(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-515011(P2017-515011A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】健康機能性自己粘着インナーウェア
(51)【国際特許分類】
A41B 17/00 20060101AFI20170512BHJP
【FI】
A41B17/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-566934(P2016-566934)
(86)(22)【出願日】2014年10月30日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月2日
(86)【国際出願番号】KR2014010308
(87)【国際公開番号】WO2015170809
(87)【国際公開日】20151112
(31)【優先権主張番号】10-2014-0055267
(32)【優先日】2014年5月9日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】516330206
【氏名又は名称】オドロソ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ODOROSO CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000981
【氏名又は名称】アイ・ピー・ディー国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョ ナヨン
【テーマコード(参考)】
3B128
【Fターム(参考)】
3B128SA05
3B128SB00
(57)【要約】
インナーウェアの内面に接着されるベース層、前記ベース層の上に積層された健康機能性物質層、及び前記健康機能性物質層の上に積層されて皮膚に接触する自己粘着層で構成された筋肉テープが内面に接着され、前記ベース層は液状シリコンをプリント方式で前記インナーウェアの内面に塗布し、一部が前記インナーウェアに吸収された状態で熱硬化によって前記インナーウェアに接着され、前記健康機能性物質層に含有された健康機能性物質は、前記筋肉テープの自己粘着層が接触する人体部位に応じて、または該当部位の症状に応じて異なることを特徴とする健康機能性自己粘着インナーウェアが開示される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インナーウェアの内面に接着されるベース層、前記ベース層の上に積層された健康機能性物質層、及び前記健康機能性物質層の上に積層されて皮膚に接触する自己粘着層で構成された筋肉テープが内面に接着され、
前記ベース層は液状シリコンをプリント方式で前記インナーウェアの内面に塗布し、一部が前記インナーウェアに吸収された状態で熱硬化によって前記インナーウェアに接着され、
前記健康機能性物質層に含有された健康機能性物質は、前記筋肉テープの自己粘着層が接触する人体部位に応じて、または該当部位の症状に応じて異なる、
ことを特徴とする健康機能性自己粘着インナーウェア。
【請求項2】
前記健康機能性物質層に含有された健康機能性物質は、前記人体部位に応じて互いに異なる密度を有することを特徴とする請求項1に記載の健康機能性自己粘着インナーウェア。
【請求項3】
前記筋肉テープは前記インナーウェアの内面に多数個が接着され、それぞれの前記筋肉テープは互いに異なる厚さの自己粘着層を有することを特徴とする請求項1に記載の健康機能性自己粘着インナーウェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は健康機能性自己粘着インナーウェアに関し、特に、人体部位に応じて互いに異なる健康機能性を示す健康機能性自己粘着インナーウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者による特許文献1は、着用時に弾力的に人体の皮膚と直接接触し、人体の各部位に対応して予め決まれたパターンで形成されて、自己粘着性を有するシリコン材質で構成された筋肉テープが内面に付着され、前記筋肉テープは前記皮膚に前記自己粘着性で粘着されて、前記人体の動きに応じて前記皮膚を引き上げることを特徴とする機能性弾力インナーウェアを開示している。
【0003】
前記特許文献1によると、人体の各部位別に筋骨格系及び靭帯の機能を補助し、2次損傷を防止し負傷部位を支持するだけでなく、血液循環系の円滑な流れを提供する効果と、人体の各部位別に正確な位置にテープを付着することができ、人体の動きにも位置が変更されずに皮膚との間で間隔が発生せず、テーピングの施術効果が優位である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許第1268599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1は以下のような問題点を有する。
【0006】
第一に、シリコン材質の筋肉テープをインナーウェアの内面に付着するための方法のうち、生産効率がよい方法としては、液状のシリコンを塗布し硬化して形成する方法があるが、実際に液状のシリコンをインナーウェアの内面に塗布するとインナーウェアに吸収されてしまい、一定な厚さを有する筋肉テープを形成することが難しい問題点がある。
【0007】
