特表2017-511170(P2017-511170A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-511170(P2017-511170A)
(43)【公表日】2017年4月20日
(54)【発明の名称】エーロゾルを加湿する加湿機
(51)【国際特許分類】
   A61M 13/00 20060101AFI20170331BHJP
   A61M 15/00 20060101ALI20170331BHJP
【FI】
   A61M13/00
   A61M15/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-555498(P2016-555498)
(86)(22)【出願日】2015年3月2日
(85)【翻訳文提出日】2016年10月4日
(86)【国際出願番号】EP2015054240
(87)【国際公開番号】WO2015132172
(87)【国際公開日】20150911
(31)【優先権主張番号】14157788.2
(32)【優先日】2014年3月5日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ゴアテックス
(71)【出願人】
【識別番号】500242786
【氏名又は名称】フラウンホファー ゲセルシャフト ツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ.
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100102576
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100129861
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 滝治
(72)【発明者】
【氏名】イヴァッチェンコ,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ポールマン,ゲアハルト
(57)【要約】
本発明は、エーロゾルを加湿する加湿機であって、エーロゾルを加湿するために使用される水を収容した第1の水コンパートメント(100)と、エーロゾルを加湿するために使用される水を収容した第2の水コンパートメント(300)と、第1及び第2の水コンパートメント(100、300)の間に位置し、エーロゾル入口(210)及びエーロゾル出口(220)を備え、加湿されるエーロゾルが通過する通路(230)の第1の境界面を提供する、中間チャンバ(200)と、水蒸気に対しては透過性であって液体水に対しては不透過性であり、第1の水コンパートメント(100)と中間チャンバ(200)との間に位置し、一区画が通路の第2の境界面を提供する、第1の層(10)と、水蒸気に対しては透過性であって液体水に対しては不透過性であり、第2の水コンパートメント(300)と中間チャンバ(200)との間に位置し、一区画が第2の境界面とは反対側にある通路(230)の第3の境界面を提供する、第2の層(20)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エーロゾルを加湿するように構成された加湿機であって、
エーロゾルを加湿するために使用される水を収容した第1の水コンパートメント(100)と、
前記エーロゾルを加湿するために使用される水を収容した第2の水コンパートメント(300)と、
前記第1及び第2の水コンパートメント(100、300)の間に位置し、エーロゾル入口(210)及びエーロゾル出口(220)を備え、加湿される前記エーロゾルが通過する通路(230)の第1の境界面を提供する、中間チャンバ(200)と、
水蒸気に対しては透過性であって液体水に対しては不透過性であり、前記第1の水コンパートメント(100)と前記中間チャンバ(200)との間に位置し、一区画が前記通路の第2の境界面を提供する、第1の層(10)と、
水蒸気に対しては透過性であって液体水に対しては不透過性であり、前記第2の水コンパートメント(300)と前記中間チャンバ(200)との間に位置し、一区画が前記第2の境界面とは反対側にある前記通路(230)の第3の境界面を提供する、第2の層(20)と、を備える加湿機。
【請求項2】
前記中間チャンバ(200)が実質的に円筒状の形状を有し、前記エーロゾル入口(210)及び前記エーロゾル出口(220)が前記中間チャンバの横面に位置する、請求項1に記載の加湿機。
【請求項3】
前記通路を通過する前記エーロゾルが、前記中間チャンバの前記実質的に円筒状の形状によって規定される軸線方向に対して実質的に垂直に流れるように、前記第1の境界面、前記第2の境界面、及び前記第3の境界面によって境界を定められた前記通路が、前記中間チャンバ内で位置する、請求項2に記載の加湿機。
【請求項4】
前記第1の層(10)が前記第2の層(20)に実質的に平行に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の加湿機。
【請求項5】
前記エーロゾル出口(220)を出る前記エーロゾルが、前記エーロゾル入口(210)に入る前記エーロゾルの流れ方向と実質的に反対の流れ方向を有するように、前記エーロゾル入口(210)、前記通路(230)、及び前記エーロゾル出口(220)が配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の加湿機。
【請求項6】
前記中間チャンバ(200)が、前記中間チャンバの前記横面からその内部へと突出する少なくとも一つの突出部(240、250、260)を備え、前記少なくとも一つの突出部(240、250、260)が、前記通路(230)の前記第1の境界面の一部であると共に、前記第1の層(10)及び前記第2の層(20)それぞれに対する支持面を提供する、請求項2から5のいずれか一項に記載の加湿機。
【請求項7】
前記第1の層(10)が前記少なくとも一つの突出部(240〜260)の第1の支持面上にあり、前記第2の層(20)が、前記第1の支持面とは反対側で前記少なくとも一つの突出部の第2の支持面上にあり、前記第1及び第2の層が、前記中間チャンバの軸線方向で、前記通路の隣接した区画を相互から封止する、請求項6に記載の加湿機。
【請求項8】
前記中間チャンバが、前記中間チャンバ(200)の前記横面からその内部へとそれぞれ突出する少なくとも二つの突出部(240、250、260)を備え、前記少なくとも二つの突出部(240、250、260)が、前記第1の境界面の一部であると共に、前記通路(230)が前記少なくとも二つの突出部の間で前記中間チャンバ内部の蛇行パターンを辿るように前記中間チャンバ(200)の内部へと突出している、請求項2から7のいずれか一項に記載の加湿機。
【請求項9】
前記中間チャンバ(200)が、前記通路内への呼吸空気の入口用に構成された第2の入口(270)を前記通路に備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の加湿機。
【請求項10】
前記通路内における前記エーロゾルの流れの方向で、前記エーロゾル入口(210)の後に前記第2の入口(270)が位置する、請求項9に記載の加湿機。
【請求項11】
