特表2017-515753(P2017-515753A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-515753(P2017-515753A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(54)【発明の名称】拭き取り材用の容器アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20170519BHJP
   A47K 7/00 20060101ALI20170519BHJP
   C02F 1/46 20060101ALI20170519BHJP
【FI】
   B65D83/08 A
   A47K7/00 C
   C02F1/46 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-556902(P2016-556902)
(86)(22)【出願日】2015年3月12日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月1日
(86)【国際出願番号】US2015020142
(87)【国際公開番号】WO2015138703
(87)【国際公開日】20150917
(31)【優先権主張番号】61/951,581
(32)【優先日】2014年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】特許業務法人小倉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハモンド,ロナルド,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ユージーン,ウィリアム
【テーマコード(参考)】
3E014
4D061
【Fターム(参考)】
3E014LA09
4D061DA04
4D061DB09
4D061EA02
4D061EB04
4D061EB12
4D061EB16
4D061EB19
4D061EB33
4D061ED13
(57)【要約】
拭き取り材用の容器アセンブリは,チャンバを画成するケーシングと,チャンバ内に配置される第1の電極と,チャンバ内に配置され,第1の電極から離間し,空間を画成する第2の電極とを含む。拭き取り材用の容器アセンブリはチャンバ内に配置される塩類の水溶液を含む。それによって,第1の電極又は第2の電極の1つにバイアスが加えられ,電流が空間内の塩類の水溶液を流れるとき,電解水がチャンバ内で塩類の水溶液から生成される。拭き取り材用の容器アセンブリは,ケーシングに結合され,拭き取り材用の開口を画成する取り出し口を備える。それによって,拭き取り材用の開口を通じて取り出される拭き取り材は,電解水で含浸される。拭き取り材はチャンバ内で電解水と接触することによって電解水に含浸される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバを画成するケーシングと,
前記チャンバ内に配置される第1の電極と,
前記第1の電極との間に空間が画成されるよう前記チャンバ内に配置され,前記第1の電極から離間する第2の電極と,
前記空間内の塩類の水溶液に電流が流れるように前記第1の電極又は前記第2の電極の少なくとも1つにバイアスを加えた際,前記チャンバ内で前記塩類の水溶液から電解水が生成されるように前記チャンバ内に配置された前記塩類の水溶液と,
前記拭き取り材用の容器アセンブリから拭き取り材用の開口を介して取り出された前記拭き取り材が前記電解水を含浸しており,前記拭き取り材が前記チャンバ内で前記電解水と接触することによって前記電解水を含浸するように前記ケーシングに設けられた,前記拭き取り材用の開口を画成する取り出し口と,
を備える拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項2】
前記拭き取り材は,前記拭き取り材用の容器アセンブリから取り出される前に,前記チャンバ内に配置される請求項1記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項3】
前記ケーシングはカソード開口又はアノード開口の少なくとも1つを画成し,前記カソード開口又は前記アノード開口を介して前記バイアスが加えられる請求項1記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項4】
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置される絶縁層を備え,前記絶縁層は電流路開口を画成する請求項1記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項5】
前記ケーシングは第1のケーシング層と,第2のケーシング層とを備え,前記第1のケーシング層は前記第2のケーシング層に前記絶縁層の第1の部分によって取り付けられる請求項4記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項6】
第2の絶縁層を備え,前記絶縁層の前記第1の部分は前記第2の絶縁層の第1の部分に取り付けられ,それによって,前記第1のケーシング層の第1の部分は,前記第2のケーシング層の第1の部分に,前記絶縁層の前記第1の部分及び前記第2の絶縁層の前記第1の部分によって取り付けられる請求項5記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項7】
前記絶縁層の第2の部分は前記第2の絶縁層の第2の部分に取り付けられ,それによって,前記第1のケーシング層の第2の部分は,前記第2のケーシング層の第2の部分に前記絶縁層の前記第2の部分及び前記第2の絶縁層の前記第2の部分によって取り付けられる請求項6記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項8】
チャンバを画成するケーシングと,
