【実施例】
【0072】
実験セクション
化学
実施例1.R
2=Hの式(I)の化合物の調製
実施例1A.ビス−ホモウルソデオキシコール酸誘導体の合成
【0073】
C3及びC7におけるアルコール官能基の保護、側鎖メチルエステルの還元、及びその後のワンポットのスワーン酸化/ウィッティヒC2ホモログ化を含む、1の4段階反応シーケンスが、Δ
24,25−ビスホモUDCAの保護メチルエステルが得られた。側鎖二重結合水素化及びアルコール官能基脱保護により、ビスホモUDCAメチルエステル4が得られ、出発物質としてBAR305及びそれに対応するアルコール、BAR304の調製においてそれぞれLiOH及びLiBH
4で処理して使用した。
【化20】
a)2,6−ルチジン、t−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、CH
2Cl
2、0℃; b)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、2段階にわたる定量的収率; c)DMSO、塩化オキサリル、TEA乾燥、、CH
2Cl
2、−78℃、次いでメチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート、76%;d)H
2、Pd(OH)
2/C Degussa型、THF/MeOH 1:1、定量的収率; e)HCl 37%、MeOH、定量的収率;f)MeOH/H
2O 1:1 v/v、60%中のNaOH 5%; g)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、77%。
【0074】
工程a,b)3α,7β−ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5β−コラン−24−オール(2)の調製
【0075】
化合物1(1.2g、3mmol)をJ.Med.Chem.2014、57,937に記載された同一の合成手順に従って、2つのアルコール保護基にて保護し、1.9gの無色の針状のメチル3α,7β−ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5β−コラン−24−オエート(定量的収率)を得て、精製することなく次の工程に付した。
【0076】
J.Med.Chem.2014、57,937に記載された同一の合成手順に従って、0℃で乾燥THF(30mL)中のメチルエステル(1.9g、3mmol)の溶液に、メタノール(850μL、21mmol)及びLiBH
4(10.5mL、THF中2M、21mmol)を添加した。シリカゲルによる精製により(ヘキサン/酢酸エチル99:1及び0.5%TEA)、白色固体として2を得た(1.8g、定量的収率)。
【0077】
工程c)メチル3α,7β−ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−25,26−ビスホモ−58−chol−24−エン−26−オエート(3)のワンポッド調製。
【0078】
乾燥ジクロロメタン(30mL)中の塩化オキサリル(7.5mL、15mmol)の溶液に−78℃でアルゴン雰囲気下にてDMSO(2.1mL、30mmol)を15分間かけて滴下した。30分後、乾燥CH
2Cl
2中の2の溶液(1.8g、3mmol)をカニューレで加え、混合物を−78℃で30分間撹拌した。Et
3N(2.5mL、18mmol)を滴下した。1時間後、メチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(2.0g、6mmol)を加え、混合物を室温に温めた。NaCl飽和溶液を加え、水相をジエチルエーテル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。シリカゲルによる精製により(ヘキサン−酢酸エチル95:5及び0.5%TEA)、化合物3を無色の油状物(1.5g、76%)として得た。
【0079】
工程d)メチル3α,7β−ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−25,26−ビスホモ−5β−コラン−26−オエートの調製。J.Med.Chem.2014、57,937に記載された同一の合成手順に従って、THF乾燥/MeOH乾燥(25mL/25mL、v/v)中の化合物3(1.5g、2.3mmol)の溶液を、Pd(OH)
2 5重量%の存在下、活性炭Degussa型(20mg)上で水素付加し、3α,7β−ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−25,26−ビスホモ−5β−コラン−26−オエート(1.5g、定量的収率)を得て、精製することなく、工程e)に付した。
【0080】
工程e)メチル3α,7β−ジヒドロキシ−25,26−ビスホモ−5β−コラン−26−オエート(4)の調製
【0081】
メチル3α,7β−ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−25,26−ビスホモ−5β−コラン−26−オエート(1.5g)をメタノール(70mL)に溶解した。J.Med.Chem.2014、57,937に記載された同一の合成手順に従って、この溶液に、HCl(2mL、37%v/v)を添加し、無色アモルファス固体として4を得た(1.0g、定量的収率)。
【0082】
工程f)3α,7β−ジヒドロキシ−25,26−ビスホモ−5β−コラン−26−オイック酸(BAR305)の調製。化合物4の一部(430mg、1mmol)をMeOH:H
2O 1:1 v/v(20mL)の溶液中、NaOH(400mg、10mmol)で4時間還流にて加水分解した。溶出液としてMeOH/H
2O(95:5)を用いたNucleodur 100−5 C18(5μm;4.6mm i.d.×250mm)にてHPLCによって精製した(流速1mL/分)(t
R=5分)。
【0083】
BAR305:C
26H
44O
4
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した:
δ 3.47 (2H, m, H-3及びH-7), 2.27 (2H, t, J= 7.2 Hz, H
2-25), 0.96 (3H, s, H
3-19), 0.94(3H, d, J= 6.5 Hz, H3-21), 0.70 (3H, s, H3-18)
【0084】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した:
δ 178.2, 72.1, 71.9, 57.6, 56.7, 44.8, 44.5, 44.0, 41.6, 40.7, 38.6, 38.0, 36.9, 36.8, 36.1, 35.3, 35.2, 30.9, 29.8, 27.9, 26.7, 26.6, 23.9, 22.4, 19.3, 12.7.
【0085】
工程g)25,26−ビスホモ−5β−コラン−3α,7β,26−トリオール(BAR304)。化合物4(500mg、1.2mmol)を、工程b)に記載したのと同じ操作条件下で還元した。シリカゲルによる精製により(CH
2Cl
2 /メタノール9:1)、BAR304を無色の油状物として得た(375mg、77%)。溶出液としてMeOH/H
2O(85:15)を用いてNucleodur 100−5 C18(5μm;4.6mm i.d.x250mm)で分析サンプルをHPLCにより精製した(流速1mL/分)(t
R=9分)。
【0086】
BAR 304:C
26H
46O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した:
δ 3.53 (2H, t, J= 6.5 Hz, H
2-26), 3.48 (2H, m, H-3及びH-7), 0.95 (3H, s, H
3-19), 0.93 (3H, d, J= 6.5 Hz, H
3-21), 0.70 (3H, s, H
3-18).
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した:
δ 72.1, 71.9, 63.0, 57.5, 56.7, 44.7, 44.4, 44.0, 41.6, 40.7, 38.5, 37.9, 37.2, 37.0, 36.1, 35.2, 33.7, 30.9, 29.8, 27.9, 27.4, 27.1, 23.9, 22.4, 19.4, 12.7.
【0087】
実施例1B.3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−イル−23−硫酸ナトリウム(BAR106)及び3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BAR107)の合成
【0088】
BAR106は、UDCAから出発して、ヒドロキシル基でのパラホルミル化、C24のベックマン(Beckmann)一炭素分解、及び対応するメチルエステル中間体へのC23カルボキシル基の変換を含む反応順序によって調製された。シリルエーテルとしてのC−3及びC−7のヒドロキシル基の保護、C23メチルエステルの還元、C23第一級アルコール官能基の硫酸化、及び最後に脱保護してアンモニウム塩として粗製BAR106を得た。アンバーライトで精製し、次にHPLCによりナトリウム塩として表題のBAR106を得た。
【0089】
【化21】
a)HCOOH、HClO
4、96%; b)TFA、トリフルオロ酢酸無水物、NaNO2、96%; c)MeOH/H
2O 1:1 v/v、97%中のKOH30%; d)p−TSOH、MeOH乾燥、98%; e)2,6−ルチジン、t−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、CH
2Cl
2、0℃、88%; f)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、定量的収率; g)Et
3N.SO
3、DMF、95℃; h)HCl 37%、MeOH、次いでアンバーライトCG−120、MeOH、2工程で86%; i)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、定量的収率
【0090】
工程a,d)メチル3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オエート(6)の調製。
【0091】
J.Med.Chem.2014、57,937に記載された同一の合成手順に従って、ウルソデオキシコール酸(2.0g、5.1mmol)をメチル3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オエート(6、1.6g、87%)に変換した。
【0092】
工程e)メチル3α,7β−ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5β−コラン−24−オエートの調製。
【0093】
化合物6(1.2g、3.0mmol)を、実施例1Aの工程a)に記載したものと同じ操作条件下で、ヒドロキシル基で保護した。溶出液としてヘキサン/酢酸エチル9:1及び0.5%トリエチルアミンを使用してシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、保護されたメチルエステルを得た(1.6g、88%)。
【0094】
工程f)3α,7β−ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5β−コラン−24−オール(7)の調製
【0095】
側鎖メチルエステル(818mg、1.3mmol)を実施例1Aの工程b)に記載の同じ操作条件下で還元した。ヘキサン/酢酸エチル98:2及び0.5%トリエチルアミンを溶出液として用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、7を得た(770mg、定量的収率)。
【0096】
工程g、h)3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−イル−23−硫酸ナトリウム(BAR106)の調製
【0097】
J.Med.Chem.2014、57,937に記載された同一の合成手順に従って、トリエチルアミン−硫黄三酸化物複合体(2.0g、11mmol)を、乾燥DMF(25mL)中の7(660mg、1.1mmol)の溶液に添加した。溶出液(流速3mL/分)としてMeOH/H