前記第1の水コンパートメント(100)及び前記第2の水コンパートメント(300)がそれぞれ、対応するコンパートメント内の前記水を加熱する加熱ユニット(130、330)を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の加湿機。
【請求項12】
前記第1及び第2の水コンパートメント(100、300)を通して水を循環させる水回路(400)を更に備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の加湿機。
【請求項13】
前記水回路が、前記水回路を通して前記水を給送するポンプと、前記水を加熱するように構成された熱交換器と、を備える、請求項12に記載の加湿機。
【請求項14】
対応する水コンパートメント内を循環する前記水を案内し、前記第1及び第2の層それぞれに対する更なる支持面を構築する突起(140、340)を、各水コンパートメント(100、300)が備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の加湿機。
【請求項15】
前記中間チャンバ(200)が前記通路内において、前記中間チャンバの前記横面に位置する、凝縮された液体を除去するための開口部(280)を備える、請求項2から14のいずれか一項に記載の加湿機。
【請求項16】
加湿される前記エーロゾルが前記通路(230)に入る前記エーロゾル入口にノズル(500)が設けられ、前記ノズル(500)が前記エーロゾルの流れ方向で増加する断面を有し、前記ノズルが、圧力パルスによって励起されるように構成された少なくとも一つの励起可能なメンブレン(520)を内壁として備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の加湿機。
【請求項17】
前記ノズルが円錐形状を有する、請求項16に記載の加湿機。
【請求項18】
前記ノズル(500)の開放角が、5度から15度の間、好ましくは7度から11度の間、より好ましくは8度から10度の間、又は約9度である、請求項17に記載の加湿機。
【請求項19】
前記第1及び第2の水コンパートメント(100、300)がそれぞれ実質的に円筒形状を有し、前記第1及び第2の水コンパートメント(100、300)がそれぞれ、前記横面の一方の側に水入口(110)と、前記横面の他方の側に水出口(120)と、を備える、請求項1から18のいずれか一項に記載の加湿機。
【請求項20】
前記円筒形状の中間チャンバの軸線方向に垂直な面(A)に対して鏡面対称であることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の加湿機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エーロゾルを加湿するように構成された加湿機に関する。
【背景技術】
【0002】
エーロゾル化可能な乾燥材料をエーロゾル化するデバイスでは、エーロゾル化可能な材料、例えば粉末状の医薬物質に、特別に設けられたチャンバ内で圧縮ガス又はキャリアガスを作用させ、粒子をガス流に混入させることによって、このチャンバ内でエーロゾルと呼ばれる状態へと変換する。乾燥材料の粉末は、好ましくは均一で微細に分散した形態で、圧縮ガスの全体積にわたって存在する。
【0003】
薬学の観点では、かかるデバイスは、正常に呼吸している患者、並びに機械的に換気されている患者及び同様に補助換気を受けている患者の両方に対して、製薬製剤を吸入によって投与するために使用される。最初の事例では、かかるデバイスの一般的な例は、手持ち式の乾燥粉末吸入器(DPI)及び計量吸入器(MDI)である。機械的換気又は補助換気を受けている患者の場合、吸入器自体は、人工呼吸器と、人工呼吸器から通常な適切なマウスピースである患者インターフェース及び背部までの管材と、呼吸マスクと、鼻カニューレ又は気管カニューレとを備える換気回路に統合されるか、又は取り付けられなければならない。
【0004】
その名称が既に示しているように、吸入可能な乾燥粉末の形態である製薬製剤は、乾燥粉末吸入器(DPI)によって投与することができる。これらのデバイスの制限は、投与される製薬製剤の量である。今日知られているようなDPIは、一般的に、ミリグラム範囲の量の乾燥粉末をエーロゾル化することができる。これは多くの投薬にとって十分であるが、著しく多量の投与を要する製薬製剤がある。一例は、通常は数グラム以下の量で投与する必要がある、肺サーファクタント製剤である。従来の乾燥粉末吸入デバイスを使用して、1グラム以上の製薬製剤を患者に投与するには、容認できないほど長い吸入時間を要することになる。この問題を解決するため、WO2006/108558に記載されている、数分間で数グラムの粉末状物質のエーロゾル化を可能にする、乾燥粉末エーロゾル化装置が考案された。したがって、このデバイスは、数百ミリグラム以上の多量の製薬製剤をエーロゾルとして投与しなければならない場合の良好な選択肢である。エーロゾルを提供する、当該技術分野で知られているデバイスの更なる課題は、患者に送達されるエーロゾル化材料の量の再現性及び用量である。これは、デバイスの貯蔵中又は更には使用中に、エーロゾル化可能な材料の粒子が凝集して、異なる空気力学的挙動を有する大型粒子となる場合に、特に当てはまる。最適な空気力学径(約1〜5μm)よりも大きい直径を有する粒子は、上気道若しくは喉上部、又は更には吸入装置内のどこかで既に堆積する傾向があるので、肺胞などである標的に達する確率がはるかに低くなる。かかる望ましくない堆積を患者の治療中に定量化するのはほぼ不可能であることを所与として、望ましくない堆積の度合いが高すぎることにより、標的器官に到達した投与される物質の正確な用量を判断するのが不可能になる。
【0005】
脊椎では、ガス交換に関与する内側肺表面は、「肺サーファクタント(pulmonary surfactant若しくはlung surfactant)」と呼ばれる物質混合物の薄膜で被覆される。肺サーファクタントの最も重要な構成成分は、リン脂質、及びいわゆるサーファクタントタンパク質SP-A、SP-B、SP-C、及びSP-Dである。肺サーファクタントは、表面活性性質を有し、肺胞及び小気道における表面張力を、呼気の間の肺胞の虚脱が回避されるような程度まで低減させる。表面張力は、ラプラスの法則に従って予測される、より大きい方を支持する肺胞及び小気道の虚脱が、表面張力を適切に適合させることによって防止されるように、動的に調節される。他方で、肺胞領域における表面張力を低減することによって肺の伸展性が増加し、つまり、呼吸の際に肺が膨張することが容易になる。肺サーファクタントが存在することによって、肺のバランスが取れ、生理学的に構造が安定し、この器官の正常な機能にとって重要である。誕生の時点で、哺乳類の肺は、最初の呼吸から肺の無制限の機能性を担保するために、十分な量の内因性肺サーファクタントを含有しているが、(妊娠32週未満で、特に妊娠29週未満で産まれた)早産児は、肺サーファクタントを生成することができないか、又はそれを十分に生成することができない。このことは、生命を脅かす酸素摂取の欠乏(乳幼児呼吸窮迫症候群、IRDS)に結び付く。IRDSは、早産児の主な死因である。
【0006】
