特表2017-512126(P2017-512126A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-512126レセプタクルおよび設備の内部を清掃するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-512126(P2017-512126A)
(43)【公表日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】レセプタクルおよび設備の内部を清掃するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 7/00 20060101AFI20170414BHJP
   F27D 25/00 20100101ALI20170414BHJP
【FI】
   B08B7/00
   F27D25/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-551188(P2016-551188)
(86)(22)【出願日】2015年2月4日
(85)【翻訳文提出日】2016年9月21日
(86)【国際出願番号】CH2015000011
(87)【国際公開番号】WO2015120563
(87)【国際公開日】20150820
(31)【優先権主張番号】177/14
(32)【優先日】2014年2月11日
(33)【優先権主張国】CH
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】503371247
【氏名又は名称】バング・アンド・クリーン・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビュルギン,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】フルリー,ライナー
【テーマコード(参考)】
3B116
4K056
【Fターム(参考)】
3B116AA47
3B116AB53
3B116BC03
3B116CD42
3B116CD43
4K056AA19
4K056CA20
4K056DA26
4K056EA06
(57)【要約】
発明は、爆発技術によってレセプタクルおよび設備(51)の内部(54)の堆積物を除去するための方法および清掃装置(1,101)に関する。清掃装置(1,101)は、受けスペース(11,111)を有する清掃機器(2,102)と、少なくとも1つの計量器具(18,18′;118,118′)を介して清掃機器(2,102)に接続される少なくとも1つの圧力容器(21,21′;121,121′)とを含む。少なくとも1つのガス状成分の清掃機器(2,102)内への導入の制御は、導入の開始時の最大圧力と導入の完了後の名目残留圧力との差圧の原理に従って行なわれる。このため、最大圧力に基づいて、圧力容器(21,21′;121,121′)内の名目残留圧力は、導入すべきガス状成分の量に基づいて確認され、少なくとも1つのガス状成分の導入は、名目残留圧力に達すると停止される。名目残留圧力はそれによって、過圧範囲内にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃装置(1,101)を用いて爆発技術によって、レセプタクルおよび設備(51)の内部の堆積物を除去するための方法であって、前記清掃装置(1,101)は、受けスペース(11,111)を有する清掃機器(2,102)と、少なくとも1つの計量器具(18,18′,118,118′)を介して前記清掃機器(2,102)に接続される少なくとも1つの圧力容器(21,21′;121,121′)とを備え、前記方法は、
− 過圧で前記圧力容器(21,21′;121,121′)内に少なくとも1つのガス状成分を提供するステップと、
− 前記計量器具(18,18′,118,118′)を介して前記圧力容器(21,21′;121,121′)から前記清掃機器(2,102)内に前記少なくとも1つのガス状成分を導入するステップと、
− 導入される前記少なくとも1つのガス状成分を備えるか、または当該成分からなる爆発性のガス状混合物を、前記受けスペース(11,111)内に提供するステップと、
− 前記爆発性のガス状混合物に点火するステップとを備え、
前記圧力容器から前記清掃機器内への前記少なくとも1つのガス状成分の導入を最適化するために、
− 前記少なくとも1つのガス状成分の前記清掃機器(2,102)内への導入の制御が、導入の開始時の最大圧力と導入の完了後の名目残留圧力との差圧の原理に従って行なわれ、前記名目残留圧力は過圧範囲内にあること、または
− 前記少なくとも1つの圧力容器内の保管スペースが、前記少なくとも1つのガス状成分の前記清掃機器内への導入時にサイズが減少すること
を特徴とする、方法。
【請求項2】
前記最大圧力に基づいて、前記名目残留圧力は、導入すべきガス状成分の量に基づいて確認され、前記少なくとも1つのガス状成分の導入は、前記名目残留圧力に達すると停止されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記清掃機器(2,102)は、前記爆発性のガス状混合物で充填され得る容器エンベロープ(29)を取付けるように設計され、前記方法は、
− 前記清掃機器(2,102)に容器エンベロープ(29)を取付けるステップと、
− 過圧で前記圧力容器(21,21′;121,121′)内に前記少なくとも1つのガス状成分を提供するステップと、
− 前記計量器具(18,18′,118,118′)を介して前記圧力容器(21,21′;121,121′)から前記清掃機器(2,102)内に前記少なくとも1つのガス状成分を導入するステップと、
− 導入される前記少なくとも1つのガス状成分を備えるか、または当該成分からなる爆発性のガス状混合物を、前記受けスペース(11,111)内に提供し、前記清掃機器(2,102)に取付けられる前記容器エンベロープ(29)を爆発性のガス状混合物で充填するステップと、
− 前記爆発性のガス状混合物に点火するステップとを備え、前記容器エンベロープ(29)内の前記爆発性のガス状混合物を爆発させることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記清掃装置(1,101)は、第1のガス状成分を導入するための第1の圧力容器(21,121)および第2のガス状成分を導入するための第2の圧力容器(21′,121′)を備え、前記ガス状成分は互いに化学量論的量比で導入され、前記清掃機器(2,102)内で混合されて前記爆発性のガス状混合物になることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記圧力容器(21,21′;121,121′)内の圧力は、前記少なくとも1つのガス状成分の導入時に、少なくとも1つの圧力センサ(17,17′;117,117′)によって測定されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの計量器具(18,18′,118,118′)は、前記少なくとも1つの圧力センサ(17,17′;117,117′)によって前記圧力容器(21,21′;121,121′)内に検出される圧力測定値に依存して制御装置(3,103)によって制御されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記名目残留圧力は、1バール以上、特に2バール以上の過圧に対応することを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記爆発性のガス状混合物は、点火装置(13,113)を介して前記制御装置(3,103)によって点火されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
