(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-514715(P2017-514715A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】ジュエリーツール
(51)【国際特許分類】
B25B 27/00 20060101AFI20170512BHJP
A44C 27/00 20060101ALI20170512BHJP
【FI】
B25B27/00
A44C27/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-502753(P2017-502753)
(86)(22)【出願日】2015年3月11日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月25日
(86)【国際出願番号】US2015020004
(87)【国際公開番号】WO2015148129
(87)【国際公開日】20151001
(31)【優先権主張番号】14/228,036
(32)【優先日】2014年3月27日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516288077
【氏名又は名称】バルーフ,キャシー
(71)【出願人】
【識別番号】516288088
【氏名又は名称】コーハマー,ララ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルーフ,キャシー
(72)【発明者】
【氏名】コーハマー,ララ
【テーマコード(参考)】
3B114
3C031
【Fターム(参考)】
3B114BD06
3C031CC00
(57)【要約】
上部部品および下部部品を備えるはさみ式のチャーム開放本体を有する、手持ち式チャームオープナーであって、上部部品および下部部品はそれぞれ、垂直方向に向いているが水平方向に整列する少なくとも1つの突起部を備えており閉じられたブレスレットチャームに挿入され、親指および人差し指の間での手動による装置の押圧により、突起部は並進的垂直運動によって互いに近づくように移動し、一方でチャームが半分に分割されて内部の中央部が露出するまで、突起部がチャームの開口部に係合し、突起部の円弧形状はチャームを損傷から保護する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾的チャームを開放するための装置であって、
第1のハンドル部および前記第1のハンドル部に固定された第1のヘッド部を有する第1硬質部材と、
第2のハンドル部および前記第2のハンドル部に固定された第2のヘッド部を有する第2硬質部材であって、前記第1硬質部材は前記第2硬質部材に枢動的に連結される、第2硬質部材と、を備え、
前記第1のヘッド部は下方に向いたピラミッド型のこじ開け用ブレードを備え、前記第2のヘッド部は装飾的チャームにその間で係合し、前記チャームを分割して開放するための凹形状を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1硬質部材の前記ヘッド部の反対側に形成された開口部、および、前記第2硬質部材の前記ヘッド部の反対側に形成された開口部を各々通って延伸する枢動ピンをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記枢動ピンは付勢部材を含むことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記付勢部材は前記第1のヘッド部および前記第2のヘッド部を離隔させるように付勢することを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のヘッド部は、前記チャームの分割の際、前記チャームに係合し、且つ、適所に確実に保持するための鋸歯状縁部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項6】
装飾的チャームを開放する装置であって、
第1のハンドル部および前記第1のハンドル部に固定された第1のヘッド部を有する第1硬質部材と、
第2のハンドル部および前記第2のハンドル部に固定された第2のヘッド部を有する第2硬質部材であって、前記第1硬質部材は前記第2硬質部材に枢動的に連結される、第2硬質部材と、
前記第1硬質部材の前記ヘッド部とは反対側に形成された開口部、および、前記第2硬質部材の前記ヘッド部とは反対側に形成された開口部を各々通って延伸する枢動ピンと、を備え、
前記枢動ピンは付勢部材を備え、前記付勢部材は前記第1のヘッド部および前記第2のヘッド部を離隔させるように付勢し、
前記第1のヘッド部は下方に向いたピラミッド型のこじ開け用ブレードを備え、前記第2のヘッド部は装飾的チャームにその間で係合し、前記チャームを分割して開放するための凹形状を備えることを特徴とする装置。
【請求項7】
前記第1のヘッド部は、前記チャームの分割の際、前記チャームに係合し、且つ、適所に確実に保持するための鋸歯状縁部をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
装飾的チャームを開放する方法であって、
第1のハンドル部および前記第1のハンドル部に固定された第1のヘッド部を有する第1硬質部材を提供するステップと、
第2のハンドル部および前記第2のハンドル部に固定された第2のヘッド部を有する第2硬質部材を提供するステップであって、前記第1硬質部材は前記第2硬質部材に枢動的に連結される、ステップと、
前記第1硬質部材の前記ヘッド部とは反対側に形成された開口部、および、前記第2硬質部材の前記ヘッド部とは反対側に形成された開口部を各々通って延伸する枢動ピンを提供するステップであって、前記枢動ピンは付勢部材を備え、前記付勢部材は前記第1のヘッド部および前記第2のヘッド部を離隔させるように付勢し、前記第1のヘッド部は下方に向いたピラミッド型のこじ開け用ブレードを備え、前記第2のヘッド部は装飾的チャームをその間で係合し、前記チャームを分割して開放するための凹形状を備える、ステップと、
圧縮部材を備える小さな開口部の付された装飾的チャームを、前記第1のヘッド部および前記第2のヘッド部の間に配置するステップと、
前記第1硬質部材および前記第2硬質部材を互いに向かって移動させることにより前記こじ開け用ブレードを前記チャームの開口部に接触させるステップと、
前記チャーム外部に実質的な機械的損傷を与えることなく、前記圧縮部材を移動させ、前記チャームの2つの側部をこじ開けるステップとを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、現在関連していると思われる先行技術の一覧である。
[米国特許]
特許番号 種別コード 発効日 特許権保有者
5,403,230 A 1995年4月4日 Capriglione, Sr.
