(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-512330(P2017-512330A)
(43)【公表日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】ユーティリティ・メータを検針するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G08C 15/00 20060101AFI20170414BHJP
G08C 19/00 20060101ALI20170414BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20170414BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20170414BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20170414BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20170414BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20170414BHJP
G01F 1/00 20060101ALI20170414BHJP
G01F 1/06 20060101ALI20170414BHJP
G01F 3/22 20060101ALI20170414BHJP
G01F 15/06 20060101ALI20170414BHJP
G01D 4/00 20060101ALI20170414BHJP
【FI】
G08C15/00 C
G08C19/00 G
H04M11/00 301
H04Q9/00 311J
H02J7/00 303A
H02J13/00 301A
G08C17/00 Z
G01F1/00 Y
G01F1/06 Z
G01F3/22 D
G01F15/06
G01D4/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-549255(P2016-549255)
(86)(22)【出願日】2015年1月12日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月31日
(86)【国際出願番号】US2015010979
(87)【国際公開番号】WO2015112356
(87)【国際公開日】20150730
(31)【優先権主張番号】14/164,705
(32)【優先日】2014年1月27日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516225935
【氏名又は名称】ベーシック エレクトロニクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BASIC ELECTRONICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バルツァーノ、アルフィエロ エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ベナビデス、アルマンド
【テーマコード(参考)】
2F030
2F031
2F073
2F075
5G064
5G503
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
2F030CC02
2F030CC13
2F030CE06
2F030CE09
2F031AE09
2F031AE11
2F073AA07
2F073AA08
2F073AA09
2F073AB02
2F073BB01
2F073BB09
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD07
2F073DE13
2F073EE11
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073FG03
2F073FG14
2F073GG01
2F073GG06
2F073GG08
2F075GG04
2F075GG06
2F075GG09
2F075GG17
5G064AA01
5G064AC01
5G064AC09
5G064CB06
5G064DA05
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5K048AA16
5K048BA35
5K048DA02
5K048DC01
5K048EB10
5K048FB09
5K048HA32
5K201BA02
5K201EB07
5K201EC07
5K201ED05
5K201ED08
(57)【要約】