IRDSなどの呼吸窮迫症候群(RDS)を治療するのに有用な肺サーファクタント製剤は、動物の肺から得ることができるか、又は個々の構成成分を開始材料として使用して製造することができる。例えば、WO92/06703は、回転蒸発器を使用して、リン脂質(ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)及びジオレイルフォスファチジルエタノールアミン(DOPE))並びにコレステロールを含む溶液からクロロフォルムを蒸発させて、所望に応じて適切なタンパク質と共に、緩衝液中に再懸濁される薄膜を得ることによる、合成肺サーファクタント製剤の生成について記載している。EP 0 877 602は、DPPC、パルミトイルオレオイルホスファチジルグリセロール(POPG)、パルミチン酸、塩化カルシウム、及びサーファクタントタンパク質SP-Cの溶液を噴霧乾燥することによる、合成肺サーファクタントの調製について開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
乾燥粉末肺サーファクタント製剤を乾燥空気中でエーロゾル化することによって形成される、エーロゾルの吸入は、エーロゾルが気道を覆っている組織の湿潤表面と接触すると、望ましくない堆積物の形成に結び付く傾向があることが見出されている。気道に形成されたかかる堆積物は、気管支、気管、又は気道の他の部分を詰まらせる恐れがあるサイズに達することがあり、したがって患者にとって深刻な窒息のリスクをもたらす。かかる堆積が始まると、形成される詰まりの急速な蓄積が観察される。
【0008】
WO2012/025496は、患者による吸入前であるがエーロゾル化後に、加湿ステップに晒される粒子が、エーロゾル化された形態で提供されるシステムについて記載している。驚くことに、十分な水を表面に含む粒子を含有するエーロゾルを吸入する際に形成される凝集体は、本質的に乾燥した粉末のエーロゾルよりもはるかに少ないことが分かった。しかしながら、WO2012/025496は、かかる加湿された粒子を発生させるプロセスにと特に適合された加湿機の構造上の詳細に関して、また特に、かかる加湿機の有用な幾何学形状に関しては述べていない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、エーロゾルを有効に加湿することができる加湿機を提供することが必要とされている。本明細書で使用するとき、「エーロゾル」は、通常、気相に懸濁された本質的に乾燥した粉末、例えば、空気中に懸濁した肺サーファクタントなどの製薬製剤の粒子を意味する。しかしながら、当業者には分かるように、エーロゾル粒子は必ずしも固体でなくてもよく、液体でもあり得る。そのような場合、エーロゾルは、溶液、懸濁液、又は気相中に懸濁した溶融物の液滴を含む。
【0010】
上述した必要性は、独立請求項の特徴によって満たされる。更なる実施形態が従属請求項において記載される。
【0011】
第1の態様によれば、エーロゾルを加湿するように構成された加湿機であって、エーロゾルを加湿するために使用される水を収容した第1の水コンパートメントと、エーロゾルを加湿するために使用される水を収容した第2の水コンパートメントとを備える、加湿機が提供される。中間チャンバ(又は「中央チャンバ」)は、第1及び第2の水コンパートメントの間に位置し、エーロゾル入口及びエーロゾル出口を備え、中間チャンバは更に、加湿されるエーロゾルが通過する通路の第1の境界面を提供する。加湿機は、第1の水コンパートメントと中間チャンバとの間に位置する、水蒸気に対しては透過性であって液体水に対しては不透過性である第1の層(「半透過性層」)を更に含む。この第1の層の一区画は、通路の第2の境界面(半透過性壁の形態)を提供する。加湿機は、第2の水コンパートメントと中間チャンバとの間に位置する、水蒸気に対しては透過性であって液体水に対しては不透過性である、第2の層を含む。第2の層の一区画は、第2の境界面とは反対側の、通路の第3の境界面(半透過性壁の形態)を提供する。
【0012】
二つの水コンパートメント及び二つの層を備えたこの加湿機は、エーロゾルを加湿する有効なデバイスを提供する。水蒸気は、水コンパートメントから、対応する層を通り、中間チャンバ内へと至ることができ、そこでエーロゾルが加湿される。更に、第1の水コンパートメント及び第2の水コンパートメント内の温度を、またしたがってその蒸気圧を制御することによって、加湿されるエーロゾルが中間チャンバを通過する際に加熱することができる。第1の層及び第2の層が通路の一部を構築するという事実によって、水蒸気及びエーロゾルが相互と接触する広い表面が提供される。更に、中間チャンバの対向する側面(半透過性壁の形態)に水コンパートメントがあることにより、エーロゾルの均質な加湿が得られ、結果として粒子の損失が最小限に抑えられる。
【0013】
中間チャンバは、実質的に円筒状の形状を有してもよく、エーロゾル出口は中間チャンバの横面に位置することができる。このことは、エーロゾルは円筒形状の中間チャンバの軸線方向では中間チャンバを通過しないが、エーロゾル入口及び出口は、加湿器の軸線方向端面ではなく横面に設けられることを意味する。更に、エーロゾル入口及びエーロゾル出口は、軸線方向で横面のほぼ同じ高さに位置する。第1の境界面、第2の境界面、及び第3の境界面によって境界が定められる通路は、通路を通過するエーロゾルが主に、中間チャンバの実質的に円筒状の形状によって規定される軸線方向に対して垂直に流れるように、中間チャンバ内に位置することができる。
【0014】
加湿されるエーロゾルが、境界面の対応する半透過性壁を通過する水蒸気によってそこを通して加湿される、第2の境界面及び第3の境界面は、通路の反対側で相互に平行に位置する。後述するように、この幾何学的配置は、エーロゾルの粒子が通路内で堆積するのを回避する助けとなる。水蒸気が半透過性壁を通して通路に入ると、運動量は、水蒸気が半透過性壁を通って移動する方向で、通路内に収容された粒子へと移行される。したがって、水蒸気がそこを通って通路に入る単一の境界面のみが設けられていた場合、エーロゾルの粒子は、水蒸気がそこを通って通路に入る壁とは反対側の反対側面に堆積される。しかしながら、この場合、水蒸気が反対側から通路に入り、結果として有効な運動量移行がゼロになるので、粒子が反対側の壁にそのように堆積することが回避される。第1の水コンパートメントから、及び第2の水コンパートメントから通路に入る水蒸気は、反対方向の運動量を有するので、通路内のエーロゾルに適用される有効な運動量はゼロである。結果として、通路内の粒子の体積を有効に回避又は低減することができる。
【0015】
好ましくは、エーロゾル入口、通路、及びエーロゾル出口は、エーロゾル出口を出るエーロゾルが、エーロゾル入口を入るエーロゾルの流れ方向とは反対の流れ方向を有するように配置される。換言すれば、このことは、エーロゾル入口及びエーロゾル出口が横面の同じ半分に設けられることを意味する。好ましくは、チャンバは、円筒形状のチャンバの軸線が水平方向で延在するように配置される。これにより、上部横面及び下部横面がもたらされる。好ましくは、エーロゾル入口及びエーロゾル出口は上部横面に設けられる。中間チャンバ内で発生することがある凝縮された液体が、中間チャンバの横面の下部に自然に集合することにより、吸入している患者に対してエーロゾルと共に搬送されることを防ぐために、エーロゾル出口を上部横面に設けることが特に有益である。この凝縮された液体を除去するには、通路は、中間チャンバの横面にやはり位置する開口部を更に含んでもよい。好ましくは、開口部は、エーロゾル入口及びエーロゾル出口が設けられる横面の部分とは反対側の、横面の部分に設けられる。中間チャンバの軸線を水平に配向させると、開口部は横面の下部に設けられてもよいが、入口及び出口は横面の上部に設けられる。
