体の画像を捕捉するための1つまたはそれを上回る画像センサを含むことができる。画像センサは、ポンプデバイスの好適な部分と統合されるか、またはそこに結合されてもよい。逆に言えば、画像センサは、スマートフォンまたは他のモバイルデバイス等、ポンプデバイスと別個の別のデバイス上に位置することができる。例示的実施形態では、乳房インターフェースは、本明細書に前述されるように、搾乳された流体の通過を可能にする弁を含み、好適な画像センサが、弁を通して通過する流体の画像を捕捉するために、弁上またはその近傍に位置付けられる。好ましくは、画像センサは、流体体積を判定するために、画像データを分析する(例えば、好適な画像分析アルゴリズムを使用して)ように構成される、処理ユニットに動作可能に結合される。例えば、画像センサは、流体の液滴の画像を捕捉するために使用されることができ、画像は、液滴の数を計数するために分析されることができる。いくつかの事例では、画像データは、以下にさらに詳細に説明されるように、分析のために、コンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)に伝送されることができる。
【0078】
図11Eは、搾乳デバイスの出口に隣接するCCDまたはCMOSデバイス479を有する、例示的実施形態を図示する。搾乳デバイス472は、インターフェース474と、リザーバ462とを含み、いずれも、本明細書に開示される実施形態のいずれかであってもよい。母乳468が搾乳されるにつれて、それは、前述のように、流体を検出し、その定量化を可能にする、CCDまたはCMOS479を越えて搾乳デバイスの出口を通過する。母乳468は、次いで、リザーバ462内の層464に蓄積される。デバイス479からのデータは、次いで、本明細書に開示される方法のいずれかを使用して、処理、伝送、または別様に表示されてもよい。
【0079】
図11Fは、リザーバの画像を使用して、搾乳された母乳を特性評価する、例示的実施形態を図示する。いったん母乳468が、リザーバ462内に収集されると、リザーバは、随意に、搾乳デバイスから取り外されてもよい。写真を分析し、搾乳された母乳の量を判定し、随意に、搾乳された母乳についての他の詳細を提供するための好適なアプリケーションを有する、携帯電話が、次いで、リザーバの写真463aを撮影するために使用されてもよい。データは、本明細書に開示される方法のいずれかを使用して、処理、伝送、または別様に表示される。
【0080】
図11Gは、光センサシステムの代替実施形態を図示する。母乳468が、搾乳され、リザーバ462内に収集された後、ポンプ制御ユニット465内のカメラが、リザーバ内の母乳の画像を得て、量または他の特性のために、それを分析するために使用されてもよい。ポンプ制御465は、本願のいずれかに説明されるポンプ制御のいずれかであってもよく、データは、本明細書に開示される方法のいずれかを使用して、処理、伝送、または表示されてもよい。
【0081】
いくつかの例示的実施形態では、本明細書に説明されるポンプデバイスは、流体体積を測定するために、1つまたはそれを上回る容量センサを採用することができる。容量センサは、収集リザーバおよび/または乳房インターフェース内に含まれる流体等、ポンプデバイスの任意の好適な部分(例えば、搾乳面積260、弁、出口ポート、または管等のインターフェースからの流体の通過を可能にする構成要素)内に含まれる流体の体積を検出するように構成されることができる。
【0082】
図11H−11Iは、容量センサを使用する、搾乳デバイスの例示的実施形態を図示する。搾乳デバイス472は、本明細書に開示される搾乳デバイスのいずれかであってもよく、同様に、本明細書に開示されるインターフェースのいずれかであり得る、インターフェース474を有する。リザーバ462は、搾乳デバイスに螺合466または別様に結合され、リザーバは、本明細書に説明されるリザーバのいずれかであってもよい。母乳468が、搾乳され、搾乳デバイスの出口に収集されるにつれて、それは、容量センサ475を通して通過し、これは、次いで、流体体積を測定することが可能となる。
図11Iは、
