特表2017-516135(P2017-516135A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-516135自律走行のための詳細な地図フォーマット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-516135(P2017-516135A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(54)【発明の名称】自律走行のための詳細な地図フォーマット
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20170519BHJP
   G01C 21/32 20060101ALI20170519BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20170519BHJP
【FI】
   G09B29/00 F
   G01C21/32
   G08G1/16 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-564950(P2016-564950)
(86)(22)【出願日】2015年4月23日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月22日
(86)【国際出願番号】US2015027347
(87)【国際公開番号】WO2015167931
(87)【国際公開日】20151105
(31)【優先権主張番号】14/265,370
(32)【優先日】2014年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100205969
【弁理士】
【氏名又は名称】氷室 詩乃
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジェイ.デルプ
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB05
2C032HC08
2F129AA03
2F129BB02
2F129EE02
2F129EE75
2F129GG12
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH25
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL09
(57)【要約】
コンピュータ可読の詳細な地図フォーマットが開示される。詳細な地図フォーマットは、車線セグメント及び1又は複数の境界セグメントを含む。車線セグメントの終端までの距離は、車線セグメントに沿った一つの位置と、当該位置に最も近い境界セグメントの一部分との間の距離を測定することによって、車線セグメントに沿った当該位置において決定される。車線セグメントの車線幅は、当該車線セグメントと近接し及び反対側に配置された2つの境界セグメントの間の距離を測定することによって、車線セグメントに沿った一つの位置において決定される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ可読の地図フォーマットであって、
車線セグメント及び境界セグメントを備え、
前記車線セグメントの終端までの距離は、前記車線セグメントに沿った一つの位置と、当該位置に最も近い前記境界セグメントの一部分との間の距離を測定することによって、前記車線セグメントに沿った前記位置において決定される、地図フォーマット。
【請求項2】
請求項1に記載の地図フォーマットであって、前記車線セグメントは、複数のウェイポイントから形成され、及び、各ウェイポイントと関連する情報は、地理的位置と車線速度と車線方向の内の少なくとも1つを含む、地図フォーマット。
【請求項3】
請求項1に記載の地図フォーマットであって、前記境界セグメントは、複数の境界ポイントから形成され、及び、各境界ポイントと関連する情報は、少なくとも地理的位置と境界線の種類と境界線の色を含む、地図フォーマット。
【請求項4】
請求項3に記載の地図フォーマットであって、
前記車線セグメントと関連する情報は、運転ルールを含み、及び、前記運転ルールは、複数の境界ポイントの内の近接する1つと関連する、境界線の種類及び境界線の色の内の少なくとも一部に基づいており、
前記境界線の種類は、縁石、単一線、二重線、破線、破線と実線の組合せ及び線なしの内の少なくとも1つを含み、及び、前記境界線の色は、黄色、白及び不明の内の少なくとも1つを含む、地図フォーマット。
【請求項5】
請求項1に記載の地図フォーマットであって、
前記車線セグメントの終端と関連する停止線をさらに備え、
前記停止線と関連する情報は、地理的位置を含み、前記地理的位置は、交差点の前で車両が停止しなければならない位置を示す、地図フォーマット。
【請求項6】
請求項1に記載の地図フォーマットであって、