【0016】
中間チャンバは、中間チャンバの横面からその内部へと突出する、少なくとも一つの突出部を更に備えてもよい。この少なくとも一つの突出部は、第1の境界面の一部であることができ、第1の層及び第2の層それぞれに対する支持面を提供する。更に、一つの突出部の代わりに、中間チャンバの横面からその内部へとそれぞれ突出する、少なくとも二つの突出部が設けられてもよい。少なくとも二つの突出部は、通路の一部の更なる表面(若しくは壁)を構築し、第1の境界面の一部であり、少なくとも二つの突出部の間で中間チャンバ内部の蛇行パターンを通路が辿るように、中間チャンバの内部へと突出する。このことは、二つの突出部が内側横面の対向する部分から内部まで突出してもよいことを意味する。
【0017】
設けられた突出部の第1の支持面上にある第1の層、及び突出部の第2の支持面上にある第2の層は、中間チャンバの軸線方向で、通路の隣接区画を相互から封止する。このことは、通路を通って流れるエーロゾルは異なる突出部の周りを流れなければならず、それによって中間チャンバ内部に画成された流路が提供されることを意味する。
【0018】
加湿機は、エーロゾル化デバイスと関連して使用されてもよく、加湿されたエーロゾルは、機械的に換気されている患者又は能動的に呼吸している患者のどちらかに提供される。加湿機が能動的に呼吸している患者と関連して使用される場合、中間チャンバは、付加的な呼吸空気の通路内への入口用に構成される、第2の入口を通路に更に有してもよい。通路内の呼吸ガスを次に、必要であればエーロゾルと共に、加湿し加熱することができる。通路内をエーロゾルが流れる方向で見ると、この第2の入口はエーロゾル入口の後に位置してもよい。更に、エーロゾル及び呼吸空気が二つの並行流で中間チャンバに入らないように、第2の入口は第1の入口に対して角度を付けて配置されてもよい。第1の入口に対する第2の入口のこの角度によって、呼吸空気がエーロゾルと確実に混合することができる。
【0019】
一実施形態では、第1及び第2の水コンパートメントはそれぞれ、対応するコンパートメント内の水を加熱するために使用される加熱ユニットを収容してもよい。別の実施形態では、第1及び第2の水コンパートメントを通して温水を循環させる、水回路が設けられてもよい。水回路は、水回路を通して水を給送するポンプと、水を加熱するために使用できる熱交換器とを有することができる。
【0020】
各水コンパートメント内の水は、好ましくは、水コンパートメントの内部で実質的に一定の温度を有するべきである。各水コンパートメントは、対応する水コンパートメント内を循環する水を案内すると共に、水コンパートメント内部で実質的に均一な温度が得られるように、コンパートメント内部で水を循環させる助けとなる、突起を備えてもよい。水コンパートメントそれぞれに設けられた突起はそれぞれ、第1又は第2の層に対する更なる支持面を構築する。第1の層は、更に好ましくは、第2の層に対して実質的に平行に配置される。かかる配置により、加湿機の鏡面対称の配置が得られてもよい。
【0021】
加湿されるエーロゾルがそこを通して通路に入るエーロゾル入口に、ノズルが設けられることが更に可能である。かかるノズルは、そのため、エーロゾルの流れ方向で増加する断面を有し、ノズルは、内壁として、圧力パルスによって励起されるように構成された少なくとも一つの励起可能なメンブレンを備える。好ましいセットアップでは、本発明による加湿器によって加湿されるエーロゾルは、WO2006/108558又はWO2010/122103に開示されているようなデバイスによって発生する。かかるデバイスでは、加圧空気のパルスを使用して、エーロゾル化可能な材料がリザーバから吸い出され、材料が気流に混入され、それによってエーロゾルが形成される。エーロゾルの流路に導入されるこれらの圧力パルスは、そのため、エーロゾル化可能な材料を格納するために使用されるリザーバの内壁、エーロゾル化チャネルの内壁、及び/又は中空スペーサの内壁を励起する、WO2010/122103によるデバイスで使用されるものに非常に類似している、ノズルの内壁を形成する励起可能なメンブレンを励起するのにも使用することができる。ノズル内の励起可能なメンブレンは、エーロゾル中の粒子がエーロゾル入口に付着するのを防ぐ助けとなり、それにより、エーロゾル入口に粒子が凝集するのを防ぐ助けとなる。好ましくは、ノズルは円錐形状を有し、ノズルの開放角は、5°〜50°、好ましくは7°〜11°、より好ましくは8°〜10°、更により好ましくは9°であってもよい。圧力パルスは、エーロゾル化可能な材料からエーロゾルを発生させるために使用される圧力パルスであってもよい。
【0022】
本発明について、添付図面を参照して更に詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】エーロゾルを加湿するように構成された加湿機の分解組立図である。
図2】エーロゾルを加湿するために使用される水を収容した水コンパートメントを示す斜視図である。
図3】チャンバを通過する間に加湿されるエーロゾルが通過する、加湿器の中間チャンバを示す斜視図である。
図4】呼吸空気の入口を付加的に含む図3のチャンバを示す図である。
図5図3に示されるチャンバのエーロゾル入口に設けられてもよいノズルの概略図である。
図6図2の水コンパートメントを通過する水を加熱するために使用される水回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面を参照して、エーロゾルを加湿するために使用することができる加湿機についてより詳細に説明する。
【0025】
加湿機は、中間チャンバ200を通って流れるエーロゾルを加湿するために使用される水を収容する第1の水コンパートメント100を備える。加湿機は、エーロゾルを加湿するために使用される水をやはり収容する、第2の水コンパートメント300を更に含む。中間チャンバは、第1の水コンパートメント100と第2の水コンパートメント300との間に挟まれる。第1の水コンパートメント100と中間チャンバ200との間には、水蒸気に対しては透過性であるが液体水に対しては不透過性である第1の層10が設けられる。水蒸気に対しては透過性であるが液体水に対しては不透過性である第2の層20は、チャンバ200と第2の水コンパートメント300との間に設けられる。
【0026】
