特表2017-511120(P2017-511120A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-511120(P2017-511120A)
(43)【公表日】2017年4月20日
(54)【発明の名称】無土壌植物栽培コンテナ
(51)【国際特許分類】
   A01G 31/00 20060101AFI20170331BHJP
   A01G 9/02 20060101ALI20170331BHJP
【FI】
   A01G31/00 611
   A01G9/02 101G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-541245(P2016-541245)
(86)(22)【出願日】2015年4月24日
(85)【翻訳文提出日】2016年7月6日
(86)【国際出願番号】ZA2015000028
(87)【国際公開番号】WO2016138544
(87)【国際公開日】20160901
(31)【優先権主張番号】2015/1201
(32)【優先日】2015年2月23日
(33)【優先権主張国】ZA
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516178767
【氏名又は名称】イースマート グローバル ライセンシング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 玲子
(74)【代理人】
【識別番号】100151677
【弁理士】
【氏名又は名称】播磨 里江子
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル マーウィ ピーター ギデオ
【テーマコード(参考)】
2B314
2B327
【Fターム(参考)】
2B314ND14
2B314ND18
2B314ND27
2B314ND32
2B314ND37
2B327ND15
2B327QD01
2B327UA03
2B327UA21
(57)【要約】
本発明の第1の側面によれば、通常の波形形状であり、間に形成される流路を有する細長い本体部と、前記流路と流体連通して前記本体部の側壁に形成され、内部に植物を受け入れて支持するための少なくともひとつの容器と、を備え、前記容器は前記本体部の垂直軸に対して角度をつけて配置されることを特徴とする無土壌植物栽培コンテナが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常の波形形状であり、間に形成される流路を有する細長い本体部と、
前記流路と流体連通して前記本体部の側壁に形成され、内部に植物を受け入れて支持するための容器と、を備えることを特徴とする無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項2】
前記コンテナは任意の適切な合成材料から製造されることを特徴とする請求項1に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項3】
前記コンテナは通常の長方形形状の断面を有することを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項4】
前記コンテナは任意の適切な暗色であることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項5】
前記コンテナは、当該コンテナを形成するために互いに組み立てられる2つの細長い対称部を備えることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項6】
組み立ての際に前記2つの対称部の間に形成される空間を密閉するために前記コンテナの長手方向に伸びている封止構造を特徴とする請求項5に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項7】
組み立ての際に前記対称部同士を固定するために設けられる固定構造を特徴とする請求項5または6に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項8】
前記細長い本体部は、前記流路を流れ落ちる流体を容器に向けて導くための導路手段を備えることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項9】
前記導路手段は前記細長い本体部の内面から伸びているV字型の隆起形状であることを特徴とする請求項8に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項10】
前記細長い本体部は前記導路手段から受け入れた流体を拡散するための拡散部を備えることを特徴とする請求項8または9に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項11】