本発明は、無線通信によってポーリングされ得るタイプの遠隔メータ検針方法および遠隔メータ検針システムに関する。他の遠隔検針システムは、遠隔メータにて使用される通信システムや他のシステムに電力を供給するために使用されるバッテリの定期的な交換を必要とする。本発明は、それらバッテリを再充電するために使用される電力を生成するために、家庭内または他の建物内への水流およびガス流を使用することによって、この必要性を軽減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーティリティ・メータを検針するための方法であって、
共通の位置における複数のユーティリティ・メータをそれらメータ間の双方向ローカル通信のために構成すること、
前記複数のユーティリティ・メータのうちの第1のメータを電話サービス・プロバイダとの無線双方向通信のために構成すること、
前記電話サービス・プロバイダからの請求問い合わせを前記第1のメータにおいて受信することであって、前記請求問い合わせがアドレス指定されている前記複数のユーティリティ・メータのうちの少なくとも1つを識別する宛先情報を含む前記請求問い合わせを前記第1のメータにおいて受信すること、
前記第1のメータから、前記請求問い合わせによってアドレス指定された各メータへ、前記請求問い合わせを無線で通信すること、
前記第1のメータからの前記請求問い合わせの受信に応答して、前記請求問い合わせによってアドレス指定された各メータ内に記憶されているメータ使用量情報にアクセスすること、
前記請求問い合わせによってアドレス指定された各メータ内に記憶されている前記メータ使用量情報を前記第1のメータへ無線で通信すること、
前記第1のメータから前記電話サービス・プロバイダへ前記メータ使用量情報を無線で通信すること、
第2のメータに電力供給するためのエネルギーを、前記第2のメータに関連付けられたユーティリティ導管を流れる流体と流体連通して配置された流量変換器から得ること、
を備える方法。
【請求項2】
前記第1のメータから前記複数のユーティリティ・メータのうちの少なくとも1つへ前記請求問い合わせを無線で通信する工程が、前記第1のメータから前記複数のユーティリティ・メータの各々へ前記請求問い合わせを無線で通信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のユーティリティ・メータの各々への前記請求問い合わせの通信に応答して、前記請求問い合わせによってアドレス指定されたメータのみが、記憶された使用量情報にアクセスして、前記記憶された使用量情報を前記第1のメータへ無線で通信する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のユーティリティ・メータのうちの1つのみが、前記請求問い合わせによってアドレス指定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のユーティリティ・メータの各々が、前記請求問い合わせによってアドレス指定される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のメータは、前記請求問い合わせによってアドレス指定された前記複数のユーティリティ・メータの各々から前記使用量情報を受信すると、受信した前記使用量情報を結合して前記電話サービス・プロバイダへ無線で通信する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のユーティリティ・メータは、水道メータ、ガス・メータ、および電気使用量を測定するための電力メータを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のメータに関連付けられたバッテリ動作型の無線通信回路およびバッテリ再充電回路を提供する工程をさらに含み、前記バッテリ再充電回路は、前記流量変換器と通信可能であり、前記流量変換器は、第2の導管を通る流体の流れに応じてバッテリを再充電するために、前記第2の導管に関連付けられたユーティリティ・メータを通る流体の流れと流体連通して配置されている、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のメータが、電気使用量を測定するための電力メータである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のメータが、水道メータである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記水道メータに関連付けられたバッテリ動作型の無線通信回路およびバッテリ再充電回路を提供する工程をさらに含み、前記流量変換器は、導水管を通る水流に応じてバッテリを再充電するために、前記導水管を通る水の流れと流体連通するように配置されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記水流に応じた流量変換器出力信号を監視し、前記流量