前記チャンバ内に配置される第1の電極と,
前記第1の電極との間に空間が画成されるよう前記チャンバ内に配置され,前記第1の電極から離間する第2の電極と,
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置される,電流路開口を画成する絶縁層と,
前記空間内の塩類の水溶液に電流が流れるように前記第1の電極又は前記第2の電極の少なくとも1つにバイアスを加えた際,前記チャンバ内で前記塩類の水溶液から電解水が生成されるように前記チャンバ内に配置された前記塩類の水溶液と,
を備える拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項9】
前記拭き取り材用の容器アセンブリから拭き取り材用の開口を介して取り出される拭き取り材が前記電解水を含浸しており,前記拭き取り材が前記チャンバ内で前記電解水と接触することによって前記電解水を含浸するように,前記ケーシングに設けられた,前記拭き取り材用の開口を画成する取り出し口を備える,請求項8記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項10】
前記ケーシングは第1のケーシング層と,第2のケーシング層とを備え,前記第1のケーシング層は前記第2のケーシング層に前記絶縁層の第1の部分によって取り付けられる請求項8記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項11】
第2の絶縁層を備え,前記絶縁層の前記第1の部分は前記第2の絶縁層の第1の部分に取り付けられ,それによって,前記第1のケーシング層の第1の部分は,前記第2のケーシング層の第1の部分に,前記絶縁層の前記第1の部分及び前記第2の絶縁層の前記第1の部分によって取り付けられる,請求項10記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項12】
前記絶縁層の第2の部分は前記第2の絶縁層の第2の部分に取り付けられ,それによって,前記第1のケーシング層の第2の部分は,前記第2のケーシング層の第2の部分に前記絶縁層の前記第2の部分及び前記第2の絶縁層の前記第2の部分によって取り付けられる請求項11記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項13】
前記第2の絶縁層は第2の電流路開口を画成し,それによって,前記電流は前記空間内の前記塩類の水溶液,前記電流路開口及び前記第2の電流路開口を流れる請求項12記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項14】
前記チャンバは前記電流路開口と前記第2の電流路開口との間に配置されない供給領域を備える請求項13記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項15】
前記ケーシングはカソード開口又はアノード開口の少なくとも1つを画成し,前記カソード開口又はアノード開口を介してバイアスが加えられる請求項8記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項16】
拭き取り材を収容するように構成される拭き取り材貯蔵部を画成するハウジングと,
チャンバを画成するケーシングと,
前記チャンバ内に配置される第1の電極と,
前記第1の電極との間に空間が画成されるよう前記チャンバ内に配置され,前記第1の電極から離間する第2の電極と,
前記空間内の塩類の水溶液に電流が流れるように前記第1の電極又は前記第2の電極の少なくとも1つにバイアスを加えた際,前記チャンバ内で前記塩類の水溶液から電解水が生成されるように前記チャンバ内に配置された前記塩類の水溶液と,
前記拭き取り材用の容器アセンブリから前記拭き取り材を取り出すための,前記ケーシングに設けられた,前記拭き取り材用の開口を画成する取り出し口と,
前記ハウジングを前記ケーシングに接続する,通路を画成する誘導部材とを備え,
前記拭き取り材貯留部を前記チャンバに前記通路を介して連通し,前記チャンバを前記拭き取り材用の開口に前記通路を介して連通し,それによって,前記取り出し口から取り出された前記拭き取り材が,前記拭き取り材貯留部から前記チャンバを通過して移動し,前記拭き取り材用の容器アセンブリから前記拭き取り材用の開口を介して排出され,前記拭き取り材が,前記チャンバを通る際に,前記拭き取り材が前記電解水を含浸するよう構成した,
拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項17】
前記ハウジングは,前記拭き取り材を前記拭き取り材貯蔵部内に装填するための装填開口を画成する請求項16記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項18】
前記ハウジングは,前記装填開口を開放するために前記ケーシングから取り外し可能である,請求項17記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項19】
前記ケーシングがカソード開口又はアノード開口の少なくとも1つを画成し,前記カソード開口又は前記アノード開口を介して前記バイアスが加えられる請求項16記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。
【請求項20】
前記拭き取り材貯蔵部に収容される前記拭き取り材は前記電解水で含浸されていない請求項16記載の拭き取り材用の容器アセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は,参照により本明細書に援用される,2014年3月12日出願の米国仮特許出願第61/951,581号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本出願は一般に,容器アセンブリを対象とする。たとえば,本出願は1つ以上の拭き取り材を保存するための拭き取り材用の容器アセンブリを対象とする。
【背景技術】
