特表2017-515048(P2017-515048A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-515048風力タービンブレードの解体および再取り付け方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-515048(P2017-515048A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】風力タービンブレードの解体および再取り付け方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   F03D 13/40 20160101AFI20170512BHJP
   F03D 1/06 20060101ALI20170512BHJP
   F03D 80/50 20160101ALI20170512BHJP
【FI】
   F03D13/40
   F03D1/06 A
   F03D80/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-508779(P2017-508779)
(86)(22)【出願日】2015年4月30日
(85)【翻訳文提出日】2016年2月15日
(86)【国際出願番号】IB2015053136
(87)【国際公開番号】WO2015166439
(87)【国際公開日】20151105
(31)【優先権主張番号】2187/CHE/2014
(32)【優先日】2014年4月30日
(33)【優先権主張国】IN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516047131
【氏名又は名称】ウィンドケア インディア プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WINDCARE INDIA PVT LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】アンソニラジ プレム クマール センソールパンディアン
(72)【発明者】
【氏名】カリムス ナグラティナム
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA22
3H178AA43
3H178BB41
3H178BB77
3H178BB79
3H178DD67X
(57)【要約】
風力タービンブレードの解体および再取り付けシステムであって、少なくとも一つの第一プーリー、少なくとも一つの第二のプーリー、少なくとも一つの第三のプーリー、ブレードの渡りの相当の範囲に及ぶキャッチ機構、少なくとも一つの第一プーリー、少なくとも一つの第二のプーリー、少なくとも一つの第三のプーリーを通り少なくとも一つの第二のプーリーへ戻し接続される吊り上げワイヤー、レードに配置されたキャッチ機構の上下動作を可能にするように吊り上げワイヤーを牽引および解放するように構成された少なくとも一つの負荷支持機構、ブレード機能本体の底部に接続されブレードの解体および再取り付け中にブレードを支持するように構成された負荷支持機構、少なくとも一つの第三のプーリーと接続された少なくとも一つの保持機構、および、キャッチ機構を保持するように適合された少なくとも一つの保持機構から成るシステムを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンブレードの解体および再取り付けシステムであって、以下から構成されるシステム。
・ 前記の風力タービン底部に取り付けられた少なくとも一つの第一プーリー、
・ 前記ブレードに隣接する少なくとも一つのブレードに取り付けられた少なくとも一つの第二のプーリー、前記の少なくとも一つの第一プーリーと揃うように配置された前記の少なくとも一つの第二のプーリー、
・ 少なくとも一つの第三のプーリー、前記の少なくとも一つの第三のプーリーが前記の少なくとも一つの第二のプーリーとともにガンテークルの配置をなす、
・ 前記ブレードの渡りの相当の範囲に配置されたキャッチ機構、
・ 前記の少なくとも一つの第一プーリーに掛けられた吊り上げワイヤー、前記の少なくとも一つの第二のプーリー、前記の少なくとも一つの第三のプーリー、前記の第三のプーリーは前記の少なくとも一つの第二のプーリーに戻り接続されている、
・ 前記吊り上げワイヤーの引き上げおよび解放のために構成された少なくとも一つの負荷支持機構であって、前記ブレード上に配置された前記キャッチ機構の垂直動作を可能にする、
・ 前記ブレードの機能本体の底部に接続された負荷支持機構であって、前記ブレードを解体および再取り付け中に前記ブレードを支持するように構成されている、
