特表2017-512977(P2017-512977A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-512977(P2017-512977A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】センサ構成
(51)【国際特許分類】
   G01V 11/00 20060101AFI20170421BHJP
   G01S 17/87 20060101ALI20170421BHJP
   G01S 13/86 20060101ALI20170421BHJP
   G01S 15/87 20060101ALI20170421BHJP
   G01V 8/12 20060101ALI20170421BHJP
【FI】
   G01V11/00
   G01S17/87
   G01S13/86
   G01S15/87
   G01V9/04 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-546922(P2016-546922)
(86)(22)【出願日】2015年1月19日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月30日
(86)【国際出願番号】US2015011896
(87)【国際公開番号】WO2015109277
(87)【国際公開日】20150723
(31)【優先権主張番号】61/928,535
(32)【優先日】2014年1月17日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
(71)【出願人】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】特許業務法人小倉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェゲリン,ジャクソン,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ライトナー,ブラッドリー,リー
(72)【発明者】
【氏名】ブロック,マーク,アダム
【テーマコード(参考)】
2G105
5J070
5J083
5J084
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB02
2G105BB16
2G105BB17
2G105CC01
2G105CC04
2G105DD02
2G105EE02
2G105HH01
2G105HH04
5J070AA04
5J070AB01
5J070AC02
5J070AE09
5J070AH31
5J070AJ13
5J070AK13
5J070BD08
5J083AB12
5J083AB14
5J083AD04
5J083AE08
5J083AF01
5J083AG05
5J083BA01
5J083EC19
5J084AA02
5J084AA05
5J084AB07
5J084AD01
5J084BA02
5J084BA20
5J084BA36
5J084CA03
5J084CA31
5J084CA70
5J084EA29
(57)【要約】
人間などの物体を検出するための1つ以上の技術及び/又はシステムを提供する。例えば,センシングシステムは,センサ配列を備えることができる。センサ配列は,パッシブセンサとアクティブセンサとを含むことができる。アクティブセンサは,パッシブセンサによって起動されるまでは,スリープ状態(例えば,相対的に低い電力状態)に設定することができる。例えば,物体の存在(例えば,病室に進入しつつある看護師)を検出したことに応じて,物体検出データ(例えば,看護師の衛生機会を示唆するもの)を生成するために,検出ゾーン内で物体の動き及び/又は距離を検出するため,パッシブセンサは,アクティブセンサをスリープ状態からアクティブ状態に起動させることができる。アクティブセンサは,検出タイムアウト,及び/又は物体が検出ゾーンを離れたという判定に応じて,アクティブ状態からスリープ状態に遷移することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を検出するためのセンシングシステムであって,
第1のセンサ配列を備え,該第1のセンサ配列は,
第1のパッシブセンサであって,
物体の存在を検出したことに応じて,第1のアクティブセンサに起動信号を送信するように構成された第1のパッシブセンサと,
前記第1のアクティブセンサであって,
前記第1のパッシブセンサから前記起動信号を受信したことに応じて,スリープ状態からアクティブ状態に遷移し,
前記アクティブ状態にある間に,
物体検出データを生成するために,第1の検出ゾーン内で前記物体の動き又は距離の少なくとも一方を検出し,
検出タイムアウト,又は前記物体が前記第1の検出ゾーンを離れたという判定,の少なくとも一方に応じて,前記アクティブ状態から前記スリープ状態に遷移するように構成された第1のアクティブセンサと
を含むセンシングシステム。
【請求項2】
前記第1のパッシブセンサ及び前記第1のアクティブセンサは,センサ筐体内に含まれる請求項1記載のセンシングシステム。
【請求項3】
前記第1のパッシブセンサは,第1のセンサ筐体内に含まれ,前記第1のアクティブセンサは,第2のセンサ筐体内に含まれる請求項1記載のセンシングシステム。
【請求項4】
前記第1のパッシブセンサは,前記起動信号をRF信号として,前記第1のアクティブセンサに送信するように構成される請求項1記載のセンシングシステム。
【請求項5】
前記第1のセンサ配列は,
前記物体検出データに基づいて,衛生機会を識別すること,又は,
人間による領域への進入,もしくは領域からの退去を識別すること,
のうちの少なくとも一方を実行するように構成される請求項1記載のセンシングシステム。
【請求項6】
前記第1のセンサ配列は,
前記物体検出データをデータ記憶装置に保存すること,
通信ネットワークを介して前記物体検出データを伝送すること,
前記物体検出データをRF信号として伝送すること,又は,
指示器をアクティブにすること,
のうちの少なくとも1つを実行するように構成される請求項1記載のセンシングシステム。
【請求項7】
前記第1のアクティブセンサは,
非検出距離測定基準の第1セットに基づいて規定された非検出ゾーンを無視するように構成される請求項1記載のセンシングシステム。
【請求項8】
前記非検出ゾーンは,患者ベッドゾーンを含む請求項7記載のセンシングシステム。
【請求項9】
前記第1のアクティブセンサは,
検出距離測定基準の第1セットに基づいて,前記第1の検出ゾーンを規定するように構成される請求項1記載のセンシングシステム。
【請求項10】
前記第1の検出ゾーンは,ベッドサイドゾーン,出入口ゾーン,衛生ゾーン,又は衛生機会ゾーンのうちの少なくとも1つを含む請求項9記載のセンシングシステム。
【請求項11】
前記第1のアクティブセンサは,
検出距離測定基準の第2セットに基づいて,第2の検出ゾーンを規定するように構成される請求項1記載のセンシングシステム。
【請求項12】
前記第1の検出ゾーンは,ベッドの第1のベッドサイドゾーンに相当し,前記第2の検出ゾーンは,前記ベッドの第2のベッドサイドゾーンに相当し,非検出ゾーンは,患者ベッドゾーンに相当する請求項11記載のセンシングシステム。
【請求項13】
