(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-514080(P2017-514080A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(54)【発明の名称】オービタル・テンショナ
(51)【国際特許分類】
F16H 7/12 20060101AFI20170428BHJP
【FI】
F16H7/12 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-564189(P2016-564189)
(86)(22)【出願日】2014年10月2日
(85)【翻訳文提出日】2016年10月24日
(86)【国際出願番号】US2014058870
(87)【国際公開番号】WO2015167602
(87)【国際公開日】20151105
(31)【優先権主張番号】14/263,853
(32)【優先日】2014年4月28日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】504005091
【氏名又は名称】ゲイツ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】ハーヴィー,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ステーゲルマン,オリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】マーチネス,アルノー
(72)【発明者】
【氏名】ディルタイ,ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】ハエンベウカース,キャスパー
【テーマコード(参考)】
3J049
【Fターム(参考)】
3J049AA01
3J049AB03
3J049AB05
3J049BA07
3J049BB05
3J049BB08
3J049BB10
3J049BB14
3J049BB15
3J049BB23
3J049BB25
3J049BH01
3J049BH02
3J049CA03
(57)【要約】
ベースと、ベースに係合し、軸A−Aの周りに回転自在であるキャリアと、キャリアに軸支された第1のプーリと、キャリアに取付けられたピボットアームとを備え、ピボットアームは軸B−Bの周りに揺動自在であり、ピボットアームに軸支された第2のプーリとを備え、軸B−Bは軸A−Aの周りにおいて軌道に沿って移動自在であり、キャリアとピボットアームの間に係合するスプリングと、キャリアとベースの間に摩擦係合してキャリアの運動を減衰させる減衰機構とを備えるオービタル・テンショナ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース(101)と、
前記ベースに係合し、軸A−Aの周りに揺動自在であるキャリア(103)と、
前記キャリアに軸支された第1のプーリ(104)と、
前記キャリアに取付けられたピボットアーム(105)とを備え、前記ピボットアームは軸B−Bの周りに揺動自在であり、
前記ピボットアームに軸支された第2のプーリ(106)とを備え、
前記軸B−Bは軸A−Aの周りにおいて軌道に沿って移動自在であり、
前記キャリアと前記ピボットアームの間に係合するスプリング(110)と、
前記キャリアと前記ベースの間に摩擦係合してキャリアの運動を減衰させる減衰機構(111)とを備える
テンショナ。
【請求項2】
前記減衰機構が前記キャリアに固定的に取付けられる請求項1に記載のテンショナ。
【請求項3】
前記スプリングがトーションスプリングである請求項1に記載のテンショナ。
【請求項4】
前記キャリアと前記ベースがそれぞれ、軸A−Aを囲む環状穴を有する請求項1に記載のテンショナ。
【請求項5】
前記キャリアと前記ピボットアームの間に係合する第2のスプリングをさらに備える 請求項1に記載のテンショナ。
【請求項6】
ベースと、
前記ベースに係合し、第1の軸A−Aの周りに揺動自在であるキャリアと、
前記キャリアに軸支された第1のプーリと、
前記キャリアに対して、軸B−Bの周りに揺動自在に取付けられたピボットアームと、
前記ピボットアームに軸支された第2のプーリとを備え、
前記第2の軸B−Bは前記第1の軸A−Aの周りにおいて軌道に沿って移動自在であり、前記第2の軸B−Bは前記第1の軸A−Aに平行であり、
前記ピボットアームと前記キャリアの間に係合し、前記第1のプーリを前記第2のプーリに向かって付勢するスプリングと、
前記キャリアと前記ベースの間に摩擦係合して第1の部材の運動を減衰させる減衰機構とを備える
テンショナ。
【請求項7】
前記減衰機構が前記キャリアに取付けられ、前記ベースに摩擦係合する請求項6に記載のテンショナ。