交通信号をさらに備え、
前記交通信号と関連する情報は、地理的位置と交通信号の種類と交通信号の状態を含む、地図フォーマット。
【請求項7】
請求項6に記載の地図フォーマットであって、
前記交通信号の種類は、信号機及び交通標識の内の少なくとも1つの構成及び方向に関する情報を含む、地図フォーマット。
【請求項8】
請求項7に記載の地図フォーマットであって、
前記交通信号の種類は信号機であり、及び、前記交通信号の状態は緑、緑矢印、黄色、点滅の黄色及び赤の内の少なくとも1つを含む、地図フォーマット。
【請求項9】
コンピュータ可読の地図フォーマットは、
車線セグメント及び複数の境界セグメントを備え、
前記車線セグメントの車線幅は、前記車線セグメントと近接し及び反対側に配置された複数の境界セグメントの内の少なくとも2つの間の距離を測定することによって、前記車線セグメントに沿った一つの位置において決定される、コンピュータ可読の地図フォーマット。
【請求項10】
請求項9に記載の地図フォーマットであって、前記車線セグメントは、複数のウェイポイントから形成され、及び、各ウェイポイントと関連する情報は、地理的位置と車線速度と車線方向の内の少なくとも1つを含む、地図フォーマット。
【請求項11】
請求項9に記載の地図フォーマットであって、前記境界セグメントは、複数の境界ポイントから形成され、及び、各境界ポイントと関連する情報は、少なくとも地理的位置と境界線の種類と境界線の色を含む、地図フォーマット。
【請求項12】
請求項11に記載の地図フォーマットであって、
前記車線セグメントと関連する情報は、運転ルールを含み、及び、前記運転ルールは、複数の境界ポイントの内の近接する1つと関連する、境界線の種類及び境界線の色の内の少なくとも一部に基づいており、
前記境界線の種類は、縁石、単一線、二重線、破線、破線と実線の組合せ及び線なしの内の少なくとも1つを含み、及び、前記境界線の色は、黄色、白及び不明の内の少なくとも1つを含む、地図フォーマット。
【請求項13】
請求項9に記載の地図フォーマットであって、
前記車線セグメントの終端と関連する停止線をさらに備え、
前記停止線と関連する情報は、地理的位置を含み、前記地理的位置は、交差点の前で車両が停止しなければならない位置を示す、地図フォーマット。
【請求項14】
請求項9に記載の地図フォーマットであって、
交通信号をさらに備え、
前記交通信号と関連する情報は、地理的位置と交通信号の種類と交通信号の状態を含む、地図フォーマット。
【請求項15】
請求項14に記載の地図フォーマットであって、
前記交通信号の種類は、信号機及び交通標識の内の少なくとも1つの構成及び方向に関する情報を含み、
前記交通信号の種類は信号機であり、及び、前記交通信号の状態は緑、緑矢印、黄色、点滅の黄色及び赤の内の少なくとも1つを含む、地図フォーマット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
完全又は高度に自動化されている、例えば、自律走行又は無人走行等の走行システムは、運転手の介入若しくは他の外部制御なしに又はそれが低いレベルで、道路上の車両を操作するように設計される。自律走行システムは、車両を適切に制御するための十分な精度と共に、車両周辺の地理的特徴の確かな位置及び距離を必要とする。車両周辺の道路及び他の地理的特徴の詳細は、詳細な仮想地図に記録されることができる。詳細な仮想地図がより正確になるほど、自律走行システムの性能がより良くなる。実際の仮想地図は、最適な自律走行動作にとって十分な又は十分に正確な地理的特徴を有さない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本明細書に記載される詳細な地図フォーマットは、各車線の境界の位置、各車線の正確な幅及び所定の車線の通行不能な境界線(例えば、縁石、中央帯および交通島)の位置を含む、道路の走行可能な領域を示すために使用されることができる。また、詳細な地図フォーマットは、地図フォーマット内の任意のオブジェクトから車線の境界までの距離を計算するために、及び、横断歩道および私道のような、車線と交差する他の地図特徴を特定するために、所定の道路車線と関連する運転ルールをサポートする情報を含むことができる。この地図フォーマットの高度に詳細な性質は、詳細な地図フォーマットに対して自律走行車のローカライゼーション(正確な位置決め)を改善させると共に、高度に自動化された又は自律走行の車両の制御を改善させる。
【0003】