2O(65:35)を用いてNucleodur 100−5 C18(5μm;10mm内×250mm)上のHPLCによりBAR106(t
R=8.4分)442mg(2段階で86%)を得た。
BAR106:C
23H
39NaO
6S
【0098】
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した:δ4.04 (2H, m, H
2-23), 3.48 (2H, m, H-3及びH-7), 1.00 (3H, d, J= 6.5 Hz, H
3-21), 0.97(3H, s, H
3-19), 0.72 (3H, s, H
3-18)
【0099】
工程i)3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BAR107)の調製
【0100】
化合物6を工程fに記載したのと同じ操作条件下にてBAR107中で変換した。
【0101】
BAR107:C
23H
40O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した:δ3.60 (1H, m, H-7), 3.51 (1H, m, H-3), 3.50 (2H, m, H
2-23), 0.97 (3H, d, ovl, H
3-21), 0.96 (3H, s, H
3-19), 0.72 (3H, s, H
3-18)
【0102】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した:
δ72.1, 71.9, 60.8, 57.5, 57.1, 44.8, 44.5, 44.0, 41.6, 40.7, 39.9, 38.6, 38.0, 36.1, 35.2, 34.1, 31.0, 29.8, 27.9, 23.9, 22.4, 19.5, 12.6;
【0103】
実施例1C.7α−ヒドロキシ−5β−コラン−24−イル−24−硫酸ナトリウム(BAR402)の合成
【0104】
メチルエステル8上のC−3ヒドロキシル基でのトシル化及び脱離の後の二重結合還元、その後のLiBH
4処理及びC−24第一級ヒドロキシル基の位置選択的な硫酸化によりBAR402が得られた。
【化22】
a)p−TsCl、ピリジン、定量的収率; b)LiBr、Li
2CO
3、DMF、灌流、 c)H
2、Pd(OH)
2、THF/MeOH 1:1、室温、定量的収率; d)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、79%; e)Et
3N.SO
3、DMF、95℃
【0105】
工程a−c)メチル7−ケト−5β−コラン−24−オエート(9)の調製
【0106】
乾燥ピリジン(100mL)中の8(965mg、2.5mmol)の溶液に、トシルクロリド(4.7g、25.0mmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。それを冷水(150mL)に注ぎ、CH
2Cl
2(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
2溶液(150mL)、及び水(150mL)で洗浄し、次いで無水MgSO
4で乾燥し、減圧下で蒸発させて1.4gのメチル3α−トシルオキシ−7−ケト−5β−コラン−24−オエート(定量的収率)を得た。乾燥DMF(30mL)中の3α−トシルオキシ−7−ケト−5β−コラン−24−オエート(1.4g、2.5mmol)の溶液に、臭化リチウム(434mg、5.0mmol)及び炭酸リチウム(370mg、5.0mmol)を加え、混合物を2時間還流した。室温に冷却後、混合物を10%HCl溶液(20mL)にゆっくり注ぎ、CH
2Cl
2(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水、飽和NaHCO
3溶液及び水で連続して洗浄し、次いで無水MgSO
4で乾燥させ、蒸発乾固してオレオ残留物(oleos residue)965mgを得た(定量的収率)。
【0107】
実施例1Aの工程dに記載したのと同じ操作条件下にてPd(OH)
2上での水素化が975mgの9(定量的収率)を与え、これを精製することなく次の工程に付した。
【0108】
工程d)5β−コラン−7α,24−ジオール
【0109】
実施例1Aの工程bに記載したのと同じ操作条件にて、化合物9をLiBH
4処理し、シリカゲルで精製する(酢酸エチル−ヘキサン、85:15)と、5β−コラン−7α,24−ジオールが白色固体として得られた(714mg、79%)。
【0110】
工程e)7α−ヒドロキシ−5β−コラン−24−イル−24−硫酸ナトリウム(BAR402)の調製。C24上での硫酸化は、実施例1Bの工程g)に記載したのと同じ操作条件下で行い、アンモニウム塩として未精製のBAR402を得た。溶出液としてMeOH/H
2O(90:10)を用いてNucleodur 100−5 C18(5μm;10mm内×250mm)上でRP18/HPLCにより(流速3mL/分)、ナトリウム塩としてBAR402(tR=6.6分)を得た。
【0111】
BAR402:C
24H
41NaO
5S
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.96 (2H, t, J= 6.6 Hz, H
2-24), 3.78 (1H, br s, H-7), 0.96 (3H, d, J= 6.5 Hz, H
3-21), 0.92 (3H, s, H
3-19), 0.69 (3H, s, H
3-18);
【0112】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した:δ 69.7, 69.4, 57.7, 51.6, 45.0, 43.8, 41.2, 41.0, 39.0, 37.1, 37.0 36.3, 34.2, 33.3, 31.7, 29.5, 29.0, 27.3, 24.8, 24.3, 22.7, 21.9, 19.2, 12.3.
【0113】
実施例2.R
2=Et又は=CH−CH
3である式(I)の化合物の調製
実施例2A.6β−エチル−3α,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR501)の合成
【0114】
7−KLCA上のC−3ヒドロキシル基のメチルエステル形成とアセチル化により、中間体10を2工程にわたって収率84%で得た。シリルエノールエーテル中間体へのアルドール付加は、環外二重結合(Pd(OH)
2上のH
2)で水素化された11を生成し、3工程にわたって収率80%で12を生じた。メタノール中でのNaBH
4処理に続いて、粗反応生成物のLiBH
4還元により、そのHPLC精製(88% MeOH:H
2O)がそのC7エピマー、BAR504−6bに対して79%収率で純粋なBAR501を与えた混合物を得た。
【化23】
a)p−TsOH、MeOH乾燥; b)無水酢酸、ピリジン、2工程で収率84%; c)DIPA、n−BuLi、TMSCl、TEA乾燥、THF乾燥 −78℃、; d)アセトアルデヒド、
BF3(OEt)
2、CH
2Cl
2、−60℃、2工程で80%; e)H
2、Pd(OH)
2、THF/MeOH 1:1、定量的収率; f)NaBH
4、MeOH; g)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、2工程で79%。
【0115】
工程a−d).メチル3α−アセトキシ−6−エチリデン−7−ケト−5β−コラン−24−オエート(11)の調製
【0116】
100mLの乾燥メタノールに溶解した7−ケトリトコール酸(5g、12.8mmol)の溶液に、p−トルエンスルホン酸(11g、64.1mmol)を加えた。溶液を室温で2時間静置した。NaHCO
3飽和溶液を加えて混合物を反応停止(quench)した。メタノールの蒸発後、残留物をEtOAc(3×150mL)で抽出した。合わせた抽出物を鹹水(brine)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させて無定形固体としてメチルエステルを得た(5.13g、定量的収率)。
【0117】
乾燥ピリジン(100mL)中のメチルエステル(5.13g、12.7mmol)の溶液に、過剰の無水酢酸(8.4mL、89mmol)を添加した。反応が完了したら、ピリジンを真空下で濃縮した。残留物を冷水(100mL)に注ぎ、AcOEt(3×150mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮して、さらに溶出液としてヘキサン/酢酸エチル8:2及び0.5%トリエチルアミンを使用してシリカゲル上にてフラッシュクロマトグラフィーで生成して、残留物を得た(白色固体として4.8gの10、2工程で収率84%)。
【0118】
乾燥THF(50mL)中のジイソプロピルアミン(23mL、0.16mol)の溶液に、n−ブチルリチウム(60mL、ヘキサン中2.5M、0.15mol)の溶液を−78℃で滴下した。30分後、トリメチルクロロシラン(27.1mL、0.21mol)を添加した。さらに30分後、乾燥THF(70mL)中の化合物10(4.8g、10.7mmol)溶液を添加した。反応物を−78℃でさらに45分間撹拌し、次いでトリエチルアミン(54mL、0.38mol)を添加した。1時間後、反応混合物を−20℃まで加熱し、飽和NaHCO
3水溶液(100mL)で処理し、2時間で室温まで上げた。水相を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を次にNaHCO
3飽和溶液、水及び鹹水で洗浄した。無水Na
2SO
4で乾燥した後、残留物を真空下で蒸発させて、黄色残留物6gを得、これを乾燥CH
2Cl
2(50mL)で希釈し、−78℃で冷却した。この攪拌溶液に、アセトアルデヒド(3mL、53mmol)及びBF
3・OEt
2(13.5mL、0.107mol)を滴下した。反応混合物を−60℃で2時間撹拌し、室温まで加熱した。混合物をNaHCO
3の飽和水溶液で反応停止し、CH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機相を鹹水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。
【0119】
シリカゲルによる精製(ヘキサン−酢酸エチル9:1及び0.5%TEA)により、化合物11(4.1g、80%)を得た。NMR分析は、ジアステレオマー比E/Z>95%を示した。環外二重結合におけるE配置は、Noesyスペクトル(400MHz、混合時間400ms)でH
3−26(δ1.67)/H−5(δ2.62)の双極子カップリングによって確立された。
【0120】
(E)−3α−アセトキシ−6−エチリデン−7−ケト−5β−コラン−24−オエート(11):C
29H
44O
5
【0121】
1H NMRは、溶媒としてCDCl
3を使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した:δ 6.16 (1H, q, J= 7.0 Hz, H-25), 4.74 (1H, m, H-3), 3.64 (3H, s, COOCH
3), 2.62 (1H, dd, J= 13.0, 3.6 Hz, H-5), 1.98 (3H, s, COCH
3), 1.67 (3H, d, J= 7.0 Hz, H
3-26), 1.00 (3H, s, H
3-19), 0.92 (3H, d, J= 6.0 Hz, H
3-21), 0.67 (3H, s, H
3-18)
【0122】
13C NMRは、溶媒としてCDCl
3を使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した:
δ 204.5, 174.6, 170.7, 143.1, 130.2, 72.5, 54.5, 51.4, 50.7, 48.6, 45.2, 43.5, 39.1, 38.9, 35.1, 34.9, 34.1, 33.4, 31.0, 30.9, 28.4, 25.9 (2C), 22.8, 21.4, 21.2, 18.4, 12.7, 12.2.