前記第1のセンサ配列は,
第2のアクティブセンサを含み,該第2のアクティブセンサは,
前記第1のパッシブセンサから第2の起動信号を受信したことに応じて,
第2のスリープ状態から第2のアクティブ状態に遷移し,
前記第2のアクティブ状態にある間に,
第2の物体検出データを生成するために,第2の検出ゾーン内で前記物体の第2の動き又は第2の距離のうちの少なくとも一方を検出し,
第2の検出タイムアウト,又は前記物体が前記第2の検出ゾーンを離れたという第2の判定,の少なくとも一方に応じて,前記第2のアクティブ状態から前記第2のスリープ状態に遷移するように構成される請求項1記載のセンシングシステム。
【請求項14】
前記第1のアクティブセンサと前記第2のアクティブセンサは,前記物体がエリアに進入しつつある,又はエリアを離れつつあるかどうか判断するために,前記物体を順次検出するように構成される請求項13記載のセンシングシステム。
【請求項15】
前記第1のセンサ配列は,入退路を横切るように照準が合わせられる請求項1記載のセンシングシステム。
【請求項16】
前記第1のセンサ配列は,入退路に向けて照準が合わせられる請求項1記載のセンシングシステム。
【請求項17】
前記第1のセンサ配列は,バッテリによって給電される請求項1記載のセンシングシステム。
【請求項18】
物体を検出するための方法であって,
第1のパッシブセンサを起動することであって,
物体の存在を検出したことに応じて,第1のアクティブセンサに起動信号を送信する,ための第1のパッシブセンサを起動することと,
第1のアクティブセンサを起動することであって,
前記第1のパッシブセンサから前記起動信号を受信したことに応じて,スリープ状態からアクティブ状態に遷移し,
前記アクティブ状態にある間に,
物体検出データを生成するために,第1の検出ゾーン内で前記物体の動き又は距離の少なくとも一方を検出し,
検出タイムアウト,又は前記物体が前記第1の検出ゾーンを離れたという判定,の少なくとも一方に応じて,前記アクティブ状態から前記スリープ状態に遷移するための第1のアクティブセンサを起動することとを含む方法。
【請求項19】
前記物体検出データに基づいて,衛生機会を識別することを含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
物体を検出するためのセンシングシステムであって,
第1のアクティブセンサを備え,該第1のアクティブセンサは,
スリープ状態からアクティブ状態に遷移し,
前記アクティブ状態にある間に,
前記物体の衛生機会を示唆する物体検出データを生成するために,検出距離測定基準の第1セットに基づいて規定される第1の検出ゾーン内で,前記物体の動き又は距離の少なくとも一方を検出し,
非検出距離測定基準のセットに基づいて規定される非検出ゾーンを無視し,
検出タイムアウト,又は前記物体が前記第1の検出ゾーンを離れたという判定,の少なくとも一方に応じて,前記アクティブ状態から前記スリープ状態に遷移するように構成されるシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願
本出願は,「SENSOR CONFIGURATION(センサ構成)」という名称で2014年1月17日に出願された米国仮特許出願第61/928,535号の優先権を主張するものであり,この文献は,参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本出願は,広くは,人間などの物体を検出するためのセンシングシステムに関する。例えば,本出願は,医療従事者の衛生機会を識別するために,医療従事者などの物体を検出するための方法及び/又はシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
病院,工場,レストラン,住宅など,多くの場所で,様々な衛生管理対策及び/又は疾病管理対策を実施することがある。例えば,病院では,手術室に対して85%の衛生遵守基準を設定することができる。衛生機会は,手指消毒剤の使用又は手洗いのような衛生事象を,個人が実行するべき状況又は計画に相当し得る。衛生機会の遵守によって,現在の衛生水準は向上し得る一方,不遵守によって,現在の衛生水準は低下し得る。衛生を監視する一例では,ディスペンサシステムから消費又は注出されたソープ,ローション,消毒剤などの物質の量を測定することによって,衛生ディスペンサを監視することができる。しかしながら,衛生ディスペンサの使用がより多いことが,衛生の向上に直接相関していないことがある(例えば,医療従事者は,手術室で高感染リスク患者に触れた後のような感染リスクが比較的高い状況ではなく,感染リスクが比較的低い状況で,衛生ディスペンサを不用意に使用することがある)。
【発明の概要】
【0004】
本概要は,以下の詳細な説明でさらに記載されるコンセプトの抜粋を簡略化した形で紹介するために提供される。本概要は,特許請求の対象の主要な要素又は本質的な特徴を明らかにするものではなく,また,特許請求の対象範囲を限定するために用いられるものでもない。
【0005】
特に,物体を検出するための1つ以上のシステム及び/又は技術について,本明細書で提示する。一例では,センシングシステムは,センサ配列を備える。センサ配列は,パッシブセンサとアクティブセンサとを含む。パッシブセンサは,物体の存在を検出するように構成することができる。例えば,パッシブセンサは,病室内に進入する看護師を,看護師の体温による看護師からの赤外線放射に基づいて検出することができる(例えば,パッシブセンサは,周囲温度からの温度変化を検出することができ,これにより,その温度変化が差異閾値を超えている場合は,パッシブセンサは,物体が存在すると判定することができる)。パッシブセンサは,比較的低い消費電力を用いて作動することができる(例えば,パッシブセンサは,バッテリを用いて作動することができる)。パッシブセンサは,比較的不正確であり得るため,パッシブセンサは,パッシブセンサで物体の存在を検出したことに応じて,アクティブセンサに起動信号を送信するように構成することができる。アクティブセンサは,パッシブセンサよりも相対的に正確であり得るため,物体の動き及び/又は距離を測定するために,アクティブセンサを起動させる。センサ配列は,1つ以上のパッシブセンサと1つ以上のアクティブセンサとを含むことができる。一例では,センサ配列は,複数のアクティブセンサを起動させるように構成されたパッシブセンサを含むことができる。他の例では,センサ配列は,1つのアクティブセンサを起動させるように構成された複数のパッシブセンサを含むことができる。他の例では,センサ配列は,複数のアクティブセンサを起動させるように構成された複数のパッシブセンサを含むことができる。
【0006】
