特表2017-515943(P2017-515943A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-515943シクロオレフィン共重合体およびその調製方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-515943(P2017-515943A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(54)【発明の名称】シクロオレフィン共重合体およびその調製方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 61/08 20060101AFI20170519BHJP
   C08F 232/08 20060101ALI20170519BHJP
   C08F 8/04 20060101ALI20170519BHJP
   C08F 4/74 20060101ALI20170519BHJP
【FI】
   C08G61/08
   C08F232/08
   C08F8/04
   C08F4/74
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】64
(21)【出願番号】特願2016-565651(P2016-565651)
(86)(22)【出願日】2015年4月15日
(85)【翻訳文提出日】2016年12月27日
(86)【国際出願番号】CN2015076621
(87)【国際公開番号】WO2015176588
(87)【国際公開日】20151126
(31)【優先権主張番号】201410216491.3
(32)【優先日】2014年5月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410216477.3
(32)【優先日】2014年5月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410216438.3
(32)【優先日】2014年5月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410216495.1
(32)【優先日】2014年5月21日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】512071123
【氏名又は名称】中国科学院▲長▼春▲応▼用化学研究所
【氏名又は名称原語表記】CHANGCHUN INSTITUTE OF APPLIED CHEMISTRY,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】100120411
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 公利
(72)【発明者】
【氏名】李悦生
(72)【発明者】
【氏名】李彦国
(72)【発明者】
【氏名】▲楊継興▼
(72)【発明者】
【氏名】崔磊
(72)【発明者】
【氏名】王永霞
(72)【発明者】
【氏名】穆▲紅▼亮
【テーマコード(参考)】
4J015
4J032
4J100
【Fターム(参考)】
4J015DA37
4J032CA25
4J032CA28
4J032CA33
4J032CA34
4J032CB04
4J032CC02
4J032CD02
4J100AR03Q
4J100AR09Q
4J100AR11P
4J100AR11Q
4J100CA04
4J100CA31
4J100DA01
4J100DA04
4J100DA25
4J100DA49
4J100DA51
4J100HA03
4J100HB47
4J100HD04
(57)【要約】
式I、式II、式III又は式IVに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体である。式I中に、100≦x≦350、25≦y≦150、式II中に、300≦z≦1000、式III中に、180≦m≦430、40≦n≦220、式IV中に、250≦i≦500、20≦j≦144。本発明はシクロオレフィン共重合体の調製方法を提供する。また、シクロオレフィン共重合体の調製方法を提供し、触媒の作用で、第一の化合物と第二の化合物が溶媒中に重合反応を行って重合反応産物を得るステップと、前記の重合反応産物と水素源を水素化反応して、シクロオレフィン共重合体を得るステップとを含み、前記の第一の化合物が式1に示す構造を有するものであり、前記の第二の化合物が式1、式2、式3又は式4に示す構造を有するものである。本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体は優れた耐熱性及び力学的性能を同時に有するものである。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I、式II、式III又は式IV:
【化1】
〔式I中に、100≦x≦350、25≦y≦150であり、式II中に、300≦z≦1000であり、式III中に、180≦m≦430、40≦n≦220であり、式IV中に、250≦i≦500、20≦j≦144である。〕
に示す構造を有するシクロオレフィン共重合体である。
【請求項2】
前記の式I中に、230≦x≦320、40≦y≦86であり、前記の式II中に、400≦z≦700であり、前記の式III中に、240≦m≦410、80≦n≦170であり、前記の式IV中に、325≦i≦475、30≦j≦125であることを特徴とする請求項1に記載のシクロオレフィン共重合体。
【請求項3】
1)触媒の作用で、第一の化合物と第二の化合物が溶媒中に重合反応を行って重合反応産物を得るステップと、
2)前記の重合反応産物と水素源を水素化反応して、シクロオレフィン共重合体を得るステップとを含むシクロオレフィン共重合体の調製方法であって、
前記の第一の化合物が式1:
【化2】
に示す構造を有し、
前記の第二の化合物が式1、式2、式3又は式4:
【化3】
に示す構造を有する、シクロオレフィン共重合体の調製方法。
【請求項4】
前記の触媒はカルベン型触媒であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記の触媒はルテニウム類カルベン化合物であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記の第一の化合物及び第二の化合物の総モル数と触媒のモル数との比が(270〜1000):1であり、前記の第一の化合物と第二の化合物とのモル比が(0.5〜19):1であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記のステップ1)において、重合反応の温度が0℃〜50℃であり、前記のステップ1)において、重合反応の時間が5分間〜180分間であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記のステップ2)において、水素源がヒドラジン類化合物であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記のステップ2)において、重合反応産物の二重結合のモル数と水素源のモル数との比が1:(3〜6)であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記のステップ2)において、水素化反応の温度が110℃〜150℃であり、前記のステップ2)において、水素化反応の時間が12時間〜24時間であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2014年5月21日に中国特許局に提出された、出願番号:201410216491.3、発明の名称:「シクロオレフィン共重合体およびその調製方法」、出願番号:201410216477.3、発明の名称:「シクロオレフィン共重合体およびその調製方法」、出願番号:201410216438.3、発明の名称:「シクロオレフィン共重合体およびその調製方法」、出願番号:201410216495.1、発明の名称:「シクロオレフィン共重合体およびその調製方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容を本出願に援用する。
【0002】
本発明は、共重合体の技術分野し関し、特にシクロオレフィン共重合体およびその調製方法に関する。
【背景技術】
【0003】
シクロオレフィン共重合体は、シクロオレフィンの重合によって得られる付加価値の高い熱可塑性エンジニアリングプラスチックであって、このような共重合体は高透明性、低誘電率、優れた耐熱性を持ち、耐化学性、メルトの流れ性、バリア性及び寸法安定性が良いものである。従って、シクロオレフィン共重合体が幅広い光学、情報、電子機器、医療用材料の製造に使用されている。
【0004】
シクロオレフィン共重合体の耐熱性能はこのような材料の重要な性能である。比較的高い温度の使用環境において、シクロオレフィン共重合体の耐熱性能が悪いと、シクロオレフィン共重合体が屈曲及び歪みなどの寸法上の変化が発生し、直接にシクロオレフィン共重合体の光学的性能及び力学的性能に影響を与えることがある。よって、シクロオレフィン共重合体の耐熱性能の向上がシクロオレフィン共重合体の使用範囲を大きく拡大することができる。シクロオレフィン共重合体の耐熱性を判断する重要な指標はシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度であり、ガラス転移温度は共重合体がガラス状態からゴム状態へ転移する温度であって、環境温度が共重合体のガラス転移温度に近い又は達するとき、共重合体に比較的に厳重な歪みが発生し、力学的性能が大幅に低下する。これは共重合体材料の応用へ非常に不利な影響をもたらすことになる。したがって、共重合体の耐熱性の向上には、共重合体のガラス転移温度の向上が効果的である。
【0005】
シクロオレフィン共重合体の合成方法としては、エチレンとノルボルネン類モノマーの連鎖重合方法、およびノルボルネン類モノマーの開環メタセシス重合(ROMP)を行って水素化する方法の二種類の方法がある。現在、ROMP方法によって得られた市販のシクロオレフィン共重合体、例えばトレードマーク:Zeonex(登録商標)、Zeonor(登録商標)及びArton(登録商標)のシクロオレフィン共重合体は良好な力学的性能を有するが、このようなシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が低く、例えばZeonex(登録商標)及びZeonor(登録商標)のガラス転移温度が140℃だけであり、Arton(登録商標)のガラス転移温度が170℃であるため、このようなシクロオレフィン共重合体の耐熱性が悪い。
【0006】
エチレンとノルボルネン類モノマーの連鎖重合の方法を採用すると、ガラス転移温度がより高いシクロオレフィン共重合体、例えばトレードマークがTopas(登録商標)であるシクロオレフィン共重合体を調製できるが、このようなシクロオレフィン共重合体の分子鎖の剛性が強く、シクロオレフィン共重合体の破断伸びが悪いため、このようなシクロオレフィン共重合体の力学的性能が悪い。
【0007】
従来技術によって提供された環状オレフィン共重合体は、優れた耐熱性及び力学的性能を同時に有することができない。
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上を鑑み、本発明の目的は、優れた耐熱性及び力学的性能を同時に有するシクロオレフィン共重合体を提供することである。
【0010】
本発明は、式I、式II、式III又は式IVに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を提供する。
【0011】
【化1】
【0012】
式I中、100≦x≦350、25≦y≦150、
【0013】
式II中、300≦z≦1000、
【0014】
式III中、180≦m≦430、40≦n≦220、
【0015】
式IV中、250≦i≦500、20≦j≦144。
【0016】
好ましくは、前記の式I中、230≦x≦320、40≦y≦86、
【0017】
前記の式II中、400≦z≦700、
【0018】
前記の式III中、240≦m≦410、80≦n≦170、
【0019】
前記の式IV中、325≦i≦475、30≦j≦125。
【0020】
本発明は、以下のステップを含むシクロオレフィン共重合体の調製方法を提供するものである。即ち、
【0021】
1)、触媒の作用で、第一の化合物と第二の化合物が溶媒中に重合反応を行って重合反応産物を得るステップ、と
【0022】
2)、前記の重合反応産物と水素源を水素化反応して、シクロオレフィン共重合体を得るステップ、とを含む。
【0023】
前記の第一の化合物は、式1に示す構造を有するものである。
【0024】
【化2】
【0025】
前記の第二の化合物は、式1、式2、式3又は式4に示す構造を有するものである。
【0026】
【化3】
【0027】
好ましくは、前記の触媒がカルベン型触媒である。
【0028】
好ましくは、前記の触媒がルテニウム類カルベン化合物である。
【0029】
好ましくは、前記の第一の化合物及び第二の化合物の総モル数と触媒のモル数との比が(270〜1000):1であり、
【0030】
前記の第一の化合物と第二の化合物とのモル比が(0.5〜19):1である。
【0031】
好ましくは、前記のステップ1)中に重合反応の温度が0℃〜50℃であり、
【0032】
前記のステップ1)中に重合反応の時間が5分〜180分である。
【0033】
好ましくは、前記のステップ2)中に水素源がヒドラジン類化合物である。
【0034】
好ましくは、前記のステップ2)中に重合反応産物の二重結合のモル数と水素源のモル数との比が1:(3〜6)である。
【0035】
好ましくは、前記のステップ2)中に水素化反応の温度が110℃〜150℃であり、
【0036】
前記のステップ2)中に水素化反応の時間が12時間〜24時間である。
【0037】
本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体は優れた耐熱性及び力学的性能を同時に有するものである。実験の結果より、本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体はガラス転移温度が125℃〜224℃であり、優れた耐熱性を有し、引張強度が21MPa〜55MPaであり、引張弾性率が1000MPa〜1950MPaであり、破断伸びが1.7%〜4.9%であり、優れた力学的性能を有するものであることが示された。また、本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体も優れた透明性を有するものである。実験の結果より、本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体の光透過率>85%であることが示された。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の実施例又は従来技術における技術手段をより明確的に説明するために、以下に実施例又は従来技術の記述に必要な図面を簡単に紹介する。なお、以下の記述における図面は本発明の実施例にかかるもののみであって、当業者にとって、創造的な労働を付与しない前提で、これらの図面に基づいてその他の図面を得ることも可能であるのが明らかであろう。
【0039】
図1】本発明の実施例1で得られた製品の水素核磁気共鳴スペクトルであり、
【0040】
図2】本発明の実施例2で得られた製品の水素(1H)核磁気共鳴スペクトルであり、
【0041】
図3】本発明の実施例2で得られた製品のリン(31P)核磁気共鳴スペクトルであり、
【0042】
図4】本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体の炭素核磁気共鳴スペクトルであり、
【0043】
図5】本発明の実施例3で得られた重合反応産物及びシクロオレフィン共重合体の水素核磁気共鳴スペクトルであり、
【0044】
図6】本発明の実施例3で得られた重合反応産物及びシクロオレフィン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィーであり、
【0045】
図7】本発明の実施例3〜実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、
【0046】
図8】本発明の実施例3〜実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体のTG曲線であり、
【0047】
図9】本発明の実施例3〜実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、
【0048】
図10】本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体の炭素核磁気共鳴スペクトルであり、
【0049】
図11】本発明の実施例9で得られた重合反応産物及びシクロオレフィン共重合体の水素核磁気共鳴スペクトルであり、
【0050】
図12】本発明の実施例9〜実施例11で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、
【0051】
図13】本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体のTG曲線であり、
【0052】
図14】本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、
【0053】
図15】本発明の実施例15で得られた製品の水素核磁気共鳴スペクトルであり、
【0054】
図16】本発明の実施例16で得られた重合反応産物及びシクロオレフィン共重合体の水素核磁気共鳴スペクトルであり、
【0055】
図17】本発明の実施例16〜実施例20のシクロオレフィン共重合体を調製する過程における式1に示す構造を有する化合物と式3に示す構造を有する化合物の反応性比曲線であり、
【0056】
図18】本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、
【0057】
図19】本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、
【0058】
図20】本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、
【0059】
図21】本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、
【0060】
図22】本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、
【0061】
図23】本発明の実施例16〜実施例20及び実施例14で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度とシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する化合物の含有量との変化関係曲線であり、
【0062】
図24】本発明の実施例16〜実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の窒素ガスにおけるTG曲線であり、
【0063】
図25】本発明の実施例16〜実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の空気におけるTG曲線、
【0064】
図26】本発明の実施例16、実施例18及び実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、
【0065】
図27】本発明の実施例23で得られた製品の水素核磁気共鳴スペクトルであり、
【0066】
図28】本発明の実施例24で得られた重合反応産物及びシクロオレフィン共重合体の水素核磁気共鳴スペクトルであり、
【0067】
図29】本発明の実施例24〜実施例29でシクロオレフィン共重合体を調製する過程における式1に示す構造を有する化合物と式4に示す構造を有する化合物の反応性比曲線であり、
【0068】
図30】本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、
【0069】
図31】本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、
【0070】
図32】本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、
【0071】
図33】本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、
【0072】
図34】本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、
【0073】
図35】本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、
【0074】
図36】本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体のTG曲線であり、
【0075】
図37】本発明の実施例24〜実施例29及び実施例14で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度とシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する化合物の含有量との変化関係曲線であり、
【0076】
図38】本発明の実施例24〜実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下、本発明の実施例の技術手段について明確かつ完全に記述する。なお、記載された実施例は、本発明の一部の実施例にすぎず、全部の実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を付与せずに得るその他の実施例は、すべて本発明の保護の範囲に属することが明らかであろう。
【0078】
本発明は、式I、式II、式III又は式IVに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を提供する。
【0079】
【化4】
【0080】
式I中、100≦x≦350、25≦y≦150、
【0081】
式II中、300≦z≦1000、
【0082】
式III中、180≦m≦430、40≦n≦220、
【0083】
式IV中、250≦i≦500、20≦j≦144。
【0084】
本発明において、好ましくは230≦x≦320、より好ましくは256≦x≦310である。本発明において、好ましくは40≦y≦86、より好ましくは50≦y≦80である。本発明において、好ましくは400≦z≦700、より好ましくは500≦z≦600である。本発明において、好ましくは240≦m≦410、より好ましくは280≦m≦360である。本発明において、好ましくは80≦n≦170、より好ましくは90≦n≦160である。本発明において、好ましくは325≦i≦475、より好ましくは336≦i≦420である。本発明において、好ましくは30≦j≦125、より好ましくは50≦j≦100である。
【0085】
本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体は優れた耐熱性及び力学的性能を同時に有するものである。また、本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体は優れた透明性をさらに有するものである。
【0086】
本発明は、前記の技術手段に記載の以下のステップを含むシクロオレフィン共重合体の調製方法を提供するものである。即ち、
【0087】
1)、触媒の作用で、第一の化合物と第二の化合物が溶媒中に重合反応を行って重合反応産物を得るステップ、と
【0088】
2)、前記の重合反応産物と水素源を水素化反応して、シクロオレフィン共重合体を得るステップ、とを含む。
【0089】
前記の第一の化合物が式1に示す構造を有するものである。
【0090】
【化5】
【0091】
前記の第二の化合物が式1、式2、式3又は式4に示す構造を有するものである。
【0092】
【化6】
【0093】
