(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-512283(P2017-512283A)
(43)【公表日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】パイプ敷設機械およびパイプ敷設方法
(51)【国際特許分類】
F16L 1/028 20060101AFI20170414BHJP
B60P 3/00 20060101ALI20170414BHJP
【FI】
F16L1/028 Q
B60P3/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-548241(P2016-548241)
(86)(22)【出願日】2014年11月27日
(85)【翻訳文提出日】2016年9月21日
(86)【国際出願番号】IB2014066400
(87)【国際公開番号】WO2015114422
(87)【国際公開日】20150806
(31)【優先権主張番号】PC2014A000002
(32)【優先日】2014年1月29日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516219473
【氏名又は名称】ラウリーニ オフィシーネ メッカニケ エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202577
【弁理士】
【氏名又は名称】林 浩
(72)【発明者】
【氏名】ラウリーニ マルコ
(57)【要約】
本発明は、パイプ(C)を溝(T)に敷設するパイプ敷設機械に関し、パイプ敷設機械は、運転室(11)とパワートレイン(12)とが位置する第1の自走式シャーシ(10)と、ビーム(20)であって、第1端(20a)で前記シャーシ(10)に接続され、そこから側方に延びる、ビームと、前記ビーム(20)の第2端(20b)で接続される第2の移動シャーシ(30)と、パイプの誘導および支持要素(40)であって、前記自走式シャーシ(10)に対して進退するように前記ビーム(20)上でスライドする、誘導および支持要素と、を備え、前記自走式シャーシ(10)は、前記溝(T)の縁のトラック(P)で移動でき、前記移動シャーシ(30)は、前記溝(T)の底で移動でき、前記誘導および支持要素(40)は、パイプ(C)を前記溝(T)に運ぶように移動でき、機械を前進方向(A)に沿って前進させることにより、パイプの片持ち部分が、溝の底に敷設されるようになっている。本発明は、上記のパイプ敷設機械でパイプを敷設する関連する方法にも関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ(C)を溝(T)に敷設するパイプ敷設機械であって、
‐運転室(11)とパワートレイン(12)とが位置する第1の自走式シャーシ(10);
‐ビーム(20)であって、第1端(20a)で前記シャーシ(10)に接続され、そこから側方に延びる、ビーム(20);
‐前記ビーム(20)の第2端(20b)で接続される第2の移動シャーシ(30);および
‐パイプの誘導および支持要素(40)であって、前記自走式シャーシ(10)に対して進退するように前記ビーム(20)上でスライドする、誘導および支持要素(40);
を備え、
前記自走式シャーシ(10)は、前記溝(T)の縁のトラック(P)で移動でき、前記移動シャーシ(30)は、前記溝(T)の底で移動でき、前記誘導および支持要素(40)は、パイプ(C)を前記溝(T)に運ぶように移動でき、機械を前進方向(A)に沿って前進させることにより、パイプの片持ち部分が、溝の底に敷設されるようになっている、パイプ敷設機械。
【請求項2】
請求項1に記載のパイプ敷設機械であって、前記誘導および支持要素(40)は、クレードル(41)を備え、前記クレードル(41)は、パイプを部分的に取り囲み、その支持領域(43)を定める、パイプ敷設機械。
【請求項3】
請求項2に記載のパイプ敷設機械であって、前記クレードル(41)には、前記支持領域(43)で、ローラー(45)が設けられ、前記ローラー(45)は、パイプ(C)の表面と接触してスライドするように構成される、パイプ敷設機械。
【請求項4】