7,112,129 B2 2006年9月26日 Zimbone, et. al.
7,361,080 B2 2008年4月22日 Martin
7,784,383 B2 2010年8月31日 Salva, et. al.
7,806,028 B2 2010年10月5日 Yue
7,976,365 B1 2011年7月12日 King
8,387,260 B2 2013年3月5日 Quentin
8,438,951 B1 2013年5月14日 McCabe, et. al.
8,484,785 B1 2013年7月16日 Kristiansen, et. al.
[米国特許出願公開]
公開番号 種別コード 公開日 出願人
2013/0124301 A1 2013年5月16日 Bachman
[海外特許文献]
該当なし
[非特許文献]
該当なし
【0002】
[著作権およびトレードドレスに関する通知]
本特許文書の開示の一部は、著作権の保護の対象となるデータを含んでいる。この特許文書は所有者のトレードドレスである、またはトレードドレスになりうる事項を提示し、および/または説明しうる。著作権およびトレードドレスの所有者は、米国特許商標局の特許出願または登録に見られるような、特許開示のうちのいずれか1つによる完全な複写に異論はないが、その他の点では一切の著作権およびトレードドレス権を所有する。
【0003】
本発明は、ジュエリーを着用するための補助装置に関し、特にジュエリー連結部の着け外し、ロックチャーム(固定式チャーム)およびセーフティチェーンロックのような装飾的なチャームのチャームブレスレットからの取り外しのための補助装置に関する。
【背景技術】
【0004】
ロックチャームのような装飾的なチャーム、およびセーフティチェーンロックは、一旦ブレスレットに装着されると、強力な圧縮(締結、compression)部材によって適所に固く保持される。このタイプのジュエリーは、一般にヨーロピアンチェーンまたはヨーロピアンチャームとも呼ばれる。これらのチャームが高価であることを考慮し、多くの場合、チャームを開き、チャームブレスレットから取り外すことを極めて困難にすることによって事故を防ぐように圧縮部材が設計される。高価なチャームをうっかり紛失するリスクをさらに減らすために、多くのブレスレットはセーフティチェーンおよびロックが装着されている。さらに、ネックレス、アンクレットおよびブレスレットのようなジュエリーは、掴み、開位置を保ち、確実に留めることが難しい連結部を有している場合が多い。これは多くのジュエリーの上質で繊細な特性によるものであろうが、ジュエリーの連結部を上手に操作および留めるための留め金具および/または着用者の制約によって、ジュエリーの掛け金を留めるプロセスはさらに複雑化される。
【0005】
例として、典型的な「ロブスタークロウ」タイプ、またはスプリングリングタイプのクラスプを留めるには、クラスプの開閉を作動する、クラスプの環状リングから延伸する小さなレバーの操作を必要とする。レバーを視覚的または触覚的に探し、クラスプの付勢に対して開位置に操作および保持するのが難しい場合がある。次いで、留め金具は、ジュエリーの反対側の連結部をクラスプの狭い開口部に配置するとともに、連結部を留めるためにレバーを開放しなければならない。
【0006】
クラスプを留め、チャームをこじ開け、チャームブレスレットに追加または取り外す困難なプロセスは、ジュエリーの連結部を見て、整列させ、留めることができないことによって、さらに困難となりうる。チャームを手で開くことは事実上不可能である。チャームの狭い開口部は狭すぎて、爪が辛うじて中に入るほどであることはもちろんのこと、爪は奥深くに入った圧縮部材に到達しようとして、チャーム外部の全長に沿って移動するばかりである。チャームブレスレットに起因するこれらの困難は、多くの着用者が試行錯誤によって連結具を留め、また、ブレスレットのチャームを壊しかねない手段を使って、チャームをこじ開けようとする原因となってきた。ユーザがチャームを開けるためにナイフや針といった一般に利用可能な先端のとがった物体に頼る際、十分にもどかしいとともに悪影響を及ぼす。
【0007】
