特表2017-514714(P2017-514714A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスカー−テヒノロギーズ ウーゲーの特許一覧

特表2017-514714同時平行処理時間で単一のステーションの機械加工ユニットを装填し取り出すためのロボット・セル
<>
  • 特表2017514714-同時平行処理時間で単一のステーションの機械加工ユニットを装填し取り出すためのロボット・セル 図000003
  • 特表2017514714-同時平行処理時間で単一のステーションの機械加工ユニットを装填し取り出すためのロボット・セル 図000004
  • 特表2017514714-同時平行処理時間で単一のステーションの機械加工ユニットを装填し取り出すためのロボット・セル 図000005
  • 特表2017514714-同時平行処理時間で単一のステーションの機械加工ユニットを装填し取り出すためのロボット・セル 図000006
  • 特表2017514714-同時平行処理時間で単一のステーションの機械加工ユニットを装填し取り出すためのロボット・セル 図000007
  • 特表2017514714-同時平行処理時間で単一のステーションの機械加工ユニットを装填し取り出すためのロボット・セル 図000008
  • 特表2017514714-同時平行処理時間で単一のステーションの機械加工ユニットを装填し取り出すためのロボット・セル 図000009
  • 特表2017514714-同時平行処理時間で単一のステーションの機械加工ユニットを装填し取り出すためのロボット・セル 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-514714(P2017-514714A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】同時平行処理時間で単一のステーションの機械加工ユニットを装填し取り出すためのロボット・セル
(51)【国際特許分類】
   B23Q 41/04 20060101AFI20170512BHJP
   B23Q 7/04 20060101ALI20170512BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20170512BHJP
   B23P 21/00 20060101ALI20170512BHJP
【FI】
   B23Q41/04
   B23Q7/04 M
   B25J13/00 Z
   B23P21/00 307E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-570178(P2016-570178)
(86)(22)【出願日】2015年2月18日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月30日
(86)【国際出願番号】EP2015053445
(87)【国際公開番号】WO2015124645
(87)【国際公開日】20150827
(31)【優先権主張番号】202014001487.6
(32)【優先日】2014年2月21日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014002746.5
(32)【優先日】2014年3月4日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014003596.4
(32)【優先日】2014年3月17日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014003720.7
(32)【優先日】2014年3月18日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014007654.7
(32)【優先日】2014年5月27日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014010880.5
(32)【優先日】2014年7月26日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014010925.9
(32)【優先日】2014年7月28日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014114258.6
(32)【優先日】2014年9月30日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014017343.7
(32)【優先日】2014年11月25日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014017930.3
