特表2017-517519(P2017-517519A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-517519(P2017-517519A)
(43)【公表日】2017年6月29日
(54)【発明の名称】抗菌性組成物の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 33/24 20060101AFI20170602BHJP
   A61K 33/38 20060101ALI20170602BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20170602BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20170602BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20170602BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20170602BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170602BHJP
   A61K 31/375 20060101ALI20170602BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20170602BHJP
   A61L 15/20 20060101ALI20170602BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20170602BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20170602BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20170602BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20170602BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20170602BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20170602BHJP
   A01N 59/16 20060101ALI20170602BHJP
   A01N 25/34 20060101ALI20170602BHJP
【FI】
   A61K33/24
   A61K33/38
   A61P31/10
   A61P31/12
   A61P31/04
   A61P31/22
   A61P43/00 121
   A61K31/375
   A61K45/00
   A61L15/20 100
   A61K9/06
   A61K9/14
   A61K9/10
   A61K9/70
   A61K9/70 401
   A01P3/00
   A01P1/00
   A01N59/16 A
   A01N59/16 Z
   A01N25/34 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-569753(P2016-569753)
(86)(22)【出願日】2015年5月28日
(85)【翻訳文提出日】2017年1月23日
(86)【国際出願番号】EP2015061797
(87)【国際公開番号】WO2015181271
(87)【国際公開日】20151203
(31)【優先権主張番号】14170308.2
(32)【優先日】2014年5月28日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】509102177
【氏名又は名称】エージーエックスエックス インテレクチュアル プロパティー ホールディング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ランダウ, ウーベ
(72)【発明者】
【氏名】ローエンロス, ミカエル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C081
4C084
4C086
4H011
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA09
4C076AA22
4C076AA30
4C076AA72
4C076AA77
4C076BB31
4C076CC32
4C076CC34
4C076CC35