・ 前記の少なくとも一つの第三のプーリーに取り付けられた少なくとも一つの保持機構、前記の少なくとも一つの保持機構は前記キャッチ機構を保持するように適合される。
【請求項2】
請求項1に記載されるシステムであって、さらに、前記の風力タービンタワー底部に取り付けられたジグから構成され、前記のジグが前記の少なくとも一つの第一プーリー に適合されているシステム。
【請求項3】
請求項1に記載されるシステムであって、さらに、少なくとも一人の人員を前記の風力タービンのかなりの高さまで運ぶように適合されたゴンドラから構成されるシステム。
【請求項4】
請求項1に記載されるシステムであって、ここに前記の少なくとも一つの第一プーリーは一方向プーリーであるシステム。
【請求項5】
請求項1に記載されるシステムであって、ここに前記の少なくとも一つの第二のプーリーは二方向プーリーであるシステム。
【請求項6】
請求項1に記載されるシステムであって、ここに前記の少なくとも一つの第三のプーリーは一方向プーリーであるシステム。
【請求項7】
請求項1に記載されるシステムであって、ここに前記の少なくとも一つの負荷支持機構および少なくとも一つの負荷支持機構はクレーン、手動力および少なくとも一つのウィンチから構成されるグループの中から選択されるシステム。
【請求項8】
請求項1に記載されるシステムであって、ここに前記の少なくとも一つの吊り上げワイヤーはロープ、鎖およびベルトから成る群から選択されるシステム。
【請求項9】
請求項1に記載されるシステムであって、ここに前記のキャッチ機構はポリエステルバケツであるシステム。
【請求項10】
請求項1に記載されるシステムであって、ここに前記の保持機構はフックであるシステム。
【請求項11】
風力タービンブレードの解体方法であって、以下の手順から成る方法。
・ 取り外す前記のブレードを六時の位置にする、
・ 前記のブレードを前記の六時の位置でロックする、
・ 前記の風力タービン底部にジグを組み付ける、
・ 少なくとも一つの第一プーリーを前記のジグに取り付ける、
・ 少なくとも一つの第二のプーリーを前記のブレードと隣接するブレードに取り付ける、
・ 少なくとも一つの第二のプーリーとともにガンテークルの配置をなす少なくとも一つの第三のプーリーを取り付ける、
・ キャッチ機構を前記のブレードの渡りの相当の範囲に及んで取り付ける、
・ 負荷支持機構から来る少なくとも一つの吊り上げワイヤーを前記の少なくとも一つの第一プーリー、前記の少なくとも一つの第二のプーリー、前記の少なくとも一つの第三のプーリーに掛け、前記の第二のプーリーへ戻し接続する、
・ 保持機構とともに前記の第三のプーリーを前記のキャッチ機構と接続する、
・ 負荷支持機構を前記のブレードの機能本体の底部に取り付ける、
・ 前記の吊り上げワイヤーを操作して前記のブレードを降ろす。
【請求項12】
請求項11に従う方法であって、ここにキャッチ機構を風力タービンブレードに取り付ける手順は以下から構成される方法。
・ ゴンドラを取り外す前記ブレードの上部へ上げる、
・ 前記の負荷支持機構を使用して、前記の吊り上げワイヤーを引き上げる、
・ 前記のキャッチ機構を取り外す前記のブレードに通し、
・ 前記のキャッチ機構のストラップを締める。
【請求項13】
風力タービンブレードの再取り付け方法であって、以下の手順から成る方法。
・ 設置される前記ブレード用ハブの取り付け側を六時の位置に位置決めし、
・ 前記ブレード位置を前記ハブの位置と揃え、
・ キャッチ機構を前記ブレードの少なくとも一部に取り付け、
・ 前記の第三のプーリーを保持機構とともに前記のキャッチ機構に取り付け、
・ 負荷支持機構を前記のブレードの機能本体の底部に取り付け、
・ 前記の吊り上げワイヤーを負荷支持機構に取り付け、
・ 前記の負荷支持機構を操作して前記のブレードを保持している前記のキャッチ機構を上げ、
・ 前記のブレードを前記ハブに設置する。
【請求項14】
請求項13に従う方法であって、ここに前記のブレードを前記ハブに設置する手順の後、以下から構成される手順を行う方法。
・ 前記ブレードが前記ハブに再取り付けされたらゴンドラを上昇させ、これに乗った少なくとも一人の人員に前記キャッチ機構のストラップを緩ませる、
・ 前記の吊り上げワイヤーを前記の負荷支持機構から解放して前記のキャッチ機構を降ろす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は風力タービンブレードの解体および再取り付けの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
