特表2017-512963(P2017-512963A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-512963(P2017-512963A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】コンプレッサ用液体アキュムレータ
(51)【国際特許分類】
   F25B 43/00 20060101AFI20170421BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20170421BHJP
   F04C 29/12 20060101ALI20170421BHJP
   B23K 11/00 20060101ALI20170421BHJP
   B23K 11/14 20060101ALI20170421BHJP
   B23K 11/11 20060101ALI20170421BHJP
【FI】
   F25B43/00 D
   F04B39/00 101N
   F04C29/12 C
   B23K11/00 562
   B23K11/14
   B23K11/11 540
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-550507(P2016-550507)
(86)(22)【出願日】2014年6月30日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月3日
(86)【国際出願番号】CN2014081080
(87)【国際公開番号】WO2015158041
(87)【国際公開日】20151022
(31)【優先権主張番号】201410156929.3
(32)【優先日】2014年4月18日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516234074
【氏名又は名称】東莞市金瑞五金股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 金龍
【テーマコード(参考)】
3H003
3H129
4E065
【Fターム(参考)】
3H003AC03
3H003BA05
3H129AB03
3H129BB21
3H129BB31
3H129BB35
3H129BB47
3H129CC26
4E065EA00
(57)【要約】
本発明はコンプレッサ部品の技術分野に関し、特にコンプレッサ用液体アキュムレータに関する。該コンプレッサ用液体アキュムレータは液体アキュムレータハウジングを備え、前記液体アキュムレータハウジングは少なくとも2つのハウジングセグメントを抵抗溶接により溶接してなるものであり、ハウジングセグメントに溶接端が設けられ、隣接する2つのハウジングセグメントが前記溶接端により溶接され、前記液体アキュムレータハウジングの各構成部分同士の溶接端が抵抗溶接により溶接され、前記液体アキュムレータハウジングの隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端の間に抵抗溶接可能な溶接接続部が増設され、前記隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端のうち、少なくとも一方の溶接端と前記溶接接続部との接触面が前記隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端の接触面より小さい。本コンプレッサ用液体アキュムレータによれば、溶接の強固性を確保するとともに、溶接加工コストを効果的に節約し、溶接効率を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体アキュムレータハウジングを備え、前記液体アキュムレータハウジングは少なくとも2つのハウジングセグメントを抵抗溶接により溶接してなるものであり、ハウジングセグメントに溶接端が設けられ、隣接する2つのハウジングセグメントが前記溶接端により溶接され、前記液体アキュムレータハウジングの各構成部分同士の溶接端が抵抗溶接により溶接されるコンプレッサ用液体アキュムレータであって、前記液体アキュムレータハウジングの隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端の間に抵抗溶接可能な溶接接続部が増設され、前記隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端のうち、少なくとも一方の溶接端と前記溶接接続部との接触面が前記隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端の接触面より小さいことを特徴とするコンプレッサ用液体アキュムレータ。