4C081AA01
4C081AA03
4C081AA12
4C081BA14
4C081CG07
4C081CG08
4C081DA05
4C081DC03
4C084AA22
4C084MA63
4C084NA14
4C084ZB321
4C084ZB322
4C084ZB331
4C084ZB332
4C084ZB351
4C084ZB352
4C084ZC751
4C084ZC752
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA18
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZB32
4C086ZB33
4C086ZB35
4C086ZC75
4H011AA02
4H011AA03
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4H011BA01
4H011BB18
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4H011DA14
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1種の微生物の感染によって引き起こされる皮膚、皮膚付属器若しくは粘膜疾患の局所治療又は予防のための、金属銀及び金属ルテニウム並びに少なくとも1種のビタミン又は少なくとも1種のビタミン誘導体を含む抗菌性組成物の使用に関する。本発明はまた、金属銀及び金属ルテニウム並びに少なくとも1種のビタミン又は少なくとも1種のビタミン誘導体を含む抗菌性組成物を含む、包帯材料又はパッチに関する。抗菌性組成物(「AgXX」)は、細菌(a:大腸菌)及び真菌(b:病原体酵母及びc:ペニシリウム)に対して広域スペクトル性効果を有する。
a)大腸菌(更に対照としての銀(「Ag」))、
b)カンジダ・パラプシローシス、
c)アオカビ。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の微生物の感染によって引き起こされる皮膚、皮膚付属器若しくは粘膜疾患の局所治療又は予防のための、金属銀及び金属ルテニウム並びに少なくとも1種のビタミン又は少なくとも1種のビタミン誘導体を含む抗菌性組成物の使用。
【請求項2】
前記微生物がウイルス、細菌又は真菌であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記微生物が単純ヘルペスウイルス1型であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記抗菌性組成物が担体材料の少なくとも1つの表面の上に付けられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記担体材料がティシュー、ホイル、メッシュ、包帯材料、圧定布、又はパッチであることを特徴とする、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記担体材料が湿潤性及び/又は透水性であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の使用。
【請求項7】
前記担体材料が水分を貯留するための材料を含むことを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記担体材料が気体及び/又は空気に対して透過性であることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記抗菌性組成物が、ルテニウム層がその上に付けられた少なくとも1つの銀層を含み、前記銀層が、少なくとも1つのサブ領域において前記ルテニウム層によって覆われていないことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記抗菌性組成物が、ルテニウム層で部分的に覆われている少なくとも1つの銀ワイヤー又は少なくとも銀コーティングされたワイヤーを含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
前記抗菌性組成物が銀−ルテニウム−バイメタル粒子を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記抗菌性組成物が、懸濁剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、又は散剤に含まれる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