前記拡散部は前記細長い本体部の内面から伸びている突起形状であることを特徴とする請求項10に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項12】
前記細長い本体部は当該本体部の対向する周辺領域に配置され、前記容器の外部にあふれ出た流体を前記流路に向かって案内するための1組の案内構造を備えることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項13】
前記細長い本体部は、前記容器に温度および酸素を調整済みの空気を導入するために当該容器と流体連通している空気用通路を備えることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項14】
前記空気用通路は前記本体部の対向する周辺領域上で当該本体部の長手方向に伸びている1組の通路であることを特徴とする請求項13に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項15】
前記細長い本体部は複数の無土壌植物栽培コンテナを互いに連結させるために当該本体部の端部に形成される連結構造を備え、これにより無土壌植物栽培パイプが形成されることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項16】
前記容器は前記細長い本体部の垂直軸に対して角度をつけて配置されることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項17】
複数の容器は前記本体部の対向する外面上で互いに見当が合わないように配置されることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項18】
前記容器は前記細長い本体部の凹部に位置づけられていることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項19】
前記容器は当該容器の実質的に中央側へ前記植物を引き離すためのスペーサ構造を備えることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項20】
間に形成される流路を有する本体部と、
前記本体部から離れるように1度から179度までの間の角度をつけて伸びているアームと、
前記アームの対向する領域上に形成され、内部に植物を受け入れて支持するための容器と、
を備え、
前記本体部、前記アーム、および前記容器は、当該容器によって受け入れられた流体が当該本体部に向けて当該アームの下流側に流れるように互いに流体連通していることを特徴とする無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項21】
前記コンテナは任意の適切な合成材料から製造されることを特徴とする請求項20に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項22】
前記コンテナは任意の適切な暗色であることを特徴とする請求項20または21に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項23】
前記コンテナは、当該コンテナを形成するために互いに組み立てられる2つの細長い対称部を備えることを特徴とする請求項20乃至22のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項24】
前記本体部は複数の無土壌植物栽培コンテナを互いに連結させるために当該本体部の端部に形成される連結構造を備え、これにより無土壌植物栽培パイプが形成されることを特徴とする請求項20乃至23のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項25】
前記容器は当該容器内の実質的に中央側へ前記植物を引き離すためのスペーサ構造を備えることを特徴とする請求項20乃至24のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項26】
前記容器に相補的に適合する形状及び大きさであるバスケット型の構成部を備えることを特徴とする請求項20乃至25のいずれか1項に記載の無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項27】
本発明により実質的に上記のように記載されまたは例示された無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項28】
添付図面のいずれかひとつに具体的に参照または記載された無土壌植物栽培コンテナ。
【請求項29】