【請求項2】
前記溶接接続部は横断面が円形の金属リングであり、前記金属リングの2つの端面が隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端にそれぞれ当接され、且つ前記溶接端に線接触することを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ用液体アキュムレータ。
【請求項3】
前記溶接接続部は隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端のうちの一方の溶接端に設置され、且つ他方の溶接端の方向へ突起する突起部であることを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ用液体アキュムレータ。
【請求項4】
前記突起部は前記液体アキュムレータの軸方向に環状又は破線環状の突起部であり、前記突起部の横断面輪郭が三角形状又は弓状であり、前記突起部が前記他方の溶接端に線接触又は点接触することを特徴とする請求項3に記載のコンプレッサ用液体アキュムレータ。
【請求項5】
隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端のそれぞれに前記液体アキュムレータハウジングの半径方向に環状フランジが外へ延在しており、前記溶接接続部は前記隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端のうちの一方の溶接端の環状フランジに設置され、かつ他方の溶接端の環状フランジの方向へ突起するパターンであることを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ用液体アキュムレータ。
【請求項6】
前記パターンは前記液体アキュムレータの軸方向に環状又は破線環状のパターンであり、前記パターンは一つ又は複数設置され、前記パターンの横断面輪郭は弧状又は尖角形状であり、前記パターンが前記他方の溶接端に線接触又は点接触することを特徴とする請求項5に記載のコンプレッサ用液体アキュムレータ。
【請求項7】
前記溶接接続部は隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端のうちの一方の溶接端に設置される傾斜部であり、前記傾斜部は他方の溶接端に対して傾斜し、前記他方の溶接端の外側又は内側に線接触することを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ用液体アキュムレータ。
【請求項8】
前記液体アキュムレータハウジングの隣接する2つの部分の溶接端のうち、一方の溶接端にストッパーが設置され、前記ストッパーは他方の溶接端の方向に向き、かつ前記他方の溶接端の内側壁に密着して延在し、それによりスパッタが液体アキュムレータ内に落ちることを回避することを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ用液体アキュムレータ。
【請求項9】
前記他方の溶接端に前記ストッパーの位置、形状に適合する係止部が設置され、溶接時、前記ストッパーが前記係止部に係止されることを特徴とする請求項8に記載のコンプレッサ用液体アキュムレータ。
【請求項10】
コンプレッサ用液体アキュムレータの内部に仕切板がさらに設置され、前記仕切板が円環状仕切板であり、前記仕切板の中央部に液体アキュムレータの排気管を挿通するための貫通孔が設置され、前記液体アキュムレータハウジングは中空の筒体、及び筒体の両端にそれぞれ接続される上蓋と下蓋を備え、上蓋に上蓋溶接端が設置され、筒体に筒体上溶接端と筒体下溶接端が設置され、下蓋に下蓋溶接端が設置され、筒体下溶接端と下蓋溶接端との間に前記溶接接続部と前記仕切板が設置され、筒体下溶接端と下蓋溶接端が突き合わせ溶接され、前記仕切板が筒体と下蓋との間に締め付けられることを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ用液体アキュムレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンプレッサ部品の技術分野に関し、特にコンプレッサ用液体アキュムレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエアコン装置では、コンプレッサは常に液体アキュムレータが接続されている。