アクティブセンサの作動は,相対的に大きな電力量を使用し得るので,アクティブセンサは,パッシブセンサによって起動されるまでは,スリープ状態(例えば,相対的に低い電力状態)にあるように構成することができる。例えば,アクティブセンサは,パッシブセンサから起動信号を受信したことに応じて,スリープ状態からアクティブ状態に遷移することができる。アクティブセンサは,アクティブ状態にある間は,物体検出データを生成するために,第1の検出ゾーン内で物体の動き及び/又は距離を検出することができる。例えば,エミッタで,1つ以上の信号(例えば,光子,光パルス,平行ビーム,三角ビーム,超音波,RF信号,赤外線など)を放出することができ,これは,物体で反射されることができ,そして受信機(例えば,フォトダイオード,フォトダイオードアレイ,飛行時間型測定装置など)で検出される。アクティブセンサは,飛行時間型装置(例えば,超音波信号のような第1の信号とRF信号のような第2の信号との間の到達時間差に基づいて飛行時間を測定する装置),カメラ装置,赤外線装置,レーダ装置,音響装置,などのような任意のセンシング装置を含み得るものと理解できる。一例では,距離測定基準(metric)に基づいて,1つ以上の検出ゾーン(例えば,監視対象となる,患者ベッドゾーンの左側の左ベッドサイドゾーン,及び患者ベッドゾーンの右側の右ベッドサイドゾーン)を規定することができ,並びに/又は1つ以上の非検出ゾーン(例えば,監視対象とならない,患者ベッドゾーン)を規定することができる。検出タイムアウト(例えば,10秒),及び/又は物体が第1の検出ゾーンを離れた(例えば,看護師は,左ベッドサイドから離れたかもしれない)という判定に応じて,アクティブセンサは,アクティブ状態からスリープ状態に遷移することができる。このようにして,センサ配列は,パッシブセンサによって起動されるまではアクティブセンサがスリープ状態にあることで,相対的に低い電力状態で作動しつつ,(例えば,患者に接した後の看護師の手洗いの機会のような,衛生機会を示唆する)物体の正確な検出を提供することができる。
【0007】
上記及び関連する目的を達成するため,以下の説明及び添付の図面で,いくつかの例示的な態様及び実施について記載する。これらは,1つ以上の態様を採用することができる様々な方法を示すものであるが,ただし,そのうちのほんのいくつかにすぎない。本開示の他の態様,効果,及び新規の特徴は,添付の図面を併用して考察される以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】物体を検出する例示的な方法を示すフロー図である。
図2A】第1のセンサ配列を備えた例示的なセンシングシステムを示す構成ブロック図である。
図2B】第1のセンサ配列の第1のアクティブセンサがアクティブ状態からスリープ状態に遷移する一例を示す図である。
図3A】物体を検出するための例示的なセンシングシステムを示す構成ブロック図である。
図3B】物体を検出するための例示的なセンシングシステムを示す構成ブロック図である。
図3C】物体を検出するための例示的なセンシングシステムを示す構成ブロック図である。
図3D】物体を検出するための例示的なセンシングシステムを示す構成ブロック図である。
図3E】物体を検出するための例示的なセンシングシステムを示す構成ブロック図である。
図3F】物体を検出するための例示的なセンシングシステムを示す構成ブロック図である。
図4】患者の病室内に構成されたセンシングシステムの一例を示す図である。
図5】患者の病室内に構成されたセンシングシステムの一例を示す図である。
図6A】患者の病室内に構成されたセンシングシステムの一例を示す図である。
図6B】物体を検出するために,第1のセンサ配列のパッシブセンサが第1のセンサ配列のアクティブセンサを起動させる一例を示す図である。
図7A】患者の病室内に構成されたセンシングシステムの一例を示す図である。
図7B】物体を検出するために,第1のセンサ配列のパッシブセンサが第1のセンサ配列のアクティブセンサを起動させる一例を示す図である。
図8A】複数のセンサ配列による,物体の逐次検出の一例を示す図である。
図8B】複数のセンサ配列による,物体の逐次検出の一例を示す図である。
図8C】複数のセンサ配列による,物体の逐次検出の一例を示す図である。
図9A】検出構成の第1の区域に従って構成されたセンシングシステムの一例を示す図である。
図9B】検出構成の第2の区域に従って構成されたセンシングシステムの一例を示す図である。
図10】本明細書に記載の規定のうち1つ以上を実現するように構成されたプロセッサ実行可能命令を含み得る例示的なコンピュータ可読媒体を示す図である。
図11】本明細書に記載の規定のうち1つ以上が実施され得る例示的なコンピューティング環境を示している。
【0009】
詳細な説明
請求項に係る主題について図面を参照して以下で説明するが,このとき,類似の要素は,一般に,全体を通して同様の参照符号を用いて示している。以下の説明では,請求項に係る主題についての理解を与えるため,説明を目的として,様々な具体的詳細が記載される。しかしながら,これら特定の詳細を省いても,請求項に係る主題を実施できることは明らかであろう。また,請求項に係る主題の説明を容易とするため,構造及び装置は,ブロック図の形式で示している。
【0010】
物体を検出する一実施形態を,図1の例示的な方法100で示している。この方法は102で開始する。104で,物体の存在を検出したことに応じて第1のアクティブセンサ(例えば,位置感知装置,平行センサ,三角センサ,光飛行時間型距離センサなどのような,アクティブ型赤外線センサ)に起動信号を送信するための,第1のパッシブセンサ(例えば,パッシブ型赤外線センサ)を起動する。例えば,第1のパッシブセンサは,室内に進入する人間からの赤外線放射による,周囲温度からの差異閾値を超える温度差を検出することができる。
【0011】
106で,第1のパッシブセンサから起動信号を受信したことに応じてスリープ状態(例えば,相対的に低い電力状態)からアクティブ状態(例えば,第1のアクティブセンサのエミッタは,1つ以上の信号を検出ゾーンに向けて放出することができ,これは物体で反射されて,第1のアクティブセンサの受信機で検出することができる)に遷移するための,第1のアクティブセンサを起動することができる。108で,第1のアクティブセンサは,アクティブ状態にある間に,物体検出データを生成するために,第1の検出ゾーン(例えば,ベッドサイドゾーン,出入口ゾーン,衛生ゾーン,衛生機会ゾーン,人数計数ゾーンなど)のような1つ以上の検出ゾーン内で物体の動き及び/又は距離を検出することができる。物体検出データに基づいて,衛生機会及び/又は他の情報(例えば,人数,セキュリティ違反など)を特定することができる。物体検出データは,保存すること,ネットワークを介して伝送すること,RF信号によって伝送すること,及び/又は指示器(例えば,光を点滅させる,手洗い画像のような画像を表示する,衛生ビデオのようなビデオを再生する,第1の検出ゾーンの衛生要件などの録音を再生する,など)をアクティブにするために用いること,ができる。110で,検出タイムアウト(例えば,8秒),及び/又は物体が第1の検出ゾーンを離れたという判定に応じて,アクティブセンサは,電力消費を防ぐために,アクティブ状態からスリープ状態に遷移することができる。このようにして,パッシブセンサによって起動されるまではアクティブセンサが低電力スリープ状態に維持されることで,無駄に電力を消費することなく,アクティブセンサは,比較的正確な検出情報を提供する。本方法は112で終了する。
【0012】
