【実施例】
【0090】
〔実施例1〕
【0091】
【化17】
【0092】
化合物1の調製:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(モルホリンスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4−c〕ピラゾール5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
(A.中間体
【0093】
【化18】
【0094】
の調製)
<工程1>
1−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−ニトロエタノールの調製
【0095】
【化19】
【0096】
5℃において、2,5−ジフルオロベンズアルデヒド(50g、0.35mol)及びニトロメタン(22.4mL、0.414mol)のメタノール溶液 50mLを、水酸化ナトリウム(1N、428mL)のメタノール溶液(214mL)に添加し(1時間以上)、添加後、氷酢酸(24mL)を添加して反応溶液を中和した。次に、ジエチルエーテルを添加し、有機質層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥させて濃縮し、1−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−ニトロエタノールを得た。得られた反応産物は、さらに精製することなく工程2において使用可能である。
【0097】
<工程2>
2−ニトロ−1−(2,5−ジフルオロフェニル)エタノンの調製
【0098】
【化20】
【0099】
3つのバッチ中の、工程1において調整したニトロエタノールのジクロロメタン溶液(68.1g)中に、10℃において、30分以内に、デスマーチンペルヨージナン(184g)を添加した。
【0100】
24時間連続して攪拌した後、反応混合物を、重炭酸ナトリウム(441g)及びチオ硫酸ナトリウム(489g)の混合水溶液(4.2L)に注いだ。気泡が生成されなくなるまで、水層をHCl(6N、1.5L)で中和し、ジクロロメタンで抽出して、重炭酸ナトリウムで1回洗浄した。有機質層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後に混合し、濾過して乾燥するまで蒸発させ、クロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル 10:1〜6:1勾配溶離)により精製して、所望のニトロケトン54gを得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ7.74-7.70(m, 1H), 7.43-7.37(m, 1H), 7.28-7.22(m, 1H), 5.82(d, J=3.6Hz, 2H)。
【0101】
<工程3>
3−ヨード−2−(ヨードメチル)−イソプロピル−1−エンの調製
【0102】
【化21】
【0103】
3−クロロ−2−(クロロメチル)プロピル−1−エン(5.75mL、54.7mmol)及びヨウ化ナトリウム(45g、301mmol)のアセトン反応溶液(400mL)を、室温で20時間攪拌し、減圧乾燥して濃縮した後、ジクロロメタン及び水中に分散させた。有機質層を、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させて濾過し、蒸発乾燥して、薄赤色の油状化合物である3−ヨード−2−(ヨードメチル)プロピル−1−エンを得た。
【0104】
<工程4>
6−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−メチレン−5−ニトロ−3,4−ジヒドロ−2H−ピランの調製
【0105】
【化22】
【0106】
3−ヨード−2−(ヨードメチル)−イソプロピル−1−エン(16.8g、54.7mmol)を、50mLのDMF中に溶解させ、20mLのDIPEAを添加した後、2−ニトロ−1−(2,5−ジフルオロフェニル)エタノン(10g、49.7mmol)をゆっくりと1滴ずつ添加した。添加後2時間室温で攪拌し、400mLの水を添加し、酢酸エチルにより3回抽出し、有機質層を混合し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:ジクロロメタン 20%〜30%勾配溶離)により3gの生成物を得た。
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6)δ7.50-7.29(m, 3H), 5.41(brs, 1H), 5.34(brs, 1H), 4.74(s, 2H), 3.58(brs, 2H)。
【0107】
<工程5>
(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−メチレン−3−ニトロテトラヒドロ−2H−ピランの調製
【0108】
【化23】
【0109】
シリカゲル(100〜200メッシュ)58g及び水素化ホウ素ナトリウム(5.2g、136.6mmol)を、6−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−メチレン−5−ニトロ−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(9.1g、35.96mmol)のクロロホルム(480mL)及びイソプロパノール(90mL)溶液に添加し、室温で一晩攪拌した。次に、希釈した塩酸(69mL、2N)をゆっくり添加して反応を停止し、濾過した。シリカゲルを酢酸エチルで洗浄した。有機質層を重炭酸ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ、減圧乾燥により濃縮した。次に、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:ジエチルエーテル=16:1から15:1勾配溶離)に供し、5.5gのトランス−2−(2,5−ジフルオロフェニル)5−メチレン−3−ニトロテトラヒドロフラン−2H−ピランと、2.4gのシス−2−(2,5−ジフルオロフェニル)5−メチレン−3−ニトロテトラヒドロフラン−2H−ピランを得た。