特表2017-511179(P2017-511179A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-511179(P2017-511179A)
(43)【公表日】2017年4月20日
(54)【発明の名称】保温ポット
(51)【国際特許分類】
   A47J 41/00 20060101AFI20170331BHJP
【FI】
   A47J41/00 304C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-558581(P2016-558581)
(86)(22)【出願日】2015年3月19日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月22日
(86)【国際出願番号】EP2015055757
(87)【国際公開番号】WO2015144547
(87)【国際公開日】20151001
(31)【優先権主張番号】202014101351.2
(32)【優先日】2014年3月24日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】390014155
【氏名又は名称】メリタ オイローパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Melitta Europa GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ザハトレーベン
【テーマコード(参考)】
4B002
【Fターム(参考)】
4B002AA04
4B002AA13
4B002AA18
4B002BA02
4B002CA12
(57)【要約】
保温ポットであって、該保温ポットが容器(4)を備えており、該容器(4)が上側に開口(10)を有しており、該開口(10)に蓋(6)が保持されており、該蓋(6)が、前記開口(10)を閉鎖位置で閉鎖していて、操作要素(31)を介して少なくとも部分的に運動可能であり、これによって、前記開口(10)が部分的に開放されて、液体が注ぎ出されるようになっており、前記蓋(6)が、前記容器(4)に位置固定される上側部分(20)と、該上側部分(20)に旋回可能に保持された下側部分(30)とを有している、保温ポット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保温ポットであって、該保温ポットが容器(4)を備えており、該容器(4)が上側に開口(10)を有しており、該開口(10)に蓋(6)が保持されており、該蓋(6)が、前記開口(10)を閉鎖位置で閉鎖していて、操作要素(31)を介して少なくとも部分的に運動可能であり、これによって、前記開口(10)が部分的に開放されて、液体が注ぎ出されるようになっている、保温ポットにおいて、
前記蓋(6)が、前記容器(4)に位置固定される上側部分(20)と、該上側部分(20)に旋回可能に保持された下側部分(30)とを有していることを特徴とする、保温ポット。
【請求項2】
前記下側部分(30)に、閉鎖された位置へと予荷重が加えられている、請求項1記載の保温ポット。
【請求項3】
前記上側部分(20)と前記下側部分(30)との間に、ばね(80)、特にコイルばねが設けられている、請求項2記載の保温ポット。
【請求項4】
前記操作要素(31)が、前記下側部分(30)と一体に形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の保温ポット。
【請求項5】
前記上側部分(20)に対して相対的な前記下側部分(30)の旋回移動距離が、複数のストッパ(23,33)によって制限されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の保温ポット。
【請求項6】
前記容器(4)の前記開口(10)を取り囲むように、環状のシール部材(40)が配置されており、該シール部材(40)に前記閉鎖位置で前記蓋(6)の前記下側部分(30)が接触している、請求項1から5までのいずれか1項記載の保温ポット。
【請求項7】
前記下側部分(30)に、上方から前記容器(4)への前記液体の充填を可能にする運動可能な弁(7)が保持されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の保温ポット。
【請求項8】
前記下側部分(30)に、下方に突出した縁部(37)が設けられており、該縁部(37)が、シール部材(40)に接触するようになっており、前記縁部(37)が、ポットボディ(17)の注ぎ口(11)の領域に空所(38)を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の保温ポット。
【請求項9】