【0123】
工程e)メチル3α−アセトキシ−6β−エチル−7−ケト−5β−コラン−24−オエート(12)の調製
【0124】
THF乾燥/MeOH乾燥(100mL、1:1 v/v)中の11(4.0g、8.5mmol)の溶液を、Pd(OH)
2 20wt%の存在下、活性炭(100mg)degussa型で水素化した。混合物を標準PARR装置に移し、窒素、及び、次に水素にて数回フラッシュした。装置を50psiのH
2下でゆっくりと動かした(shacked)。反応物を室温で8時間撹拌した。触媒をセライト(Celite)で濾過し、回収した濾液を減圧下で濃縮して12(4.0g、定量的収率)を得た。
【0125】
メチル3α−アセトキシ−6β−エチル−7−ケト−5β−コラン−24−オエート(12):C
29H
46O
5
【0126】
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した:δ 4.65 (1H, m, H-3), 3.66 (3H, s, COOCH
3), 2.56 (1H, t, J= 11.5 Hz, H-8), 2.35 (1H, m, H-23a), 2.22 (1H, m, H-23b), 1.99 (3H, s, COCH
3), 1.22 (3H, s, H
3-19), 0.92 (3H, d, J= 6.3 Hz, H
3-21), 0.83 (3H, t, J= 7.2 Hz, H
3-26), 0.67 (3H, s, H
3-18)
【0127】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した:δ 214.7, 174.3, 170.2, 72.6, 61.7, 54.8, 51.3, 49.0, 48.5, 45.3, 42.7, 42.3 (2C), 38.6, 35.4, 35.1, 35.0, 31.0, 30.8, 28.0 (2C), 26.4, 25.7, 24.7, 21.3, 21.1, 18.2, 12.9, 11.9
【0128】
C6のエチル基のβ立体配置はNoesyスペクトル(400MHz、混合時間400ms)で双極性カップリングH3−26(δ0.83)/H3−19(δ1.22)及びH−8(δ2.56)/H−25(δ1.83)で決定した。
【0129】
工程f,g)6β−エチル−3α,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR501)の調製
【0130】
化合物12(1.18g、2.5mmol)のメタノール溶液に、大過剰のNaBH
4を0℃にて添加した。混合物を室温で2時間放置した後、水及びMeOHを15分間0℃で滴加して、沸騰を観察した。溶媒を蒸発させた後、残留物を水で希釈し、AcOEt(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を鹹水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させて1.3gの粗残留物を得、これをさらに精製することなく次の工程に付した。粗残留物を実施例1Aの工程b)に記載したのと同じ操作条件下にて、LiBH
4(THF中2M)で処理した。溶出液としてMeOH/H
2O(88:12)を用いたNucleodur 100−5 C18(5μm;10mm内×250mm)でのHPLC精製により(流速3mL/分)、802mgのBAR501(79%、t
R=11分)を得た。
【0131】
あるいは、工程fは、その場で生成されたCa(BH4)
2を用いて実施した。
【0132】
0℃で、化合物12(500mg、1.05mmol)及び無水エタノール(4mL)の溶液に、CaCl
2(466mg、4.2mmol)を加えた。同じ溶液に、無水エタノール(4mL)中のNaBH
4(159mg、4.2mmol)の溶液を添加した。−5℃で4時間後、MeOHを滴下した。次いで、溶媒を蒸発させた後、残留物を水で希釈し、AcOEt(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を鹹水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させて粗残留物500mgを得、これをさらに精製することなく工程gに付した。
【0133】
BAR501:C
26H
46O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 700 MHzにて記録した:δ 3.74 (1H, dd, J= 10.3, 6.0 Hz, H-7), 3.51 (1H, ovl, H-3), 3.49 (2H, ovl, H
2-24), 1.00 (3H, s, H
3-19), 0.97 (3H, d, J= 6.5 Hz, H
3-21), 0.96 (3H, t, J= 7.6 Hz, H
3-26), 0.72 (3H, s, H
3-18)
【0134】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 175 MHzにて記録した:δ 75.3 71.9, 63.6, 57.5, 56.5, 51.6, 45.7, 44.9, 42.1, 41.5, 40.4, 40.3, 37.1, 35.8, 32.4, 30.7, 30.3, 29.7, 29.6, 28.3, 26.2, 23.4, 22.1, 19.4, 14.8, 12.7
【0135】
実施例2B.6β−エチル−3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR504−6b)
【0136】
BAR504−6bを、実施例2Aに記載のように調製した(t
R=20.4分)。
【0137】
BAR504−6b:C
26H
46O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 700 MHzにて記録した:δ 3.60 (1H, s, H-7), 3.51 (2H, m, H
2-24), 3.35 (1H, ovl, H-3), 2.30 (1H, q, J=13.5 Hz,H-4a), 0.97 (3H, d, J= 6.8 Hz, H
3-21), 0.95 (3H, t, J= 7.3 Hz, H
3-26), 0.94 (3H, s, H
3-19), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0138】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 175 MHzにて記録した:δ 71.9, 71.8, 62.7, 56.8, 51.7, 50.5, 46.7, 42.5, 41.4, 40.1, 36.6, 36.4, 36.2, 36.0, 33.2, 32.4, 30.1, 29.5, 28.8, 28.5, 25.3, 23.9, 20.7, 18.4, 13.7, 11.4.
【0139】
実施例2C.6α−エチル−3α,7α−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BAR502)、6β−エチル−3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BARn501)及び6β−エチル−3α,7α−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BARn504−6b)
【0140】
7−KLCA(1g、2.56mmol)をC24でベックマン分解し、C−23でメチル化して、収率66%で13を得た。C−3にてアセチル化して、アルキル化により14を得て、それを水素化して15を得た。MeONa/MeOH処理により、C−3にて加水分解及びC−6にてエピマー化を同時に与えた。C−23メチルエステル官能基及びC−7カルボニル基の同時還元により、BAR502を収率89%にて提供した。BARn501及びBARn504−6bの調製において、出発物質として中間体15(250mg、0.54mmol)も使用した。
【化24】
a)HCOOH、HClO
4; b)TFA、トリフルオロ酢酸無水物、NaNO
2; c)MeOH/H
2O 1:1 v/v中のKOH30%、3工程で88%; d)p−TsOH、MeOH乾燥; e)無水酢酸、ピリジン; f)DIPA、n−BuLi、TMSCl、TEA乾燥、THF乾燥−78℃; g)アセトアルデヒド、BF
3(OEt)
2、CH
2Cl
2、−60℃、4工程で60%; h)H
2、Pd(OH)
2、THF/MeOH 1:1、定量的収率; i)MeONa、MeOH; j)LiBH
4、MeOH、THF乾燥、0℃、2工程で70%; k)NaBH
4、MeOH乾燥、0℃; l)LiBH
4、MeOH、THF乾燥、0℃、2工程で77%
【0141】
工程a−d)メチル7−ケト−24−ノル−LCA(13)の調製
実施例1B、工程a−d)に記載したものと同じ操作条件下で、7−KLCAから化合物13(660mg、1.69mmol、4工程で66%)を調製した。
【0142】
工程e−h)メチル3α−アセトキシ−6β−エチル−7−ケト−24−ノル−5β−コラン−23−オエート(15)の調製。化合物13(660mg、1.69mmol)を、実施例2A、工程b〜dに記載したのと同じ操作条件に付して、603mgの14(3工程で78%)を得た。NMR分析は、ジアステレオマー比E/Z>95%を示した。環外二重結合におけるE配置は、Noesyスペクトル(400MHz、混合時間400ms)における双極子カップリングH
3−25(δ1.67)/H−5(δ2.61)により確立された。
【0143】
(E)−3α−アセトキシ−6−エチリデン−7−ケト−24−ノル−5β−コラン−23−オエート(14):C
28H
42O
5
【0144】
1H NMRは、溶媒としてCDCl
3を使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した:δ 6.17 (1H, q, J= 7.2 Hz, H-24), 4.75 (1H, m, H-3), 3.04 (3H, s, COOCH
3), 2.61 (1 H, dd, J= 13.1, 4.0 Hz, H-5), 1.98 (3H, s, COCH
3), 1.67 (3H, d, J= 7.2 Hz, H
3-25), 1.00 (3H, s, H
3-19), 0.97 (3H, d, J= 6.8 Hz, H
3-21), 0.67 (3H, s, H
3-18)
【0145】
13C NMRは、溶媒としてCDCl
3を使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した:δ 204.5, 174.2, 170.5, 143.0, 130.6, 72.5, 54.7, 51.4, 50.7, 48.6, 45.3, 43.7, 41.5, 39.1, 38.8, 34.6, 34.2, 33.6, 33.4, 28.5, 25.9 (2C), 22.8, 21.3 (2C), 19.7, 12.7, 12.1
【0146】
実施例2A、工程eに記載したものと同じ操作条件下で、Pd(OH)
2上の水素化により、600mgの15(定量的収率)を得た。
【0147】
C−6におけるエチル基のβ配置は、Noesyスペクトル(400MHz、混合時間400ms)における双極子カップリングH
3−25(δ0.83)/H
3−19(δ1.22)によって決定した。
【0148】
3α−アセトキシ−6β−エチル−7−ケト−24−ノル−5β−コラン−23−オエート(15):C
28H
44O
5
1H NMRは、溶媒としてCDCl
3を使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した:δ 4.65 (1H, m, H-3), 3.67 (3H, s, COOCH
3), 2.60 (1H, t, J= 11.2 Hz, H-8), 2.43 (1H, dd, J= 14.2, 2.6 Hz, H-22a), 1.98 (3H, s, COCH
3), 1.88 (1H, m ovl, H-6), 1.22 (3H, s, H
3-19), 0.98 (3H, d, J= 6.4 Hz, H
3-21), 0.83 (3H, t, J= 7.0 Hz, H
3-25), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0149】
13C NMRは、溶媒としてCDCl
3を使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した:δ 215.3, 174.0, 170.5, 72.8, 61.9, 55.0, 51.4, 49.2, 48.7, 45.5, 42.9, 42.6, 41.4, 38.7 (2C), 35.6, 35.3, 34.9, 28.3 (2C), 26.5, 25.9, 24.8, 21.4, 21.3, 19.6, 13.0, 12.1
【0150】
工程i、j)6α−エチル−3α,7α−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BAR502)の調製
【0151】
化合物15(450mg、1.0mmol)及び乾燥メタノール(4mL)の溶液にMeONa(20mL、MeOH中0.5M、10mmol)を加えた。24時間後、H
2Oを滴下した。次いで、溶媒を蒸発させた後、残留物を水で希釈し、AcOEt(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させて16を得、これをさらに精製することなく工程gに付した。
