特表2017-509430(P2017-509430A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-509430キャップアセンブリを備える胃瘻チューブ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-509430(P2017-509430A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(54)【発明の名称】キャップアセンブリを備える胃瘻チューブ
(51)【国際特許分類】
   A61J 15/00 20060101AFI20170317BHJP
   A61M 39/02 20060101ALI20170317BHJP
   A61M 39/20 20060101ALI20170317BHJP
【FI】
   A61J15/00 Z
   A61M39/02 112
   A61M39/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-560355(P2016-560355)
(86)(22)【出願日】2015年2月3日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月29日
(86)【国際出願番号】EP2015052116
(87)【国際公開番号】WO2015149968
(87)【国際公開日】20151008
(31)【優先権主張番号】14163160.6
(32)【優先日】2014年4月2日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】509063694
【氏名又は名称】フレゼニウス カービ ドイチュラント ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【弁理士】
【氏名又は名称】籾井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ミュニッヒ, カタリーナ
(72)【発明者】
【氏名】クレーフェ, クラウス
【テーマコード(参考)】
4C047
4C066
【Fターム(参考)】
4C047NN16
4C066AA05
4C066BB01
4C066CC04
(57)【要約】
胃瘻チューブ1が、流体を供給するためのポート15を有するヘッド10と、ヘッド10から延出し、ポート15内に供給される流体を移送するためのダクト150を有するチューブ部分11と、ヘッド10に取付け可能なキャップアセンブリ2とを備える。ここで、キャップアセンブリ2は、内部チャンバー205を形成するキャップ20を備え、胃瘻チューブ1の組立て状態では、ヘッド10は、キャップ20の内部チャンバー205に挿入される。このようにして、胃瘻チューブのヘッドの美的に好ましい外観を可能にするとともに、日常生活を送る患者に対して可能な限り妨害の少ない胃瘻チューブが提供される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を供給するためのポート(15)を有するヘッド(10)と、
前記ヘッド(10)から延出し、前記ポート(15)内に供給される流体を移送するためのダクト(150)を有するチューブ部分(11)と、
前記ヘッド(10)に取付け可能なキャップアセンブリ(2)と、
を備える胃瘻チューブ(1)であって、
前記キャップアセンブリ(2)は、内部チャンバー(205)を形成するキャップ(20)を備え、該胃瘻チューブ(1)の組立て状態では、前記ヘッド(10)は、前記キャップ(20)の前記内部チャンバー(205)に挿入されることを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項2】
請求項1に記載の胃瘻チューブ(1)であって、前記キャップ(20)は、前記ヘッド(10)の、前記チューブ部分(11)が該ヘッド(10)から延出する側に向かって前記内部チャンバー(205)を開口させる底部開口(206)を有することを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項3】
請求項2に記載の胃瘻チューブ(1)であって、前記キャップ(20)の前記底部開口(206)は底縁部(204)によって囲まれ、前記内部チャンバー(205)内に配置される前記ヘッド(10)は、外部に対して前記底縁部(204)を超えては延びないことを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の胃瘻チューブ(1)であって、前記キャップ(20)は、力による係止方法で又は確実な係止方法で前記ヘッド(10)に嵌められることを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の胃瘻チューブ(1)であって、前記キャップ(20)は、該キャップ(20)を前記ヘッド(10)に嵌める確実な係止係合をもたらす、少なくとも1つの係止要素(201、202)を備えることを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項6】
