(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-510872(P2017-510872A)
(43)【公表日】2017年4月13日
(54)【発明の名称】流体供給システム
(51)【国際特許分類】
G05D 7/01 20060101AFI20170324BHJP
F16K 17/30 20060101ALN20170324BHJP
【FI】
G05D7/01 A
F16K17/30 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-545315(P2016-545315)
(86)(22)【出願日】2014年1月8日
(85)【翻訳文提出日】2016年9月7日
(86)【国際出願番号】US2014010611
(87)【国際公開番号】WO2015105481
(87)【国際公開日】20150716
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】507133957
【氏名又は名称】グローバル アグリカルチュラル テクノロジー アンド エンジニアリング リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニュートン ジョン アール
(72)【発明者】
【氏名】ブルック ピーター ジェイ
【テーマコード(参考)】
3H060
5H307
【Fターム(参考)】
3H060AA02
3H060BB03
3H060CC07
3H060DC05
3H060DD04
3H060DD12
3H060EE08
3H060HH02
3H060HH22
5H307BB05
5H307CC05
5H307DD07
5H307EE02
5H307EE09
5H307GG01
(57)【要約】
本発明によれば、定流量弁が3方向制御弁と共に、向上した閉止機能を提供するように配置される。定流量弁の閉状態中に、供給流体の圧力が弁のばね閉止力を増強するような方法で利用され、それによって、流体供給圧力が弁の閾値開放レベルを超えて急上昇したことに応答して弁が開こうとするあらゆる傾向に抵抗する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を供給導管を介して可変的な圧力で受け取り、前記流体を排出導管を介して実質的に一定の圧力と流速で大気中に送出するシステムにおいて、
前記システムは、
入口から出口につながり、前記入口が前記供給導管に接続され、前記出口が前記排出導管に接続される内部流路と、前記流路をチャンバから隔絶する調整アセンブリと、前記チャンバ内にあり、前記調整アセンブリを閉位置へと弾性的に付勢して、前記供給導管内の圧力が閾値レベルより低いときに前記流路に沿って流体が流れるのを防止する付勢手段と、を含み、前記付勢手段が、前記供給導管内の流体圧力が前記閾値レベルより高いときに前記調整アセンブリの調整のための移動に弾性的に適応する役割を果たすような定流量弁と、
前記チャンバに接続された第一のポートと、前記供給導管に接続された第二のポートと、前記排出導管に接続された第三のポートと、を含む制御弁であって、前記第一および第二のポートが開いて加圧された流体が前記供給導管から前記チャンバに流入できるようにし、前記第三のポートが閉じて、前記チャンバを前記排出導管から隔絶し、それゆえ前記チャンバ内の流体圧力が前記供給導管内の流体圧力と等しくなり、それによって前記供給導管内の流体圧力が前記閾値レベルより高いときに調整アセンブリが確実に閉じたままであるような第一の状態と、前記第二のポートが閉じて前記チャンバを前記供給導管から隔絶し、前記第一および第三のポートが開いて、前記チャンバを前記排出導管へと接続し、それによって前記チャンバ内の流体圧力を解放して、前記調整アセンブリの移動が前記付勢手段の閉止力のみに抵抗できるようにする第二の状態との間で調整可能である制御弁と、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
第一および第二の流体を第一および第二の供給導管を介して可変的な圧力で受け取り、前記流体を排出導管を介して実質的に一定の圧力と流速で大気中に送出するシステムにおいて、
前記システムは、
第一の入口から第一の出口につながり、前記第一の入口が前記第一の供給導管に接続され、前記出口が前記排出導管に接続される第一の内部流路と、前記第一の内部流路を第一のチャンバから隔絶する第一の調整アセンブリと、前記第一のチャンバ内にあり、前記第一の調整アセンブリを閉位置へと弾性的に付勢して、前記第一の供給導管内の圧力が閾値レベルより低いときに前記第一の流路に沿って前記第一の流体が流れるのを防止する付勢手段と、を含み、前記付勢手段が、前記第一の供給導管内の流体圧力が前記閾値レベルより高いときに前記調整アセンブリの調整のための移動に弾性的に適応する役割を果たすような第一の定流量弁と、
第二の入口から第二の出口につながり、前記第二の入口が前記第二の供給導管に接続され、前記第二の出口が前記排出導管に接続される第二の内部流路と、前記第二の流路を第二のチャンバから隔絶する第二の調整アセンブリと、前記第二のチャンバ内にあり、前記第二の調整アセンブリを閉位置へと弾性的に付勢して、前記第二の供給導管内の圧力が閾値レベルより低いときに前記第二の流路に沿って流体が流れるのを防止する付勢手段と、を含み、前記付勢手段が、前記第二の供給導管内の流体圧力が前記閾値レベルより高いときに前記第二の調整アセンブリの調整のための移動に弾性的に適応する役割を果たすような第二の定流量弁と、