【0152】
メチル6α−エチル−3α−ヒドロキシ−7−ケト−24−ノル−5β−コラン−23−オエート(16):C
26H
42O
4
【0153】
1H NMRは、溶媒としてCDCl
3を使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.64 (3H, s, COOCH
3), 3.45 (1H, m, H-3), 2.83 (1H, q, J= 7.3 Hz, H-6), 2.51 (1H, t, J=11.2 Hz, H-8), 2.45 (1H, dd, J= 14.5, 3.2 Hz, H-22a), 1.26 (3H, s, H
3-19), 0.98 (3H, d, J= 6.6 Hz, H
3-21), 0.81 (3H, t, J= 7.0 Hz, H
3-25), 0.73 (3H, s, H
3-18)
【0154】
13C NMRは、溶媒としてCDCl
3を使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した:δ 214.9, 175.4, 71.6, 56.2, 53.2, 52.0, 51.9, 51.0, 50.5, 45.2, 43.8, 42.2, 40.2, 36.7, 35.3, 34.8, 32.5, 30.5, 29.4, 25.6, 24.0, 22.9, 20.1, 20.0, 12.6, 12.4
【0155】
化合物16を、実施例1Aの工程gに記載の同じ操作条件下でLiBH
4還元に供した。ヘキサン/EtOAc 6:4で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより、BAR502(274mg、2工程で70%)を得た。溶出液としてMeOH/H
2O(88:12)を用いて、Nucleodur 100−5 C18(5μm;4.6mm i.d.x250mm)でHPLCにより分析サンプルを得た(流速1mL/分、t
R=10.8分)。
【0156】
BAR502:C
25H
44O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.65 (1H, s, H-7), 3.61 (1H, m, H-23a), 3.53 (1H, m, H-23b) 3.31 (1H, m, H-3), 0.97 (3H, d, J= 6.6 Hz, H
3-21), 0.92 (3H, s, H
3-19), 0.91 (3H, t, J= 7.0 Hz, H
3-25), 0.71 (3H, s, H
3-18)
【0157】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した: δ 73.2, 71.1, 60.7, 57.7, 51.4, 46.9, 43.8, 42.9, 41.3, 40.9, 39.8, 36.7, 36.5, 34.6, 34.5, 34.2, 31.2, 29.4, 24.5, 23.7, 23.4, 21.8, 19.3, 12.1, 11.9
【0158】
工程k、l).6β−エチル−3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BARn501)及び6β−エチル−3α,7α−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BARn504−6b)。化合物15(100mg、0.22mmol)を、実施例2Aの工程f〜gに記載のものと同じ操作条件に付した。溶出液としてMeOH/H
2O(86:14)を用いてNucleodur 100−5 C18(5μm;10mm i.d.×250mm)でHPLC精製により(流速3mL/分)、47mgのBARn501(54%、t
R=11分)及び20mgのBARn504−6b(23%、t
R=15分)を得た。
【0159】
BARn501:C
25H
44O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.73 (1H, dd, J= 10.5, 5.5 Hz, H-7), 3.61 (1H, m, H-23a), 3.51 (1H, m, ovl, H-23b), 3.51 (1H, m, ovl, H-3), 0.98 (3H, d, ovl, H
3-21), 0.97 (3H, s, H
3-19), 0.96 (3H, t, ovl, H
3-25), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0160】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した: δ 75.2, 71.8, 60.8, 57.5, 56.6, 51.5, 45.5, 44.8, 42.0, 41.4, 40.7, 40.3, 39.9, 36.9, 36.0, 34.2, 30.5, 29.6, 28.3, 26.2, 23.4, 22.0, 19.4, 14.7, 12.9
【0161】
BARn504−6b:C
25H
44O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ3.63 (1H, m, H-23a), 3.60 (1H, m, H-7), 3.55 (1H, m, H-23b), 3.37 (1H, m, H-3), 2.30 (1H, q, J= 12.5 Hz, H-4a), 0.97 (3H, d, J= 6.6 Hz, H
3-21), 0.95 (3H, s, H
3-19), 0.95 (3H, t, J= 7.0 Hz, H
3-25), 0.72 (3H, s, H
3-18)
【0162】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した: δ 72.8, 72.7, 60.8, 57.9, 52.7, 51.4, 47.5, 43.7, 42.3, 41.0, 39.9, 37.5, 37.3, 36.7, 34.2, 33.3, 31.0, 29.6, 29.4, 26.2, 24.8, 21.6, 19.3, 14.5, 12.1
【0163】
実施例2D.6−エチリデン−3α,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR503)、6α−エチル−3α,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR501−6a)、6−エチリデン−3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BARn503)及び6α−エチル−3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BARn501−6a)
【0164】
中間体11をNaBH
4還元に供し、続いてLiBH
4で処理した。あるいは、直接的方法で進行させたLiAlH
4処理は、C−24及びC−7同時還元をもたらす。BAR503はまた、Pd(OH)
2触媒上での水素化によって、BAR501−6aの出発物質として使用した。同じ合成プロトコルを、対応する23−誘導体、BARn503及びBARn501−6aを生成する中間体14で実施した。
【0165】
【化25】
a)NaBH
4、MeOH; b)LiBH
4,MeOH乾燥、THF、0℃、2工程で85%; c)H
2、Pd(OH)
2、THF:MeOH 1:1 v/v
【0166】
工程a,b).6−エチリデン−3α,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール (BAR503)及び6−エチリデン−3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BARn503)の調製
【0167】
化合物11(1g、2.11mmol)を実施例2A、工程f、gに記載の同じ操作条件に付した。溶出液としてMeOH/H
2O(88:12)を用いたNucleodur 100−5 C18(5μm;10mm i.d.×250mm)でHPLC精製により(流速3mL/分)、727mgのBAR503(2工程で85%、t
R=9.2分)を得た。代替的に、11のLiAlH
4処理により、BAR503を得た。
【0168】
BAR503:C
26H
44O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した:δ 5.66 (1H, q, J= 6.9 Hz, H-25), 3.90 (1H, d, J= 9.8 Hz, H-7), 3.55 (1H, m, H-3), 3.50 (2H, m, H
2-24), 2.50 (1H, dd, J= 4.0, 13.1 Hz, H-5), 1.62 (3H, d, J= 6.9 Hz, H
3-26), 0.97 (3H, d, J= 6.6 Hz, H
3-21), 0.81 (3H, s, H
3-19), 0.70 (3H, S, H
3-18)
【0169】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した:δ 142.7, 114.5, 73.4, 71.1, 63.6, 57.1, 56.1, 45.2, 44.9, 44.2, 40.7, 40.2, 36.3, 36.2, 35.9, 34.7, 32.4, 30.2, 29.5, 28.8, 27.4, 22.6, 21.5, 18.5, 11.8, 11.7
【0170】
同様の合成プロトコルを中間体14で実施した。溶出液としてMeOH/H
2O(86:14)を用いてNucleodur100−5 C18(5μm;10mm i.d.×250mm)でのHPLC精製により(流速3mL/分)、BARn503(t
R=8分)を得た。
【0171】
BARn503:C
25H
42O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 5.66 (1H, q, J= 6.8 Hz, H-24), 3.92 (1H, d, J= 9.9 Hz, H-7), 3.60 (1H, m, H-23a), 3.56 (1H, m, H-3), 3.55 (1H, m, H-23b), 2.52 (1H, dd, J= 3.7, 13.2 Hz, H-5), 1.63 (3H, d, J= 6.8 Hz, H
3-25), 0.98 (3H, d, J= 6.5 Hz, H
3-21), 0.95 (3H, s, H
3-19), 0.71 (3H, s, H
3-18)
【0172】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した: δ 143.7, 115.4, 74.1, 71.8, 60.8, 58.0, 57.1, 46.1, 45.9, 45.1, 41.6, 41.1, 39.9, 37.0, 36.4, 35.8, 34.1, 30.9, 29.8, 28.1, 23.5, 22.5, 19.5, 12.7, 12.6
【0173】
工程c).6α−エチル−3α,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR501−6a)及び6α−エチル−3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BARn501−6a)
【0174】
BAR503(350mg、0.86mmol)を実施例2Aの工程eに記載したのと同じ操作条件に付し、BAR501−6aを定量的収率で得た。
【0175】
BAR501−6a:C
26H
46O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.50 (2H, t, J= 6.8 Hz, H
3-24), 3.44 (1 H, m, H-3), 3.07 (1H, t, J= 9.8 Hz, H-7), 0.96 (3H, d, J= 6.6 Hz, H
3-21), 0.95 (3H, s, H
3-19), 0.66 (3H, t, J= 7.4 Hz, H
3-26), 0.71 (3H, s, H
3-18)
【0176】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した: δ 76.5, 72.3, 63.6, 57.9, 57.3, 46.3, 45.0, 44.8, 41.8, 41.0, 39.9, 37.0, 36.4, 35.5, 33.3, 31.3, 31.0, 30.3, 29.8, 27.8, 24.3, 22.5, 22.0, 19.3, 12.8, 11.8
【0177】
BARn503を、実施例2Aの工程eに記載したのと同じ操作条件に付し、定量的収率でBARn501−6aを得た。
【0178】
BARn501−6a:C
25H
44O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した:δ 3.62 (1H, m, H-23a), 3.54 (1H, m, H-23b), 3.45 (1H, m, H-3), 3.08 (1H, t, J= 9.8 Hz, H-7), 0.97 (3H, d, J= 6.5 Hz, H
3-21), 0.95 (3H, s, H
3-19), 0.66 (3H, t, J= 7.4 Hz, H
3-25), 0.73 (3H, s, H
3-18)