液体アキュムレータはコンプレッサの重要な部材であり、エアコンのエバポレータとコンプレッサの吸気管との間に接続して組み立てられ、貯蔵、気液分離、濾過、消音及び冷媒緩衝の作用を果たし、液体冷媒がコンプレッサに流入してリキッドハンマーを招くことを防止する保護部材である。液体アキュムレータは一般的にはハウジング、吸気管、排気管、濾過網等の部品から構成される。
【0003】
従来の液体アキュムレータのハウジングは一般的には金属材料からなり、軸線方向に沿う少なくとも2つの部分を溶接してなるものが多い。コンプレッサは運転時、軸方向に周期的に振動し、その最も弱い部分が溶接部位であり、また液体アキュムレータが全密閉式であり、冷媒や潤滑油の漏れを防止するために、液体アキュムレータに高い溶接品質が要求されるので、溶接部位の強度要求が厳しい。さもないと、コンプレッサの振動時、液体アキュムレータの溶接部位が割れやすくて漏れにつながる。
【0004】
本出願者は初期段階で公開番号がCN 102699504 Aの中国発明特許を出願し、「コンプレッサ用液体アキュムレータのはんだフリー製造方法」を開示しており、その技術的解決手段は「液体アキュムレータは筒状密閉容器及び筒状密閉容器に結合され筒状密閉容器の内部と連通する溶接管を備え、前記筒状密閉容器が鉄材料からなり、前記溶接管が銅メッキ材料又は銅材料からなり、前記筒状密閉容器自体の溶接及び筒状密閉容器と溶接管との溶接はいずれもはんだフリーの抵抗溶接により実現される。」を含み、該液体アキュムレータの筒状密閉容器は中空の筒体、及び筒体の両端にそれぞれ結合される上鏡板と下鏡板を備え、筒体、上鏡板及び下鏡板の溶接端にそれぞれフランジが設置され、対応するフランジを相互に突き合わせ接続し、且つはんだフリー抵抗溶接により固定し、筒体と上下鏡板との結合を実現する。
【0005】
抵抗溶接は工作物を組み合わせた後に電極により加圧し、電流がコネクタの接触面及び近接領域を流れて生じた抵抗熱により溶接を行う方法である。上記対比文献では、筒体、上鏡板及び下鏡板の溶接端に設置されるフランジは溶接の品質と強度をよりよく確保し、コンプレッサの振動時に溶接部位が割れて漏れを招くことを防止する一方、溶接加工に支障をもたらしてしまう。2つのフランジを溶融溶接するには溶接端面で十分な抵抗熱を発生させる必要があり、十分な抵抗熱を発生させる最も簡単な方法は溶接時間の延長又は溶接時の印加電流の増加であるが、溶接時間の延長によって溶接加工効率を大幅に損なってしまい、また溶接電流の増加によって電力消費量の増加に直接つながり、それにより加工コストが増加してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術の上記欠陥を回避するために、溶接コストを増加することなく、溶接効率を効果的に向上させるとともに、溶接の強固性を確保できるコンプレッサ用液体アキュムレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は以下の技術的解決手段により実現される。
【0008】
コンプレッサ用液体アキュムレータを提供し、液体アキュムレータハウジングを備え、前記液体アキュムレータハウジングは少なくとも2つのハウジングセグメントを抵抗溶接により溶接してなるものであり、ハウジングセグメントに溶接端が設けられ、隣接する2つのハウジングセグメントが前記溶接端により溶接され、前記液体アキュムレータハウジングの各構成部分同士の溶接端が抵抗溶接により溶接され、前記液体アキュムレータハウジングの隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端の間に抵抗溶接可能な溶接接続部が増設され、前記隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端のうち、少なくとも一方の溶接端と前記溶接接続部との接触面が前記隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端の接触面より小さい。
【0009】
前記溶接接続部は横断面が円形の金属リングであり、前記金属リングの2つの端面が隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端にそれぞれ当接され、且つ前記溶接端に線接触する。