ここに記載されたものであると実質的にみなせる新規かつ独創的な整数または整数の組み合わせを備える無土壌植物栽培コンテナ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の無土壌栽培のための無土壌植物栽培コンテナに関するものであり、特に、地面に対して通常垂直に向けられている、植物の高密度栽培のための無土壌コンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、野菜などの植物が栄養成分含有液の持続的な供給を受けることにより栽培される無土壌成長システムを認識している。一般的に知られている無土壌植物栽培コンテナおよび/またはチューブに関連する課題は、特に地面に対して実質的に垂直に向けられている場合に、栄養成分を豊富に含む液体がコンテナ内の植穴を介して流出しやすく、そして栄養成分レベルが豊富である結果として、コンテナおよび/またはチューブの外面で不要な藻類の成長過多を引き起こすことである。
【0003】
植物の無土壌栽培に関連する別の課題のひとつは、根が液体に常に晒されているために、植物の根による取り込みの際に酸素をほとんどまたは全く利用できないことである。酸素は植物に不可欠な栄養成分であり、植物の根系は好気呼吸、根の成長のためにエネルギーを放出する必須の植物プロセス、および栄養成分の取り込みのために酸素を必要とする。根部分における低(または無)酸素による障害は数種類挙げることができるが、これらは植物の種類によって重症度が異なる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無土壌植物システムは高い資本投資に関連することから、一般的な無土壌温室型環境下において一平方メートルあたりの植物の密度が高くなるほど、投資に対する財政的な見返りがより良好になる。
【0005】
上記を検討および考慮したのち、出願人は本発明を以下に記載されるものとして提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によれば、通常の波形形状であり、間に形成される流路を有する細長い本体部と、流路と流体連通して本体部の側壁に形成され、内部に植物を受け入れて支持するための少なくともひとつの容器と、を備え、容器は本体部の垂直軸に対して角度をつけて配置されることを特徴とする無土壌植物栽培コンテナが提供される。
【0007】
本体部は任意の適切なプラスチックおよび/または合成材料から製造されていてもよい。本体部は、通常の長方形形状の断面を有していてもよい。本体部は任意の適切な暗色であってもよい。
【0008】
無土壌植物栽培コンテナは、コンテナを形成するために互いに組み立てられる2つの細長い対称部を備えていてもよい。
【0009】
内部に封止部を相補的に受け入れるための封止チャンネルを備える封止構造が、組み立ての際に対称部の間に形成される空間を密閉するために無土壌植物栽培コンテナの長手方向に伸びていてもよい。
【0010】
組み立てられた際に、組み立てられた対称部同士を固定するための固定構造をさらに備えていてもよい。
【0011】
容器は、容器の上端部から内向きに伸びている、容器の内面から遠ざかるように植物を引き離すためのスペーサ構造を備えていてもよい。
【0012】
スペーサ構造は容器の内面から伸びている突起形状であってもよい。
【0013】
容器は波形形状の本体部の凹部に一般的には位置づけられている。複数の容器は無土壌植物栽培コンテナの対向面上で互いに見当が合わないように配置されるのが一般的である。
【0014】
本体部は、流路を下流方向に流れる流体を容器内に収容された植物の根に向かって導くための導路手段をさらに備えていてもよい。導路手段は本体部の内面から伸びているV字型の隆起形状であってもよい。
【0015】
本体部は、本体部の内面から伸びている、導路手段から受け入れた流体を拡散するための拡散部を備えていてもよい。
【0016】
拡散部は任意の適切な形状および大きさであってよく、V字形の隆起の下方に位置づけられていてもよい。拡散部は内面から遠ざかるように実質的に垂直に伸びているピン形状であってもよい。
【0017】
例えば容器で植物の根が成長しすぎた場合に容器の外部に流体があふれ出すのを防ぐために、容器の外部の流体を流路に向かって案内するための案内構造が備えられる。
【0018】
案内構造は、容器の対向する周辺領域上に形成された1組の導路形状であってもよく、案内構造は実質的に垂直に伸びている。
【0019】
植物の根を取り囲んでいる容器内部の温度を制御するとともに植物の根の酸素への曝露を促すために、本体部の外部から植物の根に空気を導入するための空気用通路が備えられる。
【0020】
空気用通路は本体部の周辺領域上で本体部の長手方向に配置されていてもよい。空気用通路は通路の外部の空気を容器に向かって、またそれによって植物の根に向かって流すスロット構造を備えていてもよい。
【0021】
本体部の端部に形成される連結構造が複数の無土壌植物栽培コンテナを互いに連結させるために設けられていてもよく、これにより無土壌植物栽培パイプが形成される。
【0022】
連結構造は、組み立ての際に無土壌栽培パイプの外部に流体が流出することを抑制するために互いに密閉して連結できるような形状と大きさであるオスメス連結構造であってもよい。
【0023】