【0179】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した:δ 76.4, 72.5, 60.8, 57.9, 57.2, 46.2, 45.1, 44.7, 41.8, 41.2, 40.0, 39.8, 36.5, 35.6, 34.2, 31.2, 30.9, 29.9, 27.9, 24.1, 22.7, 22.0, 19.5, 12.7, 11.7
【0180】
実施例2E 6α−エチル−3α,7a−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−ニトリル(BAR506)
【0181】
7−KLCAを、実施例1Bの工程a〜bに記載したものと同じ合成手順に従ってニトリル17に変換した。アルキル化に続き、実施例2Aの工程c〜d及び実施例2Cの工程iに記載と同じ操作条件下で、二重結合還元及びC−6でのエピマー化それぞれにより、18を得た。実施例2Cの工程jのように、LiBH
4処理により、BAR506に所望の7αヒドロキシル基が得られた。
【化26】
a)HCOOH、HClO
4; b)TFA、トリフルオロ酢酸無水物、NaNO
2; c)DIPA、n−BuLi、TMSCl、TEA乾燥、THF乾燥−78℃; d)アセトアルデヒド、BF
3(OEt)
2、CH
2Cl
2、−60℃; e)H
2、Pd(OH)
2、THF/MeOH 1:1; f)MeONa、MeOH; g)LiBH
4、MeOH、THF乾燥、0℃
【0182】
BAR506:C
25H
41NO
2
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 700 MHzにて記録した: δ 3.66 (1H, br s, H-7), 3.31 (1H, ovl, H-3), 2.46 (1H, dd, J= 3.8,16.9 Hz, H-22a), 2.34 (1H, dd, J= 7.4, 16.9 Hz, H-22b), 1.16 (3H, d, J= 6.5 Hz, H
3-21), 0.91 (3H, t, J= 7.5 Hz, H
3-25), 0.92 (3H, s, H
3-19), 0.73 (3H, s, H
3-18)
【0183】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 175 MHzにて記録した: δ 120.3, 72.9, 70.9, 56.1, 51.5, 46.7, 43.4, 42.9, 41.4, 40.2, 36.5, 36.2, 34.3 (2C), 34.2, 30.7, 29.2, 24.9, 24.4, 23.4, 23.3, 21.9, 18.5, 12.1, 11.6
【0184】
実施例2F.6α−エチル−7α−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR701)、6α−エチル−7α−ヒドロキシ−5β−コラン−24−イル 24−硫酸ナトリウム(BAR701solf)、6β−エチル−7β−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR702)、6α−エチル−7β−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR703)、6α−エチル−7α−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オイック酸(BAR704)、6α−エチル−7α−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オイル タウリン硫酸ナトリウム(BART704)、6β−エチル−7α−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR705)及び6α−エチル−7β−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オイック酸(BAR711)
【0185】
化合物12をメタノール中のMeONaで処理して、C−3で脱アセチル化及びC−6では逆を得た。環A上の二重結合のトシル化、脱離及び水素化は、20を与えた。メチルエステル官能基での加水分解及びその後のLiBH
4処理は、高い化学収率でBAR704をもたらした。中間体20をBAR701の出発物質として使用した。BAR701の少量のアリコートのC−24上での硫酸化により、BAR701solfが得られた。
【化27】
a)MeONa、MeOH; b)p−TsCl、ピリジン、2工程にわたる定量的収率; c)LiBr,Li2CO3、DMF、灌流、d)H
2、Pd(OH)
2、THF/MeOH 1:1、室温、2工程で88%。 e)NaOH、MeOH:H
2O 1:1 v/v、82%; f)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、83%; g)DMT−MM、Et
3N、タウリン、DMF乾燥; h)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、77%; i)Et
3N.SO
3、DMF、95℃
【0186】
工程a〜f)6α−エチル−7α−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オイック酸(BAR704)の調製。
【0187】
化合物12(500mg、1.05mmol)をMeOH(5mL)中のMeONa(2.1mL、MeOH中0.5M、1.05mmol)ので、実施例2Cの工程iと同じ操作条件で一晩処理した。実施例1Cの工程aと同じ操作条件で、粗反応生成物のトシル化により19(620mg、2工程にわたる定量的収率)を得た。中間体19(500mg、0.85mmol)を実施例1Cの工程b、cと同じ操作条件に付して、312mgの20(2工程にわたって88%)を得た。
【0188】
実施例1Aの工程fと同じ操作条件下で、MeOH:H
2O 1:1 v/v(10mL)の溶液中で、化合物20(200mg、0.48mmol)をNaOH(96mg、2.4mmol)で加水分解した。粗乾燥カルボン酸中間体(190mg、0.47mmol)をTHF乾燥(5mL)中のLiBH
4(1.65mL、THF中2M、3.3mmol)及びMeOH(133μL、3.3mmol)で処理した。シリカゲル(CH
2Cl
2−MeOH 99:1)で精製すると157mgのBAR704(83%)が得られた。同様の実施形態において、アルカリ加水分解後のLiBH
4処理は、少量(約10%)の6α−エチル−7β−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オイック酸(BAR711)を産生し、これを、溶出液としてMeOH/H
2O(88:12)で、Nucleodur 100−5 C18(5μm;10mm i.d.×250mm)でHPLC精製によって単離した。
【0189】
BAR704:C
26H
44O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.65 (1H, br s, H-7), 2.34 (1H, m, H-23a), 2.20 (1H, m, H-23b), 0.96 (3H, d, J= 6.3 Hz, H
3-21), 0.92 (3H, s, H
3-19), 0.89 (3H, t, J= 7.4 Hz, H
3-26), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0190】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した:δ 178.0, 71.6, 57.4, 51.7, 48.7, 43.8, 43.3, 41.5, 41.1, 39.3, 37.4, 36.8, 34.6, 32.5 (2C), 29.3, 28.8, 25.1, 24.6 (2C), 23.5, 22.5, 22.0, 18.8, 12.2, 12.1
【0191】
BAR711:C
26H
44O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 500 MHzにて記録した: δ 3.08 (1H, t, J= 9.6 Hz, H-7), 2.32 (1H, m, H-23a), 2.20 (1H, m, H-23b), 0.96 (3H, d, J= 6.2 Hz, H
3-21), 0.95 (3H, s, H
3-19), 0.85 (3H, t, J= 7.0 Hz, H
3-26), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0192】
工程g)6α−エチル−7α−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オイルタウリン硫酸ナトリウム(BART704)の調製
【0193】
DMF乾燥(5mL)中のBAR704(10mg、0.024mmol)のアリコートを、DMT−MM(20.5mg、0.07mmol)及びトリエチルアミン(83μL、0.6mmol)で処理し、混合物を室温で10分間攪拌した。次いで、混合物にタウリン(18mg、0.14mmol)を添加した。3時間後、反応混合物を真空下で濃縮し、水(5mL)に溶解した。C18シリカゲルカラムで精製し、次いで、溶出液としてMeOH/H
2O(83:17)を用いて次いでNucleodur100−5 C18(5μm; 10mm i.d.×250mm)のHPLCにより(流速3mL/分)、4.5mgのBART704(t
R=10分)を得た。
【0194】
BART704:C
28H
48NNaO
5S
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.65 (1H, br s, H-7), 3.58 (2H, t, J= 7.0 Hz, CH
2-N), 2.96 (2H, t, J= 9.6 Hz, CH
2-S), 2.25 (1H, m, H-23a), 2.10 (1H, m, H-23b), 0.97 (3H, d, J= 6.4 Hz, H
3-21), 0.92 (3H, s, H
3-19), 0.89 (3H, t, J= 7.1 Hz, H
3-26), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0195】
工程h)6α−エチル−7α−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR701)の調製
【0196】
化合物20(100mg、0.24mmol)を実施例2Cの工程jと同じ操作条件下で処理した。溶出液としてMeOH/H
2O(92:8)を用いてNucleodur 100−5 C18(5μm、10mm i.d.×250mm)でHPLC精製して(流速3mL/分)、64mgのBAR701(t
R=31分)と、少量の6α−エチル−7β−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR703)(8mg、t
R=24.8分)を得た。
【0197】
BAR701:C
26H
46O
2
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.65 (1H, br s, H-7), 3.51 (2H, m, H
2-24), 0.97 (3H, d, J= 6.3 Hz, H
3-21), 0.92 (3H, s, H
3-19), 0.89 (3H, t, J= 7.3 Hz, H
3-26), 0.71 (3H, s, H
3-18)
【0198】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した: δ 71.6, 63.6, 57.6, 51.8, 48.7, 43.7, 43.3, 41.5, 41.1, 39.3, 37.5, 37.0, 34.6, 33.2, 30.3, 29.4, 28.8, 25.1, 24.6 (2C), 23.5, 22.5, 22.0, 19.2, 12.3, 12.1
【0199】
BAR703 C
26H
46O
2
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 500 MHzにて記録した: δ 3.51 (2H, m, H
2-24), 3.07 (1 H, t, J= 10.0 Hz, H-7), 0.96 (3H, d, J= 6.6 Hz, H
3-21), 0.84 (3H, t, J= 7.0 Hz, H
3-26), 0.95 (3H, s, H
3-19), 0.71 (3H, s, H
3-18)
【0200】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した: δ 76.3, 63.6, 57.9, 56.8, 46.3, 45.3, 45.0, 44.7, 41.7, 41.1, 38.8, 37.0, 36.3, 33.3, 30.3, 28.1, 27.9 (2c), 25.0 (2c), 22.0, 21.9 (2c), 19.4, 12.7, 11.6
【0201】
工程i)6α−エチル−7α−ヒドロキシ−5β−コラン−24−イル24−硫酸ナトリウム(BAR701solf)
【0202】
BAR701の少量のアリコート上のC−24上の硫酸化を、実施例1Bの工程g)に記載したものと同じ操作条件下で行い、アンモニウム塩として粗製のBAR701solfを得た。溶出液としてMeOH/H
2O(82:18)を用いたNucleodur 100−5 C18(5μm;10mm i.d.×250mm)上のRP18/HPLCにより(流速3mL/分)、ナトリウム塩として、BAR701solf(t