(32)【優先日】2014年12月5日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】516250661
【氏名又は名称】エスカー−テヒノロギーズ ウーゲー
【氏名又は名称原語表記】SK−TECHNOLOGIES UG
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】クルック、シュテファン アンドレアス
【テーマコード(参考)】
3C030
3C033
3C042
3C707
【Fターム(参考)】
3C030BC04
3C030DA04
3C030DA11
3C030DA24
3C033HH05
3C042RA27
3C042RB32
3C707AS05
3C707BS10
3C707CT02
3C707ES01
3C707JS02
(57)【要約】
ロボット・セル(1)は、単一のステーションの機械加工ツール(2)の装填および取り出しを行うためのロボット・セル・チャンバ(15)を有するとともに、機械加工チャンバ(14)を備える。少なくとも1台のロボット(7)がロボット・セル・チャンバ(15)に配置され、単一のステーションの機械加工ツール(2)の少なくとも2つの挾持ポイント(5,6)および少なくとも1つの機械加工スピンドル(13)が機械加工チャンバ(14)に配置され、これにより、ロボット(7)は、機械加工チャンバ(14)における半加工品を受承するための挾持ポイント(5,6)に到達可能であり、ロボット・セル・チャンバ(15)は、ロボット・セル・チャンバ(15)が機械加工チャンバ(14)に連結されるように機械加工チャンバが形成されるように、機械加工チャンバ(14)に連結可能であり、装置は、請求項1乃至20のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)、および単一のステーションの機械加工ツール(2)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のステーションの機械加工ユニット(2)の装填および取り出しを行うためのロボット・セル・チャンバ(15)を有するとともに、機械加工スペース(14)、前記ロボット・セル・チャンバ(15)に配置される少なくとも1台のロボット(7)、少なくとも2つの挾持ポイント(5,6)、および機械加工スペース(14)に配置される単一のステーションの機械加工ユニット(2)の少なくとも1つの機械加工スピンドル(13)を有するロボット・セル(1)であって、これにより、前記ロボット(7)は、前記機械加工スペース(14)における半加工品を受承するための挾持ポイント(5,6)に到達可能であり、前記ロボット・セル・チャンバ(15)は、機械加工チャンバが前記ロボット・セル・チャンバ(15)および前記機械加工スペース(14)の連結状態に形成されるように、前記機械加工スペース(14)に連結可能であることを特徴とするロボット・セル(1)。
【請求項2】
前記ロボット・セル(1)は、前記単一のステーションの機械加工ユニット(2)に着脱自在に連結可能であることを特徴とする請求項1に記載のロボット・セル(1)。
【請求項3】
連結部は、前記ロボット・セル・チャンバ(15)と前記単一のステーションの機械加工ユニット(2)上の前記機械加工スペース(14)との間に連結部シール(10)を有することを特徴とする請求項1または2に記載のロボット・セル(1)。
【請求項4】
前記単一のステーションの機械加工ユニット(2)は、同時平行処理時間で前記ロボット(7)によって、好ましくは自動的に、装填可能かつ取り出し可能であることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)。
【請求項5】
前記機械加工スピンドル(13)が不使用であるか、稼動しているかのいずれかの場合に、前記ロボット(7)が前記機械加工スペース(14)における前記半加工品を受承するための前記挾持ポイント(5,6)に到達可能であることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)。
【請求項6】
前記ロボット・セル(1)は、前記挾持ポイント(5,6)を制御するための手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)。
【請求項7】
前記手段は、好ましくは前記挾持ポイント(5,6)が独立して制御可能なように構成されることを特徴とする請求項6に記載のロボット・セル(1)。
【請求項8】
挾持ポイント・シールド(9)が、前記機械加工チャンバに配置され、前記挾持ポイント・シールド(9)は、機械加工台(3)に、ロボット(7)上に、あるいは機械加工スピンドル(13)上に固定して取り付けられることを特徴とする請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)。
【請求項9】