【0010】
前記溶接接続部は隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端のうちの一方の溶接端に設置され、且つ他方の溶接端の方向へ突起する突起部である。
【0011】
前記突起部は前記液体アキュムレータの軸方向に環状又は破線環状の突起部であり、横断面輪郭が三角形状又は弓状であり、前記突起部が前記他方の溶接端に線接触又は点接触する。
【0012】
隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端のそれぞれに前記液体アキュムレータハウジングの半径方向に環状フランジが外へ延在しており、前記溶接接続部は前記隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端のうちの一方の溶接端の環状フランジに設置され、かつ他方の溶接端の環状フランジの方向へ突起するパターンである。
【0013】
前記パターンは前記液体アキュムレータの軸方向に環状又は破線環状のパターンであり、一つ又は複数設置され、横断面輪郭が弧状又は尖角形状であり、前記パターンが前記他方の溶接端に線接触又は点接触する。
【0014】
前記溶接接続部は隣接する2つのハウジングセグメントの溶接端のうちの一方の溶接端に設置される傾斜部であり、前記傾斜部は他方の溶接端に対して傾斜し、前記他方の溶接端の外側又は内側に線接触する。
【0015】
前記液体アキュムレータハウジングの隣接する2つの部分の溶接端のうち、一方の溶接端にストッパーが設置され、前記ストッパーは他方の溶接端の方向に向き、前記他方の溶接端の内側壁に密着して延在し、それによりスパッタが液体アキュムレータ内に落ちることを回避する。
【0016】
前記他方の溶接端に前記ストッパーの位置、形状に適合する係止部が設置され、溶接時、前記ストッパーが前記係止部に係止される。
【0017】
前記コンプレッサ用液体アキュムレータの内部に仕切板がさらに設置され、前記仕切板が円環状仕切板であり、前記仕切板の中央部に液体アキュムレータの排気管を挿通するための貫通孔が設置され、前記液体アキュムレータハウジングは中空の筒体、及び筒体の両端にそれぞれ接続される上蓋と下蓋を備え、上蓋に上蓋溶接端が設置され、筒体に筒体上溶接端と筒体下溶接端が設置され、下蓋に下蓋溶接端が設置され、筒体下溶接端と下蓋溶接端との間に前記溶接接続部と前記仕切板が設置され、筒体下溶接端と下蓋溶接端が突き合わせ溶接され、前記仕切板が筒体と下蓋との間に締め付けられる。
【0018】
本発明の有益な効果について、抵抗溶接時に生じた抵抗熱は公式がQ=IRTのジュールの法則に基づき算出可能である。ジュールの法則の公式からわかるように、抵抗溶接により筒体、上鏡板及び下鏡板を溶融溶接する際に、フランジで生じた熱は電流の二乗に比例し、フランジの抵抗に比例し、通電時間に比例する。実際の加工生産時、液体アキュムレータの材料を設定すると、抵抗溶接時の所要の熱も決まるので、溶接入力電流の増加も溶接時間の延長もせずに、所要の溶接熱を迅速に実現するための最も直接的な方法は溶接部位の接触抵抗を増加することである。抵抗の算式R=ρl/s(ρが抵抗率、lが抵抗の長さ、sが横断面積である)によれば、液体アキュムレータの材料を設定すると、ρが固定するので、抵抗を増加するためにl/sの値を大きくすることとなる。
【0019】
本発明のコンプレッサ用液体アキュムレータによれば、該コンプレッサ用液体アキュムレータの液体アキュムレータハウジングは上下方向に少なくとも2つの部分を抵抗溶接により突き合わせ溶接してなり、前記液体アキュムレータハウジングの隣接する2つの部分の溶接端の間に抵抗溶接可能な溶接接続部が増設されることにより、前記隣接する2つの部分の溶接端のうち、一方の溶接端と前記溶接接続部との接触面積が元の液体アキュムレータハウジングの隣接する2つの部分の溶接端の溶接接触面積より小さい。突き合わせ溶接過程で、隣接する2つの部分の溶接端同士が溶接接続部により接触溶接され、それにより溶接接触面積を減少させ、溶接端間の抵抗を増加させ、それにより溶接入力電流の増加も溶接時間の延長もせずに溶接端で所要の溶接熱を迅速に発生させ、溶接端を溶融させ、溶接の強固性を確保するとともに、加工コストを節約するだけでなく、生産効率を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図面を参照しながら発明を更に説明する。なお、図面に示される実施例は本発明を限定するものではなく、当業者は、創造的な努力をせずに以下の図面に基づきほかの図面を得ることができる。