請求項2または3に記載のパイプ敷設機械であって、前記クレードル(41)は、台車(46)によって前記ビーム(20)に搭載され、前記ビーム(20)上で前記台車を移動させるように適合されたアクチュエータ手段および誘導手段(24)が設けられる、パイプ敷設機械。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のパイプ敷設機械であって、前記ビーム(20)は、スライド(18)によって垂直にスライドする仕方で前記自走式シャーシ(10)に接続される、パイプ敷設機械。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のパイプ敷設機械であって、前記移動シャーシ(30)は、前記ビーム(20)に対して少なくとも垂直方向に移動できる、パイプ敷設機械。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のパイプ敷設機械であって、前記移動シャーシ(30)は、揺動アーム(32)によって前記ビーム(20)に接続され、その動きを制御するアクチュエータ(35)が設けられる、パイプ敷設機械。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のパイプ敷設機械であって、前記移動シャーシ(30)には、駆動手段が設けられる、パイプ敷設機械。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のパイプ敷設機械であって、前記移動シャーシ(30)は、少なくとも1つの連続的なトラック(31)を備える、パイプ敷設機械。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のパイプ敷設機械であって、前記ビーム(20)は、前記自走式シャーシ(10)に接続され、それが前記自走式シャーシ(10)からほぼ垂直に突き出る作業位置から、それがこれとほぼ並ぶ輸送位置の方へ、ほぼ垂直な軸(Z1)の周りを回転できるようになっている、パイプ敷設機械。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のパイプ敷設機械であって、前記移動シャーシ(30)は、ほぼ垂直な軸(Z2)に沿って前記ビーム(20)に軸支される、パイプ敷設機械。
【請求項12】
パイプ(C)を溝(T)に敷設する方法であって、前記パイプ(C)は、前記溝(T)の縁に初めに配置され、前記方法は、少なくとも以下のステップ:
‐2つ以上の誘導および支持要素(40‐1,40‐2,40‐3)を、互いから所定の距離(D)で前記パイプ(C)の下で位置決めし、最後の誘導および支持要素(40‐3)は、前記パイプ(C)の頭部に近い、ステップ;
‐前記誘導および支持要素(40‐1,40‐2,40‐3)を、前記パイプ(C)を支持するように前記パイプ(C)と接触するまで、上げる、ステップ;
‐前記最後の誘導および支持要素(40‐3)を、前進方向に対して横断方向に、前記最後の誘導および支持要素(40‐3)が前記溝(T)の上にあるようになるまで、移動する、ステップ;
‐前記誘導および支持要素(40‐1,40‐2,40‐3)を前進方向(A)に動かし、それらを前記パイプ(C)の軸に対してスライドさせる、ステップ;
を含み、それにより、前記最後の誘導および支持要素(40‐3)を越えて突き出る前記パイプ(C)の片持ち部分(C3)が、前記溝(T)の底に敷設されるように、弾性的に変形するようになっている、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、少なくとも3つの誘導および支持要素(40‐1,40‐2,40‐3)が用いられ、前記最後の誘導および支持要素(40‐3)と、前記パイプ(C)の頭部から最も遠い最初の誘導および支持要素(40‐1)と、の間に置かれた誘導および支持要素(40‐2)は、パイプのひと続き(C2)がその弾性変形の限界を超えないように配置される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプ敷設機械と、パイプを溝に敷設する関連する方法と、に関する。
【0002】
本発明は、油送管、ガスパイプラインまたは同種のものなどの、中または大パイプを敷設するのに使用される機械の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