前記ロボット(7)が機械加工台に直接あるいは間接的に連結されることを特徴とする請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)。
【請求項10】
前記ロボット(7)がクレードル板(19)に直接あるいは間接的に連結されることを特徴とする請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)。
【請求項11】
前記ロボット(7)は複数アーム構造体を有することを特徴とする請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)。
【請求項12】
前記挾持ポイント・シールド(9)は、少なくとも1本のロボットアームによってシールド位置に保持可能であり、前記挾持ポイント(5,6)の装填および取り出しは、少なくとも1本の更なるロボットアームによって行われることを特徴とする請求項8および11に記載のロボット・セル(1)。
【請求項13】
ロボット・シールド(4)が前記機械加工チャンバに配置されることを特徴とする請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)。
【請求項14】
前記機械加工台(3)は、少なくとも第1の方向および第2の方向に沿って移動可能であり、前記第1の方向および前記第2の方向は、好ましくは互いに略直交することを特徴とする請求項1乃至13のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)。
【請求項15】
前記単一のステーションの機械加工ユニット(2)は追加の軸線(18)を有することを特徴とする請求項1乃至14のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)。
【請求項16】
前記挾持ポイント(5,6)は、追加の軸線(18)を中心として回転可能となるように取り付けられることを特徴とする請求項15に記載のロボット・セル(1)。
【請求項17】
前記挾持ポイント(5,6)は、クレードル板(19)上に配置されることを特徴とする請求項15および16のうちの少なくともいずれか一項に記載のロボット・セル(1)。
【請求項18】
前記ロボット(7)の運動、前記機械加工台(3)の運動、および前記追加の軸線(18)の運動の少なくともいずれかは、少なくとも部分的に同期可能であり、特に互いに対して同期して運動可能であることを特徴とする請求項1乃至17のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)。
【請求項19】
前記ロボット・セル(1)は前記ロボット(7)を制御するための通信手段を有し、これにより、前記ロボット(7)が、前記挾持ポイント(5,6)の制御に応じて通信手段によって制御可能であるか、前記挾持ポイント(5,6)が、前記ロボットの前記制御に応じて前記通信手段によって制御可能であるかの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1乃至18のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)。
【請求項20】
前記ロボット(7)の移動は、前記機械加工台(3)および前記追加の軸線(18)のうちの少なくともいずれか一方の移動に追随することを特徴とする請求項18に記載のロボット・セル(1)。
【請求項21】
機械加工のための装置であって、同装置は、請求項1乃至20のうちのいずれか一項に記載のロボット・セル(1)および単一のステーションの機械加工ユニット(2)を有し、前記ロボット・セル(1)および前記単一のステーションの機械加工ユニット(2)は、好ましくは一体的な構造体を有することを特徴とする機械加工のための装置。
【請求項22】
前記装置は格納ユニット(11)を有することを特徴とする請求項21に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の単一のステーションの機械加工ユニットを装填し取り出すためのロボット・セルおよび請求項21に記載の機械加工のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
システムのこれらのタイプは、様々な形態において原理として周知であり、主としてCNC制御の機械と組み合わせて使用される。
現在および以下の議論では、用語「ロボット・セル」は個別の専用ユニットを示す。対照的に、固定システムでは、単一のロボットは、工作機械に堅固に連結されるか、あるいは床にアンカ固定される。これらの固定システムは、柔軟性がなく、付加的な安全装置が必要であることが分かっている。
【0003】