本発明は、第一の化合物、第二の化合物及び溶媒を混合し、得られた混合物へ触媒を添加して重合反応させて、重合反応産物を得ることが好ましい。本発明は、攪拌の条件にて第一の化合物、第二の化合物及び溶媒を混合することが好ましい。本発明は、前記混合する時の攪拌方法に対して特に制限がなく、当業者によく知られている攪拌技術手段を採用すればよい。本発明において、前記混合する時の攪拌時間は、好ましくは5分間〜15分間、より好ましくは8分間〜12分間、最も好ましくは10分間である。
【0094】
本発明は、乾燥、無酸素の条件下で前記の重合反応を行うことが好ましい。本発明において、前記の重合反応はブラウン(Mbraun)グローブボックス中で行っても良いし、標準のシュレンク(Schlenk)技術を採用して在窒素ガスの保護の下で行っても良い。本発明は、攪拌の条件にて前記の重合反応を行うことが好ましいが、本発明では前記の重合反応の攪拌方法について特に制限はなく、当業者によく知られている攪拌技術手段を採用すればよい。
【0095】
本発明において、前記の重合反応の温度は、好ましくは0℃〜50℃、より好ましくは10℃〜40℃、最も好ましくは20℃〜30℃である。
【0096】
本発明において、前記の重合反応の時間は、好ましくは5min〜180min、より好ましくは10min〜150min、最も好ましくは15min〜150minである。本発明において、前記の第一の化合物が式1に示す構造を有し、第二の化合物が式2に示す構造を有する場合に、式Iに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体が調製される。本発明において、式Iに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する過程における重合反応の時間は、好ましくは5min〜60min、より好ましくは10min〜50min、最も好ましくは10min〜30minである。
【0097】
本発明において、前記の第一の化合物と第二の化合物はいずれも式1に記載の構造を有する場合に、即ち、式1に示す構造を有する化合物を重合反応する時に、式IIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体が調製される。本発明において、式IIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する過程における重合反応の時間は、好ましくは60min〜120min、より好ましくは80min〜110min、最も好ましくは90min〜100minである。
【0098】
本発明において、前記の第一の化合物が式1に示す構造を有し、第二の化合物が式3に示す構造を有する場合に、式IIIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体が調製される。本発明において、式IIIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する過程における重合反応の時間は、好ましくは60min〜180min、より好ましくは80min〜150min、最も好ましくは100min〜120minである。
【0099】
本発明において、前記の第一の化合物が式1に示す構造を有し、第二の化合物が式4に示す構造を有する場合に、式IVに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体が調製される。本発明において、式IVに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する過程における重合反応の時間は、好ましくは60min〜180min、より好ましくは90min〜120min、最も好ましくは 100min〜110minである。
【0100】
本発明において、前記の触媒は、好ましくはカルベン型触媒、より好ましくはルテニウム類カルベン化合物、最も好ましくは式Vに示す構造を有する化合物である。
【0101】
【化7】
【0102】
式V中、LはPCy3、XはCl、Br又はI、R1はH、Ph又はCH2CH3、RはCy、Cp又はPhであることが好ましい。本発明において、前記の式V中でXはCl、R1はPh、RはCyであることがより好ましい。本発明において、前記の触媒は最も好ましくは式VIに示す構造を有する化合物である。
【0103】
【化8】
【0104】
本発明はカルベン型触媒を用いて前記の重合反応を触媒することが好ましく、このような触媒は活性が高く、重合耐性がよく、本発明のシクロオレフィン共重合体を調製する過程では、助触媒を添加せずに完成でき、前記のカルベン型触媒では、第一の化合物及び第二の化合物重合を開始する速度が早く、前記の重合反応がより高い重合転化率を有するようになる。
【0105】
本発明において、前記の触媒が触媒溶液であることが好ましい。本発明において、前記の触媒溶液における溶媒は、好ましくは炭化水素類化合物、ハロゲン化炭化水素類化合物、環式炭化水素類化合物又は芳香族炭化水素類化合物、より好ましくはシクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、デカン、イソドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム又はテトラヒドロフラン、最も好ましくはベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、シクロヘキサン又はテトラヒドロフランである。本発明は、前記の触媒溶液中で溶媒の由来について特に制限がなく、当業者によく知られている前記種類の溶媒を採用すればよく、購入しても良い。
【0106】
本発明において、前記の触媒溶液のモル濃度は、好ましくは2.5μmol/mL〜6μmol/mL、より好ましくは3μmol/mL〜5μmol/mL、最も好ましくは3.5μmol/mL〜4.5μmol/mLである。本発明において、式Iに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する過程では、前記の触媒溶液のモル濃度は、好ましくは2.5μmol/mL〜4.5μmol/mL、より好ましくは3μmol/mL〜4μmol/mL、最も好ましくは3.3μmol/mL〜3.7μmol/mLである。
【0107】
本発明において、式IIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する過程では、前記の触媒溶液のモル濃度は、好ましくは3μmol/mL〜6μmol/mL、より好ましくは4μmol/mL〜5.5μmol/mL、最も好ましくは4.5μmol/mL〜5μmol/mLである。
【0108】
本発明において、式IIIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する過程では、前記の触媒溶液のモル濃度は、好ましくは2.5μmol/mL〜4.5μmol/mL、より好ましくは3μmol/mL〜4μmol/mL、最も好ましくは3.3μmol/mL〜3.9μmol/mLである。
【0109】
本発明において、式IVに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する過程では、前記の触媒溶液のモル濃度は、好ましくは2.5μmol/mL〜4.5μmol/mL、より好ましくは3μmol/mL〜4μmol/mL、最も好ましくは3.4μmol/mL〜3.8μmol/mLである。
【0110】
前記の触媒を前記の触媒溶液の溶媒中に十分に溶解させるために、本発明は、超音波の条件下で、前記の触媒と触媒溶液の溶媒を混合して、触媒溶液を得ることが好ましい。本発明は前記の超音波の方法について特に制限されなく、当業者によく知られている超音波技術手段を採用すればよい。本発明において、前記の超音波の時間は、好ましくは2分間〜5分間、より好ましくは3分間〜4分間である。
【0111】
本発明は、前記の触媒の由来について特に制限されなく、当業者によく知られている前記の種類の触媒の調製方法を採用して調製すればよい。本発明において、前記の式VIに示す構造を有する化合物の調製方法は、
【0112】
フェニルジアゾメタン、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリシクロヘキシルホスフィンを有機溶媒に反応して、式VIに示す構造を有する化合物を得ることが好ましい。
【0113】
本発明は、フェニルジアゾメタン、有機溶媒及びジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムを混合して、得られた混合物へトリシクロヘキシルホスフィンを添加して反応させ、式VIに示す構造を有する化合物を得ることがより好ましい。本発明において、前記のフェニルジアゾメタン、有機溶媒及びジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムの混合温度は、好ましくは−80℃〜−50℃、より好ましくは−78℃〜−55℃、最も好ましくは−75℃〜−65℃である。本発明において、前記のトリシクロヘキシルホスフィンを添加する温度は、好ましくは−70℃〜−50℃、より好ましくは−60℃〜−55℃である。本発明は、窒素ガスの保護の下で前記のフェニルジアゾメタン、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリシクロヘキシルホスフィンの反応を行うことが好ましい。本発明は、攪拌の条件下で前記のフェニルジアゾメタン、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリシクロヘキシルホスフィンの反応を行うことが好ましい。本発明は、前記のフェニルジアゾメタン、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリシクロヘキシルホスフィンの反応の攪拌方法について特に制限はなく、当業者によく知られている攪拌技術手段を採用すればよい。
【0114】
本発明において、前記のフェニルジアゾメタン、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリシクロヘキシルホスフィンの反応温度は、好ましくは−80℃〜30℃、より好ましくは−78℃〜25℃、最も好ましくは−70℃〜20℃である。本発明において、前記のフェニルジアゾメタン、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリシクロヘキシルホスフィンの反応時間は、好ましくは30分間〜50分間、より好ましくは35分間〜45分間、最も好ましくは40分間である。
【0115】
本発明は前記のフェニルジアゾメタンの由来について特に制限はなく、市場から購入可能なものであっても良いし、当業者によく知られているフェニルジアゾメタンの調製方法により調製して得ても良い。本発明において、前記のフェニルジアゾメタンの調製方法は、
【0116】
ベンズアルデヒド−p−メチルベンゼンスルホニルヒドラゾン、ナトリウムメトキシド及びトリエチレングリコールを合成反応して、フェニルジアゾメタンを得ることが好ましい。
【0117】
本発明は、水浴の条件下で前記の合成反応を行うことが好ましい。本発明において、前記の合成反応の温度は、好ましくは50℃〜70℃、より好ましくは55℃〜65℃、最も好ましくは60℃である。本発明において、前記の合成反応の時間は、好ましくは0.5時間〜1.5時間、より好ましくは1時間である。本発明において、前記のベンズアルデヒド−p−メチルベンゼンスルホニルヒドラゾンとナトリウムメトキシドとトリエチレングリコールとの質量比は、好ましくは1:(2〜3):(25〜35)、より好ましくは1:(2.4〜2.9):(27〜32)、最も好ましくは1:2.8:25である。本発明は前記のベンズアルデヒド−p−メチルベンゼンスルホニルヒドラゾン、ナトリウムメトキシド及びトリエチレングリコールの由来について特に制限はなく、市場から購入可能なものであっても良い。
【0118】
本発明は、前記の合成反応の完了後に、得られた合成反応溶液におけるメタノールを除去して、合成反応産物を得ることが好ましい。前記の合成反応産物を抽出し、乾燥して、フェニルジアゾメタンを得る。本発明は前記のメタノール除去方法について特に制限されるものではなく、本発明において実施例に、前記の合成反応溶液におけるメタノールを機械ポンプを用いて抽出することができる。本発明は、前記の合成反応産物をまずnーペンタンで第一の抽出を行い、得られた第一の抽出産物を塩化ナトリウム水溶液で第二の抽出をすることが好ましい。本発明において、前記の塩化ナトリウム水溶液は、飽和塩化ナトリウム水溶液であることが好ましい。本発明において、前記の合成反応産物の乾燥の方法がスピンドライであることが好ましい。本発明において、前記の合成反応産物の乾燥温度は、好ましくは−35℃〜−45℃、より好ましくは−40℃である。
【0119】
本発明において、前記のフェニルジアゾメタンは、好ましくはフェニルジアゾメタンのペンタン溶液である。本発明において、前記のフェニルジアゾメタンのペンタン溶液の質量濃度は、好ましくは90mg/mL〜100mg/mL、より好ましくは94mg/mL〜98mg/mLである。
【0120】
本発明は前記のジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムの由来について特に制限はなく、市場から購入可能なものであっても良い。
【0121】
本発明において、前記のトリシクロヘキシルホスフィンがトリシクロヘキシルホスフィンのジクロロメタン溶液であることが好ましい。本発明において、前記のトリシクロヘキシルホスフィンのジクロロメタン溶液の質量濃度は、好ましくは0.06g/mL〜0.07g/mL、より好ましくは0.064g/mL〜0.068g/mLである。本発明は、前記のトリシクロヘキシルホスフィンの由来について特に制限はなく、市場から購入可能なものであっても良い。
【0122】
本発明において、前記のフェニルジアゾメタン、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリシクロヘキシルホスフィンの質量比は、好ましくは1:(3〜6):(1〜3.5)、より好ましくは1:(4〜5):(2〜3)、最も好ましくは1:4.6:2.6である。
【0123】
本発明において、前記の有機溶媒はジクロロメタンであることが好ましいで。本発明は前記の有機溶媒の用量について特に制限されないが、前記有機溶媒が前記のフェニルジアゾメタン、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリシクロヘキシルホスフィンの反応に液体環境を提供できるものであれば良い。前記の有機溶媒における空気を排除するために、本発明は、前記の有機溶媒を液体窒素冷凍−融化処理することが好ましい。本発明において、前記の液体窒素冷凍−融化処理の回数は3回であることが好ましい。本発明は、前記の液体窒素冷凍−融化処理の方法について特に制限されないが、当業者によく知られている液体窒素冷凍−融化処理の技術手段を採用すればよい。本発明は以下の方法に従って前記の有機溶媒を液体窒素冷凍−融化処理することが出きる。即ち、
【0124】
前記の有機溶媒をシュレンク瓶に入れ、前記のシュレンク瓶を液体窒素中に入れて冷凍し、
【0125】
前記の冷凍後のシュレンク瓶を真空引き処理した後、前記シュレンク瓶における有機溶媒を解凍する。
【0126】
本発明は前記の有機溶媒の解凍の過程における気泡が逃げることによって、前記の有機溶媒における空気を除去した。
【0127】
前記のフェニルジアゾメタン、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリシクロヘキシルホスフィンの反応が完了した後に、本発明は、得られたフェニルジアゾメタン、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリシクロヘキシルホスフィンの反応溶液を濾過、溶解、濃縮、沈殿、洗浄、乾燥して式VIに示す構造を有する化合物を得ることが好ましい。本発明は前記の濾過、溶解、濃縮、沈殿、洗浄及び乾燥の方法について特に制限されなく、当業者によく知られている濾過、溶解、濃縮、沈殿、洗浄及び乾燥の技術手段を採用すればよい。本発明において、前記沈殿の試薬がメタノールであることが好ましい。本発明において、前記のフェニルジアゾメタン、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリシクロヘキシルホスフィンの反応溶液の沈殿後の洗浄における試薬はメタノール及びアセトンであることが好ましい。本発明において、前記のフェニルジアゾメタン、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリシクロヘキシルホスフィンの反応溶液の乾燥方法は真空乾燥であることが好ましい。本発明において、前記のフェニルジアゾメタン、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリシクロヘキシルホスフィン反応溶液の乾燥時間は、好ましくは2時間〜4時間、より好ましくは3時間である。
【0128】
本発明において、前記の第一の化合物は式1に示す構造を有するものであって、本発明は前記の式1に示す構造を有する第一の化合物の由来について特に制限されなく、当業者によく知られている式1に示す構造を有する化合物を調製する方法を採用して調製して得るものであればよい。本発明において、前記の式1に示す構造を有する第一の化合物の調製方法は、
【0129】
ノルボルナジエンとアントラセンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを反応して、式1に示す構造を有する第一の化合物を得ることが好ましい。
【0130】
本発明は、真空の条件下で前記のノルボルナジエンとアントラセンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応を行うことが好ましい。本発明は、保護ガスの条件下で前記のノルボルナジエンとアントラセンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応を行うことが好ましい。本発明において、前記のノルボルナジエンとアントラセンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応における保護ガスが窒素ガスであることが好ましい。本発明において、前記のノルボルナジエンとアントラセンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応温度は、好ましくは160℃〜200℃、より好ましくは170℃〜190℃、最も好ましくは180℃である。本発明において、前記のノルボルナジエンとアントラセンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応の時間は、好ましくは25時間〜35時間、より好ましくは28時間〜32時間である。
【0131】
本発明において、前記のノルボルナジエンとアントラセンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとのモル比は、好ましくは(1500〜2000):(260〜300):1、より好ましくは(1600〜1800):(270〜295):1、 最も好ましくは(1700〜1760):(284〜290):1である。本発明は前記のノルボルナジエン、アントラセン及び2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールの由来について特に制限はなく、市場から購入可能なものであっても良い。
【0132】
前記のノルボルナジエンとアントラセンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応が完了した後に、本発明は、得られたノルボルナジエンとアントラセンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応産物を冷却、静置、濾過、洗浄して式1に示す構造を有する第一の化合物を得ることが好ましい。本発明は前記の冷却、静置、濾過及び洗浄の方法について特に制限されなく、当業者によく知られている冷却、静置、濾過及び洗浄の技術手段を採用すればよい。本発明において、前記冷却の温度は、好ましくは20℃〜30℃、より好ましくは24℃〜28℃である。本発明において、前記静置の時間は、好ましくは10時間〜16時間、より好ましくは12時間〜14時間である。本発明において、前記のノルボルナジエンとアントラセンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応産物の洗浄における試薬はn−ヘキサンであることが好ましい。
【0133】
本発明において、前記の第二の化合物は式1、式2、式3又は式4に示す構造を有するものである。本発明は前記の第二の化合物の由来について特に制限はなく、市場から購入可能なものであっても良く、当業者によく知られている方法に従って調製して得るものであっても良い。本発明において、前記の第二の化合物は、式1に示す構造を有する場合に、前記技術手段に記載の式1に示す構造を有する第一の化合物の調製方法に従って調製して得るものであってもよい。本発明において、前記の第二の化合物は式2に示す構造を有する場合に、式2に示す構造を有する第二の化合物が市場から購入しても良い。本発明において、前記の第二の化合物は式3に示す構造を有する場合に、前記の式3に示す構造を有する第二の化合物の調製方法は、
【0134】
ジシクロペンタジエンとシクロペンテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとを反応して、式3に示す構造を有する第二の化合物を得ることが好ましい。
【0135】
本発明は、真空の条件下で前記のジシクロペンタジエンとシクロペンテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応を行うことが好ましい。本発明は、保護ガスの条件下で前記のジシクロペンタジエンとシクロペンテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応を行うことが好ましい。本発明において、前記のジシクロペンタジエンとシクロペンテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応における保護ガスは窒素ガスであることが好ましい。本発明において、前記のジシクロペンタジエンとシクロペンテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応の温度は、好ましくは180℃〜220℃、より好ましくは190℃〜210℃、最も好ましくは200℃である。本発明において、前記のジシクロペンタジエンとシクロペンテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応の時間は、好ましくは12時間〜20時間、より好ましくは15時間〜18時間、最も好ましくは16時間である。
【0136】
本発明において、前記のジシクロペンタジエンとシクロペンテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとのモル比は、好ましくは(1500〜2000):(260〜300):1、より好ましくは(1600〜1800):(270〜295):1、最も好ましくは(1700〜1760):(284〜290):1である。本発明は前記のジシクロペンタジエンとシクロペンテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールの由来について特に制限はなく、市場から購入可能なものであっても良い。
【0137】
前記のジシクロペンタジエンとシクロペンテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応が完了した後に、本発明は、得られたジシクロペンタジエンとシクロペンテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールの反応産物を冷却、静置、常圧蒸留、減圧蒸留して、式3に示す構造を有する第二の化合物を得ることが好ましい。本発明は前記の冷却、静置、常圧蒸留及び減圧蒸留の方法について特に制限されなく、当業者によく知られている冷却、静置、常圧蒸留及び減圧蒸留の技術手段を採用すればよい。本発明において、前記の冷却の温度は、好ましくは20℃〜30℃、より好ましくは25℃〜28℃である。本発明において、前記の静置の時間は、好ましくは10時間〜16時間、より好ましくは12時間〜14時間である。本発明において、前記の常圧蒸留の温度は、好ましくは40℃〜60℃、より好ましくは45℃〜50℃である。本発明において、前記の減圧蒸留の温度は、好ましくは40℃〜80℃、より好ましくは50℃〜60℃である。本発明は、前記の減圧蒸留時に25℃〜30℃の留分、即ち、式3に示す構造を有する第二の化合物を収集することが好ましい。