前記下側部分(30)に、下方に突出した縁部(37)が設けられており、該縁部(37)に、注ぎ出しのための空所(38)に対して付加的に、通気開口としての少なくとも1つの切抜き部(45)が設けられており、前記下側部分(30)の前記閉鎖位置では、前記容器(4)の密封のために、前記空所(38)と前記少なくとも1つの切抜き部(45)とが、シール部材(40)よりも下側に配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の保温ポット。
【請求項10】
前記容器(4)に、前記蓋(6)を差込み時に側方に移動させるガイド手段が設けられており、これによって、前記上側部分(20)に設けられた少なくとも1つのリブ(46)が、前記容器(4)の注ぎ縁部に設けられた切欠き(19)内に嵌め込まれるようになっている、請求項1から9までのいずれか1項記載の保温ポット。
【請求項11】
前記容器(4)にハンドル(5)が突出して設けられており、該ハンドル(5)の上側の領域に前記操作要素(31)が設けられている、請求項1から10までのいずれか1項記載の保温ポット。
【請求項12】
前記蓋(6)が、前記容器(4)に設けられた収容部に差込み可能であり、係止手段(22)を介して前記閉鎖位置で保持されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の保温ポット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保温ポットであって、該保温ポットが容器を備えており、該容器が上側に開口を有しており、該開口に蓋が保持されており、該蓋が、前記開口を閉鎖位置で閉鎖していて、操作要素を介して少なくとも部分的に運動可能であり、これによって、前記開口が部分的に開放されて、液体が注ぎ出されるようになっている、保温ポットに関する。
【0002】
独国特許出願公開第19907195号明細書には、保温ポットが開示されている。この保温ポットでは、容器が蓋によって閉鎖されている。この蓋は、注ぎ出し開口を形成するために、傾倒縁部と操作レバーとを介して旋回可能に支承されている。この操作レバーと保持ハンドルとの間に配置された閉鎖ばねによって、蓋に閉鎖位置へと予荷重が加えられている。蓋全体を旋回させることによって、この蓋が倒れ落ちてきて、不都合に開放位置へと旋回させられ、容器から液体が流出してしまうことが生じることがある。さらに、蓋は、対象物に突き当たることによって不都合に開閉されることがある。さらに、付加的な結合要素を介してポットハンドルに保持される蓋の組付けは、手間をかけて行われる。
【0003】
したがって、本発明の課題は、改善された取扱いを可能にする保温ポットを提供することである。
【0004】
この課題は、請求項1の特徴を有する保温ポットによって解決される。
【0005】
本発明によれば、保温ポットが蓋を有しており、この蓋が、容器に位置固定される上側部分と、この上側部分に旋回可能に保持された下側部分とを有している。これによって、使用者が、下側部分の旋回により、蓋を閉鎖位置または開放位置に運動させることができる。その際、下側部分が不本意に操作されてしまうことはない。それというのも、操作要素を介して運動可能である下側部分の運動路を上側部分が保護しているからである。
【0006】
好ましくは、下側部分に、閉鎖された位置へと予荷重が加えられている。この態様では、上側部分と下側部分との間に、ばね、特にコイルばねが設けられていてよい。これによって、容易な組立ておよび操作が可能となる。
【0007】
少ない構成部材での特にコンパクトな構造のためには、操作要素が、好ましくは、下側部分と一体に形成されており、これによって、少ない構成部材しか必要とならない。
【0008】
上側部分に対して相対的な下側部分の運動を制限するために、好ましくは、複数のストッパが設けられていてよく、これによって、誤操作を確実に阻止することができる。
【0009】
さらに、容器の開口の領域に、ただ1つの環状のシール部材が設けられていると有利である。このシール部材は、1つには、断熱ボディとポットハウジングとの間に密封を提供していて、もう1つには、蓋との密封を提供している。この場合、蓋に対する密封は、閉鎖位置でシール部材に完全に接触している下側部分で行われてよい。さらに、この下側部分には、下方に突出した縁部が設けられていてよい。この縁部は、下側部分の旋回時にシール部材に沿って滑動し、ひいては、側方の領域で、シール部材に対する下側部分の密封を保証している。この下側部分には、液体を注ぎ出すための注ぎ口の領域でしか空所を設けることができず、これによって、この空所で液体が的確に注ぎ出され、漏れ流を回避することができる。
【0010】
本発明を以下に1つの実施の形態に基づき添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る保温ポットを備えたコーヒーメーカーを示す図である。
図2】蓋が取り外された保温ポットの斜視図である。
図3】閉鎖された蓋を備えた保温ポットの断面図である。
図4A】保温ポットの蓋の第1の位置における断面図である。
図4B】保温ポットの蓋の第2の位置における断面図である。
図5】保温ポットの蓋の係止手段の領域における断面図である。