現在および以下の議論では、「作動時間」は半加工品のための機械加工時間を示す。同時平行処理時間(「中間作業時間」とも呼ぶ)における装填および取り出し時に、これらの装填および取り出し作業は、半加工品の機械加工時間に影響しない。現在および以下の議論では、「チャンバの装填および取り出し」なる語は、挾持ポイントに半加工品を装填し、または挾持ポイントから半加工品を取り出す個別の分離した空間を示す。
【0004】
現在および以下の議論では、用語「単一のステーションの機械」は、機械加工スピンドルが半加工品を運ぶ保持部(例えば機械加工台)に固定して関連付けられる機械加工ツールを示す。従って、半加工品を運ぶ保持部(例えば機械加工台または追加の軸線)は、機械加工ポイントから次の機械加工ポイントへ、あるいは機械加工ポイントから装填および取り出しのチャンバまで移送されない。
【0005】
機械加工スピンドルは、機械加工のために好ましくは使用される。粉砕、ドリリング、ネジ切り、研磨、ラップ仕上げ、および砥石による研磨は、通常の機械加工方法の主要な応用として言及される。
【0006】
異なる2つの概念が、同時平行処理時間において機械加工ユニットを装填し取り出すことに関する先行技術において周知である。第1の概念は、壁によって装填および取り出しを行うチャンバ(配置チャンバとも呼ぶ)から機械加工チャンバが分離される交換ステーション機上における機械加工である。第2の概念は、例えば複数の機械加工ステーションが回転移送原理によって配置される移送機である。ここで、同様に、チャンバの装填および取り出しは互いに分離される。
【0007】
そのような概念では、機械的設計に応じて、配置ステーションから機械加工ステーションへの半加工品の変位は、数秒の時間がかかる。これは、同時平行処理時間において経過しない。すなわち、非生産的な時間であり、これは所要時間を延長するため、最終的に半加工品がより高価になる。
【0008】
概念の両者は、半加工品の実際の挾持時間が実際の作動時間に加えられる必要がないという共通の特徴を有し、その理由として、半加工品の挾持が配置チャンバにおいて行われ、機械加工が機械加工チャンバで行われることが挙げられる。従って、挾持時間が機械加工時間よりも短い場合、半加工品の挾持は、同時平行処理時間に行われる。配置チャンバから機械加工チャンバへの挾持ポイントの変位のみが、同時平行処理時間に行われるのではない。
【0009】
これらの2つの機械概念の短所は、非常に高い機械資本費用、各機械加工サイクルにおける配置ステーションから機械加工ステーションへの半加工品の変位に要する追加の時間、および挾持ポイントにおける液圧による挾持のための油のような挾持手段の媒体用の適切な回転通路にある。特に交換ステーション機は回転台を有し、これは技術的な複雑さに関して短所である。加えて、交換ステーション機は回転台のために大量の余地を要求し、これは空間の問題となる。更に、機械のこれらのタイプは、生じる回転運動により比較的大量のエネルギーを要求する。
【0010】
本発明は、そのような機械において、ロボットが機械加工時間中に機械加工スペースに達することができないように周知のロボット・セルが構成されるという課題に基づく。この場合において、これらの追加の挾持ポイントの装填および取り出しが同時平行処理時間に行われず、長く続きすぎるので、多数の挾持ポイントを使用することは多くの場合あまり意味がない。機械加工スペースは機械加工チャンバからロボット・セル・チャンバを分離するために通常完全に閉鎖される。機械加工の終了後まで、ロボット・セル・チャンバと機械加工チャンバとの間のアクセスは、開放されない。その後にのみ、挾持ポイントの装填および取り出しは行われる。
【0011】
従って、本発明の課題は、同時平行処理時間に単一のステーションの機械加工ユニットを装填し取り出すためのロボット・セル、並びに交換ステーション作業および移送作業のない機械加工のための装置を提供することにある。挾持位置から挾持位置への機械加工台の比較的非常に短い移動時間とは別に、各場合において、各機械加工サイクル中に配置ステーションから機械加工ステーションへの半加工品の変位による余分な時間は生じない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、同時平行処理時間で単一のステーションの機械加工ユニットを装填し取り出すための、請求項1の特徴を有するロボット・セル、並びに請求項21の特徴を有する機械加工のための装置によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の効果的な実施形態および改良は従属項に記載される。