請求項5に記載の胃瘻チューブ(1)であって、前記少なくとも1つの係止要素(201、202)は、前記キャップ(20)の内壁(207)から突出し、前記組立て状態において前記キャップ(20)を前記ヘッド(10)に固定するように該ヘッド(10)と機械的に係合されることを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の胃瘻チューブ(1)であって、前記キャップ(20)は、少なくとも部分的に弾性材料から形成され、前記キャップ(20)が、弛緩状態から、前記ヘッド(10)を前記内部チャンバー(205)に挿入するための変形状態へと変形可能であるようになっており、前記ヘッド(10)を前記内部チャンバー(205)に挿入すると、前記キャップ(20)は、該キャップ(20)と前記ヘッド(10)との間の結合を確立するように前記弛緩状態に再設定可能であることを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の胃瘻チューブ(1)であって、前記キャップ(20)は、弾性の特徴が異なる2つのプラスチック部品から1つのピースに形成されることを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の胃瘻チューブ(1)であって、前記キャップアセンブリ(2)は、前記キャップ(20)を前記ヘッド(10)に固定するように前記キャップ(20)に取付け可能な底部分(21)を備えることを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項10】
請求項9に記載の胃瘻チューブ(1)であって、前記キャップ(20)は、前記底部分(21)にヒンジ結合されることを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の胃瘻チューブ(1)であって、前記組立て状態では、前記底部分(21)及び前記キャップ(20)は、確実な係止方法で互いに係止され、前記ヘッド(10)は、前記底部分(21)が前記キャップ(20)に係止されることによって前記内部チャンバー(205)内に保持されることを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか1項に記載の胃瘻チューブ(1)であって、前記底部分(21)は、前記組立て状態では、前記チューブ部分(11)が延出する前記ヘッド(10)の底面(104)上に配置され、前記底部分(21)は、前記チューブ部分(11)を受ける開口(213)を有することを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか1項に記載の胃瘻チューブ(1)であって、前記底部分(21)は、該底部分(21)の、前記ヘッド(10)に対面する側から突出するとともに、前記組立て状態では前記ヘッド(10)に当接する、少なくとも1つのフランジ(211、212)を保持し、該少なくとも1つのフランジ(211、212)は、前記キャップ(20)の少なくとも1つの係止要素(201、202)に係合し、前記キャップ(20)を前記底部分(21)に係止するように構成されることを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の胃瘻チューブ(1)であって、前記ヘッド(10)は、前記ポート(15)を閉鎖するのに用いる弾性ストラップ(13)につながっており、該ストラップ(13)は、前記組立て状態では、
前記内部チャンバー(205)内に配置されるか、又は、
前記ヘッド(10)から延出して、前記キャップ(20)の外側で該キャップ(20)の周囲に達し、前記キャップ(20)は、前記内部チャンバー(205)内に配置されている前記ヘッド(10)の前記ポート(15)へのアクセスを可能にするポート開口(203)を有することを特徴とする、胃瘻チューブ。
【請求項15】
胃瘻チューブ(1)を組み立てる方法であって、該胃瘻チューブ(1)は、
流体を供給するためのポート(15)を有するヘッド(10)と、
前記ヘッド(10)から延出し、前記ポート(15)内に供給される流体を移送するためのダクト(150)を有するチューブ部分(11)と、
前記ヘッド(10)に取付け可能なキャップアセンブリ(2)と、
を備え、
前記キャップアセンブリ(2)は、内部チャンバー(205)を形成するキャップ(20)を備え、前記胃瘻チューブ(1)を組み立てるには、前記ヘッド(10)を前記内部チャンバー(205)内に収めるように、該ヘッド(10)を前記キャップ(20)の前記内部チャンバー(205)に挿入することを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の胃瘻チューブ及び胃瘻チューブを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種類の胃瘻チューブは、流体を供給するためのポートを有するヘッドと、ヘッドから延出し、ポート内に供給される流体を移送するためのダクトを有するチューブ部分と、ヘッドに取付け可能なキャップアセンブリとを備える。
【0003】
