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特表2017-516319積層セラミックタンク型パッケージを用いた高周波光電検出器パッケージベース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-516319(P2017-516319A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(54)【発明の名称】積層セラミックタンク型パッケージを用いた高周波光電検出器パッケージベース
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/02 20060101AFI20170519BHJP
   H01L 23/04 20060101ALI20170519BHJP
【FI】
   H01L23/02 H
   H01L23/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-510718(P2017-510718)
(86)(22)【出願日】2014年12月19日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月4日
(86)【国際出願番号】CN2014094320
(87)【国際公開番号】WO2016008264
(87)【国際公開日】20160121
(31)【優先権主張番号】201410340530.0
(32)【優先日】2014年7月17日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516331166
【氏名又は名称】武漢電信器件有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】宿志成
(72)【発明者】
【氏名】陳土泉
(72)【発明者】
【氏名】宋旭宇
(57)【要約】
光電検出器技術分野のための積層セラミックタンク型パッケージを用いた高周波光電検出器パッケージベースであって、貼り合わされた積層セラミック基板(1)を備え、前記積層セラミック基板の底部にピン(2)が溶接されると共に上部に金属リング(3)が設置され、各層のセラミック基板の上下面に導電性金属層(4)がメッキされ、各層のセラミック基板に回路接続孔(5)が配置され、前記積層セラミック基板の上面に2つの電源接点(121)と2つの差動信号接点(111)が設置され、前記電源接点と差動信号接点が各層のセラミック基板を通って対応するピンに接続される。積層セラミック構造のタンク型ベースであり、各層のセラミック基板の上下面に導電性金属層が電気メッキされ、コプレーナ導波路構造を形成する。高速信号ラインに対して差動信号伝送デザインを用いることにより、20GHz以上の帯域幅信号の伝送問題を解決でき、伝送損失が小さい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層セラミックタンク型パッケージを用いた高周波光電検出器パッケージベースであって、
貼り合わされた積層セラミック基板を備え、
前記積層セラミック基板の底部にピンが溶接されると共に、上部に金属リングが設置され、
前記積層セラミック基板の各層のセラミック基板の上下面に導電性金属層がメッキされ、前記各層のセラミック基板に回路接続孔が配置され、
前記回路接続孔により前記各層のセラミック基板が一体に組み合わされて固定され、
前記積層ラミック基板の上面に2つの電源接点と2つの差動信号接点が設置され、前記電源接点と差動信号接点がそれぞれ前記各層のセラミック基板を通って対応するピンに接続され、
前記積層セラミック基板の下面からアースピンが引き出されている
ことを特徴とする積層セラミックタンク型パッケージを用いた高周波光電検出器パッケージベース。
【請求項2】
前記積層セラミック基板は、上部から底部まで順次、第一のセラミック基板、第二のセラミック基板、第三のセラミック基板、第四のセラミック基板の4層であり、前記ピンは、2本の電源ピン、2本の差動信号ピン、2本のアースピンの6本であり、
前記各層のセラミック基板にコンタクトホールが設置され、前記電源接点の周辺、前記差動信号接点の周辺及び前記コンタクトホールの周辺に、前記導電性金属層と絶縁するための空白エリアがあり、前記電源接点と前記差動信号接点は、それぞれ前記コンタクトホールを通って対応するピンに接続される
請求項1に記載の高周波光電検出器パッケージベース。
【請求項3】
隣接している層のセラミック基板は、それぞれの接触面及び空白エリアが完全に重なっている
請求項2に記載の高周波光電検出器パッケージベース。
【請求項4】
前記第一のセラミック基板は、D字状であり、前記第二のセラミック基板から前記第四のセラミック基板は、円形であり、
前記第一のセラミック基板の円弧部分が前記金属リングの内壁と貼り合わされ、前記2つの差動信号接点は、前記第一のセラミック基板の上面に位置し、前記2つの電源接点は、前記第二のセラミック基板の上面に位置し、
前記差動信号接点及び電源接点の周辺に一定の範囲の空白エリアがあり、その空白エリア以外は導電性金属層であり、前記第一のセラミック基板の下面の空白エリアと導電性金属層が上面と対称である
請求項3に記載の高周波光電検出器パッケージベース。
【請求項5】
前記第二のセラミック基板のコンタクトホールは、信号コンタクトホールであり、前記第三のセラミック基板のコンタクトホールは、電源コンタクトホール、信号コンタクトホール、ステアリングコンタクトホールに分けられ、前記第四のセラミック基板のコンタクトホールは、電源コンタクトホールと信号コンタクトホールに分けられ、前記第三及び第四のセラミック基板の前記電源コンタクトホールが前記第二のセラミック基板の前記電源接点と同軸であり導通する