前記ビタミンが水溶性ビタミンの群からの少なくとも1種の化合物、又は前記化合物の塩若しくは酸性誘導体であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
前記ビタミンがアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体であることを特徴とする、請求項12に記載の使用。
【請求項15】
金属銀及び金属ルテニウム並びに少なくとも1種のビタミン又は少なくとも1種のビタミン誘導体を含む抗菌性組成物を含むことを特徴とする、包帯材料又はパッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の背景]
本発明は、少なくとも1種の微生物の感染によって引き起こされる皮膚、皮膚付属器若しくは粘膜疾患の局所治療又は予防のための抗菌性組成物の使用に関する。また、本発明は、抗菌性組成物を含む包帯材料又はパッチに関する。
【0002】
[背景技術]
国際公開第2008/046513A2号以来、生物活性コーティングには、水又は水溶液の殺菌、消毒及び除染のために使用される銀、ルテニウム、及びビタミンが含有されることが知られている。銀とルテニウム及びビタミン又はその誘導体との組合せは、微生物のより迅速且つより効率的な死滅をもたらす。同時に、これらの生物活性金属表面は、微生物の繁殖及び例えばDNA、RNA又はタンパク質などの問題のある生体分子の付着又は安定した沈着を防止する。コーティングは、水又は水溶液と接触すると非常に迅速且つ効率的に定着し、長期間に渡り、その無菌性を維持する自己清浄性表面を生成する。
【0003】
多くの病原性細菌の抗生物質耐性は、患者の治療において世界的に深刻な問題であり、多くの場合、十分な解決策は現在において存在しない。特に、最大の問題は、泌尿器感染や皮膚の感染の場合に起こる(WHO図書館出版目録データ(2014):抗菌剤耐性:サーベイランスのグローバルレポート、世界保健機関、ISBN978 92 4 156474 8)。そのため、抗生物質を必要しない、細菌感染治療に使用される治療法についての要望が絶えず増大している。
【0004】
しかし、また、ウイルス感染の場合には、既知の治療法の代替法が欠如していることが頻繁にある。一例は、ヘルペス感染症である。全てのドイツ人の85%超は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)に感染しており;約1200万人の感染者(約20%)において、疾病が定期的に発生する。他の国においても、数字はおそらくドイツの場合と同様である。ヘルペスウイルスは、世界的に最も一般的なウイルスと考えられている。ドイツにおいて、口唇ヘルペス(ヘルペス・ラビアリス(Herpes labialis))は、皮膚疾患の最も一般的な形態の一つである。一次感染は、6歳になる以前の液滴又は接触感染の形態であり、通常は見過ごされている。一次感染後、ウイルスは一生、人の体内に残存している。ヘルペスの発症期間は約10〜14日で、5つの異なる段階を経る:かゆみ段階、水疱/進行段階、水分/破裂段階、痂皮形成段階、及び治癒/回復段階。
【0005】
現在において、単純ヘルペスウイルス1型の治療は世界的に二つの異なる戦略で構成されている:疾病の経過中に症状を軽減するための構成成分を有するヴァイロスタティカ(Virostatica;軟膏剤、錠剤、懸濁剤)及びヘルペスパッチである。活性物質としてアシクロビル及びペンシクロビルが含まれる。両物質はクリーム剤や錠剤の形態で利用可能である;それらは、活性物質が感染細胞のみで活性化されることにより、細胞の代謝を阻害する。ヘルペスパッチはハイドロコロイド療法に基づいて作用する;それらは、患部に付けられる。それらはよく接着しなければならず、可能な限り人目につかないようでなければならない。パッチには、疾病の経過を緩和し、かゆみ、腫れ及び発赤などの症状を軽減する物質が含まれる。
【0006】
しかし、今まで使用される治療方法及び活性物質は、疾病の経過に著しい影響を与えることはなく、口唇ヘルペスの不快な症状を緩和するのみである。それが、その最初の徴候(うずき、皮膚の伸長又は腫れ)の直後の口唇ヘルペスの発症を減少させ、続く段階の水疱の形成の開始を防止する治療アプローチの探索が続けられている理由である。
【0007】
[発明の説明]
本発明の目的は、少なくとも1種の微生物の感染によって引き起こされる皮膚、皮膚付属器若しくは粘膜疾患の局所治療又は予防のための代替的な活性物質及び/又は材料を提供することである。
【0008】