【0003】
拭き取り材用の容器は1つ以上の拭き取り材を内部に保存することができる。拭き取り材をクリーニング及び/又は消毒の目的で用いることができる。拭き取り材用の容器は,たとえば,学校,病院,養護施設,工場,レストランなどの洗浄及び/又は消毒が望ましい場所で使用可能である。
【発明の概要】
【0004】
本概要は,以下の詳細な説明でさらに記載されるコンセプトの抜粋を簡略化した形で紹介するために提供される。本概要は,特許請求の対象の主要な要素又は本質的な特徴を明らかにするものではなく,また,特許請求の対象範囲を限定するために用いられるものでもない。
【0005】
一実施例では,拭き取り材用の容器アセンブリが提供される。一実施例では,拭き取り材用の容器アセンブリは,チャンバを画成するケーシングを備える。拭き取り材用の容器アセンブリはチャンバ内に配置される第1の電極を備える。拭き取り材用の容器アセンブリは,チャンバ内に配置され,第1の電極から離間される第2の電極を備える。それによって,第1の電極と第2の電極との間の空間が画成される。拭き取り材用の容器アセンブリは,チャンバ内に配置される塩類の水溶液を備える。それによって,第1の電極又は第2の電極の少なくとも1つにバイアスが加えられて,電流が空間内の塩類の水溶液を流れるとき,電解水がチャンバ内で塩類の水溶液から生成される。拭き取り材用の容器アセンブリは,ケーシングに設けた,拭き取り材用の開口を画成する取り出し口を備える。拭き取り材用の開口を介して拭き取り材用の容器アセンブリから取り出される拭き取り材は,電解水を含浸しており,この拭き取り材はチャンバ内で電解水と接触することによって電解水を含浸する。
【0006】
別の実施例では,拭き取り材用の容器アセンブリが提供される。一実施例では,拭き取り材用の容器アセンブリは,チャンバを画成するケーシングと,チャンバ内に配置される第1の電極と,チャンバ内に配置され,第1の電極から離間する第2の電極とを備える。それによって,第1の電極と第2の電極との間に空間が画成される。拭き取り材用の容器アセンブリは,第1の電極と第2の電極との間に配置される絶縁層を備える。絶縁層は電流路開口を画成する。拭き取り材用の容器アセンブリはチャンバ内に配置される塩類の水溶液を備える。それによって,バイアスが第1の電極又は前記第2の電極の少なくとも1つに加えられ,電流が空間内の塩類の水溶液及び電流路開口を流れるときに,電解水がチャンバ内で塩類の水溶液から生成される。
【0007】
別の実施例では,拭き取り材用の容器アセンブリが提供される。一実施例では,拭き取り材用の容器アセンブリは拭き取り材を受容するように構成される拭き取り材貯蔵部を画成するハウジングを備える。拭き取り材用の容器アセンブリは,チャンバを画成するケーシングを備える。拭き取り材用の容器アセンブリはチャンバ内に配置される第1の電極を備える。拭き取り材用の容器アセンブリは,チャンバ内に配置され,第1の電極から離間する第2の電極を備える。それによって,第1の電極と第2の電極との間に空間が画成される。拭き取り材用の容器アセンブリはチャンバ内に配置される塩類の水溶液を備える。それによって,バイアスが第1の電極又は前記第2の電極の少なくとも1つに加えられ,電流が空間内の塩類の水溶液を流れるときに,電解水がチャンバ内で塩類の水溶液から生成される。拭き取り材用の容器アセンブリは,ケーシングに結合され,拭き取り材用の開口を画成する取り出し口を備える。取り出し口を通じて,拭き取り材は拭き取り材用の容器アセンブリから取り出される。拭き取り材用の容器アセンブリは,ハウジングをケーシングに接続する誘導部材を備える。誘導部材は通路を画成し,それによって,拭き取り材貯蔵部はチャンバに通路を介して連通し,チャンバは拭き取り材用の開口に通路を介して連通する。それによって,取り出し口から取り出された拭き取り材は,拭き取り材貯蔵部からチャンバを通って移動し,拭き取り材用の容器アセンブリから拭き取り材用の開口を通じて排出される。拭き取り材がチャンバを通る際に,拭き取り材は電解水を含浸する。
【0008】
以下の説明及び添付の図面で,数種の例示的な態様及び実施について記載する。これらは,1つ以上の態様を採用することができる様々な方法を示すものであるが,ただし,そのうちのほんの数種にすぎない。本開示の他の態様,効果及び新規の特徴は,添付の図面を併用して考察される以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例の拭き取り材用の容器アセンブリを示す図。
図2】実施例の拭き取り材用の容器アセンブリの断面図。
図3A】実施例の拭き取り材用の容器アセンブリの端部の図。
図3B】実施例の拭き取り材用の容器アセンブリの端部の図。
図4】実施例の拭き取り材用の容器アセンブリの断面図。
図5A】実施例の拭き取り材用の容器アセンブリの平面図。
図5B】実施例の拭き取り材用の容器アセンブリの底面図。
図6】実施例の拭き取り材用の容器アセンブリの図。
図7】第2の実施例の拭き取り材用の容器アセンブリの図。
図8A】第3の実施例の拭き取り材用の容器アセンブリの図。
図8B】第3の実施例の拭き取り材用の容器アセンブリの図。
図8C】第3の実施例の拭き取り材用の容器アセンブリの図。
図8D】第3の実施例の拭き取り材用の容器アセンブリの図。
図9】第3の実施例の拭き取り材用の容器アセンブリの図。
【0010】
詳細な説明
請求項に係る主題について図面を参照して以下で説明するが,このとき,類似の要素は,一般に,全体を通して同様の参照符号を用いて示している。以下の説明では,請求項に係る主題についての理解を与えるため,説明を目的として,様々な具体的で詳細に記載される。しかしながら,これら特定の詳細を省いても,請求項に係る主題を実施できることは明らかであろう。また,請求項に係る主題の説明を容易とするため,構造及び装置は,ブロック図の形式で示している。
【0011】