風力タービンは風のエネルギーをブレードの回転運動によって電気エネルギーに変換する装置である。 風力タービンの建設および運用における主な課題の一つはブレードの解体および再取り付けである。通常の使用中において、 タービンブレードは故障したり、落雷や鳥、ブレードに衝突する物体の粒子等自然的原因に起因する他の形態の損傷に晒される。タービンブレード解体および再取り付けの従来的方法ではクレーンを大幅に使用する。従来の方法と関連する欠点としては、大容量クレーンの必要性およびその運転要件、クレーンの操作に大量の燃料が必要なこと、クレーン部品の輸送用大型トラックおよび風力タービンが凹凸の激しい地面に設置されている場合にはクレーンがアクセスできないことが挙げられる。数々の既存の発明が上述の問題解決を試みてきた。
【0003】
例えば、PCT公開特許No. WO2011/095167は風力タービンブレードを吊り上げるか下降させる方法およびシステムを開示している。吊り上げ設備は典型的にナセル内部に位置する風力タービン整備用クレーンを使用して風力タービンハブの内部に配置される。吊り上げ設備は地上ウィンチおよび負荷支持板に固定されたティップウィンチからなる担体を含む。地上ウィンチとティップウィンチは地上ワイヤーおよびティップワイヤーを取り付けしやすくする。スリングはティップワイヤーを使用してブレード先端に繋げられる。ティップワイヤーと地上ワイヤーを相互に動かしながら、ブレードを地上に降ろす。前記の特許はブレードの吊り上げまたは下降にクレーンを使用しない解決法を提供しているが、システムにはまだブレードを保持するための効果的ハーネスが欠如している。
【0004】
PCT公開特許No. WO2012/065613はクレーンを使用しない風力タービンブレードのタービンハブによる取り扱い方法を開示している。解体するブレードを地面に向けて垂直位置に位置決めする。吊り上げ用継鉄を使用してブレードをメンテナンスまたは修理のために引き下ろす。ワイヤー、鎖またはその他既知の手段によってブレードを降ろすための力を加える。ワイヤーは少なくとも一つのプーリーでハブに導入される吊り上げ用継鉄と接続される。ワイヤーはハブの凹部にある受け部によってハブに挿入される。ナセルウィンチまたは地上に据え置いたウィンチでワイヤーを操作する。ブレードは空圧式、油圧式または電気式アクチュエーターにより中間位置に移動されるかこの位置から移動される。前記の特許明細書はブレードのカバー用に吊り上げ用ストラップの使用を開示している一方、その設計について一切詳細を提供していない。ストラップの設計に瑕疵があるとブレードのずれや地上への落下に伴う損害につながる。
【0005】
風力タービンブレードの解体および再取り付けのための従来の方法およびシステムと関連する欠点を軽減するシステムおよび方法に対する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明によるシステムおよび方法の対象の内いくつかは、本発明の少なくとも一つの実施例を満たすものであり、以下の通りである。
【0007】
本発明の目的はクレーンの使用を効果的に最小限にする風力タービンブレードの解体および再取り付けシステムおよび方法を提供することである。
【0008】
本発明のもう一つの目的はKW〜MW級の風力タービンに使用する風力タービンブレードを解体および再取り付けるシステムおよび方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらにもう一つの目的はより大きい高度での運用が可能な風力タービンブレードの解体および再取り付け用システムおよび方法を提供することである。
【0010】
本発明のさらに一つの目的は可搬式風力タービンブレードの解体および再取り付けシステムおよび方法を提供することである。
【0011】
本発明のさらに一つの目的は費用効果的な風力タービンブレードの解体および再取り付けシステムおよび方法を提供することである。
【0012】
本発明のもう一つの目的は異なる地表条件の下で使用可能な風力タービンブレードの解体および再取り付けシステムおよび方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらにもう一つの目的は時間効果的な風力タービンブレードの解体および再取り付けシステムおよび方法を提供することである。
【0014】
本発明のその他の目的および優位点は以下の説明を本発明の範囲を限定することは意図されているわけではない添付図と共に読むとさらにわかりやすくなる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に従い風力タービンブレードの解体および再取り付けシステム提供する。システムは以下を含む。
・ 風力タービンの底部に取り付けられた少なくとも一つの第一プーリー、
・ ブレードに隣接する少なくとも一つのブレードに取り付けられた少なくとも一つの第二のプーリー、少なくとも一つの第一プーリーと揃うように配置された少なくとも一つの第二のプーリー、