チャームを開き、チャームブレスレットおよびジュエリー部品の連結部の留め金具からチャームを外すのを補助するための補助装置が開発されてきたが、いずれも、多くのユーザが要望する簡便性および柔軟性を提供するものではない。装飾性の高いチャームおよびバネ式のジュエリー連結部を、損傷を与えることなく安全に開くための補助装置が必要とされている。本発明はこれらの必要性を実現するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、ロックチャームやセーフティチェーンロックといった一般的な装飾的チャームの開放を補助する、低コストの手動による装置を提供することにある。本発明はコンパクトで安全であり、耐久性があり、一般的な材料から成り、容易に製造できる。本発明の本体は、V字型を形成するように互いに枢動(回動)可能に取り付けられた2つの基本アームピースを備える。2つのアームは、連結された端部を形成するように一方の端部で互いに連結され、連結された端部から開き始める。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、いくつかの突起部を備え、そのうちの少なくとも1つは弓状であり、チャームを適所に確実に固定するように設計されている一方で、本発明はこじ開けてチャームを開くために使用される。チャームを開くのに本発明のオープナーが使用されうる場合に、突起部の形状および間隔が、チャームの形状およびサイズの適応性を可能にする。高価なジュエリーであろうチャームに損傷を与えることなく、チャームを開く動作を容易にするために、尖った先端を含む少なくとも1つの硬質の端部が、一方の基本ピース(primary pieces)の形状に挿入される。
【0010】
本発明のある実施形態では、ばね部材が、第1のアームの第1の端部、および第2のアームの第1の端部を、互いに離れるように、一般的方向(in a general direction)に付勢する。第1のアームの第1の端部、および第2のアームの第1の端部を互いに向かって一般的方向に操作する際、第1のアームおよび第2のアームの第2の端部も、互いに向かって一般的方向に移動する。第1のアームの第2の端部、および第2のアームの第2の端部が一緒に操作される際、第1のアームの内面は、第2のアームの内面と完全に反対(逆)の状態で静止する。
【0011】
第2のアームの片方の端部は、本発明のジュエリーツールの使用中、チャームを適所に保持する、顕著な機械的優位性を提供する角度がついた先端をさらに備える外方弓状部を備える。第2のアームは、本発明のジュエリーツールの使用中、セーフティチェーンロックをその中に静止させるための凹状の空洞をさらに備える。この空洞は、ツールが係合されているときに発生しうる損傷を防ぐように設計されている。本発明のツールは、様々な材料で製造可能でありながら、現在使用されているオープナーを悩ませる問題を取り除き、より高い実用性をもたらす。
【0012】
1つまたは複数の態様の、これらのおよび他の優位性が、以下の説明および添付の図面の考慮から明らかにされよう。上記の説明は多くの特異性を含んでいるが、実施形態の範囲を限定すると解釈されるべきではなく、複数の実施形態のいくつかを説明しているに過ぎないと解釈されるべきである。よって、実施形態の範囲は、ここに与えられた例によってではなく、添付された請求項および法的同等物によって定められるべきである。
【0013】
本発明に関連する当業者は、添付される請求項の範囲内で、別の形態を考案可能であることから、以下の発明の説明と添付された図面は、図示および説明されている例に本発明を限定すると解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明のより完全な理解のために、添付される図面、符号および発明の詳細な説明と併せて、以下に簡単な説明を行う。
【
図1】本発明に従ったジュエリーツールの正面斜視図である。
【
図2】本発明に従ったジュエリーツールの後面斜視図である。
【
図3】本発明に従ったジュエリーツールの側面図である。
【0015】
以下、本発明の実施形態が述べられる。ただし、本発明は具体的に説明された実施形態に限定されるものではないことが理解されるべきである。代わりに、異なる実施形態に関連するか否かに関わらず、以下の特徴および要素のあらゆる組み合わせが、本発明の実行および実践のために熟慮される。さらに、様々な実施形態において、本発明は先行技術に対して数多くの優位性を提供する。ただし、本発明の実施形態が他の考えられる解決法および/または先行技術に対する優位性を実現しうるとしても、特定の優位性が所与の実施形態によって実現されるか否かは、本発明を限定するものではない。よって、以下に記される態様、特徴、実施形態および優位性は、請求項に明確に記載されている場合を除き、単なる実例に過ぎず、添付された請求項の要素または限定とはみなされない。同様に、「本発明」という言及は、ここに開示される発明の趣旨を一般化するものと解釈されるべきではなく、さらに、請求項に明確に記載されている場合を除き、添付された請求項の要素または限定とみなされるべきではない。