本発明の第2の側面によれば、間に形成される流路を有する本体部と、本体部から遠ざかるように1度から179度までの間の角度をつけて伸びているアームと、内部に植物を受け入れて支持するための、前記アームの対向する領域に形成される容器と、を備え、本体部、アーム、および容器は、容器によって受け入れられた流体が本体部に向けてアームの下流側に流れるように互いに流体連通していることを特徴とする無土壌植物栽培コンテナが提供される。
【0024】
無土壌植物栽培コンテナは任意の適切なプラスチックおよび/または合成材料から製造されていてもよく、任意の適切な暗色であってもよい。
【0025】
無土壌植物栽培コンテナは、コンテナを形成するために互いに組み立てられる2つの対称部を備えていてもよい。
【0026】
内部に封止部を相補的に受け入れるための封止チャンネルを備えた封止構造が、組み立ての際に前記対称部の間に形成される空間を密閉するために無土壌植物栽培コンテナの長手方向に伸びていてもよい。
【0027】
組み立てられた際に、組み立てられた対称部同士を固定するための固定構造をさらに備えていてもよい。
【0028】
容器は、容器の上端部から内向きに伸びている、容器の内面から遠ざかるように植物を引き離すためのスペーサ構造を備えていてもよい。
【0029】
スペーサ構造は容器の内面から伸びている突起形状であってもよい。スペーサ構造は容器に相補的に適合する形状と大きさであるスペーサ部であってもよい。
【0030】
容器は内部にバスケット型の構成部を相補的に受け入れるような形状及び大きさであってもよく、バスケット型の構成部は、プラグ苗を受け入れるように構成されている。バスケット型の構成部は、プラグ苗の根がアームに向かって伸びることができるように穴があけられていてもよい。
【0031】
本体部は、複数の無土壌植物栽培コンテナを互いに連結させるために本体部の端部に形成される連結構造を備えていてもよく、これにより無土壌植物栽培パイプが形成される。
【0032】
連結構造は、組み立ての際に無土壌栽培パイプの外部に流体が流出することを抑制するために互いに密閉して連結できるような形状と大きさであるオスメス連結構造であってもよい。
【0033】
植物という用語は苗、球根、種子などの繁殖体のようないずれの植物も含むように解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
添付図面を参照しながら、非限定的な例を用いて本発明の説明を行う。
図1図1は、本発明による無土壌植物栽培コンテナの第1の実施形態の上面斜視図を示す。
図2図2は、図1に示したコンテナの側面図である。
図3図3は、図1および2に示したコンテナの断面側である。
図4図4は、本発明による図1乃至3に示したコンテナの対称部の一方の上面斜視図である。
図5図5は、本発明による無土壌植物栽培コンテナの第2の実施形態の斜視図を示す。
図6図6は、本発明による無土壌植物栽培コンテナの第2の実施形態の斜視図を示す。
図7図7は、本発明の第2の実施形態にて使用されるバスケット型の構成部の斜視図を示す。
図8図8は、本発明の第2の実施形態にて使用されるバスケット型の構成部の上面図を示す。
図9図9は、本発明の第2の実施形態にて使用するためのスペーサ部の図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面を参照し、本発明による無土壌植物栽培コンテナの好適な実施形態が参照符号10を用いて一般的に図示される。
【0036】
本発明の第1の実施形態によれば、通常の波形形状であり、間に形成される流路14を有する細長い本体部12と、本体部12の側壁に形成され、内部に植物を受け入れて支持するための容器16と、容器16の比較的中心側に植物を引き離すためのスペーサ構造18と、V字型の隆起20の形状を有し、液体を容器に向けて、またそれにより内部に収容された植物の根へと導くための導路手段と、導路手段から受け入れた液体を拡散するための拡散部22と、容器16の外部にあふれ出た液体を流路14に向けて案内するための案内構造24と、酸素および/または温度調整済みの空気を本体部12の外側から容器に向けて流すための空気用通路26と、無土壌植物栽培パイプ(図示せず)を形成するように複数の無土壌植物栽培コンテナ10を互いに連結させるための本体部12の端部に形成された連結構造28とを備える無土壌植物栽培コンテナ10が、図1から図4においてより明確に示される。
【0037】
コンテナ10は、任意の適切なプラスチックおよび/または合成材料から製造することができるとともに、任意の適切な幾何学形状および大きさにすることができ、通常の長方形形状の断面を有することが好ましい。
【0038】
コンテナ10は、コンテナ10を形成するために組み立てられる2つの細長い対称部28をさらに有する。
【0039】
内部に封止部(不図示)を相補的に受け入れるような形状および大きさである封止経路30は、組み立ての際に2つの対称部の間の空間を密閉するために設けられる。
【0040】
固定構造32は、組立てられた際に二つの対称部同士を固定するために、さらに設けられる。
【0041】