【0138】
本発明において、前記の第二の化合物は式4に示す構造を有する場合に、前記の式4に示す構造を有する第二の化合物の調製方法は、
【0139】
ジシクロペンタジエンとn−オクテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとを反応して、式4に示す構造を有する第二の化合物を得ることが好ましい。
【0140】
本発明は、真空の条件下で前記のジシクロペンタジエンとn−オクテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応を行うことが好ましい。本発明は、保護ガスの条件下で前記のジシクロペンタジエンとn−オクテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応を行うことが好ましい。本発明において、ジシクロペンタジエンとn−オクテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応における保護ガスは窒素ガスであることが好ましい。本発明において、ジシクロペンタジエンとn−オクテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールの反応の温度は、好ましくは220℃〜260℃、より好ましくは230℃〜250℃、最も好ましくは240℃である。本発明において、ジシクロペンタジエンとn−オクテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応の時間は、好ましくは6時間〜10時間、より好ましくは7時間〜9時間、最も好ましくは8時間である。
【0141】
本発明において、前記のジシクロペンタジエンとn−オクテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとのモル比は、好ましくは(1500〜2000):(500〜1000):1、より好ましくは(1600〜1800):(550〜750):1、最も好ましくは(1700〜1750):(600〜650):1である。本発明は前記のジシクロペンタジエンとn−オクテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールの由来について特に制限はなく、市場から購入可能なものであっても良い。
【0142】
ジシクロペンタジエンとn−オクテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応が完了した後に、本発明は、得られたジシクロペンタジエンとn−オクテンと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとの反応産物を冷却、静置、常圧蒸留、減圧蒸留して式4に示す構造を有する第二の化合物を得ることが好ましい。本発明は前記の冷却、静置、常圧蒸留及び減圧蒸留の方法について特に制限されなく、当業者によく知られている冷却、静置常圧蒸留及び蒸留の技術手段を採用すればよい。本発明において、前記の冷却の温度は、好ましくは20℃〜30℃、より好ましくは25℃〜28℃である。本発明において、前記の静置の時間は、好ましくは10時間〜16時間、より好ましくは12時間〜14時間である。本発明において、前記の常圧蒸留の温度は、好ましくは120℃〜180℃、より好ましくは150℃〜160℃である。本発明において、前記の減圧蒸留の温度は、好ましくは60℃〜150℃、より好ましくは70℃〜130℃である。本発明は、前記の減圧蒸留時に60℃〜80℃の留分、即ち、式4に示す構造を有する第二の化合物を収集することが好ましい。
【0143】
本発明において、前記の重合反応溶媒の種類及び由来は、前記の触媒溶液の溶媒の種類及び由来と同様ので、その説明を省略する。本発明において、前記の重合反応の溶媒が前記技術手段に記載の触媒溶液における溶媒と同一または異なっていてもよい。
【0144】
本発明において、前記の第一の化合物及び第二の化合物の総モル数と触媒のモル数との比は、好ましくは(270〜1000):1、より好ましくは(300〜700):1、最も好ましくは(350〜600):1である。本発明において、式Iに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、式1に示す構造を有する第一の化合物及び式2に示す構造を有する第二の化合物の総モル数と触媒のモル数との比は、好ましくは(300〜500):1、より好ましくは(350〜450):1、最も好ましくは(380〜420):1である。
【0145】
本発明において、式IIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、式1に示す構造を有する第一の化合物のモル数と触媒のモル数との比は、好ましくは(300〜1000):1、より好ましくは(400〜700):1、最も好ましくは(500〜600):1である。
【0146】
本発明において、式IIIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、式1に示す構造を有する第一の化合物及び式3に示す構造を有する第二の化合物の総モル数と触媒のモル数との比は、好ましくは(270〜600):1、より好ましくは(400〜574):1、最も好ましくは(420〜468):1である。
【0147】
本発明において、式IVに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、式1に示す構造を有する第一の化合物及び式4に示す構造を有する第二の化合物の総モル数と触媒のモル数との比は、好ましくは(400〜700):1、より好ましくは(500〜600):1、最も好ましくは(520〜580):1である。
【0148】
本発明において、前記の第一の化合物と第二の化合物とのモル比は、好ましくは(0.5〜19):1、より好ましくは(0.8〜18):1、最も好ましくは(1.5〜9):1である。本発明において、式Iに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、式1に示す構造を有する第一の化合物と式2に示す構造を有する第二の化合物とのモル比は、好ましくは(0.5〜2):1、より好ましくは(0.5〜1.5):1である。
【0149】
本発明において、式IIIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、式1に示す構造を有する第一の化合物と式3に示す構造を有する第二の化合物とのモル比は、好ましくは(0.8〜9):1、より好ましくは(1.5〜4):1、最も好ましくは(2.3〜3):1である。
【0150】
本発明において、式IVに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、式1に示す構造を有する第一の化合物と式4に示す構造を有する第二の化合物とのモル比は、好ましくは(1〜19):1、より好ましくは(4〜18):1、最も好ましくは(5〜7):1である。
【0151】
本発明は前記の重合反応溶媒の用量について特に制限されなく、当業者によく知られている重合反応中に溶媒の用量を採用すればよい。本発明において、前記の第一の化合物と重合反応溶媒との質量比は、好ましくは1:(10〜30)、より好ましくは1:(15〜28)、最も好ましくは1:(17〜26)である。本発明において、式Iに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、第一の化合物と重合反応溶媒との質量比は、好ましくは1:(20〜30)、より好ましくは1:(24〜28)である。本発明において、式IIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、第一の化合物と重合反応溶媒との質量比は、好ましくは1:(10〜25)、より好ましくは1:(15〜20)である。本発明において、式IIIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、第一の化合物と重合反応溶媒との質量比は、好ましくは1:(15〜30)、より好ましくは1:(17〜26)である。本発明において、式IVに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、第一の化合物と重合反応溶媒との質量比は、好ましくは1:(15〜30)、より好ましくは1:(17〜26)である。
【0152】
前記の重合反応が完了した後に、本発明は、停止剤を用いて前記の重合反応を停止して、重合反応溶液を得り、前記の重合反応溶液と沈殿剤を混合して、沈殿産物を得り、前記の沈殿産物を濾過、洗浄、乾燥して重合反応産物を得ることが好ましい。
【0153】
本発明は前記停止剤の種類及び由来について特に制限されなく、当業者によく知られているシクロオレフィン共重合体を調製する時に使用する停止剤であればよく、市場から購入しても良い。本発明において、前記の停止剤はビニルエーテルであることが好ましい。本発明において、前記の停止剤と触媒とのモル比は、好ましくは(100〜500):1、より好ましくは(200〜400):1、最も好ましくは300:1である。本発明において、前記の重合反応を停止する時間は、好ましくは20分間〜40分間、より好ましくは25分間〜35分間、最も好ましくは30分間である。
【0154】
重合反応溶液を得た後に、本発明は、前記の重合反応溶液及び沈殿剤を混合して、沈殿産物を得ることが好ましい。本発明は前記の重合反応溶液を沈殿させる沈殿剤の種類について特に制限されなく、当業者によく知られているシクロオレフィン共重合体を調製する時に使用する沈殿剤であればよい。本発明において、前記の重合反応溶液を沈殿させる沈殿剤は、好ましくはメタノール、より好ましくは無水メタノールである。本発明において、前記の重合反応溶液と沈殿剤の混合の温度は、好ましくは−10℃〜0℃、より好ましくは−8℃〜−5℃である。
【0155】
沈殿産物を得た後に、本発明は、前記の沈殿産物を濾過、洗浄、乾燥して、重合反応産物を得ることが好ましい。本発明は前記の沈殿産物を濾過、洗浄及び乾燥する方法について特に制限されなく、当業者によく知られている濾過、洗浄及び乾燥の技術手段を採用すればよい。本発明において、前記の沈殿産物を洗浄する試薬はアセトンであることが好ましい。本発明において、前記の沈殿産物の洗浄回数は、好ましくは2回〜4回、より好ましくは3回である。本発明において、前記の沈殿産物は乾燥の方法が真空乾燥であるのが好ましい。本発明において、前記の沈殿産物の乾燥温度は、好ましくは20℃〜40℃、より好ましくは25℃〜35℃、最も好ましくは30℃である。本発明において、前記の沈殿産物の乾燥の時間は、好ましくは12時間〜24時間、より好ましくは16時間〜20時間、最も好ましくは18時間である。
【0156】
重合反応産物を得た後に、本発明は前記の重合反応産物及び水素源を水素化反応して、シクロオレフィン共重合体を得ることが好ましい。本発明は、保護ガスの条件下で前記の水素化反応を行うことが好ましい。本発明において、前記の水素化反応の保護ガスは窒素ガスであることが好ましい。本発明は前記の水素化反応の方法について特に制限されなく、当業者によく知られている水素化反応の技術手段を採用すればよい。
【0157】
本発明は前記の水素源の種類について特に制限されないが、前記の水素源は、好ましくは水素ガス又はヒドラジン類化合物、より好ましくはヒドラジン類化合物、最も好ましくはp−トルエンスルホニルヒドラジンである。
【0158】
本発明において、前記の水素源がヒドラジン類化合物である場合に、本発明は、以下の方法に従って水素化反応を行ってシクロオレフィン共重合体を調製することが好ましい。
【0159】
前記の重合反応産物及びヒドラジン類化合物を溶媒に水素化反応してシクロオレフィン共重合体を得る。
【0160】
本発明において、前記の重合反応産物中の二重結合のモル数とヒドラジン類化合物のモル数との比は、好ましくは1:(3〜6)、より好ましくは1:(4〜5)である。本発明において、前記の水素化反応溶媒がトルエンであることが好ましい。本発明は前記の水素化反応溶媒の用量について特に制限されなく、使用する溶媒が前記の水素化反応に液体環境を提供するものであれば良い。本発明において、前記の重合反応産物及びヒドラジン類化合物を水素化反応する場合の反応温度は、好ましくは110℃〜150℃、より好ましくは120℃〜140℃、最も好ましくは130℃である。本発明において、式Iに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、前記の重合反応産物及びヒドラジン類化合物を水素化反応する時の反応温度は、好ましくは120℃〜140℃、より好ましくは125℃〜135℃、最も好ましくは130℃である。本発明において、式IIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、前記の重合反応産物及びヒドラジン類化合物を水素化反応する時の反応温度は、好ましくは120℃〜140℃、より好ましくは125℃〜135℃、最も好ましくは130℃である。本発明において、式IIIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、前記の重合反応産物及びヒドラジン類化合物を水素化反応する時の反応温度は、好ましくは110℃〜150℃、より好ましくは120℃〜140℃、最も好ましくは130℃である。本発明において、式IVに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、前記の重合反応産物及びヒドラジン類化合物を水素化反応する時の反応温度は、好ましくは110℃〜150℃、より好ましくは120℃〜140℃、最も好ましくは130℃である。
【0161】
本発明において、前記の重合反応産物及びヒドラジン類化合物を水素化反応する時の反応時間は、好ましくは12時間〜24時間、より好ましくは14時間〜20時間である。本発明において、 式Iに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、前記の重合反応産物及びヒドラジン類化合物を水素化反応する時の反応時間は、好ましくは12時間〜24時間、より好ましくは14時間〜20時間である。本発明において、式IIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、前記の重合反応産物及びヒドラジン類化合物を水素化反応する時の反応時間は、好ましくは12時間〜20時間、より好ましくは16時間〜18時間である。本発明において、式IIIに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、前記の重合反応産物及びヒドラジン類化合物を水素化反応する時の反応時間は、好ましくは12時間〜20時間、より好ましくは13時間〜16時間である。本発明において、式IVに示す構造を有するシクロオレフィン共重合体を調製する場合に、前記の重合反応産物及びヒドラジン類化合物を水素化反応する時の反応時間は、好ましくは12時間〜20時間、より好ましくは14時間〜19時間、最も好ましくは16時間〜18時間である。
【0162】
前記の重合反応産物及びヒドラジン類化合物を水素化反応する過程における架橋反応の発生を防止するために、前記の重合反応産物及びヒドラジン類化合物を水素化反応する時の反応原料はラジカル捕捉剤を含むものであることが好ましい。本発明は前記のラジカル捕捉剤の種類及び由来について特に制限されなく、当業者によく知られているラジカル捕捉剤を採用すればよい、市場から購入しても良い。本発明において、前記のラジカル捕捉剤は2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールであることが好ましい。本発明は前記のラジカル捕捉剤の用量について特に制限されなく、当業者によく知られているラジカル捕捉剤の用量を採用すればよい。本発明において、前記のラジカル捕捉剤の用量は前記の技術案に記載の触媒のモル数に対して0.05eqv〜3eqvの用量であることが好ましい。
【0163】
前記の水素化反応が完了した後に、本発明は、得られた水素化反応産物とエタノールを混合し、得られた混合産物を濾過、洗浄、乾燥してシクロオレフィン共重合体を得ることが好ましい。本発明において、前記のエタノールの純度は97%〜99%であることが好ましい。本発明は前記の混合産物を濾過、洗浄及び乾燥する方法について特に制限されなく、当業者によく知られている濾過、洗浄及び乾燥の技術手段を採用すればよい。本発明において、前記の混合産物の乾燥方法は真空乾燥であることが好ましい。本発明において、前記の混合産物の乾燥時間は、好ましくは12時間〜24時間、より好ましくは16時間〜20時間である。本発明において、前記の混合産物の乾燥温度は、好ましくは40℃〜70℃、より好ましくは50℃〜65℃、最も好ましくは60℃である。
【0164】
調製してシクロオレフィン共重合体を得た後に、本発明は得られたシクロオレフィン共重合体を炭素核磁気共鳴スペクトル検出及び水素核磁気共鳴スペクトル検出を行う。前記の炭素核磁気共鳴スペクトル検出及び水素核磁気共鳴スペクトル検出の検出方法はVarian Unity−400型核磁気共鳴分光計にて25℃で、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準とし、重クロロホルムを溶媒とする。検出結果では、本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体は式I〜式IVに示す構造を有する。
【0165】
本発明において、得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度は、示差熱分析法及び熱失重法にて測定する。検出方法は、Perkin−ElmerPyris1DSC示差走査熱量計を用いて示差熱分析を測定し、升温や降温の速率がいずれも10℃/minであり、二回の走査を行う。Perkin−Elmer Pyris 1型機器を採用して熱失重を測定する。検出結果には、本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が125℃〜224℃であり、優れた熱安定性を有する。
【0166】
本発明は、INSTRON 1121,Canton,MA機器にて得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定する。GB/T1040−1992《プラスチックの引張性能の測定方法》の基準に従って検出し、スプラインクランプ距離が20.0mmであり、測定速率が5mm/minであり、各サンプルについてデータの信頼性を確保するために少なくとも8回試験したものである。測定結果は、本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体の引張強度が21MPa〜55MPaであり、引張弾性率が1000MPa〜1950MPaであり、破断伸びが1.7%〜4.9%である。
【0167】
本発明では、得られたシクロオレフィン共重合体の透明性は、Shimadzu UV−3600紫外−可視光−近赤外分光光度計にて測定し、測定波長が400nm〜800nmである。測定結果では、本発明で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>85%である。
【0168】
本発明では、得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布及び数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにて測定する。検出方法は、waters152型ゲル浸透クロマトグラフィーを採用して測定し、RI−Laser検出器を採用して検出し、検出溶媒がテトラヒドロフランであり、検出温度が35℃であり、移動相流速が1.0mL/minであり、PL EasiCal PS−1をサンプルとするものである。測定結果は、本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体は分子量分布が1.20〜1.52であり、数平均分子量が6.5×104g/mol〜32×104g/molである。
【0169】
本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体は優れた耐熱性及び力学的性能を同時に有するものである。また、本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体はまた優れた透明性を有するものである。
【0170】
本発明をさらに理解するために、以下に実施例を組み合わせて本発明で提供されたシクロオレフィン共重合体およびその調製方法を詳細に記述するが、これらの記述は、本発明の特徴および利点を更に説明するもののみであって、これらを本発明の範囲を限定するものと理解するべきではない。
【0171】
本発明の以下の実施例で用いた反応原料は何れも市販のものである。
【0172】
実施例1
【0173】
2Lのステンレススチール製オートクレーブに800mLのノルボルナジエンと、230gのアントラセンと、1gの2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとを順次に添加し、前記のオートクレーブを真空引きした後に窒素ガスで充填する操作を3回繰り返す。前記のオートクレーブを180℃に加熱し、前記のオートクレーブにおける物質を攪拌の条件下で30時間反応させた。
【0174】
前記の反応が終了した後、得られた反応産物を25℃に冷却し、12時間静置した後に濾過し、得られた濾過産物をn−ヘキサンで2回洗浄して製品260gを得た。本発明の実施例1で提供された方法で調製して得られた製品の産率が75%である。
【0175】
前記で得られた製品を水素核磁気共鳴スペクトルで検出し、検出結果を図1に示す。図1は本発明の実施例1で得られた製品の水素核磁気共鳴スペクトルであり、図1より、本発明の実施例1で得られた製品は式1に示す構造を有する化合物であることを分かる。
【0176】
実施例2
【0177】
100mLの一つ口フラスコに、4.96gのベンズアルデヒド−p−メチルベンゼンスルホニルヒドラゾン、1.75gのナトリウムメトキシド及び40mLのトリエチレングリコールを添加し、前記の一つ口フラスコを60℃の水浴中に置いて合成反応を1時間行う。
【0178】
前記の合成反応が完了した後に、得られた合成反応溶液におけるメタノールを水ポンプで抽出して合成反応産物を得た。前記の合成反応産物を氷水中にn−ペンタンで抽出した後に飽和NaCl水溶液で抽出し、得られた抽出産物をスピンドライして、フェニルジアゾメタンを得た。前記のフェニルジアゾメタンの産率が50%である。
【0179】
250mLのマルチ口フラスコに、4.0gのジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムを添加し、窒素ガスにより前記のマルチ口フラスコにおける空気を置換し、前記のマルチ口フラスコ中に、液体窒素冷凍−融化処理を3回したジクロロメタンを40mL注入した。前記のマルチ口フラスコを−78℃の冷浴中に置いて、攪拌の条件下で−50℃質量濃度が98.5mg/mLであるフェニルジアゾメタンのペンタン溶液を10mL加えて混合する。その中に、前記のフェニルジアゾメタンのペンタン溶液におけるフェニルジアゾメタンが前記の調製して得られたフェニルジアゾメタンであり、得られた混合物を−70℃で10min攪拌した後に−50℃で質量濃度が0.064g/mLであるトリシクロヘキシルホスフィンのジクロロメタン溶液を40mL添加し、25℃で30min反応させた。
【0180】
前記の反応が終了した後、得られた反応溶液を濾過して不溶物を除去し、濾過した後の反応溶液を10mLに濃縮した後再濾過し、得られた濾過産物中に、液体窒素冷凍−融化処理を3回したメタノールを100mL添加して沈殿させ、得られた沈殿物を先にメタノールで3回洗浄し、アセトンで2回洗浄し、洗浄した後の沈殿物を3時間の真空乾燥して、2.1gの製品を得た。本発明の実施例2で提供された方法で調製して得られた製品の産率が81%である。
【0181】
前記得られた製品を水素核磁気共鳴スペクトル検出及びリン核磁気共鳴スペクトル検出を行い、検出結果を図2及び図3に示す。図2が本発明の実施例2で得られた製品の水素(1H)核磁気共鳴スペクトルであり、図3が本発明の実施例2で得られた製品のリン(31P)核磁気共鳴スペクトルであり、図2及び図3により、本発明の実施例2で得られた製品が式VIに示す構造を有する化合物であることを分かる。