「ロープロファイル胃瘻チューブ」、「胃栄養チューブ(gastric feeding tube)」又は「胃瘻ボタン」(略して「Gチューブ」又は「Gボタン」)としても知られるこの種類の胃瘻チューブは、長期間にわたる患者の経腸栄養のためのアクセスを提供する。胃瘻チューブのヘッドは患者の体外に配置される一方で、胃瘻チューブのチューブ部分は患者の胃の中に延びるように、患者の腹部にある小さい切開部を通して当該チューブ部分が胃の中に挿入される。チューブ部分は、例えば、チューブ部分の遠位端部に配置される膨張可能なバルーンか又はチューブの管路よりも幅広の保持ドームによって、胃の内部に保持することができる。ヘッドのポートに外部配管を取り付け、胃瘻チューブを介して患者の胃の中に栄養液を供給することができる。
【0004】
この種類の胃瘻チューブは、長期間にわたり患者によって使用される。そのような胃瘻チューブは、特に、病院内で安静にしているのではなく、病院外で通常の生活を送っている、動き得る患者に対して使用される。したがって、このような胃瘻チューブは、患者の日常生活に与える影響が可能な限り少ないように設計される。
【0005】
胃瘻チューブのチューブ部分が患者の体内に挿入されている場合、胃瘻チューブのヘッドは、患者の体外に配置されるので、外部から見える。このことは、一方では、患者が胃瘻チューブ及びその医療的性質を絶えず思い出す点で心理的因子を呈し得る。他方では、胃瘻チューブは、例えば水泳プールにおいて他人にも見える可能性がある。特に小児の場合、このことは、胃瘻チューブを装着している患者の快適さ及び安寧に深刻な影響を与え得る。
【0006】
したがって、胃瘻チューブを可能な限り外部に対して隠すことが望まれる。胃瘻チューブは、患者の移動性を妨げるべきでなく、また、患者に深刻な心理的負担を与えるべきでない。
【0007】
特許文献1では、胃瘻チューブのヘッドにキャップアセンブリを配置することが提案されている。そのキャップアセンブリは、ヘッドに取付け可能な装着プラットフォームと、装着プラットフォームに結合可能なディスク状のキャップとを備える。キャップは、カラフルなデザインを有していてもよいし、例えばスポーツチームのロゴが付いていてもよい。したがって、キャップは、胃瘻チューブのヘッドを外部に対して目立つ方法で覆う装飾アタッチメントをなす。
【0008】
キャップをヘッドに固定するために装着プラットフォームが必要とされるので、その構成は全体としてかなり大きく、そのため、例えば衣服がキャップに引っ掛かる場合に患者にとって妨害物となり得る。さらに、ディスク状のキャップはヘッドを一方の側に対してしか覆わないので、ヘッドは依然として外部から見える可能性がある。
【0009】
特許文献2から、液体栄養物質が流れる導管が設けられる経腸栄養チューブが既知である。この経腸栄養チューブは、動物の形状、例えば亀の形状等の、美的に好ましい形状のハウジングを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第8,287,502号
【特許文献2】国際公開第2012/106178号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、胃瘻チューブのヘッドの美的に好ましい外観を可能にするとともに、日常生活を送る患者に対して可能な限り妨害の少ない胃瘻チューブ及び胃瘻チューブを組み立てる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する胃瘻チューブによって達成される。
【0013】
したがって、キャップアセンブリは、内部チャンバーを形成するキャップを備え、胃瘻チューブの組立て状態では、ヘッドはキャップの内部チャンバーに挿入される。
【0014】
本発明は、キャップを使用して、ヘッドが外部から見えないように外部に対して胃瘻チューブのヘッドを覆うという構想を基礎とする。このことは、一方では、患者が絶えず胃瘻チューブ及びその医療的性質を思い出さないように、外部に対するヘッドの美的に好ましい外観を提供する役割を果たす。他方では、胃瘻チューブは、おそらくはキャップのみが見えて胃瘻チューブのヘッドは見えず、したがってヘッド及びその医療的機能を認識し得ない他人には、胃瘻チューブであると認識され得ない。
【0015】
一方では、キャップは、外部に対するヘッドのカバーを提供し、そのため、美的に好ましい形状、色、及びデザインを有することができる。例えば、キャップは、キャップが装飾エレメントをなすように、動物、玩具、宝飾品等の形状を有してもよく、また、ロゴ又は装飾オーナメント等の装飾モチーフ、特にカラフルな装飾モチーフが更に付いていてもよい。さらに、キャップは、キャップが妨害物とならないような形状を有することができる。例えば、キャップは、衣服がキャップに引っ掛かる可能性がないように円形とすることができる。
【0016】
ヘッドが外部から見えないことを確実にするために、ヘッドは、キャップアセンブリのキャップによって形成される内部チャンバーに挿入される。したがって、ヘッドは、キャップアセンブリによって少なくとも部分的に包囲されるように、キャップの内部チャンバー内に収められる。したがって、キャップは、一方の側に対して胃瘻チューブのヘッドを覆うだけでなく、ヘッドをその内部チャンバー内に収める。これにより、ヘッドが外部から他人に見えないように、ヘッドを外部に対して隠すことが可能になる。
【0017】
1つの実施形態において、キャップは、ヘッドの、チューブ部分がこのヘッドから延出する側に向かって内部チャンバーを開口させる底部開口を有することが有益である。この底部開口を通してヘッドをキャップに挿入することができ、それにより、キャップによって形成される内部チャンバー内にヘッドが収められる。