混合領域(32,132)が前記清掃機器(2,102)内に形成され、当該混合領域において前記第1および前記第2のガス状成分が混合されて前記爆発性のガス状混合物になることを特徴とする、請求項4から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
特に請求項1から9に記載の方法を実行するための、爆発技術によってレセプタクルまたは設備(51)の内部(54)の堆積物を除去するための清掃装置(1,101)であって、
− 1つのガス状成分から、または少なくとも1つのガス状成分を有する爆発性のガス状混合物を提供するための受けスペース(11,111)を有する清掃機器(2,102)と、
− 前記清掃機器(2,102)に接続され、前記少なくとも1つのガス状成分を提供して前記清掃機器(2,102)内に導入するための、少なくとも1つの圧力容器(21,21′;121,121′)と、
− 前記少なくとも1つの圧力容器(21,21′;121,121′)から前記清掃機器(2,102)内に前記少なくとも1つのガス状成分を計量導入するための少なくとも1つの計量器具(18,18′;118,118′)と、
− 前記爆発性のガス状混合物に点火するための点火装置(13,113)と、
− 前記少なくとも1つの計量器具(18,18′;118,118′)の制御および前記爆発性の混合物の点火のための制御装置(3,103)とを備え、
前記清掃装置(1,101)は、前記圧力容器(21,21′;121,121′)から前記清掃機器(2,1012)内への前記少なくとも1つのガス状成分の導入を最適化するための手段を備え、前記手段は、
− 前記制御装置(3,103)が、前記圧力容器(21,21′;121,121′)内の測定圧力が過圧範囲内にある名目残留圧力に対応するとすぐに、前記少なくとも1つの圧力容器(21,21′;121,121′)から前記清掃機器(2,102)内への前記少なくとも1つのガス状成分の導入を終了する位置にあるように、少なくとも1つの圧力センサ(17,17′;117,117′)によって前記圧力容器(21,21′;121,121′)内に検出される圧力測定値に依存して前記少なくとも1つの計量器具(18,18′;118,118′)を制御するように設計される前記制御装置(3,103)、または
− 前記少なくとも1つのガス状成分の前記清掃機器内への導入時に前記圧力容器内の保管スペースのサイズを減少させるための装置
を備えることを特徴とする、清掃装置。
【請求項11】
前記清掃機器(2,102)は、爆発性のガス状混合物で充填可能な容器エンベロープ(29)を取付けるように設計されることを特徴とする、請求項10に記載の清掃装置。
【請求項12】
前記清掃装置(1,101)は、前記清掃機器(2,102)内に、第1のガス状成分を導入するための第1の圧力容器(21,121)および第1の計量器具(18,118)と、第2のガス状成分を導入するための第2の圧力容器(21′,121′)および第2の計量器具(18′,118′)とを備えることを特徴とする、請求項10または11に記載の清掃装置。
【請求項13】
前記受けスペース(11,111)は、前記清掃機器(2,102)に取付けられる容器エンベロープ(29)内に前記爆発性の混合物を供給するためのガス受けチャネル、特に供給チャネルを備えることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の清掃装置。
【請求項14】
前記爆発性のガス状混合物に点火するための前記点火装置(13,113)の点火に効果的な構成要素が前記清掃機器(2,102)上に配置されることを特徴とする、請求項10から13のいずれか1項に記載の清掃装置。
【請求項15】
各場合において、前記ガス状成分を前記清掃機器(2,202)内に導入するための1つ以上の計量器具(18,18′;118,118′)が各圧力容器(21,21′;121,121′)に割当てられ、圧力容器(21,21′;121,121′)ごとの計量器具(18,18′;118,118′)の数は、前記爆発性のガス状混合物を生成するための前記ガス状成分の化学量論比に対応することを特徴とする、請求項12から14のいずれか1項に記載の清掃装置。
【請求項16】
前記清掃機器(2,102)は供給側および清掃側端部(5,105;4)を有する長手方向の構成要素であり、前記長手方向の構成要素は、長手方向の延在部(L)の内部を走り、かつ前記供給側端部から前記清掃側端部(5,105,4)に前記爆発性のガス状混合物を供給するためのガス受けチャネル(11,111)、特に供給チャネルを備えることを特徴とする、請求項10から15のいずれか1項に記載の清掃装置。
【請求項17】
前記容器エンベロープ(29)は前記清掃側端部(4)に取付けられ得ることを特徴とする、請求項16に記載の清掃装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの圧力容器(21,21′;121,121′)から前記長手方向の構成要素(2,102)内に前記少なくとも1つのガス状成分を計量導入するための前記少なくとも1つの計量器具(18,18′;118,118′)は前記供給側端部(5,105)に取付けられることを特徴とする、請求項16から17のいずれか1項に記載の清掃装置。
【請求項19】
前記清掃機器(2,201)は清掃ランスであることを特徴とする、請求項10から18のいずれか1項に記載の清掃装置。
【請求項20】
前記清掃機器(2,102)はガス受け管(7,107)を備え、内管(6,106)が前記ガス受け管(7,107)の内部の前記供給側端部(5,105)に配置され、前記内管(6,106)は、前記第1の圧力容器(21,121)から第1のガス状成分を導入するための第1の導入チャネル(9,109)を形成し、第2のガス状成分を導入するための第2の環状の導入チャネル(10,110)が前記ガス受け管(7,107)と前記内管(6,106)との間に形成され、前記内管(6,106)は前記ガス受け管(7,107)の内部で終端し、混合領域(32,132)が前記内管(6,106)の端に形成され、前記第1および第2の導入チャネル(9,109;10,110)はガス受けチャネル(11,111)内に、特に供給チャネル内に合流することを特徴とする、請求項12から19のいずれか1項に記載の清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、レセプタクルおよび設備の内部を清掃する分野に関する。発明は、爆発技術によって、レセプタクルおよび設備の内部の堆積物を除去するための方法および装置に関する。装置は、特に、発明に係る方法を実行するように設計される。
【背景技術】
【0002】
装置および方法は、特に、汚れてスラグが付着したレセプタクル、および、特に焼却設備の、内壁にケーキングを有する設備を清掃する役割を果たす。
【0003】