図1図1は本発明の実施例1の構成模式図である。
図2図2は本発明の実施例2の構成模式図である。
図3図3は本発明の実施例3の構成模式図である。
図4図4は本発明の実施例4の構成模式図である。
図5図5は本発明の実施例5の構成模式図である。
図6図6は本発明の実施例6の構成模式図である。
図7図7は本発明の実施例7の構成模式図である。
図8図8は本発明の実施例8の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施例を参照して本発明を更に説明する。
【0022】
<実施例1>
本発明に係るコンプレッサ用液体アキュムレータの実施の形態1は、図1に示すように、液体アキュムレータハウジングを備え、前記液体アキュムレータハウジングは中空の筒体2、及び筒体2の両端にそれぞれ接続される上蓋1と下蓋3を備え、上蓋1、筒体2及び下蓋3を抵抗溶接により溶接して前記液体アキュムレータハウジングを構成する。上蓋1に上蓋溶接端10が設置され、筒体2に筒体上溶接端20と筒体下溶接端21が設置され、下蓋3に下蓋溶接端30が設置される。
【0023】
従来技術では、上蓋溶接端10と筒体上溶接端20を抵抗溶接により直接突き合わせ溶接して上蓋1と筒体2を接続し、筒体下溶接端21と下蓋溶接端30を抵抗溶接により突き合わせ溶接して筒体2と下蓋3を接続する。しかし、このようにして、上蓋溶接端10と筒体上溶接端20との接触面積及び筒体下溶接端21と下蓋溶接端30との接触面積が大きいため、抵抗溶接時、溶接端の抵抗が小さく、発熱が遅い。
【0024】
本発明は、図1に示すように、上蓋溶接端10に突起部4が設置され、該突起部4が上蓋溶接端10ではなく、筒体上溶接端20に設置されてもよい。同様に、筒体下溶接端21にも突起部4が設置され、同様に、この突起部4が筒体下溶接端21ではなく、下蓋溶接端30に設置されてもよい。
【0025】
抵抗溶接時、上蓋溶接端10における突起部4が筒体上溶接端20に線接触し、同様に、筒体下溶接端21における突起部4が下蓋溶接端30に線接触し、それにより各構造部分同士の溶接時の接触面積を大幅に減少させ、抵抗溶接時の溶接抵抗を大幅に増加させ、突起部4で十分な抵抗熱を迅速に発生させ、突起部4を溶融させ、迅速な溶接を実現する。また、入力電流の増加も溶接時間の延長も不要であり、加工コストを節約するだけでなく、生産加工効率を大幅に向上させる。
【0026】
液体アキュムレータの軸方向に観察すると、突起部4は溶接端に沿って完全に設置される環状突起部であってもよく、不連続な破線環状突起部であってもよい。
【0027】
突起部4の横断面輪郭は三角形状であってもよく、弓状であってもよく、図1に示すように、突起部4と溶接端が線接触又は点接触することを確保する。
【0028】
コンプレッサは運転時、振動が発生してコンプレッサ用液体アキュムレータに伝達され、時間の経過とともにコンプレッサ用液体アキュムレータの溶接部位に悪影響を与え、上蓋1、筒体2及び下蓋3の溶接強度が低下してしまう。本コンプレッサ用液体アキュムレータの優れた溶接強固性を維持するために、コンプレッサ用液体アキュムレータの内部の下方に所定の重量の仕切板8が設置されてもよく、それによりコンプレッサ用液体アキュムレータの中心を下げ、コンプレッサ用液体アキュムレータがさらに安定し、それによりコンプレッサの振動時の揺れを軽減させ、上蓋1、筒体2及び下蓋3の溶接強度の耐久性が高くなる。仕切板8は円環状仕切板であり、中央部に液体アキュムレータの排気管を挿通するための貫通孔が設置され、図1に示すように、固定を容易にするために、仕切板8を筒体下溶接端21と下蓋溶接端30との間に挟持してもよく、筒体下溶接端21と下蓋溶接端30が抵抗溶接により突き合わせ溶接されると、仕切板8とともに筒体2と下蓋3との間に締め付けられる。
【0029】
<実施例2>
本発明に係るコンプレッサ用液体アキュムレータの実施の形態2は、図2に示すように、主な技術的解決手段が実施例1と同様であり、本実施例で解釈されていない特徴について、実施例1の説明を参照し、ここで重複説明を省略する。本実施例と実施例1との相違点について、筒体上溶接端20と筒体下溶接端21に筒体の半径方向に環状フランジ5が外へ延在しており、突起部4がそれぞれ上蓋溶接端10と下蓋溶接端30に設置される。勿論、隣接する2つの溶接端のうち、環状フランジ5は筒体上溶接端20ではなく、上蓋溶接端10に設置されてもよい。同様に、筒体下溶接端21及び下蓋溶接端30のうち、環状フランジ5は下蓋溶接端30に設置されてもよい。本実施例のコンプレッサ用液体アキュムレータは仕切板8が設置されていない。