【0182】
実施例3
【0183】
25℃で、乾燥した重合反応フラスコに、1gの実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する第一の化合物と、0.41gの式2に示す構造を有する第二の化合物と、15mLのジクロロメタンとを添加し、10min撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物を15.2mg添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させ、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記の式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して15minの重合反応を行った。
【0184】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して300eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、1.03gの重合反応産物を得た。本発明の実施例3で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が72.8%である。
【0185】
乾燥した重合反応フラスコに、0.8gの前記の重合反応産物と、6.6gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して1eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で16時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、0.72gのシクロオレフィン共重合体を得た。本発明の実施例3で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が90.0%である。
【0186】
前記の技術案に記載した方法により、本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体について炭素核磁気共鳴スペクトル検出及び水素核磁気共鳴スペクトル検出を行い、検出結果は、図4に示す。図4が本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体の炭素核磁気共鳴スペクトルであり、図4により、本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体は式Iに示す構造を有し、式I中にxが285であり、yが50であり、本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体の構造が明らかになった。
【0187】
図5が本発明の実施例3で得られた重合反応産物及びシクロオレフィン共重合体の水素核磁気共鳴スペクトルであり、図5中に、曲線1が本発明の実施例3で得られた重合反応産物の水素核磁気共鳴スペクトルであり、曲線2が本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体の水素核磁気共鳴スペクトルであり、図5から分かるように、本発明の実施例3で得られた重合反応産物は、水素化反応した後に二重結合のピークが完全に消失し、水素化効果が良い。以下の式に従って本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体に有する式1に示す構造第一の化合物のモル含有量を計算する。
【0188】
mol%=(I3.9〜4.3/I5.42)×100%
【0189】
I3.9〜4.3は水素核磁気共鳴スペクトル中の化学シフトが3.9〜4.3におけるピーク面積であり、I5.42は水素核磁気共鳴スペクトル中の化学シフトが5.42におけるピーク面積である。計算結果は、本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体中に有する式1に示す構造第一の化合物のモル含有量が86.96%である。
【0190】
前記の技術案に記載した方法により、本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーで測定し、図6に示す。図6は、本発明の実施例3で得られた重合反応産物及びシクロオレフィン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィーであり、図6に、曲線1が本発明の実施例3で得られた重合反応産物のゲル浸透クロマトグラフィーであり、曲線2が本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィーであり、図6から分かるように、本発明の実施例3で得られた重合反応産物が水素化反応した後にピークの形状が変わらず、流体力学的体積はほとんど変化しない。ゲル浸透クロマトグラフィーの検出により、本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.35であり、数平均分子量が8.42×104g/molであることを分かる。
【0191】
前記の技術案に記載した方法により、本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図7に示す。図7は、本発明の実施例3〜実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図7中に、曲線2が本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図7から分かるように、本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体は溶融温度がなく、アモルファスであり、本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が171.9℃である。前記の技術案に記載した方法により、本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定し、図8に示す。図8は、本発明の実施例3〜実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体のTG曲線であり、図8中に、曲線1が本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体のTG曲線であり、図8により、本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体が350℃での分解率が10%であり、優れた熱安定性を有することを分かる。
【0192】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが2.9%であり、引張強度が33.0MPaであり、引張弾性率が1450MPaである。
【0193】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定し、図9に示す。図9は、本発明の実施例3〜実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図9中に曲線1が本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図9により、本発明の実施例3で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>85%であることを分かる。
【0194】
実施例4
【0195】
25℃で、乾燥した重合反応フラスコに実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する第一の化合物1gと、式2に示す構造を有する第二の化合物0.82gと、ジクロロメタン15mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに22.9mgの実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物を添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して15minの重合反応を行った。
【0196】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して300eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、1.12gの重合反応産物を得た。本発明の実施例4で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が61.6%である。
【0197】
乾燥した重合反応フラスコに、0.8gの前記の重合反応産物と、7.8gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して0.05eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で16時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体0.75gを得た。本発明の実施例4で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が91.5%である。
【0198】
実施例3に記載の方法に従って本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出し、検出結果には、本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体は式Iに示す構造を有し、式I中にxが260であり、yが86であり、実施例3に記載の式に従って計算したところ、本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する第一の化合物のモル含有量が75.19%である。
【0199】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.26であり、数平均分子量が6.54×104g/molである。
【0200】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図7に示す。図7中に、曲線1が本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図7により、本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が160.8℃であることを分かる。前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定し、図8に示す。図8中に、曲線2が本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体のTG曲線であり、図8により、本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体は優れた熱安定性を有することが分かる。
【0201】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが2.9%であり、引張強度が32.9MPaであり、引張弾性率が1670MPaである。
【0202】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定し、図9に示す。図9中に、曲線3が本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図9により、本発明の実施例4で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>85%であることを分かる。
【0203】
実施例5
【0204】
25℃で乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する第一の化合物1gと、式2に示す構造を有する第二の化合物0.205gと、ジクロロメタン20mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物11.4mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して15minの重合反応を行った。
【0205】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して300eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、1.06gの重合反応産物を得た。本発明の実施例5で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が87.5%である。
【0206】
乾燥した重合反応フラスコに、0.8gの前記の重合反応産物と、5.0gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して2eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で16時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体0.73gを得た。本発明の実施例5で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が90.1%である。
【0207】
実施例3に記載の方法に従って本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出したところ、本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体は式Iに示す構造を有し、式I中にxが310であり、yが52であり、実施例3に記載の式に従って計算すると、本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する第一の化合物のモル含有量が90.09%である。
【0208】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.26であり、数平均分子量が7.01×104g/molである。
【0209】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図7に示す。図7中に、曲線3が本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図7により、本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が195.2℃であることを分かる。前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定し、図8に示す。図8中に、曲線3が本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体のTG曲線であり、図8により、本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体は優れた熱安定性を有すると分かる。
【0210】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが2.1%であり、引張強度が32.5MPaであり、引張弾性率が1520MPaである。
【0211】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定し、図9に示す。図9中に、曲線2が本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図9により、本発明の実施例5で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>85%であることを分かる。
【0212】
実施例6
【0213】
25℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する第一の化合物1gと、式2に示す構造を有する第二の化合物0.205gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物11.4mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して20minの重合反応を行った、
【0214】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して100eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、重合反応産物1.08gを得た。本発明の実施例6で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が89.5%である。
【0215】
乾燥した重合反応フラスコに、0.8gの前記の重合反応産物と、8.0gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して3eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で14時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体0.74gを得た。本発明の実施例6で提供された水素化反応の方法で得られシクロオレフィン共重合体の産率が90.1%である。
【0216】
実施例3に記載の方法に従って本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出したところ、本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体は式Iに示す構造を有し、式I中に、xが230であり、yが25であり、実施例3に記載の式に従って計算すると、本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する第一の化合物のモル含有量が90.91%である。
【0217】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.52であり、数平均分子量が10.5×104g/molである。
【0218】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図7に示す。図7中に、曲線4が本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図7により、本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が201.3℃であることを分かる。前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定し、図8に示す。図8中に、曲線4が本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体のTG曲線であり、図8により、本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体は優れた熱安定性を有すると分かる。
【0219】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが2.3%であり、引張強度が32MPaであり、引張弾性率が1580MPaである。
【0220】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定し、図9に示す。図9中に、曲線4が本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図9により、本発明の実施例6で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>85%であることを分かる。
【0221】
実施例7
【0222】
0℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する第一の化合物1gと、式2に示す構造を有する第二の化合物0.82gと、ヘキサン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物36.4mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのトルエンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をトルエン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して5minの重合反応を行った、
【0223】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して300eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、重合反応産物1.08gを得た。
【0224】
オートクレーブ内を真空の条件下で5時間予め乾燥し、前記のオートクレーブ中に1gの前記した調製して得られた重合反応産物と、300mLのシクロヘキサンと、0.5gのPd/Al2O3触媒とを添加し、前記のオートクレーブを排気−換気を3回した後に前記のオートクレーブ内に30MPaの水素ガスを充填し、130℃で24hの水素化反応を行い、その中のPd/Al2O3触媒を回収するために得られた水素化反応溶液を濾過して、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物をエタノールに注入して沈殿させ、得られた沈殿産物を濾過した後に真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、0.92gのシクロオレフィン共重合体を得た。
【0225】
実施例3に記載の方法に従って本発明の実施例7で得られたシクロオレフィン共重合体の構造及び性能を測定したところ、本発明の実施例7で得られたシクロオレフィン共重合体は式Iに示す構造を有し、式I中に、xが320、yが53である。本発明の実施例7で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する第一の化合物がシクロオレフィン共重合体におけるモル含有量が88.45%であり、本発明の実施例7で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が186.3℃であり、本発明の実施例7で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.46であり、数平均分子量が6.48×104g/molである。本発明の実施例7で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが2.8%であり、引張強度が35MPaであり、引張弾性率が1750MPaである。本発明の実施例7で得られたシクロオレフィン共重合体が光透過率>85%である。本発明の実施例7で得られたシクロオレフィン共重合体がより高いガラス転移温度、力学的性能及び透明性を有する。
【0226】
実施例8
【0227】
50℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する第一の化合物1gと、式2に示す構造を有する第二の化合物0.205gと、ベンゼン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物3.34mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのシクロヘキサンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をシクロヘキサン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して60minの重合反応を行った。
【0228】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して300eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、1.10gの重合反応産物を得た。
【0229】