シス構造の生成物を50mLのテトラヒドロフラン中に溶解させ、120マイクロリットルのDBUを添加した。室温で0.5時間攪拌した後、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:ジエチルエーテル=16:1から15:1溶出)に供し、1.6gのトランス生成物を得た。トランス生成物(1g)の一部をHPLC(ChiralCel OD)により分離し、440gのエナンチオマー(2R,3S)−5−メチレン−3−ニトロ−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピランを得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3)δ7.17-7.13(m, 1H), 7.06-7.03(m, 2H), 5.14-5.11(m, 2H), 5.08(d, J=9.6Hz, 1H), 4.82-4.73(m, 1H), 4.39(d, J=12.7Hz, 1H), 4.24(d, J=12.8Hz, 1H), 3.13(d, J=7.9Hz, 2H)。
【0110】
<工程6>
(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−メチレンテトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミノの調製
【0111】
【化24】
【0112】
先の工程から得られた生成物(440mg、2.2mmol)を、エタノール中に溶解させ、亜鉛粉末(1.2g、18.9mmol)を添加し、力強く攪拌しながら、6Nの塩酸(6mL、36mmol)を添加した。3時間後、2Nの水酸化ナトリウムによりpHを10に調整し、ジエチルエーテルで3回抽出し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ、減圧下においてジエチルエーテルを蒸発させ、376mgの無色透明の油状液体を得た後、次の反応を直接行った。
<工程7>
[(2R,3S)−5−メチレン−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]tert−ブチルカルバメートの調製
【0113】
【化25】
【0114】
先の工程から得られた無色透明の油状液体をジクロロメタンに溶解させ、ジ−tert−ブチルジカルボネートエステル(507mg、2.34mmol)を添加して、室温で一晩攪拌し、減圧下でジクロロメタンを蒸発させ、464mgの生成物を得た後、次の工程の反応を直接行った。
【0115】
<工程8>
[(2R,3S)−5−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]tert−ブチルカルバメートの調製
【0116】
【化26】
【0117】
工程7から得た生成物を7mLのアセトン中に溶解させ、3.5mLの水及び14mLの第3ブタノールを添加した後、四酸化オスミウムの2.5%第3ブタノール溶液を0.258mL添加した。室温で10分間攪拌した後、0.184mLのNMOを添加し、30分間攪拌した。次に、酢酸エチルにより抽出し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ、減圧乾燥により濃縮し、510mgの生成物を得た後、次の反応工程を直接行った。
【0118】
<工程9>
[(2R,3S)−5−オキソ−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]tert−ブチルカルバメートの調製
【0119】
【化27】
【0120】
先の工程の生成物を10mLのテトラヒドロフラン中に溶解させ、4mLの過ヨウ素酸ナトリウムの水溶液(327mg、1.53mmol)を添加し、当該混合物を4時間にわたって撹拌し、濃縮後にカラムクロマトグラフィー(クロロホルムにおける10%〜20%酢酸エチル)に供し、410mgの白色固形物を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3)δ7.23(d, J=3.3Hz, 1H), 7.05-7.00(m, 2H), 4.83(d, J=8.0Hz, 1H), 4.71(d, J=9.0Hz, 1H), 4.31(dd, J=16.3, 1.5Hz, 1H), 4.18-3.99(m, 2H), 3.06(dd, J=16.6, 5.1Hz, 1H), 2.75-2.68(m, 1H), 1.31(s, 9H); ESI-MS:272.1(M+1-56)。
【0121】
(B.中間体
【0122】
【化28】
【0123】
の調製)
<工程1>
【0124】
【化29】
【0125】
の調製
3−オキソピロリジン−1−tert−ブチルカルボキシレート(40g、216mmol)を300mLのDMF−DMA中に溶解させ、105℃にて40分間加熱した。冷却及び減圧乾燥により濃縮し、ヘキサンを用いて処理し、ろ過してオレンジ色固形物41gを取得し、乾燥させた生成物は、精製することなく次の工程の反応において使用可能である。
【0126】
<工程2>
【0127】
【化30】
【0128】
の調製
先の工程から取得した41gのオレンジ色固形物を、200mLのメチルベンゼン中に溶解させ、15mLのヒドラジン水和物(80%濃縮)を、40℃にてゆっくりと1滴ずつ添加し、添加後に室温で2時間に渡って反応させ、白色固形物を分離させながら反応溶液を冷却し、ろ過によって取得した上記固形物をn−ヘプタンを用いて洗浄して、37.2gの生成物を得た。
<工程3>
【0129】
【化31】
【0130】
の調製
先の工程から取得した37.2gの白色固形物を、メタノール中に溶解させ、5Nの塩酸を添加し、室温で6時間に渡って撹拌し、アンモニアメタノール溶液(2N)を濃縮後に添加し、pHを弱アルカリ性に調整し、200mLのジクロロメタンを添加し、40mLのトリエチルアミンを添加し、64gのジ−tert−ブチルジカルボネートのジクロロメタン溶液(40mL)を、室温でゆっくりと1滴ずつ添加し、30分間反応を実行した後に溶液を減圧乾燥により濃縮し、その後、カラムクロマトグラフィー(メタノール:アンモニア水:酢酸エチル=135:15:350)に供し、20gの白色固形物を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3)δ8.03(brs, 1H), 7.34(d, J=12.8Hz, 1H), 4.50(t, J=16.6Hz, 4H), 1.53(s, 9H)。