典型的に、これらのパイプは、溝の縁で互いにそろえて配置された異なる管状部分を溶接することによって、敷設現場で直接組み立てられる。組み立てられた後に、既定の長さ(数十または数百メートル)のパイプのひと続きは、溝の底にそれを置くことによって埋められ、それは、その後埋め戻しで覆われる。
【0004】
パイプの様々な部分を取り扱うために、およびこのパイプを溝に敷設するために、パイプ敷設機械として知られる機械が、一般に使用される。
【0005】
公知のパイプ敷設機械は、連続的なトラック搭載フレームを一般に備え、パイプの取り扱いおよび持ち上げを可能にするブーム(またはクレーン)が、それに側方に適用される。スリング、クレードルまたは同種のものを有する機器は、パイプの周りで巻き付き、それがつかまれて持ち上げられることができるようにする。
【0006】
これらのパイプ敷設機械の例は、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載されている。
【0007】
この種の機械に影響する主な問題の1つは、数百トンの重さになることがあるパイプが、最大転倒モーメントを生成する、機械の重心から最も遠い位置にあるときの、敷設ステップ中の転倒の危険性に関する。
【0008】
これらの理由から、大きい寸法のパイプの部分を敷設するために、並んで位置するいくつかのパイプ敷設機械(10までまたはさらに多く)が一般に使用され、それらは、ほぼ同時にパイプを持ち上げ溝に敷設する。これは、多くの機械の購入またはレンタルと、それらを駆動するより多いオペレータの数の使用と、の両方のための高いコストを意味する。
【0009】
持ち上げ能力を高めるために、これらの機械のいくつかには、ブームが位置する側と向かい合う側に、機械の重心から遠ざかる釣り合い重りまたは付属物が設けられる。
【0010】
このようにして構成されたパイプ敷設機械は、例えば、特許文献4、特許文献5および特許文献6(同じ出願人による)に記載されている。
【0011】
これらのパイプ敷設機の耐荷重性は、釣り合い重りの存在のためにより大きいが、それにもかかわらず限定され、輸送と関連している問題のために一般に既定の値を上回ることができない機械の全体の寸法によって決まる。
【0012】
これらの理由から、使用される機械の数、および結果的に仕事のコストを減らすために、機械は、意図的にその負荷限界を超えて使用されることが多く、従って転倒によって引き起こされる事故の危険性を高める。
【0013】
さらに、このシステムで行われるパイプ敷設作業は、他の問題を有する。
【0014】
実際、いくつかのパイプ敷設機械の同時使用は、溝にパイプを敷設する際にブームに異なるオペレータによって伝えられる指令の完全なシンクロニズムを必要とする。このシンクロニズムが欠けているならば、パイプの揺動運動を引き起こしやすく、それは、静的負荷限界が遵守されているときでも機会を転倒させかねない動的力を順に生成する。従って、持ち上げおよび敷設作業は、特にゆっくりした動きで行われる必要があり、それは、仕事を終えるのに必要とされる時間に影響する。
【0015】
従来技術のパイプ敷設機械のおよび関連する敷設方法の別の限界は、溝でのパイプの正確な位置決めを制御および管理するのに必要とされる、地面にいる労働者の近くで非常に大きな吊荷を動かさなければならないという事実に存する。
【0016】
最後に、これらの従来技術の機械は、地面からパイプを拾い上げるためにも、通常の移動のためにも、溝の縁のトラックでかなりのスペースを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/015488A1号
【特許文献2】国際公開2009/045323号
【特許文献3】米国特許出願公開第2010/108632A1号
【特許文献4】米国特許第3938669号
【特許文献5】米国特許第5332110号
【特許文献6】国際公開WO2008/010033号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
この文脈で、本発明の目的は、上記の従来技術の問題を克服する、パイプ敷設機械と、パイプを溝に敷設する関連する方法と、を提示することである。
【0019】
特に、本発明の目的は、大きい寸法および重い重量のパイプが、従来技術の機械に対してより安全に敷設されることができる、パイプ敷設機械を提示することである。
【0020】