変換器出力信号から水使用量情報を得る工程をさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のメータが、ガス・メータである、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記ガス・メータに関連付けられたバッテリ動作型の無線通信回路およびバッテリ再充電回路を提供する工程をさらに含み、前記流量変換器は、ガス導管を通るガスの流れに応じてバッテリを再充電するために、前記ガス導管を通るガスの流れと流体連通するように配置されている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ガスの流れに応じた流量変換器出力信号を監視し、前記流量変換器出力信号からガス使用量情報を得る工程をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のメータにおいて前記バッテリ動作型の無線通信回路内のバッテリ電圧レベルを監視して、前記バッテリ電圧レベルが予め設定された閾値未満に低下した場合、低電圧状態信号を前記第1のメータへ通信する工程をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のメータから前記電話サービス・プロバイダへ前記低電圧状態信号を通信する工程をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記メータ使用量情報を集計および請求のために前記電話サービス・プロバイダから遠隔データ・センタへ通信する工程をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項19】
前記請求問い合わせを前記遠隔データ・センタにおいて生成し、前記請求問い合わせを前記電話サービス・プロバイダへ通信する工程をさらに含む請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信によってポーリングされ得るタイプの遠隔メータ検針方法および遠隔メータ検針システムに関する。
【背景技術】
【0002】
メータ検針技術は、検針員が庭および路地へ入り込んでメータ検針結果を視覚的に記録していた頃から大幅に発達してきた。場合によっては、メータが、数か月もの間アクセス不可能であることもあった。アクセス可能であっても、アクセス可能でなくても、そうした方法は、労働集約的であり、時間がかかるものであった。さらに、そうした方法は、典型的には、メータ検針工程をサポートするために様々なタイプの車両の調達を必要とし、各車両は、ガソリン費用、メンテナンス費用および保険費用を必要とした。それらのサービスを実施するために必要とされる従業員の数は、相当な数であり、各従業員も、給与、保険、医療給付等を必要とした。さらに、メータ検針サービスが利用可能であるかは天候に左右された。
【0003】
近年では、ユーティリティ・メータには、公共事業者がローミング・ユーティリティ車両内のローカル通信システムを使用して、メータから使用量情報をポーリングすることを可能にする無線通信回路が備えられているものもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通信回路および他の電子回路が、例えば、データ捕捉、記憶転送のために導入される場合、これらの回路は、考慮されなければならない関連付けられた電力要件を導入する。一般に、これは、メータまたは関連付けられる機器にバッテリを設けることによって行われ、このバッテリが通信回路および任意の他のデータ処理回路に電力を供給してこれらの機能を有効にすることで、問い合わせによってアドレス指定されたメータから使用量情報を通信する。
【0005】
結果として、ユーティリティ・メータに関連付けられる無線データ収集および通信回路の使用は、サービス職員が定期的に敷地内でメータ検針を行う必要を回避するのに役立った一方で、従来のメータ検針の必要性よりも頻度は低いものの定期的なバッテリ点検修理およびバッテリ交換の必要性を導入した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
現代の遠隔検針システムは、遠隔メータにおいて使用される通信システムおよび他のシステムに電力を供給するために使用されるバッテリの定期的な交換を必要とする。本発明は、それらバッテリを再充電するために使用される電力を生成するために、家庭内または他の建物内への水流およびガス流を使用することによって、この必要性を軽減する。
【0007】
本発明は、測定されている流体の流れ、例えば、水流またはガス流によって電力供給され得るバッテリ再充電システムを提供することによって、ユーティリティ・メータを点検修理するための必要をさらに大幅に軽減するメータ検針方法およびメータ検針システムを対象とする。
【0008】