【0018】
1つの実施形態において、キャップの底部開口は底縁部によって囲まれ、内部チャンバー内に配置されるヘッドは、外部に対して底縁部を超えては延びない。したがって、胃瘻チューブのヘッドは、キャップの内部チャンバー内に完全に収められ、キャップから外部に向かって突出しない。キャップが患者の皮膚に密接するとともにヘッドをその内部チャンバー内に包囲するように、キャップの底縁部を患者の皮膚上に配置することができる。したがって、ヘッドは外部から見えない。
【0019】
これに関連して、内部チャンバーは、胃瘻チューブのヘッドを部分的にのみ収めるように構成してもよいことに留意されたい。ヘッドは、必ずしも、キャップアセンブリのキャップ内に完全に収められ、キャップアセンブリのキャップによって包囲されるものではない。
【0020】
キャップは、例えばプラスチック材料で作製することができる。キャップは、円形の設計とすることができ、軟質及び/又は硬質のプラスチックで作製することができる。キャップは、例えば射出成形によって作製することができる。
【0021】
キャップは、例えば力による係止方法で又は確実な係止方法でヘッドに嵌めることができる。1つの実施形態において、キャップは、様々なキャップを使用して胃瘻チューブのヘッドに取り付けることができるように、ヘッドに解除可能に取付け可能である。例えば、患者は、日々キャップを交換することができ、自身の気分及び望みに従って異なる形状及びデザインのキャップを使用することができる。
【0022】
組立て状態では、キャップは、キャップとヘッドとの間の力による係止係合又は確実な係止係合が達成されるように、例えば締付けによってヘッド上に保持することができる。例えば、キャップは、キャップがヘッドにプレス嵌めされるようにヘッド上に配置することができる。そうでなければ、キャップは、キャップとヘッドとの間の確実な係止係合が達成されるようにキャップとヘッドとの間に機械的な係止をもたらす、1つ又は複数の係止要素を備えることができる。
【0023】
この種類の係止要素は、例えばキャップの内壁から突出することができる。キャップがヘッド上に組み付けられる胃瘻チューブの組立て状態では、係止要素は、ヘッドと機械的に係合し、ひいてはキャップをヘッド上に固定する。
【0024】
1つの実施形態において、キャップをヘッド上に配置するのに、キャップは変形可能とすることができ、キャップを、弛緩した第1の状態から、ヘッドをキャップの内部チャンバーに挿入するための変形した第2の状態に変形させることができるようになっている。そのような変形により、キャップ又はヘッドの1つ又は複数の係止要素を、対応するヘッドまたはキャップ上の係止要素と係合させることができる。ヘッドをキャップの内部チャンバーに挿入すると、キャップは、その弛緩した第1の状態に戻り、このようにして、力による係止方法又は確実な係止方法でキャップとヘッドとの結合を確立する。
【0025】
特定の一実施形態において、キャップは、弾性の特徴が異なる2つのプラスチック部品、特に弾性率が異なる2つのプラスチック部品から1つのピースに形成される。この種類のキャップは、例えば二液成形技術又は更には多液成形技術を用いることによって作製し、様々な材料でできた一体キャップを得ることができる。
【0026】
したがって、キャップは、第1の部分すなわち硬質部分と、第2の部分すなわち軟質部分とを有することができる。特に、第2の部分すなわち軟質部分は、キャップをヘッド上に配置するのに弾性的に変形することができる。二液成形技術(又は更には3つ以上の材料を使用する多液成形技術)を用いることにより、所望の変形能及び十分な硬さを有するキャップをかなり安価に作製することができる。
【0027】
別の実施形態において、キャップアセンブリは、キャップをヘッドに固定するようにキャップに取付け可能な底部分を備えることができる。底部分は、例えば、キャップアセンブリの2つの部分、すなわちキャップと底部分とが例えば一体ヒンジによって互いに結合されるように、キャップにヒンジ結合することができる。組立て状態では、底部分とキャップとは、例えば確実な係止方法で互いに係止される。ヘッドは、底部分とキャップとの間にある内部チャンバー内に保持される。
【0028】
底部分は、組立て状態では、例えば、キャップの底部開口(この底部開口を通して、キャップによって形成される内部チャンバーにヘッドを挿入することができる)を少なくとも部分的に閉鎖することができる。したがって、底部分をキャップに係止状態で結合することによって、キャップの底部開口は少なくとも部分的に閉鎖され、ヘッドがキャップの内部チャンバー内に捕捉されるとともに、底部分をキャップから取り外さなければキャップの内部チャンバーから取り出すことができないようになる。
【0029】
底部分は、組立て状態では、患者の皮膚に対面するヘッドの底面に当接する。チューブ部分は、ヘッドの底面から患者側に延出し、底部分にある開口を通過する。
【0030】
底部分をキャップに確実な係止方法で固定するために、底部分は、例えば、底部分から内部チャンバーの内部に向かって突出する1つ又は複数のフランジを保持することができる。このようなフランジは、胃瘻チューブの組立て状態ではヘッドに当接することができ、ヘッドをそれらの間に受けることができる。フランジは、例えば、底部分の係止要素とキャップの係止要素との間の確実な係止係合を確立することができるように、キャップの係止要素に係合するのに好適な係止要素を備えることができる。