本発明によれば、この目的は、金属銀及び金属ルテニウム並びに少なくとも1種のビタミン又は少なくとも1種のビタミン誘導体を含む抗菌性組成物の適切な治療的及び予防的使用により達成される。驚くべきことに、ビタミンによって活性化された場合、貴金属、銀、及びルテニウムの組合せは、試験した全ての微生物に対して殺菌効果を有し、皮膚、皮膚付属器又は粘膜感染症の局所治療に極めて適していることが見出された。これは動物だけでなく、ヒトにも適用される。抗菌性組成物の局所適用は、微生物によって引き起こされる疾病を迅速且つ穏やかに治癒することができることを意味する一方で、他方では、開放創などのリスクのある皮膚領域を、感染を予防するように非常に効果的に治療することができることを意味する。金属銀及び金属ルテニウム並びに少なくとも1種のビタミン又は少なくとも1種のビタミン誘導体を含む組成物は、微生物に対して特異的に作用し、治療された皮膚又は粘膜細胞について及び皮膚付属器について無害である。
【0009】
例えば、微生物は、ウイルス、細菌又は真菌であってもよい。抗細菌性組成物のこれらのタイプの微生物に対する、及び場合によっては、それらの胞子状態に対する有効性が、多くの試験において確認できた。ドイツとスペインからの13人の微生物学者による、29の異なる細菌を使用した抗細菌性組成物及び銀の調査に示されるように、抗細菌性組成物は、例えば、銀とは対照的に、抗生物質耐性菌に対して非常に有効である効果を有し、バイオフィルムの形成を非常に効果的に防止する。以下により詳細に説明するように、抗菌性組成物は、真菌に対しても、及び藻類に対してさえも有効である。
【0010】
例えば、微生物は、主に口唇ヘルペス(ヘルペス・ラビアリス)の原因として知られている単純ヘルペスウイルス1型(Herpes simplex 1)(ヒトヘルペスウイルス1(Humanes herpes virus1)=HSV−1)とすることもできる。しかし、また、性器ヘルペス感染症(性器ヘルペス=陰部ヘルペス)の約20〜30%がHSV1によって引き起こされる。口唇ヘルペス発生の治療を行わなければ、回復までの期間は10〜14日である。従来のヘルペスクリーム剤は、治癒の過程を変化させないか、わずか(0.5〜2.0日まで)しか変化させないことが研究により示されている。しかし、患者にとって、唇の上、又は顔のヘルペス水疱は、物理的、心理的及び社会的ストレスを構成する。それゆえ、患者は疾病の経過の短縮を最優先している。金属銀及び金属ルテニウム並びに少なくとも1種のビタミン又は少なくとも1種のビタミン誘導体を含む抗細菌性組成物は、単純ヘルペスウイルス1型に対して非常に効果的であるため、最初の症状が現れた後1日以内にヘルペスを完全に阻止することが実証されている。すでに市販されているヘルペス治療溶液剤とは対照的に、抗菌性組成物は、数日(8.5〜12日)ヘルペス病を短縮することができる。
【0011】
しかし、例えば、微生物は、性器ヘルペスの症状(陰茎、膣及び肛門領域)の大部分の原因である単純ヘルペスウイルス2型(Herpes simplex 2 virus)(ヒトヘルペス2ウイルス(Humanes herpes2virus)=HSV2)であってもよい。金属銀及び金属ルテニウム並びに少なくとも1種のビタミン又は少なくとも1種のビタミン誘導体を含む抗細菌性組成物はまた、単純ヘルペスウイルス2型に対して非常に有効であり、したがって、性器ヘルペス(陰部ヘルペス)に対しても有効な薬剤である。
【0012】
本発明の有用な実施形態において、担体材料の少なくとも1つの表面に抗菌性組成物が付けられることが提供される。例えば、担体材料は、ティシュー、ホイル、メッシュ、包帯材料又はパッチ(プラスター、バンドエイド(band−aid)(商標))であってもよい。担体材料は、少なくとも部分的に、金属、プラスチック、ガラス、セラミック、天然繊維又は他の適切な材料からなっていてもよい。
【0013】
例えば、担体材料は、湿潤性及び/又は透水性であるようでもよい。水分は、抗菌性組成物の効果を促進又は増加させ、したがって、担体材料が水分を吸収することができ、水分貯留材料として実質的に機能することができる場合には、有利である。付加的又は代替的に、担体材料はまた、透水性であるようにすることでもよく、そのことで抗菌性組成物及び/又は皮膚若しくは粘膜表面が担体材料で覆われていても、外部から湿潤性であるようにする。
【0014】
本発明の有用な実施形態において、担体材料は、水を含有するが水不溶性(いわゆるハイドロゲル)であるポリマーなどの水分を保持する材料をも含むこともできる。
【0015】
本発明の別の有用な実施形態は、抗細菌性組成物の有効性について、例えば酸素は特に有用であるため、担体材料は気体及び空気透過性であることを提供する。
【0016】