より詳しくは、本発明の目的は、転倒のまたは他の事故を受ける危険性なしに、従来技術の機械に対してより大きな程度で積載することができるパイプ敷設機械を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、敷設作業の際に制御および管理するのが簡単であるパイプ敷設機械を作り出すことである。
【0022】
本発明のさらなる目的は、限られた幅の、溝の脇の、トラックで、容易に作業できるパイプ敷設機械を作り出すことである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、同等の負荷で、従来技術の敷設方法に対して用いられる機械の数を減らすことができる、パイプを敷設する方法を提示することである。
【0024】
本発明のもう1つの目的は、敷設時間を、および結果的に仕事のコストを、減らすことができる、パイプを敷設する方法を提示することである。
【0025】
最後に、本発明の目的は、取り扱いを減らすことによって、建設現場での安全性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記の目的は、本発明のパイプ敷設機械によって達成され、それは、以下:
‐運転室とパワートレインとが位置する第1の自走式シャーシ;
‐ビームであって、第1端で前記のシャーシに接続され、そこから側方に延びる、ビーム;
‐前記のビームの第2端で接続される第2の移動シャーシ;および
‐パイプの誘導および支持要素であって、前記の自走式シャーシに対して進退するように前記のビーム上でスライドする、誘導および支持要素;
を備え、前記の自走式シャーシは、前記の溝の縁のトラックで移動でき、前記の移動シャーシは、前記の溝の底で移動でき、前記の誘導および支持要素は、パイプを前記の溝に運ぶように移動でき、機械を前進方向に沿って前進させることにより、誘導および支持要素から突き出るパイプの片持ち部分が、溝の底に敷設されるようになっている。
【0027】
本発明の一態様では、誘導および支持要素は、クレードルを備え、クレードルは、パイプを部分的に取り囲み、その支持領域を定める。
【0028】
好ましくは、本発明の別の態様では、クレードルには、支持領域で、ローラーが設けられ、ローラーは、パイプの表面と接触してスライドするように構成される。
【0029】
本発明の別の態様では、前記のクレードルは、台車によってビームに搭載され、前記のビーム上で前記の台車を移動させるように適合されたアクチュエータ手段および誘導手段が設けられる。
【0030】
本発明のさらなる態様では、このビームは、スライドによって垂直にスライドする仕方で自走式シャーシに接続される。
【0031】
本発明の別の態様では、移動シャーシは、前記のビームに対して少なくとも垂直方向に移動できる。
【0032】
本発明のさらなる態様では、前記の移動シャーシは、揺動アームによってビームに接続され、その動きを制御するアクチュエータが設けられる。
【0033】
先行する請求項のいずれか1つによる、本発明の別の態様では、前記の移動シャーシには、駆動手段が設けられ、例えば連続的なトラックである。
【0034】
本発明のさらに別の態様では、ビームは、自走式シャーシに接続され、ほぼ垂直な軸の周りを回転できるようになっている。ビームは、従って、それが自走式シャーシからほぼ垂直に突き出る作業位置から、ビームがシャーシとほぼ並ぶ輸送位置の方へ、動くことができる。
【0035】
定められた目的は、本発明による溝にパイプを敷設する方法でも達成され、それは、少なくとも以下のステップを含む:
‐2つ以上の誘導および支持要素を、互いから所定の距離でパイプの下で位置決めし、最後の誘導および支持要素は、前記のパイプの頭部に近い;
‐前記の誘導および支持要素を、前記のパイプを支持するように前記のパイプと接触するまで、上げる;
‐最後の誘導および支持要素を、前進方向に対して横断方向に、前記の誘導および支持要素が溝の上にあるようになるまで、移動する;
‐前記の誘導および支持要素を前進方向に前進させ、それらをパイプの軸に対してスライドさせる;前記の最後の誘導および支持要素を越えて突き出るパイプの片持ち部分が、溝の底に敷設されるように、弾性的に変形するようになっている。
【0036】
本発明の一態様では、前記の誘導および支持要素は、溝の上で支持されたビームの上に載ってスライドする。
【0037】