【0016】
例示を簡略化かつ明確化するために、図面は一般的な構造を図示しており、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、既知の特徴および技術の説明および詳細が省略されている場合がある。さらに、図面の要素は必ずしも実寸では描かれていない。例えば、本発明の実施形態の理解を促すために、図面の要素のいくつかの寸法は、他の要素に対して誇張されている場合がある。異なる図面の同一の符号は、同一の要素を意味する。
【0017】
説明および請求項に「第1の」「第2の」「第3の」「第4の」などの用語がある場合、それらは同様の要素の間で識別するために使用されるものであり、特有の順番または時系列を表すために必ずしも使用されていない。このように使用される用語は、例えば、ここに説明される実施形態が、図示されている、またはここに説明されている順番とは別の順番で動作可能であるように、該当する状況において交換可能であることは理解されるべきである。さらに、「含む(include)」および「有する(have)」という用語、およびそれらが変形したものは、包括的な包含を対象とすることが意図されており、要素の列挙から成るプロセス、方法、システム、物品、装置または器具は、必ずしもそれらの要素に限定されず、むしろ、明確に列挙されていない他の要素、またはかかるプロセス、方法、システム、物品、装置または器具に固有ではない他の要素を含んでもよい。
【0018】
説明および請求項に「左」「右」「正面」「背面」「頂部」「底部」「上部」「下部」などの用語がある場合、それらは記述的な目的のために使用され、恒久的な相対位置を説明するために必ずしも使用されていない。このように使用される用語は、例えば、ここに説明される実施形態が図示されている、またはここに説明されている方向とは別の方向に動作可能であるように、該当する状況において交換可能であることは理解されるべきである。
【0019】
最後に、「チャームオープナー」および「装飾的チャーム」は例として言及されており、限定のために言及されてはいない。本発明のジュエリーツールは、ブレスレット、ネックレス、アンクレットのあらゆるチェーンを開くために使用されうる。さらに、本分野では「装飾的チャーム」を「ロックチャーム」または単に「ロック(locks)」と言及することが知られている。また、本分野では、チャームブレスレットを「ヨーロピアンチャームブレスレット」および「ヨーロピアンチェーン」と言及することが知られている。よって、以下に提供される例は本発明の範囲を限定するものではなく、むしろ、本発明の実施形態を例示することが意図されている。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の例示的な実施形態が以下に説明される。これらの説明は好適な実施形態を例示することを目的としており、それらに限定することを目的としていない。以下の説明は、これらの実施形態の実施可能な説明を完全に理解するために、具体的な詳細を提供している。当業者は、本発明はかかる詳細なく実践できうると理解するであろう。他の例では、本実施形態を不必要に不明確にすることを避けるために、既知の構成および機能は図示または説明されていない。
【0021】
詳細について
図1−3を参照すると、番号10は、装飾的チャーム、ロックチャーム、セーフティチェーンおよびクラスプを開くための、本発明のジュエリーツール装置を示している。装置10は、枢動可能に連結され、近接した、一対の指押圧部材12および14を備える。各指押圧部材12および14は、ハンドル部18、20、および、ヘッド部22、24をそれぞれ備える。頂部ハンドル部18は、その縦軸の大部分に沿って互いに離れて延伸する底部ハンドル部20よりもわずかに狭く、その結果、2つのハンドル18および20が同時に押圧されると、第1のハンドル部18は第2のハンドル部20の内部に入れ子状態で係合することができる。ある実施形態では、ハンドル部18および20の外面は、ユーザがハンドル部を握りやすいように、高摩擦カバーを有してもよい。
【0022】
ヘッド部22、24は、各押圧部材12および14と一体的に形成される。ある実施形態ではピン部材を備えうる枢動点16は、ハンドル部18および20に形成された、対応する開口部を通って挿入され、それによって押圧部材12および14の間の枢動動作を可能にする。ある実施形態では、強化バネ(図示せず)が指押圧部材12および14を枢動的に相互連結する。さらに、強化バネは、ユーザによって押圧されていないとき、押圧部材12および14をV字に保つのに十分な抵抗力を与える枢動点16を貫通する指押圧部材12および14を操作的に相互連結する。