加湿されるエーロゾルは、エーロゾル入口210を介して中間チャンバに入る。通路230は、特に図3に示されるように、中間チャンバ内に構築される。エーロゾルは、エーロゾル入口210からエーロゾル出口220まで通路を通過する際に加湿される。エーロゾルがエーロゾル入口210に入るとき、(エーロゾルが本質的に乾燥した粉末のエーロゾル化によって発生しているものと仮定して)エーロゾルは本質的に乾燥している。本発明の文脈では、「本質的に乾燥している」とは、市販のエーロゾル化装置でエーロゾル化される乾燥粉末の一般的な貯蔵形態において、エーロゾル中に含有する粒子の水分含量を指す。一般的に、かかる乾燥粉末の水分含量は、5重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、又は更には約1重量%以下である。本質的に乾燥した粒子は、特に、WO2006/108558又はWO2010/122103A1に記載されているような、エーロゾル化デバイスを特に使用して、容易にエーロゾル化可能な粒子である。エーロゾル化デバイスのキャリアガス中に懸濁される前、本質的に乾燥して吸入可能な粒子は粉末を形成する。当該分野によって知られているエーロゾル化デバイス内で、この乾燥粉末は、乾燥粒子をキャリアガス中に懸濁することによってエーロゾルに変換される。この本質的に乾燥したエーロゾルは、エーロゾル入口210を通して加湿機に入るが、そこで水蒸気がエーロゾルに添加されて、エーロゾル入口210よりもエーロゾル出口220における水分含量が高い、加湿されたエーロゾルが得られる。
【0027】
粒子は、上述したような本質的に乾燥した粉末であり得る。粒子の吸入可能な画分(即ち、吸入の際に、肺の奥に搬送され堆積される粒子の画分)を最大限にするために、エーロゾル中の粒子の空気力学的質量中央値(MMAD)は、0.1〜10μm、好ましくは1〜5μm、又は約3μmであってもよい。粒子は、リン脂質などの脂質、小分子薬物、ペプチド、サーファクタントタンパク質若しくはその合成類似体などのタンパク質、酵素若しくは抗体、siRNAなどの核酸などを含む、吸入の際に所望の治療効果を有する任意の物質であることができる、治療活性物質を含有する。治療活性物質はまた、天然又は人工肺サーファクタントなど、吸入の際に所望の治療効果を有する物質の任意の混合物であることができる。例えば、所望の治療効果が、吸入及び取込みの後に脈管系を介して治療活性物質が達する、肺で(若しくは気道の他の部分で)既に起こっているか、又は身体の他の位置で起こるか否かにかかわらず、治療活性物質の治療効果は、(肺サーファクタントの場合のように)肺組織との物理的相互作用、分子を受容体に結合すること、酵素の阻害又は活性化、酵素作用自体、抗体を特定のエピトープに結合すること、RNAの干渉、気道に存在する病原体との相互作用(病原体の複製、毒素生成、及び/若しくは毒素分泌との相互作用を含む)などによって、働いてもよい。本発明に従って有利に使用することができる治療活性物質の非限定例は、短時間作用型及び長時間作用型の両方のβアドレナリン受容体作動薬、グルココルチコイド及び他のステロイド(例えば、シクレソニド)、例えばPDE4阻害薬(特に、ロフルミラスト)又はPDE5阻害薬(例えば、シルデナフィル)などのホスホジエステラーゼ阻害薬、抗コリン作動薬、天然又は人工肺サーファクタント、DNAse(例えば、プルモザイム)、インスリン、抗生物質、細胞増殖抑制化合物、抗炎症化合物、粘液溶解化合物、並びに患者の肺に有利に投与することができる他の任意の治療活性物質である。好ましい実施形態では、治療活性物質は、その治療効果を少なくとも部分的に、肺組織との物理的相互作用によって、つまり肺胞での表面張力を低減することによって働く、肺サーファクタントである。別の好ましい実施形態では、本発明による粒子は、一つ以上の治療活性物質を含む。特に好ましい実施形態では、本発明による粒子は、一つ以上の治療活性物質を含み、そのうちの一つは肺サーファクタントである。
【0028】
「肺サーファクタント(lung surfactant若しくはpulmonary surfactant)」は、天然の哺乳類(特にヒト)の肺サーファクタントの正常な機能のうち少なくとも一部を満たすことができる、任意の薬学的に容認可能な物質又は組成物を意味する。肺サーファクタント製剤は、天然組織(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタの肺)からの抽出によって得られてもよく、又はリン脂質、肺サーファクタントタンパク質若しくはその誘導体(KL4ポリペプチドなどの人工肺サーファクタントタンパク質を含む)、脂肪酸、塩、及び他の構成成分など、個々の成分から製造することができる。市販の肺サーファクタントは、アルベオファクト(Alveofact)、キュロサーフ(Curosurf)、エキソサーフ(Exosurf)、インファサーフ(Infasurf)、プマクタント(Pumactant) (ALEC)、サーファキシン(Surfaxin)、及びサーバンタ(Survanta)を含む。少なくとも一つの更なる肺サーファクタントであるベンチキュート(Venticute)が、臨床的に調査されてきた。特定の人工肺サーファクタント組成物は、リン脂質と、三つの点突然変異をもつヒトSP-Cの切断誘導体である、「rSP-C」(EP 0 764 172によって知られている、INNルスプルチド)と呼ばれるFF/I突然変異株など、サーファクタントタンパク質SP-Cの少なくとも一つの組換え誘導体を含有することによって、天然肺サーファクタントを模倣している。本発明の特に好ましい用途では、治療活性物質(又は、粒子が一つを超える治療活性物質を含む場合、治療活性物質のうち一つ)は、噴霧乾燥によって製造されている肺サーファクタントであり、DPPC、POPG、rSP-C、パルミチン酸、及び塩化カルシウムを含む。更なる特に好ましい用途では、治療活性物質は、EP 0 877 602の教示に従って製造されている、肺サーファクタントである。
【0029】
肺サーファクタントの重要な使用は、天然で内因性の肺サーファクタントの役割のうち少なくとも一部を行うことを目的とする。これは、患者の内因性肺サーファクタントが欠乏しているときに特に重要であり得る。次に、肺サーファクタントを、欠損又は損傷した(例えば、タンパク質分解活性によって胃内容物を吸引する場合)内因性サーファクタントを補充するために、患者の肺に投与することができる(「サーファクタント補充療法」)。内因性肺サーファクタントの機能が損なわれる例としては、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、IRDS、特発性肺線維症、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(特に、COPDの増悪)、及び慢性気管支炎が挙げられる。更なる例は、早期産新生児の(特に、妊娠32週未満又は更には29週未満で産まれた新生児の)肺サーファクタント欠損症である。
【0030】
図1、2、及び3に戻ると、チャンバ200に入る活性物質を含有するエーロゾルは、二つの対向する水コンパートメント100及び300によって提供される水蒸気と接触させられる。
【0031】
治療活性物質が提供される(また、治療活性物質と共にエーロゾルを提供する)キャリアガスは、空気、例えば医療用空気であってもよく、いずれの病院でも利用可能な標準化された空気であってもよい。エーロゾル化プロセスの間、エーロゾル化される粒子の付着を回避するため、エーロゾルを発生させるために使用されるキャリアガスの相対湿度は好ましくは20%以下である。更により好ましくは、キャリアガスの相対湿度は10%未満である。結果として、エーロゾル入口210に入るエーロゾルは比較的乾燥している。チャンバ200を通過するエーロゾル(若しくはより正確には、エーロゾルのキャリアガス)の相対湿度は、エーロゾルを水蒸気と接触させることによって、10%又は20%未満から100%直下以上まで、概して言えば露点に近い値まで増加する。より詳細に後述するように、水蒸気は、加熱された水が通過する第1の水コンパートメント100及び第2の水コンパートメント300によって発生する。