【請求項8】
前記キャリアと前記ベースがそれぞれ、軸A−Aが前記ベースの面に垂直に突出する孔を有する請求項6に記載のテンショナ。
【請求項9】
ベースと、
前記ベースに係合するキャリアとを備え、前記キャリアは軸A−Aの周りに揺動自在であり、前記キャリアに軸支された第1のプーリとを備え、
前記キャリアに取付けられたピボットアームを備え、前記ピボットアームは軸B−Bの周りに揺動自在であり、前記ピボットアームに軸支された第2のプーリを備え、
前記軸B−Bは前記軸A−Aの周りにおいて軌道に沿って移動自在であり、
前記キャリアと前記ベースの間に摩擦係合して部材の振動運動を減衰させる減衰機構と、
前記キャリアと前記ピボットアームの間に係合して前記第1のプーリを前記第2のプーリに向かって付勢するスプリングとを備える
テンショナ。
【請求項10】
軸A−Aが軸B−Bに平行である請求項9に記載のテンショナ。
【請求項11】
前記第2のプーリの回転軸が軸A−Aに関して可変である請求項9に記載のテンショナ。
【請求項12】
前記第1のプーリの回転軸が軸A−Aから一定の半径に配置される請求項11に記載のテンショナ。
【請求項13】
前記ベースとキャリアがそれぞれ軸A−Aを囲む請求項9に記載のテンショナ。
【請求項14】
前記第1のプーリが軸A−Aの周りにおいて軌道に沿って移動する請求項9に記載のテンショナ。
【請求項15】
前記キャリアと前記ピボットアームの間に係合する第2のスプリングをさらに備える請求項9に記載のテンショナ。
【請求項16】
前記第1のスプリングがトーションスプリングである請求項15に記載のテンショナ。
【請求項17】
前記減衰機構が円弧状スプリング力部材に固定された摩擦材料を備える請求項9に記載のテンショナ。
【請求項18】
前記第1のプーリの回転軸と前記第2のプーリの回転軸が共に、前記ベースの外径内に配置される請求項9に記載のテンショナ。
【請求項19】
ベースと、
前記ベースに係合するキャリアとを備え、前記キャリアは軸A−Aの周りに揺動自在であり、
前記キャリアに軸支されたアイドラプーリと、
前記キャリアと前記ベースの間に摩擦係合する減衰機構と、
前記キャリアに対して、軸B−Bの周りに揺動自在に取付けられた第1のテンショナとを備え、
軸B−Bは軸A−Aから離れて配置され、
前記キャリアと前記第1のテンショナの間に係合するスプリングとを備える
テンショナ。
【請求項20】
前記キャリアと前記第1のテンショナの間に係合する第2のスプリングをさらに備える請求項19に記載のテンショナ。
【請求項21】
ベースと、
前記ベースに係合するキャリアとを備え、前記キャリアは軸A−Aの周りに揺動自在であり、
前記キャリアと前記ベースの間に摩擦係合する減衰機構と、
前記キャリアに対して、軸B−Bの周りに揺動自在に取付けられた第1のテンショナと、
前記キャリアに対して、軸C−Cの周りに揺動自在に取付けられた第2のテンショナとを備え、
軸B−Bは軸A−Aから径方向に離れて配置され、
軸C−Cは軸A−Aから径方向に離れて配置され、
前記第1のテンショナと前記第2のテンショナの間に係合するスプリングとを備える
テンショナ。
【請求項22】
前記スプリングが圧縮ばねである請求項21に記載のテンショナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテンショナに関し、より詳しくは、ベースに係合し、第1の軸の周りに回動可能なキャリアと、キャリアに取付けられたピボットアームとを有し、ピボットアームが第2の軸の周りに揺動自在であり、第2の軸が第1の軸の周りにおいて軌道に沿って移動可能であるオービタル・テンショナに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトテンショナはベルトに負荷を付与するために使用される。一般的にベルトは、エンジンに協働する種々のアクセサリを駆動するために、エンジンアプリケーションに使用される。例えば、空調機のコンプレッサとオルタネータはベルト駆動システムによって駆動されるアクセサリの2つである。ベルトテンショナはベースに対して揺動自在であるアームに軸支されたプーリを有する。スプリングはアームとベースの間に連結される。スプリングはまた、減衰機構に係合する。減衰機構は相互に接触する摩擦面を有する。減衰機構はベルト駆動の作用によって生じるアームの振動運動を減衰させる。これは延いては、可動要素における摩耗を最小限にすることによって、ベルト寿命の期待とテンショナ寿命の期待を高める。
【0003】