乾燥した重合反応フラスコに、0.8gの前記の重合反応産物と、8.0gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、40mLのトルエンとを順次に添加し、150℃で20時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、1.05gのシクロオレフィン共重合体を得た。
【0230】
実施例3に記載の方法に従って本発明の実施例8で得られたシクロオレフィン共重合体の構造及び性能を測定したところ、本発明の実施例8で得られたシクロオレフィン共重合体は式Iに示す構造を有し、式I中に、xが256であり、yが40である。本発明の実施例8で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する第一の化合物がシクロオレフィン共重合体におけるモル含有量が86.51%であり、本発明の実施例8で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が175℃であり、本発明の実施例8で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.38であり、数平均分子量が7.56×104g/molである。本発明の実施例8で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが2.6%であり、引張強度が33.5MPaであり、引張弾性率が1580MPaである。本発明の実施例8で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>85%である。本発明の実施例8で得られたシクロオレフィン共重合体がより高いガラス転移温度、力学的性能及び透明性を有する。
【0231】
実施例9
【0232】
25℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物2gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物20.3mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して60minの重合反応を行った、
【0233】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して500eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、1.99gの重合反応産物を得た。本発明の実施例9で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が99%である。
【0234】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、5.17gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して0.05eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で12時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.43gを得た。本発明の実施例9で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が94.0%である。
【0235】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体について炭素核磁気共鳴スペクトル検出及び水素核磁気共鳴スペクトル検出を行い、図10に示す。図10が本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体炭素核磁気共鳴スペクトルであり、図10により、本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体は式IIに示す構造を有し、式II中にzが300であることを分かる。本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体の構造が明らかになる。
【0236】
図11が本発明の実施例9で得られた重合反応産物及びシクロオレフィン共重合体の水素核磁気共鳴スペクトルであり、図11中に曲線1が本発明の実施例9で得られた重合反応産物の水素核磁気共鳴スペクトルであり、曲線2が本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体の水素核磁気共鳴スペクトルであり、図11から分かるように、本発明の実施例9で得られた重合反応産物が水素化反応した後に二重結合のピークが完全に消失し、水素化効果が良い。
【0237】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.29であり、数平均分子量が9.25×104g/molである。
【0238】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法測定し、図12に示す。図12が本発明の実施例9〜実施例11で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図12中に、曲線1が本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図12により、本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が212.6℃であることを分かる。前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定し、図13に示す。図13が本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体のTG曲線であり、図13中に、曲線1が本発明の実施例9が空気中に測定して得られたシクロオレフィン共重合体のTG曲線であり、図13中に、曲線2が本発明の実施例9が窒素ガス中に測定して得られたシクロオレフィン共重合体のTG曲線であり、図13により、本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体が350℃における分解率が10%であり、優れた熱安定性を有すると分かる。
【0239】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが1.7%であり、引張強度が21.2MPaであり、引張弾性率が1415MPaである。
【0240】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定し、図14に示す。図14が本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図14により、本発明の実施例9で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%であることを分かる。
【0241】
産物秤量の方法を採用して本発明の実施例9で重合反応の重合転化率を測定したところ、本発明の実施例9中に重合反応の重合転化率が100%である。
【0242】
実施例10
【0243】
25℃で乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物2gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物15.3mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して2時間の重合反応を行った、
【0244】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して500eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、1.99gの重合反応産物を得た。本発明の実施例4で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が99%である。
【0245】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、5.17gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して1eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で16時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、1.46gシクロオレフィン共重合体を得た。本発明の実施例10で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が94.8%である。
【0246】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例10で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出したところ、本発明の実施例10で得られたシクロオレフィン共重合体は式IIに示す構造を有し、式II中にzが400である。
【0247】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例10で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例10で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.35であります、数平均分子量が11.7×104g/molである。
【0248】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例10で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図12に示す。図12中に、曲線2が本発明の実施例10で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図12により、本発明の実施例10で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が214.2℃であることを分かる。
【0249】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例10で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例10で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが2.0%であり、引張強度が35MPaであり、引張弾性率が1520MPaである。
【0250】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例10で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定したところ、本発明の実施例10で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%である。
【0251】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例10で重合反応の重合転化率を検出したところ、本発明の実施例10で重合反応の重合転化率が100%である。
【0252】
実施例11
【0253】
25℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物2gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物12.2mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して2時間の重合反応を行った、
【0254】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して300eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、1.99gの重合反応産物を得た。本発明の実施例11で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が99%である。
【0255】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、4.14gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して2eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で16時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、1.45gシクロオレフィン共重合体を得た。本発明の実施例11で提供された水素化反応の方法得られたシクロオレフィン共重合体の産率が94.5%である。
【0256】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例11で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出したところ、本発明の実施例11で得られたシクロオレフィン共重合体は式IIに示す構造を有し、式II中にzが500である。
【0257】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例11で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例11で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.25であり、数平均分子量が14×104g/molである。
【0258】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例11で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図12に示す。図12中に、曲線3が本発明の実施例11で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図12により、本発明の実施例11で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が223.6℃であることを分かる。
【0259】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例11で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例11で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが2.7%であり、引張強度が53.2MPaであり、引張弾性率が1940MPaである。
【0260】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例11で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定したところ、本発明の実施例11で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%である。
【0261】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例11で重合反応の重合転化率を測定したところ、本発明の実施例11で重合反応の重合転化率化率が100%である。
【0262】
実施例12
【0263】
0℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物2gと、テトラヒドロフラン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物10.2mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのテトラヒドロフランを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をテトラヒドロフラン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して180minの重合反応を行った、
【0264】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で向前記の重合反応フラスコ中ビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して100eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、1.99gの重合反応産物を得た。本発明の実施例12で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が99.2%である。
【0265】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、3.10gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して1eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、110℃で20時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.46gを得た。本発明の実施例12で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が95.1%である。
【0266】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例12で得られたシクロオレフィン共重合体の構造及び性能を測定したところ、本発明の実施例12で得られたシクロオレフィン共重合体は式IIに示す構造を有し、式II中にzが600である。本発明の実施例12で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が223.8℃であり、本発明の実施例12で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.35であり、数平均分子量が15.6×104g/molである。本発明の実施例12得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが2.6%であり、引張強度が53.5MPaであり、引張弾性率が1850MPaである。本発明の実施例12で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%である。本発明の実施例12で重合反応の重合転化率が100%である。本発明の実施例12で得られたシクロオレフィン共重合体がより高いガラス転移温度、力学的性能及び透明性を有する。
【0267】
実施例13
【0268】
50℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物2gとトルエン35mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物8.7mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのトルエンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をトルエン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して60minの重合反応を行った、
【0269】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して300eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、1.98gの重合反応産物を得た。
【0270】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、6.21gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して3eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、150℃で20時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.47を得た。本発明の実施例13で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が96.2%である
【0271】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例13で得られたシクロオレフィン共重合体の構造及び性能を測定したところ、本発明の実施例13で得られたシクロオレフィン共重合体は式IIに示す構造を有し、式II中にzが700である。本発明の実施例13で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が221.5℃であり、本発明の実施例13で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.33であり、数平均分子量が18.6×104g/molである。本発明の実施例13で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが2.5%であり、引張強度が55.0MPaであり、引張弾性率が1880MPaである。本発明の実施例13で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%である。本発明の実施例13で重合反応の重合転化率が100%である。本発明の実施例13で得られたシクロオレフィン共重合体がより高いガラス転移温度、力学的性能及び透明性を有する。
【0272】
実施例14
【0273】
25℃で乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物2gと、テトラヒドロフラン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物6.1mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのテトラヒドロフランを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をテトラヒドロフラン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して120minの重合反応を行った、
【0274】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して400eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、1.98gの重合反応産物を得た。本発明の実施例14で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が99.0%である。
【0275】
オートクレーブ内を真空の条件下で5時間予め乾燥し、前記のオートクレーブ中に1gの前記した調製して得られた重合反応産物と、300mLのシクロヘキサンと、0.5gのPd/Al2O3触媒とを添加し、前記のオートクレーブを排気−換気を3回した後に前記のオートクレーブ内に30MPaの水素ガスを充填し、150℃で24hの水素化反応を行い、その中のPd/Al2O3触媒を回収するために得られた水素化反応溶液を濾過して、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物をエタノールに注入して沈殿させ、得られた沈殿産物を濾過した後に真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、0.90gのシクロオレフィン共重合体を得た。