詳細な地図フォーマット内の各車線は、ウェイポイントで形成される車線セグメント(区分)を含むことができる。また、開示する詳細な地図フォーマットは、境界ポイントで形成される境界セグメントを含むことができる。これらの境界セグメント及び境界ポイントと関連する情報は、境界線の種類及び境界線の色を含む。自律走行車は、詳細な地図フォーマットと関連する所定の境界線の種類及び境界線の色に基づく運転ルールに従って動作するように制御されることができる。また、境界セグメントは、所定の車線セグメントのために車線の終端までの距離又は当該車線セグメントに沿った任意のポイントで車線幅を決定するために使用されることができ、ウェイポイントのみで形成された車線セグメントを使用するときよりも、自律走行車の制御をより正確に提供することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、コンピュータ可読の地図フォーマットが開示される。地図フォーマットは、少なくとも1つの車線セグメント及び1つの境界セグメントを含む。車線セグメントの終端までの距離は、車線セグメントに沿って選択された任意の位置と、当該位置に最も近い境界セグメントの一部分との間の距離を測定することによって、車線セグメントに沿った任意の位置において決定される。
【0005】
別の実施形態では、別のコンピュータ可読の地図フォーマットが開示される。コンピュータ可読の地図フォーマットは、車線セグメント及び複数の境界セグメントを含む。車線セグメントの車線幅は、当該車線セグメントと近接し及び反対側に配置された複数の境界セグメントの内の少なくとも2つの間の距離を測定することによって、車線セグメントに沿った任意の位置において決定される。
【0006】
本明細書の記載は、いくつかの図面を通して同様の構成に同様の参照番号を付す、添付の図面について言及する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】コンピュータ装置のブロック図である。
図2図1のコンピュータ装置を含む自律走行車の概略図である。
図3図2の自律走行車用に使用する詳細な地図フォーマット内に表される、2車線道路の一部分の2次元表示の一例を示す。
図4図2の自律走行車用に使用する詳細な地図フォーマット内に表される、交差点で5車線道路に遷移する4車線道路の一部分の2次元表示の一例を示す。
図5図2の自律走行車用に使用する詳細な地図フォーマット内に表される、環状交差点の2次元表示の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
自律走行車のためのコンピュータ可読の非常に詳細な地図フォーマットが開示される。詳細な地図フォーマットは、ウェイポイントで形成される車線セグメントを使用して、所定の道路上の複数の車線の地理的位置、走行方向及び速度制限を示す、情報を含む。また、この基本情報の他に、詳細な地図フォーマットは、境界ポイントで形成された境界セグメントの形式で、各車線の境界線の地理的位置を含む。運転ルールが最も近い境界セグメントに基づいて車線セグメントと関連付けられるように、詳細な地図フォーマット内の境界セグメント及び境界ポイントと関連する情報は、境界線の種類及び境界線の色を含むことができる。また、詳細な地図フォーマットは、交差点への進入のために自律走行車をより適切な位置に配置し、及び、自律走行車が交差点で停車すべき位置を示すために、交差点で車線の終端に接続される停止線を含むことができる。また、横断歩道は、詳細な地図フォーマット内に含まれ、及び、自律走行車が横断歩道に接近する際に従う安全規則に関連付けることができる。
【0009】
図1は、コンピュータ装置100のブロック図であり、例えば、自律走行システム用に使用される。コンピュータ装置100は、車両搭載型、携帯型、デスクトップ型等の任意の種類又は単一のコンピュータ装置の他の形態となることができ、又は、複数のコンピュータ装置から構成されることができる。コンピュータ装置内の処理ユニットは、従来の中央処理装置(CPU)102若しくは他のいかなる種類の装置、又は、情報を操作若しくは処理可能な複数の装置となることができる。コンピュータ装置内のメモリ104は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)装置又は他のいかなる種類の適切な記憶装置となることができる。メモリ104は、バス108を使用してCPU102により読み書きされるデータ106を含むことができる。
【0010】
また、メモリ104は、オペレーティング・システム110及びインストールされたアプリケーション112を含むことができ、インストールされたアプリケーション112は、以下に説明される詳細な地図フォーマットを使用して、自動化された走行方法をCPU102に実行させることを許可するプログラムを含む。また、コンピュータ装置100は、第2の、追加的な又は外部の記憶装置114、例えば、メモリカード、フラッシュドライブ又は他のいかなる形式のコンピュータ可読媒体を含むことができる。インストールされたアプリケーション112は、外部記憶装置114の全部又は一部に記憶され、及び、処理の必要に応じてメモリ104に読み込まれることができる。
【0011】