図11Hにおける実施形態に類似するが、主な差異は、容量センサ475aが、搾乳デバイスの出口内ではなく、底部近傍のリザーバ462内に配置されることである。いずれの実施形態におけるセンサからのデータも、次いで、本明細書に説明される技法のいずれかを使用して、処理、伝送、または表示されてもよい。
【0083】
他の例示的実施形態では、1つまたはそれを上回る歪みゲージが、搾乳された流体の体積を測定するために使用されることができる。歪みゲージは、ポンプデバイス内の任意の好適な位置に据え付けられることができる。例えば、歪みゲージは、フラップ弁(または搾乳された流体の通過を可能にする任意の他の弁)に結合され、弁の経時的変位に基づいて、体積を判定するように構成されることができる。代替として、または加えて、歪みゲージは、収集リザーバに結合され、リザーバ内に含まれる搾乳された流体の体積を測定するように構成されることができる。
【0084】
図11Jは、歪みゲージの例示的実施形態を図示する。搾乳デバイス472は、インターフェース474と、そこに螺合または別様に結合される466、リザーバ462とを含む。本システムの任意の部分は、本明細書のいずれかに説明される構成要素のいずれかであってもよい。母乳が搾乳される468につれて、それは、搾乳デバイスの出口内に蓄積する。最終的に、蓄積された母乳の重量は、弁476を作動および開放させるために十分である。歪みゲージ481は、フラップ弁に結合され、本センサは、次いで、弁の移動に関するデータを収集するために使用され、したがって、これは、収集された流体に相関する。流体は、リザーバ462内の層464に蓄積する。センサからのデータは、次いで、本明細書に開示される方法のいずれかを使用して、処理、伝送、または表示される。
【0085】
図11Kは、歪みゲージの代替実施形態を図示する。本実施形態は、概して、前述の実施形態と同一形態をとるが、主な差異は、収集された流体層464が、収集された流体の重量に耐える、プレート483上に配置されることである。したがって、重量が増加または減少するにつれて、プレート483下に配置される歪みゲージ481aが、重量変化を検出し、これは、収集された流体体積に相関されることができる。センサからのデータは、次いで、本明細書に開示される方法のいずれかに従って、処理、伝送、または表示される。
【0086】
図11O−11Qは、統合処理ユニットを備える、歪みゲージまたは力感応抵抗器(FSR)の例示的実施形態を図示する。
図11Oは、実施形態の断面図である。歪みゲージ490は、搾乳された母乳468の負荷469を歪みゲージまたはFSR490のセンサ面積上に配置するような構成において、リザーバ462または本明細書に説明される任意のリザーバ等のリザーバの底部の中に統合されてもよい。歪みゲージ490は、それにかかる圧縮力に基づいてその抵抗を調節する、小型の力感応抵抗器を備えてもよい。負荷469に対する歪みゲージ490の感度を最大限にするために、リザーバ462の底部内部表面491は、負荷が歪みゲージに伝達されるにつれて、負荷469の吸収を最小限にするように設計されてもよい。例えば、底部内部表面491は、蛇腹要素492を備え、表面491を伸展させることによって、表面491が上下に移動することを可能にし、それによって、負荷469の吸収を最小限にしてもよい。好ましくは、リザーバ462は、内蔵タイプの電子機器を備え、歪みゲージ490を使用して生成されるデータを収集、処理、および通信する。
図11Oにおける実施形態の分解図である、
図11Pに示されるように、歪みゲージ490は、支持体493上に搭載され、処理ユニット494に結合されてもよい。電力が、バッテリまたはケーブルもしくはパッドコネクタ等の直接接触接続を介して、または好ましくは、誘導充電システムを介して、処理ユニット494に供給されてもよい。誘導充電システムは、処理ユニットに結合されるバッテリ495と、バッテリに結合され、当技術分野において公知の誘導充電方法を使用して充電され得る、無線充電器496とを備えてもよい。