前記第一および第二のチャンバに接続された第一のポートと、前記第一の供給導管に接続された第二のポートと、前記排出導管に接続された第三のポートと、を含む制御弁であって、前記第一および第二のポートが開いて加圧された流体が前記第一の供給導管から前記第一および第二のチャンバに流入できるようにし、前記第三のポートが閉じて、前記チャンバを前記排出導管から隔絶し、それゆえ前記第一および第二のチャンバ内の流体圧力が前記第一の供給導管内の流体圧力と等しくなり、それによって前記第一の供給導管内の流体圧力が前記第一および第二の制御弁の閾値レベルより高いときに第一および第二の調整アセンブリが確実に閉じたままであるような第一の状態と、前記第二のポートが閉じて前記第一および第二のチャンバを前記第一の供給導管から隔絶し、前記第一および第三のポートが開いて、前記第一および第二のチャンバを前記排出導管へと接続し、それによって前記第一および第二のチャンバ内の流体圧力を解放して、前記第一および第二の調整アセンブリが前記付勢手段の閉止力のみに反応できるようにする第二の状態との間で調整可能である制御弁と、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムにおいて、
前記第一の流体は炭酸液体であり、前記第二の流体は液体添加物であることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常は閉じており、流体供給圧力が選択された閾値レベルを超えると開き、開いているときは、実質的に一定の圧力および流量で流体を送出する役割を果たす定流量弁を利用する流体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上述の種類の定流量弁は既知であり、これは例えば米国特許第6,026,850号、第6,209,578号、第7,445,021号、および第7,617,839号により証明されており、その開示を参照によって本願に援用する。
【0003】
図3を参照すると、本発明の流体システムに組み込まれる種類の定流量弁CFVは筐体10を含み、これは入口14から、典型的にはノズル18を備える出口16につながる内部流路12を有する。調整アセンブリ20は中央ハブ22を含み、これは柔軟なダイアフラム24により支持され、典型的にはばね28を含んでいてもよい付勢手段が収容されているチャンバ26から流路12を隔絶する。ピン30が中央ハブ22から内部筐体壁34のポート32を通って突出する。ばね28は、調整アセンブリ20を通常閉位置に弾性的に付勢する役割を果たし、この位置では、ダイアフラム24が筐体壁34の円形肩部35に押し付けられて、流体が流路12に沿って入口14から出口16へと流れるのを防止する。入口流体圧力が閾値レベルを超えると、スプリング28は降伏して、調整アセンブリとそのダイアフラムが円形肩部35から離れて開位置(
図3に示される)へと移動できるように設計されており、この位置では、ピン30とその大径ヘッドがポート32と接触し、流路12に沿って入口14から出口16のノズル18を通って出る流体の圧力と流量を制御して、実質的に一定に保持する。ポート36が、後述の目的のために筐体の底部に設置されている。
【0004】
一例が
図4Aおよび4Bに示されている従来の流体システムにおいて、供給導管38を介した下流の定流量弁CFVへの流体供給のオンオフを制御するために閉止弁V
1が使用されることがある。上述のように、定流量弁は、ばね28によって通常閉状態にあり、これは閾値レベルより高い流体供給圧力に降伏するように設計されている。閾値レベルを超える流体供給圧力では、
図4Bに示されるように、弁の調整アセンブリ20はその所期の制御モードで動作して、実質的に一定の圧力と流量で流体を排出導管40へと供給する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、経験からわかるように、閉止弁V
1が閉じていても、何らかの理由により供給導管38内の流体圧力が定流量弁の閾値開放レベルより高いレベルまで急上昇すると、定流量弁CFVからの漏出が発生するかもしれない。このような急上昇は、システムが炭酸液体飲料の成分を吐出するために使用されている場合に発生しうる。吐出サイクルと吐出サイクルの合間に、閉止弁V
1と定流量弁CFVとの間の供給導管38内に捕捉された液体中に溶解している炭化ガスが出て、圧力を大きく上昇させ、ばね28の閉止力を克服してしまい、これが一時的な漏出の原因となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、定流量弁はさらに閉止機能も提供する。弁が閉じている間、流体供給圧力が、弁のばねの閉止力を増強して、流体供給圧力が弁の開放閾値より高いレベルまで急上昇したことに応答して弁が開こうとするあらゆる傾向に抵抗するような方法で利用される。
【0007】
ここで、本発明のこれらおよびその他の特徴とそれに付随する利益を、添付の図面を参照しながらさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本発明の1つの例示的な実施形態による流体システムの、その動作の連続する段階を示す概略図である。
【