また、コンピュータ装置100は、1又は複数のセンサ116と通信することができる。センサ116は、以下のシステム等により処理されるデータ及び/又は信号を取得することができる。即ち、センサ116は、慣性計測装置(IMU)、自律航法(デッドレコニングシステム)、全地球測位システム(GNSS)、LIDARシステム、レーダーシステム、ソーナーシステム、画像に基づくセンサシステム、又は、他のいかなる種類のシステムであって、以下に説明されるオブジェクトに関する特定の情報を含む、詳細な地図フォーマットの作成で用いる車両の周辺環境に関する特定の情報を取得することができる他のいかなる種類のシステムにより、処理されるデータ及び/又は信号を取得することができる。オブジェクトに関する特定の情報には、例えば、車両により走行されてきた経路の特徴、又は、他の局所的な位置のデータ及び/又は信号及びCPU102へ出力する対応のデータ及び/又は信号等が含まれる。
【0012】
以下に説明される例で、センサ116は、車両位置及び速度を測定するGNSS又は他のシステム用の信号と、車線(例、道路表面のマーカー又は道路の境界線)、障害物、オブジェクト又は信号機及び道路標識を含む、他の環境特徴からの車両距離を測定するLIDARシステム又は他のシステム用のデータと、を少なくとも取得することができる。また、コンピュータ装置100は、1又は複数の車両システム118、例えば、車両ブレーキシステム、車両推進システム等と通信することができる。また、車両システム118はセンサ116と通信することができ、センサ116は車両システム118の性能を示すデータを取得するように構成されている。
【0013】
図2は、図1のコンピュータ装置100に含む自律走行車200の概略図である。コンピュータ装置100は、図2に示す車両200内に配置され、又は、車両200から離れた(図示しない)別の場所に配置されることができる。コンピュータ装置100が車両200から離れて配置された場合、車両200は、コンピュータ装置100と通信する機能を含むことができる。
【0014】
また、車両200は、図1を参照して説明されるセンサ116のような、複数のセンサを含むことができる。図示する1又は複数のセンサ116は、以下に関して推定するために、即ち、車両200の位置及び方向、画像センサにより処理するための画像、複数の衛星からの信号に基づくグローバル座標内の車両位置、又は、詳細な地図フォーマットを作成し又は車両200の位置を詳細な地図フォーマットと比較することに用い、車両の現在の状態を測定し又はその環境に対する車両200の位置を測定するために使用され得る、任意の他のデータ及び/又は信号に関して推定するために、コンピュータ装置100により使用するための周辺環境内のオブジェクトまでの距離を取得するように構成されることができる。以下に説明される、認識された地理的特徴は、詳細な地図フォーマットを作成するために使用され、及び、他の車両等のオブジェクトは、認識され且つ詳細な地図フォーマットから除外されることができる。
【0015】
地図フォーマットは、車両200が経路を走行することに伴い、車両200により取得される地理的特徴、例えば、車両200と近接する車線の線及び縁石を使用して構築されることができる。これらの地理的特徴は、車線を検索し、車両200の位置を記録し及びGNSS及び/又はIMUから位置に関するデータを収集するためのアルゴリズム、例えば、RANSACを併用する、上述のLIDARシステム及び/又はカメラを使用して取得されることができる。次に、取得された地理的特徴は、全ての地理的特徴を車両200の位置と関連して配置するためにローカライゼーション及びマッピング(SLAM)技術を同時に使用して操作されることができる。いくつかの地理的特徴は、車線の境界線として分類されることができ、及び、車線の中心は、車線の境界線に基づいて測定されることができる。或いは、地図フォーマットは、地理的特徴毎に異なるカテゴリの選択を可能にさせる地図エディタにより追跡された頭上からの画像(例、衛星画像)の地理的特徴を使用して構築されることができる。
【0016】
図3は、図2の自律走行車200用に使用する詳細な地図フォーマット内に表される、2車線道路300の一部分の2次元表示の一例を示す。この地図フォーマットの例で、2車線道路300は、車線302及び車線304を有する。車線302及び車線304のそれぞれは、車線セグメント306及び308を含むことができる。車線セグメント306及び308は、ウェイポイント310、312、314及び316の内の少なくとも2点の間に延びることができる。例えば、車線セグメント306はウェイポイント310及び312の間に延び、及び、車線セグメント308はウェイポイント314及び316の間に延びる。情報は、ウェイポイント310、312、314及び316と関連付けられることができ、及び、地図フォーマットの一部として記憶されることができる。例えば、ウェイポイント310、312、314及び316のそれぞれは、地理的位置、車線速度及び車線方向等の情報を含むことができる。
【0017】