【0131】
(C.中間体
【0132】
【化32】
【0133】
の調製)
<工程1>
【0134】
【化33】
【0135】
の調製
N−Bocピラゾロピロリジン(100mg、0.478mmol)を3mLの無水テトラヒドロフラン中に溶解させ、水素化ナトリウム(30mg、0.718mmol、60%油中分散)を添加し、室温で1時間に渡って撹拌し、その後、モルホリンスルホニルクロリド(133.23mg、0.718mmol)を添加し、一晩反応させ、溶液を減圧乾燥により濃縮し、有機質層を乾燥させた後に、水及び酢酸エチルを添加し、その後、カラムクロマトグラフ(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)に供し、147mgの油状液体を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3)δ7.67(d, J=15.4Hz, 1H), 4.49-4.39(m, 4H), 3.73-3.66(m, 4H), 3.34-3.21(m, 4H), 1.47(s, 9H)。
【0136】
<工程2>
【0137】
【化34】
【0138】
の調製
4mLのジクロロメタン及び1mLのトリフルオロ酢酸を、先の工程の生成物に添加し、室温で2時間反応させた後に、減圧乾燥により濃縮して、80mgの生成物を得た。次の工程の反応は、精製することなく直接実行することができる。
【0139】
(D.化合物1の調製:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(モルホリンスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4、−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン)
【0140】
【化35】
【0141】
室温において、中間体[(2R,3S)−5−オキソ−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]tert−ブチルカルバメート(101mg、0.31mmol)、及び、2−(N−スルホニルモルホリン)−2,4,5,6−テトラヒドロピロロ〔3,4−c〕ピラゾール(80mg、0.31mmol)を、6mLの無水メタノール中に溶解させ、11.4mgのデカボランを室温で添加し、1晩攪拌し、減圧下で乾燥させて濃縮した。次に、4mLのジクロロメタン、1mLのトリフルオロ酢酸を添加し、室温で2時間攪拌し、濃縮してカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20)に供し、101mgの白色固形物を得た。
1H NMR(400MHz, MeOD)δ7.87(s, 1H), 7.30-7.05(m, 3H), 4.37-4.27(m, 2H), 4.00-3.86(m, 4H), 3.76-3.64(m, 4H), 3.43(t, J=10.7Hz, 1H), 3.31-3.23(m, 4H), 3.13-3.04(m, 1H), 2.99-2.91(m, 1H), 2.54-2.46(m, 1H), 1.54(q, J=11.7Hz, 1H); ESI-HRMS: calcd for C
20H
26F
2N
5O
4S, 470.1674, found, 470.1667。
【0142】
(実施例2)
化合物2:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(ピペリジンスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4、−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンの調製
【0143】
【化36】
【0144】
実施例1に関連する本発明の化合物2の合成方法は、実施例1のモルホリンスルホニルクロリドをピペリジンスルホニルクロリドに替えて、白色固形物を得た。
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6)δ7.89(s, 1H), 7.21(m, 3H), 4.16(d, J=9.6Hz, 1H), 4.12-4.11(m, 1H), 3.76(d, J=15.2Hz, 4H), 3.26(t, J=10.6Hz, 1H), 3.17-3.14(m, 4H), 2.95-2.86(m, 2H), 2.34-2.31(m, 1H), 1.50-1.37(m, 7H).ESI-MS: 468.3(M+1)。
【0145】
(実施例3)
化合物3:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(ピロールスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4、−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
の調製
【0146】
【化37】
【0147】
実施例1に関連する本発明の化合物3の合成方法は、実施例1のモルホリンスルホニルクロリドをピロールスルホニルクロリドに替えて、淡黄色固形物を得た。
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6)δ8.28(s, 2H), 8.10(s, 1H), 7.37-7.31(m, 3H), 4.59(d, J=10.0Hz, 1H), 4.42-4.26(m, 5H), 3.54-3.52(m, 3H), 3.35(t, J=6.4Hz, 4H), 2.67-2.64(m, 1H), 1.89(dd, J=23.4, 11.6Hz, 1H), 1.76-1.73(m, 4H).ESI-MS: 454.7(M+1)。
【0148】
(実施例4)
化合物4:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(N−メチルピペラジンスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4、−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンの調製