第二に、単純に筋肉テープによって皮膚が引き上げられることで皮膚と筋肉との間に空間が発生し、この空間を介してリンパ液の流れが円滑になり、同時に血管が膨張しながら血管中の血の流れが円滑になること以外には他の健康機能性を有しないため、使用範囲が制限される問題点がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、内面に容易に付着される構成を備えた筋肉テープが付着された健康機能性自己粘着インナーウェアを提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、人体の各部位別に互いに異なる健康機能性を示して使用範囲を広げられる健康機能性自己粘着インナーウェアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的は、インナーウェアの内面に接着されるベース層、前記ベース層の上に積層された健康機能性物質層、及び前記健康機能性物質層の上に積層されて皮膚に接触する自己粘着層で構成された筋肉テープが内面に接着され、前記ベース層は液状シリコンをプリント方式で前記インナーウェアの内面に塗布し、一部が前記インナーウェアに吸収された状態で熱硬化によって前記インナーウェアに接着され、前記健康機能性物質層に含有された健康機能性物質は、前記筋肉テープの自己粘着層が接触する人体部位に応じて、または該当部位の症状に応じて異なることを特徴とする健康機能性自己粘着インナーウェアによって達成される。
【0011】
好ましくは、前記健康機能性物質層に含有された健康機能性物質は、前記人体部位に応じて互いに異なる密度を有する。
【0012】
好ましくは、前記筋肉テープは前記インナーウェアの内面に多数個が接着され、それぞれの前記筋肉テープは互いに異なる厚さの自己粘着層を有する。
【発明の効果】
【0013】
上述した構造によると、液状シリコンをインナーウェアにプリントし硬化してインナーウェアと接触するベース層を先に形成することで、後に健康機能性物質層や自己粘着層を形成するために液状のシリコンを塗布してもインナーウェアに吸収されないため、生産効率的に筋肉テープを製造することができる利点がある。
【0014】
また、筋肉テープの特定パターンによって人体の各部位別に筋骨格系及び靭帯の機能を補助し、2次損傷を防止し負傷部位を支持するが、特に、筋肉テープの自己粘着性によって人体に動きがあっても該当部位に付着された状態を維持することができ、皮膚との間に間隔が発生しないためテーピング施術の効果が優位である。
【0015】
また、筋肉テープ自体でシリコン材質の自己粘着性によって血液循環系の円滑な流れを提供するだけでなく、健康機能性物質層に含有された健康機能性物質によって血液とリンパ液の循環が円滑になった状態で健康機能性を提供するため、その効果が更に倍加する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による健康機能性自己粘着インナーウェアを着用した状態を示す図である。
【
図2】健康機能性自己粘着インナーウェアの一例を示す図である。
【
図3】健康機能性自己粘着インナーウェアの内面に付着された筋肉テープの断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明による健康機能性自己粘着インナーウェアを着用した状態を示す図であり、
図2は健康機能性自己粘着インナーウェアの一例を示す図であって、
図3は健康機能性自己粘着インナーウェアの内面に付着された筋肉テープの断面を示す図である。
【0019】
本発明の健康機能性自己粘着インナーウェア(inner wear)100は、文字通り健康機能性を備え、自己粘着によって人体の皮膚と直接接触して粘着されるインナーウェアを意味するが、自己粘着によって人体の皮膚と接触するため、人体の皮膚は一定な程度で引き上げられるようになる。
【0020】
インナーウェア100の内面には筋肉テープ110、120、130、140が接着されるが、人体部位に応じて、または該当人体部位の症状に応じて予め設定されたパターンに付着される。例えば、
図1に示したように、人体の肩、腕と手首、膝、及び脇と腹部分に対応する位置でインナーウェア100の内面に接着され、それぞれ異なるパターンを備えるが、例えば、
図2のように肩部位にのみ筋肉テープ110が接着されたT−シャツの形態に提供されてもよい。
【0021】
図3を参照すると、筋肉テープ110はインナーウェア100の内面に直接付着されるベース層112、ベース層112の上に積層された健康機能性物質層114、及び健康機能性物質層114の上に積層されて皮膚10に接触する自己粘着層116で形成される。
【0022】
健康機能性物質層114は、自己粘着層116が接触する人体部位での症状に応じてそれぞれ異なる健康機能性物質を含有する。
【0023】
上述したように、一つのインナーウェア100の内面に多数の筋肉テープ110、120、130、140が付着されるが、各筋肉テープ110、120、130、140の健康機能性物質層114には互いに異なる成分の健康機能性物質が含有される。
【0024】
また、各健康機能性物質層114における健康機能性物質の密度を調節し、健康機能性の強弱を調節することができる。
【0025】
自己粘着層116は液状シリコンが硬化されて形成されることで弾性と自己粘着性を備えるが、筋肉テープ110が適用される人体部位の皮膚10は自己粘着層116の弾性のためインナーウェア100から弾性的に圧力を受け、自己粘着性によってインナーウェア100が動くと皮膚10は常に引き上げられるようになる。