図11Qは、処理ユニット494の詳細図である。処理ユニット494は、マイクロコントローラ494a、通信モジュール494b、歪みゲージ接続494c、電力接続494d、およびタイマ494eのうちの1つまたはそれを上回るものを格納する、印刷回路基板(PCB)を備えてもよい。処理ユニット494は、信号を歪みゲージ490から歪みゲージ接続494cを通して受信してもよく、信号は、マイクロコントローラ494aに伝送されてもよい。マイクロコントローラ494aは、歪みゲージ490から受信された信号を収集および処理するための命令を備える、非一過性コンピュータ可読媒体を備えてもよい。マイクロコントローラ494aはさらに、収集および/または処理された信号を通信モジュール494bに伝送するための命令を備えてもよい。通信モジュール494bは、例えば、Blue Toothモジュール等の無線送信機/受信機を備えてもよい。通信モジュール494bは、データ分析および/または表示のために、歪みゲージデータを搾乳デバイスのポンプ制御ユニットまたは携帯電話等の別のコンピューティングデバイスに伝送するように構成されてもよい。
【0087】
図11O−11Qの実施形態の統合処理ユニットはまた、本明細書に説明される任意の他のセンサと好適に組み合わせられてもよい。説明されるような統合センサおよび処理ユニットを有するリザーバを伴う、搾乳デバイスは、母乳産出の管理および監視の自動化に役立ち、したがって、母乳産出に関連する記録を手動で維持する必要性を低減させることができる。例えば、説明されるような歪みゲージシステムは、産生された母乳の量を監視し、自動的に、データを処理し、ユーザが情報に容易にアクセスし得る、コンピューティングデバイスに送信することができる。そのようなシステムは、ユーザにとって利便性を大幅に改善し、また、手動記録維持に関連する人的エラーを低減させるのに役立つことができる。
【0088】
例示的実施形態では、センサによって収集された測定データの一部または全部は、流体搾乳を最適化するために、ポンプデバイスにフィードバックされることができる。好ましくは、フィードバックは、作動アセンブリの1つまたはそれを上回る機能性を制御するように構成される、ポンプデバイスの処理ユニットおよび/または制御ユニット(例えば、コントローラ115内に位置する好適なハードウェア)に伝送されることができる。フィードバックに基づいて、処理ユニットは、最適流体搾乳を達成および/または維持するために、作動アセンブリの作動パラメータへの変更を判定することができる。例えば、フィードバックは、ポンプ、ピストンアセンブリ、または任意の他の好適な作動アセンブリの減圧ストロークまたは1分あたりのサイクルへの調節を判定するために使用されることができる。
【0089】
図21は、フィードバック制御を伴う、例示的搾乳システムを図示する。システムは、好ましくは、コントローラおよびプロセッサ2104ならびにデバイスを作動させるためのモータ2102を含む、ポンプユニット2100と、標的生体構造、ここでは、乳房2112と噛合するようなサイズおよび形状にされる、遠位アセンブリ2110とを含む。本例示的システムにおける要素のいずれも、他の例示的実施形態における本明細書にいずれかに開示される構成要素のいずれかであってもよい。本実施形態では、搾乳デバイス2110内の搾乳された母乳を監視する、センサからのフィードバック2106は、遠位アセンブリ(インターフェースを伴う搾乳デバイス)からコントローラおよびプロセッサ2104に伝送される。データは、処理され、本情報は、搾乳デバイスの作動を増加または減少させる命令をモータ2102に提供するために使用され、次いで、これは、通信2108によって、搾乳デバイスまたは遠位アセンブリ2110に返信される。フィードバック情報はまた、搾乳デバイスの1分あたりのストロークまたはサイクル数を変更するための命令をモータ2012に提供するために使用されてもよい。本明細書における実施形態のいずれも、そのようなフィードバックループを含んでもよい。
【0090】
図12は、ディスプレイ画面505を含むポンプデバイスのためのコントローラ500の例示的実施形態を図示する。コントローラ500は、本明細書に説明される母乳の搾乳データならびに搾乳データの処理から得られた分析結果を収集、処理、および記憶するために好適なハードウェアを含むことができる。好適な実施形態では、本情報は、ディスプレイ画面505を介してポンプデバイスのユーザに表示される。さらに、