たとえば廃棄物焼却場または一般に焼却ボイラーの加熱面は、一般に、大量の汚れおよび付着物に晒される。この付着物は無機組成を有し、典型的に壁上の灰粒子の堆積によって生じる。高煙道ガス温度の領域内のコーティングは、たいていの場合、非常に硬い。なぜなら、それらは、溶融した形態で壁に貼り付き続けるか壁上で溶融するため、または、それらがより冷たいボイラー壁上で凝固する時、より低い温度で溶融または凝縮する物質によって互いに貼り付くためである。そのようなコーティングを除去するのは非常に困難であり、公知の清掃方法では不十分にしか除去されない。これは、ボイラーを、清掃のために定期的に運転休止にして冷却しなければならないことにつながる。このために、炉または窯の内部に足場を組立てることが必要であることが多い。そのようなボイラーは通常、非常に大きい寸法を有するためである。これは、さらに、数日間または数週間の運転中断を必要とし、かつ、大量に発生する粉塵および汚れのため、清掃員にとって非常に不快かつ有害である。設備の運転中断に伴って多くの場合に本質的に起こる1つの結果は、大きい温度変化の結果としてのコンテナ材料自体への損傷である。清掃および修繕コストに加えて、生産または収入損失による設備停止コストは重要なコスト要因である。
【0004】
設備を停止する際に用いられる従来の清掃方法は、たとえば、ボイラービーティング(boiler beating)であり、かつ、スチームジェットブラスタ、ウォータジェットブラスタ/煤煙ブラスタまたはショットクリーニングおよびサンドブラスチングの使用である。
【0005】
さらに、冷却された、または動作中の高温のボイラーを、爆発物を導入および点火することによって清掃する清掃方法が公知である。加熱面ケーキングは、爆轟の衝撃によって、かつ衝撃波によって生じる壁振動によって吹き飛ばされる。この方法を用いると、従来の清掃方法と比較して清掃時間を大幅に短縮することができる。
【0006】
この方法の不利点は、爆発物が必要なことである。爆発性材料の高いコストとは別に、事故や盗難を防止するために、たとえば爆発物の保管に伴い、安全性に関して巨額の費用を満たす必要がある。
【0007】
爆発を生成するための手段を同様に用いるさらなる清掃方法が、欧州特許出願公開第1 362 213 B1号から公知である。しかし、この方法によると、爆発物の代わりに、爆発性のガス状混合物で膨張可能な容器エンベロープが清掃ランスの端上に取付けられる。爆発性のガス状混合物は少なくとも2つのガス状成分から生成される。
【0008】
清掃ランスは、空の容器エンベロープとともにボイラースペース内に導入され、清掃すべき場所に近接して位置決めされる。その後、容器エンベロープは爆発性のガス混合物で膨張する。容器エンベロープ内のガス混合物に点火することによって爆発が生じ、この爆発の衝撃波によってボイラー壁上の付着物が剥離される。容器エンベロープは、爆発によって細断されて燃焼する。それはしたがって消耗材料を表わす。
【0009】
この方法および関連の装置には、上記に参照した爆発物を用いる爆発技術と比較して、方法が操作に関して好ましいという利点がある。したがって、たとえば、酸素および可燃性ガスを含むガス混合物の開始成分は、爆発物と比較して安価に調達できる。さらに、上述のガスの調達および取扱いは、爆発物とは対照的に、特別な許可または資格が不要であるため、適切な訓練を受けた者は誰でも方法を実行することができる。
【0010】
さらに、開始成分は別個の供給導管を介して清掃ランスに供給され、したがって、危険な爆発性のガス混合物が清掃ランス内に生成されるのは爆発を誘発する直前であることも有利である。爆発物と比較して、ガス混合物の個々の成分は、個々にせいぜい可燃性であり、爆発性ではないため、これらの取扱いは実際にはるかに安全である。
【0011】
関連の方法には、充填手順が比較的遅いという不利点がある。これは、ガス状成分が計量器具を介して圧力容器から導入されるという事実によるものである。ガス状成分はこれによって、化学量論比に従う量で圧力容器内で利用可能となる。しかし、圧力容器を空にするには比較的長い時間が必要である。したがって、圧力容器またはタンクからのガス状成分の出口速度は、圧力容器を空にすることが進むにつれて、漸近的にゼロに近づく。つまり、ガス状成分の容器エンベロープ内への導入は、特に充填手順の終わりにかけて、比較的不釣り合いなほどの時間が掛かる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって本発明の目的は、規定量のガス状の開始成分のより迅速な導入を可能にする、上述の種類の清掃方法および関連の清掃装置を提案することである。特に、容器エンベロープの充填は、これによってさらに迅速となるべきである。
【0013】
さらなる目的によると、清掃方法および関連の清掃装置は、ガス状成分を、制御技術に関して比較的少ない努力で化学量論的量比で導入することを可能にすべきである。化学量論的量比とは、いずれの反応物質も過剰に存在しないように、反応物質が反応量比で供給されることを意味する。したがって、化学量論的量比の計算は、関連の反応式に基づいて行なわれる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
当該目的は独立請求項1および9の特徴によって達成される。発明のさらなる展開および特定の実施形態は、従属請求項、明細書および図面から推測される。それによって、方法請求項の特徴を文脈に関して装置請求項と組合せることができ、逆の場合も同様である。
【0015】
発明に係る清掃装置は、特に、
− 1つのガス状成分から、または少なくとも1つのガス状成分を有する爆発性のガス状混合物を提供するための受けスペースを有する清掃機器と、
− 清掃機器に接続され、少なくとも1つのガス状成分を提供して清掃機器内に導入するための、少なくとも1つの圧力容器と、
− 少なくとも1つの圧力容器から清掃機器内に少なくとも1つのガス状成分を計量導入するための少なくとも1つの計量器具と、
− 爆発性のガス状混合物に点火するための点火装置と、
− 少なくとも1つの計量器具の制御および爆発性混合物の点火のための制御装置とを含む。
【0016】
圧力容器は、特に、供給導管を介して清掃機器に接続される。
圧力容器は、特に、清掃機器内に導入すべきガス状成分の量を計量するための計量容器である。
【0017】
清掃装置は、特に、少なくとも1つの圧力容器内の圧力を測定するための少なくとも1つの圧力センサをさらに含む。
【0018】
清掃装置は、圧力容器から清掃機器内への少なくとも1つのガス状成分の導入を最適化するための手段を含み、手段は、
− 制御装置が、圧力容器内の測定圧力が過圧範囲内にある名目残留圧力に対応するとすぐに、少なくとも1つの圧力容器から清掃機器内への少なくとも1つのガス状成分の導入を終了する位置にあるように、少なくとも1つの圧力センサによって検出される圧力容器内の圧力測定値に依存して、少なくとも1つの計量器具を制御するように設計される制御装置、または
− 少なくとも1つのガス状成分の清掃機器内への導入時に圧力容器内の保管スペースのサイズを減少させるための機械装置
を含むことを特徴とする。
【0019】
導入の最適化は、特に、圧力容器から清掃機器内への少なくとも1つのガス状成分の平均導入速度の増加を含む。
【0020】
保管スペースは、圧力に晒されて清掃機器内に導入されるべきガス状成分を受ける、圧力容器内のそのスペースに対応する。
【0021】
少なくとも1つの計量器具は、特に、制御リードを介して制御装置に接続される。少なくとも1つの圧力センサは、特に、データリードを介して制御装置に接続される。
【0022】
発明に係る方法は、特に、
− 過圧で圧力容器内に少なくとも1つのガス状成分を提供する方法ステップと、