R=14.2分)を得た。
【0203】
BAR701solf:C
26H
45NaO
5S
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.96 (2H, t, J= 6.3 Hz, H
2-24), 3.64 (1H, br s, H-7), 0.96 (3H, d, J= 6.6 Hz, H
3-21), 0.91 (3H, s, H
3-19), 0.88 (3H, t, J= 7.4 Hz, H
3-26), 0.69 (3H, s, H
3-18)
【0204】
6β−エチル−7β−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR702)及び6β−エチル−7α−ヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR705)の調製
【0205】
化合物12(500mg、1.05mmol)を、反応時間(2時間)を除いて、実施例2Cの工程iと同じ操作条件下で、MeOH(10mL)中のMeONa(2.1mL、MeOH中0.5M、1.05mmol)で処理した。実施例1Cの工程aと同じ操作条件にて粗反応生成物のトシル化により、21(620mg、2工程にわたる定量的収率)を与えた。中間体21(600mg、1.02mmol)を実施例1Cの工程b、cと同じ操作条件に付して、400mgの22(94%)を得た。化合物22(350mg、0.84mmol)を、実施例2Aの工程f、gと同じ操作条件下でNaBH
4/LiBH
4で還元した。溶出液としてMeOH/H
2O(92:8)を用いたNucleodur 100−5 C18(5μm;10mm i.d.×250mm)でのHPLC精製により(流速3mL/分)、180mgのBAR702(t
R=25分)及び75.4mgのBAR705(t
R=13分)を得た。あるいは、工程eを、その場で生成されたCa(BH
4)
2を用いて実施した。
【化28】
a)MeONa、MeOH; b)p−TsCl、ピリジン、2工程の定量的収率; c)LiBr、Li
2CO
3、DMF、灌流;d)H
2、Pd(OH)
2、THF/MeOH 1:1、室温、2工程で94%; e)NaBH
4、MeOH; f)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、2工程で78%
【0206】
BAR702:C
26H
46O
2
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 700 MHzにて記録した: δ 3.67 (1H, dd, J= 8.7, 4.7 Hz, H-7), 3.51 (2H, m, H
2-24), 0.98 (3H, s, H
3-19), 0.97 (3H, d, J= 6.6 Hz, H
3-21), 0.96 (3H, t, J= 7.4 Hz, H
3-26), 0.71 (3H, s, H
3-18)
【0207】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 175 MHzにて記録した: δ 75.5, 63.8, 57.6, 56.5, 44.2, 43.7, 42.8, 41.0, 40.9, 40.8, 38.2 (2C), 36.9, 34.4, 32.8, 29.7, 28.9, 27.0, 26.1, 24.7, 22.2, 22.0 (2C), 19.2, 13.9, 12.3
【0208】
BAR705:C
26H
46O
2
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 700 MHzにて記録した: δ 3.59 (1H, br s, H-7), 3.51 (2H, m, H
2-24), 2.23 (1H, dq, J= 13.9, 4.0 Hz, H-4a), 0.97 (3H, d, J= 6.6, H
3-21), 0.95 (3H, t, J= 7.1 Hz, H
3-26), 0.94 (3H, s, H
3-19), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0209】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 175 MHzにて記録した: δ 73.1, 63.2, 57.3, 52.8, 51.4, 49.4, 43.8, 41.3, 39.7, 37.4 (2C), 37.2, 34.2, 32.6 (2C), 29.9, 29.5, 28.9, 28.3, 27.3, 24.5, 21.7, 21.2, 18.8, 14.3, 12.3
【0210】
実施例2G.6α−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オイック酸(BAR710)、6α−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オイルタウリン硫酸ナトリウム(BART710)、6α−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR706)、6α−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−イル 24−硫酸ナトリウム(BAR706solf)、6α−エチル−3β,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR707)、6β−エチル−3β,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR708)及び6β−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR709)及び6α−エチル−3β,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オイック酸(BAR712)の合成
【0211】
誘導体19のC−3において収束プロトコル逆転(convergent protocol inversion)に続き、MeONa/MeOHの処理により、BAR706、BAR706solf、BAR710及びBART710の合成の出発物質として使用した23が得られた。C−3での反転、それに続くC−7及びC−24での還元が、BAR708及びBAR709を産生した。
【0212】
【化29】
a)CH
3COOK、DMF:H
2O 5:1 v/v; b)NaOMe、MeOH、2工程で74%; c)NaOH、MeOH:H
2O 1:1 v/v; d)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、2工程で65%; e)DMT−MM、Et
3N、タウリン、DMF乾燥; f)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、58%; g)Et
3N.SO
3、DMF、95℃; h)CH
3COOK、DMF:H
2O 5:1; i)NaBH
4、MeOH; j)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、3工程にわたり74%
【0213】
工程a−d)6α−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オイック酸(BAR710)の調製
【0214】
水(2mL)及びN、N’−ジメチルホルムアミド(DMF、10mL)に溶解した21(600mg、1.0mmol)及びCH
3COOK(98mg、1.0mmol)の溶液を2時間還流した。溶液を室温で冷却し、次いで酢酸エチル及び水を加えた。分離した水相を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、蒸発乾固して600mgの混合物を得た。シリカゲルで精製して(ヘキサン−酢酸エチル8:2及び0.5%TEA)、オレオ油350mgを得た。実施例2Cの工程iに記載したのと同じ操作条件下でC−6反転により、23(320mg、2工程にわたって74%)が得られ、それを加水分解に付し、続いて、実施例2Fの工程e、fの記載のようにLiBH
4処理を行った。溶出液としてMeOH/H
2O(88:12)を用いたNucleodur 100−5 C18(5μm;10mm i.d.×250mm)でのHPLC精製により(流速3mL/分)、208mgのBAR710(65%、t
R=11分)を得た。代替的に、21に対してC−3で反転し、その後、アルカリ加水分解し、次いでLiBH
4処理により、BAR710が直接的に得られた。
【0215】
同一の実施形態では、アルカリ加水分解後のLiBH
4処理により、少量(約10%)の6α−エチル−3β,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オイック酸(BAR712)が産生され、溶出液としてMeOH/H
2O(88:12)を用いて、Nucleodur 100−5 C18(5μm;10mm i.d.×250mm)にてHPLC精製により(流速3mL/分、t
R=8分)単離した。
【0216】
BAR710:C
26H
44O
4
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.97 (1H, br s, H-3), 3.67 (1H, br s, H-7), 2.33 (1H, m, H-23a), 2.21 (1H, m, H-23b), 0.96 (3H, d, J= 6.5 Hz, H
3-21), 0.94 (3H, s, H
3-19), 0.91 (3H, t, J= 7.6 Hz, H
3-26), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0217】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した: δ 178.3, 71.3, 67.5, 57.4, 51.7, 43.8, 42.8, 41.5, 41.2, 41.0, 37.0, 36.7, 33.8, 32.4, 32.0, 31.1 (2C), 29.3, 28.3, 24.6, 24.2, 23.3, 22.2, 18.8, 12.3, 12.2
【0218】
BAR712:C
26H
44O
4
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 500 MHzにて記録した: δ 4.01 (1H, br s, H-3), 3.06 (1H, t, J= 9.7 Hz, H-7), 2.32 (1H, m, H-23a), 2.19 (1H, m, H-23b), 0.97 (3H, s, H
3-19), 0.96 (3H, d, ovl, H
3-21), 0.87 (3H, t, J= 7.7 Hz, H
3-26), 0.71 (3H, s, H
3-18)
【0219】
工程e)6α−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オイルタウリン硫酸ナトリウム(BART710)の調製
【0220】
BAR710(10mg)のアリコートを実施例2Fの工程gと同じ操作条件下で処理した。
【0221】
BART710:C
28H
48NNaO
6S
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 500 MHzにて記録した: δ 3.97 (1H, br s, H-3), 3.67 (1H, br s, H-7), 3.59 (2H, t, J= 6.8 Hz, CH
2-N), 2,96 (2H, t, J= 6.8 Hz, CH
2-S), 0.97 (3H, d, J= 6.4 Hz, H
3-21), 0.95 (3H, s, H
3-19), 0.91 (3H, t, J= 7.1 Hz, H
3-26), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0222】
工程f)6α−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR706)及び6α−エチル−3β,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR707)の調製
【0223】
中間体23(500mg、1.16mmol)を、実施例2Cの工程jに記載のように乾燥THF(10mL)中のLiBH
4(4mL、8.1mmol)及びMeOH(327μL、8.1mmol)で処理した。溶出液(としてMeOH/H
2O(88:12)を用いたNucleodur 100−5 C18(5μm;10mm i.d.×250mm)でのHPLC精製により(流速3mL/分)、BAR706(250mg、t
R=12.6分)及び少量の6α−エチル−3β,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR707)(23mg、t
R=8.2分)を得た。
【0224】
BAR706:C
26H
46O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 500 MHzにて記録した: δ 3.97 (1H, br s, H-3) ,3.66 (1H, br s, H-7), 3.51 (2H, m, H
2-24), 0.96 (3H, d, J= 6.6Hz, H
3-21), 0.94 (3H, s, H