本発明は、個々のメータを監視すること、共通の顧客に関連付けられた複数のメータを監視すること、ならびに/または、異なる顧客および/もしくはアカウントに関連付けられた多数のメータからなるネットワークを監視することへの適用例を有する。
【0009】
本発明は、比較的密接な関係で配置される複数のメータ、例えば200フィート以下の範囲内に配置される複数のメータからなるネットワークに特に適している。
本発明は、複数の公共事業についての総合請求サービスを促進することにも大幅に役立ち、この場合、公共事業は本発明に従って相互接続されポーリングされる。
【0010】
複数のユーティリティ・メータと通信してポーリングするために、ユーティリティ・メータを検針するための方法が提供される。第1のメータは、電話サービス・プロバイダとの双方向無線通信のために構成される。請求問い合わせを第1のメータにおいて受信すると、請求問い合わせは、第1のメータから、顧客と関連付けられた他のユーティリティ・メータなどの、請求問い合わせによってアドレス指定された各メータへ通信される。請求問い合わせによってアドレス指定された各メータは、メータ内に記憶されているメータ使用量情報を第1のメータへ無線で通信し、第1のメータは、メータ使用量情報を電話サービス・プロバイダへ通信する。
【0011】
再充電可能なバッテリは、ユーティリティ・メータ間の無線通信回路、および/またはユーティリティ・メータと電話サービス・プロバイダとの間の無線通信回路において電力供給するために使用される。本発明によれば、ユーティリティ配管を通る水の流れまたはガスの流れは、それらのバッテリを再充電するためのエネルギーを提供するために使用される。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、流量変換器は、導水管を通る水の流れと流体連通するように配置されている。流量変換器は、回転可能な羽根車または他の構成要素が水流の少なくとも一部へ伸び、導水管を通る水に応じて電気エネルギーを生成する状態で、導水管内に配置され得る。導水管は、公共事業会社によって維持される水道本管、または住人によって維持される個人所有の水道管であってもよい。
【0013】
別の実施例において、流量変換器は、ガス導管内におけるより低い流体流圧に応じるのに適当な構成要素と共に、ガス導管内に配置され得る。
使用量情報は、流量変換器動作から得られてもよいし、または、例えば、応答電気信号を生成するために、導水管の外部に配置されて導水管を通る水流に応じて動作可能なデバイスから別個に得られてもよい。
【0014】
第1のメータで受信される請求問い合わせは、この請求問い合わせがアドレス指定される複数のユーティリティ・メータのうちの1つまたは複数を識別するためのアドレス情報を含むようにフォーマットされ得る。一実施例において、請求問い合わせは、ユーティリティ・メータの各々に対してアドレス指定される。別の実施例において、請求問い合わせは、単一のメータ、例えば、第1のメータのみに対してアドレス指定され得る。
【0015】
一実施形態において、第1のメータは、電気使用量を監視する電力メータである。バッテリが少なくなり流量変換器が動作不可能になった場合、例えば、住宅がかなりの長期間にわたり空き家だった場合、第1のメータの通信回路は、この第1のメータに接続された電線から電力を取得し得る。他の実施例においては、水道メータまたはガス・メータが、電話サービス・プロバイダから請求問い合わせを受信して、電話サービス・プロバイダへ応答情報を出力する第1のメータとして指定され得る。
【0016】
したがって、本発明は、メータの通信回路およびデータ処理回路が、関連付けられたユーティリティ導管を通る流体の流れから得られたエネルギーによって再充電される再充電可能バッテリによって電力供給される状態で、公共事業者または他のサービス・プロバイダが複数のユーティリティ・メータからの請求情報に遠隔地から無線でアクセスすることを可能にする。
【0017】
本発明は、数十個または数百個のユーティリティ・メータが設置され得るオフィス街および他の商業ビルだけでなく、住宅街に対しても適用される。
本明細書において開示される様々な実施形態の他の特徴および利点は、以下の説明および同様の構成に同様の符号が付された図面の全体を通じてより理解されるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る遠隔ユーティリティ・メータ検針システムの系統図。
【
図2A】本発明に係る例示的な電力計ユニットのブロック図。
【
図2B】本発明に係る例示的な電力計ユニットのブロック図。
【
図3A-1】本発明に係る例示的な水道メータ・ユニットのブロック図。
【
図3A-2】本発明に係る例示的な水道メータ・ユニットのブロック図。
【
図3B】本発明に係る例示的な水道メータ・ユニットのブロック図。
【
図4A-1】本発明に係る例示的なガス・メータ・ユニットのブロック図。
【
図4A-2】本発明に係る例示的なガス・メータ・ユニットのブロック図。