本発明の別の態様では、誘導および支持要素は、ビームの第1端に接続された第1の自走式シャーシによって、および、前記のビームの第2端に接続された第2の移動シャーシによって、パイプの軸に沿って移動する。
【0038】
本発明のさらなる態様では、誘導および支持要素が上げられた後に、パイプは、前記の誘導および支持要素で締め付けられる。
【0039】
より詳しくは、前述のステップでは、少なくとも1つのジョーが、パイプの表面に対して支えられる。
【0040】
本発明のなお別の態様では、誘導および支持要素は、ほぼ垂直なまたは水平な軸の周りを回転し、敷設作業の際にパイプの軸の方向にそれらを適合する。
【0041】
本発明のさらなる特徴および利点は、パイプ敷設機械の好ましい、しかし排他的でない、実施形態からより明らかになり、添付図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明によるパイプ敷設機械の斜視図である。
【
図3】本発明によるパイプ敷設機械の側面図であり、移動シャーシが溝の底に位置している。
【
図4a】本発明による誘導および支持手段の正面図である。
【
図4b】本発明による誘導および支持手段の側面図である。
【
図5】輸送または取り扱い構成での、本発明によるパイプ敷設機械の平面図である。
【
図6a】本発明の方法による溝にパイプを敷設するステップを示すさらなる平面図である。
【
図6b】本発明の方法による溝にパイプを敷設するステップを示すさらなる平面図である。
【
図6c】本発明の方法による溝にパイプを敷設するステップを示すさらなる平面図である。
【
図6d】本発明の方法による溝にパイプを敷設するステップを示すさらなる平面図である。
【
図7】本発明によるパイプを敷設するステップの斜視図である。
【
図8】本発明によるパイプを敷設するステップでの溝の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
添付図面に関して、パイプ敷設機械1は、自走式シャーシを備え、自走式シャーシは、全体として10で示され、運転室11が設置される。前記の自走式シャーシ10は、前進方向Aにパワートレイン12によって移動し、好ましくは連続的なトラック13によってである、または、代替的に、車輪または減少した粘着力(土、泥等)でのおよび/または荒れた地面に適した他の回転手段によってである。
【0044】
本発明の好ましい態様によると、運転室11とパワートレイン12は、プラットフォーム14に搭載され、順に前記の連続的なトラック13によって支持される。運転室11は、好ましくは5番目の車輪(図で見えない)によって前記のプラットフォーム14に接続され、5番目の車輪は、垂直な軸の周りの回転を可能にし、オペレータが前進方向Aおよびパイプが敷設される溝を向くことができるようになっている。
【0045】
本発明によると、パワートレイン12は、吸熱エンジン15を含むことができ、吸熱エンジン15は油圧ユニット16に接続され、油圧ユニット16は、油圧油を機械のアクチュエータ(油圧シリンダ、油圧モータ等)の方へ供給するのに必要とされる様々な機器(油圧ポンプ、バルブ等)を順に備える。
【0046】
有利には、前記の吸熱エンジン15は、取り外し可能に油圧ユニット16に連結され、故障の場合にも、例えば、それが動作する国の基準(排出、騒音等)に機械を適合させるためにも、別のモータに容易に置き換えられるようになっている。
【0047】
取り付けおよび取り外しを容易にするために、前記の吸熱エンジン15は、プラットフォーム14に搭載された、好ましくは防音の、ケーシングの中に設けられ、カルダンシャフトまたは同種のものによって油圧ユニット16に接続されることができる。
【0048】
本発明の態様では、少なくとも1つのビーム20が設けられ、少なくとも1つのビーム20は、固定的にまたは移動できるように、自走式シャーシ10に接続され、そこから側方に突き出る。
【0049】
より詳しくは、前記のビーム20は、プラットフォーム14とまたは連続的なトラック13と一体化することができる、または、代替的に、これらの要素に接続でき、地面に対してほぼ垂直なまたは水平な軸の周りに回転できるようになっている。
【0050】
好ましい変形では、ビーム20は、ピボット要素17を通じて自走式シャーシ10に接続され、ピボット要素17は、前記のビームをほぼ垂直な軸Z1(
図3)の周りに回転させるように構成される。
【0051】
前記のピボット要素17は、ビームが自走式シャーシ10からほぼ垂直に突き出る作業位置(