【0031】
また、底部分は、底部分のベースプレートの周囲で円周方向に延びるとともに、1つ又は複数の係止要素を保持する湾曲リムを備えることができる。この場合、ヘッドを収める内部チャンバーは、キャップ及び底部分を結合させることによって形成することができ、胃瘻チューブのヘッドは、胃瘻チューブの組立て状態ではキャップと底部分との間にある内部チャンバー内に保持される。
【0032】
1つの実施形態において、ヘッドは、ヘッドに配置されるポートを閉鎖するように構成される弾性ストラップにつながっていることができる。弾性ストラップは、例えば、閉鎖状態においてポートを外部に対して閉鎖するようにヘッドのポートに挿入することができるピンを保持してもよい。
【0033】
ヘッドのポートは、チューブ部分を通して患者の胃の中に流体、例えば栄養液を供給することを可能にするが、胃から外部に向かう逆流を阻止するバルブを通常備えることに留意されたい。これに関連して、ストラップは、ポートへの汚れの侵入を防止するという主要な機能を有する。
【0034】
1つの実施形態において、ヘッドにつながっているストラップは、組立て状態では、キャップによって形成される内部チャンバー内に配置される。したがって、ストラップは、ポートを閉鎖するようにストラップがポートに取り付けられている状態では、ヘッドとともに内部チャンバー内に完全に包囲される。
【0035】
別の代替的な実施形態では、キャップは、組立て状態においてその内部チャンバー内にストラップを収めず、ヘッドのみを収めるように設計される。この実施形態では、ストラップは、内部チャンバー内に配置されているヘッドからキャップの外側でキャップの周囲に延出し、ストラップがキャップの外面に沿って延びるようになっている。ストラップがヘッドのポートを閉鎖することを可能にするために、この実施形態のキャップは、ポートを外部に対して閉鎖するようストラップをポートに取り付けることができるように、ヘッドのポートと連結するポート開口を備える。ストラップをポートから取り外すと、外部からポートにアクセスすることができ、流体、例えば栄養液を患者に供給するために外部配管をポートに取り付けることができるようになる。このために、キャップは、ヘッドから取り外す必要がなく、ヘッド上の適所に配置したままとすることができる。
【0036】
上記目的は、流体を供給するためのポートを有するヘッドと、ヘッドから延出し、ポート内に供給される流体を移送するためのダクトを有するチューブ部分と、ヘッドに取付け可能なキャップアセンブリと、備える胃瘻チューブを組み立てる方法によっても達成される。
ここで、キャップアセンブリは、内部チャンバーを形成するキャップを備え、胃瘻チューブを組み立てるには、ヘッドを内部チャンバー内に収めるように、ヘッドをキャップの内部チャンバーに挿入する。
【0037】
胃瘻チューブに関する上述した利点及び有利な実施形態は、胃瘻チューブを組み立てる方法にも等しく当てはまるので、上記を参照されたい。
【0038】
図面に示す実施形態を参照しながら、本発明の基礎をなす構想をより詳細に以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】患者に挿入されている胃瘻チューブの概略図である。
図2A】胃瘻チューブのヘッドに取り付けられるキャップアセンブリの第1の実施形態の図である。
図2B】胃瘻チューブのヘッドに取り付けられるキャップアセンブリの第1の実施形態の図である。
図2C】胃瘻チューブのヘッドに取り付けられるキャップアセンブリの第1の実施形態の図である。
図3A】キャップアセンブリが取り付けられているヘッドの底面図である。
図3B図3Aに係る線I−Iに沿った断面図である。
図3C】キャップアセンブリのキャップを取り外した状態の、ヘッドに取り付けられるキャップアセンブリの底部分の上面図である。
図4A】キャップアセンブリを胃瘻チューブのヘッドに取り付けている間の、胃瘻チューブ及びキャップアセンブリの図である。
図4B】キャップアセンブリを胃瘻チューブのヘッドに取り付けている間の、胃瘻チューブ及びキャップアセンブリの図である。
図4C】キャップアセンブリを胃瘻チューブのヘッドに取り付けている間の、胃瘻チューブ及びキャップアセンブリの図である。
図5A】胃瘻チューブのヘッドに取り付けられるキャップアセンブリの第2の実施形態の図である。
図5B】胃瘻チューブのヘッドに取り付けられるキャップアセンブリの第2の実施形態の図である。
図5C】胃瘻チューブのヘッドに取り付けられるキャップアセンブリの第2の実施形態の図である。
図6A】キャップアセンブリのキャップをヘッドに取り付けている間のヘッドの底面図である。
図6B】キャップアセンブリのキャップが取り付けられているヘッドの底面図である。
図6C図6Bに係る線II−IIに沿った断面図である。
図7A】キャップアセンブリを胃瘻チューブのヘッドに取り付けている間の図である。
図7B】キャップアセンブリを胃瘻チューブのヘッドに取り付けている間の図である。
図7C】キャップアセンブリを胃瘻チューブのヘッドに取り付けている間の図である。