・ 少なくとも一つの第三のプーリー、この少なくとも一つの第三のプーリーが少なくとも一つの第二のプーリーとともにガンテークルの配置をなす、
・ ブレードの渡りの相当の範囲に配置されたキャッチ機構、
・ 少なくとも一つの第一プーリーに掛けられた吊り上げワイヤー、少なくとも一つの第二のプーリー、少なくとも一つの第三のプーリー、同第三のプーリーは少なくとも一つの第二のプーリーに戻り接続されている、
・ 吊り上げワイヤーの引き上げおよび解放のために構成された少なくとも一つの負荷支持機構であって、ブレード上に配置されたキャッチ機構の垂直動作を可能にする、
・ ブレードの機能本体の底部に接続された負荷支持機構であって、ブレードを解体および再取り付け中にブレードを支持するように構成されている、
・ さらに少なくとも一つの第三のプーリーに取り付けられた少なくとも一つの保持機構、同少なくとも一つの保持機構はキャッチ機構を保持するように適合される。
【0016】
典型的に、このシステムはさらに風力タービンタワーの底部に固定されるジグを含み、前記ジグは少なくとも一つの第一プーリーを取り付けられるように適合されている。さらに、前記システムは少なくとも一人の人員を風力タービンの上部へ運ぶために適合されたゴンドラを含む。また、少なくとも一つの第一プーリーは一方向プーリーである。さらに、少なくとも一つの第二のプーリーは二方向プーリーである。また、少なくとも一つの第三のプーリーは一方向プーリーである。典型的に、少なくとも一つの負荷支持機構と少なくとも一つの負荷支持機構はクレーン、手動力および少なくとも一つのウィンチから成るグループの中から選択される。さらに、少なくとも一つの吊り上げワイヤーはロープ、鎖およびベルトから成る群から選択される。前記キャッチ機構はポリエステルバケツである。典型的に、保持機構はフックである。
【0017】
本発明に従い以下の手順からなる風力タービンブレードの解体方法を提供する。
・ 取り外すブレードを六時の位置に位置決めする。
・ ブレードを六時の位置にロックする。
・ ジグを風力タービン底部に組み付ける。
・ 少なくとも一つの第一プーリーをジグに取り付ける。
・ 少なくとも一つの第二のプーリーをブレードに隣接するブレードに取り付ける。
・ 少なくとも一つの第二のプーリーとともにガンテークルの配置をなす少なくとも一つの第三のプーリーを取り付ける。
・ ブレードの渡りの相当の範囲に及ぶキャッチ機構を取り付ける。
・ 取り付ける少なくとも一つの吊り上げワイヤーを負荷支持機構から少なくとも一つの第一プーリー、少なくとも一つの第二のプーリー、少なくとも一つの第三のプーリーに渡して少なくとも一つの第二のプーリーへ戻す。
・ 第三のプーリーを保持機構でキャッチ機構に取り付ける。
・ 負荷支持機構をブレード機能本体の底部に取り付け、最後に
・ 吊り上げワイヤーを操作してブレードを降ろす。
【0018】
典型的に、キャッチ機構を風力タービンブレードに取り付ける手順は以下から構成される。
・ ゴンドラを取り外すブレードの上部へ上げる。
・ 吊り上げワイヤーを負荷支持機構で引く。
・ キャッチ機構を取り外すブレードに通す。
・ キャッチ機構のストラップを締め付ける。
【0019】
本発明に従い以下の手順からなる風力タービンブレードの再取り付け方法を提供する。
・ 設置されるブレード用ハブの取り付け側を六時の位置に位置決めする。
・ ブレード位置をハブの位置と揃える。
・ キャッチ機構をブレードの少なくとも一部に取り付ける。
・ 第三のプーリーをキャッチ機構に保持機構で取り付ける。
・ 負荷支持機構をブレード機能本体の底部に取り付ける。
・ 吊り上げワイヤーを負荷支持機構に取り付ける。
・ 負荷支持機構を操作してブレードを支持しているキャッチ機構を上げる。
・ ブレードをハブに取り付ける。
【0020】
典型的に、ブレードをハブに取り付ける手順の後、以下から構成される手順を続ける。
・ ブレードがハブに再取り付けされたらゴンドラを上昇させ、これに乗った少なくとも一人の人員にキャッチ機構のストラップを緩ませる。
・ 吊り上げワイヤーを負荷支持機構から解除し、キャッチ機構を下げる。
【0021】
本発明による風力タービンブレードの解体および再取り付け用システムおよび方法を以下の添付図面を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例に従い、風力タービンブレード解体および再取り付け用システムの正面図を図解したものである。
図2a図1のシステムに搭載されているハブ正面図を図解したものである。
図2b図1のシステムの地上ウィンチ、タワー底部ジグおよび第一プーリーの正面図を示す。
図2c図1のシステムのキャッチ機構側面図を図解したものである.