【0032】
二つの水コンパートメント100、300は、水の蒸気圧を増加させるため、通常は高温まで、例えば50〜60℃まで加熱されている水を収容している。第1の水コンパートメント100及び第2の水コンパートメント300に収容されている液体水は、第1の層10及び第2の層20それぞれによって中間チャンバから分離される。両方の層は、水蒸気に対しては透過性であるが液体水に対しては本質的に不透過性である、半透過性のバリアを提供する。例として、半透過性のバリアは、通常は、例えばナフィオン(Nafion)、ゴアテックス(Goretex)、又はシンパテックス(Sympatex)などの合成材料から作られる、メンブレンである。第1の層10及び第2の層20は、水蒸気が液体水を保持した状態でエーロゾルの通路に入ることを可能にするため、所望の性質を有するあらゆる材料から作ることができ、好ましくは微細な孔があいた材料で作られる。
【0033】
図1の実施形態では、使用中に設置されてもよいような配向の加湿機が示される。中間チャンバは、実質的に円筒状の形状を有し、円筒の軸線は水平の配向を有する。エーロゾル入口210及びエーロゾル出口220は、円筒形状のチャンバ200の横面に設けられる。図示される実施形態では、エーロゾル入口210及びエーロゾル出口220は、エーロゾルがエーロゾル入口に入る際に、エーロゾルがエーロゾル出口を出る際の流れ方向とは反対の流れ方向を有するようにして設けられる。円筒形状の中間チャンバ200が図1に示されるような位置にあり、円筒の軸線が水平方向で延在するとき、エーロゾル出口は中間チャンバの上部横面に位置することが確保される。中間チャンバ200の外側には、ハウジング201が設けられ、ハウジング201は、加湿機を水平面に置くことができるような、又はある程度安定位置に至らせられるように設計される。ハウジング201は開口部を更に含み、そこを介して中間チャンバのハウジング201を、第1の層10に、第2の層20に、第1の水コンパートメントのハウジング101に、及び第2の水コンパートメントのハウジング301に、例えば固着要素を使用して、固定的に接続することができる。図示される実施形態では、ハウジング301、201、及び101は実質的に四角形状である。しかしながら、任意の形状が使用されてもよいことが理解されるべきである。開口部は、ねじなどの固着要素を受け入れるように構成された穴であってもよい。
【0034】
図1から分かるように、加湿機全体は、図1に示される面Aに対して鏡面対称であり、中間チャンバを通過するように設計される。面Aは、中間チャンバの軸線方向に対して法線平行である表面を有し、軸線方向で見て、チャンバの幅の半分に位置する。
【0035】
当業者には簡単に理解されるように、本発明による加湿機全体を通して、通路は、乱流が起こるのを低減するか、又は更にはそれを防ぐようにして形作られる。そのようにすることで、エーロゾル化された粒子の堆積を最小限にまで低減する助けとなる。乱流を低減又は防止するために取られる対策の一つは、エーロゾルの流路に沿ったあらゆる鋭角及び鋭い縁部を回避することである。これは、例えば、周囲のエーロゾルの滑らかな層流に適応するように丸み付けられた突出部240、250、及び260の先端に見ることができる。
【0036】
図2と関連して、エーロゾルを加湿するために使用される水を収容した水コンパートメントについて、より詳細に説明する。図2と関連して、第1の水コンパートメント100がより詳細に開示される。しかしながら、システムは鏡面対称であることが好ましいので、以下に与えられる説明は、第2の水コンパートメント300にも適用可能である。
【0037】
第1の水コンパートメント100はハウジング101内に位置し、水コンパートメントはまた、水コンパートメントに水を充填する水入口110を備えて円筒状に形作られる。図示される実施形態では、加熱ユニット130が水コンパートメント内に設けられる。この加熱ユニット130は、例えば金属製の、円筒状に形作られた本体であることができ、水コンパートメント内部の水を加熱する電気加熱素子を含んでもよい。水コンパートメント内部の水の温度を制御するため、温度センサ150が設けられてもよい。水コンパートメントに最初に水が充填されると、水コンパートメント内に提供された空気は、換気装置160を通して水コンパートメントを出てもよい。水コンパートメント内部の水の汚染を回避するため、フィルタ170が換気装置160に提供されてもよい。水コンパートメント100は、水コンパートメント内を循環する水に対して案内が提供されるように、水コンパートメント内部に配置された突起140を更に備える。突起は、水コンパートメント内部の均質な温度分布を得る助けとなる。突起140は第2の機能を更に有する。水コンパートメントは、軸線方向端面102によって、水コンパートメントの一端で閉止される。突起140は、端面101及び102が、第1の層が設けられるハウジング101の表面103と同じ軸線方向高さに位置するように、この軸線方向端面102から、水コンパートメントの軸線方向で延在する。表面141及び142は、弾性メンブレンである層10の支持体を提供する。支持面141及び142を有する突起は、メンブレンの変形を回避又は低減する助けとなる。
【0038】
図示される実施形態では、加熱ユニット130を使用して、水コンパートメント内部の水が加熱される。別の実施形態では、水が水コンパートメントの外部で加熱され、水コンパートメントに通される、水回路が設けられてもよい。かかる実施形態については、図6に関連して更に詳細に後述する。かかる実施形態では、水コンパートメント内の水を水コンパートメントの外部で加熱することができるので、加熱ユニット130は必ずしも設けられなくてもよい。
【0039】
水コンパートメント内の水は、通常は37℃〜100℃である温度まで加熱することができ、好ましくは、45℃〜75℃の温度、又は50℃〜60℃の温度まで加熱することができる。相境界を通り、中間チャンバ200に入る水蒸気の量は、層10及び20の半透過性バリアの透過性に応じて、温度に依存し温度と共に増加する液体水の蒸気圧に応じて、気相中に既に存在している水蒸気の分圧に応じて、また気相の温度に応じて決まる。水蒸気は加熱された水と同じ温度を有するようになるので、中間チャンバ200に入る水蒸気も、中間チャンバ200に流入するエーロゾルを加熱する助けとなる。エーロゾルの加熱によってエーロゾルの水蒸気に対する容量が増加するので、相当量の水蒸気をエーロゾルに添加することができる。所望の水蒸気量が占めていると、気相の水分含量は通常は飽和に近い。実際上、エーロゾルが中間チャンバを通過する際に50℃〜60℃の範囲の温度まで加熱すると、患者に投与する前に粒子に凝結するのに利用可能な水の量に関して非常に有利になることが分かった。加湿されたエーロゾルが患者に供給される前に、通常、加湿されたエーロゾルが、15℃〜45℃の範囲の第2の温度まで、好ましくは20℃を超える第2の温度まで、最も好ましくは約37℃の温度まで再び冷却される、冷却ステップが適用されることが理解されるべきである。この文脈で、治療物質の加湿されたエーロゾルを調製するプロセスについて詳細に記載している、WO2012/025496が参照される。