本発明の別の有用な実施形態は、抗菌性組成物が、少なくとも1つのルテニウム層が付けられた少なくとも1つの銀層であって、少なくとも1つの部分的セクターにおいてはルテニウム層によって被覆されていない銀層を含むことを可能にする。これは、例えば、島(island;アイランド)又はポッド、いわばクラスタの形態で、ルテニウム層が銀層に付けられることを許容する。これは、抗細菌性組成物の最適な有効性を保証することができる。
【0017】
例えば、抗細菌性組成物は、銀含有表面若しくは銀含有担体材料に、ルテニウム層を付けることによって、又は担体材料に銀コーティングを付けることによって、及びその後に銀コーティングにルテニウム層を付けることによって、又は表面若しくは担体材料にルテニウム/銀粒子を付けることによって作成することができる。このようにして作成したAg/Ru表面は、その後、少なくとも1種のビタミン又は少なくとも1種のビタミン誘導体を付けることによって活性化される。必要であり得る層、すなわち、ルテニウム層及び銀の下層(厚さ、通常2〜10μm)は好ましくは、ガルバニック堆積によって付けられるか、又は電気メッキによって付けられる。PVD、CVD、スパッター、ゾル−ゲル及び還元処理方法などの他のコーティング方法もまた、目的に適しためっきプロセスである。
【0018】
本発明の別の有用な実施形態において、抗菌性組成物は、ルテニウム層で部分的に覆われた、少なくとも1つの銀ワイヤー又は少なくとも銀コーティングされたワイヤーを含むことが提供される。銀ワイヤーの代わりに、例えば、銀コーティングされた高品位のスチールワイヤーを使用することができ、その後、ルテニウムで部分的にコーティングされる。
【0019】
このAg/Ruワイヤーは、その後、少なくとも1種のビタミン又は少なくとも1種のビタミン誘導体を付けることによって活性化される。その後、ワイヤー状の抗菌性組成物は、例えば、処理され、メッシュ又はふるいの構成要素として使用することができる。
【0020】
銀含有表面又は銀表面を含むことができるルテニウムでコーティングされる表面は、例えば、薄膜銀含有コーティングを適用した任意の材料(例えば、金属又はプラスチックなど)とすることができ、それは、付けられた外側のルテニウム層と共に、銀又は銀合金の副層又は基盤と透水性又は透湿性ルテニウムの外側層、トップ層又はコーティング層とで、効果的なルテニウム/銀サンドイッチシステムを形成する。
【0021】
本発明の別の有用な実施形態において、抗菌性組成物は、ビタミン又はビタミン誘導体で再処理された銀/ルテニウム−バイメタル粒子を含むことが提供される。このような粒子は、例えば、散剤、懸濁剤、クリーム剤、軟膏剤又はゲル剤の構成要素として使用することができる。
【0022】
本発明の別の有用な実施形態では、抗菌性組成物は、いかなる形態であれ、懸濁剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤又は散剤に含有され、ヒト又は動物における皮膚、皮膚付属器又は粘膜の微生物疾病の局所治療のために使用されることが提供される。
【0023】
本発明の別の有用な実施形態において、ビタミンは、水溶性ビタミンの群からの少なくとも1種の化合物又はその化合物の塩若しくは酸誘導体であることが提供される。本発明のこの実施形態において、銀の既知の微量作用効果以外に、完全に異なる活性メカニズムが原因の、組成物の抗菌効果は、例えば、銀及びルテニウム並びにアスコルビン酸又はその誘導体などのビタミンの組合せにより、かなり改善される。抗細菌性組成物は、微生物のより迅速及びより効率的な死滅をもたらす。同時に、このような抗細菌性組成物は、傷つきやすいか又は弱体化した皮膚及び粘膜表面の微生物での感染並びに皮膚又は粘膜上へのDNA、RNA又はタンパク質などの生体分子の付着又は安定した沈着を防ぐ。
【0024】
例えば、銀/ルテニウム表面は、少なくとも1種の水溶性ビタミンで処理することができるか、又は、そのような物質によって表面が活性化され、組成物の予想外に強力な抗菌効果を引き起こすような物質若しくは追加の物質を含む。驚くべきことに、非分解の水溶性ビタミンのみが、銀及びルテニウムとともに予想外の抗菌効果をもたらすことも見出された。例えばアスコルビン酸を用いた、ルテニウムコーティングされた銀表面の再処理は、表面を著しく変化させ、古典的な銀テクノロジーとは全く異なるメカニズム(古典的な微量作用銀テクノロジー=銀イオンの放出)に従って作用するように抗菌効果をもたらすことが多くの測定により示された。抗菌性組成物の効果は、微小電界に由来し、純粋な銀/ルテニウム表面を、活性化された抗菌性組成物と比較したときに、例えば、表面の濡れ挙動が明らかに変わるという指摘がある。EM原子間力顕微鏡を用いた測定において、銀/ルテニウムと水溶性ビタミンとの組合せを介して微小電界が確立し、これは純粋な銀/ルテニウム表面で観察されなかったものであるという明確な示唆を与える有意差が見出されている。Hなどの酸素フリーラジカル(英語:活性酸素種=ROS)の形成をもたらすカソード酸素還元がある。同時に、抗細菌性組成物は、硫化物及び塩化物に対して反応抵抗性である化学的に非常に安定な表面の形成をもたらす。長年に渡る多様な水溶液(例えば、冷却用潤滑液、腐食防止剤及びほとんどの様々な種類の乳化剤を含む処理水、又は尿)への抗細菌性組成物の抗菌的使用において、長期的で強力な抗菌有効性を伴った高い安定性が確認されている。