図3に示す地図フォーマットの例で、車線302は、ウェイポイント310及び312と接触する矢印により左右方向を有するものとして示され、及び、車線304は、ウェイポイント314及び316と接触する矢印により右左方向を有するものとして示される。全体のコンピュータ可読の地図フォーマットは、例えば、プレーンテキスト、バイナリ又はxmlに記憶されることができる。基本の地図情報は、ルートネットワーク定義ファイル(RNDF)又は他の入手可能な情報源から収集されることができる。しかしながら、この基本の地図情報は、自律走行車200の制御にとって十分ではない。
【0018】
自律走行車200用に使用する地図フォーマットを改善するために、追加的な詳細は、地図フォーマットに追加されることができる。図3に示すように、車線302及び車線304のそれぞれは、さらに境界線と関連付けることができる。境界セグメント318、320及び322のそれぞれは、境界ポイント324、326、328、330、332及び334の内の少なくとも2点の間に延びることができる。例えば、境界セグメント318は境界ポイント324及び326の間に延び、及び、境界セグメント322は境界ポイント332及び334の間に延びる。情報は、境界ポイント324、326、328、330、332及び334と関連付けられることができ、及び、地図フォーマットの一部として記憶されることができる。例えば、境界ポイント324、326、328、330、332及び334のそれぞれは、地理的位置、車線の種類及び車線の色等の情報を含むことができる。
【0019】
各境界ポイント324、326、328、330、332及び334と関連する情報は、案内経路を決定し、他の車両を追い越すことに関する決定をし、境界セグメント318、320及び322に対して自律走行車200を配置し又は局在させるため、及び、安全走行又は障害物の追跡を支援するために所定の案内経路に沿って走行可能な領域を決定するために、自律走行車200により使用されることができる。各境界ポイント324、326、328、330、332及び334と関連する情報は、上述のように詳細な地図を構築するときに、例えば、LIDARセンサを使用して収集されたデータから構築され、及び、SLAM技術を使用して操作されることができる。境界線と車線302及び車線304とに関連する地図情報は、例えば、スプライン制御点の形状で又はノットベクトルを用いた曲線として、コンピュータ装置100のメモリ104に記憶され又は遠隔地から利用されることができる。
【0020】
境界ポイント324、326、328、330、332及び334と関連付けることができる、異なる境界線の種類の例は、「縁石」、「単一線」、「二重線」、「破線」、「破線と実線の組合せ」及び「線なし」である。例えば、境界ポイント324及び326であって、故にこれら2点間を延びる境界セグメント318は、境界線の種類を「単一線」と関連することができる。地図フォーマット内の境界線の種類を「単一線」と表すために、境界ポイント324及び326は白丸の表示で示され、及び、境界セグメント318は細い実線の表示で示される。同様に、境界ポイント328及び330の間を延びる境界セグメント320は、境界線の種類を「二重線」と関連することができる。部分的に示される境界セグメント336及び338は、境界線の種類を「破線と実線の組合せ」と関連することができる。また、境界線の種類に加えて、境界線の色は、境界ポイント324、326、328、330、332及び334と関連付けることができる。例えば、境界線の色は、「黄色」、「白」又は「不明」を含むことができる。
【0021】
境界線の種類及び境界線の色は、運転ルールを様々な車線セグメント306及び308のそれぞれと(及び/又は、車線セグメント306及び308を形成するウェイポイント310、312、314及び316と共に)関連付けるために使用されることができる。運転ルールは、境界ポイント324、326、328、330、332及び334と、車線セグメント306及び308に最も近い境界セグメント318、320及び322と関連する境界線の種類及び境界線の色の少なくとも一部に基づくことができる。例えば、2つの運転ルールは、車線セグメント306と関連付けることができる。1つ目は、境界セグメント320が境界線の種類「二重線」及び境界線の色「黄色」と関連している場合、境界ポイント328及び330の間を延びる境界セグメント320に基づく運転ルール「追い越し禁止車線」である。2つ目は、境界セグメント318が境界線の種類「単一線」及び境界線の色「白」と関連している場合、境界ポイント324及び326の間を延びる境界セグメント318に基づく運転ルール「走行可能な車線の境界線」である。図3を参照して説明された境界線の種類、境界線の色及び運転ルールは、米国内で広く理解されている交通規則を反映しているが、他の交通規則、境界線の種類、境界線の色及び運転ルールも同様に可能である。
【0022】