【0040】
図3と関連して、エーロゾルがそこを通して案内される中間チャンバについて、更に詳細に説明される。エーロゾルは、上述したように、中間チャンバを通過する際に加熱され、この通過の間に加湿される。中間チャンバ200を密封するハウジング201が、横面に設けられる。中間チャンバも円筒形状であって、エーロゾル入口210がチャンバの横面に設けられ、エーロゾル出口220は中間チャンバの横面に設けられる。チャンバ200の内部で、エーロゾルは通路230に沿って流れ、その後に中間チャンバを離れる。通路の長さは10〜30cmであってもよい。しかしながら、他の長さが同様に想到でき、長さは、チャンバ内のエーロゾルに添加される水蒸気の量によって、エーロゾルの流速に応じて、及びエーロゾルの所望の温度増加に応じて決まる。図1に見られるように、通路は、チャンバの対向する端面で、第1の層10及び第2の層20それぞれによって軸線方向で閉止される。中間チャンバは、チャンバの横面からチャンバの内部へと突出し、それによって通路の第1の境界面を構築する、いくつかの突出部240、250、及び260を備える。図示される実施形態では、通路の第1の区画は、チャンバの外表面によって、及び突出部240の第1の表面241によって、チャンバの径方向で空気入口の後に形成される。突出部は、チャンバの軸線方向全長にわたってチャンバの軸線方向で延在する。突出部は、軸線方向で端面243を更に含む。これらの端面は第1及び第2の層10、20の支持面を提供する。一方の軸線方向端面243は、二つの層10若しくは20の一方に対する支持面を提供するが、他方の軸線方向端部における他方の(反対側の)支持面243は、二つの層10、20のうち他方の層に対する支持面を提供する。エーロゾル入口210を介してチャンバに入るエーロゾルは、第1の部分では、突出部240の表面241、チャンバの外表面、並びに対向する層10及び20によって境界が定められる通路に沿って通過する。
【0041】
図3に示されるように、隣接した突出部250は、U字形の通路が突出部240及び250によって形成されるように、反対側の内表面から内部へと突出する。図示される実施形態では、やはり上部横面からその内部まで延在する、更なる突出部260が示される。図3で分かるように、隣接した突出部は、通路が突出部間でチャンバ内の蛇行パターンを辿るように、横面の対向する区画から延在する。突出部250は表面251、252を備え、突出部260は、通路に面する表面261、262を含む。したがって、表面241、242、251、252、261、及び262は通路の第1の境界面の一部である。通路に面し、通路の境界を中間チャンバの軸線方向で定める第1の層10の一区画は、通路の第2の境界面を構築する。同じように、通路の境界を中間チャンバの軸線方向で定める第2の層20の一区画を、通路の第3の境界面を構築する。更に、チャンバの内部に面し、特に右側に設けられた円筒形状の中間チャンバの内表面は、流れ方向でエーロゾル入口210の後、エーロゾル出口220の前の左側で、通路の境界を更に定める。したがって、中間チャンバの内部で、通路は、第1の境界面、第2の境界面、第3の境界面、及び円筒形状の中間チャンバの内表面によって境界が定められる。端面253及び263はやはり、第1の層に対する及び第2の層に対する支持面を提供する。図3で分かるように、通路は主に、側壁の内表面によって、また突出部240、250、260の壁によって、即ち壁241、242、251、252及び壁261、262によって形成される。中でも特に、エーロゾルの意図される流れに従って選択されてもよい、通路の所望の長さ、水コンパートメント内の水の意図される温度、エーロゾルの意図される加湿の程度、及び他の要因に応じて、突出部の数が変動する可能性がある。図示される実施形態では、三つの突出部が選択されているが、当然ながら、突出部の数が異なる代替実施形態が可能である。例えば、突出部の数は、1、2、4、5、6、7、8、9、又は他の任意の数であり得る。(エーロゾル入口210を通して)加湿機に入るエーロゾルの流れが、(エーロゾル出口220を通して)加湿機から出るエーロゾルの流れと反対(逆平行)であることが望まれる場合、突出部の数は好ましくは奇数(例えば、1、3、又は5)である。他方で、加湿機に入るエーロゾルの流れが加湿器を出るエーロゾルの流れと同じ方向を有することが意図される場合、偶数の突出部(例えば、2又は4)が好ましい。
【0042】
図示される実施形態では、三つの突出部が使用されるので、通路内部で、エーロゾル310がその方向を反対の流れ方向に変化させる。しかしながら、突出部の数は、エーロゾルを加湿し、エーロゾルを加熱するのに必要な通路の長さに応じて決まってもよい。
【0043】
図3で分かるように、エーロゾルは、チャンバの軸線方向で通路を閉止する二つの層10、20に沿って直接通される。二つの層10、20は通路を軸線方向で封止し、二つのメンブレンは、水チャンバ内の水の静水圧によって、突起面の支持面に押し付けられる。エーロゾルは、層10、20に沿って通すことによって加湿される。
【0044】
エーロゾル入口210及びエーロゾル出口220は両方とも、上部横面に設けられる。エーロゾル出口220の反対側には、加熱されたエーロゾル中に発生する凝縮された液体を回収することができ、それが通路を出ることができる、通路の下部に開口部280が設けられる。水出口は、中間チャンバの横面に、好ましくは入口及び出口とは反対側の横面に設けられる。図3に示されるような加湿機及び中間チャンバの配向で、エーロゾル入口及びエーロゾル出口は横面の上部に位置するが、凝縮された液体を除去するための開口部は下部横面に設けられる。
【0045】
図3に示される実施形態では、通路は、開口部280を設けることができる二つの区画を備える。図3に示されるように、出口220により近い通路の下部区画に設けられる。
【0046】
図1及び3から推論できるように、通路230に入る水蒸気は反対方向で通路に入る。第1の水コンパートメント100からの水蒸気は、主に、円筒形状の中間チャンバの軸線方向で通路に入るが、第2の水コンパートメントからの水蒸気も、主に流れに垂直な軸線方向で通路に入る。しかしながら、第1の水コンパートメント100及び第2の水コンパートメント300からの水蒸気は、反対方向で方向付けられた運動量を有するので、通路内の加湿されるエーロゾルに対して加えられる合計運動量はゼロである。結果として、エーロゾル化可能な材料が、第1の層とは反対の、又は第2の層とは反対の表面に堆積することが回避される。
【0047】