デュアルテンショナは、ベルトの2つのスパンの一方または両方に張力を付与するために、スタータジェネレータ等の、反対方向に負荷がかかる単一のベルト駆動に適用されてきた。このようなテンショナは単一のベルトに協働するので、これらは一般的に単一のトーションスプリングを有する。市場の需要は、車両の重量を低下させ、かつエンジンルーム内の部品点数を減少させることによって、排気ガスを減少させ、燃費を向上させることを含む。これらの目標に向かって取られる方法は、スタータモータの機能とオルタネータの機能とを単一の装置、モータ・ジェネレータまたはジェン・スターの中に組み込むことを含む。燃費を向上させることの目標に向かうため、ジェン・スターはアイドルストップと呼ばれる特徴の使用を促す。この特徴は、通常アイドリングするときにエンジンが停止し、車両が動き始めようとするときに再スタートすることを許容する。この特徴は、アクセサリベルト駆動に配置される要求を実質的に増加させる。このタイプのアプリケーションにおいてスタータジェネレータは、アクセサリベルト駆動を介してクランクシャフトに協働する機構に配置される。
【0004】
この技術の代表は欧州特許第212849B1公報である。これは、ドライブシャフトによって駆動軸の周りに駆動可能な駆動ベルトプーリと複数の他のベルトプーリとを有し、また駆動ベルトプーリと他のベルトプーリに掛け回される無端ベルトを有する、ベルト駆動用のベルト緊張装置を開示する。ベルト緊張装置は、2つのテンショニングアームが共通のピボット軸の周りに揺動自在であるように支持されるハウジングを備え、テンショニングアームには、駆動軸に平行に延びる回転軸を有するテンショニングローラが支持され、またテンショニングアームはスプリングによって相互に支持され、ハウジングは、駆動機構に取付けられた駆動ベルトプーリの存在下で取付けられ、ハウジングは、駆動ベルトプーリの駆動軸を囲む環状領域において駆動機構に接触せず、テンショニングアームの揺動軸は駆動ベルトプーリの直径内に配置されている。
【0005】
必要なものは、ベースに係合し、第1の軸の周りに揺動自在であるキャリアと、キャリアに取付けられたピボットアームとを有し、ピボットアームが第2の軸の周りに揺動自在であり、第2の軸が第1の軸の周りにおいて軌道に沿って移動自在であるオービタル・テンショナである。本発明はこの必要性に合致する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の主な特徴は、ベースに係合し、第1の軸の周りに回転自在であるキャリアと、キャリアに取付けられたピボットアームとを有し、ピボットアームは第2の軸の周りに揺動自在であり、第2の軸は第1の軸の周りにおいて軌道に沿って移動自在であるオービタル・テンショナを提供することである。
【0007】
本発明の他の特徴は、本発明の説明と添付された図面により明確になる。
【0008】
本発明は、ベースと、ベースに係合し、軸A−Aの周りに回転自在であるキャリアと、キャリアに軸支された第1のプーリと、キャリアに取付けられたピボットアームとを備え、ピボットアームは軸B−Bの周りに揺動自在であり、ピボットアームに軸支された第2のプーリとを備え、軸B−Bは軸A−Aの周りにおいて軌道に沿って移動自在であり、キャリアとピボットアームの間に係合するスプリングと、キャリアとベースの間に摩擦係合してキャリアの運動を減衰させる減衰機構とを備えるオービタル・テンショナである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ここに組み込まれ、明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の好ましい実施形態を示し、その記述とともに、本発明の原理を説明するために役立つ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は第1実施形態の正面斜視図である。テンショナ100はベース101を備える。ベース101は複数の取付け部材102を有し、これらはそれぞれ固定具(図示せず)を受容する。ベースは、オルタネータまたはスタータジェネレータ等のような、車両エンジン上の被駆動アクセサリに取付けられる。
【0011】
キャリア103はベース101に係合して、軸A−Aの周りに回転運動する。プーリ104は軸受118においてキャリア103に軸支される。プーリ104はアイドラプーリと称される。プーリ104は部材103において、軸A−Aの周りにおいて軌道に沿って移動する。軸A−Aは、テンショナの物理的な部分には係合せず、あるいは交差しない。ベース101とキャリア103の各々は、軸A−Aを囲むが交差しない。特に、キャリア103は、真横から見たときに、13−13断面と同一平面にある平面に配置される穴124を有し、軸A−Aは直角に交差する。ベース101は、真横から見たときに、13−13断面と同一平面にある平面に配置される穴125を有し、軸A−Aは直角に交差する。キャリア103とベース101の各々は、軸A−Aを囲むが交差しない。穴124と孔125は同軸的かつ平行である。