図13に示されるように、情報はまた、以下にさらに詳細に説明されるように、コントローラ500から伝送され、モバイルデバイス510等の別個のコンピューティングデバイス上に表示されることができる。情報は、グラフ、チャート、表、画像、または異なる色の1つもしくはそれを上回る光等の他の視覚的要素を含む、任意の好適な形式で提示されることができる。代替として、または組み合わせて、情報は、聴覚的インジケータを介して提供されてもよい。情報は、静的または動的である(例えば、リアルタイムで更新される等)形式で提示されてもよい。加えて、コントローラ500は、ボタン515、ならびにキーボード、ジョイスティック、タッチスクリーン、スイッチ、またはノブ、もしくはそれらの好適な組み合わせ等、ユーザが表示される情報と相互作用することを可能にする入力デバイスを含むことができる。
【0091】
コンピューティングデバイスとの通信
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、本明細書に説明されるポンプデバイスは、1つまたはそれを上回るコンピューティングデバイスおよび/またはサーバ等、別のエンティティと通信するように構成されることができる。例示的コンピューティングデバイスとして、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、およびモバイルデバイス(例えば、スマートフォン、携帯電話)が挙げられる。本明細書に説明されるサーバは、物理的ハードウェア、仮想化コンピューティングリソース(例えば、仮想機械)、または任意の好適なそれらの組み合わせを横断して実装されることができる。好適な実施形態では、サーバは、公共および/または私的分散型コンピューティングリソースの任意の好適な組み合わせを利用する、分散型コンピューティングサーバ(クラウドサーバとしても知られる)である。コンピューティングデバイスおよび/またはサーバは、ポンプデバイスに近接近してもよく(短距離通信)、またはポンプデバイスから遠隔に据え付けられてもよい(長距離通信)。コンピューティングデバイスとポンプデバイスとの間の通信に関する本明細書における任意の説明はまた、サーバとポンプデバイスおよびその逆との間の通信にも適用されることができる。
【0092】
図13は、ポンプデバイスのコントローラ500とモバイルデバイス510との間の短距離通信515を図示する。通信515は、以下に説明されるように、無線通信方法を利用することができる。多くの実施形態では、コントローラ500およびモバイルデバイス510はまた、長距離通信可能である。
【0093】
図14は、コンピューティングデバイス805およびサーバ810と通信する、ポンプデバイス800の概略図である。ポンプデバイス800は、1つまたはそれを上回る乳房インターフェース815と、作動アセンブリ820と、感知ユニット825と、通信モジュール835とを含む。好ましくは、通信モジュール830は、ポンプデバイスのコントローラ(例えば、コントローラ500)内の好適なハードウェアを横断して実装される。ポンプデバイス800は、通信モジュール830を介して、コンピューティングデバイス805およびサーバ810と通信することができる。多くの実施形態では、通信モジュール830は、第1および第2のデータ接続835、840を介して、コンピューティングデバイス805およびサーバ810に通信可能に結合される。さらに、サーバ810は、第3のデータ接続845を介して、コンピューティングデバイス805に通信可能に結合され得る。ポンプデバイス800は、本明細書ではコンピューティングデバイス805およびサーバ810と直接通信するように描写されるが、他の構成もまた、可能性として考えられる。例えば、ポンプデバイス800は、コンピューティングデバイス805を介して、サーバ810と間接的に通信するか、または逆も同様であってもよい。逆に、サーバ810は、コンピューティングデバイス805を介して、ポンプデバイス800と間接的に通信してもよく、コンピューティングデバイス805は、サーバ810を介して、ポンプデバイス800と通信してもよい。ポンプデバイス800、コンピューティングデバイス805、またはサーバ810間の通信に関する本明細書における任意の説明は、これらのエンティティ間の直接通信ならびに間接通信に適用されることができる。