− 計量器具を介して圧力容器から清掃機器内に少なくとも1つのガス状成分を導入する方法ステップと、
− 導入される少なくとも1つのガス状成分を含むか、または当該成分からなる爆発性のガス状混合物を、受けスペース内に提供する方法ステップと、
− 爆発性のガス状混合物に点火する方法ステップとを有する。
【0023】
圧力容器から清掃機器内への少なくとも1つのガス状成分の導入は、特に、供給導管を介して行なわれる。
【0024】
当該方法は、圧力容器から清掃機器内への少なくとも1つのガス状成分の導入が、
− 少なくとも1つのガス状成分の清掃機器内への導入の制御が、導入の開始時の最大圧力と導入の完了後の名目残留圧力との差圧の原理に従って行なわれ、名目残留圧力は過圧範囲内にあること、または
− 少なくとも1つの圧力容器内の保管スペースが、少なくとも1つのガス状成分の清掃機器内への導入時にサイズが減少すること
によって最適化されることを特徴とする。
【0025】
差圧法に従って、名目残留圧力は、公知の最大圧力に基づいて、特に導入すべきガス状成分の量に基づいて確認される。少なくとも1つのガス状成分の導入は、名目残留圧力に達すると停止される。このように、平均導入速度は従来の方法と比較して増加する。なぜなら、名目残留圧力に達する時の導入速度は、圧力容器を空にする最後の導入速度よりも速いためである。
【0026】
過圧に関して、これは、圧力容器内で優勢な圧力と優勢な周囲圧力との差に起因する圧力値の場合である。周囲圧力は、特に、圧力容器の外部で優勢な圧力である。周囲圧力はたとえば大気圧である。つまり、圧力容器は周囲圧力に対して空にされない。
【0027】
最大圧力は、導入の開始時の圧力容器内の圧力に対応する。最大圧力は、特に、同様に規定される。圧力容器はしたがって同様に、制御装置によって、予め規定された最大圧力に達するまでガス状の開始成分で予め充填される。
【0028】
発明の特定の実施形態の変形によると、清掃機器は、爆発性のガス状混合物で充填され得る容器エンベロープを取付けるように設計される。
【0029】
この実施形態の変形に属する方法は、
− 清掃機器に容器エンベロープを取付ける方法ステップと、
− 過圧で圧力容器内に少なくとも1つのガス状成分を提供する方法ステップと、
− 計量器具を介して圧力容器から清掃機器内に少なくとも1つのガス状成分を導入する方法ステップと、
− 導入される少なくとも1つのガス状成分を含むか、または当該成分からなる爆発性のガス状混合物を、受けスペース内に提供し、清掃機器に取付けられる容器エンベロープを爆発性のガス状混合物で充填する方法ステップと、
− 爆発性のガス状混合物に点火する方法ステップとを有し、容器エンベロープ内の爆発性のガス状混合物を爆発させる。
【0030】
圧力容器から清掃機器内への少なくとも1つのガス状成分の導入は、特に、供給導管を介して行なわれる。
【0031】
少なくとも1つのガス状成分を清掃機器内に導入するために、関連の計量器具が制御装置を介して開放される。当該計量器具は、名目残留圧力に達するとすぐに、すなわち、名目量または所望量の導入すべきガス状成分が導入されるとすぐに、差圧法に従って制御装置を介して再び閉鎖される。
【0032】
少なくとも1つの計量器具は、特に、電磁弁などの弁を含む。
少なくとも1つの計量器具は清掃機器に取付けられてもよく、関連の供給導管は圧力容器から計量器具に延びる。
【0033】
少なくとも1つの計量器具は、圧力容器の出口に取付けられてもよく、関連の供給導管は計量器具から清掃機器に延びる。
【0034】
供給導管は、可撓性配管でも剛性導管でもよい。発明のさらなる展開に従う供給導管は、圧力容器の一部であってもよいし、またはさらにはこれを形成してもよい。つまり、供給導管は、圧力容器を形成するか、またはその一部である。したがって、最大圧力は(も)供給導管内で増大する。
【0035】
逆止弁などの阻止要素が、流れ方向において少なくとも1つの計量器具の下流に配置されてもよい。これは、たとえば爆発性混合物の点火によって起こり得るようなブローバックから計量器具を保護する。阻止要素はさらに、いくつかの圧力容器同士の間の爆発性混合物の成分の交換も防止する。阻止要素は、特に、流れ方向において供給圧力導管の上流に配置される。
【0036】
窒素などの不活性ガスを供給するための装置が、阻止要素の代わりに同じ場所に配置されてもよい。導入される不活性ガスはある種のバッファを形成し、高温の爆発ガスによる計量器具の加熱を防止する。一方、導入される不活性ガスはガスバリアを形成し、いくつかの計量器具同士の間の爆発性混合物の成分の交換を防止する。
【0037】
計量器具は、想定される全体積の爆発性混合物が導入された後に閉鎖される。点火は、計量器具の閉鎖と同時にまたはこの後に制御装置を介して起動され、爆発性のガス状混合物の爆発がもたらされ、つまり、爆発する。計量器具の、かつ点火装置の制御は、特に、制御技術に関して互いに一致させられる。計量器具の閉鎖と爆発性のガス状混合物の点火との間の遅延は、たとえば1秒足らずである。この遅延は予め設定されてもよい。
【0038】
したがって、特に導入および点火は完全に自動的に行なわれる。すなわち、特に、導入を開始した後、爆発するまで、かつ爆発時に、さらなる手動による介入は不要である。
【0039】
制御装置は操作部を含んでもよく、これを介して制御装置の操作が行なわれる。このように導入手順が開始されてもよく、場合によっては、操作部を介して設定がなされる。操作部は、操作用のタッチスクリーンを含んでもよい。操作部は無線であることが望まれ得る。
【0040】
爆発の衝撃、および、たとえば容器壁または管壁などの衝撃波によって振動する表面によって、壁のケーキングおよびスラグが吹き飛ばされ、したがって表面が清掃される。
【0041】
少なくとも1つの計量器具を新たに開放することによって、この爆発の後に爆発性混合物が受けスペース内に提供されてもよい。
【0042】
第1の変形に係る少なくとも1つのガス状成分は、清掃機器内に導入される爆発性のガス状混合物に既に対応し得る。
【0043】
第2の変形によると、少なくとも2つの、特に2つのガス状成分が清掃機器内に別個に導入され、それらは互いに混合されて爆発性のガス状混合物になる。
【0044】
特に、その内部で第1および第2のガス状成分が混合されて爆発性のガス状混合物になる混合領域は、このために清掃機器の受けスペース内に形成される。
【0045】
したがって、特に上述のおよび以下の種類および構成の、2つ以上の圧力容器、計量器具、供給導管、および場合によっては阻止要素が、このために設けられる。
【0046】
第1のガス状成分は特に燃料である。燃料は、アセチレン、エチレン、メタン、エタンまたはプロパンなどの可燃性炭化水素の群からであってもよい。
【0047】
第2のガス状成分は、特に、たとえば気体酸素または酸素含有気体などの酸化剤(オキシダント)である。
【0048】
ガス状成分とは、当該成分が、点火の直前に、爆発性のガス状混合物内に最終的に気体として存在することを意味する。
【0049】
少なくとも1つのガス状成分は、特に、清掃機器内への導入時に既に気体として存在している。一方、ガス状成分は、過圧で液体としてまたは部分的に液体として圧力容器内に存在していてもよい。
【0050】
少なくとも1つの圧力容器には、特に、保管手段から少なくとも1つのガス状成分が供給される。少なくとも1つの圧力容器の充填は、適切な充填器具を介して制御される。充填器具は同様に、制御装置を介して制御される、すなわち開放または閉鎖される。充填器具は、特に、適切な制御リードを介して制御装置に接続される。充填器具は、特に、電磁弁などの弁である。保管手段は従来のガスボトルであってもよい。