図2Aは,第1のセンサ配列202を備えたセンシングシステム200の一例を示している。第1のセンサ配列202は,第1のパッシブセンサ204(例えば,パッシブ型赤外線センサ)及び/又は第1のアクティブセンサ208(例えば,位置感知装置,平行センサ,三角センサ,光飛行時間型距離センサなどのような,アクティブ型赤外線センサ)を含むことができる。一例では,第1のセンサ配列202は,第1のパッシブセンサ204及び/又は第1のアクティブセンサ208の動作を制御するように構成された,図示していないマイクロコントローラを備えることができる(例えば,マイクロコントローラは,第1のアクティブセンサ208をスリープ状態又はアクティブ状態に設定することができる;マイクロコントローラは,第1のアクティブセンサ208によって収集された物体検出データ210を保存,処理,及び/又は伝達することができる,など)。一例では,第1のパッシブセンサ204及び第1のアクティブセンサ208は,センサ筐体内に含むことができる。パッシブセンサ204は,物体の存在を検出するように構成することができる(例えば,第1のパッシブセンサ204は,人間214からの赤外線放射による,周囲温度からの温度変化を検出することができる)。第1のパッシブセンサ204は,人間214を検出したことに応じて,(例えば,第1のセンサ配列202に電力を供給するバッテリなどの電力を節約するためにスリープ状態であり得る)第1のアクティブセンサ208に,起動信号206を送信することができる。
【0013】
第1のアクティブセンサ208は,第1のパッシブセンサ204から起動信号206を受信したことに応じて,スリープ状態からアクティブ状態に遷移するように構成することができる(例えば,マイクロコントローラは,第1のパッシブセンサ204から起動信号206を受信することができ,そして第1のアクティブセンサ208に検出の開始を指示することができる)。第1のアクティブセンサ208は,アクティブ状態にある間に,物体検出データ210を生成するために,第1の検出ゾーン212内で人間214の動き及び/又は距離を検出することができる。一例では,第1の検出ゾーン212は,(例えば,キッチン又はバスルームなどの室内への入退路を規定する)検出距離測定基準の第1セットに基づいて規定することができる。他の例では,第1のアクティブセンサ208は,(例えば,室内への入退路以外の部分を規定する)非検出距離測定基準の第1セットに基づいて規定される非検出ゾーンを無視することができる。第1のセンサ配列202は,第1のセンサ配列202のデータ記憶装置内に物体検出データ210を保存するように,通信ネットワークを介して物体検出データ210を伝送するように,物体検出データ210をRF信号として伝送するように,及び/又は指示器(例えば,光を点滅させる,画像を表示する,ビデオを再生する,録音を再生する,など)をアクティブにするように,構成することができる。一例では,第1のセンサ配列202は,物体検出データ210に基づいて,衛生機会を識別するように構成することができる(例えば,その人間214は,その室内にいる間に衛生機会を持つことがある)。他の例では,第1のセンサ配列202は,物体検出データ210に基づいて,人間214の入室及び/又は退室を識別(例えば,人数を特定)するように構成することができる。
【0014】
図2Bは,第1のセンサ配列202の第1のアクティブセンサ208がアクティブ状態からスリープ状態218に遷移する一例を示している。一例では,第1のアクティブセンサ208は,図2Aに示すように,第1の検出ゾーン212内で人間214を検出することができるように,第1のアクティブセンサ208は,第1のパッシブセンサ204によってアクティブ状態に起動されていることがある。第1のアクティブセンサ208は,人間214が第1の検出ゾーン212を離れた(例えば,人間214が非検出ゾーン216に入ったかもしれない)と判定することがある。これによって,第1のセンサ配列202による電力消費を節約するために,第1のアクティブセンサ208は,アクティブ状態からスリープ状態218に遷移することができる。
【0015】
図3Aは,物体を検出するためのセンシングシステム300の一例を示している。センシングシステム300は,第1のパッシブセンサ304と第1のアクティブセンサ308とを備えることができる。一例では,第1のパッシブセンサ304は,第1のセンサ筐体内に含まれる。第1のアクティブセンサ308は,第1のセンサ筐体から離れた第2のセンサ筐体内に含まれる。このようにして,第1のアクティブセンサ308は,第1のパッシブセンサ304の位置とは異なる離れた位置に配置することができる。第1のパッシブセンサ304は,人間314などの物体の存在を検出したことに応じて,第1のアクティブセンサ308に起動信号302(例えば,RF信号)を送信するように構成することができる。第1のアクティブセンサ308は,起動信号302を受信したことに応じて,スリープ状態からアクティブ状態に遷移するように構成することができる。第1のアクティブセンサ308は,アクティブ状態にある間に,物体検出データ310(例えば,人数)を生成するために,第1の検出ゾーン312内で人間314の動き及び/又は距離を検出することができる。一例では,第1のアクティブセンサ308は,第1の非検出ゾーン316を無視することができる。
【0016】
図3Bは,物体を検出するためのセンシングシステム350の一例を示している。センシングシステム350は,第1のパッシブセンサ304と第1のアクティブセンサ308とを備えることができる。一例では,第1のパッシブセンサ304は,第1のセンサ筐体内に含まれる。第1のアクティブセンサ308は,第1のセンサ筐体から離れた第2のセンサ筐体内に含まれる。一例では,第1のパッシブセンサ304は,接続354(例えば,ワイヤ,ネットワークなど)によって第1のアクティブセンサ308に接続されている。このようにして,第1のアクティブセンサ308は,第1のパッシブセンサ304の位置とは異なる離れた位置に配置することができる。第1のパッシブセンサ304は,人間314などの物体の存在を検出したことに応じて,接続354を介して第1のアクティブセンサ308に起動信号352を送信するように構成することができる。第1のアクティブセンサ308は,起動信号352を受信したことに応じて,スリープ状態からアクティブ状態に遷移するように構成することができる。第1のアクティブセンサ308は,アクティブ状態にある間に,物体検出データ310(例えば,人数)を生成するために,第1の検出ゾーン312内で人間314の動き及び/又は距離を検出することができる。一例では,第1のアクティブセンサ308は,第1の非検出ゾーン316を無視することができる。
【0017】
図3Cは,物体を検出するためのセンシングシステム370の一例を示している。センシングシステム370は,第1のパッシブセンサ304,第1のアクティブセンサ308,第2のアクティブセンサ372,及び/又は図示していない他のアクティブセンサを備えることができる。一例では,第1のパッシブセンサ304は,第1のセンサ筐体内に含まれる。第1のアクティブセンサ308は,第1のセンサ筐体から離れた第2のセンサ筐体内に含まれる。第2のアクティブセンサ372は,第1のセンサ筐体及び/又は第2のセンサ筐体から離れた第3のセンサ筐体内に含まれる。このようにして,第1のアクティブセンサ308及び/又は第2のアクティブセンサ372は,第1のパッシブセンサ304の位置とは異なる離れた位置に配置することができる。第1のパッシブセンサ304は,人間314などの物体の存在を検出したことに応じて,起動信号302(例えば,第1のRF信号)を第1のアクティブセンサ308に,及び/又は第2の起動信号374(例えば,第2のRF信号)を第2のアクティブセンサ372に,送信するように構成することができる。第1のアクティブセンサ308は,起動信号302を受信したことに応じて,スリープ状態からアクティブ状態に遷移するように構成することができる。第1のアクティブセンサ308は,アクティブ状態にある間に,物体検出データ310を生成するために,第1の検出ゾーン312(及び/又は,例えば,第1のアクティブセンサ308で検出するように構成された他の検出ゾーン)内で人間314の動き及び/又は距離を検出することができる。一例では,第1のアクティブセンサ308は,第1の非検出ゾーン316を無視することができる。第2のアクティブセンサ372は,第2の起動信号374を受信したことに応じて,第2のスリープ状態から第2のアクティブ状態に遷移するように構成することができる。第2のアクティブセンサ372は,第2のアクティブ状態にある間に,第2の物体検出データ376を生成するために,第1の検出ゾーン312(及び/又は,例えば,第2のアクティブセンサ372で検出するように構成された他の検出ゾーン)内で人間314の動き及び/又は距離を検出することができる。一例では,第2のアクティブセンサ372は,第1の非検出ゾーン316を無視することができる。