図4では、中間チャンバ200の更なる実施形態が示される。図4に示される実施形態は、呼吸空気が通路に入る入口のために構成される通路に第2の入口270が設けられるという点で、図3の実施形態とは異なる。本明細書の導入部分で考察したように、加湿されたエーロゾルは、自発呼吸している患者、並びに機械的に換気されている患者及び補助換気を受けている患者の両方に対して投与することができる。図4に示される実施形態では、自発呼吸している患者に対してエーロゾルを投与するのに特に適している。加湿されたエーロゾルが患者の吸入のために提供されるとき、加湿されたエーロゾルを加湿されていない呼吸空気と別の方法で混合すると、加湿されたエーロゾルが望ましくなく乾燥することは不可避なので、エーロゾルを加湿するだけではなく呼吸空気も加湿することが好ましい。加湿される呼吸空気は、第1の入口210の下(又は、エーロゾルの流れ方向で見たとき、その後)に位置する第2の入口270を通して、中間チャンバに入る。呼吸空気の入口はエーロゾルの入口と平行には位置せず、エーロゾルの入口に対して角度を付けられるので、呼吸空気が入口210を通して入ってくるエーロゾルとより効率的に混ざり合う。管が、呼吸空気がチャンバ200に入ることができる入口270に接続される。更に、逆止め弁がチューブに設けられてもよく、逆止め弁は、患者が呼気しているとき、エーロゾルが、エーロゾルの流れ方向と反対の方向でチャンバ200を出ないことを確実にする。患者が吸気する際、エーロゾル及び呼吸空気は混合され、図1〜3に関連して上述したように、両方とも加湿され、エーロゾル出口に供給される。出口コネクタ290がエーロゾル出口に設けられる。この出口コネクタ290は、ケーブル又は類似のデバイスを中間チャンバ200に接続し、加湿されたエーロゾルを更に案内するために使用することができる。
【0048】
別の実施形態では、呼吸空気のための別個の加湿機を提供することが可能である。かかる実施形態では、エーロゾルは入口210に入らず呼吸空気のみが入るように、図1に示されるようなシステムが呼吸空気用に別個に使用されてもよい。この実施形態では、図1に示されるシステムは、一方がエーロゾルの加湿及び加熱用であり、他方が呼吸空気の加湿及び加熱用で、二度提供されてもよい。この実施形態は、呼吸空気が提供されたエーロゾルとうまく適応しないときに使用されてもよい。図4に示されるチャンバの残りは、図3に示されるチャンバに対応しており、再び詳細には説明しない。
【0049】
図3及び4から推論できるように、実質的に円筒形状を有する中間チャンバ200は、円筒形状の長手方向軸線の方向で長手方向の延長よりも長い径方向の延長を有する。換言すれば、中間チャンバの円筒形状は、その形状が長手方向の延長よりも長い径方向の延長を有するような形状である。
【0050】
第1及び第2の水コンパートメントは、円筒形状の中間チャンバを軸線方向で閉じ込め、エーロゾル入口及びエーロゾル出口は、通路を通過するエーロゾルが中間チャンバの軸線方向では構成要素を実質的に有さないが、軸線方向に垂直な構成要素のみを有するようにして、円筒形状の中間チャンバの横面に位置する。
【0051】
図5に関連して、エーロゾル入口210に設けられ、加湿されるエーロゾルがそこを介して通路に入ってもよい、ノズル500についてより詳細に説明する。加湿されるエーロゾルは、図5の矢印によって示されるように、ノズル500に入り、開口部540を通り、開口部550近くにエーロゾルを残す。ノズル500はハウジング510を備え、そこに、加湿されるエーロゾルのための通路が、通路の断面が流れ方向で増加するように設計された、励起可能なメンブレン520によって形成される。メンブレンは、エーロゾルを発生させるのにエーロゾル化デバイスで使用される、圧力パルスによって励起することができ、メンブレンの励起は、エーロゾルの粒子がノズルの内壁に付着し凝集するのを防ぐ助けとすることができる。「メンブレン」という用語は、ガス、液体、及びエーロゾル化可能な材料に対しては本質的に不透過性である、任意のシート状構造を指す。励起可能なメンブレンは、弾性的に変形し、圧力パルスに応答して振動するように設計される。これらの圧力パルスは、エーロゾル化デバイスに供給されるキャリアガスから生じてもよい。しかしながら、ノズルは開口部530を更に備えてもよく、そこを通して、圧力パルスを派生させる外部源をハウジング510の内部に接続して、メンブレンを励起させることができる。
【0052】
加湿機に入るエーロゾルは、加湿機の入口で付着する傾向があることが見出されてきた。剛性の壁が加湿機のこの部分で使用される場合、エーロゾルの粒子は側壁に蓄積する可能性がある。このことは、エーロゾル入口の開口部が縮小されることに結び付き、それが次いで、流速の増加を引き起こし、加湿機が適切に機能するのを妨げることになる。しかしながら、記載したように入口を修正すること(即ち、内壁が励起可能なメンブレン520によって形成されたノズル500を提供すること)により、上述したように、加湿されるエーロゾルを発生させるためにシステムに適用されてもよい圧力パルスの適用によって、望ましくなく堆積した粒子を(準連続的に)除去することが可能になる。好ましくは、ノズルは、既定の開放角を備えた円錐形状を有する。ノズルの開放角は、5°〜15°、好ましくは7°〜11°、より好ましくは9°である。励起可能なメンブレン520は、単一のメンブレンであってもよいが、相互に接続されて、ノズルを通過するエーロゾルの通路を形成する、二つの別個のメンブレンによって形成することもできる。
【0053】
図6に関連して、水が図1に示される加熱ユニット130を通して加熱されないが、水コンパートメント100などの水コンパートメントを通して水を循環させる水回路を通して水が加熱される、一実施形態がより詳細に開示される。図6に示される実施形態では、水回路400によって、水が第1の水コンパートメント100を通って循環することが可能になる。しかしながら、同じ回路400はまた、第2の水コンパートメント300を通して水を循環させてもよいことが理解されるべきである。別の実施形態では、一つの水回路が各水コンパートメントに対して設けられる。
【0054】
水回路400は、熱交換器450と、水回路を循環する水を加熱する加熱素子460とを備える。水回路は、水リザーバ410と、そこを通して水回路に水を供給することができる、逆止め弁420とを備える。接合部430において、水コンパートメント100を通過した後の水が回路に戻される。水回路を通して水を給送するポンプ440は、水を加熱素子460及び熱交換器450へと移行する。水は、次に水入口110を通され、水は水出口120で水コンパートメントを出る。水コンパートメントは、他の機能的特徴に関して、図2に関連してより詳細に上述した水コンパートメントに対応するので、水コンパートメントの更に詳細な考察については回避する。特に水回路が最初に充填されたときに、水回路に含まれる空気をそこに通して水回路から出すことができる、換気装置470を設けることができる。第2の逆止め弁480によって、水回路における水の指向性の流れが確保される。ポンプ440は、水の流速が、チャンバ内部にある水の所望の温度が、例えば上述したようなチャンバ内部の40℃〜50℃の水温が得られるような流速であるように設計される。温度を制御するため、温度センサ150などの温度センサが、水コンパートメント内に設けられてもよい。
【0055】
上述の加湿機は、加湿されるエーロゾルの通路を提供する中間チャンバが、二つの水コンパートメントの間に挟まれるので、エーロゾルの効率的な加熱及び加湿を提供する。第1及び第2の層は大きい表面を提供し、エーロゾルが途中過程でそこに沿って中間チャンバを通過する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】