【0051】
このように、制御装置は、たとえば、圧力容器内の、かつ制御装置に記憶される予め規定された最大圧力が圧力容器において圧力センサを介して測定されるとすぐに、少なくとも1つの圧力容器の充填を終了するように、すなわち充填器具を閉鎖するように設計されてもよい。
【0052】
制御装置は入力モジュールを含んでもよく、これを介して、たとえば、最大圧力、名目残留圧力、または清掃周期ごとに清掃機器内に導入すべきガス状成分の量などの名目値(設定値)が得られる。本明細書における制御リードおよびデータリードは、基本的に有線でも無線でもよい。
【0053】
発明のさらなる展開に係る清掃装置は、第1の圧力容器および計量器具を含む。第1のガス状成分は、第1の計量器具を介して第1の圧力容器から清掃機器内に導入される。第1のガス状成分は、特に第1の供給導管を介して、第1の圧力容器から清掃機器内に導入される。
【0054】
清掃装置はさらに、第2の圧力容器および第2の計量器具を含む。第2のガス状成分は、第2の計量器具を介して第2の圧力容器から清掃機器内に導入される。第2のガス状成分は、特に第2の供給導管を介して、第2の圧力容器から清掃機器内に導入される。
【0055】
2つのガス状成分は、特に、互いに化学量論的量比で清掃機器内に導入される。清掃機器内のガス状成分は混合領域において互いに混合されて、爆発性のガス状混合物になる。混合領域は、特に、清掃機器の受けスペース内にある。
【0056】
圧力センサは、特に、圧力容器から清掃機器内への関連のガス状成分の導入時に、圧力容器内の圧力を測定する役割を果たす。清掃装置がいくつかのガス状成分のためのいくつかの圧力容器を含む場合は、清掃装置は、特に、圧力容器から清掃機器内へのガス状成分の導入時にガス状成分の圧力容器内のそれぞれの圧力を測定するためのいくつかの圧力センサを含む。
【0057】
計量器具は、圧力センサによって圧力容器内に測定される圧力測定値に依存して、制御装置によって制御される。
【0058】
圧力容器は、たとえば、10バール以上、特に20バール以上のなどの、数バールの最大圧力を有してもよい。したがって、20から40バールの最大圧力が想定され得る。最大圧力は、ガス状成分の清掃機器内への導入の開始時の圧力容器内の開始圧力に対応する。
【0059】
圧力容器内のガス状成分を圧縮するためのコンプレッサなどの手段が設けられてもよい。これは特に、そこから圧力容器にガス状成分が供給される保管手段内のガス状成分が、予め規定された最大圧力よりも低い開始圧力を有する場合である。
【0060】
上述の最大圧力によって、爆発性混合物またはその開始成分を、高圧で、およびしたがって高速で、たとえば大気圧が優勢である清掃機器の受けスペース内に供給することができる。
【0061】
名目残留圧力は、たとえば、0.5バール以上、特に1バール以上、またはさらには2バール以上、または3バール以上の過圧を有する。したがって、たとえば1から2バールの過圧でのガス導入速度は、既に約30%さらに速くてもよい。ガス導入期間はこれに従って短縮される。
【0062】
名目残留圧力も、5バール以上、または10バール以上であってもよい。名目残留圧力が高いほど、速い平均速度が可能となる。なぜなら、導入速度は、高い名目残留圧力のために、導入の最後でも依然として比較的速いためである。
【0063】
清掃機器は特に少なくとも1つの出口開口部を含み、これを通って爆発性混合物および/または爆発性圧力波が、たとえばガス受けチャネルなどの受けスペースから清掃すべき設備の内部に、または清掃機器に取付けられる容器エンベロープに出ることができる。少なくとも1つの出口開口部は、特に爆発性混合物の点火および爆発時に、外部に開放されている。少なくとも1つの出口開口部は、特に少なくとも1つのガス状成分の清掃機器内への導入時に、外部に開放されている。
【0064】
点火に関して効果的であり、爆発性のガス状混合物の点火のための点火装置の構成要素は、特に、清掃機器のガス受けチャネルなどの受けスペース内に配置される。特に、ガス受けチャネルなどの受けスペース内に提供される爆発性のガス状混合物を、点火装置によって爆発させる。爆発性のガス状混合物に、特に、点火装置を介して制御装置によって点火する。
【0065】
点火は、たとえば、電気的に誘発された火花点火によって、補助的な炎によって、または適切に取付けられた点火手段および点火装置の助けを借りた花火点火によって行なわれる。点火装置は特に電気点火装置である。これは、点火火花、または特に電気アークに点火するように設計されていることを特徴とする。
【0066】
各場合において、圧力容器から清掃機器内にガス状成分を計量導入するための1つ以上の計量器具が各圧力容器に割当てられてもよい。圧力容器ごとにいくつかの計量器具が設けられ、したがって、特に、各場合においてこれらに別個の供給導管も割当てられる。
【0067】
少なくとも2つのガス状成分の計量器具の流れ断面積は、特に、互いに化学量論比にある。
【0068】
圧力容器ごとの計量器具の数は、特に、それぞれの圧力容器から導入され、かつ爆発性のガス状混合物を生成するためのガス状成分の化学量論比に対応する。
【0069】
ガス状成分ごとに1つ以上の供給導管および計量器具が各々に設けられる、いくつかの圧力容器も想定され得る。ガス状成分ごとの圧力容器の数は、供給されるガス状成分の化学量論比に対応し得る。
【0070】
さらなる実施形態に係る、少なくとも1つのガス状成分の清掃機器内への導入時の圧力容器内の保管スペースのサイズ減少は、とりわけ以下に説明する2つの変形に従って達成され得る。
【0071】
第1の変形によると、圧力容器は排出装置と協働してもよく、これによって、清掃機器内への導入時に、圧力容器内の保管スペースのサイズ減少の最中にガス状成分が追出される。
【0072】
排出装置は、たとえばプランジャまたは排出シリンダなどの排出要素を含んでもよい。排出要素はそれによって保管スペース内に移動する。排出要素は、ガイドスリーブの内部で案内されるガイドシリンダを含んでもよい。排出要素は、油圧的に、空気圧的に、または運動的に駆動されてもよい。駆動は特に能動的である。
【0073】
排出要素を駆動または推進するために、窒素などの排出ガスが、変更可能なサイズのガス受けスペースを有する排出保管手段内に導入されることも想定され得る。排出要素は、ガス導入によって生じる排出保管手段のサイズまたは体積増加によって移動し始め、この排出要素はその一環として圧力容器の保管スペースのサイズを減少させる。たとえば排出シリンダであり得る排出要素は、拡張可能なバルーンまたはベローズ構造と協働してもよい。補償保管手段は、たとえば拡張可能なバルーンまたはベローズ構造によって形成されてもよい。
【0074】
排出要素は、保管スペースの拡大の最中に再び後方に移動し、保管スペースがガス状成分で新たに充填される。したがって、たとえば、排出ガスは再び排出保管手段の外部に案内され得る。
【0075】
第2の変形によると、圧力容器の保管スペースは、変位要素を介して圧力容器の保管スペースからの境界が定められる補償保管手段と協働する。補償保管手段は、変更可能なサイズのガス受けスペースを形成する。たとえば窒素などの補償ガスが補償保管手段に入れられる。変位要素は、保管スペースがガス状成分で充填されると、保管スペースの拡大の最中に、かつ補償保管手段のサイズ減少の最中に、保管スペース内の圧力増加のために変位する。補償保管手段内の補償ガスはそれに応じて圧縮され、これによって補償保管手段内の圧力が増加する。