【0012】
ピボットアーム105は軸B−Bの周りにおいて、キャリア103に回動自在に接続される。プーリ106は軸受119においてピボットアーム105に軸支される。軸A−Aと軸B−Bは平行であるが同軸的ではない。ピボットアーム105と軸B−Bは、軸A−Aの周りの円弧の軌道に沿って移動する。軸B−Bは軸A−Aから離れて配置され、また軸A−Aの周りにおいて一定の半径(R3)の軌道に沿って移動する。軸A−Aの周りの軸B−Bの軌道運動の範囲αは約90度までであるが、典型的には約50度より小さい。プーリ106の軸A−Aに対する回転軸の半径(R1)は、軸B−B周りのピボットアーム105の揺動運動に従って可変である。プーリ104の軸A−Aに対する回転軸の半径(R2)は一定である。プーリ104の回転軸とプーリ106の回転軸は両方ともベースの外径(D)内に配置され、これによりテンショナは非常にコンパクトになる。
【0013】
図2は第2実施形態の正面斜視図である。第2実施形態200はスプリング201をさらに備える。スプリング201は1つの完全なコイルよりも小さく、典型的には、端部202と端部203の間において180度から270度の間に制限される。スプリング201はキャリア103とピボットアーム105の間に係合する。端部202は部材107に係合する。端部203は部材108に係合する。スプリング201はプーリ104をプーリ106に向かって付勢する。
【0014】
図3は第2実施形態の背面斜視図である。スプリング201は、キャリア103上の部材107に係合し、またピボットアーム105上の部材108に係合する。カバー109は破片の侵入を防止するためにテンショナの内部を閉鎖する。
【0015】
図4は第1実施形態の背面斜視図である。プーリ104とプーリ106は、例えば車両エンジンのアクセサリドライブにある、例えばベルト(図示せず)に係合する。ベルトはクランクシャフトから、オルタネータ等の被駆動アクセサリまで延びる。ピボットアーム105は取付け部120においてキャリア103に取付けられる。
【0016】
図5は第1実施形態の背面図である。軸A−Aは軸B−Bに平行であるが、同軸的ではない。スプリング201のクランプ力は、部材107と部材108への取付けを保持するために十分である。
【0017】
図6は第2実施形態の背面図である。3つの取付け部材102により、例えば異なるタイプのオルタネータへ本装置を取付けるための適応性が生じる。ボルト(図示せず)等の固定具が使用可能である。
【0021】
図10は第2実施形態の正面図である。
【0022】
図11は
図9の11−11断面である。トーションスプリング110はピボットアーム105とプーリ106をプーリ104へ向かって付勢する。ピボットアーム105、プーリ106およびスプリング110の組合せはテンショナとも称される。
【0023】
減衰機構111はベース101とカバー109の間に囲まれる。減衰機構111はキャリア103とベース101の間に配置される。減衰機構111は、減衰機構111とベース101の間の摩擦係合によって、キャリア103の振動運動を減衰させる。減衰機構111は部材112において、キャリア103に固定的に取付けられる。
【0024】
図12は
図10の12−12断面である。減衰機構111は部材112に連結される。部材112は、キャリア103に対する固定位置において減衰機構111を保持する。
【0025】
図13は
図14の13−13断面である。減衰機構111は取付け部材112においてキャリア103に連結される。減衰機構111は環状空間121内に収容される。
【0026】
図14は第1実施形態の側面図である。
【0027】
図15は
図9の15−15断面である。
【0029】
図17は第2実施形態の側面図である。
【0030】
図18は第1実施形態の正面分解斜視図である。取付け部120はキャリア103から径方向に延びる。ピボットアーム105のピボット軸は軸B−Bである。キャリア103の回転軸は軸A−Aである。軸受118は部材126に取付けられる。部材126はキャリア103から突出する。
【0031】
図19は第2実施形態の正面分解斜視図である。減衰機構111は、円弧状のスプリング力部材115に取付けられた摩擦材料114を有する。スプリング力部材115は摩擦材料114を径方向外方に押圧して面112に係合させる。
【0032】
キャリア103はブッシュ116に係合する。ブッシュ116はキャリア103とベース101の間に配置される。ブッシュ117はカバー109とキャリア103の間に配置される。
【0033】
図20は第2実施形態の背面分解斜視図である。軸受119は部材127においてピボットアーム105に固定される。
【0034】