図1を参照すると,拭き取り材用の容器アセンブリ100が図示されている。一般に,拭き取り材用の容器アセンブリ100を用いて,拭き取り材102を保存し,及び/又はユーザに提供することができる(図2に例示)。拭き取り材用の容器アセンブリ100は,個人衛生,乳児ケア,家庭用クリーニング(たとえば,表面のクリーニング),ハンドクリーニング,消毒などの各種の用途に用いることができる。一部の可能性のある実施例では,拭き取り材102は,濡れた布,ウェットティッシュ,濡れたナプキンなどを含む。
【0012】
拭き取り材102は,各種の素材により構成される。素材は天然素材,織布又は不織布素材などを含む。拭き取り材102は,拭き取り材用の容器アセンブリ100に各種の方法で保存することができる。たとえば,拭き取り材102は折りたたまれて,折り込まれて,折らずに,及び/又は巻物の形状などで提供されることができる。実際に,拭き取り材102は,拭き取り材102を拭き取り材用の容器アセンブリ100から取り出せるような,実質的に任意の構成で,拭き取り材用の容器アセンブリ100内に保存することができる。
【0013】
拭き取り材用の容器アセンブリ100は塩類の水溶液を含むことができる。一実施例では,塩類の水溶液は,溶解した塩化ナトリウムを含有する水道水を含んでいてもよい。拭き取り材102の一部又はすべてを塩類の水溶液に(たとえば,浸すなどして)含浸させてもよい。下記で説明するように,バイアスが拭き取り材用の容器アセンブリ100に加えられ,電流が塩類の水溶液に流れ,塩類の水溶液(たとえば,次亜塩素酸ナトリウム)から電解水を生成するようにすることができる。電解水をクリーナ/殺菌剤/洗浄剤として用いることができる。
【0014】
図2を参照すると,拭き取り材用の容器アセンブリ100の線2−2に沿った断面図が例示される。本実施例では,拭き取り材用の容器アセンブリ100は,ケーシング200を備える。ケーシング200は実質的に中空の容器などの筐体を画成する。ある実施例では,ケーシング200は一般に,剛性の非可撓性素材を含むが,別の実施例では,ケーシング200は変形可能な,可撓性素材を含む。ケーシング200はチャンバ202を画成する。拭き取り材102はチャンバ202内に取り出し可能に受容される。ある実施例では,塩類の水溶液204はチャンバ202内に受容される。
【0015】
本明細書のある実施例では,チャンバ202内で塩類の水溶液204を含浸させた拭き取り材102を例示するが,拭き取り材用の容器アセンブリ100はこれに限定されないことが理解されよう。実際に,ある実施例では,拭き取り材102が最初に(たとえば,水ではなく)塩類に囲まれ,塩類に含浸させられ,塩類で被覆されてもよいように,チャンバ202は(たとえば,水を用いずに)塩類を受容してもよい。このような実施例では,ユーザが後で水を追加することによって拭き取り材を湿らせてもよいように,拭き取り材102は,最初は乾燥していてもよい。このようにして,本実施例では,チャンバ202は塩類の水溶液204を受容することに限定されず,その代わりに,塩類及び/又は水を(たとえば,異なる時期に)個別に受容してもよい。
【0016】
拭き取り材用の容器アセンブリ100は取り出し口210を備える。取り出し口210はケーシング200に設けられ,拭き取り材用の開口212を画成する(図1及び2に点線で示す)。一実施例では,拭き取り材102は拭き取り材用の容器アセンブリ100から拭き取り材用の開口212を通じて取り出すことができる。拭き取り材用の容器アセンブリから拭き取り材用の開口を通じて取り出された拭き取り材は電解水214を含浸する。
【0017】
図3A及び3Bを参照すると,拭き取り材用の容器アセンブリ100は第1の電極300と第2の電極302とを含むことができる。第1の電極300はチャンバ202内に配置される(図2に例示)。第2の電極302は第1の電極300から離間してチャンバ202内に配置され,それによって,空間304(図4に例示)は第1の電極300と第2の電極302との間に画成される。第1の電極300及び第2の電極302は一般に,互いに対称形状であることを除いて,一致するサイズ/形状を有し得る。
【0018】
第1の電極300及び第2の電極302の材質には,金属などを含む各種の導電素材を含む。図示の実施例では,第1の電極300及び第2の電極302は,導電性のシート,フィルム,積層ホイルフィルム,又は類似の延伸された表面を備える。別の実施例では,第1の電極300及び第2の電極302はワイヤ,ケーブル,リボンなどを含んでいてもよい。
【0019】
拭き取り材用の容器アセンブリ100のケーシング200は第1のケーシング層310と,第2のケーシング層312とを備える。第1のケーシング層310及び第2のケーシング層312は,第1の電極300及び第2の電極302に近接し,かつ,第1の電極300及び第2の電極302の外側に延在されている。たとえば,第1のケーシング層310は第1の電極300の外面に沿って近接して延在し,それによって,第1のケーシング層310はチャンバ202に対し第1の電極300の反対側に配置される。第2のケーシング層312は第2の電極302の外面に沿って近接して延在し,それによって,第2のケーシング層312はチャンバ202に対し第2の電極302の反対側に配置される。第1のケーシング層310及び第2のケーシング層312は一般に,互いに対称形状であることを除いて,一致するサイズ/形状を有することがある。
【0020】
第1のケーシング層310は第1の電極300に取り付けられる。第1のケーシング層310及び第1の電極300は,接着剤などによって互いに任意の方法で取り付けられる。ある実施例では,第2のケーシング層312は第2の電極302に取り付けられる。第2のケーシング層312は第2の電極に接着剤などによって任意の方法で取り付けられる。第1のケーシング層310及び第2のケーシング層312は,プラスチックなどを含む任意の素材を備える。ある実施例では,第1のケーシング層310及び/又は第2のケーシング層312は,第1のケーシング層310及び/又は第2のケーシング層312上に印刷された図,文章,絵などを含むことがある。
【0021】