【
図4B】本発明に係る例示的なガス・メータ・ユニットのブロック図。
【
図5】電話サービス・プロバイダからコンピュータの検針システムへの信号の例示的な信号フォーマットを例示する図。
【
図6】個々の水道メータまたはガス・メータに対する問い合わせをアドレス指定するための例示的な信号フォーマットを例示する図。
【
図7A】本発明に係る、メータの検針システムの動作を例示するフローチャート。
【
図7B】本発明に係る、メータの検針システムの動作を例示するフローチャート。
【
図8】本発明に係る水道メータの動作を例示するフローチャート。
【
図9】本発明に係るガス・メータの動作を例示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
上述したように、現代の遠隔メータ検針システムは、電力を遠隔メータに対して供給するためのバッテリの定期的な交換に依存する。本発明は、それらのメータにおいて使用されるローカル通信システムおよび使用量監視システムに電力供給するために必要なバッテリを再充電するために必要な電力を生成するべく、家庭内または他の建物内への水流および/またはガス流を使用することによって、この必要性を避ける。
【0020】
図1は、本発明に係る例示的なシステムの図を例示している。
図1において、各メータ位置は、特定の位置を参照することによって識別される。一実施形態において、参照は、住所、およびその住所の緯度と経度とからなるGPS座標による。位置座標情報は、殆どの携帯電話において利用可能であるとともに、米国森林局のNational Geographic and Garmin(商標)を含む多数の政府機関および他の組織によって提供される電子地図において利用可能である。本発明の一実施形態は、遠隔メータ検針システムを監視および/または維持するために携帯電話の全地球測位システム(GPS)を使用することによって実施される。
【0021】
緯度および経度の位置座標は、1秒角の解像度を緯度については0°から+/−89°59’59’’、経度については0°から+/−179°59’59’’(世界規模のカバレッジ)とし、128個の収集メータの可能性に対処するために、さらに7ビットを加えて、48ビットのバイナリ・ワードへコード化され得る。この工程によって、一意の位置IDコードがあらゆる場所のあらゆる電力メータについて取得され、この48ビットのコードは、電力計ユニット内の読み出し専用メモリ(ROM)内にインストール時にプログラムされる。この位置IDは、数千個のクライアント(システム)が同じ電話番号を使用し、同じ呼に参加することを可能にする。なぜなら、公共事業会社(または他の電話サービス・プロバイダ)によって送られる位置IDコードと一致する電力計のみが問い合わせに応じるためである。マッチ・コードが成功した場合、アドレス指定された電力計ユニットは、水道メータ・ユニットおよびガス・メータ・ユニットから水道消費量データおよびガス消費量データを取得し、水道データ、ガス・データ、および/または電力計データを含むデジタル・ワードをフォーマットし、このデジタル・ワードを電話インフラストラクチャを介して公共事業会社へ送信することへ進み得る。電話インフラストラクチャは、携帯電話システムまたは他の無線通信システムを、単独で含んでも、あるいは電力計と公共事業会社または他の電話サービス・プロバイダが設置される位置との間に延在する固定電話回線と組み合わせて含んでもよい。水道/ガス/電気使用情報が受信されると、公共事業会社または他のサービス・プロバイダは、位置IDコードをリスト上の次のクライアント(システム)へ変更し、工程を繰り返して、次のクライアントについての電力消費量、水道消費量および/またはガス消費量を取得し得る。位置IDコードに対するこのような変更は、単独の呼の過程において、または各々が専用の位置(システム)を対象とする連続した呼を用いて、進行し得る。
【0022】
電力計ユニットは、電力線に対して接続されるため、このユニットは、電力制限されない。しかしながら、水道メータおよびガス・メータは、典型的には、電力線に対して接続されず、そのため、請求データについての任意の無線問い合わせに応じるために、バッテリ電力に依存する。しかしながら、そのようなバッテリは定期的に交換する必要があり、これは、請求活動に干渉し、メンテナンス・バックログを生み出し得る。本発明は、水道ユニットおよびガス・ユニットから公共事業会社または他のサービス・プロバイダへの請求データのデータ収集および電気通信に電力供給することに関連付けられるメンテナンス要件を大幅に軽減するための手段を提供する。
【0023】