【0149】
【化38】
【0150】
実施例1に関連する本発明の化合物4の合成方法は、実施例1のモルホリンスルホニルクロリドをN−メチルピペラジンスルホニルクロリドに替えて、白色固形物を得た。
1H NMR(400MHz, MeOD)δ7.86(s, 1H), 7.25-7.14(m, 3H), 4.37(d, J=9.4Hz, 1H), 4.31-4.29(m, 1H), 3.92-3.90(m, 4H), 3.44(t, J=10.5Hz, 1H), 3.33(br s, 4H), 3.12-3.20(m, 2H), 2.50(br s, 5H), 2.30(s, 3H), 1.58(dd, J=23.2, 11.7Hz, 1H). ESI-MS: 483.1(M+1)。
【0151】
(実施例5)
化合物5:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(4−シクロペンチルピペラジン−1−イル−スルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4,−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンの調製
【0152】
【化39】
【0153】
実施例1に関連する本発明の化合物5の合成方法は、実施例1のモルホリンスルホニルクロリドを4−シクロペンチルピペラジン−1−イル−スルホニルクロリドに替えて、白色固形物を得た。
1H NMR(400MHz, MeOD)δ7.86(s, 1H), 7.26-7.10(m, 3H), 4.33(d, J=9.6Hz, 1H), 4.30-4.28(m, 1H), 3.91-3.90(m, 4H), 3.43(t, J=10.7Hz, 1H), 3.33(br s, 4H), 3.10-3.04(m, 1H), 3.01-2.95(m, 1H), 2.58-2.49(m, 6H), 1.92-1.87(m, 2H), 1.74-1.70(m, 2H), 1.62-1.50(m, 3H), 1.41-1.31(m, 2H).ESI-MS:537.4(M+1)。
【0154】
(実施例6)
化合物6:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(3−オキソピペラジン−1−イル−スルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4,−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンの調製
【0155】
【化40】
【0156】
実施例1に関連する本発明の化合物6の合成方法は、実施例1のモルホリンスルホニルクロリドを3−オキソピペラジン−1−イル−スルホニルクロリドに替えて、白色固形物を得た。ESI-MS:483.1(M+1)。
【0157】
(実施例7)
化合物7:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(3−ヒドロキシアゼチジン)−1−スルホニル2,6−ジヒドロピロロ〔3,4,−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンの調製
【0158】
【化41】
【0159】
実施例1に関連する化合物7の合成方法は、実施例1のモルホリンスルホニルクロリドを3−ヒドロキシアゼチジン−1−スルホニルクロリドに替えて、白色固形物を得た。ESI-MS:456.1(M+1)。
【0160】
(実施例8)
化合物8:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(1−イソプロピルピペリジン−4−スルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4,−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンの調製
【0161】
【化42】
【0162】
実施例1に関連する化合物8の合成方法は、実施例1のモルホリンスルホニルクロリドを1−イソプロピルピペリジン−4−スルホニルクロリドに替えて、淡黄色固形物を得た。ESI-MS:510.2(M+1)。
【0163】
(実施例9)
化合物9:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−スルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4,−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンの調製
【0164】
【化43】
【0165】
実施例1に関連する化合物9の合成方法は、実施例1のモルホリンスルホニルクロリドを4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−スルホニルクロリドに替えて、白色固形物を得た。ESI-MS:547.5(M+1)。
【0166】
(実施例10)
化合物10:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−N−エチル−5−[2−(モルホリンスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4,−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンの調製
【0167】
【化44】
【0168】
本発明の化合物10は、塩基性条件下における、化合物1とブロモエタンとの反応を通して得られた。本発明の化合物10は、淡黄色固形物である。ESI-MS:498.5(M+1)。
【0169】
(実施例11)
化合物11:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−N,N−ジイソプロピル−5−[2−(モルホリンスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4,−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンの調製