【0030】
図2に示すように、スパッタが液体アキュムレータ内に落ちることを防止するために、筒体上溶接端20の環状フランジ5にストッパー51が設置され、ストッパー51は上蓋溶接端10の方向に向き、上蓋1の内側壁に密着して延在して突起し、それにより溶接端を覆う。同様に、筒体下溶接端21の環状フランジ5に同一構造のストッパー51が設置され、溶接端の抵抗溶接時、スパッタがコンプレッサ用液体アキュムレータに落ちることを効果的に防止し、ストッパー51はさらに位置決め機能を有し、上蓋1、下蓋3及び筒体2の組み立て位置を位置決めする。
【0031】
<実施例3>
本発明に係るコンプレッサ用液体アキュムレータの実施の形態3は、図3に示すように、主な技術的解決手段が実施例1と同様であり、本実施例で解釈されていない特徴について、実施例1の説明を参照し、ここで重複説明を省略する。本実施例と実施例1との相違点について、上蓋溶接端10、筒体上溶接端20、筒体下溶接端21及び下蓋溶接端30のそれぞれに液体アキュムレータハウジングの半径方向に環状フランジ5が外へ延在しており、上蓋溶接端10の環状フランジ5にパターン50が設置され、該パターン50は具体的には筒体上溶接端20の環状フランジ5の方向へ突起するパターンであり、また、該パターン50は筒体上溶接端20の環状フランジ5に設置され、それに応じてその方向が上蓋溶接端10の環状フランジ5に向くようにしてもよい。同様に、筒体下溶接端21の環状フランジ5に同一のパターン50が設置され、このパターン50が下蓋溶接端30へ突起する。
【0032】
該パターン50は一つ又は複数であってもよく横断面が弧状又は尖角形状であってもよく、図3に示すように、パターン50と溶接端が線接触又は点接触することを確保する。
【0033】
パターン50が設置されることにより、溶接時の接触面積を減少させ、すなわち抵抗の算式R=ρl/sのsを小さくし、液体アキュムレータハウジングの各構成部分の溶接端に環状フランジ5が外へ延在しており、且つパターン50が環状フランジ5に設置されることにより、実際の溶接端の有効長さを増加させ、すなわち抵抗の算式R=ρl/sのlを大きくし、最終的にl/sの値を大きくし、溶接端の抵抗値を増加させ、迅速な加熱を実現する。
【0034】
溶接端の間にパターン50が増設され、溶接端の間に隙間が形成され、溶接時、スパッタがこの隙間から液体アキュムレータ内に落ちる可能性があり、スパッタが液体アキュムレータに落ちることを防止するために、図3に示すように、上蓋溶接端10の環状フランジ5にストッパー51が設置され、ストッパー51が筒体上溶接端20の環状フランジ5の方向に向き、筒体2の内側壁に密着して延在し、それにより前記隙間を覆う。同様に、図3に示すように、筒体下溶接端21の環状フランジ5に同一のストッパー51が設置され、更に、下蓋溶接端30の環状フランジ5に前記ストッパー51の位置、形状に適合する係止部52が設置され、溶接時、ストッパー51が係止部52に係止され、それにより各構成部分の位置決めが容易になる。
【0035】
<実施例4>
本発明に係るコンプレッサ用液体アキュムレータの実施の形態4は、図4に示すように、液体アキュムレータハウジングを備え、前記液体アキュムレータハウジングは中空の筒体2、及び筒体2の両端にそれぞれ接続される上蓋1と下蓋3を備え、上蓋1、筒体2及び下蓋3を抵抗溶接により溶接して前記液体アキュムレータハウジングを構成する。上蓋1に上蓋溶接端10が設置され、筒体2に筒体上溶接端20と筒体下溶接端21が設置され、下蓋3に下蓋溶接端30が設置される。
【0036】
筒体上溶接端20に傾斜部7が設置され、傾斜部7は具体的には筒体上溶接端20に沿って設置される環状の傾斜壁面であり、上蓋溶接端10に対して傾斜し、前記傾斜部7は上蓋1の内部へ傾斜してもよく、この時、上蓋溶接端10の内側辺が傾斜部7の斜面に線接触する。傾斜部7は上蓋1の外部へ傾斜してもよく、この時、上蓋溶接端10の外側辺が傾斜部7の斜面に線接触する。好適には、傾斜部7が上蓋1の内部へ傾斜する。勿論、該傾斜部7は上蓋溶接端10に設置されてもよい。同様に、下蓋溶接端30にも傾斜部7が設置されてもよい。
【0037】