【0018】
センシングシステムは,1つ以上のパッシブセンサ及び/又は1つ以上のアクティブセンサ(例えば,単一のパッシブセンサと複数のアクティブセンサ;複数のパッシブセンサと単一のアクティブセンサ;単一のアクティブセンサ;複数のアクティブセンサ;複数のパッシブセンサと複数のアクティブセンサ;など)を備え得るものと理解できる。一例では,センシングシステムは,図3Dの例380に示すように,(例えば,第1の検出ゾーン312内で人間314を検出したことに応じて)第1のアクティブセンサ308に起動信号302を送信するように構成された第1のパッシブセンサ304を備え,さらに,(例えば,第2の検出ゾーン386内で第2の人間388を検出したことに応じて)第2のアクティブセンサ372に起動信号384を送信するように構成された第2のパッシブセンサ382を備える。一例では,センシングシステムは,図3Eの例390に示すように,第1のパッシブセンサ304,第2のパッシブセンサ382,及び第1のアクティブセンサ308を備える。第1のパッシブセンサ304は,図3Eの例390に示すように,(例えば,第1の検出ゾーン312内で人間314を検出したことに応じて)第1のアクティブセンサ308に起動信号302を送信するように構成される。第2のパッシブセンサ382は,図3Fの例394に示すように,(例えば,第2の検出ゾーン386内で人間396を検出したことに応じて)第1のアクティブセンサ308に起動信号398を送信するように構成される。
【0019】
図4は,患者の病室内に構成されたセンシングシステムの一例400を示している。病室は,患者ベッドゾーン402を含み得る。センシングシステムは,第1のパッシブセンサと第1のアクティブセンサとを含む第1のセンサ配列408を備えることができる。一例では,第1のセンサ配列408は,病室への入退路を横切るように照準を合わせることができる。センシングシステムのための(例えば,検出のための)第1の検出ゾーン406(例えば,入退路を横切って広がる出入口ゾーン)は,検出距離測定基準の第1セットに基づいて規定することができる。一例では,センシングシステムのための(例えば,無視するための)第1の非検出ゾーン404(例えば,病室の入退域以外の部分)は,非検出距離測定基準の第1セットに基づいて規定することができる。他の例では,第1の非検出ゾーン404は規定しなくてもよく,単に,第1の検出ゾーン406の外の領域に対応させることができる。第1のセンサ配列408のパッシブセンサは,第1の検出ゾーン406内で看護師410などの物体を検出したことに応じて,第1のセンサ配列408のアクティブセンサに起動信号を送信するように構成することができる。これによって,アクティブセンサは,スリープ状態からアクティブ状態に遷移することができ,電力節約のためにアクティブ状態からスリープ状態に遷移するまでの間に,(例えば,看護師410の衛生機会を識別するための)物体検出データを生成するために,看護師410の動き及び/又は距離を検出する。
【0020】
図5は,患者の病室内に構成されたセンシングシステムの一例500を示している。病室は,患者ベッドゾーン502を含み得る。センシングシステムは,第1のパッシブセンサと第1のアクティブセンサとを含む第1のセンサ配列508を備えることができる。一例では,第1のセンサ配列508は,病室への入退路に向けて照準を合わせることができる。センシングシステムのための(例えば,検出のための)第1の検出ゾーン506(例えば,入退路から病室内へと広がる出入口ゾーン)は,検出距離測定基準の第1セットに基づいて規定することができる。センシングシステムは,第1の非検出ゾーン504(例えば,病室の入退域以外の部分)を無視するように構成することができる。第1のセンサ配列508のパッシブセンサは,第1の検出ゾーン506内で看護師510などの物体を検出したことに応じて,第1のセンサ配列508のアクティブセンサに起動信号を送信するように構成することができる。これによって,アクティブセンサは,スリープ状態からアクティブ状態に遷移することができ,電力節約のためにアクティブ状態からスリープ状態に遷移するまでの間に,(例えば,看護師510の衛生機会を識別するための)物体検出データを生成するために,看護師510の動き及び/又は距離を検出する。
【0021】
図6Aは,患者の病室内に構成されたセンシングシステムの一例600を示している。病室は,患者ベッドゾーン602を含み得る。センシングシステムは,第1のパッシブセンサと第1のアクティブセンサとを含む第1のセンサ配列608を備えることができる。一例では,第1のセンサ配列608は,患者ベッドゾーン602の第1のベッドサイドに向けて照準を合わせることができる。センシングシステムのための(例えば,検出のための)第1の検出ゾーン606(例えば,患者ベッドゾーン602の第1のベッドサイドに相当する)は,検出距離測定基準の第1セットに基づいて規定することができる。センシングシステムは,第1の非検出ゾーン604(例えば,患者の動きを無視するように,患者ベッドサイドゾーン602など,病室の第1のベッドサイド以外の部分)を無視するように構成することができる。第1のセンサ配列608のパッシブセンサは,第1の検出ゾーン606内で物体を検出していないので,第1のセンサ配列608のアクティブセンサは,電力消費を節約するためにスリープ状態のまま維持することができる。
【0022】
図6Bは,物体を検出するために,第1のセンサ配列608のパッシブセンサが第1のセンサ配列608のアクティブセンサを起動させる一例650を示している。パッシブセンサは,第1の検出ゾーン606(例えば,病室内の患者ベッドゾーン602の第1のベッドサイド)内で看護師610などの物体を検出することができる。第1のセンサ配列608のパッシブセンサは,看護師610を検出したことに応じて,アクティブセンサに起動信号を送信するように構成することができる。これによって,アクティブセンサは,スリープ状態からアクティブ状態に遷移することができ,電力節約のためにアクティブ状態からスリープ状態に遷移するまでの間に,(例えば,看護師610が患者ベッドゾーン602内の患者に接した後に衛生装置612を使用する衛生機会を識別するための)物体検出データを生成するために,看護師610の動き及び/又は距離を検出する。
【0023】