拭き取り材用の容器アセンブリ100は,絶縁層320と,第2の絶縁層322とを含むことがある。ある実施例では,絶縁層320及び第2の絶縁層322はシーラント層として機能し,それによって,絶縁層320及び第2の絶縁層322は取り付けられ/シールされてもよい。絶縁層320は第1の電極300と第2の電極302との間に配置される。ある実施例では,第2の絶縁層322は第1の電極300と第2の電極302との間に配置される。絶縁層320は第1の電極300に近接してその内側に延在される。たとえば,絶縁層320は第1の電極300の内面に沿って近接して延在し,それによって,絶縁層320は第1のケーシング層310から第1の電極300の反対側に配置される。第2の絶縁層322は第2の電極302の内面に沿って近接して配置される。それによって,第2の絶縁層322は第2のケーシング層312に対し第2の電極302の反対側に配置される。
【0022】
絶縁層320及び第2の絶縁層322は各種の素材で構成される。ある実施例では,絶縁層320及び第2の絶縁層322は相対的に高抵抗の電気絶縁体を含む。絶縁層320及び第2の絶縁層322は,第1の電極300及び第2の電極302それぞれに取り付けられる。絶縁層320及び第2の絶縁層322は一般に,互いの対称形状であることを除いて,一致するサイズ/形状を有することがある。
【0023】
第1のケーシング層310は,第2のケーシング層312に,絶縁層320の第1の部分350によって取り付けられる。一実施例では,絶縁層320の第1の部分350は,第2の絶縁層322の第1の部分352に(たとえば,接着剤,シーラントなどによって)取り付けられる。このようにして,第1のケーシング層310の第1の部分354は,第2のケーシング層312の第1の部分356に絶縁層320の第1の部分350及び第2の絶縁層322の第1の部分352によって取り付けられる。
【0024】
図3Bは拭き取り材用の容器アセンブリ100の図3Aに対する反対の端部を図示する。図示するように,絶縁層320の第2の部分360は第2の絶縁層322の第2の部分362に(たとえば,接着剤,シーラントなどによって)取り付けられる。このようにして,第1のケーシング層310の第2の部分364は第2のケーシング層の第2の部分366に,絶縁層320の第2の部分360及び第2の絶縁層322の第2の部分362によって取り付けられる。
【0025】
図3A及び3Bを参照すると,ケーシング200はカソード開口370又はアノード開口372の少なくとも1つを画成する。一実施例では,ケーシング200の第1のケーシング層310の第1の部分354は,第1のカソード開口370aを備える。一方,ケーシング200の第1のケーシング層310の第2の部分364は,第2のカソード開口370bを備える。カソード開口370a,370bは第1のケーシング層310から第1の電極300までの空間,隙間,穴などを画成する。このようにして,バイアス380をカソード開口370a,370bを通じて第1の電極300に加えることができる。バイアス380は任意の方法で,電気装置などを用いて加えることができる。
【0026】
ある実施例では,ケーシング200の第2のケーシング層312の第1の部分356は第1のアノード開口372aを備える。第2のケーシング層312の第2の部分366は第2のアノード開口372bを備える。アノード開口372a,372bは,第2のケーシング層312から第2の電極302までの空間,隙間,穴などを画成する。このようにして,バイアス380をアノード開口372a,372bを通じて第2の電極302に加えることができる。
【0027】
図4を参照すると,拭き取り材用の容器アセンブリ100の中央部分が図示されている。絶縁層320及び第2の絶縁層322は1つ以上の開口を画成することができる。図示の実施例では,絶縁層320は電流路開口400を画成する。図4は1つの電流路開口400を例示するが,任意の数の(たとえば,1つ以上の)電流路開口400が提供されてもよい。図示の実施例では,第2の絶縁層322は第2の電流路開口402を画成する。図4は1つの第2の電流路開口402を例示するが,任意の数の(たとえば,1つ以上の)第2の電流路開口402が提供されてもよい。
【0028】
バイアス380が(たとえば,図3A及び3Bに例示する)カソード開口370a,370b及び/又はアノード開口372a,372bを通じて加えられるとき,電流は第1の電極300及び/又は第2の電極302を通じて流れる。ある実施例では,空間304が第1の電極300と第2の電極302との間に,電流路開口400及び第2の電流路開口402を通じて画成される。このような実施例において,電流は,空間304,電流路開口400及び第2の電流路開口402内の塩類の水溶液204を流れることができる。
【0029】
チャンバ202は供給領域410を備える。一実施例では,供給領域410は電流路開口400と第2の電流路開口402との間には配置されない。むしろ,供給領域410は絶縁層320と第2の絶縁層322との間に配置され得る。
【0030】
ある実施例では,塩類の水溶液204はチャンバ202内に配置される。バイアス380が第1の電極300又は第2の電極302の少なくとも1つに加えられるとき,電解水214はチャンバ202内で塩類の水溶液204から生成され得る。このように,電流は空間304内の塩類の水溶液204を流れ,電解水214が生成される。
【0031】
図5Aを参照すると,拭き取り材用の容器アセンブリ100を図2の線5a−5a方向に上から見た図が示されている。図示するように,拭き取り材用の容器アセンブリ100は第1のケーシング層310を拭き取り材用の容器アセンブリ100の上面に沿って備える。第1のケーシング層310は,カソード開口370を含む。たとえば,第1のケーシング層310は,第1のケーシング層310を貫通して延在する第1のカソード開口370aと,第2のカソード開口370bとを含む。第1のカソード開口370a及び第2のカソード開口370bは第1の電極300に至る開口,通路,空間などを画成する。このようにして,バイアス380を第1の電極300に第1のカソード開口370a及び/又は第2のカソード開口370bを通じて加えることができる。
【0032】