図6】取り外された蓋の断面図である。
図7】蓋の分解図である。
図8】下方から見た蓋の斜視的な分解図である。
図9】蓋の上側部分の断面図である。
【0012】
コーヒーメーカー1はハウジング2を有している。このハウジング2には、ボトムプレート3が設けられている。このボトムプレート3には、容器4と蓋6とを備えた保温ポットが載置されている。この保温ポットをコーヒーメーカー1に対して出し入れするために、容器4には、突出したハンドル5が設けられている。蓋6の上側には、コーヒー粉と共にフィルタペーパインサートのための収容体9が設けられており、これによって、お湯を上方から流出部8のところで弁7を介して容器4内に流入させることができるようになっている。
【0013】
図2には、蓋6が取り外された保温ポットが示してある。容器4は、上側の端部に円筒状の開口10を有している。この開口10は環状の縁部12によって取り囲まれている。この縁部12には、突出した注ぎ口11が形成されている。この注ぎ口11は、ハンドル5に向かい合って位置する側に配置されている。縁部12の、互いに向かい合って位置する側には、空所13が形成されている。この空所13の上側の領域には、内向きに突出した係止突出部14が突出している。
【0014】
蓋6は上側部分20を有している。この上側部分20は容器4に係止させることができる。このためには、互いに向かい合って位置する側に、ばねラッチ22の形態の係止手段が設けられている。この係止手段は、上方からの蓋6の差込み時に係止突出部14に係合され、これによって、蓋6の上側部分20がロックされるようになっている。さらに、蓋6には、操作要素31が設けられている。この操作要素31によって開口10を開放して、液体を注ぎ出すことができる。平面図で見てほぼ円形の上側部分20の、操作要素31に向かい合って位置する側には、注ぎ口11の領域に配置された凹み21が設けられている。
【0015】
図3には、容器4が断面図で示してある。この容器4は断熱ガラスボディ16を有している。この断熱ガラスボディ16内には、液体を収容するための内室15が設けられている。断熱ガラスボディ16を取り囲んで、ポットハウジング17が配置されている。このポットハウジング17は、断熱ガラスボディ16から間隔を置いて位置決めされている。この断熱ガラスボディ16が上側の開口10を有している。この開口10を取り囲む縁部で断熱ガラスボディ16とポットハウジング17との間にシール部材40が設けられている。
【0016】
図3にさらに認めることができるように、蓋6の中心には、高さ方向に可動の弁7が設けられている。この弁7は上側部分20を貫通していて、蓋6の下側部分30に保持されている。上側部分20は、弁7のための非対称の開口を有している。
【0017】
図4Aには、蓋6が閉鎖位置で詳細に示してある。断熱ガラスボディ16とポットハウジング17との間の中間スペースは、シール部材40を介して密封されている。このシール部材40は、内向きに突出したシールリップ41を有している。シール部材40は、断熱ガラスボディ16の上側の縁部に載置されていて、この断熱ガラスボディ16の縁部に向かってポットハウジング17に設けられた反り部43によって上方で押圧される。さらに、シール部材40は、ポットハウジング17に設けられたウェブ42によって外方で支持される。
【0018】
実際、シール部材40は、断熱ガラスボディ16とポットハウジング17との間の領域を密封しているだけでなく、シールリップ41を介して付加的に蓋6に対しても密封している。このためには、シールリップ41が、蓋6の下側部分30の側壁32に向かって押圧される。シールリップ41は、図4Aには変形させられずに示してある。実際、シールリップ41は、側壁32の放物面に接触している。この側壁32は環状に形成されていて、下向きに円錐台形状にまたは放物線状に先細っていてよい。下側部分30は、ほぼポット状に形成されていて、弁7が貫通案内されている内側の開口を有している。
【0019】
閉鎖位置では、弁7を介して容器4を満たすことができる。弁7は、ほぼきのこの傘状に形成されていて、湾曲させられた上側の表面70を有している。この表面70により液体を流下させて、上側部分20の、内側に向かって下方に傾けられた槽状の受け口51に衝突させることができる。保温ポットをコーヒーメーカー1内に挿入する際には、流出部8または突出部が弁7を押圧して、この弁7が僅かに下方に押圧される。これによって、弁7が開放され、弁体72に設けられた内側の通路71が流出部8の下側に配置されて、沸騰したコーヒーが通路71を通って下方に流れることができる。弁体72は下側の領域にホルダ73を備えている。このホルダ73には、環状のシール部材74が設けられている。このシール部材74はその上面で下側部分30の、下方に向けられた縁部36に接触している。弁7が閉鎖位置にある場合には、コーヒーは容器4内に流れることもできないし、弁7を介して外部に達することもできない。
【0020】