本発明によれば、より高電力な携帯電話送受信器または他の無線送受信器が、水道メータ/ガス・メータ/電力メータのうちの1つに設置される。現在の好適な実施形態において、送受信器は電力メータに関連付けられる。なぜなら、電力メータは電力線へ最も都合良くアクセスできるためである。水道メータ・ユニットおよびガス・メータ・ユニットは、典型的には、電力計に比較的近接した位置、例えば200フィート未満離れた位置に配置され、典型的には、バッテリ電力容量によって電力制限される。本発明によれば、水道メータ・ユニットおよびガス・メータ・ユニットには、水流またはガス流を電気エネルギーへ変換する変換器ユニットが補完される。この電気エネルギーは、それらのメータおよび電力計の測定・通信回路に電力を供給するバッテリを再充電するために使用され、電力計は、使用量情報を公共事業会社または他のサービス・プロバイダへ通信する。水道/ガス・メータ・ユニットは、電力計の比較的近くに設置されるため、比較的低いレベルの電力のみが電力計送受信器へ使用量情報を通信するために必要とされる。電力計と公共事業会社またはサービス・プロバイダとの間の送受信器通信のより高い電力要件は、電力計に対して接続される電力によって満足され得る。
【0024】
図1は、本発明の1つの例示的な実施形態を例示する。
図1に示されるように、システム10は、請求および他の目的のために水道/ガス/電気使用量データを記憶するデータ・センタ11を含む。データ・センタ11は、1つもしくは複数の公共事業会社によって、または公共事業会社の代わりに請求活動を行い得る他のサービス・プロバイダによって維持され得る。
【0025】
例示される実施形態によれば、請求職員は、電話会社17へモデム15を介して通信される請求問い合わせをパーソナル・コンピュータ13に入力し得る。次いで、問い合わせは、携帯電話タワー19へ、またはブロードキャスト範囲内の全ての電力計送受信器へ問い合わせを無線で通信するように動作可能な他の無線通信システムへ通信される。例示される実施形態において、電力計ユニット21は、問い合わせを受信し、その問い合わせを処理して、この電力計ユニットが意図された受信者であるかを決定する。意図された受信者である場合、問い合わせは、水道メータ・ユニット23およびガス・メータ・ユニット25のうちの一方または双方へ通信され得る。問い合わせに応じて、水道メータ・ユニット23および/またはガス・メータ・ユニット25は、水道/ガス使用量データにアクセスし、水道/ガス使用量データを電力計21へ通信するように動作可能な測定および通信回路を起動することによって、問い合わせに応じる。電力計21は、電力計使用量データも含み得るデータを、データ・センタ11への通信のために、携帯電話タワー19へ送信する。
【0026】
図2は、電力計21の例示的な構造を例示する。
図2に示されるように、電力計21は、携帯電話タワー19と無線で通信する機能を果たす電力計ユニット・アンテナを、水道メータ・ユニット23および/またはガス・メータ・ユニット25と共に含む。携帯電話タワー19から受信される問い合わせは、Mux1へ通信される。請求問い合わせに含まれるアドレス情報は、この問い合わせが電力計21、水道メータ・ユニット23、および/またはガス・メータ・ユニット25を意図したものかを決定するために、位置ROM内にプログラムされた情報と比較される。この問い合わせが電力計21、水道メータ・ユニット23、および/またはガス・メータ・ユニット25を意図したものである場合、マイクロプロセッサは水道/ガス・メータ・エンコーダへ信号を通信し、水道/ガス・メータ・エンコーダは、Mux2および電力計ユニット・アンテナを介して水道メータ・ユニット23およびガス・メータ・ユニット25へ信号を通信する。
【0027】
請求問い合わせの受信に応答して、水道メータ・ユニット23およびガス・メータ・ユニット25は、
図3および
図4に関連してさらに説明されるように、使用量情報を電力計ユニット21へ無線で通信する。この情報を受信すると、電力計ユニット21はこの情報をMux1へ通信し、そこで、データが検証されて携帯電話タワー19への再送信のためにMux3へ通信される。
【0028】
当業者には明らかであるように、電力計21は、異なる送信周波数および受信周波数を使用して、水道メータ・ユニット23およびガス・メータ・ユニット25と通信し得る。現在好適な実施形態において、7ビットのコードは、水道メータ・ユニットおよびガス・メータ・ユニットを個々にアドレス指定するために使用され、最初のビットがゼロ(0)である場合には水道メータ・ユニットが応答する。一方、最初のビットが1(1)である場合にはガス・メータ・ユニットが応答する。残りの6(6)ビットは、電力計の近くの64(64)個の併置された水道ユニットおよび64(64)個の併置されたガス・ユニットが問い合わせに応じることを可能にする。
【0029】