【0025】
本発明の別の有用な実施形態において、ビタミンはアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体であることが提供される。
【0026】
本発明によれば、金属銀及び金属ルテニウム並びに少なくとも1種のビタミン又は少なくとも1種のビタミン誘導体を含む抗菌性組成物を含有する包帯材料又はパッチ(プラスター、バンドエイド(商標))によっても目的は達成される。このような包帯又はパッチは、皮膚、皮膚付属器又は粘膜の疾病の効果的な治療のため、並びに特定の感染症のリスクがある開放創などの皮膚領域を保護するためにも、抗菌性組成物の適用及び局所使用について有利に適している。
【0027】
本発明の意味において、「局所治療」は、いわゆる全身治療、すなわち、輸液又は錠剤などの薬物を使用する治療とは対照的に、治療効果を有するべき場所での活性メカニズムの適用を意味する。したがって、局所治療は、皮膚科、眼科、耳鼻科及び婦人科において特に使用される治療法、すなわち、皮膚、角膜又は粘膜などの外部からアクセス可能な身体領域についての治療法の局所形態である。局所治療の形態は、活性物質又はメカニズムが、健康な皮膚や粘膜を助命しながら、それらが必要とされる場所にのみ有効となるという利点を有する。この局所適用のおかげで、多くの全身性の副作用もまた防止することができる。
【0028】
本発明の意味で使用される用語「皮膚」は、他の機能の中で内側から身体の外側の輪郭を描写することに役立つヒト又は動物の身体の外部器官を含む。用語「皮膚」には、器官の全ての層、特に表皮(角質層)、真皮及び皮下組織が含まれる。本発明の意味において、特に「皮膚」という用語はまた、唇及び陰唇及び外側及び中耳の表面を含む。
【0029】
本発明の意味における用語「皮膚付属器」には、ヒト又は動物の、皮脂腺を伴う毛髪及び立毛筋(hair arrector muscles;マスキュラス・アレクトル・ピリ(Musculus arrector pili))、爪、角並びに(乳腺を含む)汗腺が含まれる。
【0030】
本発明の意味における用語「粘膜」には、ヒト又は動物の身体の中空器官の内部を裏打ちし、粘液を生産又は分泌する保護層(粘膜)、特に、結膜、口腔粘膜、包皮及び膣粘膜が含まれる。
【0031】
下記に本発明を、実施例により、及び図面を参照することにより、詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】ハイドロゲルバックグラウンド(水分保持)上に抗菌性組成物でコーティングされた自己接着性ホイルの写真画像を示す図である。
図2】抗菌性組成物を付けられた担体材料の写真画像を示す図である。
図3】抗菌性組成物で治療された口唇ヘルペスの治癒過程の写真画像を示す図である。
図4】抗菌性組成物(「AgXX」=活性化されたAg/Ru組成物)でコーティングされた担体材料の周囲の微生物コロニーを含む培養物の写真画像を示す図である;a)大腸菌(更に、対照としての銀(Ag))、b)カンジダ・パラプシローシス(Candida parapsilosis)、c)アオカビ(Penicillium notatum)。
図5】粉末状の抗細菌性組成物及びナノシルバー(暗い領域)に15分暴露後の酵母細胞の顕微鏡画像を示す図である;a)活性化されたAg/Ru組成物、b)ナノシルバー(対照)。
図6】死滅した酵母細胞(濃い灰色)及び死ぬ前の細胞(明るい細胞)の拡大断面(長方形の囲み)を示す図である。並びに、
図7】抗菌性組成物(暗い円)でコーティングされたビーズの周囲の藻類細胞の顕微鏡画像を示す図である;(a)実験の開始時、(b)3分後。
【0033】
[実施例の説明及び発明の好ましい態様]
図1は、ハイドロゲルバックグラウンドに抗菌性組成物でコーティングされた自己接着性ホイルの写真画像を示す図である。この実施形態において、活性化された抗菌性Ag/Ru組成物のための担体材料は、自己接着性ホイルであり、そのことにより、治療されるべき皮膚などの表面に組成物が容易に付けられることが可能となる。ここにおいて、又は同様に、抗細菌性組成物は、救急絆創膏又はパッチ(プラスター、バンドエイド(商標))の形態で付けることができる。ハイドロゲルバックグラウンドが抗菌性組成物の効果を促進又は増大させる水分を保持するのに役立つ。
