(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-515025(P2017-515025A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】車両錠用緊急開放システム
(51)【国際特許分類】
E05B 77/22 20140101AFI20170512BHJP
B60J 5/00 20060101ALI20170512BHJP
B60R 21/00 20060101ALI20170512BHJP
【FI】
E05B77/22
B60J5/00 H
B60R21/00 630A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-500467(P2017-500467)
(86)(22)【出願日】2015年3月20日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月16日
(86)【国際出願番号】IB2015052047
(87)【国際公開番号】WO2015140763
(87)【国際公開日】20150924
(31)【優先権主張番号】VC2014A000001
(32)【優先日】2014年3月20日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516283371
【氏名又は名称】エッグ・イノベーション・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ・センプリフィカタ
【氏名又は名称原語表記】EGG INNOVATION S.r.l.s.
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100183232
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 敏行
(72)【発明者】
【氏名】エドアルド・バロッコ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンカルロ・ブソ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・パオロ・コロンバーノ
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250JJ33
2E250KK01
2E250LL01
2E250PP10
2E250PP11
2E250QQ09
(57)【要約】
自動車の内側から錠を緊急開放する装置であって、固定プレート(10)と、前記固定プレート(10)が摺動可能に取り付けられており、前記錠のフック要素(23)の係合を補助し、凹部(34)を備える拡張部分32を有する可動式プレート(12)と、前記可動式プレート(12)の滑動を許可するように、選択的に前記凹部(34)から引き抜くことができるばねラッチ(18)と、前記ラッチ(18)に接続する一端と操作ハンドル(14)を提供する他端とを有する平棒のような、前記ラッチ(18)の引き抜きを実行するための操作手段と、を備える、自動車の内側から錠を緊急開放する装置。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定プレート(10)と、
前記固定プレート(10)上に滑動可能に取り付けられており、錠のフック要素(23)の係合を補助し、凹部(34)を備える拡張部分(32)を有する可動式プレート(12)と、
前記可動式プレート(12)の滑動を許可するように、選択的に前記凹部(34)から引き抜くことができるばねラッチ(18)と、
前記ラッチ(18)に接続する一端と、操作ハンドル(14)を提供する他端とを有する平棒(16)のような、前記ラッチ(18)の引き抜きを実行するための操作手段と
を備える、自動車の内側から錠を緊急開放する装置。
【請求項2】
前記固定プレート(10)は、少なくとも1つの蟻継ぎ溝(20)を有し、
前記可動式プレート(12)は、少なくとも1つの蟻継ぎ突起(28)を有し、
前記蟻継ぎ突起(28)は、前記プレート(10,12)の滑動係合を許容するように固定プレート(10)の溝(20)の断面に対応する断面をそれぞれ有している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記凹部(34)は、実質的に矩形形状を有する、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記固定プレート(10)は、可動式プレート(12)の滑動方向に平行に方向付けられ各弾性部材の台座として働く少なくとも2つの穴(22)を有し、
前記弾性部材は、前記拡張部分(32)が突出している端部の反対側の前記可動式プレート(12)の一端から突出している突起(36)を押している、前述の請求項のいずれか1つに記載の装置。
【請求項5】
前記可動式プレート(12)は、前記フック要素(23)の固定を許容するように、複数の穴、特にネジ穴(30)、を有している、前述した請求項のいずれか1つに記載の装置。
【請求項6】
前述した請求項のいずれか1つの請求項に記載の少なくとも1つの錠用の緊急開放装置を有する車両。
【請求項7】