図5Bを参照すると,拭き取り材用の容器アセンブリ100を図2の線5b−5b方向に下から見た図が示されている。図示するように,拭き取り材用の容器アセンブリ100は拭き取り材用の容器アセンブリ100の底面に沿って第2のケーシング層312を備える。第2のケーシング層312はアノード開口372を含む。たとえば,第2のケーシング層312は,第2のケーシング層312を貫通して延在する第1のアノード開口372aと,第2のアノード開口372bとを備える。第1のアノード開口372a及び第2のアノード開口372bは第2の電極302に至る開口,通路,空間などを画成する。このようにして,バイアス380を第2の電極302に第1のアノード開口372a及び/又は第2のアノード開口372bを通じて加えることができる。
【0033】
図6を参照すると,拭き取り材用の容器アセンブリ100の操作例が例示される。本実施例では,バイアス380は1つ以上のカソード開口370a及び/又は370bを通じて第1の電極300に加えられ,及び/又は1つ以上のアノード開口372a及び/又は372bを通じて第2の電極302に加えられる。空間304内の塩類の水溶液204以外には,第1の電極300及び第2の電極302は一般に,その他の導電素材から電気的に絶縁されている(たとえば,短絡回路)。バイアス380が加えられるとき,電流はしたがって,第1の電極300から電流路開口400,空間304内の塩類の水溶液204,第2の電流路開口402を通じて第2の電極302まで(又は反対方向に)流れ,電解水214が生成される。拭き取り材用の容器アセンブリ100は電流路開口400及び第2の電流路開口402を含むが,任意の数の(たとえば,1つ以上の)電流路開口が絶縁層320及び/又は第2の絶縁層322内に画成されるか,絶縁層320及び/又は第2の絶縁層322によって画成することが考慮されていることが理解されよう。
【0034】
図7を参照すると,第2の実施例の拭き取り材用の容器アセンブリ700が図示されている。本実施例では,第2の拭き取り材用の容器アセンブリ700は,ハウジング702を含み得る。ハウジング702は,拭き取り材706を受容することができる拭き取り材貯蔵部704を画成する。図示の実施例では,ハウジング702は細長く,一般に垂直に延在する容器,皿などである。拭き取り材貯蔵部704は一般に中空であり,それによって,拭き取り材貯蔵部704は拭き取り材706を積層構成で受容することができる。本実施例では,拭き取り材706は垂直な積層構成で配置されるが,複数の構成が考案される。一実施例では,拭き取り材貯蔵部704に受容される拭き取り材706は電解水で含浸されていなくてもよい。
【0035】
第2の拭き取り材用の容器アセンブリ700はケーシング710を含むこともある。ケーシング710はハウジング702に(たとえば,取り外し可能に取り付けられるなど)取り付けられてもよい。一実施例では,ケーシング710はハウジング702の端部に取り付けられてもよい。ケーシング710はチャンバ712を画成する。チャンバ712は一般に中空であり,それによって,塩類の水溶液714はチャンバ712内に配置されてもよい。チャンバ712は任意のサイズ/形状を持ち,ある実施例では,図示の例より大きくても,小さくてもよい。チャンバ内に配置される塩類の水溶液714は一般に,図2に関して記載した塩類の水溶液204と同一である。
【0036】
第2の拭き取り材用の容器アセンブリ700は第1の電極716と,第2の電極718を含み得る。第1の電極716はチャンバ712内に配置される。第2の電極718は第1の電極716から離間してチャンバ712内に配置される。それによって,空間720は第1の電極716と第2の電極718との間に画成される。第1の電極716及び第2の電極718は,一般に,図示のように,一致するサイズ/形状を有していてもよいが,別の実施例では,第1の電極716及び第2の電極718は異なるサイズ/形状を有していてもよい。同様に,第1の電極716及び第2の電極718は共に近接して配置されてもよく,又は離れて配置されてもよい。それによって,第1の電極716と第2の電極718との間の空間720は,図示の例より大きくても小さくてもよい。
【0037】
第1の電極716及び第2の電極718の材質には,金属などを含む各種の導電素材を含む。図示の実施例では,第1の電極716及び第2の電極718はワイヤ,ケーブル,伝導体などを含んでいてもよい。第1の電極716及び第2の電極718はチャンバ712から延在し,ケーシング710を貫通してもよい。このような実施例において,ケーシング710は,カソード開口730又はアノード開口732の少なくとも1つを画成する。カソード開口730又はアノード開口732を通じてバイアス740が加えられてもよい。図示の実施例では,バイアス740は第1の電極716にカソード開口730を通じて加えられ,及び/又は第2の電極718にアノード開口732を通じて加えられる。ある実施例では,絶縁素材は少なくとも第1の電極716及び/又は第2の電極718の一部を覆っていてもよい。
【0038】
バイアス740が第1の電極716又は第2の電極718の少なくとも1つに加えられることによって,電流が空間720内の塩類の水溶液714を流れるとき,電解水742をチャンバ712内で塩類の水溶液714から生成することができる。この電解水742をクリーナ/殺菌剤/洗浄剤として用いることができる。図示の実施例では,空間720内の塩類の水溶液714以外には,第1の電極716及び第2の電極718は一般に,その他の導電素材から電気的に絶縁されている(たとえば,短絡回路)。
【0039】
第2の拭き取り材用の容器アセンブリ700は取り出し口750を含むこともある。取り出し口750はケーシング710に設けられ,拭き取り材用の開口752を画成する。拭き取り材用の開口752を通じて,拭き取り材706は第2の拭き取り材用の容器アセンブリ700から取り出される。拭き取り材用の開口は通路,開口,チャンネルなどを画成する。通路,開口,チャンネルなどを通じて,拭き取り材706はチャンバ712を通過できる。図示の実施例では,取り出し口750はケーシング710に対しハウジング702とは反対側に配置される。別の実施例では,取り出し口750及び拭き取り材用の開口752は,ケーシング710の側面などを含む,ケーシング710内の実質的に任意の場所に配置されてもよい。