【0034】
図2は、抗菌性組成物が付けられた担体材料の写真画像を示す図である。ここで、担体材料は、口唇ヘルペスの局所治療のために、ヒト患者の唇の皮膚に適用した。
【0035】
図3は、抗菌性組成物で治療された口唇ヘルペスの治癒過程の写真画像を示す図である。開始している口唇ヘルペスの最初の症状の後、活性化された抗菌性Ag/Ru組成物を有する担体材料を、ヒト患者の唇の皮膚に適用し(右図)、数時間の期間をかけて疾病の経過を記録化した(左図)。本発明による抗菌性組成物の皮膚への局所適用により、24時間未満以内に症状がすでに完全に消えることがわかった。本発明によるヘルペスパッチを使用すると、疾病の経過が明らかに短縮し、パッチが時間通りに適用された場合には、段階3〜5のヘルペス発症は全く起こらない。以前のヘルペス製品と比較して、ヘルペス治療の間に担体材料を再使用できることは明らかな利点である。両方の要因は、患者にとって生活品質及びコスト削減の面で明確な利点を意味する。
【0036】
図4は、抗菌性組成物でコーティングされた担体材料の周囲の微生物コロニーの培養の写真画像を示す図である。抗菌性組成物は、細菌(a:大腸菌)及び真菌(b:病原性酵母及びc:ペニシリウム)に対して広帯域の効果を有することがわかった。ここで、問題の微生物が寄生した培養物上に置かれた、コーティングされたワイヤーメッシュの形態での抗菌性組成物を使用した。36時間(106/ml、30℃)のインキュベーション時間の後、細菌を含まない特徴的な小域が、本発明によるワイヤーメッシュ部分の全ての周囲に示され、コーティングされたワイヤーメッシュの抗菌効果を証明している。対照的に、微孔性銀コーティングを施したワイヤーメッシュ(a:左−対照)では、微生物を死滅させることができず、微生物によって完全に覆われていることがわかった。
【0037】
図5は、粉末状の抗細菌性組成物(暗い領域)に15分間暴露後の死滅した酵母細胞を示す図である。酵母細胞が存在していた水溶液は、死滅した細胞にのみ細胞壁を通して浸透し得る色素(メチレンブルー)を含有した。細胞で変化したpHにより、色素が反応し、その特徴的青色が形成する。図5aにおいて、酵母細胞を活性化されたAg/Ruの粉末と接触させた。15分後、粉末状の抗菌性組成物の周り約50μm以内の全ての酵母細胞は、メチレンブルー色素により染色されていた。細胞が死んで、それらの細胞壁が破損している際にのみ色素が細胞を透過することができるため、この色素効果は酵母細胞が死滅したことを示す。染色プロセスには時間がかかるので、酵母細胞は、15分未満以内に死滅した。対照的に、ナノシルバーの効果(図5b:対照)では、微生物は60分後であっても死滅していなかった。個々の死んだ酵母細胞は、実験の開始時にすでに死滅しており、死滅した微生物についての色素もこの水溶液に存在していたことを示すのみである。
【0038】
図6は、死滅した酵母細胞(濃い灰色)及び死ぬ前の細胞(明るい細胞)を含む拡大断面(長方形の囲み)を示す図である。細胞壁の暗い点は、孔と解釈することができる。青色の着色には細胞が死滅してからしばらく時間がかかるため、拡大断面に見られる明るい細胞はすでに死んでいるが、未だ着色されていない可能性がある(膜中の最初の暗い点が示す通り)。
【0039】
図7は、抗菌性組成物(暗い円)でコーティングされたビーズの周囲の藻類細胞の顕微鏡画像を示す図である。実験の開始時(図7a)において、藻類は無傷のままである一方で、3分後にすでに、死んだ藻類細胞が全てのビーズ(図7b)の周りに見られた。したがってこれは、本発明による活性化されたAg/Ru組成物を使用することにより、藻類細胞をも死滅させることを示す。
【0040】
ここに示されていない他の実験において、本発明による活性化されたAg/Ru組成物の使用により、レジオネラにも抗菌効果を有することもまた示すことができた。
【0041】
行われた全ての実験は、抗菌性組成物が問題の微生物の細胞壁及び/又は細胞膜の破壊を明らかにもたらし、細胞の修復不能な損傷を引き起こし、それらを効果的に死滅させることを明らかにした。
【0042】
この強力な抗菌効果にもかかわらず、活性化されたAg/Ru組成物の本発明の使用は、それで治療されたヒト又は動物に対して無害である。抗菌的にコーティングされたガラスビーズを用いた細胞毒性の研究において、実験はMRC−5細胞株を用いて行われた。実験は、ISO10993、ISO10993−12並びにUSPチャプター87及び1031に従って行った。検査は、無害と考えられているレベル1細胞毒性効果(わずかな細胞毒性)を示し、したがって、ヒト患者における適用が可能である。
【0043】