前記固定プレート(10)は、前記錠が取り付けられておりドアによって閉じられる開口の境界を示す上部(11)に固定されている、請求項6に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械工学の技術分野に関し、より詳細には、実質的にどのような車両の内側からでも錠を緊急開放する開放システム又は開放装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術によると、既知の解決方法は、車両のドアに取り付けられる炸薬を伴うシステムに関し、前記炸薬は、緊急時には、錠の台座から錠を吹き飛ばすように起動され、その結果、ドアが開く。しかしながら、爆発物を使用するため、このシステムは、本質的に車両の乗員にとって危険である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、先行技術に関連する不利益を受けない錠用緊急開放装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る装置は、車両の乗客に危険又は危害を与えることなく車両の内側からの逃げ道を提供するように、ドアの施錠システムに関連づけられたうえで、緊急時に、ドアを開放する機能、及び/又は、車両の閉鎖システムを有する機械的なシステムから構成されている。そのような装置は、以下の請求項1で説明される。本発明に係る好ましい特徴は従属請求項において説明される。
【0005】
本発明は、更に、少なくとも1つの錠を緊急開放する前述したタイプの装置を備える車両に関する。
【0006】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の図面を参照し、単に非制限的な例によって与えられた以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】
図1の上部プレートの異なる角度からの斜視図。
【
図11】自動車に導入された本発明に係る装置を図示する模式的斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
それ自体従来型の車両のドア錠用の緊急開放装置は、金属及び/又は他の材料からなる2つのプレート又は部品を備える(
図10参照)。一方の底部のプレート又は部品10は、車両の上部又は柱状部11(
図11参照)に固定され、もう一方の上部の可動式のプレート又は部品12は、第1のプレート10上を滑動する。本装置は、緊急時に、ハンドル又はノブ14を使用して車両に乗っている人によって直接操作される。ハンドル又はノブ14は、平鋼棒16に接続されており、平鋼棒16は、好適にはばねタイプの、ラッチ18に同様に接続されている。前記操作によって、以下に詳細に説明するように、可動式プレート12は固定プレート10から外され、その結果、ドアは施錠装置から解放される。
【0009】
底部プレート10(
図6から
図9参照)は、「蟻継ぎ(dovetail)」タイプの凹形状に切削された溝20と、2つの穴22とを有する。穴22は、底部プレート10の一般平面に平行に実質的に延在し、それぞれの弾性部材(
図7のみに簡単に示す、例えば従来の螺旋状ばね)用の台座として機能する。前記弾性部材は、錠の可動式部材に選択的に係合するように設計された、フック要素23又は「ノーズピース」(
図11のみに簡単に示す)からの排出及び解放/それとの係合を支援する。
【0010】
フック要素23は、一対の穴27を有するプレート25から突出しており、一対の穴27は、プレート12の一般平面に対して垂直に形成されたプレート12上のネジ穴30とそれぞれ一致している。フック要素23は、穴30の内側に係合するネジ(図示せず)を使用してプレート12に締結されている。
【0011】
プレート10の周囲又は基部24は、装置の底における境界を示し、プレート10から横方向に突出している側縁26の厚みは、既存の従来型錠の閉鎖ノーズピースの中心に正確に形成される台座の内側に、例えば溶接を使用して、プレート10を固定する作業を容易にする。
【0012】
上部又は可動式プレート12(
図1から
図5参照)もまた、蟻継ぎのように凸形状に加工されており、従って、実質的に前記プレートの一般平面と平行である突起28の形状をしている要素を有している。溝20の内側での突起28の係合によって、2つのプレート10及び12の完全な嵌合を達成することができ、その結果、プレート12は、突起28によって決定された方向に沿って完全に滑動できる。これにより、錠の従前の操作を要求することなしに、フック要素又はノーズピース23を錠の可動式部材から開放する。本発明によると、フック要素23は、ドアによって閉じられた開口を取り囲む車両のフレームの固定側にもはや固定されないが、前述しているように、可動式又は上部プレート12にネジ穴30を使用して固定されている。上部プレート12は、ばねラッチの締結又は係合点として働く矩形の凹部34を備える拡張部分32を有している(
図10参照)。前記ばねラッチは、鋼棒16に接続されており、鋼棒16は、緊急時に操作を容易にするハンドル又はノブ14を端部に有している。ハンドル又はノブ14を引くことで、ばねラッチ18が作動し、矩形凹部34から引き抜かれ、その結果、上部プレート12は解放される。プレート12は、ばねの動きによって決定される方向にのみ、固定プレート10上を滑動する。前記ばねは、固定プレート10の穴22の内側に収納されており、突起36を押す。突起36は、拡張部32が延伸する端部と対向するプレート12の一端から突出している。このようにして、プレート12に固定されているフック要素又はノーズピース23は、ドアに取り付けられている錠の可動式部材との係合から開放され、その結果、ドアは車両の内側から開かれる。
【0013】
当然、本発明の原理を変更することがなく、実施形態及び構成詳細は、非制限的な例を用いて単に説明し図解してきたものに対して、広範に変更可能であり、それにより添付の請求項に規定した本発明の範囲から逸脱することはない。例えば、固定プレート10及び可動式プレート12上の溝20及び突起28の配置は、それぞれ逆になってもよく、溝20及び突起28は、いくらでも存在してよい。更に、装置の操作手段(平棒16並びにハンドル又はノブ14のような、特にラッチ18の引き抜きを実行する手段)は、それぞれ
図10及び
図11における例を用いて説明されるように、種々の形状で設計されてもよい。更に、本発明に係る装置の様々な構成部品の製造に使用される材料は、特に鉄材料か非鉄材料かについては、実質的にどのような性質でもよく、本装置は、ドアによって閉じられる開口又は錠が取り付けられているハッチの寸法に適用するのに最適な寸法を有していてもよい。
【国際調査報告】