【0094】
データ接続835、840、および845は、ポンプデバイス800、コンピューティングデバイス805、およびサーバ810間でデータを伝送するための好適な任意の通信方法を利用することができる。そのような通信方法は、有線通信(例えば、ワイヤ、USBケーブル等のケーブル、光ファイバ)および/または無線通信(Bluetooth(登録商標)、WiFi、近距離通信)を含むことができる。多くの実施形態では、データは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、電気通信ネットワーク、インターネット、またはそれらの好適な組み合わせ等、1つまたはそれを上回るネットワークを経由して伝送されることができる。
【0095】
例示的実施形態では、ポンプデバイス800は、母乳の搾乳データをコンピューティングデバイス805またはサーバ810(直接もしくは間接的に)に伝送する。母乳の搾乳データは、本明細書に前述されるように、ポンプデバイス800の感知ユニット825によって生成される測定データを含むことができる。多くの実施形態では、ポンプデバイス800は、測定データを分析し(例えば、好適な内蔵ハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用して)、分析結果をコンピューティングデバイス805またはサーバ810に伝送する。代替として、測定データは、1つまたはそれを上回るアプリケーションを使用して等、コンピューティングデバイス805またはサーバ810によって分析されることができる。コンピューティングデバイス805またはサーバ810は、測定データおよび/または分析結果の記憶のために、データ記憶と関連付けられてもよい。
【0096】
(コンピューティングデバイス805またはサーバ810の)アプリケーションはまた、本明細書に前述されるように、測定データおよび/または分析結果を収集ならびに集積し、好適な形式(例えば、チャート、表、グラフ、画像等)において、それらをユーザに表示することができる。好ましくは、アプリケーションは、そのような情報と母乳産出統計の比較を促進するために、ユーザが、母乳産出を増加させるため生活様式選択肢、食事、および方略等の情報をオーバーレイすることを可能にする、付加的特徴を含む。本明細書に説明される分析および表示機能性は、単一エンティティまたはエンティティの任意の好適な組み合わせによって行われてもよい。例えば、多くの実施形態では、データ分析は、サーバ810によって実施され、分析結果が、ユーザへの表示のために、ポンプデバイス800またはコンピューティングデバイス805に伝送されることができる。
【0097】
加えて、コンピューティングデバイス805またはサーバ810は、電力、印加される減圧圧力(インターフェース815を介して)、または1分あたりのサイクル等、ポンプデバイス800またはその一部(例えば、作動アセンブリ820)の少なくとも1つの機能性を制御するように構成される、アプリケーションを含むことができる。例えば、通信モジュール830は、コンピューティングデバイス805および/またはサーバ810からの制御信号を受信し、制御信号を作動アセンブリ820に伝送し、所望の作動をもたらすことができる。好適な実施形態では、制御信号は、本明細書に前述されるように、感知ユニット825によって提供される測定データに基づいて、そのようなフィードバックとしてポンプデバイス800によって提供されるフィードバックを使用して生成されることができる。加えて、コンピューティングデバイス805またはサーバ810は、ポンプ性能を経時的に改善および最適化するために、ポンプデバイス800の制御に関する機械学習技法を実装してもよい。
【0098】