図7Aは,患者の病室内に構成されたセンシングシステムの一例700を示している。病室は,患者714のための患者ベッドゾーン702を含み得る。センシングシステムは,第1のパッシブセンサと第1のアクティブセンサとを含む第1のセンサ配列708を備えることができる。一例では,第1のセンサ配列708は,患者ベッドゾーン702の第1のベッドサイド,患者ベッドゾーン702,及び患者ベッドゾーン702の第2のベッドサイドを横切るように照準を合わせることができる。センシングシステムのための(例えば,検出のための)第1の検出ゾーン706(例えば,患者ベッドゾーン702の第1のベッドサイドに相当する)は,検出距離測定基準の第1セットに基づいて規定することができる。センシングシステムのための(例えば,検出のための)第2の検出ゾーン714(例えば,患者ベッドゾーン702の第2のベッドサイドに相当する)は,検出距離測定基準の第2セットに基づいて規定することができる。センシングシステムは,第1の非検出ゾーン704(例えば,患者714の動きを無視するように,患者ベッドサイドゾーン702など,病室のベッドサイド以外の部分)を無視するように構成することができる。第1のセンサ配列708のパッシブセンサは,第1の検出ゾーン706及び/又は第2の検出ゾーン714内で物体を検出していないので,第1のセンサ配列708のアクティブセンサは,電力消費を節約するためにスリープ状態のまま維持することができる。
【0024】
図7Bは,物体を検出するために,第1のセンサ配列708のパッシブセンサが第1のセンサ配列708のアクティブセンサを起動させる一例750を示している。パッシブセンサは,第2の検出ゾーン714(例えば,病室内の患者ベッドゾーン702の第2のベッドサイドに相当する)内で看護師710などの物体を検出することができる。第1のセンサ配列708のパッシブセンサは,看護師710を検出したことに応じて,アクティブセンサに起動信号を送信するように構成することができる。これによって,アクティブセンサは,スリープ状態からアクティブ状態に遷移することができ,電力節約のためにアクティブ状態からスリープ状態に遷移するまでの間に,(例えば,看護師710が患者714に接した後に衛生装置712を使用する衛生機会を識別するための)物体検出データを生成するために,第2の検出ゾーン714内で看護師710の動き及び/又は距離を検出する。
【0025】
図8A〜8Cは,複数のセンサ配列による,物体の逐次検出の一例を示している。第1のセンサ配列808及び第2のセンサ配列812を,患者の病室内に構成することができる。第1のセンサ配列808は,第1のパッシブセンサ及び/又は第1のアクティブセンサを含むことができる。第1のセンサ配列808のための第1の検出ゾーン806は,検出距離測定基準の第1セットに基づいて規定することができる。第2のセンサ配列812は,第2のパッシブセンサ及び/又は第2のアクティブセンサを含むことができる。第2のセンサ配列812のための第2の検出ゾーン814は,検出距離測定基準の第2セットに基づいて規定することができる。
【0026】
一例では,第1のパッシブセンサは,図8Aの例800で示すように,第1の検出ゾーン806内で看護師810などの物体の存在を検出することができる。第1のパッシブセンサは,第1の検出ゾーン806内で看護師810の動き及び/又は距離を検出するために,第1のアクティブセンサに起動信号を送信することができる。一例では,看護師810は,病室内に進入する間に,図8Bの例850で示すように,第1の検出ゾーン806と第2の検出ゾーン814の両方にかかり得る。従って,第1のアクティブセンサは,第1の検出ゾーン806内で看護師810の動き及び/又は距離を検出し,第2のアクティブセンサは,第2の検出ゾーン814内で看護師810の動き及び/又は距離を検出する(例えば,第2のアクティブセンサは,第2のパッシブセンサからの起動信号に基づいて検出を開始することができる)。一例では,看護師810は,病室内にさらに進入する間に,図8Cの例870で示すように,第2の検出ゾーン814にかかり得る一方,第1の検出ゾーン806にはかからない場合がある。従って,第1のアクティブセンサは検出しないが,第2のアクティブセンサは,第2の検出ゾーン814内で看護師810の動き及び/又は距離を検出し得る。このようにして,病室に進入する看護師810の逐次検出(及び/又は,例えば,退室する看護師810の検出)を容易に進めることができる。
【0027】
図9A及び9Bは,異なる検出区域に手動で調整可能なセンシングシステムの例を示している。図9Aは,検出構成の第1の区域に従って構成されたセンシングシステムの一例900を示している。例えば,第1のパッシブセンサ912,第2のパッシブセンサ914,第1のアクティブセンサ916,及び/又は第2のアクティブセンサ918は,選択的に位置決め可能であり得る(例えば,センサは,上/下,左/右,斜めなどの複数の方向に手動又は機械的に可動であり得る)。例えば,センシングシステムの設置者は,病室904内で,第1のパッシブセンサ912及び第2のパッシブセンサ914を,最初に,患者のベッド902に向けて位置決めすることができる。このようにして,第1のパッシブセンサ912は,第1のパッシブ検出ゾーン922を有し,第2のパッシブセンサは,第2のパッシブ検出ゾーン924を有する。設置者は,第1のアクティブセンサ916及び第2のアクティブセンサ918を,最初に,反対の壁に互いに向かい合わせて位置決めすることができる。このようにして,第1のアクティブセンサ916は,第1のアクティブ検出ゾーン920を有し,第2のアクティブセンサ918は,第2のアクティブ検出ゾーン926を有する。
【0028】
第1のユーザ906が第1の経路928を取るときには(例えば,第1ユーザ906は,第1のパッシブ検出ゾーン922の左側を通るかもしれない),第1のパッシブセンサ912は,病室904内に進入する第1のユーザ906を検出しない場合があるので,第1のパッシブセンサ912は,第1のユーザ906の検出のために第1のアクティブセンサ916を起動させないことになる。第2のユーザ908が第2の経路930を取るときには(例えば,第2のユーザ908は,第2のパッシブ検出ゾーン924の右側を通るかもしれない),第2のパッシブセンサ914は,病室904内に進入する第2のユーザ908を検出しない場合があるので,第2のパッシブセンサ914は,第2のユーザ908の検出のために第2のアクティブセンサ918を起動させないことになる。従って,設置者は,図9Bの例950で示すように,第1のパッシブセンサ912を左に向けて調整することができ,その結果として得られる調整後の第1のパッシブ検出ゾーン922aは,第1の入退路932を横切って,第1のパッシブ検出ゾーン922よりも大きい検出範囲を提供する。設置者は,第1のアクティブセンサ916を左に向けて調整することができ,その結果として得られる調整後の第1のアクティブ検出ゾーン920aは,調整後の第1のパッシブ検出ゾーン922aとの望ましい重なりを有する。設置者は,第2のパッシブセンサ914を右に向けて調整することができ,その結果として得られる調整後の第2のパッシブ検出ゾーン924aは,第2の入退路934を横切って,第2のパッシブ検出ゾーン924よりも大きい範囲を提供する。設置者は,第2のアクティブセンサ918を左に向けて調整することができ,その結果として得られる調整後の第2のアクティブ検出ゾーン926aは,調整後の第2のパッシブ検出ゾーン924aとの望ましい重なりを有する。このようにして,センシングシステムを,検出構成の第2の区域に調整することができる。設置者は,センサの不正な位置決め変更を抑制するために,センサ,及び/又はセンサを含む筐体のカバーを,ロックすることができる。