図1B】本発明の1つの例示的な実施形態による流体システムの、その動作の連続する段階を示す概略図である。
【
図1C】本発明の1つの例示的な実施形態による流体システムの、その動作の連続する段階を示す概略図である。
【
図2A】本発明の第二の例示的な実施形態による流体システムの、その動作の連続する段階を示す概略図である。
【
図2B】本発明の第二の例示的な実施形態による流体システムの、その動作の連続する段階を示す概略図である。
【
図2C】本発明の第二の例示的な実施形態による流体システムの、その動作の連続する段階を示す概略図である。
【
図4A】起こりうる漏出の問題の影響を受けやすい従来の流体システムの概略図である。
【
図4B】起こりうる漏出の問題の影響を受けやすい従来の流体システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1A〜1Cを参照すると、本発明の1つの例示的な実施形態による流体システムが概して42で示されている。システムは、供給導管44を介して流体を可変的な圧力で受け取り、この流体を排出導管46を介して大気中に実質的に一定の圧力と流量で送出するように設計されている。システム42は、炭酸液体飲料成分の送出に特に適しているが、用途はこれに限定されない。
【0010】
システム42は、
図3に示される種類の定流量弁CFVを含む。
【0011】
図1Aに示されるように、定流量弁CFVのばね28は、調整アセンブリ20をその通常閉状態へと付勢し、流体が供給導管44から排出導管46へと弁を通じて流れるのを防止する。
【0012】
例えば、既知の設計の3方向トグル弁を含んでいてもよい第二の弁V
2は第一、第二、および第三のポートP
1、P
2、P
3を含み、これらはそれぞれ定流量弁CFVのチャンバ26、供給導管44、および排出導管46に接続される。弁V
2は、手動で動作されても、遠隔的に励磁可能なソレノイドにより動作されてもよい。
【0013】
図1Aに示される状態では、弁V
2のポートP
1およびP
2が開いて、ポートP
3は閉じている。バイパス導管48は、加圧された流体を供給導管44からポートP
2およびP
1と接続導管50を通って、ポート36から弁チャンバ26へと誘導する役割を果たす。チャンバ26に入る加圧された流体は、ばね28の閉止力を増強する役割を果たす。それゆえ、供給導管44内で圧力が急上昇した場合、同じ圧力急上昇が調整アセンブリ20にさらに閉止力を追加し、実際に、調整アセンブリがその閉位置から変位しようとする傾向と釣り合い、定流量弁CFVが閉じたままの状態となる。
【0014】
定流量弁CFVを開くためには、
図1Bに示されるように、弁V
2が調整されて、ポートP
2が閉じてポートP
3が開き、ポートP
1は開いたままとなる。チャンバ26内の流体圧力はそれゆえ、接続導管50、弁ポートP
1、P
3および、排出導管46へとつながる第二のバイパス導管52を通って流体を流すことによって解放される。その後、
図1Cに示されるように、調整アセンブリ20の移動にばね28が弾性的に適応し、排出導管46を介して大気中へと吐出される流体の流れと圧力を制御する。
【0015】
本発明の第二の例示的な実施形態による流体システムが
図2A〜2Cに示されている。ここでは、第二の定流量弁CFV
2が
図1A〜1Cの流体システムの中に組み込まれており、第二の流体の制御された流れを供給する役割を果たし、第二の流体は例えば、定流量弁CFVを介して供給される炭酸液体と合わされることになる液体フレーバ濃縮物を含む。
【0016】
第二の流体は、第二の供給導管54を介して、遠隔供給源からポンプまたはその他(図示せず)により生成される可変的な圧力で定流量弁CFV
2に供給される。定流量弁CFV
2の出口16は、分岐導管56によって排出導管46へと接続され、他の分岐導管58は定流量弁CFV
2のチャンバ26を導管50に接続する。
【0017】
図2Aにおいて、定流量弁CFVおよびCFV
2はどちらも閉じており、この閉止は、供給導管44から定流量弁CFVのチャンバ26へとバイパス導管48、制御弁V
2のポートP
2およびP
1、および接続導管50を介して、また定流量弁CFV
2のチャンバ26へと分岐導管58を介して流体圧力をかけることによって確実にされる。
【0018】
図2Bに示されるように、定流量弁CFVおよびCFV
2の両方のチャンバ26の中の流体圧力は、制御弁V
2のポートP
2を閉じ、ポートP
3を開く一方で、ポートP
1を開いたままにすることによって解放される。これによって、流体は定流量弁CFVのチャンバ26から導管50および52を介して排出導管46へと、また定流量弁CFV
2のチャンバ26から導管58,50および52を介して排出導管46へと供給される。
【0019】
流体圧力が両方の定流量弁のチャンバ26内で解放されると、
図2Cに示されるように、定流量弁はその所期の制御モードで動作して、第一および第二の流体を排出導管46を介して実質的に一定の圧力と流量で供給する。
【0020】
したがって、本発明の上述のシステムの実施形態の各々において、定流量弁は流量および圧力制御機能に加えて閉止機能を提供し、弁の閉鎖は、弁に供給される流体内の圧力急上昇による擾乱を受けない。
【0021】
単純で比較的安価な制御弁、例えば3方向トグル弁またはその他を使って流体供給圧力を選択的に加えて定流量弁を開閉することによって、より高額な上流の閉止弁が不要となり、全体的なシステムのコストを削減できる。
【国際調査報告】