弁体72には、閉鎖された位置で予荷重が加えられている。このためには、ばね75が設けられている。このばね75は、一方では、下側部分30に設けられた段部39に支持されていて、他方では、弁体72に設けられたストッパに支持されている。これによって、シール部材74がばね75を用いて閉鎖位置に押圧される。
【0021】
さらに、第2のばね80が設けられている。この第2のばね80によって、下側部分30が上側部分20から離れる方向に押圧される。両ばね75,80はコイルばねとして形成されている。
【0022】
下側部分30は、操作要素31に隣接したところで旋回可能に上側部分20に支承されている。下側部分30と一体に形成された操作要素31は下方に押圧することができる。このために、ハンドル5には、下方への操作要素31の運動を許容する相応の収容部18が設けられている。
【0023】
図4Bでは、操作要素31が下方に押圧されたことにより、下側部分30が上側部分20に対して相対的に旋回させられている。これによって、下側部分30が、ハンドル5に向かい合って位置する側で上方に旋回させられる。したがって、側壁32が部分的にシールリップ41から持ち上げられる。これによって、矢印で図示したように、注ぎ口11を介して液体を注ぎ出すことが可能となる。
【0024】
いま、操作要素31を離すと、ばね80が下側部分30を再び閉鎖位置に押圧し、この閉鎖位置で側壁32がシールリップ41に接触する。下側部分30の旋回運動は、外方に向けられた突出したストッパ33によって制限される。このストッパ33は、上側部分20の側壁24に設けられたホルダ23に当て付けられる。
【0025】
図5には、蓋6が、係止手段の断面図で示されている。この係止手段は可撓性のばねラッチ22として形成されている。互いに向かい合って位置する側にそれぞれ1つのばねラッチ22が上側部分20と一体に形成されている。各ばねラッチ22は、外方に向けられた係止突出部25を有している。この係止突出部25は、ポットハウジング17の空所13に設けられた係止突出部14の裏面に係合している。この係止突出部14の上側では、ばねラッチ22に操作区分26が形成されている。この操作区分26は外方に突出しており、この操作区分26を使用者は容易につまむことができる。なぜならば、操作区分26が、つまみ間隙を介して係止突出部14から間隔を置いて配置されているからである。使用者はばねラッチ22を内向きに容易に押し動かすことができる。なぜならば、ばねラッチ22は、上側部分20の側壁28から間隙27を置いて配置されていて、側壁28が、U字形の変向部29を介してばねラッチ22に結合されているからである。これによって、使用者は片手で両ばねラッチ22を互いに近づく方向につまみ、蓋6を容器4から上方に遠ざけることができる。これによって、取扱いが簡単になる。
【0026】
蓋6を容器4に組み付けるためには、蓋6が上方から容器4に差し込まれる。その際、蓋6の位置決めを容易にするために、縁部12に、相応のガイド手段が設けられている。蓋6が容器4に載置されると、縁部12に設けられたガイド手段が、蓋6を前方に押圧する。この場合、上側部分20に設けられた複数のリブ46が、注ぎ縁部(図2参照)に設けられた対応する切欠き19の下方に押し進められる。その後、リブ46が切欠き19内にかつ注ぎ縁部の縁の下方に位置し、これによって、上方への上側部分20の動きが阻止される。リブ46は極めて短く形成されているにすぎないので、このリブ46は、ばねラッチ22のロック解除後の容器4からの蓋6の取外しを妨害しない。2つのリブ46の代わりに、ただ1つのリブ46しか設けられていなくてもよいし、2つよりも多くのリブが設けられていてもよい。
【0027】
その後、蓋6が上方から開口10に差し込まれ、ばねラッチ22に設けられた係止突出部25が係止突出部14の裏面に係止される。この位置では、シール部材40のシールリップ41が下側部分30の側壁32に接触していて、必要となる密封を提供している。
【0028】
図6には、開放された位置における弁7を備えた蓋6が示してある。弁7は、突出部(図示せず)によってばね75のばね力に抗して僅かに下方に押圧されて、縁部36から下方に遠ざけられており、これによって、弁7と縁部36との間の中間スペースを通して液体を容器4内に流入させることができる。多少、液体が、湾曲させられた表面70において弁7から上側部分20の槽状の受け口51上に流れたとしても、液体は、槽状の受け口51に設けられた下方に向けられた管片52を介して、上方に突出した2つの環状の壁34,35の間の収容部内に達する。この収容部の底領域には、液体を内向きで縁部36の内側に流入させることができるようにするために、内側の開口が設けられている。したがって、この開口はシール部材74の上方に配置されており、これによって、弁7の開放時に、液体を容器4内に流入させることができる。その後、コーヒーメーカー1からの保温ポットの取出し時に、ばね75が弁体72を上方に押圧することにより、弁7を閉鎖することができ、これによって、シール部材74が縁部36に密に接触し、したがって、シール部材74の上方の領域を閉鎖する。
【0029】