これも当業者には明らかであるように、水道ユニットおよびガス・ユニットは、異なるIDコードを有するようにプログラムされていても同様であり得る。現在好適な実施形態において、水道メータ・ユニット23およびガス・メータ・ユニット25における電力消費量は、携帯電話ICの受信器部分、流れ生成サイクル・カウンタ、およびデータ記憶レジスタのみが常に起動された状態にしておくことによって最小化される。呼が電力計ユニットから受信される場合(信号存在)、DC電力管理回路は、受信器チェーンを起動し、適当なIDコードが一致する場合に限り、ユニット全体を起動する。最大電力消費(最大バッテリ消耗)は送信時に(数ミリ秒)発生し、データ送信が終了すると元の状態に戻る。水道メータ23および/またはガス・メータ25と電力計21との間のデータ送信のための電力需要は典型的には制限される。なぜなら、電力計ユニット21は、典型的には水道メータ23およびガス・メータ25と同じ近接位置に存在するためである。ただし、電力計が、数マイル離れて存在し得る携帯電話タワーと通信する必要がある場合、電力計21の電力消費量はより大きくなる。
【0030】
図3Aは、水道メータ・ユニット23のデータ記憶および通信回路32を例示するブロック図である。
図3Bは、回路34Aに電力供給するために使用されるバッテリを再充電するための例示的な変換器回路34を例示するブロック図である。
図3Cは、回路32に電力供給するために使用されるバッテリを再充電するための代替変換器回路34Bである。
【0031】
図3Aに示されるように、データ・センタ11からの問い合わせは、電力計ユニット21へ転送され、次いで、水道メータ・ユニット23へ転送される。電力計21と水道メータ・ユニット23との間の通信は、低電力セルラ信号を介して、またはBluetooth(商標)もしくはWi-Fi(商標)などのローカル通信ネットワークを介して実施され得る。水道メータ・ユニット23によって受信される信号は、この信号が水道メータ・ユニット23、ガス・メータ・ユニット25、または何らかの他のユニットを意図したものかを示すアドレス情報を含む。アドレス情報は、水道メータ・ユニット23が問い合わせに応じるべきかを決定するために、インストール時に予めプログラム済みの記憶された識別情報と比較される。問い合わせが水道メータ・ユニット23を意図したものであると確認されると、水道メータ・ユニット23内に記憶された使用量情報は、データ・センタ11への通信のために、水道メータ・ユニット・アンテナへ通信され、電力計21へ送信される。
【0032】
上記のように、バッテリは回路32に電力供給するために使用され、時間と共に放電し得る。
図3Bは、回路32,34の継続した動作を可能にするためにバッテリ37を充電するための回路34を例示する。
【0033】
図3Bに示されるように、水道メータは、誘導的に測定され得るものであり、携帯電話ICを介して電力計21と通信され得る。変換器35は、メータMまたは関連する導管39を流れる水の中に延在し、これにより、この変換器は、メータMを通る水の流れに応じた電池充電信号を生成するようになっている。この充電信号は、バッテリを再充電するためにバッテリ充電回路へ通信される。結果として、データ記憶および通信回路32は、回路に電力を提供するバッテリを交換する必要なしに長期間にわたり動作し得る。
【0034】
変換器35,45のいくつかの例示的な実施形態に関する更なる詳細は、本出願と共通の譲受人に譲渡された米国特許第7,768,146号(ユーティリティ導管に関連した使用のための流れ生成器(Flow Generator for Use in Connection with a Utility Conduit))においてより詳細に示されており、この特許の内容は本願明細書に援用する。しかしながら、メータMを通る流体の流れまたはメータMの周囲の流体の流れから電気エネルギーを得るために他の代替的な形態の変換器が使用され得ることを理解されたい。
【0035】
図4Aは、ガス・メータ・ユニット25のデータ記憶および通信回路42を例示するブロック図である。
図4Bは、回路42,44に電力供給するために使用されるバッテリを再充電するための例示的な変換器回路44を例示するブロック図である。
【0036】
図4Aに示されるように、電力計ユニット21へ転送されたデータ・センタ11からの問い合わせは、次いで、ガス・メータ・ユニット25へ転送される。電力計21とガス・メータ・ユニット25との間の通信は、低電力セルラ信号を介して、またはBluetooth(商標)もしくはWi-Fi(商標)などのローカル通信ネットワークを介して実施され得る。ガス・メータ・ユニット25によって受信される信号は、この信号がガス・メータ・ユニット25、水道メータ・ユニット23、または何らかの他のユニットを意図したものかを示すアドレス情報を含む。アドレス情報は、ガス・メータ・ユニット25が問い合わせに応じるべきかを決定するために、インストール時に予めプログラム済みの記憶された識別情報と比較される。問い合わせがガス・メータ・ユニット25を意図したものであると確認されると、ガス・メータ・ユニット25内に記憶された使用量情報は、データ・センタ11への通信のために、ガス・メータ・ユニット・アンテナへ通信され、電力計21へ送信される。
【0037】
上記のように、バッテリは回路32に電力供給するために使用され、時間と共に充電され得る。