3-19), 0.91 (3H, t, J= 7.5 Hz, H
3-26), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0225】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 135 MHzにて記録した: δ 71.4, 67.4, 63.6, 57.6, 51.7, 43.7, 42.8, 41.5, 41.2, 41.1, 37.1 (2C), 33.8, 33.2, 31.3 (2C), 30.3, 29.4, 28.3, 24.6, 24.2, 23.3, 22.3, 19.2, 12.7, 12.1
【0226】
BAR707:C
26H
46O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 500 MHzにて記録した: δ 4.01 (1H, br s, H-3), 3.51 (2H, m, H
2-24), 3.05 (1H, t, J= 9.7 Hz, H-7), 0.97 (3H, s, H
3-19), 0.96 (3H, d, J= 6.4 Hz, H
3-21), 0.88 (3H, t, J= 7.6 Hz, H
3-26), 0.72 (3H, s, H
3-18)
【0227】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した: δ 76.3, 67.1, 63.6, 57.8, 56.8, 45.0, 44.8, 44.5, 41.7, 40.3, 39.1, 37.0, 35.9, 33.0, 31.2, 30.2, 29.8, 28.4, 28.0, 27.9, 24.8, 22.9, 21.8, 19.3, 12.8, 11.6
【0228】
工程g)6α−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−イル 24−硫酸ナトリウム(BAR706solf)
【0229】
BAR706の少量のアリコートにおけるC−24上の硫酸化を、実施例1Bの段階gに記載の同じ操作条件下で行った。
【0230】
BAR706solf:C
26H
45NaO
6S
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 500 MHzにて記録した: δ 3.97 (1H, br s ovl, H-3), 3.96 (2H, t ovl, H
2-24), 3.65 (1H, br s, H-7), 0.96 (3H, d, J=6.6 Hz, H
3-21), 0.94 (3H, s, H
3-19), 0.90 (3H, t, J= 7.5 Hz, H
3-26), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0231】
工程h、i、j)6β−エチル−3β,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR708)及び6β−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR709)の調製
【0232】
化合物19を工程aと同じ操作条件下で処理した。実施例2Aの工程f、gの同じ操作条件で100mg(0.23mmol)のNaBH
4/LiBH
4還元により、そのHPLC精製(88% MeOH:H
2O)により、純粋な6β−エチル−3β,7β−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR708)(48.3mg、t
R=11分)及び6β−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−オール(BAR709)(20.7mg、t
R=13分)の混合物を得た。あるいは、工程iを、その場で生成されたCa(BH
4)
2を用いて実施した。
【0233】
BAR708:C
26H
46O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 700 MHzにて記録した: δ 3.59 (1H, br s, H-3), 3.57 (1H, dd, J=12.6, 2.3 Hz, H-7), 3.51 (2H, m, H
2-24), 0.98 (3H, s, H
3-19), 0.96 (3H, ovl, H
3-21), 0.96 (3H, t, ovl, H
3-26), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0234】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 175 MHzにて記録した: δ 75.2, 68.3, 63.6, 58.3, 57.1, 45.7 (2C), 44.2, 41.8 (2C), 41.2, 40.0, 37.0, 35.9, 33.3, 31.1, 30.3, 29.4 (2C), 26.6 (2C), 23.2 (2C), 19.3, 13.0, 12.3
【0235】
BAR709:C
26H
46O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 700 MHzにて記録した: δ 3.91 (1H, br s, H-3), 3.60 (1H, br s, H-7), 3.51 (2H, m, H
2-24), 2.45 (1H, t, J= 13.3 Hz, H-4a), 0.97 (3H, s, H
3-19), 0.97 (3H, ovl, H
3-21), 0.95 (3H, t, J= 7.4 Hz, H
3-26), 0.71 (3H, s, H
3-18)
【0236】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 175 MHzにて記録した: δ 72.8, 67.4, 63.4, 57.2, 51.3, 51.2, 43.2, 41.6, 40.5, 37.3, 37.1 (2C), 36.9, 34.0, 33.3, 32.1, 30.3, 29.3, 28.9, 28.6, 26.3, 24.9, 22.0, 19.3, 13.8, 12.1
【0237】
実施例2H.6α−エチル−7α−ヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オイック酸(BARn704)、6α−エチル−7α−ヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オイルタウリン硫酸ナトリウム(BARTn704)、6α−エチル−7α−ヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BARn701)及び6α−エチル−7α−ヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−イル23−硫酸ナトリウム(BARn701solf)
【0238】
BARn704、BARTn704、BARn701及びBARn701solfを、15から出発して、それらのC24相同体について記載したのと同じ合成プロトコルに従って調製した(実施例2F、工程a〜i)。
【0239】
【化30】
a)MeONa、MeOH; b)p−TsCl、ピリジン、2工程で73%; c)LiBr、Li2CO3、DMF、灌流、d)H
2、Pd(OH)
2、THF/MeOH 1:1、室温、2工程にわたる定量的収率; e)NaOH、MeOH:H
2O 1:1 v/v、80%; f)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、92%; g)DMT−MM、Et
3N、タウリン、DMF乾燥; h)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、70%; i)Et
3N.SO
3、DMF、95℃
【0240】
BAFn704:C
25H
42O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.64 (1H, br s, H-7), 2.41 (1H, dd, J= 11.0, 2.6 Hz, H-22a), 1.00 (3H, d, J= 6.0 Hz, H
3-21), 0.90 (3H, s, H
3-19), 0.87 (3H, t, J= 7.4 Hz, H
3-25), 0.71 (3H, s, H
3-18)
【0241】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した: δ 178.9, 71.6, 57.5, 51.7, 48.6, 43.8, 43.4, 43.3, 41.5, 40.9, 39.1, 37.4, 35.2, 34.6, 29.4, 28.8, 25.0, 24.6 (2C), 23.5, 22.4, 22.0, 20.1, 12.2, 12.1
【0242】
BARTn704:C
27H
46NNaO
5S
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.64 (1H, br s, H-7), 3.59 (2H, t, J= 6.8 Hz, CH
2-N), 2.96 (2H, t, J= 6.8 Hz, CH
2-S), 2.40 (1H, dd, J= 11.0, 2.8 Hz, H-22a), 1.00 (3H, d, J= 6.0 Hz, H
3-21), 0.89 (3H, s, H
3-19), 0.86 (3H, t, J= 7.4 Hz, H
3-25), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0243】
BARn701:C
25H
44O
2
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.66 (1H, br s, H-7), 3.61 (1H, m, H-23a), 3.54 (1H, m, H-23b), 0.96 (3H, d, J= 6.7 Hz, H
3-21), 0.91 (3H, s, H
3-19), 0.89 (3H, t, J= 7.3 Hz, H
3-25), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0244】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した: δ 71.5, 60.8, 57.8, 51.7, 48.6, 43.8, 43.3, 41.5, 41.1, 39.9, 39.2, 37.4, 34.5, 34.2, 29.4, 28.8, 25.0, 24.6 (2C), 23.5, 22.5, 22.0, 19.4, 12.2, 12.1
【0245】
BARn701solf:C
25H
43NaO
5S
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 4.02 (2H, m, H
2-23), 3.65 (1H, br s, H-7), 0.97 (3H, d, J= 6.7 Hz, H
3-21), 0.91 (3H, s, H
3-19), 0.88 (3H, t, J= 7.5 Hz, H
3-25), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0246】
実施例2I.6α−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オイック酸(BARn710)、6α−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オイルタウリン硫酸ナトリウム(BARTn710)、6α−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オール(BARn706)、及び6α−エチル−3β,7α−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−イル23−硫酸ナトリウム(BARn706solf)
【0247】
【化31】
a)CH
3COOK、DMF:H
2O 5:1 v/v; b)NaOH、MeOH:H
2O 1:1 v/v; c)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、2工程で58%; d)DMT−MM、Et
3N、タウリン、DMF乾燥; e)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、57%; f)Et3N.SO
3、DMF、95℃
【0248】
BARn710、BARTn710、BARn706及びBARn706solfを、24から出発して、それらのC24同族体について記載したものと同じ合成プロトコルに従って調製した(実施例2G、工程c〜g)。
【0249】
BARn710:C
25H
42O
4
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.97 (1H, br s, H-3), 3.66 (1H, br s, H-7), 2.42 (1H, dd, J= 11.3, 3.3 Hz, H-22a), 1.02 (3H, d, J= 6.0 Hz, H
3-21), 0.94 (3H, s, H
3-19), 0.91 (3H, t, J= 7.3 Hz, H
3-25), 0.73 (3H, s, H
3-18)