さらに、ポンプデバイス800、コンピューティングデバイス805、および/またはサーバ810は、母乳を搾乳するようにユーザにリマインドする通知を提供するように構成されることができる。そのような通知は、ポンプセッションの逸失を回避するのに役立ち、したがって、乳腺炎等の関連付けられた合併症の発生を低減させることができる。通知は、以前のポンプセッションの搾乳頻度および/またはタイミングに関するデータ等、以前に収集された母乳の搾乳データに基づいて、かつユーザ選好に基づいて、生成されることができる。好ましくは、通知機能性は、コンピューティングデバイス805またはサーバ810上で起動する好適なアプリケーション内に含まれる。例えば、ポンプデバイス800は、アプリケーションが、ポンプ圧送が生じたときを識別し、所望のポンプ時間にリマインダを識別し得るように、ポンプの使用時間についての情報をコンピューティングデバイス805またはサーバ810に送信することができる。
【0099】
通知は、任意の好適な方法を使用して、そして任意の好適な形式において提供されることができる。例えば、通知は、コンピューティングデバイス805またはサーバ810によって生成され、ポンプデバイス800(例えば、通信モジュール830)に伝送され、ユーザに表示される(例えば、ディスプレイ画面505等のポンプデバイス800のディスプレイ上に)ことができる。逆に、通知は、ポンプデバイス800によって生成され、コンピューティングデバイス805および/またはサーバ810に伝送されることができる。多くの実施形態では、通知は、コンピューティングデバイス805によって、ユーザに表示される。代替として、ポンプデバイス800、コンピューティングデバイス805、および/またはサーバ810は、他の方法を使用して、通知をユーザに提供することができる。例えば、通知は、電子メールアドレスに、ショートメッセージサービス(SMS)を介して携帯電話番号と関連付けられたスマートフォンもしくは他のモバイル装置に、またはユーザによってアクセス可能なウェブページに送信されることができる。
【0100】
他のタイプのデータもまた、ポンプデバイス800、コンピューティングデバイス805、および/またはサーバ810間で伝送されることができる。例えば、多くの実施形態では、ポンプデバイス800の1つまたはそれを上回る構成要素のためのファームウェア更新が、コンピューティングデバイス805および/またはサーバ810からポンプデバイス800に伝送されることができる。
【0101】
図17は、母乳の搾乳または他の流体を監視するためのシステムの別の例示的実施形態を図示する。システム1700は、ポンプユニット1702と、遠位アセンブリ1706(本明細書では、インターフェースとも称される場合がある)と、無線通信送信機および受信機1709、1712と、コンピューティングデバイス1714と、遠隔サーバ1718とを含む。ポンプユニット1702は、本明細書に説明されるか、または当技術分野において公知のポンプユニットのいずれかであってもよく、遠位アセンブリ1708はまた、それらの本明細書に説明されるか、または当技術分野において公知のもののいずれかであってもよい。遠位アセンブリ1706は、好ましくは、本例示的実施形態では、乳房1708である、標的生体構造に一致するようなサイズおよび形状にされる。ポンプユニット1702は、遠位アセンブリ1706を作動させ1704、本明細書に開示される作動機構のいずれかを使用して、乳房1708からの母乳の搾乳を生じさせる。送信機1709は、好ましくは、ポンプユニット上に、またはそこに隣接して配置され、データ1710をポンプユニットからコンピューティングデバイス1714上の受信機1712に伝送するように構成される。データは、本明細書に開示されるもの等の当技術分野において公知の方法を使用して、無線で伝送されてもよい。代替実施形態では、USBケーブルを用いて等、有線接続が、ポンプ1702およびコンピューティングデバイス1714をともに動作可能に結合するために使用されてもよい。コンピューティングデバイスは、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、またはポンプユニット1702から伝送されたデータを表示することができる、任意の他の電子コンピューティングデバイスであってもよい。コンピューティングデバイスはまた、情報をポンプユニットに返信し、遠位アセンブリの動作の制御に役立ててもよい。コンピューティングデバイス1714はまた、データを記憶または表示し得る、遠隔サーバ1718と通信1716してもよい。遠隔サービス1718へのアクセスは、インターネットまたは当技術分野において公知の他の手段によって行われてもよく、したがって、クラウドベースのデータが、インターネットアクセスを用いて、任意の他のデバイスから容易にアクセスされ得る。