図8A】キャップアセンブリを胃瘻チューブのヘッドに取り付けている間の、キャップアセンブリの別の実施形態の図である。
図8B】キャップアセンブリを胃瘻チューブのヘッドに取り付けている間の、キャップアセンブリの別の実施形態の図である。
図8C】キャップアセンブリを胃瘻チューブのヘッドに取り付けている間の、キャップアセンブリの別の実施形態の図である。
図9A】ストラップをヘッドのポートから取り外した状態の、ヘッドに取り付けられるキャップアセンブリの図である。
図9B】ストラップがヘッドのポートに取り付けられている状態の、図9Aの図である。
図10A】キャップアセンブリの別の実施形態の図である。
図10B】キャップアセンブリの別の実施形態の図である。
図10C】キャップアセンブリの別の実施形態の図である。
図11】キャップアセンブリの更に別の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、患者Pに挿入されている胃瘻チューブ1の概略図を示している。本質的に既知の胃瘻チューブ1は、患者Pの体外に配置されるヘッド10と、ヘッド10から胃壁Wを通して患者Pの胃Mの方に延びるチューブ部分11とを備える。
【0041】
チューブ部分11は、第1の端部110ではヘッド10に隣接し、第2の端部すなわち遠位端部111では患者Pの胃Mの内部に配置される。チューブ部分11は、チューブ部分11が貫通する胃壁Wにある切開部から胃瘻チューブ1が滑り出ることを防止する固定装置、例えば膨張可能なバルーン12を第2の端部111に保持する。
【0042】
ヘッド10は第1のポート15を有し、第1のポート15には、ダクト150及び開口151を通して患者Pの胃Mの中に流体、特に栄養液を供給するように、外部配管を取り付けることができる。ポート15は、流体を胃Mの中に供給することを可能にするが、液体が胃Mから外部の方へ通過することは防止するバルブを備える。
【0043】
ヘッド10は、第1の端部101及び第2の端部102を有するヘッド本体100を備える。第2の端部102において、ストラップ13が、ストラップ端部130によってヘッド本体100に一体的につながっている。ストラップ13は、ヘッド本体100から弾性的に延びるとともに、遠位端部131がポート15の方に曲げられており、外部配管がポート15に接続されていない場合に、汚れ又は他の望ましくない物質が外部からポート15に侵入することができないよう、ピン132(図9Aを参照)によってポート15を外部に対して閉鎖することができるようになっている。
【0044】
ヘッド本体100の第1の端部101には、もう1つのポート、すなわち、バルーン12への流体接続を提供するダクト140と接続される第2のポート14が配置される。ダクト140は、患者Pの胃Mの内部にあるバルーン12を膨張させるために、流体、例えば水をバルーン12内に供給することができるように、開口141によってバルーン12と流体接続する。
【0045】
ヘッド10は、胃瘻チューブ1が患者Pに挿入されている場合、患者Pの体外に配置される。ここでのポート14、15及びストラップ13を備えるヘッド10は、いくぶん技術的で医療的な外観を有するが、これは、本発明によれば、図2A図2Cから図11の様々な実施形態に示すキャップアセンブリ2によって覆われる。
【0046】
そのようなキャップアセンブリ2の第1の実施形態が図2A図2Cから図4A図4Cに示されている。キャップアセンブリ2は、内部チャンバー205を形成するキャップ20を備える。この内部チャンバー205には、キャップアセンブリ2がヘッド10に取り付けられる場合、図2B及び図2Cに示すようにヘッド10がキャップ20内に完全に包囲されるように、胃瘻ボタン1のヘッドを挿入することができる。
【0047】
キャップ20は、胃瘻ボタン1のチューブ部分11を挿入することができる開口213を有する底部分21にヒンジ結合される。底部分21は、底部分21が、チューブ部分11が延出するヘッド10の底面104に対面するように、ヘッド10の下に滑らせることができる。取付け状態では、例えば図4Bに示すように、ヘッド10の端部101が、底部分21から突出する停止部210に当接し、さらに、底部分21に配置されるフランジ211、212間に受けられる。ここでのフランジ211、212は、ヘッド10の形状に適合し、特に、ヘッド10の円形部分103をそれらの間に受けるように形成される。円形部分103は、略円筒形であり、ポート15を保持する。
【0048】
キャップ20は、キャップアセンブリ2がヘッド10に取り付けられる場合にヘッド10を受ける内部チャンバー205を形成する。キャップ20は、内部チャンバー205をキャップアセンブリ2の底に向かって開口させる開口206を有し、この開口206を通して、ヘッド10を内部チャンバー205に挿入することができるようになっている。開口206は、底縁部200によって囲まれており、底縁部200は、キャップアセンブリ2がヘッド10上に配置されるキャップアセンブリ2の組付け状態では、底部分21に当接する。
【0049】
キャップ20の内壁207には、内部チャンバー205の内部に向かって突出する係止用突起の形状の2つの係止要素201、202が配置される。これらの2つの係止要素201、202は、係止要素201、202が底部分21のフランジ211、212にある係止用溝214、215(図4A及び図4Bを参照)内に係止状態に収められることによって、組付け状態においてキャップ20を底部分21に係止させる役割を果たす。