図21は第1実施形態の背面分解斜視図である。摩擦材料114はベース101の表面122に対して摩擦的に係合して、部材103の運動を減衰させる。減衰機構111とキャリア103はそれぞれ、ベース101において環状空間123内に配置される。
【0035】
図22は代替的な実施形態の平面図である。この実施形態では、片持ち梁ピボットアーム1050が使用される。スプリング2010は端部2011によって、キャリア103の取付け部1030に取付けられる。スプリング2010の他端部2012はピボットアーム1050の片持ち梁端部1051に係合する。スプリング2019は端部1051を軸A−Aから径方向外方に付勢し、これは延いてはプーリ106をプーリ104へ向かって付勢することになり、これによりベルト(図示せず)に負荷をかける。ピボットアーム1050はボルト1052の周りに揺動する。保持部材1014はキャリア103を保持してベース101に係合させる。
【0036】
図23は
図22の断面図である。ベース101とキャリア103の間には、スプリング部材1010、スラスト部材1011、減衰部材1012、ブッシュ1013、および保持部材1014が配置される。スプリング部材1010はスプリングワッシャすなわち皿ばねである。スラスト部材1011はベース101に係合し、これにより、ベース101に対して回転しない。タブ1015はスロット1017に係合する。減衰部材1012はベース101に係合し、これにより、ベース101に対して回転しない。タブ1015はスロット1016に係合する。
【0037】
減衰部材1012は、キャリア103の運動を減衰させるためにキャリア103に摩擦係合する。スプリング部材1010は垂直力を発揮して、減衰部材1012をキャリア103に対して押圧する。
【0038】
図24は
図22における代替的な実施形態の分解図である。ボルト1053は軸受119とプーリ106をピボットアーム1050に固定する。ボルト1040は軸受118とプーリ104をキャリア103に固定する。ダストシールド1054は軸受119を保護する。ダストシールド1041は軸受118を保護する。ダストシールド1055は軸受118を保護する。ピボットアーム1050はスリーブ1031とブッシュ1032の周りに揺動し、これらは全てボルト1052によって部材103に固定される。軸B−Bはボルト1052を通る。ブッシュ1013は保持部材1014とキャリア103の間に配置される。
【0039】
図25は
図22の実施形態の上面斜視図である。
図25の表示は、多様なオルタネータの設計やエンジン配置に適合することができるという、本装置の適応性を示すために、
図22とは逆から見た状態である。ピボットアーム1050は、この図において本装置の右側に示され、ピボットアーム1050は
図22において本装置の左側に示される。全ての要素の説明と機能は、違うように示されるものを除き、全ての実施形態および構成において同じである。
【0040】
図26は、エンジンに設けられた本装置の正面図である。テンショナ100は、スタータジェネレータA/SGの前面に取付けられる。ベルトBはスタータジェネレータ・プーリPの周りを通る。ベルトBはまた、プーリ104とプーリ106の間に係合する。プーリ106はプーリ104に向かって押圧し、これはベルトBに負荷をかける。プーリPの回転軸は軸A−Aに整列する。ベルトBにより駆動される他のアクセサリは、空調機のコンプレッサACを含むエンジンに存在する。プーリP2はまた、エンジンのウォーターポンプに接続される。ベルトBはエンジンのクランクシャフト(図示せず)によって駆動される。スタータジェネレータA/SGはまた、ノンストップ/スタート・アプリケーション用のオルタネータを備えてもよい。
【0041】
図27は代替的な実施形態の分解図である。この実施形態の要素は、特記されなければ
図24に記載されたものに対応する。第2のピボットアーム2050はボルト2052によってキャリア103に揺動自在に取付けられる。ピボットアーム2050はブッシュ2031、2032において軸C−C周りに揺動する。軸C−Cは軸A−Aから径方向に配置される。プーリ104は軸受118によってピボットアーム2050に軸支される。スプリング3010はピボットアーム1050とピボットアーム2050の間に係合する。スプリング3010はピボットアーム1050とピボットアーム2050に作用し、これによってプーリ106をプーリ104に向かって付勢し、これは延いてはベルトに負荷を与える。
図26参照。
【0042】
図28は代替的な実施形態の分解図である。この実施形態の要素は、特記されなければ