【0102】
図18は、母乳の搾乳のためのシステム1800の別の例示的実施形態を図示する。本実施形態では、システム1800は、ポンプユニット1802と、遠位アセンブリ1806と、クラウドベースまたは遠隔サーバ1812とを含む。ポンプユニット1802は、本明細書に開示されるポンプのいずれかであってもよく、乳房1808等の標的に一致するようなサイズおよび形状にされる、遠位アセンブリ1806と動作可能に結合される。遠位アセンブリは、本明細書に説明される遠位アセンブリのいずれかであってもよい。ポンプユニット1802は、本明細書に開示される機構のいずれかを使用して、遠位アセンブリを作動1804させ、乳房1808からの母乳の搾乳を生じさせる。ポンプユニット1802はまた、ポンプデータ1810を、本実施形態では、クラウドベースのサーバである、遠隔サーバ1812に伝送するための送信機および受信機1809を含む。したがって、データは、インターネットを介して、遠隔サービスに伝送され、インターネットを介して、ポンプ1802または任意の他のコンピューティングデバイスによって、クラウドベースのサーバからアクセスされてもよい。好ましくは、クラウドベースのサーバとの通信は、無線通信によって行われる。
【0103】
図19A−19Cは、例示的コンピューティングデバイスディスプレイ1904を図示する。例えば、
図19Aは、携帯電話1902上の例示的ディスプレイを図示し、母乳産出、最後のポンプセッションの時間、目標達成のグラフィック、およびユーザの流体消費を図示するグラフィックを図式的に図示する。加えて、ディスプレイ1904はまた、母乳産出の量に基づいて、ユーザ奨励またはユーザフィードバックを提供してもよい。
図19Bは、
図19Aにおけるディスプレイ1904の拡大図である。
図19Cは、ディスプレイ1904が、タッチスクリーンが作動される(例えば、画面をスワイプまたはタッチすることによって)ときに示し得る、付加的情報を図示する。例えば、搾乳された母乳の体積が、ディスプレイの「最終ポンプセッション」区分が選択された後に示される。一部または全部のアイテムは、同様に
図19Cに示されるように、拡張されてもよい。付加的情報、またはいくつかの状況では、より少ない情報が、所望に応じて表示されてもよい。
【0104】
図20A−20Bは、母乳搾乳システムにおいて使用され得る、他の例示的ディスプレイを図示する。例えば、
図20Aは、本明細書に開示されるコンピューティングデバイスのいずれか上にあって、本明細書に説明されるポンプユニットのいずれかと動作可能に結合される、例示的ディスプレイ2002である。ディスプレイは、その同一期間の間の搾乳セッションの平均持続時間とともに、任意の期間にわたって搾乳された母乳の平均体積を示してもよい。グラフィック(例えば、棒グラフ、円グラフ、x−yプロット等)が、ここでは、月曜日から金曜日までの数日の経過にわたる個々のセッションの間に搾乳された体積を示すために使用されてもよい。ディスプレイは、ユーザが、例えば、セッションが旅行に起因して省略される場合、逸失したセッションが考慮され得るように、ディスプレイに注釈を付けることを可能にしてもよく、ディスプレイは、その期間の間の旅行を示してもよい。ここでは、ホップまたはフェヌグリークである、ある食品または栄養補助剤が摂取されたとき等、他の注釈もまた、付けられてもよい。これは、ユーザが、搾乳された母乳サンプルが、食品または栄養補助剤の消費に対して得られたときを思い出させることを可能にする。ディスプレイは、アドバイスを求める、クラウドにアクセスする、アラームを設定する、メモをとる、データを記憶する、またはシステム選好を確立するため等の他の機能ボタンを有してもよい。
図20A−20Bにおけるコンピューティングデバイスとポンプユニットとの間の通信は、
図13に関連して前述でより完全に論じられている。
【0105】