【0040】
第2の拭き取り材用の容器アセンブリ700は誘導部材760を含み得る。誘導部材760は,ハウジング702をケーシング710に接続する。誘導部材760は通路762を画成する。それによって,拭き取り材貯蔵部704はチャンバ712に通路762を介して連通し,チャンバ712は拭き取り材用の開口752に通路762を介して連通する。一実施例では,通路762は実質的に中空であり,それによって,拭き取り材706は拭き取り材貯蔵部704から移動し,誘導部材760の通路762を通過することができる。拭き取り材706は通路762に沿ってチャンバ712を通じて拭き取り材用の開口752まで移動することができる。
【0041】
いくつかの実施例では,取り出し口750から取り出される拭き取り材706は拭き取り材貯蔵部704からチャンバ712を通じて移動し,拭き取り材用の開口752を通じて第2の拭き取り材用の容器アセンブリ700から取り出すことができる。第2の拭き取り材用の容器アセンブリ700では,拭き取り材706がチャンバ712を通過する際に,拭き取り材706は電解水742で含浸される。図示の実施例では,拭き取り材706はチャンバ712内で電解水742と接触することによって,電解水742で含浸される。このように,拭き取り材706は,第2の拭き取り材用の容器アセンブリ700から移動される前に,チャンバ712内に(たとえば,電解水742内に)配置されてもよい。ある実施例では,誘導部材760は,液体規制装置(たとえば,弁など)を含んでいてもよい。液体規制装置は,電解水742がチャンバ712から流出し,拭き取り材貯蔵部704に通路762を通じて流入することを制限/制御する。
【0042】
図示の実施例では,第2の拭き取り材用の容器アセンブリ700は,チャンバ712内に配置される案内構造766を含んでいてもよい。たとえば,案内構造766は電解水742内に延在し,チャンバ712を横切って延在することができる。案内構造766は,拭き取り材706がチャンバ712を通じて拭き取り材用の開口752まで移動する際に,拭き取り材706を,電解水742内を通過させて誘導し,導き,経路を決めることなどができる。本実施例では,拭き取り材706は案内構造766下部で誘導部材760から拭き取り材用の開口752まで誘導され/経路を決められる。
【0043】
第2の拭き取り材用の容器アセンブリ700は装填開口770を含み得る。本実施例では,ハウジング702は,拭き取り材706を拭き取り材貯蔵部704内に装填するための装填開口770を画成する。ハウジング702は,装填開口770を開放するために,(一般的/概略的に矢示するように)ケーシング710から取り外し可能780であってもよい。ハウジング702及びケーシング710は,機械式固定具,ねじ溝/ねじ山による螺着などによって任意の方法で取り外し可能780であってもよい。
【0044】
図8Aから8Dを参照すると,第3の実施例の拭き取り材用の容器アセンブリ800が例示される。図8Cには,図8Aを線8c−8c方向上から見た図が示されている。図8A図8Cを線8a−8a方向に見た側面図である。図示の実施例では,第3の拭き取り材用の容器アセンブリ800は,チャンバ202を画成するケーシング200を含んでいてもよい。ケーシング200は拭き取り材102及び塩類の水溶液204を受容することができ,及び/又は塩類及び水を個別に受容することができる(たとえば,異なる時間に受容するが,最終的には塩類の水溶液204を形成する)。拭き取り材用の容器アセンブリ100と同様に,第3の拭き取り材用の容器アセンブリ800はケーシング200に結合し,拭き取り材用の開口212を画成する取り出し口210を含み得る。
【0045】
本実施例では,第3の拭き取り材用の容器アセンブリ800は第1の電極810と,第2の電極812とを含み得る(どちらも図8Cに例示)。第1の電極810及び第2の電極812はケーシング200のチャンバ202内に配置され,第1の電極810及び第2の電極812の一部はケーシング200から外側に延在する。第1の電極810及び第2の電極812はチャンバ202に対して熱シール/又はその他の方法でシールされてもよい。それによって,塩類の水溶液204がケーシング200から漏れることを防ぐ。第1の電極810及び第2の電極812は互いに離間してもよく,それによって,空間814(図8C及び8Dに例示)はチャンバ202内で第1の電極810と第2の電極812との間に画成される。第1の電極810及び第2の電極812は,一致するサイズ/形状を有し得るが,必ずしも一致するサイズ/形状を有することが必要なわけではない。図示の実施例では,第1の電極810及び第2の電極812はチャンバ202の底面近くの拭き取り材102下部に配置される。ただし,位置を限定することを意図するものではなく,第1の電極810及び第2の電極812は,チャンバ202の上面付近,拭き取り材102の間にチャンバ202の中央を横断するなど,チャンバ202内の実質的に任意の場所に配置されてもよい。
【0046】
第1の電極810及び第2の電極812の材質は,金属などを含む各種の導電素材を含む。図示の実施例では,第1の電極810及び第2の電極812は絶縁ワイヤなどのワイヤを備える。図8C及び8Dに図示するように,第1の電極810及び第2の電極812は電気絶縁層820,822に囲まれてもよい。たとえば,第1の電極810は第1の絶縁層820に囲まれてもよい。第2の電極812は第2の絶縁層822に囲まれてもよい。本明細書で例示する第1の絶縁層820及び第2の絶縁層822は一般に構造,素材などにおいて同一であってもよいことが理解されよう。
【0047】