本発明によるロボット・セルは、単一のステーションの機械加工ユニットの装填および取り出しを行うためのロボット・セル・チャンバを有するとともに、機械加工スペース、ロボット・セル・チャンバに配置される少なくとも1台のロボット、少なくとも2つの挾持ポイント、および機械加工スペースに配置される単一のステーションの機械加工ユニットの少なくとも1つの機械加工スピンドルを有する。これにより、ロボットは、機械加工スペースにおける半加工品を受承するための挾持ポイントに到達可能であり、ロボット・セル・チャンバは、機械加工チャンバがロボット・セル・チャンバおよび機械加工スペースの連結状態に形成されるように、機械加工スペースに連結可能である。複数の挾持ポイントの使用によって、単に異なる半加工品挾持手段を様々な挾持ポイントに装備することにより、様々な半加工品を同時に機械加工することが更に可能である。従って、本発明は、多くの異なる半加工品が1つの完全な機械加工通路の間に機械加工されることを可能にする。連結の機能により、単一のステーションの機械加工ユニットは手動で装填される。ロボット・セル・チャンバが分離される場合、半加工品を備えた機械加工スペースを設定するのは比較的容易である。「手動操作」は、人間の介在による操作を意味する。ロボット・セルの連結により、単一のステーションの機械加工ユニットは、いわゆる自動運転で自動的に供給される。連続的な自動運転によるロボット・セルは、機械領域において修理またはメンテナンスの作業を行う必要がある場合、効果的であることが分かっている。この場合に、ロボット・セルは容易に分離される。そのような場合において、「固定システム」はアクセシビリティが通常ほとんどまたはまったくない。ロボット・セルは、危険な進入またはアクセスから保護される。
【0014】
ロボット・セルは、好ましくは単一のステーションの機械加工ユニットに着脱自在に連結可能である。ロボット・セルは、修理またはメンテナンス作業用の機械領域に容易に分離される。そのような場合、「固定システム」はアクセシビリティが通常ほとんどまたはまったくない。
【0015】
ロボット・セルの連結部は、ロボット・セル・チャンバと単一のステーションの機械加工ユニット上の機械加工スペースとの間に連結部シールを効果的に有する。連結部シールは、機械へのロボット・セルの連結部を形成する。機械加工スペースは、このようにロボット・セル・チャンバと結合する。交換ステーション機あるいは移送機の場合と同様に、個別の装填および取り出し用のチャンバはなく、これに代えて、装填および取り出しの位置のみが設けられる。現在および以下の議論では、装填および取り出しの位置は、チャンバとは無関係に、装填および取り出しの位置を意味するものといえる。機械への連結部が連結部シールで構成される場合、機械加工される補助的な材料、他の媒体、および切断チップの逸脱は、効果的に回避される。
【0016】
本発明の好ましい一実施形態によれば、単一のステーションの機械加工ユニットは、好ましくは自動的に、同時平行処理時間でロボットによって装填可能かつ取り出し可能である。作動が同時平行処理時間に実行される場合、半加工品は機械加工ツールにおいて機械加工され、また、新しい半加工品が同時に供給される。この供給は、直接あるいは半加工品担持体によって行われる。
【0017】
本発明の一改良では、機械加工スピンドルが使用されておらず、かつ/または稼働中である場合に、ロボットが機械加工スペースの半加工品を受承するための挾持ポイントに到達可能なように、ロボット・セルは適切に構成される。稼動する機械加工スピンドルにおいては、交換ステーション機において適切なステーション変更に必要である、スピンドルの係止部が設けられる。
【0018】
本発明の別例において、ロボット・セルは制御手段を有する。制御手段によって、挾持ポイントは制御され、供給される半加工品のロボット・セルによる挾持がトリガされる。自動運転中に、挾持ポイントは、連続的なサイクルでこのように自動的に挾持される。
【0019】
挾持ポイントが独立して制御可能なように、制御手段は好ましくは適切に構成される。本実施形態の効果は、挾持ポイントのうちの1つで機械加工される間に、別の挾持ポイントで装填および取り出しが行われる点にある。
【0020】
挾持ポイント・シールドは、機械加工チャンバに効果的に配置され、挾持ポイント・シールドは、機械加工台に、ロボット上に、あるいは機械加工スピンドル上に固定して取り付けられる。機械加工台に連結されるとともに機械加工スピンドルを追跡することができる構造体が、挾持ポイント・シールドとして更に設けられる。挾持ポイント・シールドは、機械加工プロセスからの切断チップの他、補助的な機械加工材料(油または乳剤のような媒体)から保護する。更に、挾持ポイントは、挾持ポイント・シールドにより、必要な清掃がより少なくて済む。ノズルのような流し要素が、効果的に挾持ポイント・シールドに配置される。流し要素は、浄化された乳剤やエアブローのような清掃用媒体を使用して、装填および取り出しされる挾持ポイントを清掃することに使用される。
【0021】
本発明の一改良では、ロボットは機械加工台上に配置されるか、直接あるいは間接的に機械加工台に連結される。現在および以下の議論では、用語「間接的に」は、ロボットが中間の要素を介して機械加工台に連結されることを意味し、これに対応して、用語「直接」は、ロボットが機械加工台に直接、すなわち中間の要素を伴うことなく連結されることを意味する。ロボット保持部の運動はこのように機械加工台の運動と同様である。従って、ロボットの軸線がそのロボット保持部に対して、例えば挾持ポイントの装填および取り出しのために移動可能であるため、ロボット全体の運動ではなくロボット保持部の運動のみが機械加工台の運動と同様なものとなる。