【0076】
保管スペースから清掃機器内へのガス状成分の導入時、変位要素は、保管スペースのサイズ減少および補償保管手段の拡大の最中に、保管スペース内の圧力低下および補償保管手段内の圧力増加のために変位する。
【0077】
これらの手順による変位要素は、特に、保管スペースから離れるようにまたは保管スペースに近づくように変位する。
【0078】
補償保管手段内で圧縮される補償ガスのエネルギは、変位要素によって圧力容器の保管スペース内のガス状成分を少なくとも部分的に追出すために、このように利用される。補償保管手段内の補償ガスはこの手順で緩和され、これによって補償保管手段内の圧力が低下する。
【0079】
変位要素は、保管スペースと補償保管手段との間の可撓性膜であってもよい。膜は伸縮可能であってもよい。変位要素は、変位可能なシリンダ、特にガイドスリーブ内で変位可能なシリンダをさらに含んでもよい。変位手段は特にダブルシリンダであってもよい。変位要素はさらに、拡張可能なバルーンまたはベローズ構造と相互に作用してもよい。補償保管手段は、たとえば、拡張可能なバルーンまたはベローズ構造によって形成されてもよい。
【0080】
上述の2つの変形に係る実施形態によると、エンドスイッチが設けられてもよく、これによって点火が制御装置を介して誘発される。エンドスイッチは、たとえば、排出要素または変位要素が排出手順時に所望/名目位置に達すると当該要素との接触によって誘発されてもよい。
【0081】
発明の特定のさらなる展開によると、清掃機器は、供給側および清掃側端部を有する長手方向の構成要素である。供給側端部に関して、これは、少なくとも1つのガス状成分が清掃装置内に導入される側の端部の場合である。この端部は概してユーザに向けられるため、場合によっては、ユーザ側端部という用語が適用されてもよい。供給側端部は把持部を形成してもよく、これを介して清掃機器がユーザによって保持されてもよい。
【0082】
清掃側端部に関して、これは、清掃すべき場所に向けられるその端部の場合である。
長手方向の構成要素は、特に、長手方向の延在部の内部を走る、ガス案内チャネルとも称されるガス受けチャネルを含む。ガス受けチャネルは特に閉鎖される。
【0083】
ガス受けチャネルは、特に、供給側から清掃側部分に爆発性のガス状混合物を供給するための供給チャネルである。ガス受けチャネルは、特に、受けスペースを形成するか、またはその一部である。清掃側端部に受けチャネル端を有し、そこで特に1つ以上の出口開口部を形成する。
【0084】
閉鎖されるガス受けチャネルは、ガス受け管またはガス案内管とも称される管として設計されてもよい。管は剛性でも可撓性でもよい。可撓管は、たとえば、コルゲートチューブなどのホースとして設計されてもよい。
【0085】
長手方向の構成要素は、清掃側端部に容器エンベロープを取付けるように設計されてもよい。
【0086】
長手方向の構成要素は、特に、爆発性のガス状混合物を爆発させる前に、この混合物を清掃すべき場所にできるだけ近づけるように設計される。
【0087】
特に供給側端部における少なくとも1つのガス状成分は、少なくとも1つの計量器具を介して、少なくとも1つの圧力容器から長手方向の構成要素内に導入されてもよい。導入は特に供給導管を介して行なわれる。
【0088】
少なくとも1つの圧力容器から長手方向の構成要素内に少なくとも1つのガス状成分を計量導入するための少なくとも1つの計量器具は、特に供給側端部に取付けられる。
【0089】
各場合において開始成分のためにいくつかの計量器具が清掃機器に設けられる場合は、これらは、たとえば長手方向の構成要素など、たとえば清掃機器の長手方向の延在部内に互いに配置されてもよい。長手方向の延在部を横切ると考えられる、1つの開始成分のための各場合におけるいくつかの計量器具が、たとえばガス受け管など、受けスペースの周辺に沿ってさらに配置されてもよい。
【0090】
特に、内管が、供給側端部内で、ガス受け管の内部に配置される。2本の管は互いに同心に配置されてもよい。
【0091】
内管は、特に、第1の圧力容器から第1のガス状成分を導入するための第1の導入チャネルを形成する。特に、第2のガス状成分を導入するための、第2の環状の導入チャネルがガス受け管と内管との間に形成される。内管は特にガス受け管の内部で終端する。
【0092】
少なくとも1つのガス状成分の、その導入の後の流れは、特に、清掃側端部の方向において長手方向の構成要素の長手方向の延在部の内部を走る。
【0093】
第1の導入チャネルは、出口開口部において、内管の上述の端において清掃側端部の方向において外に延びる。第1および第2の導入チャネルは、特に内管の端において、ガス受けチャネル内に、特に供給チャネル内に合流する。混合領域が特に内管の端に形成され、この混合領域において、第1および第2の導入チャネルから清掃側端部の方向に流れ出るガス状成分が混合されて爆発性のガス状混合物になる。
【0094】
清掃機器または長手方向の構成要素は、特に、清掃ランスである。長手方向の構成要素の、またはガス受けチャネルの長さは、たとえば1m(メートル)以上、または2m以上、または3m以上、または4m以上であってもよい。特に高温拘束下の清掃機器または長手方向の構成要素は、1から数メートルの、たとえば4から10mの長さを有してもよい。清掃機器はさらには、低温環境での清掃のために、たとえばガス導入期間が重要でない場合は最大で40mの長さを有してもよい。
【0095】
ガス受けチャネルは円形断面を形成してもよい。ガス受けチャネルの(最大)直径は、150mm(ミリメートル)以下、または100mm以下、または60mm以下、および特に55mm以下であってもよい。直径はさらに、20mm以上、または30mm以上、特に40mm以上であってもよい。
【0096】
清掃機器は、清掃機器の外部に雲を形成するように設計されてもよい。この場合、出口開口部を通る爆発性のガス状混合物は容器エンベロープに流れ込まず、清掃すべき設備の内部に直接流れ込む。
【0097】
清掃機器は、清掃側端部の方に、爆発性のガス状混合物のための付加的な受けスペースを有する出口装置を含んでもよい。
【0098】
本発明には、ガス状成分が従来の方法よりも速い速度で導入され、これに従って圧力容器がさらなる手段を用いずに周囲圧力に対して簡単に空にされるという利点がある。
【0099】
発明のおかげで、予め規定された量のガス状成分を、比較的短時間で清掃機器内に導入することができる。
【0100】
したがって、設備の高温内部における容器エンベロープの滞留時間を、容器エンベロープの比較的迅速な充填によって短縮することができる。爆発を誘発する前の、熱による容器エンベロープへの損傷の危険性は、これによって大幅に減少する。
【0101】
一方、たとえばプラスチック製の、熱により敏感な容器エンベロープが、滞留時間が短縮されるために適用されてもよい。これらの容器エンベロープは、たとえばそれらが安価に製造されることを特徴とする。一方、そのような容器エンベロープは、これらが残留物なしで燃焼することも特徴とする。これは、従来の、より耐熱性が高い容器エンベロープでは、適用される紙材料のために、必ずしも当てはまらない。
【0102】
清掃機器内に導入されるが、圧力容器内に以前にも導入されていたガス状成分の量は、圧力容器における圧力測定を介して厳密に制御され得る。
【0103】