図20Bは、システム内のコンピューティングデバイス上にあり得るか、またはより好ましくは、本明細書に開示されるポンプのいずれか上にある、例示的ディスプレイ2004を図示する。ディスプレイ2004は、ダッシュボード式ゲージに類似し、搾乳および収集された流体の体積およびその時間を示す。他の情報もまた、表示されてもよい。
【0106】
実験データ
図15および16は、市販の乳房ポンプデバイスおよび本発明の例示的実施形態から得られた実験的ポンプ動作のデータを図示する。例示的実施形態は、ポンプ圧送のために非圧縮性流体を利用し、4ccの最大水圧流体体積を有する一方、市販のデバイスは、ポンプ圧送のために空気を利用し、114ccの最大体積を有した。
【0107】
図15は、1行程あたり生成される減圧圧力によって定量化された際のポンプ性能のグラフを図示する。例示的実施形態に関しては、ポンプによって変位された流体体積の1cc、2cc、3cc、および4ccに対して圧力測定が行われ、行程番号は、体積ccに対応する。市販のデバイスに関しては、それぞれ、ポンプによって変位された流体体積の46cc、57cc、68cc、80cc、91cc、103cc、および114ccを表す減圧調整ゲージに沿った7つの等間隔で増分された位置の1つに設定されたポンプを用いて測定が行われ、行程番号は、位置番号に対応する。曲線700は、例示的実施形態に対応し、曲線705は、市販のデバイスに対応する。例示的実施形態は、市販のデバイスと比較して、変位体積あたりより高レベルの減圧圧力を生成し、最高減圧圧力は、それぞれ、−240.5mmHgおよび−177.9mmHgであった。
【0108】
図16は、変位された流体の最大体積あたりの最大減圧圧力によって測定されたポンプ効率のグラフを図示し、バー710は、例示的実施形態に対応し、バー715は、市販のデバイスに対応する。例示的実施形態は、市販のデバイスと比較して、42倍のポンプ効率増加を実証し、効率は、それぞれ、−71.1mmHg/ccおよび−1.7mmHg/ccであった。
【0109】
本明細書に説明される種々の技法は、記憶媒体およびコンピュータ可読媒体上に記憶可能であって、コンピュータシステムの1つまたはそれを上回るプロセッサによって実行可能なコードを使用して、部分的または完全に実装されてもよい。コードまたはコードの一部を含む記憶媒体およびコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶または他の磁気記憶デバイス、ソリッドステートドライブ(SSD)または他の固体ソリッドステート記憶デバイス、もしくは所望の情報を記憶するために使用されることができ、かつシステムデバイスによってアクセスされることができる、任意の他の媒体を含む、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータ等の情報の記憶および/または伝送のための任意の方法または技術において実装される、限定ではないが、揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体等の記憶媒体および通信媒体を含む、当技術分野において公知のまたは使用される任意の適切な媒体を含むことができる。本明細書に提供される開示および教示に基づいて、当業者は、種々の実施形態を実装する他のやり方および/または方法を理解し得る。
【0110】
本発明の異なる側面は、個々に、集合的に、または相互に組み合わせて、認識され得ることを理解されたい。本明細書に説明される実施形態のいずれかの好適な要素または特徴は、任意の他の実施形態の要素または特徴と組み合わせられる、もしくはそれと置換されることができる。
【0111】
本発明の好適な実施形態が、本明細書に示され記述されたが、このような実施形態が、例としてのみ提示されることは当業者にとって当然である。多くの変形、変更、および代替が、今や、本発明から逸脱することなく当業者に想起され得る。本明細書に記載された本発明の実施形態への種々の代替が、本発明の実施に使われ得るものと理解されるべきである。以下の請求項は、本発明の範囲を画定することを意図したもので、これら請求項の範囲内にある方法、構成、およびそれらの均等物は、それによって包含されることが意図される。
【国際調査報告】