【0029】
さらに別の実施形態は,本明細書で提示される技術の1つ以上を実現するように構成されたプロセッサ実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体に関する。コンピュータ可読媒体又はコンピュータ可読装置の例示的な実施形態を図10に示しており,この場合の実現形態1000は,CD−R,DVD−R,フラッシュドライブ,ハードディスクドライブのプラッタなどのようなコンピュータ可読媒体1008を含み,その上にコンピュータ可読データ1006が符号化されている。0又は1の少なくとも一方を含むバイナリデータのような,このコンピュータ可読データ1006は,これにより,本明細書に記載の原理の1つ以上に従って動作するように構成されたコンピュータ命令1004のセットを構成している。いくつかの実施形態において,プロセッサ実行可能コンピュータ命令1004は,例えば,図1の例示的な方法100の少なくとも一部などの方法1002を実行するように構成されている。いくつかの実施形態において,プロセッサ実行可能命令1004は,例えば,図2Aの例示的なシステム200の少なくとも一部,図3Aの例示的なシステム300の少なくとも一部,図3Bの例示的なシステム350の少なくとも一部,及び/又は図3Cの例示的なシステム370の少なくとも一部などのシステムを実現するように構成されている。本明細書で提示される技術に従って動作するように構成された,多くのこのようなコンピュータ可読媒体が,当業者によって考案される。
【0030】
主題について,構造的特徴及び/又は方法論的動作に特化した表現で説明したが,添付の請求項で規定される主題は,上記の特定の特徴又は動作に必ずしも限定されないことは理解されるべきである。むしろ,上記の具体的な特徴及び動作は,請求項の少なくとも一部を実現する例示的形態として開示している。
【0031】
本出願で使用される場合の,「コンポーネント」,「モジュール」,「システム」,「インタフェース」という用語,及び/又は類似の用語は,一般的に,ハードウェア,ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ,ソフトウェア,又は実行中のソフトウェアのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを指すものである。例えば,コンポーネントは,プロセッサ上で動作するプロセス,プロセッサ,オブジェクト,実行ファイル,実行スレッド,プログラム,及び/又はコンピュータであり得るが,ただし,これらに限定されない。例として,コントローラ上で動作するアプリケーションと,コントローラは,どちらもコンポーネントであり得る。1つ以上のコンポーネントを,1つのプロセス及び/又は実行スレッドに含むことができ,1つのコンポーネントを,1つのコンピュータ上に局在化させること,及び/又は2つ以上のコンピュータに分散させることができる。
【0032】
また,開示の主題を実現するようにコンピュータを制御するソフトウェア,ファームウェア,ハードウェア,又はそれらの任意の組み合わせを生成するために標準的なプログラミング及び/又は工学技術を用いて,請求項に係る主題を,方法,装置,又は製造品として実現することができる。本明細書で使用される場合の「製造品」という用語は,任意のコンピュータ可読装置,キャリア,又は媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含するものである。当然のことながら,本構成に対して,請求項に係る主題の範囲又は趣旨から逸脱することなく,数多くの変更を実施することができる。
【0033】
図11及び以下の解説は,本明細書に記載の規定のうちの1つ以上の実施形態を実施するのに適したコンピューティング環境についての簡単な概要を提示している。図11の動作環境は,適切な動作環境の一例にすぎず,その動作環境の利用範囲又は機能に関して何らかの限定を示唆するものではない。コンピュータデバイスの例として,パーソナルコンピュータ,サーバコンピュータ,ハンドヘルド又はラップトップデバイス,モバイルデバイス(携帯電話機,パーソナルデジタルアシスタント(PDA),メディアプレーヤなど),マルチプロセッサシステム,家庭用電子機器,ミニコンピュータ,メインフレームコンピュータ,上記のシステム又はデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などが含まれるが,ただし,これらに限定されない。
【0034】
実施形態は,1つ以上のコンピュータデバイスで実行される「コンピュータ可読命令」という一般的文脈において説明されるものの,これは必須ではない。コンピュータ可読命令は,(後述の)コンピュータ可読媒体によって分散させることができる。コンピュータ可読命令は,特定のタスクを実行するか,又は特定の抽象データ型を実現する関数,オブジェクト,アプリケーションプログラミングインタフェース(API),データ構造などのようなプログラムモジュールとして実現することができる。一般に,コンピュータ可読命令の機能は,様々な環境における要求に応じて,統合又は分散させることができる。
【0035】
図11は,本明細書で提示する1つ以上の実施形態を実施するために構成されたコンピュータデバイス1112を備えるシステム1100の一例を示している。一構成では,コンピュータデバイス1112は,少なくとも1つの処理装置1116及びメモリ1118を備える。コンピュータデバイスの厳密な構成及びタイプに応じて,メモリ1118は,(例えば,RAMのような)揮発性,(例えば,ROM,フラッシュメモリなどのような)不揮発性,又はこれら2つの何らかの組み合わせとすることができる。この構成を,図11に破線1114で示している。
【0036】
他の実施形態では,デバイス1112は,さらに追加の特徴及び/又は機能を備えることができる。例えば,デバイス1112は,さらに,追加の(例えば,リムーバブル及び/又は非リムーバブル)記憶装置を備えることができ,それには,磁気記憶装置,光学記憶装置などが含まれるが,ただし,これらに限定されない。このような追加の記憶装置を,図11に記憶装置1120で示している。一実施形態では,本明細書で提示する1つ以上の実施形態を実施するためのコンピュータ可読命令は,記憶装置1120内にあってよい。記憶装置1120は,さらに,オペレーティングシステム,アプリケーションプログラムなどを実現するための他のコンピュータ可読命令を記憶することもできる。コンピュータ可読命令は,例えば,処理装置1116で実行するためにメモリ1118にロードすることができる。
【0037】