発明に係る差圧法はさらに、可能性のある故障に関して、ガス導入手順の監視を可能にする。したがってたとえば、清掃機器内へのガスの導入に関する時間制限が制御装置において提供され得る。したがって、計量器具は、名目残留圧力に既に達しているか否かとは無関係に、最大開放時間に達すると閉鎖される。
【0104】
制御装置に接続され、清掃機器の受けスペース内の圧力を測定する圧力センサが、発明のさらなる展開において設けられてもよい。少なくとも1つのガス状成分を導入する間、たとえば導入のある時点でまたはある期間内に測定圧力が臨界圧力値を超える場合、導入手順は中断され、点火は誘発されなくてもよい。
【0105】
具体的には、たとえば、清掃機器内の非常に大きい流れ抵抗のために、ガス状成分が清掃機器に流れ込むことができないか、または低下した速度でしか流れ込むことができない場合が起こり得る。清掃機器の受けスペース内のガス圧は、さらなる結果として、導入手順時に名目ガス圧よりも高くなる。
【0106】
したがってたとえば、第1の可能性のあるシナリオによると、流れ断面は捩じれを有して大幅に減少し得、すなわち、清掃機器の可撓コルゲート管の内部で急に曲がり得る。容器エンベロープは、さらなるシナリオによると、開かないか、または完全には開かない。どちらの場合も、ガス状成分は、非常に大きい流れ抵抗によって、清掃機器に、または関連の容器エンベロープに流れ込むことが防止される。
【0107】
そして、計量器具の開放時間の制限によって、既に導入されたガス状成分が点火されることなく、導入手順の時期尚早の停止が生じる。導入手順は、障害が克服されるとすぐに新たに開始され得る。このために清掃機器内の流体抵抗にも係わらず爆発性混合物が点火されること、およびしたがって清掃機器が損傷することが防止される。
【0108】
以下、発明の主題を、添付の図面に表わされる好ましい実施形態例によってより詳細に説明する。各場合において、以下の図では概略的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0109】
図1】発明に係る清掃装置の実施形態の図である。
図2】発明に係る清掃装置のさらなる実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0110】
図1は、発明に係る清掃方法を実行するための清掃装置1を概略的に示す。清掃装置1は、冷却可能な清掃ランス2の実施形態における清掃機器を含む。清掃ランス2は、外側内蔵管8と、外側内蔵管8の内部に配置され、とりわけガス受けチャネルを、すなわち供給チャネル11を形成する内側ガス受け管7とを含む。外側内蔵管8は内側ガス受け管7を内蔵しており、これによって環状の冷却チャネル12を形成する。しかし、ランス冷却、およびこれに伴う内蔵管8および冷却チャネル12は、発明の本質的な特徴ではない。
【0111】
清掃ランス2は、清掃側端部4および供給側端部5を含む。
供給チャネル11は、清掃側端部4において、爆発性混合物のための出口開口部31を含む。さらに、容器エンベロープ29が清掃側端部4に取付けられる。容器エンベロープ29は、供給チャネル11および出口開口部31を介して、清掃ランス2内に提供される爆発性のガス状混合物で充填可能である。
【0112】
供給側端部5における清掃ランス2は、ガス受け管7内に配置される内管6を含む。内管6は第1の導入チャネル9を形成する。清掃側端部4の方向における内管6はガス受け管6の内部で終端し、第1の導入チャネル9のための出口開口部を形成する。
【0113】
第2の環状の導入チャネル10が外側ガス受け管7と内管6との間に形成される。内管6の端における2つの導入チャネル9,10は、清掃側端部4の方向において、外側ガス受け管7によって形成される供給チャネル11内に合流する。第1および第2のガス状成分のガス流が出会うこの移行部に、混合領域32が形成される。ガス状の爆発性成分は混合領域32において混合されて爆発性のガス混合物になり、混合物として供給導管11を通って容器エンベロープ29の方向に案内される。
【0114】
清掃ランス2はさらに、点火に効果的な構成要素を有する点火装置13を含み、当該構成要素は、供給チャネル11内の、清掃側端の方向であると考えられる内管6の端の後に配置される。点火装置13は、制御リード15aを介して制御装置3に接続される。
【0115】
清掃装置2はさらに、第1のガス状成分を清掃ランス2内に供給するための、ガスボトルの形態の第1の保管手段24を含む。第1のガスボトル24は、第1のガス導管22を介して第1の圧力容器21に接続される。第1の圧力容器21には、第1のガスボトル24から第1のガス状成分が供給される。特に弁の形態の充填器具23が、第1の圧力容器21と第1のガスボトル24との間に配置され、第1のガスボトル24から第1の圧力容器21内への第1のガス状成分の制御供給を可能にする。第1の圧力容器21内の圧力を測定するために、第1の圧力センサ17が第1の圧力容器21に設けられる。
【0116】
第1の供給導管20が、第1の圧力容器21から清掃ランス2の第1の導入チャネル9に延びる。
【0117】
特に弁の形態の第1の計量器具18が、第1の圧力容器21と第1の導入チャネル9との間に配置され、第1の圧力容器21から第1の導入チャネル9内への第1のガス状成分の計量導入を可能にする。計量器具18は第1の圧力容器21の出口に取付けられる。爆発に起因する爆発性のガス混合物の供給導管20内へのバックフローを防止するための第1の阻止要素19が、計量器具18と第1の導入チャネル9との間に取付けられる。しかし、阻止要素19を設けることは必ずしも必要ではない。
【0118】
清掃装置2はさらに、第2のガス状成分を清掃ランス2内に供給するための、第2のガスボトルの形態の第2の保管手段24′を含む。第2のガスボトル24′は、第2のガス導管22′を介して第2の圧力容器21′に接続される。第2の圧力容器21′には、第2のガスボトル24′から第2のガス状成分が供給される。特に弁の形態であり、第2のガスボトル24′から第2の圧力容器21′内への第2のガス状成分の計量供給を可能にする第2の充填器具23′が、第2の圧力容器21′と第2のガスボトル24′との間に配置される。第2の圧力容器21′内の圧力を測定するために、第2の圧力センサ17′が第2の圧力容器21′に設けられる。
【0119】
第2の供給導管20′が、第2の圧力容器21′から清掃ランス2の第2の環状の導入チャネル10に延びる。特に弁の形態であり、第2の圧力容器21′から第2の導入チャネル10内への第2のガス状成分の計量導入を可能にする第2の計量器具18′が、第2の圧力容器21と第2の導入チャネル10との間に配置される。計量器具18′は第2の圧力容器21′の出口に取付けられる。さらに、爆発に起因する爆発性のガス混合物の供給導管20′内へのバックフローを防止するための第2の阻止要素19′が、第2の計量器具18′と第2の導入チャネル10との間に取付けられる。しかし、阻止要素19′は必ずしも設けられなくてもよい。
【0120】
第1のガス状成分は、たとえば、アセチレン、エチレン、またはエタンなどの可燃性ガスである。第2のガス状成分は、化学量論のために、より大量に、より大きい第2の導入チャネル10を通って供給される、酸素または酸素含有気体である。
【0121】
圧力容器21,21′の充填は、各場合において充填器具23,23′を開放することによって行なわれ、これによってガス状成分がガスボトル24,24′から圧力容器21,21′に流れ込む。圧力容器21,21′内のガス状成分は、20から40バールの最大圧力を有してもよい。圧力容器21,21′はそれによって、以下により詳細に説明するように、開始成分を計量する役割を果たす。