抵抗溶接時、筒体上溶接端20における傾斜部7の斜面が上蓋溶接端10の内側辺に線接触して溶接されることにより、溶接時の接触面積を大幅に減少させ、抵抗溶接時の溶接抵抗を大幅に増加させ、それにより傾斜部7と上蓋溶接端10との接触部位で十分な抵抗熱を迅速に発生させ、溶融させて溶接し、迅速な溶接を実現し、生産加工効率を大幅に向上させる。同様に、下蓋溶接端30における傾斜部7が筒体下溶接端21の内側辺に線接触して抵抗溶接する。
【0038】
図4に示すように、同様に、抵抗溶接時、スパッタが液体アキュムレータ内に入ることを防止するために、筒体上溶接端20の傾斜部7の端部にストッパー51が上蓋溶接端10の方向へ延在しており、ストッパー51は具体的には傾斜部7の頂端に沿って設置される環状壁であり、該環状壁の外側面が上蓋1の内側壁に密着する。同様に、下蓋溶接端30の傾斜部7に同一のストッパー51が設置される。
【0039】
<実施例5>
本発明に係るコンプレッサ用液体アキュムレータの実施の形態5は、図5に示すように、本実施例の主な技術的解決手段が実施例4と同様であり、本実施例で解釈されていない特徴について、実施例4の説明を参照し、ここで重複説明を省略する。本実施例と実施例4との相違点について、図5に示すように、2つの傾斜部7がそれぞれ筒体上溶接端20と筒体下溶接端21に設置され、筒体2に設置される傾斜部7は、外形上、筒体2の外壁に沿って設置される環状の傾斜状突起であり、該2つの傾斜部7がそれぞれ上蓋溶接端10及び下蓋溶接端30の内側辺に線接触して嵌合する。
【0040】
<実施例6>
本発明に係るコンプレッサ用液体アキュムレータの実施の形態6は、図6に示すように、本実施例の主な技術的解決手段が実施例5と同様であり、本実施例で解釈されていない特徴について、実施例5の説明を参照し、ここで重複説明を省略する。本実施例と実施例5との相違点について、図6に示すように、2つの傾斜部7がそれぞれ筒体上溶接端20と下蓋溶接端30に設置され、該2つの傾斜部7がそれぞれ上蓋溶接端10及び筒体下溶接端21の内側辺に線接触して嵌合する。
【0041】
<実施例7>
本発明に係るコンプレッサ用液体アキュムレータの実施の形態7は、図7に示すように、液体アキュムレータハウジングを備え、前記液体アキュムレータハウジングは上蓋1及び下蓋3を備え、上蓋1に上蓋溶接端10が設置され、上蓋1と下蓋3を抵抗溶接により溶接して前記液体アキュムレータハウジングを構成し、下蓋3に下蓋溶接端30が設置され、上蓋溶接端10と下蓋溶接端30を抵抗溶接により突き合わせ溶接して上蓋1と下蓋3を接続する。
【0042】
図7に示すように、上蓋溶接端10と下蓋溶接端30との間に溶接接続部が設置され、前記溶接接続部は抵抗溶接により上蓋溶接端10と下蓋溶接端30を接続することができ、具体的には、前記溶接接続部は横断面が円形の金属リング6であり、好適には、該金属リング6の成分はFe、Cu及びAgを含む。さらに好適には、Fe、Cu及びAgの含有量は質量百分率でFeが59%〜60%、Cuが39%〜40%、Agが0%〜2%である。
【0043】
<実施例8>
本発明に係るコンプレッサ用液体アキュムレータの実施の形態8は、図8に示すように、本実施例の主な技術的解決手段が実施例7と同様であり、本実施例で解釈されていない特徴について、実施例7の説明を参照し、ここで重複説明を省略する。本実施例と実施例7との相違点について、上蓋溶接端10と下蓋溶接端30に液体アキュムレータハウジングの半径方向に環状フランジ5が外へ延在しており、金属リング6が上蓋溶接端10と下蓋溶接端30の環状フランジ5の間に設置される。
【0044】
なお、上記実施例は本発明の技術的解決手段を説明するものであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。好ましい実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、本発明の技術的解決手段の趣旨及び範囲を逸脱せずに本発明の技術的解決手段に対して変更や同等置換を行うことができると理解できるだろう。
【符号の説明】
【0045】
1−上蓋、
10−上蓋溶接端、
2−筒体、
20−筒体上溶接端、
21−筒体下溶接端、
3−下蓋、
30−下蓋溶接端、
4−突起部、
5−環状フランジ、
50−パターン、
51−ストッパー、
52−係止部、
6−金属リング、
7−傾斜部、
8−仕切板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】