【0050】
キャップアセンブリ2をヘッド10に取り付けるには、まず、底部分21を方向A1(図4Bを参照)においてチューブ部分11上に滑らせ、底部分21がヘッド10の下に配置されて、ヘッド10の底面104に対面するようにする。ここで、ヘッド10は、フランジ211、212間に受けられ、底部分21を十分にヘッド10上に滑らせると、ヘッド10は停止部210に当接する。
【0051】
底部分21をヘッド10に取り付けると、キャップ20を底部分21に対して枢動させ、図4Cに示すように、キャップ20がその内部チャンバー205内にヘッド10を収めるようにする。キャップ20を底部分21上に配置することにより、キャップ20の係止要素201、202がフランジ211、212にある係止用溝214、215に係合され、それにより、キャップ20が確実な係止方法で底部分21に係止される。
【0052】
組立て状態では、図4Cに示すように、ヘッド10は、キャップ20の内部チャンバー205内に収められる。内部チャンバー205は、ヘッド10がキャップ20内にしっかりと保持されるように、底部分21によって少なくとも部分的に閉鎖される。
【0053】
ここでの内部チャンバー205は、ヘッド10を完全に収めるような寸法になっている。特に、例えば図3Bの断面図に見ることができるように、ヘッド10の底面104は、ヘッド10が内部チャンバー205に挿入されている場合、外部に対してキャップ20の底縁部200を超えては延びない。
【0054】
組立て状態では、図4Cに示すように、ヘッド10は外部から見えず、キャップ20によって完全に覆われている。ここでのキャップ20は、美的に好ましいような設計及び形状とすることができる。例えば、キャップ20は、外部から見た場合に胃瘻チューブ1が医療装置ではなく装飾エレメントとして見えるように、動物、玩具、又は宝飾品の形状を有してもよい。
【0055】
キャップ20及び底部分21は、この実施形態では1つのピースとして一体的に形成してもよいし、一体ヒンジによって互いに結合してもよい。
【0056】
キャップ20及び底部分21は、この実施形態では、例えばいくぶん硬質のプラスチック材料によって形成してもよい。
【0057】
キャップアセンブリの別の実施形態が、図5A図5Cから図7A図7Cに示されている。この実施形態では、キャップアセンブリ2は、キャップ20を備えるが、底部分を備えない。キャップ20は、略円形であり、胃瘻チューブ1のヘッド10を内部に収める内部チャンバー205を形成する。
【0058】
図5A図5Cから図7A図7Cの実施形態では、2つの係止要素201、202が、キャップ20の内壁207に配置され、内部チャンバー205の内部に向かって突出する。係止要素201、202は、キャップ20の底縁部200に直接配置される。底縁部200は、内部チャンバー205を外部に対して開口させる開口206を囲み、この開口206を通して、ヘッド10を内部チャンバー205に挿入することができるようになっている。
【0059】
キャップ20をヘッド10上に配置するには、まず、図7Aに示すように、方向B1においてキャップ20に圧力を印加することによってキャップ20を変形させる。キャップ20の延びる長手方向軸に沿ってキャップ20に圧力を印加することにより、キャップ20の幅Bが方向B1に対して横の方向に増大し、図7Bに示すように、方向B2においてキャップ20をヘッド10上に配置することができるようになる。
【0060】
キャップ20をヘッド10上に配置するとともにヘッド10を内部チャンバー205に完全に挿入すると、キャップ20から圧力を解除し、キャップ20が変形してその元の弛緩状態に戻るようにする。これにより、キャップ20の幅Bがその元の減少した幅に戻り、キャップ20の底縁部200における係止要素201、202がヘッド10の底面104と係止状態に係合され、それにより、図7Cに示すように、ヘッド10がキャップ20の内部チャンバー205内で機械的に係止される。
【0061】
図2A図2Cから図4A図4Cの実施形態及び図5A図5Cから図7A図7Cの実施形態内では、ヘッド10につながっているストラップ13は、キャップ20の内部チャンバー205内に収められる。これは、それぞれ異なる実施形態に関する図3B及び図6Cの断面図に見て取ることができる。
【0062】
その一方、双方の実施形態において、キャップアセンブリ2の組付け状態では、ストラップ13は内部チャンバー205内に収まらず、キャップ20の外部からポート15を閉鎖するようにキャップ20の周囲に達することも想定される。
【0063】
これは、図8A図8C並びに図9A及び図9Bの実施形態に示されている。この実施形態(図5A図5Cから図7A図7Cの実施形態の変更形態である)では、キャップ20は、その底縁部200にリセス204を有し、図8B及び図9Aに示すように、ストラップ13はこのリセス204を通ってキャップ20の周囲に達することができる。キャップ20は、その頂部にポート開口203を有する。ポート開口203は、ポート15と連結されており、ポート開口203を通して、外部からポート15にアクセスすることができるようになっている。
【0064】