【0122】
圧力容器21,21′から関連の導入チャネル9,10へのガス状成分の導入は、各場合において計量器具18,18′を開放することによって行なわれ、これによってガス状成分が圧力容器21,21′から関連の導入チャネル9,10に流れ込む。
【0123】
計量器具18,18′は、制御リード15b,15cを介して、制御装置3によって制御される、すなわち開放または閉鎖される。
【0124】
制御装置は、既に上記にさらに説明したように、制御関連のパラメータを入力するための入力モジュール41を含む。
【0125】
ガス状の開始成分は、規定された量で、かつ化学量論比で、圧力容器21,21′から清掃ランス2内に導入される。正確な化学量論比の、規定された量または体積の爆発性のガス状混合物は、このように生成される。ガス混合物をそもそも実際に爆発性にするのは、ガス状の開始成分の正確な化学量論比のみである。
【0126】
ガス状成分の正確な量は、爆発性のガス状混合物の所望量に、かつガス成分の分かっている化学量論比に基づいて計算され得る。次に、ガス導入の開始時の最大圧力に基づいて、そこに達した時には予め規定された量のガスが圧力容器から放出されている名目残留圧力が、圧力容器から放出されるガス状成分の量は圧力容器内の差圧から計算され得るという事実によって確認され得る。
【0127】
このように、名目残留圧力の値が制御装置に記憶される。圧力センサ17,17′は、適切なデータリード16a,16bを介して制御装置17,17′に接続される。圧力容器21,21′内の優勢な圧力は、制御装置3を介して、圧力容器21,21′上の上述の圧力センサ17,17′によって、圧力ボトル21,21′からのガスの放出時に繰返し測定される。計量器具18,18′は、測定圧力が名目残留圧力に対応するとすぐに制御装置3を介して閉鎖され、したがって清掃ランス2内へのガスの導入が停止される。これまでの場合と同様に、圧力容器21,21′は周囲圧力よりも高い名目残留圧力を有するため、圧力容器21,21′は一定量のガス状成分を有する。
【0128】
対照的に、従来の方法では、圧力容器は、精密に規定された量のガスで充填される。したがって、圧力容器は、ガス状成分の清掃ランス内への導入時に空になる。
【0129】
爆発性混合物は、清掃ランス2内への爆発性混合物の導入が完了した後、かつ容器エンベロープ29を爆発性のガス状混合物で充填した後、制御装置3を介して点火装置13によって点火される。爆発性混合物は供給チャネル内で点火され、この内部で爆発は容器エンベロープ29内に伝播して容器エンベロープ29を爆発させる。
【0130】
外側内蔵管8および内側に存在するガス受け管7によって形成される環状の冷却チャネル12内に粘性冷却剤が導入され、清掃側端部4の方向に案内される。冷却剤は、ガス受け管7を、およびしたがって清掃ランス2を冷却する。
【0131】
清掃ランス2はしたがって、その供給側端部5に、またはその近傍に、各場合において冷却剤供給の供給導管27,28のための接続を含む。たとえば水が第1の供給導管27を通って供給され、たとえば空気が第2の供給導管28を通って供給される。たとえば水などの1つのみの冷却剤を供給するために、1つのみの冷却剤供給導管を設けてもよい。
【0132】
たとえば水/空気混合物などの冷却剤は、冷却剤チャネル12の中を案内される。清掃側端部4における冷却剤は出口開口部を通って冷却剤チャネル12の外に出るが、これは矢印30によって示されている。既存の冷却剤が容器エンベロープ29をさらに冷却する。しかし、閉鎖された冷却剤回路がさらに設けられてもよい。
【0133】
冷却剤チャネル12内への冷却剤成分の導入は、弁などの適切な器具25,26を介して制御される。これらを作動させることによって、冷却の接続および切断が可能になる。この能動的なランス冷却または弁25,26は手動で作動されてもよいし、または制御装置3を介して制御されてもよい。器具25,26はしたがって、制御リード(図示せず)を介して制御装置3に接続される。
【0134】
冷却剤チャネル12も、受動的な冷却のためにのみ設計され、絶縁された態様で作用し、このように、清掃ランス2、およびその内部に配置される爆発性のガス混合物またはその成分が加熱されることを防止してもよい。
【0135】
上述のランス冷却は、既に説明したように随意であり、点火の本質的な特徴ではない。
容器エンベロープ29が取付られている清掃ランス2の清掃側端部4は、発明に係る清掃方法を実行するために、燃焼設備51の壁52の通路開口部53を通って、導入方向Eにおいてその内部54内に導入される。上述のように、予め規定された量のガスが、計量弁18,18′を作動させることによって圧力容器21,21′から清掃ランス2内に案内される。ガスはそれによって、比較的短時間で導入される。導入は、選択された最大圧力の大きさおよび導入すべき量に依存して、1秒から数秒未満継続し得る。ガス状成分の導入速度は、容器エンベロープ29を用いて無限に高く設定することはできない。したがって、ガス成分の導入時間に関して制限が設定される。
【0136】
爆発性混合物は、計量弁18,18′の閉鎖の直後に、または時間遅延を伴って、点火装置13によって点火され、爆発する。
【0137】
図2に係る清掃装置101の実施形態は、図1に係る実施形態例に係る清掃装置1と比較される構成を有する清掃ランス102を示す。
【0138】
清掃ランス102は同様に、供給チャネル111を形成するガス受け管107を含む。第1の導入チャネル109を形成し、出口開口部の形成の真ん中でガス受け管107の内部で終端する内管106が、ガス受け管107内の供給側端部105に配置される。
【0139】
第2の環状の導入チャネル110が同様に、内管106とガス受け管107との間に形成される。内管の端における第1および第2の導入チャネル109,110は、混合領域132の形成の真ん中で、清掃側端部(図示せず)の方向において供給チャネル111内に合流する。
【0140】
清掃装置101は同様に、入力モジュール114を有する制御装置103を含む。清掃装置101はさらに、第1および第2のガス状成分を供給するための第1および第2の圧力容器121,121′を含む。圧力容器121,121′へのガス状の開始成分の供給は、適切なガス導管122,122′および充填器具123,123′を介して行なわれる。
【0141】
データリード116a,116bを介して制御装置103に接続される圧力センサ117,117′がさらに圧力容器121,121′に設けられる。
【0142】
制御リード115aを介して制御装置103に接続される点火装置113が同様に清掃ランス102に設けられる。
【0143】
そして、本清掃装置101は、平行に接続され、かつそれを介して第1の可燃成分が第1の圧力容器121から第1の導入チャネル109内に導入される、複数の第1の計量器具118、特に弁によって、図1に係る清掃装置1と異なる。清掃装置101はさらに、平行に接続され、かつそれを介して第2のガス状成分(酸素)が第2の圧力容器121´から第2の導入チャネル110内に案内される、複数の第1の計量器具118´、特に弁を含む。第1および第2の計量器具118,118′の数は、それによって、供給されるガス状成分と化学量的論関係にある。本例では、この比は、酸素に対する可燃性ガスの化学量論比に対応する2:7である。
【0144】
計量器具118,118′は、適切な制御リード115b,115cを介して制御装置103に接続される。
図1
図2
【国際調査報告】