【0022】
本発明の一改良は、クレードル板上に、あるいはクレードル板に対する所定の位置に固定される機械加工要素上に、ロボットを取り付ける。ロボットは、クレードル板に直接あるいは間接的に連結される。ロボット保持部の運動はこのようにクレードル板の運動と同様である。従って、ロボットの軸線がそのロボット保持部に対して、例えば挾持ポイントの装填および取り出しのために移動可能であるため、ロボット全体の運動ではなくロボット保持部の運動のみがクレードル板の運動と同様なものとなる。
【0023】
本発明の好ましい一実施形態によれば、ロボットは複数アーム構造体を有する。複数アームロボットにおいて、アームはそれぞれ別のアームとは独立してタスクを行い、これにより、効果的により短い機械加工時間となる。
【0024】
挾持ポイント・シールドが少なくとも1本のロボットアームによるシールド位置において保持可能であること、および挾持ポイントの装填および取り出しが少なくとも1本の更なるロボットアームによって行われることが効果的である。
【0025】
本発明の一改良において、ロボット・シールドは機械加工チャンバに配置される。ロボット・シールドは補助的な機械加工材料、切断チップ、および他の汚染からロボットを保護する。
【0026】
本発明の効果的な一実施形態によれば、機械加工台は少なくとも第1の方向および第2の方向に沿って移動可能であり、第1の方向および第2の方向は、好ましくは互いに略直行する。このように移動可能な機械加工台により、機械加工台が更にZ軸を中心として運動する機械と比較して、単一のステーションの機械加工ユニットの装填および取り出しが促進される。機械加工スピンドル(XY平面)に直交する平面における台の運動については、制御により、例えばドリリング・サイクル中に介在が可能となる。その理由として、この場合、Z軸線を中心とした運動のみが行われることが挙げられる。このプログラム・セグメントよりも長い時間、機械の装填および取り出しが続いた場合、機械加工は一時的に停止する。
【0027】
本発明の一改良では、単一のステーションの機械加工ユニットは追加の軸線を有する。追加の軸線は機械加工台あるいは機械加工枠に固定される。機械の構成が許容する場合、機械加工台も分配され、また、追加の軸線は、機械加工台の機能を呈する。追加の軸線は、続いて機械加工枠にしばしば直接取り付けられる。この追加の軸線により、機械加工スピンドルと組み合わせてではなく、むしろ挾持軸線と組み合わせて構成される更なる機械加工軸線が得られる。
【0028】
挾持ポイントは、追加の軸線を中心として回転可能なように、好ましくは取り付けられる。そのような追加の軸線は、複数の側から半加工品を機械加工できるように使用される。回転自在に取り付けられた挾持ポイントにより、切断チップは、重力により落下し、これにより、装填および取り出しが行われる挾持ポイントを汚染からより容易に保護することができる。
【0029】
本発明の一改良では、挾持ポイントは、クレードル板上に配置される。少なくとも一方の側から、しかし、より効果的に少なくとも2つの側からクレードル板に挾持ポイントを取り付けることによって、機械加工スピンドルの反対側で、あるいは、スピンドルに対して他の所定の適切な角度をなして装填および取り出しを行うことができる。これにより、クレードル板による挾持ポイント・シールドが得られ、また、重力により切断チップが落下し、これにより、装填および取り出しのための挾持ポイントを汚染からより容易に保護することができる。
【0030】
本発明の好ましい一実施形態によって、ロボットの運動、機械加工台の運動、および/または追加の軸線の運動は、少なくとも部分的に同期可能であり、特に互いに対して同期して運動可能である。従って、本発明は、機械加工台が静止していない場合も、すなわち機械加工の軸線が機械加工台と一体的に移動される場合(機械加工台で単軸または複数軸の機械加工)も使用される。これにより、同時平行処理時間での挾持ポイントの装填および取り出しが確実に行われ、マシン・コントローラは、ロボットへの対応する軸方向の運動を中継し、これは、運動に続く。従って、ロボットと機械加工台との間に相対運動はない。
【0031】
本発明の別例において、ロボット・セルはロボットを制御するための通信手段を有し、これにより、ロボットは、挾持ポイントの制御に応じて通信手段によって制御可能であり、かつ/または挾持ポイントは、ロボットの制御に応じて通信手段によって制御可能である。通信手段は、挾持ポイントとロボットとの間の軸方向の運動を伝達する。
【0032】
ロボットの運動は、機械加工台、および/または追加の軸線の運動に効果的に追随する。このように、ロボットは、静止していない機械加工台および/または追加の軸線においても、挾持ポイントを装填し取り出すことができる。