地図フォーマット内の車線セグメント306及び308と、境界セグメント318、320及び322との両方の情報を記憶する別の利点は、車線セグメント306及び308の終端までの距離が、車線セグメント306及び308に沿った任意の位置と、当該位置に最も近い境界セグメント318、320及び322の一部分との間の距離を測定することによって、車線セグメントに沿った当該位置において決定されることである。これは、例えば、境界ポイント324、326、328、330、332及び334とのみに関連する固定の車線幅を利用する代わりに、実際の地理的位置、境界線の色、境界線の種類に基づいて、車線302又は車線304内に自律走行車200を最適な間隔で配置させることを可能にする。車線セグメント306及び308の端までの実際の距離を知ることは、より優れた自律走行車200の操作性をもたらす。さらに、詳細な地図フォーマット内に記憶された境界セグメント318、320及び322は、自律走行車200の自律走行の動作中に取得された車線の境界線又は他の地理的特徴の画像と適合させることができるため、自律走行車200を局在させる性能が改善される。
【0023】
いくつかの例で、境界セグメント318、320及び322は、所定の車線セグメント306及び308と近接し及び反対側の両方に配置されることができる。これらの場合、車線セグメント306及び308の車線幅は、車線セグメント306及び308に近接し及び反対側に配置された境界セグメント318、320、322の内の2つの間の距離を測定することによって、車線セグメント306及び308に沿って選択された位置で測定されることができる。例えば、車線302の車線幅は、地図フォーマット内の境界セグメント318及び320の間の距離を測定することによって、車線セグメント306に沿ったどの場所でも計算されることができる。さらに、車線302及び304に沿った任意の地点において実際の車線幅を知ることは、自律走行車200の位置決め及び操作性の両方にとって全体的に有益である。位置決めの利点は、図4を参照してさらに説明される。
【0024】
図4は、図2の自律走行車200用に使用する詳細な地図フォーマット内に表される、交差点で5車線道路400に遷移する4車線道路の一部分の2次元表示の一例を示す。この例の地図フォーマットにおいて、5車線道路400は、車線402、404、406、408及び410を含む。各車線402、404、406、408及び410は、車線セグメント412、414、416、418及び420を含むことができる。各車線セグメント412、414、416、418及び420は、ウェイポイント422、424、426、428、430、432、434、436、438及び440の内の少なくとも2つの間を延びる。例えば、車線セグメント416はウェイポイント430及び432の間を延び、及び、車線セグメント420はウェイポイント438及び440の間を延びる。車線402、404及び406は、ウェイポイント422、424、426、428、430及び432と関連する矢印により示される左右方向に進み、及び、車線408及び410は、ウェイポイント434、436、438及び440と関連する矢印により示される右左方向に進む。
【0025】
図3を参照して上記に説明した同様の情報は、図4に示すウェイポイント422、424、426、428、430、432、434、436、438及び440と関連付けられる。各車線402、404、406、408及び410は、少なくとも2つの境界ポイントの間を延びる1又は複数の境界セグメントの形式で、境界線とさらに関連付けられることができる。分かり易くするために、図4の道路400の地図フォーマットの一例で、少数の境界セグメント及び境界ポイントのみに番号が付けられている。例えば、境界セグメント442は境界ポイント444及び446の間を延び、及び、境界セグメント448は境界ポイント450及び452の間を延びる。これらの境界セグメント442及び448はそれぞれ、車線セグメント412及び414と関連付けられる。図3と関連して説明されるように、境界セグメント442及び448と、境界ポイント444、446、450及び452とは、運転ルールで用いる様々な境界線の種類及び境界線の色と関連付けられることができる。
【0026】
例えば、境界セグメント442及び448は、詳細な地図フォーマット内で線の種類が細かい点線を使用して表される、境界線の種類「縁石」と関連付けられることができる。境界ポイント444、446及び452は、黒丸を使用して表され、及び、境界ポイント444、446及び452と、境界セグメント442及び448とは併せて、運転ルール「通行不可」を示す。運転ルールが「通行不可」を示す場合、自律走行車200は、自律走行車200が境界線を越えて走行しない方法で制御される。境界ポイント450は、境界ポイント450の位置での境界線の種類、種類「実線」から種類「縁石」への遷移を示す、半黒丸を使用して表される。
【0027】