請求項4に記載の高周波光電検出器パッケージベース。
【請求項6】
前記第二及び第三のセラミック基板の前記信号コンタクトホールは、前記第一のセラミック基板の前記差動信号接点と同軸であり導通し、前記第三のセラミック基板の前記ステアリングコンタクトホールは、前記第四のセラミック基板の前記信号コンタクトホールと同軸であり導通し、前記第三のセラミック基板の前記ステアリングコンタクトホールは、前記信号コンタクトホールと1対1で電気的に接続する
請求項5に記載の高周波光電検出器パッケージベース。
【請求項7】
前記電源ピンは、前記第四のセラミック基板の下面の前記電源コンタクトホールに溶接され、前記差動信号ピンは、前記第四のセラミック基板の下面の前記信号コンタクトホールに溶接され、前記アースピンは、前記第四のセラミック基板の下面の前記導電性金属層に溶接される
請求項6に記載の高周波光電検出器パッケージベース。
【請求項8】
前記各層のセラミック基板の回路コンタクトホールと空白エリアとの距離は、安全値より大きい
請求項2ないし7のいずれかに記載の高周波光電検出器パッケージベース。
【請求項9】
前記導電性金属層の材質は、金である
請求項8に記載の高周波光電検出器パッケージベース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電検出器技術分野に関し、特に積層セラミックタンク型パッケージを用いた高周波光電検出器パッケージベースに関する。
【背景技術】
【0002】
光電通信の高速な発展に伴い、100Gの光送受信モジュールは、今後数年間で需要量が徐々に増加傾向にある。光送受信モジュールにおけるコアデバイスの一つである検出器アセンブリは、同様に巨大な市場需要を持っている。コスト及び体積の問題を考えて、帯域幅が20GHzより大きく、伝送速度が28Gbpsに達するTO(缶型)型パッケージデバイスの開発も急務となる。従来のTOベースは、コバールを本体として用い、ガラス溶着工程によりカラムを本体に装着して電気的接続インターフェイスとする。このような従来のTOベースには、一定のインピーダンスマッチング設計が行われ、20G以下の信号伝送に最適であり、20G以上のアプリケーションの場合、その損失が大きいため、アプリケーション要求を達成することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来のTOベースが20GHz以上の信号を伝送することが困難である上記技術問題を解決するために、積層セラミックタンク型パッケージを用いた高周波光電検出器パッケージベースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下の技術的解決手段を用いる。
積層セラミックタンク型パッケージを用いた高周波光電検出器パッケージベースは、貼り合わせた積層セラミック基板を含み、前記積層セラミック基板の底部にピンが溶接され、上部に金属リングが設置され、各層のセラミック基板の上下面に導電性金属層がメッキされ、各層のセラミック基板に回路接続孔が分布され、かつ前記回路接続孔により各層のセラミック基板が一体に組み合わせて固定され、前記積層ラミック基板の上面に2つの電源接点、2つの差動信号接点が設置され、前記電源接点、差動信号接点が各層のセラミック基板を通って対応するピンに接続され、かつ積層セラミック基板の下面からアースピンが引き出されている。
【発明の効果】
【0005】
本発明の光電検出器パッケージベースによると、積層セラミック構造のTOベースであり、各層のセラミック基板の上下面に導電性金属層が電気メッキされ、コプレーナ導波路構造を構成し、かつ高速信号ラインに対して差動信号伝送デザインを用いることにより、20GHz以上の帯域幅信号の伝送問題を解決でき、伝送損失が小さく、シングルチャネルの20G以上の同軸型光電検出素子の要求を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施例による積層セラミックタンク型パッケージを用いた高周波光電検出器パッケージベースの斜視図である。
図2】本発明の実施例による積層セラミックタンク型パッケージを用いた高周波光電検出器パッケージベースの平面図である。
図3】本発明の実施例による積層セラミックタンク型パッケージを用いた高周波光電検出器パッケージベースの軸方向断面図である。
図4】a、b、ぞれぞれ第一のセラミック基板の上、下面の構成を示す説明図である。
図5】a、b、ぞれぞれ第一のセラミック基板の上、下面の構成を示す説明図である。
図6】a、b、ぞれぞれ第一のセラミック基板の上、下面の構成図を示す説明である。
図7】a、b、ぞれぞれ第一のセラミック基板の上、下面の構成図を示す説明である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に図面及び実施例を参照して、本発明を詳しく説明する。ここで説明される具体的な実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0008】
図1〜3は、それぞれ本発明の実施例による積層セラミックタンク型パッケージを用いた高周波光電検出器パッケージベースの斜視構成、平面構成と軸方向断面構成を示し、説明の便宜のために本発明の実施例に関する部分のみを示す。
【0009】