図4Bは、回路42の継続した動作を可能にするためバッテリを充電するための回路を例示する。
【0038】
図4Bに示されるように、水道メータMは、誘導的に測定され得るものであり、携帯電話ICを介して電力計21と通信され得る。変換器45は、メータMを通って流れる水の中に延在し、これにより、この変換器は、メータMまたは関連する導管49を通る水の流れに応じた電池充電信号を生成するようになっている。この充電信号は、バッテリを再充電するためにバッテリ充電回路へ通信される。結果として、回路42,44は、回路に電力を提供するバッテリを交換する必要なしに長期間にわたり動作し得る。
【0039】
図5および
図6は、本発明に従って実施または受信される通信において使用され得る例示的な信号フォーマットを示す。
図5は、公共事業会社によって、GPS座標によって識別されるメータおよびコロケーション(colocation)・コードによって識別されるメータへ送信されるクライアント位置IDワードのフォーマットを示す。
図6は、第1のメータ、例えば、電力計ユニットによって、水道メータ・ユニットおよび/またはガス・メータ・ユニットへ送信される水道メータIDコード・ワードまたはガス・メータIDコード・ワードを示す。
【0040】
図7は、電力計21の動作を規制するために使用される命令セットの一例を例示するフローチャートである。
図8は、水道メータ・ユニット23の動作を規制するために使用される命令セットの一例を例示するフローチャートであり、
図9は、ガス・メータ・ユニット25の動作を規制するために使用される命令セットの一例を例示するフローチャートである。
図7〜
図9において説明される工程のシーケンスは、
図2、
図3Aおよび
図4Aに例示されるような、電力計21、水道メータ・ユニット23、およびガス・メータ・ユニット25の構成要素に関連して説明される。当業者には明らかであるように、水道メータ・ユニット23の動作は、ガス・メータ・ユニット25の動作と実質的に同一である。
【0041】
本発明に関連付けられる利点は、下記を含む。
・メータ検針において使用される車両の調達の必要の除去。
・それらの車両のガソリン費用、メンテナンス費用、および保険費用の除去。
・それらの車両によって生成される、大気中への汚染物質排出の除去。
・現場でメータ検針する従業員、ならびに関連付けられる給与、保険および医療給付の必要の除去。
・天候条件に関わらず、携帯電話信号が到達可能な遠隔位置へアクセスするための能力。
・電話呼の費用は時間と共にほとんど増加しないため、比較的インフレーションが少ない固定費用。
・共通の電子機器を利用し、特別な部品または高技術部品を必要としない、低コストのユニット。
・(バッテリ充電のための)流量変換器は、関連付けられるメータについての使用量データも提供可能である。
・あるユーザについての電力消費量、水道消費量、およびガス消費量についての使用量データが、実質的に同時に取得され得る。
・1つの電話番号で数千のユーザ/アカウントにアクセス可能であり、番号の増殖を除去する。
・世界中でのシステム適用性およびスケーラビリティ。
【0042】
本発明に関連付けられるデータ記憶費用も非抑制的であることが期待される。公共事業会社または他のデータ収集サービス・プロバイダは、数10ドルで入手可能な数10ギガビットのメモリを有するサム(thumb)ドライブを購入することができ、PCモデム(カードまたは自立型)は今日では約100ドルで購入することができる。
【0043】
携帯電話チップおよびモデムは、今日では数ドルで大量に購入することができ、電力計ユニット、水道測定ユニットおよびガス測定ユニットにおける残りの電子部品は、大量でも数セントしかかからない。
【0044】
ユニットのインストール時には、その位置のGPS座標へアクセスできるラップトップ・コンピュータまたは他のデバイスが、位置IDコードをセットアップするために使用され得る。ラップトップ・コンピュータは、ユーザ間の距離が一定の最小値よりも大きい場合にのみ動作周波数が繰り返され得るように、動作周波数、すなわち、F3周波数およびF4周波数を選択するようにプログラムされ得る。
【0045】
電話番号の割り当ては、あるエリアまたはエリア・コード内の全てのクライアントによって同じ番号が使用されるようなものであってもよく、この電話番号もインストール時に電力計ユニット内にプログラムされる必要がある。
【0046】
上記説明および利点は例として与えられるものであり限定ではない。上記開示が与えられることで、当業者は、本明細書に開示される発明の範囲および思想内に存在する変形例を想到し得る。さらに、開示される実施形態の様々な特徴は、単独で使用されても、または互いに様々な組み合わせにおいて使用されてもよく、本明細書に開示される特定の組み合わせに限定されることを意図しない。したがって、特許請求の範囲は、例示される実施形態によって限定されない。
【国際調査報告】