図3図1のシステムの等角投影図を図解したものである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に本発明による風力タービンブレードの解体および再取り付け用システムおよび方法の優先的実施例を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。優先的実施例によって本発明の範囲が限定されるものではない。説明は純然たる例示にすぎない。
【0024】
本発明の実施例及びその多様な特長並びに有利性を以下ではここに記載される実施例に限ることなくこれらの実施例を参照として用い説明する。周知の成分及び処理技術の説明は実施例を不要に複雑にすることを避けるためにここでは省略する。本発明で使用される事例はここに記載されている実施例の実施方法の理解の一助とするため及びここに記載されている実施例の実施を当該分野の技能を有する者が容易に行えるようにするためにのみ掲載している。従って、事例はここに記載の実施例の範囲を限定するものとして解釈することはできない。
【0025】
風力タービンブレードの解体および再取り付け用従来型システムの欠点は 主としてプロセスがクレーン使用に依存していることである。風力タービンがアクセスできない地面に設置されているときにクレーンを使用することは困難である。クレーンは大量の燃料を消費するので、従来のシステム営業費がさらに嵩む。さらに、クレーンでは解体および再取り付け作業の高度に限界がある。提案されるシステムの主要目的のうちのいくつかはクレーンの使用を抑え、風力タービンブレードの解体および再取り付けに必要な資源を容易に利用することである。
【0026】
添付図面を参照して説明すると、風力タービンブレードの解体および再取り付け正面図を示すシステム(図1)は一般的に参照番号10で示す。図1の図解は三個の主な副構造に分かれる。これらはナセルおよびハブの配置、地上業務設備および風力タービンブレードの配置である。これらの副構造は参照番号100、200および300でそれぞれ表される。これらの副構造は図2a、2bおよび2cにそれぞれ表される。図3は風力タービンブレード20の解体および再取り付け業務の等角投影図を示す。
【0027】
風が吹き込むと風力タービンブレード20と56に当たり、このためロータ(図示されていない)が回される。ロータと風力タービンブレード20は主軸(図示されていない)を回転し、主軸は次にオプション中間ギア(図示されていない)を介して発電機(図示されていない)を作動する。風力タービンブレード20と56は常時故障と損傷する可能性があり、定期メンテナンスを要する。旋回輪軸受38を含むハブ16およびナセル18の内部要素も定期メンテナンスを必要とする。このメンテナンスは風力タービンブレード20を取り外す必要がある。システム10は風力タービンに設置すると、風力タービン構造の強度を活用して、風力タービンブレード20の解体および再取り付けに必要な収縮力を生む携帯型手段を使用する。
【0028】
風力タービンブレード20の解体および再取り付けに必要な手段は、少なくとも一つの負荷支持機構22、少なくとも一つの第一プーリー26、少なくとも一つの第二のプーリー34、少なくとも一つの第三のプーリー58、オプションでは少なくとも一つの第四のプーリー(図示されていない)、タワー底部ジグ 24、少なくとも一つの吊り上げワイヤー28、少なくとも一つのキャッチ機構 30、風力タービンブレード 20を支持するための少なくとも一つの負荷支持機構 48および 第三のプーリー58をキャッチ機構30に固定するための少なくとも一つの保持機構(図示されていない)である。
【0029】
保持機構の主な目的は少なくとも一つの第三のプーリー58をキャッチ機構30に固定することである。少なくとも一つの第二のプーリー34および少なくとも一つの第三のプーリー58 はガンテークル構成に配置される。少なくとも一つの第三のプーリー58に保持機構が内蔵されている。保持機構は優先的にフック(図示されていない)である。
【0030】