【0023】
本発明の装置10は、実質的に、はさみ状のチャーム開放本体50も含んでいる。第1のヘッド部24には凹型内面26が備わっている。溝30がヘッド部24の第1の側部32から第2の側部34に延伸する内面26上に形成されている。開放されるチャームまたは他の対象物が、ヘッド部24の第1の側部32から第2の側部34に延伸する湾曲の間に収容されることが可能であるように、内面26は凹型である。この内面26は、チャームまたはその一部を、その中に着脱可能に受ける。ある実施形態では、この内面26は鋸歯状縁部36を備えていてもよい。鋸歯状縁部36は、チャームの開放プロセス中に、チャームが摺動することを防ぐ一方で、開放されたチャームまたは他の物品を強固に固定する役割も果たしている。
【0024】
溝30は、本発明の装置10の使用中、セーフティチェーンロックのチェーン部分がその中に静止するように、凹状空洞を形成する。溝30は、装置10が係合している際に起こりうる損傷を防ぐように設計されている。
【0025】
第1のヘッド部22にはこじ開け部材(prying member)40が備わっている(
図2参照)。こじ開け部材40は、ヘッド部22の第1の側部42から第2の側部44に延伸する表面上(
図1)に形成されている。装置10のある実施形態では、こじ開け部材40が備わったヘッド部22は鋸歯状であってもよい。鋸歯状縁部46は、装置10の使用中、チャームを強固に固定し、さらにチャームが摺動することを防ぐ役割も果たしている。
【0026】
図2により明確に例示されているように、第1の押圧部材12の内端は、こじ開け部材とも呼ばれる角度切端40を有する。角度切端40は約45°を定めるように示されているが、この角度の大きさは例示目的にすぎず、切端40は必ずしも45°でなくてもよいことは理解されるべきである。切端40は、切端40に鋭利な構造を提供することに適した角度で構成されてもよく、その結果、いかなる損傷を発生させることなく、装飾的チャームおよびセーフティチェーンロックを分割し、またはジュエリーのクラスプ(留め金)を開くことができる。
【0027】
枢動点16は、ハンドル部18、20およびヘッド部22、24が互いに向かっておよび互いから離れるように移動することを可能にする。損傷を発生させることなく、チャームを開くのに十分な力で装飾的チャーム、セーフティチェーンまたはクラスプを押し付けるように、ヘッド部22、24の枢動動作を合理的な程度に制御できる状態を維持しながら、ユーザが親指および人差し指を使って握るのに適切であるように、ハンドル部18および20の長さが選択される。
【0028】
先述のとおり、ジュエリーツール装置10が開位置に付勢されており、第1の押圧部材12および第2の押圧部材14が枢動点16周囲の一点において接触し、V字型を形成する。ある実施形態では、枢動点16は、ピンの周囲にコイルを巻いた(図示せず)付勢部材を備え、さらに、押圧部材12、14を中央縦軸Xから離れさせようとする末端部を有する。ただし、付勢部材は、例えばリーフスプリングまたは弾性重合体構造といった、押圧部材12および14を開位置に押しやるのに適切な移動力を提供する弾性エネルギー蓄積装置であってもよい。
【0029】
使用時、使用者は片手で、親指と人差し指の間にハンドル部18および20を配置する。こじ開け部材40の形状およびサイズは、チャームブレスレットで一般的に見受けられるような装飾チャームの溝(グルーブ)内に係合するように選択される。使用時、チャームは、先述の溝がこじ開け部材40に向かって上方に面するように、凹型内面26上に配置されてもよい。次いで、ユーザはハンドル部18、20をチャームに対して操作し、その結果、チャームは分割されるか、またはハンドル部が、実質的に連続する線を形成する溝に平行な配置となる。ハンドル18および20に力が付加されると、こじ開け部材がチャームの2つの側部の間の溝に向かって挿入され、該部材を関連させながら押圧する。これによりチャームが開放される。
【0030】
ユーザはチャームが開放されたことに気付くとすぐに、ハンドル部18、20への押圧動作を容易に停止することができる。チャームは関連する部材が押圧されると、異なる度合の抵抗力を呈するため、ユーザはハンドル部18、20にかかる押圧動作を停止することによって、チャームへの損傷を防ぐことができる。
【0031】