キャップ20をヘッド10上に組み付けるには、まず、図8Aに示すように、端部131にピン132を保持するストラップ13をポート15から取り外す。キャップ20をヘッドに取り付けると(図8B及び図9A)、ストラップ13を方向B3においてキャップ20の周囲に曲げ(図8C及び図9B)、ピン132をポート15に挿入して、ポート15を外部に対して閉鎖する。
【0065】
図8C及び図9Bに示すように、組立て状態では、ストラップ13はキャップ20の外側に配置される。
【0066】
この実施形態では、ポート15は、例えば、患者Pに栄養液を供給するのに外部配管をポート15に接続するために、キャップ20を胃瘻チューブ1のヘッド10から取り外すことなく、外部からアクセスすることができる。外部配管をポート15に接続するには、ストラップ13をポート15から取り外し、ポート15をアクセス可能とするとともに外部配管に接続することができるようにする。
【0067】
図10A図10Cに示す別の実施形態において、キャップアセンブリ2は、底部分21にヒンジ結合されるキャップ20を備える。ここでは、図2A図2Cから図4A図4Cの実施形態に対する変更形態として、底部分21は、キャップ20に向かって突出するとともにキャップ20の形状に適合する湾曲リム216を備える。
【0068】
組立て状態では、キャップ20は、底部分21とともに、ヘッド10が完全に覆われて外部から見えないようにヘッド10が収められる内部チャンバー205を形成する。
【0069】
2つの係止要素201、202が、キャップ20の底縁部200に配置され、底部分21に向かって突出する。組立て状態では、係止要素201、202は、底部分21の湾曲リム216の内側にある対応する係止用溝214、215に係合し、それにより、図10Cに示すようにキャップ20が底部分21に機械的に係止される。
【0070】
この実施形態では、フランジ211、212は、底部分21から突出し、図10Bに示すようにそれらの間にヘッド10を受ける。フランジ211、212は、図10Bに示すように底部分21におけるヘッド10の規定の座部を提供する役割を果たすが、図2A図2Cから図4A図4Cの実施形態とは対照的に係止用溝を有しない。
【0071】
上記の他では、図10A図10Cの実施形態は、図2A図2Cから図4A図4Cの実施形態と機能的に同一であるので、上記も参照されたい。
【0072】
図5A図5Cから図7A図7Cの実施形態では、キャップ20は変形可能であり、キャップ20を、その元の弛緩状態から、キャップ20を胃瘻チューブ1のヘッド10上に配置することができる変形状態へと変形することができるようになっている。このために、キャップ20は、十分な弾性を有するように作製及び形状決めされ、また例えば十分に軟質の弾性プラスチック材料から作製することができる。
【0073】
図11の実施形態に係る変形形態では、キャップ20は、様々なプラスチック材料によって形成される。それらのプラスチック材料のうち、第1の材料は、いくぶん硬質であり、第2の材料は、キャップ20が弾性のある第2の材料から作製される部分において特に変形することができるように十分な弾性を有する。
【0074】
図11に示す特定の実施形態において、キャップ20は、いくぶん硬質の材料で作製される第1の部分208と、軟質の弾性材料で作製される第2の部分209とを有する。したがって、キャップ20は、その第2の部分209において特に変形可能である。
【0075】
図11に示すキャップ20は、例えば二液成形法によって作製することができ、したがってかなり安価に作製することができる。
【0076】
本発明の基礎をなす構想は、上述の実施形態に限定されず、全く異なる実施形態において全く異なる方式で実施することができる。
【0077】
特に、キャップは、本明細書に記載のものとは異なる形状、設計、及び外観を有してもよい。キャップは、例えば特に好ましい外観を提供するようにカラフルなデザインを有してもよい。
【0078】
本明細書に記載のキャップアセンブリのキャップは、外観を変更するために1つのキャップを別のキャップに交換することができるように、連結される胃瘻チューブのヘッドから容易に取外し可能とすることができる。本明細書の胃瘻チューブは、患者が自身の望みに従って自身の選択するキャップを使用することができ、また1つのキャップを別のキャップに交換することができるように、様々なキャップのセットとともに引き渡すことができる。
【符号の説明】
【0079】
1 胃瘻チューブ
10 ヘッド
100 ヘッド本体
101、102 端部
103 円形部分
104 底面
11 チューブ部分
110、111 端部
12 バルーン
13 ストラップ
130、131 端部
132 ピン
14、15 ポート
140、150 ダクト
141、151 開口
2 キャップアセンブリ
20 キャップ
200 底縁部
201、202 係止要素
203 ポート開口
204 リセス
205 チャンバー
206 開口
207 内壁
208、209 部分
21 プレート
210 停止部
211、212 フランジ
213 開口
214、215 係止用溝
216 湾曲リム
A1、A2 方向
B1、B2 方向
B 幅
M 胃
P 患者
W 胃壁
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11
【国際調査報告】