風力タービンナセル 18に一基のウィンチ(図示されていない)が内蔵されている。ワイヤー(図示されていない)をウィンチから引き上げるナセルウィンチを使用してタービンブレード 20の解体および再取り付け作業を行うために必要な異なるツールを上げる。ナセル18はさらに、支持ワイヤー(図示されていない)が巻かれた少なくとも一つのドラム(図示されていない)を内蔵する。ドラムに巻かれる支持ワイヤーは優先的にロープである。一つの実施形態において、ナセ18は前記のドラムを二基内蔵し、巻かれるロープがU字型クランプ(図示されていない)と接続されている。ロープを使用してゴンドラを支持する。ゴンドラはキャッチ機構30を風力タービンブレード20に掛ける作業を行う人員を運ぶために使用される。
【0031】
負荷支持機構22はウィンチ、手動力およびクレーンから構成されるグループの中から選択される。一つの優先的実施例において、ウィンチは運搬が容易であり容量対サイズ比が大きいので負荷支持機構として使用される。ウィンチ選択上の主要因はウィンチ定格、負荷牽引対上昇、動力と装荷率である。風力タービンブレード20の解体および再取り付けのためのウィンチ選択に影響を及ぼす他の要因はラインスピード、ソレノイドの種別、モーター種別および厳しい屋外地表である。
【0032】
システム10は少なくとも三個のプーリーから構成される。第一プーリー26は一方向プーリー、第二のプーリー34は二方向プーリーであり、さらに第三のプーリー58は一方向プーリーである。プーリー26、34および58の選択に影響を及ぼす要因には、処理容量と伝達される力がある。
【0033】
システム10はさらに、少なくとも一つの吊り上げワイヤー28から構成される。吊り上げワイヤー28は限定されることなくロープ、ベルトおよび鎖を含む。吊り上げワイヤー28は限定されることなく鋼鉄、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステルおよび天然繊維、優先的に鋼鉄を含む素材から成る。
【0034】
タワー底部ジグ24は環状構造体であり、実施例に従い、円形であって、風力タービンタワー14の底部に固定される。タワー底部ジグ24第一プーリー26をこの治具に取り付けるための手段を含む。一つの実施形態において、タワー底部ジグ24は標準鋼製である。典型的に、タワー底部ジグ24はタワー 14底部の円周長さ、タワー底部ジグ24に固定されたプーリー26によって均衡を取る荷重、取り付けの利便性およびタワー底部ジグ24をタワー14底部から解除する利便性等、様々な要因に依存して設計される。一つの実施形態において、タワー底部ジグ 24はタワー14底部周囲にクランプされ、ボルトおよびピン(図示されていない)を使用して固定される。プーリー26は地上に設置される負荷支持機構22からの吊り上げワイヤー28を支持する。第二のプーリー34は少なくとも一つの風力タービンブレード56の付け根に、風力タービンブレード20に隣接して、固定される。図2aに図解されているように、この実施例に従い、二つの第二のプーリー34 が取り外すブレード20に隣接された二つの風力タービンブレード56に取り付けられている。
【0035】
システム10はさらに、ブレード20の重量やブレード 20の表面カーブ等の設計要因に依存して、ベルトおよびロープのうち少なくとも一つを使用して構成されるキャッチ機構30を含む。キャッチ機構30はさらに、第三のプーリー58に保持機構によって結合するための手段を備えている。一つの実施形態において、キャッチ機構30はポリエステルバケツである。ポリエステルを使用する利点は高い荷重耐性、低収縮率および形状維持特性である。この実施例に従い、キャッチ機構30は風力タービンブレード20の重量の7倍を支持するように設計されている。
【0036】
図2cに図解されているように、キャッチ機構30はキャッチ機構30全体を風力タービンブレード20にガイドする一次ストラップ46を含む。さらに、キャッチ機構30は第一のストラップ46と対角上に位置決めされた主吊り上げ用ベルト44を含む。キャッチ機構脚部36は主吊り上げ用ベルト44に接続される。キャッチ機構脚部36はさらに、丸スリングが風力タービンブレード 20表面にスライドするにともない、キャッチ機構脚部36によって印加される張力によって調整される、丸スリング42を含む。キャッチ機構脚部36の片側端点はエンドロックベルト40によって保持される。キャッチ機構30の一部を直接的には成さない、もう一つのストラップは第二のストラップ50である(図3に図解されている)。第一のストラップ46、主吊り上げ用ベルト44 および丸スリング42は、相互に結合されているので、 風力タービンブレード20の解体または再取り付け中に風力タービンブレード20のずれや落下を防止している。第二のストラップ50は負荷支持機構48のリグ設備(図示されていない)に保持するための手段を具備している。固定要素への保持手段は風力タービンブレード 20の安定した、損傷の無い昇降を可能にする。