本実施例による積層セラミックタンク型パッケージを用いた高周波光電検出器パッケージベースは、貼り合わせた積層セラミック基板1を含み、前記積層セラミック基板の底部にピン2が溶接され、上部に金属リング3が設置され、各層の積層セラミック基板の上下面に導電性金属層4がメッキされ、各層の積層セラミック基板に回路接続孔5が分布され、かつ前記回路接続孔により各層セラミック基板が一体に組み合わせて固定され、前記積層セラミック基板の上面に2つの電源接点121、2つの差動信号接点111が設置され、前記電源接点121、差動信号接点111が各層のセラミック基板を通って対応するピン2に接続され、かつ積層セラミック基板の下面からアースピンを引き出す構造である。
【0010】
本実施例において、金属リングは、レンズ付きTOキャップとシーム溶接を行い、シーム溶接の場合の対応する圧力を受けることに用いられ、同時にアース接続として使用されることもでき、各層のセラミック基板の上下面に導電性金属層が電気メッキされ、回路接続孔に導電性金属層が設置され、各層のセラミック基板を導電連通する役割を果たし、回路接続孔により各層のセラミック基板が一体に組み合わせて固定され、コプレーナ導波路構造を構成し、かつ高速信号ラインに対して差動信号伝送デザインを用いることにより、差動信号がコプレーナ導波路で伝送され、20GHz以上の帯域幅信号の伝送問題を解決でき、伝送損失が小さく、シングルチャネルの20G以上の同軸型光電検出素子の要求を満たす。使用時には、前記2つの電源接点121から電圧源がアクセスし、高速差動信号を前記2つの差動信号接点111にアクセスし、電圧源が各層のセラミック基板を通って対応するピンに伝送し、高速差動信号が各層のセラミック基板で伝送され、最後に対応するピンから出力される。
【0011】
上記の構造において、好ましい実施形態として、前記積層セラミック基板1は、4層であり、上部から底部まで順次、第一のセラミック基板11、第二のセラミック基板12、第三のセラミック基板13、第四のセラミック基板14から成り、前記ピンは、6本であり、2本の電源ピン、2本の差動信号ピン、2本のアースピンから成る。
【0012】
以下に、各層のセラミック基板の構成を説明する。図4〜7は、それぞれ第一のセラミック基板〜第四のセラミック基板の上下面の構成を示し、各層のセラミック基板に電源信号または差動信号を伝送するためのコンタクトホールが設置され、前記電源接点の周辺と、差動信号接点の周辺とコンタクトホールの周辺に、導電性金属層と隔離するための空白エリアがある。図における陰影部分が導電性金属層であり、空白部分が空白エリアである。信号を伝送する場合、電圧源信号は、前記電源接点を介して各層のコンタクトホールを通って電源ピンに伝送される。高速差動信号は、前記差動信号接点を介して各層のコンタクトホールを通って差動信号ピンに伝送され、ここで電圧源信号と高速差動信号が通るコンタクトホールは、異なる。また、好ましくは、図示のように、隣接している層のセラミック基板の接触面、空白エリアが完全に重なっている。
【0013】
一つの実施例として挙げると、前記第一のセラミック基板11は、D字状(円弧と、その円弧の弦からなる形状)であり、第二のセラミック基板〜第四のセラミック基板は、円形であり、第一のセラミック基板11の円弧は金属リング3の内壁と貼り合わせ、前記2つの差動信号接点111は、第一のセラミック基板11の上面に位置し、前記2つの電源接点121は、前記第二のセラミック基板12の上面に位置し、差動信号接点111及び電源接点121の周辺に一定の範囲の空白エリアが存在し、空白エリア以外は導電性金属層であり、第一のセラミック基板の下面の空白エリアと導電性金属層が上面と完全に対称的な配置である。
【0014】
前記第二のセラミック基板12のコンタクトホールは、信号コンタクトホール122であり、前記第三のセラミック基板13のコンタクトホールは、電源コンタクトホール131、信号コンタクトホール132、ステアリングコンタクトホール133に分けられ、前記第四のセラミック基板14のコンタクトホールは、電源コンタクトホール141と信号コンタクトホール142に分けられ、第三、第四のセラミック基板の電源コンタクトホール131、141が第二のセラミック基板の電源接点121と同軸でありかつ導通し、前記電源ピン21が前記第四のセラミック基板の下面の電源コンタクトホール141に溶接される。このようにして電源接点121から入力された電圧源は、電源ピン21から出力することができる。
【0015】
前記第二、第三のセラミック基板の信号コンタクトホール122、132は、第一のセラミック基板の差動信号接点111と同軸でありかつ導通し、第三のセラミック基板のステアリングコンタクトホール133は、第四のセラミック基板の信号コンタクトホール142と同軸でありかつ導通し、前記第三のセラミック基板のステアリングコンタクトホール133は、信号コンタクトホール131と1対1 で電気的に接続し、前記差動信号ピン22は、前記第四のセラミック基板の下面の信号コンタクトホール142と溶接し、前記アースピン23は、前記第四のセラミック基板の下面の導電性金属層に溶接される。このようにして、差動信号接点111から入力された高速差動信号は、差動信号ピン22から出力されることができる。
【0016】
本実施例において、各層のセラミック基板の回路接点と空白エリアの距離は安全値より大きく、信号伝送に影響を与えないことが保証される。また、一つの好ましい実施形態として、前記導電性金属層の材質は金であり、金具が良い導電性能を持ち、積層セラミック基板から構成されたコプレーナ導波路のシールド性能がより良く、さらに信号伝送を保証できる。また、本発明の外形構造は、一般的なタンク型パッケージベースと互換性があり、従来の成熟した工程と互換性を持つことができ、大量生産が容易でなりコストが低廉である。
【0017】
上記は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で、適宜改良等設計変更可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】