図27に記載されたものに対応する。スプリング401はピボットアーム1050とピボットアーム2050の間に係合する。スプリング401の両端部はスロット1070とスロット2070に係合する。スプリング401はピボットアーム1050とピボットアーム2050に作用し、これによりプーリ106をプーリ104に向かって付勢し、延いてはベルトに負荷を与える。
図26参照。スプリング401は圧縮ばねである。
【0043】
本発明の一形態を説明したが、ここに記載された発明の精神と範囲から逸脱することなく、構成と関連した部分を変形することは当業者にとって自明である。
【手続補正書】
【提出日】2016年10月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース(101)と、
前記ベースに係合し、軸A−Aの周りに揺動自在であるキャリア(103)とを備え、
前記キャリアと前記ベースはそれぞれ、軸A−Aに同軸的な回転軸を有する被駆動プーリ(P)を受容するための環状穴を有し、
前記キャリアに軸支された第1のプーリ(104)と、
前記キャリアに取付けられたピボットアーム(105)とを備え、前記ピボットアームは軸B−Bの周りに揺動自在であり、
前記ピボットアームに軸支された第2のプーリ(106)とを備え、
前記軸B−Bは軸A−Aの周りにおいて軌道に沿って移動自在であり、
前記キャリアと前記ピボットアームの間に係合するスプリング(110)と、
径方向外方に押圧され、前記キャリアに摩擦係合してキャリアの運動を減衰させる、摩擦材料を有する円弧状スプリング力部材を備える減衰機構(111)とを備える
テンショナ。
【請求項2】
前記減衰機構が前記キャリアに固定的に取付けられる請求項1に記載のテンショナ。
【請求項3】
前記スプリングがトーションスプリングである請求項1に記載のテンショナ。
【請求項4】
前記キャリアと前記ピボットアームの間に係合する第2のスプリングをさらに備える 請求項1に記載のテンショナ。
【請求項5】
前記スプリングが、コイルの両端の間において180度から270度の範囲にある、部分的な単一コイルを備える請求項1に記載のテンショナ。
【請求項6】
ベースと、
前記ベースに係合するキャリアとを備え、前記キャリアは軸A−Aの周りに揺動自在であり、前記キャリアに軸支された第1のプーリとを備え、
前記キャリアと前記ベースはそれぞれ、軸A−Aに同軸的な回転軸を有する被駆動プーリ(P)を受容するための環状穴を有し、
前記キャリアに取付けられたピボットアームを備え、前記ピボットアームは軸B−Bの周りに揺動自在であり、前記ピボットアームに軸支された第2のプーリを備え、
前記軸B−Bは前記軸A−Aの周りにおいて軌道に沿って移動自在であり、
前記キャリアと前記ベースの間に摩擦係合して部材の振動運動を減衰させる減衰機構と、
前記キャリアと前記ピボットアームの間に係合して前記第1のプーリを前記第2のプーリに向かって付勢するスプリングとを備える
テンショナ。
【請求項7】
軸A−Aが軸B−Bに平行である請求項6に記載のテンショナ。
【請求項8】
前記第2のプーリの回転軸が軸A−Aに関して可変である請求項6に記載のテンショナ。
【請求項9】
前記第1のプーリの回転軸が軸A−Aから一定の半径に配置される請求項8に記載のテンショナ。
【請求項10】
前記第1のプーリが軸A−Aの周りにおいて軌道に沿って移動する請求項6に記載のテンショナ。
【請求項11】
前記キャリアと前記ピボットアームの間に係合する第2のスプリングをさらに備える請求項6に記載のテンショナ。
【請求項12】
前記第1のスプリングがトーションスプリングである請求項11に記載のテンショナ。
【請求項13】
前記減衰機構が円弧状スプリング力部材に固定された摩擦材料を備える請求項6に記載のテンショナ。
【請求項14】
前記第1のプーリの回転軸と前記第2のプーリの回転軸が共に、前記ベースの外径内に配置される請求項6に記載のテンショナ。
【請求項15】
前記スプリングが、コイルの両端の間において180度から270度の範囲にある、部分的な単一コイルを備える請求項6に記載のテンショナ。
【請求項16】
ベースと、
前記ベースに係合するキャリアとを備え、前記キャリアは軸A−Aの周りに揺動自在であり、
前記キャリアと前記ベースはそれぞれ、軸A−Aに同軸的な回転軸を有する被駆動プーリ(P)を受容するための環状穴を有し、
前記キャリアと前記ベースの間に摩擦係合する減衰機構と、
前記キャリアに対して、軸B−Bの周りに揺動自在に取付けられた第1のテンショナと、
前記キャリアに対して、軸C−Cの周りに揺動自在に取付けられた第2のテンショナとを備え、
軸B−Bは軸A−Aから径方向に離れて配置され、
軸C−Cは軸A−Aから径方向に離れて配置され、
前記第1のテンショナと前記第2のテンショナの間に係合するスプリングとを備える
テンショナ。
【請求項17】
前記スプリングが圧縮ばねである請求項16に記載のテンショナ。
【国際調査報告】