【0037】
この実施例に従い、システム10はさらにゴンドラ(図示されていない)から構成される。ゴンドラの機能は少なくとも一人の人員を目的の高さへ吊り上げることである。支持ワイヤー(図示されていない)に結合されたゴンドラは垂直に移動し、乗っている人員がキャッチ機構30を風力タービンブレード20に取り付けることを可能にする。人員はさらに、キャッチ機構30のストラップをブレード20の表面に締め付ける。
【0038】
この実施例に従い、システム10はさらにウェブベルト32を含む。ウェブベルト32は限定されることなくベルト、鎖およびロープを含む。実施例に従いウェブベルト32はポリエステル製である。ウェブベルト32の主な機能は少なくとも一つの第二のプーリー 34を支持することである。
【0039】
典型的に、負荷支持機構48はクレーン(図3に示されるように)であるが、手動力およびウィンチを使用する支持体を使用することもできる。負荷支持機構48の主な要素はブーム/ジブ52、少なくとも一つのジブプーリー54および第二のストラップ50に接続された少なくとも一つのフック(図示されていない)である。
【0040】
解体風力タービンブレード 20の運転は異なる安全性確認後に行うことができる。負荷支持機構22を設置するために適切な場所を識別する。一つの実施形態において、負荷支持機構22適切な位置におよび風力タービン中心軸から等距離で設置された二つの電動ウィンチを含む。典型的に、接地は少なくとも一本の杭(図示されていない)をプラットフォームを通して地面12に打ち込むことによって行われる。さらに、バランス錘も負荷支持機構22に具備されている。バランス錘の素材はコンクリートと金属のうち少なくとも一つである。杭とバランス錘の主目的は作業中に負荷支持機構22のずれとスライドを防止することである。この実施例に従い、設置にはタグライン(図示されていない)の支持用ロープガイドスタンド二台を含む。
【0041】
一つの実施形態において、タービンはを偏揺れさせ、取り外す風力タービンブレード20を6時の位置にする。一つの実施形態において、風力タービンブレード20を6時の位置へ手動で回すが、外付けツールや風力を利用してもよい。
【0042】
取り外す風力タービンブレード20が6時の位置になったら、少なくとも一つのロック(図示されていない)をハブ16に取り付け、さらに回転するのを阻止する。一つの実施形態において、前記ロックはブレーキディスク型である。前記ロックは少なくとも機械式/油圧式である。ナセル18内の人員は支持ワイヤーを風力タービン主軸(図示されていない)に巻く。ゴンドラは支持ワイヤーに繋がれる。次にトルクを解放する。一つの実施形態において、トルク解放はブレードボルト(図示されていない)のおよそ50%に対して交互に行われる。次に油圧式、電動および機械式からなる群から選択されるクランプ(図示されていない)を解放する。
【0043】
地上チームはタワー底部ジグ24を組み立てる。ボルトとピン(図示されていない)は手で、油圧式にまたは空圧式に締め付けられる。
【0044】
地上チームは次に、キャッチ機構 30を負荷から解放する。ナセル18の人員は少なくとも一つの第二のプーリー34を上げる。一つの実施形態において、二つの第二のプーリー34が上げられる。第二の プーリー34がハブ16に到達すると、ナセル 18の人員がウェブベルト32を隣接する風力タービンブレード56の円周方向に沿って掛ける。この実施例に従い、負荷支持機構48を使って吊り上げワイヤー28をタワー底部ジグ24に設置された第一プーリー26から引き上げる。第一プーリー26、第二のプーリー34および第三のプーリー 58の上を通る吊り上げワイヤー28のもう一方の端点は第二のプーリー58に戻し接続される。第三のプーリー58 はキャッチ機構30に保持機構を利用して接続される。負荷支持機構48が吊り上げワイヤー28を引き上げるにともない、キャッチ機構30が引き上げられる。風力タービンブレード20がキャッチ機構30に入る。一つの実施形態において、ゴンドラにいる人員は風力タービンブレード20をキャッチ機構30に誘導する。