【0250】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した:δ 177.7, 71.3, 67.4, 57.4, 51.8, 43.8 (2C), 42.8, 41.5, 41.2, 41.0, 37.0, 35.1, 33.8, 31.3, 31.2, 29.4, 28.3, 24.6, 24.2, 23.3, 22.2, 20.0, 12.2, 12.1
【0251】
BARTn710:C
27H
46NNaO
6S
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.97 (1 H, br s, H-3), 3.66 (1 H, br s, H-7), 3.59 (2H, t, J= 6.8 Hz, CH
2-N), 2.96 (2H, t, J= 6.8 Hz, CH
2-S), 2.42 (1H, dd, J= 11.3, 3.3 Hz, H-22a), 1.00 (3H, d, J= 6.3 Hz, H
3-21), 0.94 (3H, s, H
3-19), 0.90 (3H, t, J= 7.0 Hz, H
3-25), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0252】
BARn706:C
25H
44O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.97 (1H, br s, H-3), 3.67 (1H, br s, H-7), 3.61 (1H, m, H-23a), 3.55 (1H, m, H-23b), 0.97 (3H, d, J= 6.6 Hz, H
3-21), 0.95 (3H, s, H
3-19), 0.91 (3H, t, J= 7.4 Hz, H
3-25), 0.71 (3H, s, H
3-18)
【0253】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 100 MHzにて記録した: δ 71.4, 67.4, 60.8, 57.9, 51 .8, 43.8, 42.8, 41.5, 41 .2, 41.1 , 39.9, 37.0, 34.2, 33.8, 31.3, 31.2, 29.4, 28.3, 24.6, 24.2, 23.3, 22.3, 19.4, 12.2, 12.1
【0254】
BARn706solf:C
25H
43NaO
6S
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 4.05 (2H, m, H
2-23), 3.97 (1H, br s, H-3), 3.66 (1H, br s, H-7), 1.00 (3H, d, J= 6.0 Hz, H
3-21), 0.94 (3H, s, H
3-19), 0.91 (3H, t, J= 6.9 Hz, H
3-25), 0.71 (3H, s, H
3-18)
【0255】
実施例2J.6α−エチル−3α,7α−ジヒドロキシ−25,26−ビスホモ−5β−コラン−26−オイック酸(BAR802)、6α−エチル−3α,7α−ジヒドロキシ−25,26−ビスホモ−5β−コラン−26−オール(BAR803)及び6α−エチル−3α,7α−ジヒドロキシ−25,26−ビスホモ−5β−コラン−26−イル−26−硫酸ナトリウム(BAR804)
【0256】
【化32】
a)2,6−ルチジン,t−ブチルジメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート、CH
2Cl
2、0℃; b)LiBH
4、MeOH乾燥、THE、0℃、2工程で68%; c)DMSO、塩化オキサリル、TEA乾燥、CH
2Cl
2、−78℃、次にメチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート、79%; d)H
2、Pd(OH)
2/C Degussa型、THE/MeOH 1:1、定量的収率; e)HCl 37%、MeOH 87%; f)MeOH/H
2O 1:1 v/v中のNaOH 5%、89%; g)LiBH
4、MeOH乾燥、THF、0℃、78%; h)Et3N.SO
3、DMF、95℃、25%
【0257】
BAR802−804は、実施例1Aの工程a〜gと同じ合成プロトコルに従って調製した。実施例1Bの工程gと同じ操作条件下でBAR803の少量のアリコートを硫酸化してBAR804を得た。
【0258】
BAR802:C
28H
48O
4
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.66 (1H, br s, H-7), 3.31 (1H, m ovl, H-3), 2.24 (2H, t, J= 7.3 Hz, H
2-25), 0.95 (3H, d, J= 6.4 Hz, H
3-21), 0.92 (3H, s, H
3-19), 0.91 (3H, t, J= 6.9 Hz, H
3-28), 0.70 (3H, s, H
3-18)
【0259】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 175 MHzにて記録した: δ 186.7, 73.3, 71.3, 57.7, 51.7, 47.0, 43.7, 43.1, 41.6, 41.1, 37.1, 36.9, 36.8, 36.6, 34.5, 34.4 (2C), 31.3, 29.4, 27.0 (2C), 24.6, 23.8, 23.5, 22.0, 19.2, 12.2, 12.0
【0260】
BAR803:C
28H
50O
3
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.64 (1H, br s, H-7), 3.53 (2H, t, J= 6.6 Hz, H
2-26), 3.30 (1H, m ovl, H-3), 0.94 (3H, d, J= 6.7 Hz, H
3-21), 0.91 (3H, s, H
3-19), 0.90 (3H, t, J= 7.0 Hz, H
3-28), 0.68 (3H, s, H
3-18)
【0261】
13C NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 175 MHzにて記録した: δ 73.3, 71.3, 63.1, 57.7, 51.7, 47.0, 43.7, 43.1 , 41.6, 41.1, 37.1, 36.8 (2C), 36.6, 34.5, 34.4, 33.7, 31.3, 29.5, 27.4, 27.0, 24.6, 23.8, 23.5, 22.0, 19.3, 12.3, 12.0.
【0262】
BAR804:C
28H
49NaO
6S
1H NMRは、溶媒としてCD
3ODを使用してVarian Inova 400 MHzにて記録した: δ 3.99 (2H, t, J= 6.6 Hz, H
2-26), 3.65 (1 H, br s, H-7), 3.31 (1 H, m ovl, H-3), 0.94 (3H, d, J= 6.2 Hz, H
3-21), 0.91 (3H, s, H
3-19), 0.90 (3H, t, J= 7.0 Hz, H
3-28), 0.69 (3H, s, H
3-18)
【0263】
生物学的活性。選択された化合物の活性を、ケノデオキシコール酸(CDCA)及びTLCAと比較してFXR及びTGR5/GPBAR1に対し、表1に示す化合物の選択性を確立するためにレポーター遺伝子でトランスフェクトした全細胞モデルを用いてインビトロで試験した。CDCAはFXRの内因性リガンドとして機能する一次胆汁酸であり、TLCAはTGR5/GPBAR1の生理学的リガンドである。このアッセイにおいて、10%ウシ胎児血清(FBS)、1%L−グルタミン、及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するアールス塩(Earl’s salts)を用いてHepG2細胞(肝臓由来細胞株)を37℃にて最小必須培地で培養した。HEK−293T細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、1%L−グルタミン、及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するD−MEM中で37℃にて培養した。トランスフェクション実験は、製造仕様に従ってFugene HDを用いて行った。細胞を24ウェルプレートに5×10
4細胞/ウェルで播種した。FXRが介在するトランス活性化のために、100ngのpSG5−FXR、100ngのpSG5−RXR、100ngのpGL4.70ヒトレニラ(Renilla)遺伝子をコードするベクター及び250ngの、熱ショックタンパク質27(hsp27)のプロモーターからクローニングされたFXR応答エレメントIR1を含むレポーターベクターp(hsp27)−TK−LUCをHepG2へトランスフェクトした。
【0264】
GPBAR1を介在するトランス活性化のために、ルシフェラーゼレポーター遺伝子luc2Pの転写を駆動するcAMP応答エレメント(CRE)を含むレポーターベクターである200ngのpGL4.29、100ngのpCMVSPORT6−ヒトGPBAR1、及びヒトレニラ遺伝子をコードするベクターである100ngのpGL4.70をHEK−293T細胞にトランスフェクトした。対照実験では、化合物がGPBAR1非依存的にCREを活性化する可能性を排除するために、HEK−293T細胞にベクターpGL4.29及びpGL4.70のみをトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞を、対照薬剤として10μM TLCA又は同じ濃度で、推定GPBAR1アゴニストにて18時間刺激した。処理後、100μLの溶解緩衝液(25mM Tris−リン酸、pH7.8;2mM DTT;10%グリセロール;1%Triton X−100)中で細胞を溶解し、20μLの細胞溶解物についてルシフェラーゼアッセイシステムを用いて、ルシフェラーゼ活性をアッセイした。発光は、Glomax 20/20ルミノメーターを用いて測定した。ルシフェラーゼ活性はレニラ活性に対して標準化された。GPBAR1/TGR5のFXRに対する拮抗作用は、アゴニズムの例としてTLCAの活性を示すトランス活性化アッセイにおける活性のパーセントとして測定した。
【0265】
動物及びプロトコル。GPBAR1ヌルマウス(GPBAR1−B6=GPBAR12/2マウス、C57BL/6NCrlバックグラウンドに直接作製)、及びC57BL/6NCrlの同系同腹仔を、制御された温度(22℃)及び光周期(12時間:12時間 明/暗サイクル)で飼育し、標準的なマウス飼料及び水道水への無制限のアクセスを可能にし、実験を行う前にこれらの状態に少なくとも5日間順応させた。
【0266】
スクラッチテスト。この研究には、雄のGPBAR1
−/−マウス及びその同系同腹子(8〜12週齢)を用いた。頚部の基部の毛皮を剃り、マウスをガラス棚の個々のシリンダーに入れた。直径約0.5cmの円周を頚部に描き、この領域に試験剤を注射した。実験前の2日間連続して2時間にわたって、マウスを、実験室、拘束装置及び研究者に順応させた。スクラッチング行動は、試験した薬剤又は遺伝子型を知らない2人の観察者によって定量化した。スクラッチは、注射部位に後肢を持ち上げた後、ストローク数にかかわらず、足を床に置くこととして定義された。カウントが30分の間に5回以上のスクラッチが異なった場合、両方の観察者は記録を再評価した。結果は、観察の30分又は60分の間のすくラッチング事象の数として表された。試験された薬剤は:DCA(25μg)、TLCA(25μg)、UDCA(25μg)及びBAR502(25μg)、又はベツリン酸(50μg)、オレアノール酸(50μg)であった。LCA及びDCAをDMSOに溶解し、他の薬剤を0.9%NaCl(10μL)に溶解した。別の実験設定において、GPBAR1
−/−マウス及びそれらの同系同腹子に、オリーブ油に溶解したα−ナフチルイソチオシアネート(ANIT)(25mg/kg、経口)又はオリーブ油単独(対照マウス)又は、ANIT+BAR502の組み合わせ(15mg/kg、1日1回、経口)を10日間投与した。5日目に、自発的引っ掻きをDCA25μgの皮下注射後、60分間評価した。Hitachi717自動分析装置で行われる日常の臨床化学試験により、総ビリルビン、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びアルカリホスファターゼの血清レベルを測定した。エストロゲンモデルでは、腹腔内に10mg/KgにてPEGに溶解した17α−エチニルエストラジオール(17αE
2)又はPEG単独(対照マウス)又は17αE2及びBAR502(15mg/Kg、毎日、経口)の組合せを、8日間投与した。研究の終わりに、25μgのDCAの皮下注射によって誘発された自発的なスクラッチング及びスクラッチングを記録した。胆嚢重量並びにビリルビン及びアルカリホスファターゼの血清レベルもまた測定した。研究を通して、動物は、月曜日から金曜日まで少なくとも1日2回、週末は1回、調査員及び動物施設の獣医師を含む高度に訓練された動物施設職員によって視覚的に評価された。動物を毎日秤量し、指示された時点、又は、7日間で基礎体重の25%を超える体重の減少によって評価されるような臨床状態が重大になる場合に屠殺した。さらに、毎日の評価で、彼らが立ち上がり又は歩行不能であることが示された場合に動物を屠殺した。ペントバルビタールナトリウムの過剰投与(>100mg/kg、腹腔内)によりマウスを安楽死させた。