本明細書で使用される場合の「コンピュータ可読媒体」という用語は,コンピュータ記憶媒体を含む。コンピュータ記憶媒体として,コンピュータ可読命令又は他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法もしくは技術で実現される揮発性及び不揮発性,リムーバブル及び非リムーバブルの媒体が含まれる。メモリ1118及び記憶装置1120は,コンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体として,RAM,ROM,EEPROM,フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術,CD−ROM,デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光学記憶装置,磁気カセット,磁気テープ,磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置,又は所望の情報を記憶するのに用いることができ,デバイス1112によるアクセスが可能な他の任意の媒体が含まれるが,ただし,これらに限定されない。このようなコンピュータ記憶媒体は,いずれも,デバイス1112の一部とすることができる。
【0038】
デバイス1112は,さらに,デバイス1112が他のデバイスと通信することを可能とする通信接続(群)1126を有することができる。通信接続(群)1126として,モデム,ネットワークインタフェースカード(NIC),統合ネットワークインタフェース,無線周波数送信機/受信機,赤外線ポート,USB接続,又はコンピュータデバイス1112を他のコンピュータデバイスに接続するための他のインタフェースを含むことができるが,ただし,これらに限定されない。通信接続(群)1126は,有線接続又は無線接続を含むことができる。通信接続(群)1126によって,通信媒体を送信及び/又は受信することができる。
【0039】
「コンピュータ可読媒体」という用語は,通信媒体を含み得る。通信媒体は,一般に,コンピュータ可読命令又は他のデータを,搬送波又は他の転送機構などの「変調データ信号」に表現するものであり,また,任意の情報配信媒体を含む。「変調データ信号」という用語は,その信号に情報を符号化するように,その特性の1つ以上が設定又は変更された信号を含み得る。
【0040】
デバイス1112は,キーボード,マウス,ペン,音声入力装置,タッチ入力装置,赤外線カメラ,ビデオ入力装置,及び/又は他の任意の入力装置などの入力装置(群)1124を備えることができる。さらに,1つ以上のディスプレイ,スピーカ,プリンタ,及び/又は他の任意の出力装置などの出力装置(群)1122を,デバイス1112に備えることができる。入力装置(群)1124及び出力装置(群)1122は,有線接続,無線接続,又はそれらの任意の組み合わせによって,デバイス1112に接続することができる。一実施形態では,他のコンピュータデバイスからの入力装置又は出力装置を,コンピュータデバイス1112のための入力装置(群)1124又は出力装置(群)1122として使用することができる。
【0041】
コンピュータデバイス1112のコンポーネントは,バスなどの種々の相互接続によって接続することができる。そのような相互接続として,PCI Expressのようなペリフェラルコンポーネントインタコネクト(PCI),ユニバーサルシリアルバス(USB),FireWire(IEEE 1394),光バス構造などを含むことができる。他の実施形態では,コンピュータデバイス1112のコンポーネントは,ネットワークによって相互接続することができる。例えば,メモリ1118は,ネットワークで相互接続された物理的に異なる場所に配置された複数の物理メモリユニットで構成することができる。
【0042】
コンピュータ可読命令を記憶するために使用される記憶装置を,ネットワーク上に分散させてもよいことは,当業者であれば理解できるであろう。例えば,ネットワーク1128を介してアクセス可能なコンピュータデバイス1130で,本明細書で提示する1つ以上の実施形態を実施するためのコンピュータ可読命令を記憶することができる。コンピュータデバイス1112は,コンピュータデバイス1130にアクセスして,コンピュータ可読命令の一部又は全部を,実行のためにダウンロードすることができる。あるいは,コンピュータデバイス1112は,必要に応じて,コンピュータ可読命令の断片をダウンロードすることができ,又は,一部の命令はコンピュータデバイス1112で実行し,一部の命令はコンピュータデバイス1130で実行することができる。
【0043】
いくつかの実施形態の様々なオペレーションを,本明細書で提示している。一実施形態では,記載したオペレーションの1つ以上で,1つ以上のコンピュータ可読媒体に記憶されるコンピュータ可読命令を構成することができ,それらは,コンピュータデバイスで実行されることで,該コンピュータデバイスに,記載のオペレーションを実行させる。それらのオペレーションの一部又は全部について記載された順序は,それらのオペレーションが必ず順序に依存することを意味するものと解釈されてはならない。他の順序で,本記載の効果を得られることは,当業者であれば理解できるであろう。また,全てのオペレーションが,本明細書で提示した各実施形態に必ずしも含まれるわけではないことは理解されるであろう。さらに,一部の実施形態では,全てのオペレーションが必要なわけではないことも理解されるであろう。
【0044】
また,「第1」,「第2」,及び/又は類似の用語は,別段の規定がある場合を除き,時間的側面,空間的側面,順序などを意味するものではない。むしろ,これらの用語は,特徴,要素,アイテムなどの,単なる識別子,名称などとして使用される。例えば,第1のオブジェクトと第2のオブジェクトは,一般的に,オブジェクトAとオブジェクトB,又は2つの異なるもしくは2つの同等のオブジェクト,又は1つの同じオブジェクトに相当する。
【0045】
また,本明細書で使用される場合の「例示的」とは,必ずしも効果的なものとしてではなく,一例,実例,説明などとして役立つことを意味する。本明細書で使用される場合の「又は」は,排他的な「又は」ではなく,包含的な「又は」を意味するものである。さらに,本出願で使用される場合の「a」及び「an」は,別段の規定がある場合,又は単数形を指していることが文脈から明らかである場合を除き,一般的には,「1つ又は複数」を意味するものと解釈される。また,「AとBの少なくとも一方」,及び/又は類似の表現は,一般に,「A又はB」を意味するか,又は「AとBの両方」を意味する。さらに,「含む(includes)」,「有している(having)」,「有する(has)」,「有して(with)」,及び/又はこれらの変化形は,詳細な説明又は請求項のいずれかで使用される限りにおいて,これらの用語は,「備えている(comprising)」という用語と同様に包含的な意味のものである。
【0046】
また,本開示について,1つ以上の実現形態に関連して図示及び説明したが,他の当業者は,本明細書及び添付の図面を読解及び理解することで,均等な変更及び変形に想到するであろう。本開示は,かかるすべての変形及び変更を含むものであり,以下の請求項の範囲によってのみ限定される。特に上記のコンポーネント(例えば,要素,リソースなど)によって実行される種々の機能に関して,かかるコンポーネントを記述するために使用される用語は,特に指定のない限り,開示の構造と構造的に等価ではなくても,記載のコンポーネントの特定の機能を実行する(例えば,機能的に等価である)任意のコンポーネントに該当するものとする。さらに,本開示の特定の特徴が,いくつかの実現形態のうちの1つのみに関して開示されていることがあるものの,かかる特徴は,要求に応じて,所与又は特定の用途に効果的であり得るように,その他の実現形態における1つ以上の他の特徴と組み合わせることができる。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11
【国際調査報告】