【0033】
本発明による装置は、本発明によるロボット・セルおよび単一のステーションの機械加工ユニットを有し、ロボット・セルおよび単一のステーションの機械加工ユニットが一体的に構成されることを特徴とする。
【0034】
装置は好ましくは格納ユニットを有する。ロボット・セル・チャンバは、供給システム、コンベヤ・ベルト、カートリッジ・システム、およびパレット・システムのような周知の方法で予め装填される。この予めの装填は格納ユニットの格納位置を介して行われる。機械加工完了後、完成した機械加工部は、更に格納位置に格納される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】例示的な一実施形態による単一のステーションの機械加工ユニットに連結される例示的な一実施形態によるロボット・セルを示す側面図。
図2図1によるロボット・セルを示す平面図。
図3】例示的な一実施形態による追加の軸線および例示的な一実施形態による水平な機械加工スピンドルを備える、図1によるロボット・セルを示す斜視図。
図4】例示的な一実施形態による、ロボット・セルおよび単一のステーションの機械加工ユニットの一体的な構成を有する構造体を示す側面図。
図5図4による構造体を示す平面図。
図6】例示的な一実施形態によるロボットおよび例示的な一実施形態による機械加工台の一体的な構成を有する構造体を示し、ロボットは、機械加工台上に配置されるか機械加工台に連結されることを示す斜視図。
図7図6によるロボットおよび図3による追加の軸線による一体的な構成を有する構造体を示し、ロボットは、追加の軸線上に配置されるか、追加の軸線に連結されることを示す斜視図。
図8】例示的な一実施形態によるロボット上の挾持ポイント・シールドを備える構造体を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、上記図面を参照してより詳細に説明される。
図1は、例示的な一実施形態による、単一のステーションの機械加工ユニット2を一体的に備えるロボット・セル1の側面図を示す。
【0037】
ロボット・セル1はロボット7が配置されるロボット・セル・チャンバ15を有する。ロボット7は適切な液圧または気圧駆動要素で作動し、これにより、電子問題を回避することができる。ロボット7はロボット・シールド4を備える。ロボット・シールドは、鋳造ロボットと組み合わせて使用されるように、カバー・フィルムとして構成される。
【0038】
単一のステーションの機械加工ユニット2の少なくとも2つの挾持ポイント5および6、並びに少なくとも1つの機械加工スピンドル13は、機械加工スペース14に配置される。単一のステーションの機械加工ユニット2は機械加工スピンドル13および機械加工ツール12、例えばドリルを有する。挾持ポイント5および6は、機械加工台3上に配置される。ロボットアームは、挾持ポイント5および6に到達可能である。半加工品16および17は挾持ポイント5および6に挾持され、これにより、半加工品は機械加工ツール12(図2を参照)で機械加工可能である。挾持ポイント5のうちの一方が機械加工される間に、別の挾持ポイント6で装填および取り出しが行われる。これらの挾持ポイント5および6は、続いて装填位置および取り出し位置となる。図2は、台に固定して設置される挾持ポイント・シールド9を示す。
【0039】
ツール保持部が機械加工スピンドル13に挿入される。機械加工スピンドル13は必要に応じてツールを駆動するか、トルクや他の生じる力に対してこれを支持する(図3を参照)。
【0040】
ロボット・セル1の効果は連結および連結解除を行う能力である。ロボット・セルは、閉鎖したシステムとして形成され、機械加工ツールの装填側に面する開口部を備え、ロボットの作業領域が実際のセルから機械加工領域内に延びて至るように通常構成される。図1に示すように、ロボット・セル1および機械加工スペース14は、連結部の連結部シール10を介して共有される機械加工チャンバを形成する。この連結により、機械加工スペース14およびロボット・セル・チャンバ15は組み合わされ、すなわち分離しない。
【0041】
ロボット・セルは、半加工品16および17、あるいは半加工品担持体用の供給あるいは格納ステーションを備える。図2は、ロボット7の側部に配置される格納位置11を示す。格納位置シールド8は、媒体の進入による汚染から格納位置11を保護する。
【0042】
単一のステーションの機械加工ユニット2は、ユニット2が静止した作業台を備える場合、好ましくは使用される。機械加工スピンドル13は、続いて様々な軸線X、Y、Zにおいて他の要素と一体的に移動される。更なる挾持ポイントの同時の装填や取り出しが、複数の軸線における半加工品の機械加工の間にも静止している台によって確実に行われる。
【0043】