下側部分30は、下方に向けられた領域で水平に平らには形成されておらず、操作要素31の側から凹み21の側へと外向きに斜めに延在する縁部37を有している。この縁部37は注ぎ口11の領域に空所38を備えており、これによって、上側部分20に対して相対的な下側部分30の旋回時に、液体が的確に空所38を通って注ぎ口11に流出する一方で、縁部37がシールリップ41に接触していて、この領域にシール部が存在している。これによって、液体が蓋6の側方から流出してしまうことが回避される。さらに、縁部37の下側の領域には、1つの小さな切抜き部45が設けられている。側方のこの小さな切抜き部45によって、注ぎ出しに際して液体を容器4から流出させる場合に、空気を容器4内に再び流入させることが可能となる。切抜き部45は、閉鎖位置での蓋と下側部分30との閉鎖時には、シール部材40のシールラインよりも下側に位置しているように配置されている。下側部分30の閉鎖位置では、シール部材40が側壁32若しくは縁部37に接触している。これによって、蓋6が密に閉鎖されていて、温度損失が回避される。下側部分30が開放位置に旋回させられると、空所38と切抜き部45とがシール部材40のシールラインを越えて移動させられ、注ぎ口11への経路と通気開口としての切抜き部45とを開放する。また、注ぎ出しの際に空気を引き続き流し込むために、縁部37に複数の小さな切抜き部45を設けることも可能である。
【0030】
図7には、蓋が分解図で示してある。弁7は弁体の一部でもって上側部分20を貫通する。この上側部分20は容器4に解離可能に係止させることができる。上側部分20には、互いに向かい合って位置する側に支承収容部55が形成されている。この支承収容部55内には、下側部分30の支承ピン50が係合する。この支承ピン50は操作要素31の側に偏心して配置されていて、水平な軸線を中心とした、上側部分20に対して相対的な下側部分30の旋回を可能にする。この下側部分30に閉鎖位置へと予荷重を加えるために、ばね80が設けられている。さらに、弁7に同じく閉鎖位置へと予荷重を加えるために、下側部分30にばね75が支持されている。
【0031】
図8には、蓋6が斜視的な分解図で示してある。この蓋6では、上側部分20に設けられた支承収容部55を認めることができる。さらに、認めることができるように、上側部分20には、凹み21に隣り合って側壁24が設けられている。この側壁24には、内向きに突出したホルダ23が配置されている。このホルダ23は、下側部分30がさらに下方に旋回させられてしまうことを阻止する。このために、下側部分30にストッパ33が設けられている。さらに、下側部分30では、ほぼ環状の縁部37に空所38が設けられており、この空所38を通して液体を注ぎ口11に到達させることができる。蓋6は、6つの部分からしか成っておらず、したがって、特に効率よく製造しかつ組み立てることができる。
【0032】
図9には、蓋6の上側部分20の断面図が示してある。この断面図では、両ばねラッチ22を良好に認めることができる。両ばねラッチ22を使用者は操作区分26で互いに近づく方向につまむことができ、これによって、容器4に対する係止が解除され、蓋6が上方に取り外される。この場合、上側部分20に下側部分30が保持されている。
【0033】
上側部分20と下側部分30とは、プラスチックから一体に製造されていてよく、また、弁7もプラスチックから製造されてよい。
【0034】
図示の実施の形態では、上側部分20の、互いに向かい合って位置する側に一体に形成されたばねラッチ22の形態の2つの係止手段が設けられている。当然ながら、別種の係止手段22を設けるか、ただ1つの係止手段しか設けないか、または2つよりも多くの係止手段を設けることも可能である。容器4は、プラスチックまたは金属から成るポットハウジング17を有していてよく、容器4は、二重壁の構成の代わりに、たとえば断熱されたただ1つの壁しか有していなくてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 コーヒーメーカー
2 ハウジング
3 ボトムプレート
4 容器
5 ハンドル
6 蓋
7 弁
8 流出部
9 収容体
10 開口
11 注ぎ口
12 縁部
13 空所
14 係止突出部
15 内室
16 断熱ガラスボディ
17 ポットハウジング
18 収容部
19 切欠き
20 上側部分
21 凹み
22 ばねラッチ
23 ホルダ
24 側壁
25 係止突出部
26 操作区分
27 間隙
28 側壁
29 変向部
30 下側部分
31 操作要素
32 側壁
33 ストッパ
34 壁
35 壁
36 縁部
37 縁部
38 空所
39 段部
40 シール部材
41 シールリップ
42 ウェブ
43 反り部
45 切抜き部
46 リブ
50 支承ピン
51 受け口
52 管片
55 支承収容部
70 表面
71 通路
72 弁体
73 ホルダ
74 シール部材
75 ばね
80 ばね
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】