図1)でブロックされることができ、ビームが前記のシャーシとほぼ並ぶ輸送位置(
図5)の方へビームが回転できるように解放されることができる。
【0052】
有利には、ビームは、スライド18または同種のものによって、ピボット要素17に接続でき、スライド18または同種のものは、それが自走式シャーシ10に対して垂直に移動することができるようにする。
【0053】
好ましい実施形態では、前記のビーム20は、1対の枠22を含み、1対の枠22は、同じ面で並んで配置され、横断要素23によって連結される。
【0054】
ビーム20の長さは、以下でより明らかになるように、パイプの寸法にも溝の脇に沿ったトラックの幅にも応じて、変わることができる。典型的にビームの長さは3〜10メートルである。
【0055】
本発明によると、対向端20bに移動シャーシ30が設けられ、移動シャーシ30は、機械の自由前進移動でもパイプを敷設する際にも前記のビーム20を支持するように適合される。移動シャーシ30は、このようにして、自走式シャーシ10と一体になって動くように構成され、機械に安定性を与えるように地面上でのさらなる支持として働く。前記の移動シャーシ30には、油圧モータまたは同種のものなどの、駆動手段が設けられる。
【0056】
好ましい変形によると、前記の移動シャーシ30は、少なくとも1つの連続的なトラック31を含むが、荒れた地面で動くことができるようにする同等の手段が代替的に設けられ得る。
【0057】
本発明によると、前記の移動シャーシ30は、ビーム20に対して少なくとも垂直方向に動くことができ、その支持面を自走式シャーシ10のそれに対して変えるようになっている。
【0058】
この特徴に起因して、パイプ敷設機械は、水平面で自走式シャーシ10および移動シャーシ30と(すなわち、部分10および30が同じ高さで位置して)移動できる、または、異なる高さで前進できる(例えば、溝Tの近辺で移動するときに、自走式シャーシ10が溝の縁のトラックPで移動し、移動シャーシ30がこの溝の底で移動する(
図3))。
【0059】
このために、考えられる変形によると、移動シャーシ30は、揺動アーム32によってビーム20に接続される。詳しくは、前記の揺動アーム32は、1つ以上のロッド32’を含むことができ、1つ以上のロッド32’は、一端で前記ビーム20に、他端で前記の移動シャーシ30に、軸支される。前記のロッド32’は、例えば、第1端32aで連続的なトラック31のシャーシ33に、第2端32bでビーム20の端20bに接続されたプレート34に、軸支される。
【0060】
アーム32の揺動(すなわち回転軸でのその回転)によって、自走式シャーシ10に対する移動シャーシ30の高さの位置の変化が可能になる。
【0061】
アーム32の揺動を制御するために、および従って移動シャーシ30を持ち上げるまたは下げるために、アクチュエータ35が設けられ、アクチュエータ35は、好ましくは油圧であり、一端でプレート34に、対向端でアーム32にまたは連続的なトラック31のシャーシ33に、接続される。
【0062】
移動シャーシ30が地面にあるとき、前記のアクチュエータ35も、自走式シャーシ10に対して垂直にビーム20を移動させるのに使用することができる。
【0063】
好ましい変形では、プレート34は、ほぼ垂直な軸Z2でビーム20の端20bに軸支される。このようにして、ビーム20が、軸Z1の周りに回転し、自走式シャーシ10の方へ移動するとき(
図5)、連続的なトラック31は、前進方向Aと平行なままであることができる。これは、機械の横寸法の減少を可能にし、それが、例えば溝の縁のトラックに沿った、限られたスペースでの領域で進むことができるようになっている。
【0064】
本発明によると、機械は、パイプの誘導および支持要素も備え、パイプの誘導および支持要素は、全体として40で示され、自走式シャーシ10の方へおよび向こう側にビーム20上で移動するように構成される。
【0065】
実施形態では、前記の誘導および支持要素40は、少なくとも1つのクレードル41を備え、少なくとも1つのクレードル41は、それに寄り掛かるパイプを支持するように構成され、その外面を少なくとも部分的に取り囲む。
【0066】