図8Bから8Dに示すように,第1の絶縁層820及び第2の絶縁層822の一部を取り外し,1つ以上の電流路開口(たとえば,第1の電流路開口830及び第2の電流路開口832)を画成することができる。図示の実施例では,第1の絶縁層820は第1の電流路開口830を画成し,第2の絶縁層822は第2の電流路開口832を画成する。第1の絶縁層820は1つの第1の電流路開口830を画成するが,任意の数の(たとえば,1つ以上の)第1の電流路開口830を提供することもできる。同様に,第2の絶縁層822は1つの第2の電流路開口832を画成するが,任意の数の(たとえば,1つ以上の)第2の電流路開口832を提供することもできる。
【0048】
図8Cに例示するように,第1の電極810の第1の端部836a及び第1の電極810の第2の端部836bはケーシング200から外側に延在してもよい。図示の実施例では,第2の電極812の第1の端部838a及び第2の電極812の第2の端部838bはケーシング200から外側に延在してもよい。本実施例では,第1の電極810の第1の端部836a及び/又は第2の端部836bの付近の第1の絶縁層820の一部を取り外し,1つ以上のカソード開口850を画成してもよい。一実施例では,第2の電極812の第1の端部838a及び/又は第2の端部838bの付近の第2の絶縁層822の一部を取り外し,1つ以上のアノード開口860を画成してもよい。
【0049】
バイアス(たとえば,図8Cに例示するバイアス380)を第1の電極810に1つ以上のカソード開口850を通じて加えることができ,及び/又はバイアス(たとえば,バイアス380)を第2の電極812に1つ以上のアノード開口860を通じて加えることができる。
【0050】
図9を参照すると,第3の拭き取り材用の容器アセンブリ800の操作例が例示される。本実施例では,バイアス380を1つ以上のカソード開口850を通じて第1の電極810に加えることができ,及び/又は1つ以上のアノード開口860を通じて第2の電極812に加えることができる。空間814内の塩類の水溶液204以外には,第1の電極810及び第2の電極812は一般に,その他の導電素材から電気的に絶縁されている(たとえば,短絡回路)。バイアス380が加えられるとき,電流はしたがって,第1の電極810から第1の電流路開口830,空間814内の塩類の水溶液204,第2の電流路開口832を通じて第2の電極812に(又は反対方向に)流れ,電解水214が生成される。任意の数の(たとえば,1つ以上の)電流路開口が考案されることが理解されよう。
【0051】
本発明を構造的特徴又は方法論的な動作について特定の文章で記載してきたが,添付の特許請求の範囲で規定する発明は必ずしも前述した特定の形態又は動作に限定されるものではないことを理解されたい。むしろ,前述の特定の形態及び動作は,少なくとも特許請求の範囲の一部を実施するための実施例の形で開示される。
【0052】
数種の実施形態の様々なオペレーションを,本明細書で提示している。一実施形態では,記載したオペレーションの1つ以上で,1つ以上のコンピュータ可読媒体に記憶されるコンピュータ可読命令を構成することができ,それらは,コンピュータ装置で実行されることで,該コンピュータ装置に,記載のオペレーションを実行させる。それらのオペレーションの一部又は全部について記載された順序は,それらのオペレーションが必ず順序に依存することを意味するものと解釈されてはならない。他の順序で,本記載の効果を得られることは,当業者であれば理解できるであろう。また,全てのオペレーションが,本明細書で提示した各実施形態に必ずしも含まれるわけではないことは理解されるであろう。さらに,一部の実施形態では,全てのオペレーションが必要なわけではないことも理解されるであろう。
【0053】
また,「第1」,「第2」及び/又は類似の用語は,別段の規定がある場合を除き,時間的側面,空間的側面,順序などを意味するものではない。むしろ,これらの用語は,特徴,要素,アイテムなどの,単なる識別子,名称などとして使用される。例えば,第1のオブジェクトと第2のオブジェクトは,一般的に,オブジェクトAとオブジェクトB又は2つの異なるもしくは2つの同等のオブジェクト又は1つの同じオブジェクトに相当する。
【0054】
また,本明細書で使用される場合の「例示的」とは,必ずしも効果的なものとしてではなく,一例,実例,説明などとして役立つことを意味する。本明細書で使用される場合の「又は」は,排他的な「又は」ではなく,包含的な「又は」を意味するものである。さらに,本出願で使用される場合の「a」及び「an」は,別段の規定がある場合又は単数形を指していることが文脈から明らかである場合を除き,一般的には,「1つ又は複数」を意味するものと解釈される。また,「AとBの少なくとも一方」及び/又は類似の表現は,一般に,「A又はB」を意味するか又は「AとBの両方」を意味する。さらに,「含む(includes)」,「有している(having)」,「有する(has)」,「有して(with)」及び/又はこれらの変化形は,詳細な説明又は請求項のいずれかで使用される限りにおいて,これらの用語は,「備えている(comprising)」という用語と同様に包含的な意味のものである。
【0055】
また,本開示について,1つ以上の実現形態に関連して図示及び説明したが,他の当業者は,本明細書及び添付の図面を読解及び理解することで,均等な変更及び変形に想到するであろう。本開示は,かかるすべての変形及び変更を含むものであり,以下の請求項の範囲によってのみ限定される。特に上記のコンポーネント(例えば,要素,リソースなど)によって実行される種々の機能に関して,かかるコンポーネントを記述するために使用される用語は,特に指定のない限り,開示の構造と構造的に等価ではなくても,記載のコンポーネントの特定の機能を実行する(例えば,機能的に等価である)任意のコンポーネントに該当するものとする。さらに,本開示の特定の特徴が,数種の実現形態のうちの1つのみに関して開示されていることがあるものの,かかる特徴は,要求に応じて,所与又は特定の用途に効果的であり得るように,その他の実現形態における1つ以上の他の特徴と組み合わせることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
【国際調査報告】