【0276】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例14で得られたシクロオレフィン共重合体の構造及び性能を測定結果したところ、本発明の実施例14で得られたシクロオレフィン共重合体は式IIに示す構造を有し、式II中にzが1000である。本発明の実施例14で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が224.0℃であり、本発明の実施例14で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.34であり、数平均分子量が32.1×104g/molである。本発明の実施例14で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが2.7%であり、引張強度が54.1MPaであり、引張弾性率が1820MPaである。本発明の実施例14で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%である。本発明の実施例14で重合反応の重合転化率が100%である。本発明の実施例14で得られたシクロオレフィン共重合体がより高いガラス転移温度、力学的性能及び透明性を有する。
【0277】
実施例15
【0278】
2Lのステンレススチール製オートクレーブ中に、550mLのシクロペンテンと、120mLのジシクロペンタジエンと、1gの2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとを順次に添加し、前記のオートクレーブを真空引きした後に窒素ガスで充填する操作を3回繰り返す。前記のオートクレーブを200℃に加熱し、前記のオートクレーブにおける物質を攪拌の条件下で16時間反応させた。
【0279】
前記の反応が終了した後、得られた反応産物を25℃に冷却し、12時間静置した後に50℃で常圧蒸留して未反応のシクロペンテン収集し、常圧蒸留した後に得られた産物を60℃で減圧蒸留して減圧蒸留する時の30℃の留分を収集して製品を114g得た。本発明の実施例15で提供された方法で調製して得られた製品の産率が46.7%である。
【0280】
前記の得られた製品を水素核磁気共鳴スペクトルを検出し、図15に示す。図15が本発明の実施例15で得られた製品の水素核磁気共鳴スペクトルであり、図15により、本発明の実施例15で得られた製品は式3に示す構造を有する化合物であることを分かる。
【0281】
実施例16
【0282】
25℃で乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.896gと、実施例15で調製して得られた式3に示す構造を有する化合物0.105gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物16.1mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造有する化合物溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して120minの重合反応を行った、
【0283】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して500eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、2gの重合反応産物を得た。本発明の実施例16で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が100%である。
【0284】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、4gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して1eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で16時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.40gを得た。本発明の実施例16で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が93.5%である。
【0285】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体を水素核磁気共鳴スペクトルを検出し、図16に示す。図16が本発明の実施例16で得られた重合反応産物及びシクロオレフィン共重合体の水素核磁気共鳴スペクトルであり、図16中に、曲線1が本発明の実施例16で得られた重合反応産物の水素核磁気共鳴スペクトルであり、曲線2が本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体の水素核磁気共鳴スペクトルであり、図16から分かるように、本発明の実施例16で得られた重合反応産物が水素化反応した後に二重結合のピークが完全に消失し、水素化効果が良い。図16中に曲線2により、本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体が式IIIに示す構造を有し、式III中にmが360、nが40であることを分かる。
【0286】
実施例3に記載の式に従って計算すると、本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する化合物のモル含有量が88.5%である。
【0287】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.32であり、数平均分子量が10.9×104g/molである。
【0288】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図18に示す。図18が本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図18により、本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体は溶融温度がなく、アモルファスであり、本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が219.6℃であることを分かる。前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定し、図24及び図25に示す。図24が本発明の実施例16〜実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体が窒素ガスにおけるTG曲線であり、図24中に、曲線1が本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体が窒素ガスにおけるTG曲線であり、図25が本発明の実施例16〜実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体が空気におけるTG曲線であり、図25中に、曲線1が本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体が空気におけるTG曲線である。図24及び図25により、本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体が350℃での分解率が10%であり、優れた熱安定性を有するものである。
【0289】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが3.8%であり、引張強度が49MPaであり、引張弾性率が1390MPaである。
【0290】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定し、図26に示す。図26が本発明の実施例16、実施例18及び実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図26中に、曲線1が本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図26により、本発明の実施例16で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%であることを分かる。
【0291】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例16が前記の重合反応を行う場合の重合転化率を測定したところ、本発明の実施例16が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。
【0292】
実施例17
【0293】
25℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.78gと、実施例15で調製して得られた式3に示す構造を有する化合物0.22gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物16.9mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して100minの重合反応を行った、
【0294】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して500eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、2gの重合反応産物を得た。本発明の実施例17で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が100%である。
【0295】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、5gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して0.05eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で16時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.38gを得た。本発明の実施例17で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が92.9%である。
【0296】
実施例16に記載の方法に従って本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出したところ、本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体は式IIIに示す構造を有し、式III中にmが320であり、nが80であり、実施例3に記載の方法に従って計算すると、本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体中に有する式1に示す構造化合物のモル含有量が78.1%である。
【0297】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.31であり、数平均分子量が10.4×104g/molである。
【0298】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図19に示す。図19が本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図19により、本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が193℃であることを分かる。前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定し、図24及び図25に示す。図24中に、曲線2が本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体が窒素ガスにおけるTG曲線であり、図25中に、曲線2が本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体が空気におけるTG曲線である。図24及び図25により、本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体は優れた熱安定性を有することを分かる。
【0299】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが4.1%であり、引張強度が48.9MPaであり、引張弾性率が1600MPaである。
【0300】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定したところ、本発明の実施例17で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%である。
【0301】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例17が前記の重合反応を行う場合の重合転化率を測定したところ、本発明の実施例17が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。
【0302】
実施例18
【0303】
25℃で乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.65gと、施例15で調製して得られた式3に示す構造を有する化合物0.35gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物18.0mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記の式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコ中に添加して120minの重合反応を行った、
【0304】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して500eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、2gの重合反応産物を得た。本発明の実施例18で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が100%である。
【0305】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、5.0gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して2eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で16時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.45gを得た。本発明の実施例18で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が93.8%である。
【0306】
実施例16に記載の方法に従って本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出したところ、本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体が式IIIに示す構造を有し、式III中にmが280であり、nが120であり、実施例3に記載の方法に従って計算したところ、本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する化合物のモル含有量が71.1%である。
【0307】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.25であり、数平均分子量が11.1×104g/molである。
【0308】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図20に示す。図20が本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図20により、本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が183.5℃であることを分かる。前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定し、図24及び図25に示す。図24中に、曲線3が本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体が窒素ガスにおけるTG曲線であり、図25中に、曲線3が本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体が空気におけるTG曲線である。図24及び図25により、本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体は優れた熱安定性を有することを分かる。
【0309】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが4.1%であり、引張強度が41.4MPaであり、引張弾性率が1250MPaである。
【0310】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定し、図26に示す。図26中に、曲線2が本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図26により、本発明の実施例18で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%であることを分かる。
【0311】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例18が前記の重合反応を行う場合の重合転化率を測定したところ、本発明の実施例18が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。
【0312】
実施例19
【0313】
25℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.5gと、実施例15で調製して得られた式3に示す構造を有する化合物0.5gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物19.1mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して120minの重合反応を行った、
【0314】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して500eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃での真空オーブンに12時間乾燥させて、2gの重合反応産物を得た。本発明の実施例19で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が100%である。
【0315】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、5.0gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して3eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で16時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.48gを得た。本発明の実施例19で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が94.2%である。
【0316】
実施例16に記載の方法に従って本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出したところ、本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体は式IIIに示す構造を有し、式III中にmが240であり、nが160であり、実施例3に記載の方法に従って計算したところ、本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する化合物のモル含有量が59.5%である。
【0317】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.32であり、数平均分子量が11×104g/molである。
【0318】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図21に示す。図21が本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図21により、本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が178.7℃であることを分かる。前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定し、図24及び図25に示す。図24中に、曲線4が本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体が窒素ガスにおけるTG曲線であり、図25中に、曲線4が本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体が空気におけるTG曲線である。図24及び図25により、本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体は優れた熱安定性を有することを分かる。
【0319】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが4.6%であり、引張強度が39MPaであり、引張弾性率が1200MPaである。
【0320】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定したところ、本発明の実施例19で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%である。
【0321】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例19が前記の重合反応を行う場合の重合転化率を測定したところ、本発明の実施例19が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。
【0322】
実施例20
【0323】
25℃で乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.245gと、実施例15で調製して得られた式3に示す構造を有する化合物0.755gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物31.3mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して120minの重合反応を行った、
【0324】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して500eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、2gの重合反応産物を得た。本発明の実施例20で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が100%である。
【0325】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、5.05gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して3eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で16時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.35gを得た。本発明の実施例20で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が92%である。
【0326】
実施例16に記載の方法に従って本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出したところ、本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体は式IIIに示す構造を有し、式III中にmが180であり、nが220であり、実施例3に記載の方法に従って計算したところ、本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する化合物のモル含有量が44.6%である。