より詳しくは、前記のクレードル41は、支持領域43によって定められるハウジング42を有するフレームを含み、支持領域43は、少なくとも部分的に円形であり、好ましくは、ほぼ180度に等しいまたは180度未満の大きさの、形状を有する。これは、前記のクレードルがパイプを垂直方向に沿った相対運動でハウジング42に受け入れることができるようにする。
【0067】
敷設作業の際に支持要素40がパイプを誘導することができるように、および従って前記の支持要素40をパイプの軸に沿ってスライドさせることができるように、クレードル41には、複数のローラー45が設けられ、複数のローラー45は、支持領域43で円周方向に位置する。
【0068】
有利には、これらのローラー45は、それらの外面が、敷設されるパイプと同じ半径を有する円弧上にあるように、配置され、パイプの重量が全てのローラー間で分けられるようになっている。ローラーは、金属で作られることができ、好ましくはポリウレタンまたは同種のものなどのプラスチック材料でコーティングされる。
【0069】
好ましい変形では、前記のクレードル41には、少なくとも1つのジョーまたは、好ましくは、1対のジョー44も設けられ、1対のジョー44は、パイプを締め付け、それをハウジング42の中に位置するように保つ。前記のジョー44は、好ましくはクレードル41に軸支され、パイプがハウジング42を占有してローラー45に支えられることができるようにする開位置から、パイプを囲んで前記のローラーとの接触を保つ位置に、アクチュエータ(図示せず)によって動かされる。
【0070】
すでに述べたように、クレードル41は、台車46またはスライドによってビーム20上でスライドでき、台車46またはスライドには、枠22と一体になったガイド24の内側で滑る車輪48が設けられている。
【0071】
台車46の動きは、1つ以上のモータによって制御され、好ましくは油圧であり、台車に、ビーム20の枠22と一体になったラックとかみ合うピニオンがある。
【0072】
本発明の態様では、クレードル41は、揺動サポート47によって台車46に接続でき、揺動サポート47は、敷設作業の際にパイプの軸の方向に適合するように、傾きを変えることができる。前記の揺動サポートは、パイプの軸に垂直なほぼ水平な軸X1の周りにも、好ましくは、ほぼ垂直な軸Z3(
図4b)の周りにも、クレードル41を回転させるように構成される。
【0073】
記載されたパイプ敷設機械の動作は、以下の本発明の方法による敷設ステップの説明で明らかになり、
図6a‐6dが参照される。
【0074】
図6aに関して、底にパイプCが敷設されなければならない溝Tを含む労働現場の一部が示されている。このパイプは、連結された後に、溝の縁のトラックPに位置し、地面からそれを上げて保つマウント(見えない)の上に載っている。地面からの高さは、一般に50〜150cmである。
【0075】
第1ステップでは、少なくとも2つの、しかし好ましくは3つ以上のパイプ敷設機械M1,M2およびM3が、溝Tの軸に平行に、前進方向Aに前進し、自走式シャーシ10がトラックPにあり、移動シャーシ30が前記の溝の底にある。
【0076】
このステップでは、それぞれの誘導および支持要素40‐1,40‐2,40‐3は、パイプCの軸と一直線になり、パイプCの頭部から、
図6bに示されているように、それらが互いから既定の距離Dで位置するまで、前記の軸に沿って動く。
【0077】
機械の数(すなわち誘導および支持要素40の数)も、それらの間の最大距離Dも、パイプCの直径、その重量および弾性変形能力などの、様々な要因によって決まる。示されている例では、M1,M2およびM3でそれぞれ示される、3つの機械が表されている。
【0078】
最後の機械は、パイプの頭部に一般に位置し、他は、それぞれ所定距離Dだけそれに先行する。
【0079】
前進移動および位置決めの際に、誘導および支持要素40は、パイプCの下に置かれ、パイプCが、クレードル41に、近接して、しかしまだそれと接触しないで、部分的に格納されるようになっている。
【0080】
詳しくは、第1の機械M1の少なくとも第1の誘導および支持要素40‐1は、パイプCの周りで入れられた後に、それがパイプと接触して数センチメートルだけそれを持ち上げるまで、上方に動くことができる。これは、下のマウントが取り除かれることができるようにし、後ろの他の機械が自由に前進できるようにする。
【0081】
誘導および支持要素40の上昇は、台車の揺動アーム32の、および関連するアクチュエータの、手段によって作動され、それは、ビーム20を、および結果的にクレードル41を、上方に押す。