車両200は、必要ならば、境界線の種類「直線」に沿って又はそれを横切って走行することが物理的に可能であるが、境界線の種類「縁石」に沿って又はそれを横切って安全に走行することはできないので、境界線の種類間の遷移の位置を把握することは、自律走行車の制御にとって重要である。境界セグメントを使用する利点は、この例で明らかである。中央帯464は、車線404及び406の間に存在するものとして示されている。中央帯464の最左部分は、運転ルール「走行可能な車線の境界線」及び境界線の種類「直線」と関連する実線の境界セグメントにより境され、一方で中央帯464の最右部分は、運転ルール「通行不可」及び境界線の種類「縁石」と関連する細かい点線により境される。必要ならば、車両200は、中央帯464の最左部分のみを横切って走行し得る。
【0028】
図4は、図2の自律走行車200用に使用する地図フォーマットを改善するために地図フォーマットに追加される追加的な特徴を示す。まず、3つの車線セグメント412、414及び416は、交差点(図4の最右側に位置する交差点)付近の停止線454及び456と関連する。停止線454及び456は、1又は複数の車線402、404及び406の終端と接続されることができ、及び、停止線454及び456と関連する情報は、車両200が交差点手前で停止しなければならない位置の地理的位置を含むことができる。図4の例で、停止線456は、境界セグメント442及び448の間に延び、車線402又は404の交差点の前で停止する場合に自律走行車200が位置すべき地理的位置を意味する。
【0029】
停止線454及び456は、車両の手動操作と一致する方法で自律走行車200を交差点に位置させることができるため、停止線454及び456により提供される追加的な情報は、自律走行車200の動作にとって有用である。例えば、自律走行車200は、車線402の交差点に近付く場合、車線セグメント412の終端を意味するウェイポイント424で停止する代わりに、自律走行車200は、停止線456まで且つ境界セグメント442により意味する車線402の角の周りをわずかに前進するように制御されることができる。この操作は、運転手が交差点で右折するときに道路400で車両を手動操作する方法と一致している。また、図示しないが、横断歩道は、停止線454及び456用に使用される同様の方法で詳細な地図フォーマットに含むことができる。横断歩道と関連する情報は、横断歩道の地理的位置と、追加的な安全性の取り決めを実行するように自動車両システムに指示する、横断歩道と関連する運転ルールとを含むことができる。
【0030】
交通信号は、図4に示す地図フォーマット内に存在する別の特徴である。各交通信号は、地理的位置、交通信号の種類及び交通信号の状態等の情報を含むことができる。交通信号の種類は、信号機の構成及び方向又は交通標識に関する情報を含むことができる。信号機の交通信号の構成及び方向は、「垂直方向の3つ」、「垂直方向の3つの左矢印」、「水平方向の3つ」、「右矢印」等を含むことができる。信号機の交通信号の状態は、例えば、「緑」、「緑矢印」、「黄色」、「点滅の黄色」又は「赤」である。図4中に示す地図フォーマットで、3つの信号機458、460、462は交差点内に示される。この例で、信号機458は、車線402と関連付けられており、交差点の構成及び車線402と近接する境界セグメントの形状及び種類を考慮すると、車線402は、右折車線と理解される。同様に、信号機462は、車線406と関連付けられており、交差点の構成及び車線406と近接する境界セグメントの形状及び種類を考慮すると、車線406は、左折車線と理解される。
【0031】
図5は、図2の自律走行車用に使用する詳細な地図フォーマット内に表される、環状交差点500の2次元表示の一例を示す。環状交差点を経由する自律走行車200の操作は、車線セグメント、境界セグメント及び停止線の使用により大幅に支援される。例えば、中央帯502、503、504及び中央円500は、境界ポイント及び境界セグメントを使用して特定され、及び、環状交差点500の「通行不可」領域とする運転ルールと関連付けられることができる。別の例で、停止線506、508及び510は、自律走行車200に対して自律走行車200が環状交差点500に入る前に停止すべき正確な位置を示すために使用されることができる。図5に示すように、停止線510は、車線512にある最も近いウェイポイントの右下の位置を示す。環状交差点500への入口で自律走行車200を位置するために停止線510を使用することは、車線512にある最後のウェイポイントで自律走行車200を停止させる場合と比較して、運転手が車両を操作する方法へとより近づく。
【0032】
前述の記載は、最も現実的な実施形態であると現在考えられているものに関する。しかしながら、本開示はこれらの実施形態に限定されず、反対に、添付のクレームの精神及び範囲内に包含する様々な修正及び同様の変更を網羅することを意図すると理解される。クレームの範囲は、法の下認められる修正及び同様の構成の全てを包含するように広い解釈が許容される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】