【0045】
本発明の一実施例に従い、キャッチ機構30が風力タービンブレード20に確実に固定されると、次に、人員は少なくとも一つの第二のプーリー34を備えた同じウェブベルト32 を使用し続ける。もう一つの実施例において、ナセルにいる人員はウェブベルト32を隣接するブレード56から取り外し、代りに荷重耐性がより大きい少なくとも一つの第四のプーリーを備えたもう一つのウェブベルト(図示されていない)を取り付ける。
【0046】
実施例に従い保持機構と第三のプーリー58はボルト掛け金によって接続される。すべての接続部とジョイントを相互に確認したら、風力タービンブレード 20をハブ16に保持している残りのボルトを解放する。負荷支持機構22を操作し、ブレード20を解放して下降させると、風力タービンブレード20が解体される。この実施例に従い、吊り上げワイヤー28はロープであり、負荷支持機構48はクレーンである。
【0047】
解放された風力タービンブレード20が負荷支持機構48 を操作できる高さに到達したら、図3に図解されているように、負荷支持機構48のタワー52の頂点に取り付けられたジブのプーリー54に掛かっているロープを風力タービンブレード20に誘導された第二のストラップ50と接続する。風力タービンブレード20が下降するにつれ、タワー52が風力タービンから離れる。従って、風力タービンブレード20の姿勢が垂直から水平に変わる。風力タービンブレード20が地表と平行に位置決めされたら、すべてのフックと取り付けた器具が解放される。
【0048】
風力タービンブレード 20を再び取り付けるには上述のプロセスを逆順で行う。負荷支持機構48が第二のストラップ50に再接続される。地上に設置された少なくとも一つの負荷支持機構22が吊り上げワイヤー28を引く。このため風力タービンブレード20の向きが水平位置から垂直位置に変えられ、接続部がハブ16に入る。ナセル18内のチームは風力タービンブレード20の解体時に取り外されたすべてのボルトおよび固定具を再接続する。
【0049】
技術的新規性
本発明が提供する技術的優位性は以下の項目が実現される点にある。
・ KW〜MW級の風力タービンに使用する風力タービンブレードを解体および再取り付けるシステムおよび方法。
・ クレーンの使用を効果的に最小限にする風力タービンブレードの解体および再取り付けシステムおよび方法。
・ より大きい高度での運用が可能な風力タービンブレードの解体および再取り付け用システムおよび方法。
・ 可搬式風力タービンブレードの解体および再取り付けシステムおよび方法。
・ 費用効果的な風力タービンブレードの解体および再取り付けシステムおよび方法、および、
・ 異なる地表条件の下で使用可能な風力タービンブレードの解体および再取り付けシステムおよび方法。
・ 時間効果的な風力タービンブレードの解体および再取り付けシステムおよび方法。
【0050】
本明細書を一貫して用語「構成」またはその類の表記「成る」あるいは「構成される」は表記されている要素、完全体、手順、あるいは、要素、完全体、または手順の群を含意する一方、その他の要素、完全体、または手順、あるいは、要素、整数、または手順の群を除外するのではないものとして理解されるべきものである。
【0051】
「少なくとも」あるいは「少なくとも一種(一つの)」という表現の使用はその使用が目的の対象物または結果のうち一つまたは複数のものを実現するために本発明の実施例に採用されている通り、一つまたは複数の要素または成分または数量を使用することを意味する。
【0052】
具体的実施例について以下で説明される内容は現状の知識を応用した場合に他者が容易に当該実施例の多様な応用のために基本的考え方から乖離せずとも修正及び/または適合可能なように本実施例の汎用性を開示したものである。従ってこうした適合や修正は開示された同実施例の意味及び範囲において理解すべきであるとともに理解されることが意図されている。本説明で使用される句や用語の用法は説明の目的のためであり記述内容のみに限定するためではない。従って、ここに説明される実施例 は優先実施例に基いて説明されており、当該分野の技能を有する者は同実施例がここに説明される実施例の発想及び範囲内で修士した場合において実践可能であることを認識可能である。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
【国際調査報告】