ある実施形態では、起伏のある親指載置部材(図示せず)がハンドル部18、20の上端部に配置されうる。親指載置部材には、一対の、円形で間隔の空いた突起部がそこに施されうる。突起部の間のくぼみが、ユーザの親指および人差し指を収容するように形成されうる。
【0032】
本発明は特定の実施形態を参照して説明されているが、当業者が本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行いうることは理解されるであろう。したがって、実施形態の開示は、本発明の範囲を例示することを意図しており、限定することを意図していない。本発明の範囲は、添付の請求項によって請求される程度にのみ限定されることが意図されている。当業者にとって、ここに考察されている装置および方法は様々な実施形態によって実行されうること、および、それらの実施形態のいくつかに関する先述の考察は、すべての考えうる実施形態の完全な説明を必ずしも示していないことは至極明らかであろう。むしろ、図面の詳細な説明および図面そのものは、少なくとも1つの好適な実施形態を開示するとともに、別の実施形態を開示しうる。
【0033】
個別の請求項で請求されるすべての要素は、個別の請求項で請求される実施形態の本質的要素である。結果として、1つまたは複数の請求される要素の置き換えは改変を成すものであり、修正ではない。さらに、利益、他の優位性および問題解決法が個別の実施形態に関して説明されている。ただし、利益、優位性または解決法を発生させる、またはそれらをより顕著にするであろう利益、優位性、または問題解決法、およびあらゆる要素は、かかる利益、優位性、解決法または要素がかかる請求項にて言及されていなければ、いずれかの請求項またはすべての請求項の重要な、必須の、または本質的な特徴または要素として解釈されるべきではない。
【0034】
さらに、実施形態および限定が、(1)請求項で明確に請求されていない場合、および(2)均等論に基づき、請求項の明確な要素および/または限定と同等である場合、または潜在的に同等である場合、発明の公開主義に基づき、ここに開示される実施形態および限定は発明の公開が成されていない。
【0035】
本発明の特定の形態が例示および説明されてきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正が成されうることは明白であろう。例えば、たとえば発明者が、チャームブレスレットのセーフティクラスプなどをこじ開けることが必要な、様々な他の装飾的品目を開放するためのジュエリーツールを使用する可能性を熟考したとしても、ジュエリーツールは、装飾的チャームを開放するものとして説明されうる。したがって、本発明は、添付される請求項以外に限定されることを意図していない。
【0036】
ここに提供される教示は、ここに説明されているシステムに限定されない、他のシステムに適用されることも可能である。上記の様々な実施形態の要素および行為は、さらなる実施形態を提供するために組み合されることが可能である。添付提出書類に挙げられうるものを含め、すべての上記特許および出願、ならびに他の参考文献は、本明細書の一部として援用される。本発明のさらなる実施形態を提供するために、上記の様々な参考文献のシステム、機能、および概念を用いるように、本発明の様態は必要に応じて修正されてもよい。
【0037】
本発明のある特徴または様態を説明する際に使用される固有の専門用語は、かかる専門用語が関連付けられるジュエリーツールの具体的な性質、特徴または態様に当該専門用語が限定されることを示唆していると解釈されるべきではない。上記の発明の詳細な説明にて、かかる用語を明確に定めていなければ、通常、以下の請求項で使用される用語は、明細書に開示される具体的な実施形態に本ジュエリーツールを限定すると解釈されるべきではない。したがって、実際の範囲は開示された実施形態のみならず、開示されたシステムを実施または実行するすべての同様の方法をも包含する。本ジュエリーツールの実施形態の上記説明は、先に開示された正確な形態、または特定の使用分野に徹底する、または限定することを意図していない。例えば、ツールの具体的な実施形態が例示を目的として先に説明されていたとしても、関連分野の当業者が認識するであろう様々な同様の修正が可能である。
【0038】
本ジュエリーツールのある様態が、以下に請求項の形式で具体的に示されてはいるものの、発明者は多数の請求項形式によるシステムの様々な態様を熟考している。よって、発明者は本ジュエリーツールの他の様態の、追加の請求項形式を追求するために、出願後に追加的請求項を追加する権利を有する。
【国際調査報告】