容器16は、本体部12の側壁に形成された開口と、本体部12に対して角度をつけて配置される支持面34とを備える。
【0042】
容器の内面から遠ざかるように容器の実質的に中央側へ植物を固定するためのスペーサ構造18は容器16の支持面34の内面から内向きに伸びている突起形状である。
【0043】
容器は流路と流体連通しているため、使用時には、苗はその根が流路内で流路を流れ落ちる液体、気体、または蒸気と接触できるように流路にぶら下がるように容器内に植えられる。
【0044】
一般的な温室型構造において植物の密度を最大化するために、複数の容器16は一般的に本体部12の対向する外面上で互いに見当が合わないように位置づけられる。
【0045】
本体部12における液体の望ましい下流方向の流れを促すために、容器16は一般的に波形の本体部12の凹部に位置づけられている。
【0046】
分散部22は一般的に本体部12の内面から遠ざかるように実質的に直角に伸びている。
【0047】
容器16の外部にあふれ出た液体を流路14に向けて案内するための案内構造24は、本体部の内面から伸びているとともに地面に対して通常垂直に向けられ互いに平行に位置づけられている一組の細長い隆起形状をとることができる。案内構造24は、例えば、液体の正常な流れが植物の根により妨害される場合に、容器16の外部の液体が流路14に流れるように促す。栄養成分が豊富な液体のオーバーフローを防止することで、本体部12の外部領域上で藻類およびその他の所望しない有機体が成長することを抑制する。
【0048】
容器内の温度を制御するために、特に摂氏16度から25度であることが好ましい領域における植物の根付近に、本体部12の外側から容器に向かうとともにそれによって内部に収容された植物の根に向かって温度調整済みの酸素含有空気を流すための空気用通路26及びスロット構造36が設けられる。1組の空気用通路26は一般的に本体部12の対向する周辺領域上で本体部12の長手方向に伸びている。スロット構造36は、空気用通路26の側壁に配置され、温度調整済みの酸素含有空気が容器16に向かうとともにそれにより植物の根に向かって流れるように促す。植物の成長を最大限に促すために、必要とされる温度の空気がスロット36を介して通路から断続的に導入される。
【0049】
本体部12の端部に形成された連結構造28は、複数の無土壌植物栽培コンテナ10を互いに連結させ、それにより無土壌植物栽培パイプが形成される。連結構造28は一般的に、組み立ての際に無土壌栽培パイプの外部に液体が流出することを抑制するために、互いに密閉して連結するような形状と大きさを有するオスメス連結構造を含んでいる。
【0050】
図5および6に戻り、本発明の第2の実施形態によれば、無土壌植物栽培コンテナ110は本体部112、本体部112から遠ざかるように1〜179度の間の角度をつけて伸びているアーム114と、アーム114の反対側の端部領域において形成され、内部に植物を受け入れて支持するための容器116とを含み、容器116と、アーム114と、本体部112とは、容器116によって受け入れた液体を本体部112に向けてアーム114の下流に流すために互いに流体連通している。
【0051】
本体部112は、任意の適切なプラスチックまたは合成材料から製造され、任意の適切な暗色とすることができる。
【0052】
コンテナ110は、コンテナ110を形成するために、互いに組み立てられる2つの対称部を備えることができる。
【0053】
スペーサ構造118は、図9を参照すると、容器116の内面領域から遠ざかるとともに実質的に中央側へ植物を引き離すために設けられる。
【0054】
容器116は、図7及び8を参照すると、内部にプラグ苗を受け入れるような形状と大きさである穴の開いたバスケット型の構成部120を内部に相補的に受け入れるような形状と大きさにすることができる。
【0055】
容器116は、植物の根による吸収のために容器116に栄養成分が豊富な液体を流すために、容器に液体の供給源を受け入れて固定させるための固定構造122をさらに備える。
【0056】
連結構造124は本体部112の端部に形成され、一般的に温室型構造に使用するための無土壌成長パイプを形成するために複数の無土壌植物栽培コンテナ110を互いに連結させるためのものである。
【0057】
出願人は、本発明は植物の根に対する栄養成分が豊富な液体の利用を最大化できるようにコンテナ内部の液体の流れを操作できるように設計された植物の栽培のための無土壌コンテナを提供することに利点があると考える。さらに空気用通路を備えることにより、植物の根を取り囲む容器内の酸素を利用することだけでなく周囲の温度もユーザが制御することができる。コンテナの対向する外面状の容器の配置は栽培される植物の濃度を最大化するものである。
【0058】
上記開示を読んだ上で、記載された好適な実施形態に種々の変更や修正を行うことや、それらの変更や修正が本発明の通常の範囲や趣旨から逸脱して解釈されないということは当業者にとって当然のことである。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】