【0082】
パイプCは、第1の機械M1が溝Tの縁のトラックで前進するときの変形曲線のために続く機械のクレードル41とも接触できる
【0083】
全ての機械M1,M2,M3が互いから正確な距離Dでの位置にあるとき、残りの誘導および支持要素40‐1,40‐2,40‐3は、パイプCを支持するように、第1のと同じ高さにまで上げられる。
【0084】
クレードル41にジョー44が設けられるならば、これらは、パイプに沿った誘導および支持要素の位置決めの前に、または、好ましくは、上昇ステップが終了した後に、締め付けられることができる。
【0085】
この時点で、最後の機械M3の誘導および支持要素40‐3は、それが溝Tの上にあってその軸とほぼ合わせられるようになるまで、ビーム20上で横方向に動く。
【0086】
このようにして、パイプCは、横方向に変形し、前部のひと続きC1が、トラックPに沿って並んだままであり、第2のひと続きC2が、機械M1の最初の誘導および支持要素と、最後の機械M3のそれと、の間で、溝Tの中心軸とトラックPとの間で横方向に配置される。
【0087】
同時に、最初と最後の間に置かれたさらなる誘導および支持要素40は、パイプの前記のひと続きC2が、
図6cに見られるように、弾性変形曲線の内側のままであるように、溝の方へ横方向に移動する。
【0088】
このステップが終了した後に、機械は、互いに同じ速度で前進し、誘導および支持要素40が、それらの間の距離Dを一定に保ちながら、前進方向Aに沿って動くようになっている。
【0089】
前進移動の際に、パイプCは、前記の誘導および支持要素上でスライドし、最後の機械M3の後ろのままであるパイプC3の片持ち部分が、
図6d,7および8に見られるように、パイプの弾性変形のために溝の底に徐々に敷設されるようになっている。
【0090】
このようにして、敷設は、溝の縁で用意されたパイプCの長さ全体について連続的に行われる。
【0091】
仕事が終了した後に、移動シャーシ30は、
図5に示されているコンパクトな構成に至るまで、ピボット要素17でビーム20を回転させることによって、および同時に、揺動アーム32によって前記の移動シャーシ30を上げることによって、トラックPに戻ることができる。
【0092】
本発明によると、機械は、陸上輸送にも海上輸送にも適した標準コンテナで輸送されるように、容易に解体および組み立てができるように設計することができる。機械は、少なくとも主要部分に、分けられることができ、例えば、一方で運転室11とパワートレイン12と共にプラットフォーム14、および別々に連続的なトラック13、ビーム20、クレードル41、揺動アーム32および連続的なトラック31、などである。
【0093】
出願人によって行われた計算および試験によると、これらの要素は、道路でおよび/または海で輸送される標準サイズのオープンコンテナに容易に置くことができ、従来技術のパイプ敷設機械に影響する問題を克服する。
【0094】
上記の説明から明らかなように、本発明は、従来技術の機械に影響する問題を解決し、定められた目的を達成する。
【0095】
詳しくは、本発明によるパイプ敷設機械の構成は、2つの安定した支持ポイント間の取り扱いを提供し、転倒のおそれを完全に解消する。
【0096】
これは、はるかに大きい重量が単一の機械に載せられることを可能にし、それによって、かなりの経済的利点と共に、必要とされる機械の総数を減らす。
【0097】
さらに、支持手段の特定の構造に起因して、敷設作業を担当している地面にいるオペレータに危険をもたらし得る、吊り下げられたまたは潜在的に不安定な積み荷がない。
【0098】
本発明の敷設機械および方法の別の関連する利点は、実行速度に存し、とりわけ、従来技術のシステムで生じる、パイプをスライドさせてそれを数回解放することを必要とせずに、機械を前進させることだけでその長さの全体について連続的にパイプを敷設する実現性に存する。
【0099】
機械は、オペレータが機械の前進方向の速度および方向に注意すれば十分であるので、大量の積み荷を含むクレーンが動かされなければならない従来技術の機械とは対称的に、駆動するのも簡単である。
【0100】
本発明は、記載および説明されたように、多くの変更および変形がされやすく、全て発明概念の範囲内にある。さらに、全ての詳細は、他の技術的に同等な要素に置き換えられることができる。
【国際調査報告】