【0026】
ベース層112と自己粘着層116は全てシリコン材質で形成されるが、インナーウェア100に固く接着される機能と皮膚10に自己粘着される機能に差があるため、硬化速度と自己粘着力などを考慮して造成に差がある可能性がある。
【0027】
また、皮膚10と接触する自己粘着層116の模様と健康機能性物質層114の模様が必ずしも一致する必要はないが、自己粘着層116によって皮膚10が引き上げられると血液とリンパ液の循環が円滑になり、この状態で健康機能性物質層114による健康機能性が効率的に提供されるため、同じ模様に形成することが好ましい。
【0028】
自己粘着層116はその厚さを制御して弾性や圧迫力を調節することができる。例えば、インナーウェア100のサイズは決まっているため、人体の特定部位で自己粘着層116の厚さを厚くする場合、該当部位で自己粘着層116が皮膚10を圧迫する力が増加する。
【0029】
以下、各構成を形成する方法の一例を説明する。
【0030】
ベース層112の場合、液状シリコンをプリント方式でインナーウェア100の内面に塗布すると、塗布された液状シリコンの一部はインナーウェア100に吸収されるが、この状態で急速熱硬化によってベース層112が形成され、インナーウェア100に吸収された液状シリコンの硬化によってインナーウェア100に固く接着される。
【0031】
ベース層112は究極的に自己粘着層116の予め設定されたパターンに対応するパターンに形成されることが好ましいが、これに限ることはない。
【0032】
健康機能性物質層114は、硬化されたベース層112の上に健康機能性を有する物質のパウダーを液状シリコンに均一に分散混合した液状混合物を塗布し硬化して形成する。
【0033】
健康機能性物質は多様に提供されるが、人体部位に応じて、または該当部位における症状に応じてそれに対応する健康機能性物質が利用される。
【0034】
例えば、白金パウダーは体温が比較的高い人に適用し、金パウダーは冷や汗をよくかくか汗臭い人に適用して、それぞれ脇や股を通るパターンで筋肉テープ110を付着する。
【0035】
また、ソーダライトは腎臓や肝の機能が低下した人に適用し、肝と腎臓に繋がるパターンで筋肉テープ110を付着する。
【0036】
上述した例の他の、多様な種類の健康機能性物質を適用してもよいが、例えば、トルマリンやカオリンのような遠赤外線発生物質、陰イオン発生物質、ゲルマニウム、バイオセラミックパウダーや漢方抽出物などが適用されてもよい。
【0037】
自己粘着層116は、液状シリコンを硬化された健康機能性物質層114の上に塗布し硬化して形成する。
【0038】
上述した筋肉テープ110が内面に付着されたインナーウェア100を着用すると、筋肉テープ110の自己粘着層116が皮膚10に粘着されながら筋肉の動きに沿って皮膚を引き上げることで、究極的に血液とリンパ液の循環を円滑にする。
【0039】
また、上述したように、健康機能性物質層114に含有された健康機能性物質が人体部位に応じて互いに異なる健康機能性を提供し、血液とリンパ液の循環が円滑になった状態で健康機能性を提供するため、その効果が更に倍加する。
【0040】
例えば、健康機能性物質として白金パウダーや金パウダーを使用し、汗を多くかく脇や股に付着すれば、汗の発生を減らし汗臭さをなくす効果が得られる。
【0041】
一方、筋肉テープ110を筋骨格と靭帯が並存する位置、例えば、肩などに付着すれば、筋肉テープ110の弾性復元力によって肩関節の運動を制限することで肩部位の筋骨格系及び靭帯の機能を補助し、2次損傷の防止と負傷部位の支持効果によって運動遂行を可能にする。特に、筋肉テープ110が皮膚10に接触して粘着されることで、自己粘着性と共に筋肉テープ110自体が弾力を備えるため、皮膚に粘着された筋肉テープ110はユーザの活動にも動きが最小化されて人体の正確な部位に粘着され、その位置を維持するようになる。
【0042】
これまで説明したように、本発明によると、液状シリコンをインナーウェアにプリントし硬化してインナーウェアと接触するベース層を先に形成することで、後に健康機能性物質層や自己粘着層を形成するために液状シリコンを塗布してもインナーウェアに吸収されないため、生産効率的に筋肉テープを製造することができる利点がある。
【0043】
また、筋肉テープ自体としては以下のような利点を有する。
【0044】
つまり、筋肉テープの特定パターンによって人体の各部位別に筋骨格系及び靭帯の機能を補助し、2次損傷を防止し負傷部位を支持するが、特に、筋肉テープの自己粘着性によって人体に動きがあっても該当部位に付着された状態を維持することができ、皮膚との間に間隔が発生しないためテーピング施術の効果が優位である。
【0045】
また、筋肉テープ自体でシリコン材質の自己粘着性によって血液循環系との円滑な流れを提供するだけでなく、健康機能性物質層に含有された健康機能性物質によって血液とリンパ液の循環が円滑になった状態で健康機能性を提供するため、その効果が更に倍加する。
【0046】
これまで本発明の実施形態を中心に説明したが、当業者の水準で多様な変更が加えられることはもちろんである。
【0047】
例えば、前記実施例ではベース層112の上に健康機能性物質層114を別途に形成することを例に挙げているが、健康機能性物質層114をベース層112と一体に形成してもよい。
【0048】
よって、本発明の権利範囲は上述した実施例に限って解析されてはならず、以下に記載する特許請求の範囲によって解析されるべきである。
【国際調査報告】