【0327】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.31であり、数平均分子量が10.6×104g/molである。
【0328】
本発明の実施例16〜実施例20がシクロオレフィン共重合体を調製する過程における式1に示す構造を有する化合物及び式3に示す構造を有する化合物の反応性比曲線をFineman−Ross方法にて測定し、図17に示す。図17が本発明の実施例16〜実施例20がシクロオレフィン共重合体を調製する過程における式1に示す構造を有する化合物及び式3に示す構造を有する化合物の反応性比曲線である。図17中に、横軸がf/F2であり、縦軸が(f−1)/Fであり、ただし、fが重合物中に式1に示す構造を有する化合物と式3に示す構造を有する化合物との物質の量の組成比であり、Fが重合の未開始時に式1に示す構造を有する化合物及び式3に示す構造を有する化合物の物質の量の供給比であり、2つのモノマーの転化率を10%未満になるように制御する。図17から関係式:(f−1)F=−1.30×f/F2+0.55が得られ、式1に示す構造を有する化合物の反応性比が0.55であり、式3に示す構造を有する化合物の反応性比が1.30であることを分かり、立体障害という理由により、式1に示す構造を有する化合物の重合速率は式3に示す構造を有する化合物よりも著しく低いことが明らかになった。式1に示す構造を有する化合物の反応性比と式3に示す構造を有する化合物の反応性比との積が0.71であって、この数値が1未満であり、式1に示す構造を有する化合物と式3に示す構造を有する化合物をランダム共重合して得た重合物は典型的ランダム共重合体であることを表した。
【0329】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図22に示す。図22が本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図22により、本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が166.2℃であることを分かる。図23が本発明の実施例16〜実施例20及び実施例14で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度とシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する化合物の含有量との変化関係曲線であり、図23により、本発明で得られたシクロオレフィン共重合体に式1に示す構造を有する化合物が多いほど、シクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が高いと分かる。
【0330】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定し、図24及び図25に示す。図24中、曲線5が本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の窒素ガスにおけるTG曲線であり、図25中に、曲線5が本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の空気におけるTG曲線である。図24及び図25により、本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体は優れた熱安定性を有することを分かる。
【0331】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが4.9%であり、引張強度が48MPaであり、引張弾性率が1310MPaである。
【0332】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定し、図26に示す。図26中に、曲線3が本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図26により、本発明の実施例20で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%であることを分かる。
【0333】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例20が前記の重合反応を行う場合の重合転化率を測定したところ、本発明の実施例20が前記の重合反応を行う時の重合転化率が100%である。
【0334】
実施例21
【0335】
0℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.896gと、実施例15で調製して得られた式3に示す構造を有する化合物0.31gと、ヘキサン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物13.4mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのトルエンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をトルエン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して180minの重合反応を行った。
【0336】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して300eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、1.95gの重合反応産物を得た。
【0337】
オートクレーブ内を真空の条件下で5時間予め乾燥し、前記のオートクレーブ中に1gの前記した調製して得られた重合反応産物と、300mLのシクロヘキサンと、0.5gのPd/Al2O3触媒とを添加し、前記のオートクレーブを排気−換気を3回した後に前記のオートクレーブ内に30MPaの水素ガスを充填し、130℃で24hの水素化反応を行い、その中のPd/Al2O3触媒を回収するために得られた水素化反応溶液を濾過して、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物をエタノールに注入して沈殿させ、得られた沈殿産物を濾過した後に真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、0.94gのシクロオレフィン共重合体を得た。
【0338】
実施例16に記載の方法に従って本発明の実施例21で得られたシクロオレフィン共重合体の構造及び性能を測定したところ、本発明の実施例21で得られたシクロオレフィン共重合体は式IIIに示す構造を有し、式III中にmが430であり、nが170である。本発明の実施例21で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する化合物在シクロオレフィン共重合体におけるモル含有量が72.5%である。本発明の実施例21で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が185.3℃であり、本発明の実施例21で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.29であり、数平均分子量が17.3×104g/molである。本発明の実施例21で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが4.0%であり、引張強度が40MPaであり、引張弾性率が1300MPaである。本発明の実施例21で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%である。本発明の実施例21が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。本発明の実施例21で得られたシクロオレフィン共重合体がより高いガラス転移温度、力学的性能及び透明性を有するものである。
【0339】
実施例22
【0340】
50℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.896gと、実施例15で調製して得られた式3に示す構造を有する化合物0.18gと、ベンゼン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物14.1mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのシクロヘキサンを添加して3minの超音波処理をさせて、前記の式VIに示す構造を有する化合物をシクロヘキサン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して60minの重合反応を行った、
【0341】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して300eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、1.99gの重合反応産物を得た。
【0342】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、5.8gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、40mLのトルエンとを順次に添加し、150℃で20時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、1.35gのシクロオレフィン共重合体を得た。
【0343】
実施例16に記載の方法に従って本発明の実施例22で得られたシクロオレフィン共重合体の構造及び性能を測定したところ、本発明の実施例22で得られたシクロオレフィン共重合体は式IIIに示す構造を有し、式III中mが410であり、nが90である。本発明の実施例22で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する化合物がシクロオレフィン共重合体におけるモル含有量が82.1%であり、本発明の実施例22で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が198.0℃であり、本発明の実施例22で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.32であり、数平均分子量が15.6×104g/molである。本発明の実施例22で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが3.9%であり、引張強度が41.5MPaであり、引張弾性率が1500MPaである。本発明の実施例22で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%である。本発明の実施例22が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。本発明の実施例22で得られたシクロオレフィン共重合体がより高いガラス転移温度、力学的性能及び透明性を有するものである。
【0344】
実施例23
【0345】
2Lのステンレススチール製オートクレーブ中に、300mLのn−オクテンと、108mLのジシクロペンタジエンと、1gの2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとを順次に添加し、前記のオートクレーブを真空引きした後に窒素ガスで充填する操作を3回繰り返す。前記のオートクレーブを240℃に加熱し、前記のオートクレーブにおける物質を攪拌の条件下で8時間反応させた。
【0346】
前記の反応が終了した後、得られた反応産物を25℃に冷却し、12時間静置した後に120℃で常圧蒸留して未反応のn−オクテン収集し、そして、得られた常圧蒸留した産物を80℃で減圧蒸留して、68℃〜80℃での留分を収集して製品108gを得た。本発明の実施例23で提供された方法で調製して得られた製品の産率が38.9%である。
【0347】
前記の得られた製品について水素核磁気共鳴スペクトルを検出し、図27に示す。図27が本発明の実施例23で得られた製品の水素核磁気共鳴スペクトルであり、図27により、本発明の実施例23で得られた製品は式4に示す構造を有する化合物であることを分かる。
【0348】
実施例24
【0349】
25℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.933gと、実施例23で調製して得られた式4に示す構造を有する化合物0.067gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物15.5mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して120minの重合反応を行った。
【0350】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して500eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、2gの重合反応産物を得た。本発明の実施例24で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が100%である。
【0351】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、5gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して0.1eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で12時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.41gを得た。本発明の実施例24で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が93.6%である。
【0352】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例24で得られた重合反応産物及びシクロオレフィン共重合体について水素核磁気共鳴スペクトルを検出し、図28に示す。図28が本発明の実施例24で得られた重合反応産物及びシクロオレフィン共重合体の水素核磁気共鳴スペクトルであり、図28中に、曲線1が本発明の実施例24で得られた重合反応産物の水素核磁気共鳴スペクトルであり、曲線2が本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体の水素核磁気共鳴スペクトルであり、図28から分かるように、本発明の実施例24で得られた重合反応産物が水素化反応した後に二重結合のピークが完全に消失し、水素化効果が良い。図28中の曲線2により、本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体は式IVに示す構造を有し、式I中にiが380であり、jが20であることを分かる。
【0353】
実施例3に記載の方法に従って計算したところ、本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体中に有する式1に示す構造化合物のモル含有量が95.23%である。
【0354】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.27であり、数平均分子量が10.6×104g/molである。
【0355】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図30に示す。図30が本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図30により、本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体は溶融温度がなく、アモルファスであり、本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が214.7℃であることを分かる。前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定したところ、本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体が360℃での分解率が10%であり、優れた熱安定性を有するものである。
【0356】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが3.8%であり、引張強度が31.8MPaであり、引張弾性率が1650MPaである。
【0357】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定し、図38に示す。図38が本発明の実施例24〜実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図38中に、曲線1が本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図38により、本発明の実施例24で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%であることを分かる。
【0358】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例24が前記の重合反応を行う場合の重合転化率を測定したところ、本発明の実施例24が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。
【0359】
実施例25
【0360】
25℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.892gと、実施例23で調製して得られた式4に示す構造を有する化合物0.108gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物15.6mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して120minの重合反応を行った。
【0361】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して500eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃での真空オーブンに12時間乾燥させて2gの重合反応産物を得た。本発明の実施例25で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が100%である。
【0362】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、5gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して0.05eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で16時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.35gを得た。本発明の実施例25で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が92.4%である。
【0363】
実施例24に記載の方法に従って本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出したところ、本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体は式IVに示す構造を有し、式IV中にiが370であり、jが30であり、実施例3に記載の方法に従って計算したところ、本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体中に有する式1に示す構造化合物のモル含有量が92.59%である。
【0364】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.22であり、数平均分子量が9.8×104g/molである。
【0365】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図31に示す。図31が本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図31により、本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が195.6℃であることを分かる。前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定したところ、本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体は優れた熱安定性を有するものである。
【0366】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが3.7%であり、引張強度が31MPaであり、引張弾性率が1590MPaである。
【0367】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定し、図38に示す。図38中に、曲線2が本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図38により、本発明の実施例25で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%であることを分かる。
【0368】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例25が前記の重合反応を行う場合の重合転化率を測定したところ、本発明の実施例25が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。
【0369】
実施例26
【0370】
25℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.835gと、実施例23で調製して得られた式4に示す構造を有する化合物0.165gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物15.9mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して120minの重合反応を行った、
【0371】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して300eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、2gの重合反応産物を得た。本発明の実施例26で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が100%である。
【0372】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、5.8gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して2eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で20時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.44gを得た。本発明の実施例26で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が93.8%である。
【0373】
実施例24に記載の方法に従って本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出したところ、本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体は式IVに示す構造を有し、式IV中にiが350であり、jが50であり、実施例3に記載の方法に従って計算したところ、本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する化合物のモル含有量が87.7%である。