ラットを用いた最初のインビボ実験により、抗菌性組成物の適合性が確認された。実験は、活性化されたAg/Ruガラスビーズを用い、ラットの膀胱において行った。泌尿器のために抗菌性組成物を使用することを否定するような細胞毒性的に否定的な所見は認められなかった。
【実施例】
【0044】
ヘルペスパッチとしての抗菌性組成物の使用:
単純ヘルペス1型は、自己限定の疾病である。抗ウイルス療法は、絶対に必要というわけではない。再発に苦しむ多くの患者は、医師の診療を受けるのではなく、市販薬を利用している。単純ヘルペスウイルスについてはヨーロッパの人口のほぼ90%の感染率、罹患人口の30%に至る年間発生率であり、最も効果的な治療法についての問題が幾度も発生している。特に単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)は蔓延しており、皮膚における上皮細胞及び口領域の関連ニューロンの典型的な感染のために、感染者にとってストレスが多い。アメリカの研究では、感染患者の約30%において内因性の再感染を示し、1%近くの繰り返し感染率である。ほとんどの場合、感染は唇の上及び唇の周りに発生する。その広範な分布のために、単純ヘルペス疾患は、感染者にとっての健康問題であるだけでなく、社会的ストレス因子でもある。市場におけるヘルペス製品はこれまでのところ、疾病の経過の短期減少を達成するだけであり、ヘルペス唇水疱形成の症状を緩和することができるのが関の山である。
【0045】
多種多様な担体材料上への活性化Ag/Ru組成物の有利な適用可能性により、全く新しいタイプのヘルペスパッチの概念が可能となる。基本的な担体は、医療技術において慣用であり市販品の微孔性ポリマーホイルであり、一方の側に皮膚適合性接着剤が提供されている。それには、ハイドロゲルの薄膜が付けられており、それは、水分貯留物として機能する活性化された銀/ルテニウムでコーティングされた担体材料(ティシューなど)への十分な接着性を与える。水分は、抗菌性組成物の有効性を増大させる。また、Ag/Ruティシューは、ヘルペスパッチの接着強度が治療領域からなくなれば、すぐに別の担体ホイルに付けるためにゲルから容易に除去することができる。
【0046】
新規のAg/Ruパッチは、古典的なパッチと同様の様式で、顔の患部に付けられる。抗菌性組成物の有効性は水分によって支持されているので、水分もまた、水で透湿パッチを濡らすことにより、外部から付けることができ、したがって、活性化されたAg/Ruホイル及び皮膚に水分をもたらす。
【0047】
ペンシクロビル物質の欠点は、2時間ごとに適用しなければならないということである。最もよく知られているヘルペスパッチは、ヘルペスパッチミストが置き換えられた後、ヘルペス部位で最大8時間の接着力を有する。本発明によるAg/Ruパッチについては、パッチはヘルペス部位でおよそ同じ有効期間を有する。しかし、活性媒体(Ag/Ruティシュー)は、新しいAg/Ruティシューを使用する必要がなく、1つの接着担体から次の接着担体へと移動されるのみである。これは、治癒期間全体の間に、1つだけのAg/Ru活性媒体で十分であることを意味する。接着担体のみが新しく変えられるため、かなりの費用優位性を表している。更に、その適用は非常に容易に完結される。
【0048】
我々自身で行った種々の実験において、Ag/Ruヘルペスパッチの高い有効性が何回も確認された(図3参照)。
【0049】
本発明によるAg/Ruパッチ及びその使用の利点:
ヘルペスの抑制成功までの短い適用期間、
単純な操作、
副作用がないことが期待されること、
従来の抗ヘルペスシステムと比較して、完全に新しい活性メカニズム、
このAg/Ruヘルペスパッチは、特別に設計された貴金属及びビタミン誘導体のコーティングシステムに基づいている。この構造化された材料の組合せは、活性化されたAg/Ruのシステムについて微生物に対する非常に高い程度の有効性を提供する。重要な部分は、Ag/Ru表面の触媒効果を強化したAg/Ru表面の微小電界の形成により推測される。
ヘルペスパッチについてのAg/Ru表面は、主にロール・ツー・ロールコーティングプロセス(roll to roll coating process)において自動的に生成される。
【0050】
バンドエイド(商標)(プラスター)タイプの形態のパッチの抗菌性組成物の使用への代替として、以下の適用の形態もまた可能である。
【0051】
軟膏剤(脂肪軟膏剤を含む)、クリーム剤、ローション/ミルク剤、液剤(例えば、溶液剤及び/又は懸濁剤;水、アルコール又は芳香族化合物を基剤とする)、撹拌混合物(ローション剤)、固形剤(例えば、散剤)、ペースト剤、タップ、点眼剤若しくは眼軟膏剤、又は滴剤若しくは噴霧剤の形態で耳、鼻及び喉のための局所療法として。
図1
図2
図3
図4
図5a)】
図5b)】
図6
図7a)】
図7b)】
【国際調査報告】