【0170】
【化45】
【0171】
本発明の化合物11は、塩基性条件下における、化合物1とイソプロピルブロマイドとの反応を通して得られた。本発明の化合物11は、灰色固形物である。ESI-MS:554.3(M+1)。
【0172】
(実施例12)
化合物12:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−N,N−ジブチル−5−[2−(モルホリンスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4,−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンの調製
【0173】
【化46】
【0174】
本発明の化合物12は、塩基性条件下における、化合物1とブチルブロマイドとの反応を通して得られた。本発明の化合物12は、白色固形物である。ESI-MS:581.6(M+1)。
【0175】
(実施例13)
化合物13:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(アゼチジン−1−スルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4,−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンの調製
【0176】
【化47】
【0177】
実施例1に関連する本発明の化合物13の合成方法は、実施例1のモルホリンスルホニルクロリドをアゼチジン−1−スルホニルクロリドに替えて、白色固形物を得た。
1H NMR(400MHz, MeOD)δ7.82(s, 1H), 7.23-7.04(m, 3H), 4.34-4.28(m, 2H), 4.06(t, J=7.8Hz, 4H), 3.96-3.92(m, 4H), 3.46(t, J=10.7Hz, 1H), 3.15-3.07(m, 1H), 3.01-2.94(m, 1H), 2.53-2.49(m, 1H), 2.23-2.15(m, 2H), 1.56(q, J=11.7Hz, 1H). ESI-MS:440.4(M+1)。
【0178】
(実施例14)
化合物14:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4,−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンの調製
【0179】
【化48】
【0180】
実施例1に関連する本発明の化合物14の合成方法は、実施例1のモルホリンスルホニルクロリドを4−メチルピペラジン−1−スルホニルクロリドに替えて、白色固形物を得た。
1H NMR(400MHz, MeOD)δ7.89(s, 1H), 7.26-7.17(m, 3H), 4.16-4.11(m, 2H), 3.76(d, J=14.5Hz, 4H), 3.70-3.67(m, 2H), 3.26(t, J=10.6Hz, 1H), 2.94-2.83(m, 2H), 2.66(t, J=11.7Hz, 2H), 2.34-2.31(m, 1H), 1.65-1.62(m, 2H), 1.45-1.36(m, 2H), 1.11-1.01(m, 2H), 0.84(d, J=6.5Hz, 3H).ESI-MS:482.1(M+1)。
【0181】
(実施例15)
化合物15:(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(ペルヒドロインドール−1−スルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ〔3,4,−c〕ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンの調製
【0182】
【化49】
【0183】
実施例1に関連する本発明の化合物15の合成方法は、実施例1のモルホリンスルホニルクロリドをペルヒドロインドール−1−スルホニルクロリドに替えて、白色固形物を得た。
1H NMR(400MHz, MeOD)δ7.92(s, 1H), 7.27-7.18(m, 3H), 4.20(d, J=9.6Hz, 1H), 4.15-4.12(m, 1H), 3.76(d, J=12.1Hz, 4H), 3.40-3.36(m, 3H), 3.27(t, J=10.8Hz, 2H), 3.22-3.18(m, 3H), 2.99-2.90(m, 2H), 2.36-2.33(m, 1H), 2.15-2.12(m, 2H), 1.45-1.35(m, 6H). ESI-MS:508.2(M+1)
〔生物学的評価〕
(試験1:本発明の化合物のDPP−4酵素に対する抑制活性の試験)
DPP−4酵素(SIGMA)の適切な量、3倍勾配希釈したサンブルボックスからのHEPESバッファ溶液を、反応システムにおいて混合した。ブランクコントロール(酵素及びサンプルボックスを含んでいない)、ネガティブコントロール(サンプルを含んでいない)、及びポジティブコントロール(MK−3102のポジティブコントロール)を同時に提供した。室温で10分間反応させた後、基質Gly−Pro−7−アミド−4−メチルクマリン(SIGMA)を添加し、室温で30分間反応させた。光を避けて、蛍光発光を試験したところ、励起波長が355nm、放射波長が460nmであった。
【0184】
抑制率を、蛍光発光測定により算出した;抑制率=[1−(サンプル−ブランク)(ネガティブ−ブランク)]×100%。IC
50値を、4ParameteriLogistic Model of Xlfit ソフトウェアにより算出した。実験結果を表1に示す。
【0185】
表1:実施例の化合物及びシタグリプチン等のような比較例の化合物の、DPP−4に対する活性の、in vitroでの試験結果
【0186】
【表1】
(結果)
本発明の化合物は、DPP−4酵素に対して非常に大きな抑制効果を有する。
【0187】
他の局面では、MK−3102と比較したヒト肝臓ミクロソーム安定性試験において、本発明の化合物1、4等は、より優れた代謝安定性を有しており、本発明の化合物が、長期に渡る抗糖尿病薬になる見込みがあることを示している。