【0374】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.21であり、数平均分子量が11.9×104g/molである。
【0375】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図32に示す。図32が本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図32により、本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が190.9℃であることを分かる。前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定したところ、本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体は優れた熱安定性を有するものである。
【0376】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが4.1%であり、引張強度が30.7MPaであり、引張弾性率が1240MPaである。
【0377】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定し、図38に示す。図38中に、曲線3が本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図38により、本発明の実施例26で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%であることを分かる。
【0378】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例26が前記の重合反応を行う場合の重合転化率を測定したところ、本発明の実施例26が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。
【0379】
実施例27
【0380】
25℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.78gと、実施例23で調製して得られた式4に示す構造を有する化合物0.22gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物16.1mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して180minの重合反応を行った、
【0381】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して500eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、2gの重合反応産物を得た。本発明の実施例27で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が100%である。
【0382】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、、5.0gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して3eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で18時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.46gを得た。本発明の実施例27で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が94.1%である。
【0383】
実施例24に記載の方法に従って本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出したところ、本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体は式IVに示す構造を有し、式IV中にiが336であり、jが64であり、実施例3に記載の方法に従って計算したところ、本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体中式1に示す構造を有する化合物のモル含有量が84.03%である。
【0384】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.32であり、数平均分子量が11×104g/molである。
【0385】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図33に示す。図33が本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図33により、本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が179.6℃であることを分かる。前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定したところ、本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体は優れた熱安定性を有するものである。
【0386】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが4.5%であり、引張強度が32.8MPaであり、引張弾性率が1350MPaである。
【0387】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定し、図38に示す。図38中に、曲線4が本発明の実施例27で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率で、>90%である。
【0388】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例27が前記の重合反応を行う場合の重合転化率を測定したところ、本発明の実施例27が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。
【0389】
実施例28
【0390】
50℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.73gと、実施例23で調製して得られた式4に示す構造を有する化合物0.268gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物16.3mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して60minの重合反応を行った、
【0391】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して300eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃での真空オーブンに12時間乾燥させて、2gの重合反応産物を得た。本発明の実施例28で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が100%である。
【0392】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、5.0gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して2eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で16時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.35gを得た。本発明の実施例28で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が92%である。
【0393】
実施例24に記載の方法に従って本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出したところ、本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体は式IVに示す構造を有し、式IV中にiが325であり、jが75であり、実施例3に記載の方法に従って計算したところ、本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する化合物のモル含有量が81.3%である。
【0394】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.22であり、数平均分子量が10.7×104g/molである。
【0395】
本発明のシクロオレフィン共重合体を調製する過程における式1に示す構造を有する化合物及び式4に示す構造を有する化合物の反応性比曲線をFineman−Ross方法にて測定し、図29に示す。図29が本発明の実施例24〜実施例28がシクロオレフィン共重合体を調製する過程における式1に示す構造を有する化合物及び式4に示す構造を有する化合物の反応性比曲線であって、図29中に、横軸がf/F2であり、縦軸が(f−1)/Fであり、ただし、fが重合物中の、式1に示す構造を有する化合物及び式4に示す構造を有する化合物の物質の量の組成比であり、Fが重合の未開始時に式1に示す構造を有する化合物及び式4に示す構造を有する化合物の物質の量の供給比であり、2つのモノマーの転化率を10%未満になるように制御する。図29から関係式:(f−1)F=−1.61×f/F2+0.54が得られ、式1に示す構造を有する化合物の反応性比が0.54であり、式4に示す構造を有する化合物の反応性比が1.61であることを分かり、立体障害という理由により、式1に示す構造を有する化合物の重合速率は式4に示す構造を有する化合物よりも著しく低いことは明らかである。式1に示す構造を有する化合物の反応性比と式4に示す構造を有する化合物の反応性比との積が0.87であって、この数値が1未満であり、式1に示す構造を有する化合物と式4に示す構造を有する化合物をランダム共重合して得た重合物は典型的ランダム共重合体であることを表した。
【0396】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図34に示す。図34が本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図34により、本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が166.8℃であることを分かる。
【0397】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定し、図36に示す。図36中に、曲線1が本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体の窒素ガスにおけるTG曲線であり、図36中に曲線2が本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体の空気におけるTG曲線である。図36により、本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体は優れた熱安定性を有するものであることを分かる。
【0398】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが4.6%であり、引張強度が26MPaであり、引張弾性率が1200MPaである。
【0399】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体の透明性を測定し、図38に示す。図38中に、曲線5が本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体の光透過率であり、図38により、本発明の実施例28で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%であることを分かる。
【0400】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例28が前記の重合反応を行う場合の重合転化率を測定したところ、本発明の実施例28が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。
【0401】
実施例29
【0402】
25℃で、乾燥した重合反応フラスコに実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.48gと、実施例23で調製して得られた式4に示す構造を有する化合物0.52gと、ジクロロメタン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物17.4mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのジクロロメタンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をジクロロメタン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して120minの重合反応を行った。
【0403】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して500eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、2gの重合反応産物を得た。本発明の実施例29で提供された重合方法で得られた重合反応産物の收率が100%である。
【0404】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、5.0gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して1eqvの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、40mLのトルエンとを順次に添加し、130℃で12時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、シクロオレフィン共重合体1.34gを得た。本発明の実施例29で提供された水素化反応の方法で得られたシクロオレフィン共重合体の産率が92.1%である。
【0405】
実施例24に記載の方法に従って本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体の構造を検出したところ、本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体は式IVに示す構造を有し、式IV中にiが256であり、jが144であり、実施例3に記載の方法に従って計算したところ、本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する化合物のモル含有量が64.1%である。
【0406】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体をゲル浸透クロマトグラフィーにて測定したところ、本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.23であり、数平均分子量が9.5×104g/molである。
【0407】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体を示差熱分析法にて測定し、図35に示す。図35が本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体の示差走査熱量曲線であり、図35により、本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が125.8℃であることを分かる。図37が本発明の実施例24〜実施例29及び実施例14で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度とシクロオレフィン共重合体中に有する式1に示す構造化合物の含有量との変化関係曲線であり、図37により、本発明で得られたシクロオレフィン共重合体中式1に示す構造を有する化合物が多いほど、シクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が高いと分かる。
【0408】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体を熱失重法にて測定したところ、本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体は優れた熱安定性を有するものである。
【0409】
前記の技術案に記載した方法により本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体の力学的性能を測定したところ、本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが4.9%であり、引張強度が23.4MPaであり、引張弾性率が1030MPaである。本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%である。本発明の実施例29で得られたシクロオレフィン共重合体がより高いガラス転移温度、力学的性能及び透明性を有するものである。
【0410】
実施例9に記載の方法に従って本発明の実施例29が前記の重合反応を行う場合の重合転化率を測定したところ、本発明の実施例29が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。
【0411】
実施例30
【0412】
0℃で、乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.78gと、実施例23で調製して得られた式4に示す構造を有する化合物0.22gと、ヘキサン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物10.7mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのトルエンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をトルエン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して180minの重合反応を行った。
【0413】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して300eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、1.99gの重合反応産物を得た。
【0414】
オートクレーブ内を真空の条件下で5時間予め乾燥し、前記のオートクレーブ中に1gの前記した調製して得られた重合反応産物と、300mLのシクロヘキサンと、0.5gのPd/Al2O3触媒とを添加し、前記のオートクレーブを排気−換気を3回した後に前記のオートクレーブ内に30MPaの水素ガスを充填し、130℃で24hの水素化反応を行い、その中のPd/Al2O3触媒を回収するために得られた水素化反応溶液を濾過して、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物をエタノールに注入して沈殿させ、得られた沈殿産物を濾過した後に真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、0.85gのシクロオレフィン共重合体を得た。
【0415】
実施例24に記載の方法に従って本発明の実施例30で得られたシクロオレフィン共重合体の構造及び性能を測定したところ、本発明の実施例30で得られたシクロオレフィン共重合体は式IVに示す構造を有し、式IV中にiが500であり、jが100である。本発明の実施例30で得られたシクロオレフィン共重合体中式1に示す構造を有する化合物在シクロオレフィン共重合体におけるモル含有量が84.6%であり、本発明の実施例30で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が180.3℃であり、本発明の実施例30で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.30であり、数平均分子量が14.9×104g/molである。本発明の実施例30で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが4.1%であり、引張強度が35.8MPaであり、引張弾性率が1360MPaである。本発明の実施例30で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%である。本発明の実施例30が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。本発明の実施例30で得られたシクロオレフィン共重合体がより高いガラス転移温度、力学的性能及び透明性を有するものである。
【0416】
実施例31
【0417】
50℃で乾燥した重合反応フラスコに、実施例1で調製して得られた式1に示す構造を有する化合物1.78gと、実施例23で調製して得られた式4に示す構造を有する化合物0.22gと、ベンゼン25mLとを添加し、10分間撹拌、混合して混合物を得た。アンプルに実施例2で調製して得られた式VIに示す構造を有する化合物12.8mgを添加し、さらに前記のアンプルに5mLのシクロヘキサンを添加して3minの超音波処理を行い、前記の式VIに示す構造を有する化合物をシクロヘキサン中に十分に溶解させて、式VIに示す構造を有する化合物の溶液を得た。攪拌の条件下で、前記した式VIに示す構造を有する化合物の溶液を前記の重合反応フラスコに添加して60minの重合反応を行った、
【0418】
前記の重合反応が完了した後、攪拌の条件下で前記の重合反応フラスコにビニルエーテルを前記の式VIに示す構造を有する化合物のモル数に対して300eqv添加して前記の重合反応を終了させ、30min後に得られた重合反応溶液を無水メタノールに注入して沈殿産物を得た。前記の沈殿産物を濾過した後にアセトンで3回洗浄し、40℃の真空オーブンに12時間乾燥させて、2.0gの重合反応産物を得た。
【0419】
乾燥した重合反応フラスコに、1.5gの前記の重合反応産物と、5.2gのp−トルエンスルホニルヒドラジンと、40mLのトルエンとを順次に添加し、150℃で20時間還流攪拌して水素化反応を行って、水素化反応産物を得た。前記の水素化反応産物を純度98%のエタノール300mLに滴下し、得られた混合産物を吸引濾過した後に改めて40mLのトルエンを用いて130℃で30分間溶解させ、溶解した後の溶液を再び純度98%のエタノール300mLに添加し、得られた混合産物を真空オーブンに置いて60℃で12時間乾燥させて、1.40gのシクロオレフィン共重合体を得た。
【0420】
実施例24に記載の方法に従って本発明の実施例31で得られたシクロオレフィン共重合体の構造及び性能を測定したところ、本発明の実施例31で得られたシクロオレフィン共重合体は式IVに示す構造を有し、式IV中にiが420であり、jが80である。本発明の実施例31で得られたシクロオレフィン共重合体中に式1に示す構造を有する化合物在シクロオレフィン共重合体におけるモル含有量が84.1%であり、本発明の実施例31で得られたシクロオレフィン共重合体のガラス転移温度が181.3℃であり、本発明の実施例31で得られたシクロオレフィン共重合体の分子量分布が1.23であり、数平均分子量が13.5×104g/molである。本発明の実施例31で得られたシクロオレフィン共重合体の破断伸びが4.2%であり、引張強度が33.5MPaであり、引張弾性率が1420MPaである。本発明の実施例31で得られたシクロオレフィン共重合体は光透過率>90%である。本発明の実施例31が前記の重合反応を行う場合の重合転化率が100%である。本発明の実施例31で得られたシクロオレフィン共重合体がより高いガラス転移温度、力学的性能及び透明性を有するものである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
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【国際調査報告】