ロボット・セル1は、機械加工台3が静止していない場合も、すなわち機械加工の軸線XおよびYが機械加工台3と一体的に移動される場合(機械加工台で単軸または複数軸の機械加工)も使用される。同時平行処理時間における挾持ポイント5および6の装填および取り出しは、機械コントローラにより、妨げる動作を伴うことなく適切なプログラム・セグメントのための装填および取り出しが可能となることで確実に行われる。
【0044】
図3は追加の軸線18を示す。この追加の軸線18においては、半加工品16および17が、クレードル板19上の挾持ポイント5および6において挾持される。非常に多くの挾持ポイント5および6が、この追加の軸線18上に取り付けられる。少なくとも一方の側から、しかし、より効果的に少なくとも2つの側からこの追加の軸線18あるいはクレードル板19に挾持ポイント5および6を取り付けることによって、図3に示すように、機械加工スピンドル13の反対側で、あるいは、スピンドルに対して他の所定の適切な角度をなして装填および取り出しを行うことができる。これにより、クレードル板19による挾持ポイント・シールドが得られ、また、重力により切断チップが落下し、これにより、挾持ポイント5および6を汚染からより容易に保護する。
【0045】
追加の軸線18により、ロボット・セル1は、機械加工台3が静止していない場合も、すなわち機械加工の軸線が機械加工台3と一体的に移動される場合(機械加工台で単軸または複数軸の機械加工)も使用される。これにより、同時平行処理時間での挾持ポイント5および6の装填および取り出しが確実に行われ、マシン・コントローラは、機械加工台3およびロボット7への追加の軸線18の対応する軸方向の運動を中継し、これは、部分的に運動に続く。調整される位置のうち、ロボット・コントローラは挿入および取り払いのポイントのみを利用し、これらに向かって移動する。
【0046】
機械加工台3および追加の軸線18が機械加工プログラムにより行うおそらく複雑な運動に続く必要があることを回避するために、ロボット7の1つ以上の軸線が弾性モード(あるいは弾みモード)に切り替えられる。このモードにより、1つ以上の軸線は、サスペンション機能が付与される。この機能により、ロボットは把持される部分と一体的に、機械加工台3および追加の軸線18の運動に続くように張引乃至押圧される。複雑な動作をプログラムする必要はなく、また、機械加工台3の運動および追加の軸線18の運動とのロボット運動の同期機能は必要ではない。
【0047】
図4および図5は、ロボット・セル1および単一のステーションの機械加工ユニット2の一体的な構造体を示す。そのような構造体では、ロボット・セル1および単一のステーションの機械加工ユニット2は一体的に構成される。
【0048】
図6は、ロボット7、およびロボット7が機械加工台3に固定される単一のステーションの機械加工ユニット2の構造体を示す。ロボット7あるいはその基部保持部と挾持ポイントとの間の相対運動は、このように取り除かれる。ロボットの同期あるいは可撓性の切り換えが不要となるので、これにより、ずっと単純なプログラミングで済む。従って、ロボット7がその軸との相対運動をなお行うことができ、また、取り除かれる相対運動は静止しているロボット7あるいは様々な軸線において移動するロボット7の基部保持部のみに関係するため、ロボット基部保持部が言及される。
【0049】
図6によるそのような構造体により、機械加工台3あるいは機械加工スピンドル13に連結されるロボット7が示される。従って、上述したように、挾持ポイント5および6に対するロボット基部保持部の運動はない。ロボット7が機械加工するために半加工品をピックアップするために、あるいは、機械加工完了後に格納位置11にそれらを配置するために、静止している台において、特別な措置をとる必要はない。移動する台に対して様々なオプションがある。第1に、例えばZ方向においてドリリング作業が堅固に行われ、XおよびY軸方向の運動が何も行われない場合、格納位置11において半加工品をピックアップし配置するために、短いマシン係止部がロボット7のために利用されてもよい。第2に、ロボットの運動は、ロボット7と格納位置11との間の相対運動と同期されてもよい。第3に、ロボット7は、格納位置11の運動を追跡してもよい。
【0050】
図7は、ロボット7および単一のステーションの機械加工ユニット2の一体的な構成を示し、ロボット7は、追加の軸線18上に配置されるか、追加の軸線18に接続される。従って、ロボット7は、機械加工台3に直接ではなく代わりに間接的に、すなわち追加の要素を介して接続される。この構成により小型の構造体となる。
【0051】
図8は、ロボット7および機械加工台3の構造体の斜視図を示し、挾持ポイント・シールド9がロボット7上に配置される。挾持ポイント・シールド9のそのような配置は、機械加工プロセスによる補助的な機械加工材料(油または乳剤のような媒体)および切断片からのロボット7の保護の改善に使用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】